JP2005241996A - 光学フィルタモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】 膜の内部応力によって生ずる面の撓みが少ない光学多層膜を具える、波面の狂いが少なくコンパクトな光学フィルタモジュール、特に合分波器を提供することにある。
【解決手段】光学多層膜21〜24と保持部材11〜15とを具え、前記保持部材21〜24はその表面の少なくとも一部に一つ以上の平面部を有し、前記光学多層膜21〜24は前記平面部11〜15に沿わせて接合されている光学フィルタモジュール。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光学フィルタ機能を有する光学フィルタモジュール、特に光通信用に多重光を複数の分波光線に分波し、または、それとは逆に複数の分波光線を一つの多重光に合波する光学フィルタモジュールに関する。
光通信用の光を合波または分波する光学フィルタモジュールは光学多層膜で構成される。これらの光学多層膜はガラス基板面上に高屈折率膜と低屈折率膜を数十層以上積層することによって作製される。このように積層して作製された光学多層膜は、膜の内部応力によって多くの場合撓みが生じてしまう。
一般に光線は、撓みがある光学多層膜を反射し、または透過するとその波面に狂いが生じる。そのため、一つの光ファイバを射出した光線に、このような撓みがある光学多層膜を反射または透過させると、反射または透過して射出する光線の波面に狂いが生じ、他の光ファイバのコアにモードがマッチングした状態で入射せず、光結合効率が低下してしまう。
従来、以上のような光学多層膜の撓みを低減する為に、ガラス基板の厚みを大きくして剛性を大きくすることが行なわれていた。
一方、従来、異なる分光透過率特性を有するフィルタを同一基板上に形成し、各々の光の入射位置及び射出位置にマイクロレンズを具えてなる合分波器が知られている。この合分波器は、フィルタが形成された基板の厚さに応じて、各マイクロレンズの配置ピッチが変化する。例えば、基板の厚さを厚くするほど、各マイクロレンズの配置ピッチが長くなる。(例えば、非特許文献1)
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
インターネット<URL:http://www.omron.co.jp/ecb/products/opt/1/p1x4a.html>
従って、このような光学多層膜の撓みを減らすために、基板を厚くすると、合分波器に設けられるマイクロレンズアレイの配置ピッチが大きくなり、合分波器自体が大きくなってしまう。
本発明は以上の問題を解決し、面の撓みが少ない光学多層膜を具えるコンパクトな光学フィルタモジュールを提供することにある。
以上の課題を解決する為に、本発明の第1の態様の光学フィルタモジュールは、光学多層膜と保持部材とを具え、前記保持部材はその表面の少なくとも一部に平面部を有し、前記光学多層膜と前記保持部材の平面部とを接合する接合部を有するものである。
本発明の第2の態様の光学フィルタモジュールは、第1の態様の光学フィルタモジュールであって、前記接合部は接着剤からなるものである。
本発明の第3の態様の光学フィルタモジュールは、第1または第2の態様の光学フィルタモジュールであって、前記光学多層膜を積層方向に所定間隔を置いて複数具え、前記光学多層膜の膜面に非垂直な方向から前記光学多層膜に、一つの光線を入射させると複数の光線に分波して射出し、それとは逆に分波された複数の光線を入射させると一つの光線に合波して射出するものである。
本発明の第4の態様の光学フィルタモジュールは、第1または第2の態様の光学フィルタモジュールであって、前記光学多層膜を前記平面部に沿わせて前記光学多層膜の膜面方向に所定間隔を置いて複数具え、前記膜面に非垂直な方向から前記光学多層膜に、一つの光線を入射させると複数の光線に分波して射出し、それとは逆に分波された複数の光線を入射させると一つの光線に合波して射出するものである。
本発明の第5の態様の光学フィルタモジュールは、第1〜第4の態様の何れかの光学フィルタモジュールであって、前記光学多層膜は、成膜時に使用した基板が取り除かれた光学多層膜である。
本発明の光学フィルタモジュールによれば、光学多層膜を保持部材に、該保持部材が有する一つの平面に沿わせて接合して構成しているので、光学多層膜の撓みが小さい。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
[第1実施形態]
図1は本実施形態の光学フィルタモジュールの断面を示す概要図である。
図1にて本実施形態の光学フィルタモジュールは、保持部材10と、光学多層膜20と、接着剤層30とから構成される。
本実施形態の光学フィルタモジュールを構成する保持部材10の材料としては、BK7等の光学ガラスが好ましい。保持部材10の材料としては使用光に対して透明であれば光学ガラス以外の合成樹脂等でも良い。保持部材10は、矩形の平行板形状であり、その上面と下面に各々互いに平行な平面部40を具える。保持部材10は、図1に示すような平行板形状の他に、特別の場合、図5に軸に垂直の横断面図で示すようなプリズム形状であっても良く、光学多層膜を沿わせて接合するための平面部さえ具えれば特に形状は限定されない。尚、なるべく薄い保持部材を用いれば、光学フィルタモジュールを小型化できる。
本実施形態の光学フィルタモジュールを構成する光学多層膜20は、異なる2種類以上の屈折率の膜を複数層積層した多層膜であり、好ましくは高屈折率膜と低屈折率膜とを交互に複数層積層した交互層ある。ここで言う高屈折率膜は低屈折率膜よりも屈折率が高い膜の意味であり、低屈折率膜は高屈折率膜よりも屈折率が低い屈折率の膜の意味である。高屈折率膜の物質としては、酸化ニオブ、酸化ネオジム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化チタニウム、酸化ハフニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛等から選ばれた一つ以上が使用でき、また低屈折率膜の物質としては、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム等から選ばれた一つ以上が使用でき、使用波長に対して透明な物質であれば特に物質に制限は無い。
光学多層膜20の膜構成は、周知の光学薄膜設計法を用いて所望の分光特性と入射角度θと入出射媒質の屈折率とに対して、構成する各膜の屈折率即ち膜物質と、膜厚と、必要な層数とを設計することによって決定される。ここで所望の分光特性は、一つの所定の波長帯域の光を反射し、他の所定の波長帯域の光を透過するように決定される。
光学多層膜20は、スパッタ法等の真空成膜法で成膜されることが好ましい。
光学多層膜20は、可溶性の基板面上に光学多層膜を成膜し、その後基板を溶解して作製しても良いし、ガラス基板面上にアルミニウム等の可溶性物質の薄膜を成膜し、その可溶性物質薄膜面上に光学多層膜を成膜し、その後可溶性物質薄膜を溶解して光学多層膜を剥離することによって作製しても良い。
光学多層膜20は、例えば以下のようにして作製される。
(1)ガラス基板を用意する。このガラス基板は少なくとも膜形成面が研磨されている。
(2)ガラス基板面上にアルミニウム膜を膜厚50nm形成する。
(3)アルミニウム膜が形成されたガラス基板をスパッタ装置にセットし、所定基板温度、圧力条件下で、ターゲットをスパッタすることにより高屈折率膜と低屈折率膜の交互層を成膜する。
(4)所定の層数の成膜が終了したら、ガラス基板を冷却後、スパッタ装置の真空槽内を大気圧に戻し、ガラス基板を取り出す。この後、所望の寸法の光学多層膜を得る為に、ダイシングソーにより膜面にガラス基板の中にまで届く深さの切り込みを入れて膜を区分する。
(5)ガラス基板を10重量%のNaOH水溶液に浸漬し、アルミニウム膜を溶解し、光学多層膜をガラス基板から剥離する。
このようにして作製された基板を持たない光学多層膜は、多くの場合、膜面が平面ではなく曲面状に撓んでいる。
次に、図1にて、本実施形態の光学フィルタモジュールを構成する接着剤層30の接着剤としては、エポキシ樹脂系接着剤(例えばNTTアドバンステクノロジー社製のAT3925M等)やアクリレート系接着剤(例えばNTTアドバンステクノロジー社製のAT6001等)やメタクリレート系接着剤(例えばオプトクレーブ社製UT20等)を好ましく使用することができるが、光学多層膜20を平面部40に接合することができ、使用光に対して透明であれば特に限定されない。
本実施形態の光学フィルタモジュールは、保持部材10の一方の平面部40に、予めほぼ平面状に伸ばしておいた光学多層膜20を未硬化の接着剤層30を介して押し付け、光学多層膜20の面を平面部40に沿わせることによって光学多層膜20の膜面を接着剤層30を介して平面部40にほぼ平行に保ちながら接着剤層30を硬化させることによって作製される。尚、(5)の段階でガラス基板から剥離された光学多層膜が撓んでいるときに、この光学多層膜を押し伸ばして図1に於ける保持部材10の平面部40に沿わせて接着剤層30を介して接合するときに保持部材10には光学多層膜20から平面部40を撓ませる力を受けるが、保持部材10に直接光学多層膜を成膜する際に生ずる応力よりも小さい力なので、保持部材10の平面部40の撓みは殆ど生じず、従って、光学多層膜面20も良い平面度に接合される。
本実施形態の光学フィルタモジュールの機能を図1、図6を参照して説明する。
図1、図6にて、本実施形態の光学フィルタモジュールは光強度が1に規格化された入射光I0を上方から入射角θで入射させると、分光反射特性R0で示される所定の波長帯域の光を上方に反射角θで反射し、分光透過特性T0で示される所定の波長帯域の光を下方に所定の射出角で透過する。また、それとは逆に分光反射特性R0で示される所定の波長帯域の光を上方から入射角θで、分光透過特性T0で示される所定の波長帯域の光を下方から所定の入射角で入射させると、これらを合成した光I0を上方に射出角θで射出するよう構成されている。ここで、反射光が顕著な波長帯域から透過光が顕著な波長帯域に移り変わる波長をカットオフ波長と呼ぶ。
従って、本実施形態の光学フィルタモジュールは、前記カットオフ波長より短い主波長λ1の光W1と前記カットオフ波長より長い主波長λ2の光W2とを含む多重光W1+W2を上方から入射角θで入射させると、多重光W1+W2を分波し、分波された分波光W1を上方に反射角θで反射して射出し、分波された分波光W2を下方に射出角θで射出する。また、それとは逆に分波光W1を上方から入射角θで入射させ、分波光W2を下方から所定の入射角で入射させると、分波光W1と分波光W2とを合波し、主波長λ1の光W1と主波長λ2の光W2とを含む多重光W1+W2を射出角θで上方に射出する。
本実施形態の光学フィルタモジュールは、基板から取り外された光学多層膜20が保持部材10の平面部40に沿わせて接合されているので、保持部材10が薄くても光学多層膜20の面の撓みが殆ど生じず、従って、光学多層膜20を反射または透過して分波や合波をした分波光や合波光の波面が狂うことが少ない。従って本実施形態の光学フィルタモジュールを射出する分波光や合波光が所定外の方向に逸れたり、所定外の発散をすることが少ないので、該分波光や該合波光を光ファイバに入射させる場合に光結合効率が高く、光損失が少ない。
また、本実施形態の光学フィルタモジュールは、これを構成する保持部材10の厚みが従来の光学多層膜を直接基板面上に成膜してなる光学フィルタモジュールを構成する基板の厚みよりも一般に薄いので、従来のものよりもコンパクトである。
[第2実施形態]
図2は本実施形態の光学フィルタモジュールの断面を示す概要図である。
図2にて、本実施形態の光学フィルタモジュールは、光学多層膜を保持部材の平面部に沿わせて接着剤層で接合したユニットを積層方向に複数ユニット配置して構成されていることに特徴がある。
本実施形態の光学フィルタモジュールは、保持部材11〜15と、光学多層膜21〜24と、接着剤層31〜38とから構成される。
ここで構成要素である保持部材11〜15、光学多層膜21〜24、及び接着剤層31〜38の詳しい構成や機能や作用については第1実施形態の欄の説明を参照することができるので、繰り返して説明しない。
図2にて、本実施形態の光学フィルタモジュールにおいて、光学多層膜21の上面は接着剤層31を介して保持部材11の下面に沿わせて接合され、光学多層膜21の下面は接着剤層32を介して保持部材12の上面に沿わせて接合されている。同様にして、光学多層膜22の上面は保持部材12の下面の平面部に、光学多層膜22の下面は保持部材13の上面の平面部に接合され、また光学多層膜23の上面は保持部材13の下面に、光学多層膜23の下面は保持部材14の上面に接合され、更に光学多層膜24の上面は保持部材14の下面に、光学多層膜24の下面は保持部材15の上面に接合されている。
このようにして、本実施形態の光学フィルタモジュールに於いては保持部材12〜24と接着剤層31〜37の厚みに依存する間隔を隔てて光学多層膜21〜24が積層的に平行平面状に配置されている。尚、光学多層膜21は、挟持する保持部材11と保持部材12との両方に沿わせて接合される必要がなく、何れか一方の保持部材に沿わせて接合されれば良い。多層膜22、23、24についても同様である。
本実施形態の光学フィルタモジュールの機能を図2、図7を参照して説明する。
図7は本実施形態の光学フィルタモジュールを構成する光学多層膜21〜24の分光透過特性と分光反射特性と、分波光W1、W2、W3、W4のスペクトルとを示す。尚、光学多層膜21〜24のカットオフ波長の相互の違いを理解し易くするために、分光透過特性と分光反射特性の相対光強度の高さを相互にずらしており、この高さの違いは発明の本質とは無関係である。
図2、図7にて、本実施形態の光学フィルタモジュールを構成する光学多層膜21は、
分光反射特性R1で示される波長帯域の光を所定の反射角で反射して分光透過特性T1で示される波長帯域の光を所定の射出角で透過し、同様に、光学多層膜22は、波長帯域R2の光を反射して波長帯域T2の光を透過し、光学多層膜23は、波長帯域R3の光を反射して波長帯域T3の光を透過し、光学多層膜24は、波長帯域が波長λ4を含む波長帯域R4の光を反射するように構成されている。ここで、光学多層膜21〜23は、そのカットオフ波長を各々Λ1、Λ2、Λ3とすると、Λ1<Λ2<Λ3となるように構成されている。また、分波光W1、W2、W3、W4の主波長を、各々λ1、λ2、λ3、λ4とすると、光学多層膜21〜24は、λ1<Λ1<λ2<Λ2<λ3<Λ3<λ4の関係を保つように構成されている。
すると、本実施形態の光学フィルタモジュールは、主波長λ1の光W1と主波長λ2の光W2と主波長λ3の光W3と主波長λ4の光W4とを含む多重光W1+W2+W3+W4を上方から入射角θで入射させると、多重光W1+W2+W3+W4を次々に分波し、分波された分波光W1、分波光W2、分波光W3、分波光W4を次々に上方に反射角θで反射して射出する。また、それとは逆に分波光W1と分波光W2と分波光W3と分波光W4とを所定間隔で上方から入射角θで入射させると、分波光W1と分波光W2と分波光W3と分波光W4とを次々に合波し、主波長λ1の光W1と主波長λ2の光W2と主波長λ3の光W3と主波長λ4の光W4を含む多重光W1+W2+W3+W4を射出角θで上方に反射して射出する。
本実施形態の光学フィルタモジュールは、基板から取り外された光学多層膜21〜24が保持部材11〜15の各平面部に沿わせて接合されているので、光学多層膜21〜24の面の撓みが殆ど生じず、従って、光学多層膜21〜24を反射または透過して分波や合波をした分波光や合波光の波面が狂うことが少ない。従って本実施形態の光学フィルタモジュールを射出する分波光や合波光が所定外の方向に逸れたり、所定外の発散をすることが少ないので、該分波光や該合波光を光ファイバに入射させる場合に光結合効率が高く、光損失が少ない。
また、本実施形態の光学フィルタモジュールは、光学多層膜を平行板状の保持部材に沿わせて接合することによって光学多層膜21〜24が平行に配置されているので、合波光を分波して分波光W1、W2、W3、W4を相互に平行な方向に射出することができ、また、方向が相互に平行な分波光W1、W2、W3、W4を入射して合波することができるので、調整が容易で使い易い。
また、本実施形態の光学フィルタモジュールは、各保持部材12、13、14の厚さを薄くすることで、分波光W1、W2、W3、W4の射出間隔を狭くすることが出来る。故に、それぞれの分波光を不図示の集光用のマイクロレンズにより集光して、光ファイバ端面に入射させる際、各マイクロレンズの間隔を狭くすることが出来る。従って、本実施形態の光学フィルタモジュールは、小型の分波器の実現を可能にする。
更に、本実施形態の光学フィルタモジュールは、例えば、保持部材12、13、14の厚み並びに屈折率を相互に等しくし、接着剤層32、33、34、35、36、37の厚み並びに屈折率を相互に等しくすれば、合波光を分波して分波光W1、W2、W3、W4を相互に平行な方向に等間隔に射出することができ、また、方向が相互に平行な等間隔の分波光W1、W2、W3、W4を入射して合波して射出することができるので、調整が更に容易で使い易い。ここで、分波光の間隔は保持部材の厚みと屈折率、接着剤層の厚みと屈折率、及び入射角θを与えることによって決定される。
[第3実施形態]
図3は本実施形態の光学フィルタモジュールの断面を示す概要図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。尚、上記各実施形態と同一構成の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図3にて、本実施形態の光学フィルタモジュールは、保持部材の平面部に沿わせて複数の光学多層膜を相互に隣接して接着剤層で接合して構成されていることに特徴がある。
本実施形態の光学フィルタモジュールは、保持部材11、12と、光学多層膜21〜24と、接着剤層31、32とから構成される。
ここで構成要素である保持部材11、12、光学多層膜21〜24、及び接着剤層31、32の詳しい構成や機能や作用については第1実施形態の欄の説明を参照することができるので、繰り返して説明しない。
図3にて、本実施形態の光学フィルタモジュールを構成する保持部材11は第1実施形態で説明したものと同様であるが、本実施形態の光学フィルタモジュールを構成する保持部材12は更に平面部43が反射面とされている点に特徴がある。この反射面43は、保持部材12の内部から外部に向かう、λ1、λ2、λ3、λ4を含む対象とする全ての波長域の光を反射するように構成され、保持部材12の屈折率と空気の屈折率差を考慮して、平面部43に入射する入射角が全反射条件となるように保持部材11への入射面に対する入射角を設定することで設けられた全反射面が好ましい。また、金膜等の金属膜反射面、または誘電体多層膜反射面でも良い。
本実施形態の光学フィルタモジュールを構成する光学多層膜21〜24は、矩形状の拡がりを有し、矩形の一辺を互いに隣接させて一平面上のx軸方向に配列され、保持部材11と保持部材12との間に配置され、光学多層膜21〜24の下面は接着剤層32を介して保持部材12の平面部42に沿わせて平行に接合され、光学多層膜21〜24の上面は接着剤層31を介して保持部材11の平面部41に平行に接合されている。尚、光学多層膜21〜24は、平面部41に必ずしも平行に接合する必要がない。平行に接合されないときには、光学フィルタモジュールへの光の入射角と射出角は異なる。
このようにして、本実施形態の光学フィルタモジュールに於いて、光学多層膜21〜24は反射面43と所定間隔を置いて平行に接合されている。
本実施形態の光学フィルタモジュールの機能を図3、図8を参照して説明する。
図8は、本実施形態の光学フィルタモジュールを構成する光学多層膜21〜24の分光透過特性と分光反射特性と、分波光W1、W2、W3、W4のスペクトルとを示す。尚、光学多層膜21〜24のカットオフ波長の相互の違いを理解し易くするために、分光透過特性と分光反射特性の相対光強度の高さを相互にずらしており、この高さの違いは発明の本質ではない。
図3、図8にて、本実施形態の光学フィルタモジュールを構成する光学多層膜21は、
分光透過特性T1で示される波長帯域の光を透過して分光反射特性R1で示される波長帯域の光を反射し、同様に、光学多層膜22は、波長帯域T2の光を透過して波長帯域R2の光を反射し、光学多層膜23は、波長帯域T3の光を透過して波長帯域R3の光を反射し、光学多層膜24は、波長帯域がλ4を含むT4の光を透過するように構成されている。ここで、光学多層膜21〜23は、そのカットオフ波長を各々Λ1、Λ2、Λ3とすると、Λ1<Λ2<Λ3となるように構成されている。また、分波光W1、W2、W3、W4の主波長を、各々λ1、λ2、λ3、λ4とすると、光学多層膜21〜24は、λ1<Λ1<λ2<Λ2<λ3<Λ3<λ4の関係を保つように構成されている。
すると、本実施形態の光学フィルタモジュールは、主波長λ1の光W1と主波長λ2の光W2と主波長λ3の光W3と主波長λ4の光W4とを含む多重光W1+W2+W3+W4を上方からxy平面に平行に入射角θで入射させると、保持部材11と保持部材12を透過して反射面43で反射され、光学フィルタ21での透過によって主波長λ1の光W1を分波して射出角θで射出し、光学フィルタ21での反射によって残りの光W2+W3+W4を反射面43に戻す。このようにして、本実施形態の光学フィルタモジュールは、多重光W1+W2+W3+W4を次々に分波し、分波された分波光W1、分波光W2、分波光W3、分波光W4を次々に上方に射出角θで射出する。また、それとは逆に分波光W1と分波光W2と分波光W3と分波光W4とを所定間隔で上方から入射角θで入射させると、分波光W1と分波光W2と分波光W3と分波光W4とを次々に合波し、主波長λ1の光W1と主波長λ2の光W2と主波長λ3の光W3と主波長λ4の光W4を含む多重光W1+W2+W3+W4を上方に射出角θで射出する。
尚、図3により理解できるように、分波光の間隔即ち光学多層膜21〜24の配置のピッチは、光線が反射面43で反射されながら接着剤層32と保持部材12中を往復する間にx軸方向に移動する距離に等しくなるように、入射角θ、接着剤層32の厚みと屈折率、及び保持部材12の厚みと屈折率が調整されている。
また、以上の説明では多重光を最初反射面43に向けて入射させる例を説明したが、光学多層膜21に向けて入射させても良いことは言うまでもない。このとき、図8にて、光学多層膜21の分光反射特性をT1で示されるものに、分光透過特性をR1で示されるものに変える必要がある。
本実施形態の光学フィルタモジュールは、基板から取り外された光学多層膜21〜24が保持部材12に沿わせて接合されているので、保持部材12が薄くても光学多層膜21〜24の面の撓みが殆ど生じず、従って、光学多層膜21〜24を反射または透過して分波や合波をした分波光や合波光の波面が狂うことが少ない。従って本実施形態の光学フィルタモジュールを射出する分波光や合波光が所定外の方向に逸れたり、所定外の発散をすることが少ないので、該分波光や該合波光を光ファイバに入射させる場合に光結合効率が高く、光損失が少ない。また、本実施形態の光学フィルタモジュールは、異なる分光特性を有する複数の光学多層膜を、基板から取り外された光学多層膜を平面部42に接合することによって得ているので、同一平面上に異なる分光特性を有する複数の光学多層膜を具える光学フィルタモジュールを容易に製造することができる。
以上第1〜第3実施形態の光学フィルタモジュールに於いて光学多層膜の膜面を撓ませないで保持部材の厚みを薄くでき、その結果光学フィルタモジュールをコンパクトにできる理由について、本発明者は以下のように考えている。即ち、光学多層膜を基板面上に成膜した時点では光学多層膜の各構成層に内部応力が作用して基板を撓ませるが、光学多層膜を基板から一旦剥離することによって大方の内部応力、特に基板と膜との熱膨張の差に起因する応力が緩和され、また、光学多層膜は保持部材と較べて格段に薄いので、光学多層膜を保持部材に押し伸ばして接合する際にも新たに大きな追加的な内部応力が発生することが少ないので、内部応力による光学多層膜の撓みが小さい。
また、本実施形態の光学フィルタモジュールは、光学多層膜21〜24の面が反射面43に平行に配置されているので、合波光を分波して分波光W1、W2、W3、W4を相互に平行な方向に等間隔で射出することができ、また、方向が相互に平行な等間隔の分波光W1、W2、W3、W4を入射して合波することができるので、調整が容易で使い易い。
[第4実施形態]
図4は本実施形態の光学フィルタモジュールの断面を示す概要図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。尚、上記各実施形態と同一構成の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図4にて、本実施形態の光学フィルタモジュールは、保持部材の平面部に沿わせて複数の光学多層膜を相互に隣接して接着剤層で接合して構成されている点では第3実施形態の光学フィルタモジュールと同様であるが、光学フィルタモジュールの入射、射出側にプリズム形状の保持部材11を設けたことに特徴がある。
本実施形態の光学フィルタモジュールは、保持部材11、12と、光学多層膜21〜24と、接着剤層31、32とから構成される。
本実施形態の光学フィルタモジュールは、保持部材11が平行板形状ではなくて、底面と上面とが平行で且つ軸に垂直な三角柱形状である点と、光学多層膜21の分光特性のみが第3実施形態の光学フィルタモジュールと異なるので、この異なる点に関連した点のみを説明する。
図4にて、本実施形態の光学フィルタモジュールを構成する光学多層膜21〜24の上面は保持部材11の軸に平行な三つの面の内の第1の面6即ち平面部41に沿わせて接着剤層31を介して平面部41に平行に接合されており、光学多層膜21〜24の下面は平面部42に沿わせて接着剤層32を介して平面部42に平行に接合されている。
本実施形態の光学フィルタモジュールの機能を図4、図9を参照して説明する。
図9は、本実施形態の光学フィルタモジュールを構成する光学多層膜21〜24の分光透過特性と分光反射特性と、分波光W1、W2、W3、W4のスペクトルとを示す。
本実施形態の光学フィルタモジュールは、図8に示す第3実施形態の光学フィルタモジュールとは、第2の面7から光を入射して第3の面8から光を射出する点、またこれとは逆に第3の面8から光を入射して第2の面7から光を射出する点、また、光学多層膜21が入射角θにて波長帯域R1の光を反射して波長帯域T1の光を透過する点のみで異なるので、以下これらの相違点に関連した点のみを説明する。
図4、図9にて、本実施形態の光学フィルタモジュールは、主波長λ1の光W1と主波長λ2の光W2と主波長λ3の光W3と主波長λ4の光W4とを含む多重光W1+W2+W3+W4を第2の面7から入射させると、保持部材11と接着剤層31を透過して光学フィルタ21での反射によって主波長λ1の光W1を分波して第3の面8から射出し、光学フィルタ21での透過によって残りの光W2+W3+W4を反射面43に向ける。このようにして、本実施形態の光学フィルタモジュールは、多重光W1+W2+W3+W4を次々に分波し、分波された分波光W1、分波光W2、分波光W3、及び分波光W4を次々に第3の面8から射出する。また、それとは逆に分波光W1と分波光W2と分波光W3と分波光W4とを所定間隔で第3の面8から入射させると、分波光W1と分波光W2と分波光W3と分波光W4とを次々に合波し、主波長λ1の光W1と主波長λ2の光W2と主波長λ3の光W3と主波長λ4の光W4とを含む多重光W1+W2+W3+W4を第2の面7から射出する。
ここで図4により直ちに分かるように、保持部材11の頂角9を直角にすれば第2の面7から面に垂直方向に光を入射させて各光学多層膜21〜24には所定角度で入射し、第3の面8から面に垂直方向に分波光を射出し、それとは逆に第3の面8から面に垂直方向に分波光を入射させて第2の面7から面に垂直方向に多重光を射出することができる。
尚、以上の説明では多重光を最初光学多層膜21に向けて入射させる例を説明したが、反射面43に向けて入射させても良いことは言うまでもない。このとき、図9にて、光学多層膜21の分光反射特性をT1で示されるものに、分光透過特性をR1で示されるものに変える必要がある。
本実施形態の光学フィルタモジュールは、第3実施形態の光学フィルタモジュールと同様な作用効果を奏する他に、第2の面7及び第3の面8から垂直方向に光を入射または射出させることができるので、光学フィルタモジュールに入射またはこれを射出する光が屈折率分散のために波長によって屈折角が異なって波長によって進行方向が異なることによって生ずる悪影響を解消することができる。
尚、以上第1〜第4実施形態では光学フィルタモジュールを主に分波器として説明したが、分波されて射出する各波長の光を、逆方向に入射すれば、各波長の光を合波する合波器として機能させることができる。
第1実施形態の光学フィルタモジュールを示す。 第2実施形態の光学フィルタモジュールを示す。 第3実施形態の光学フィルタモジュールを示す。 第4実施形態の光学フィルタモジュールを示す。 三角柱形状の保持部材の断面形状を示す。 第1実施形態の光学フィルタモジュールの機能説明を示す図である。 第2実施形態の光学フィルタモジュールの機能説明を示す図である。 第3実施形態の光学フィルタモジュールの機能説明を示す図である。 第4実施形態の光学フィルタモジュールの機能説明を示す図である。
符号の説明
10〜15 保持部材
20〜24 光学多層膜
30〜38 接着剤層
40〜42 平面部
43 反射面(平面部)
6(41) 第1の面(平面部)
7 第2の面
8 第3の面
9 頂角

Claims (5)

  1. 光学多層膜と保持部材とを具え、前記保持部材はその表面の少なくとも一部に平面部を有し、前記光学多層膜と前記保持部材の平面部とを接合する接合部を有することを特徴とする光学フィルタモジュール。
  2. 請求項1に記載の光学フィルタモジュールであって、前記接合部は接着剤からなることを特徴とする光学フィルタモジュール。
  3. 請求項1又は2に記載の光学フィルタモジュールであって、前記光学多層膜を積層方向に所定間隔を置いて複数具え、前記光学多層膜の膜面に非垂直な方向から前記光学多層膜に、一つの光線を入射させると複数の光線に分波して射出し、それとは逆に分波された複数の光線を入射させると一つの光線に合波して射出することを特徴とする光学フィルタモジュール。
  4. 請求項1又は2に記載の光学フィルタモジュールであって、前記光学多層膜を前記平面部に沿わせて前記光学多層膜の膜面方向に所定間隔を置いて複数具え、前記膜面に非垂直な方向から前記光学多層膜に、一つの光線を入射させると複数の光線に分波して射出し、それとは逆に分波された複数の光線を入射させると一つの光線に合波して射出することを特徴とする光学フィルタモジュール。
  5. 請求項1〜4何れか1項に記載の光学フィルタモジュールであって、前記光学多層膜は、成膜時に使用した基板が取り除かれた光学多層膜であることを特徴とする光学フィルタモジュール。
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