JP2008209916A - 光合分波器およびこれを用いた光送受信器 - Google Patents
光合分波器およびこれを用いた光送受信器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008209916A JP2008209916A JP2008018676A JP2008018676A JP2008209916A JP 2008209916 A JP2008209916 A JP 2008209916A JP 2008018676 A JP2008018676 A JP 2008018676A JP 2008018676 A JP2008018676 A JP 2008018676A JP 2008209916 A JP2008209916 A JP 2008209916A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- optical
- light
- fiber
- demultiplexer
- optical fiber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Optical Couplings Of Light Guides (AREA)
- Light Guides In General And Applications Therefor (AREA)
Abstract
【課題】光フィルタの光の入射角度依存性を低減した光合分波器および光送受信器を提供すること。
【解決手段】第1乃至第3の光ファイバと、第1の光ファイバ1より出射される光を透過光と反射光に分波して第2の光ファイバ2または第3の光ファイバ3に入射する、あるいは第2の光ファイバ2および第3の光ファイバ3より出射される光を合波して第1の光ファイバ1に入射する光フィルタ4と、を備え、光フィルタ4は、光を分波あるいは合波するフィルタ部4bと第1乃至第3の光ファイバの光の出射端部の屈折率よりも大きい屈折率を有する透光性部材4aとを有してなる。
【選択図】図1
【解決手段】第1乃至第3の光ファイバと、第1の光ファイバ1より出射される光を透過光と反射光に分波して第2の光ファイバ2または第3の光ファイバ3に入射する、あるいは第2の光ファイバ2および第3の光ファイバ3より出射される光を合波して第1の光ファイバ1に入射する光フィルタ4と、を備え、光フィルタ4は、光を分波あるいは合波するフィルタ部4bと第1乃至第3の光ファイバの光の出射端部の屈折率よりも大きい屈折率を有する透光性部材4aとを有してなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数の波長を有する光を分波、もしくは複数の光を合波する機能を有する光合分波器、およびこのような光合分波器を備えてなる光送受信器に関するものである。
近年、光通信部品の分野においては、情報の大容量化に伴い大規模化するシステムの小型化が進められている。このようなシステムにおいては、1つの光ファイバの信号光を複数の光ファイバに分割して用いる多分岐方式や1本のファイバに多数の波長の光を合波して乗せる波長多重伝送方式の採用が増大している。このような波長の多分岐または波長多重を行う光通信部品としては光合分波器が用いられている。
光合分波器100は、図5に示すように、光ファイバ101の一端から2つの異なる波長領域λ1、λ2を有する光が入射されると、その光は光ファイバ101内を伝送して光ファイバ101の他端から出射され、光フィルタ104に入射される。そして、この光フィルタ104は、波長に応じて光を選択的に透過もしくは反射する機能をする薄膜104bが透明基板104a上に形成されてなる。そのため、この光フィルタ104が波長領域λ1の光を透過し、波長領域λ2の光を反射する機能を有する場合、波長領域λ1の光は光フィルタ104を透過して光ファイバ102に入射される。一方で、波長領域λ2の光は光フィルタ104で反射されて光ファイバ103に入射される。上述した作用により、光合分波器は、1本のファイバに複数の波長の光が混在していても、波長に応じて他の光ファイバに光を出力することができる。また、光合分波器は、先に詳述した光の進行を逆方向にすれば、各光ファイバから導入された異なる波長の光を1本のファイバに合波することができる(たとえば、特許文献1参照)。
特開2001−343551号公報
従来の光合分波器100では、光フィルタ104の薄膜104bの光入射面に直交する方向に対して、光ファイバから出射された光が傾いた状態で薄膜104bに入射される。そのため、光合分波器100では、光フィルタの入射角度依存性が大きくなり、光合分波器の光学特性が悪くなっていた。具体的に、光フィルタの光の入射角度依存性とは、光フィルタのフィルタ膜を構成する薄膜104bに対する光の入射角度に応じて、波長選択性の劣化が生じる現象である。
本発明の光合分波器は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、第1乃至第3の光ファイバと、前記第1の光ファイバより出射される光を透過光と反射光に分波して前記第2の光ファイバまたは前記第3の光ファイバに入射する、あるいは前記第2の光ファイバおよび前記第3の光ファイバより出射される光を合波して前記第1の光ファイバに入射する光フィルタと、を備え、前記光フィルタは、光を分波あるいは合波するフィルタ部と前記第1乃至第3の光ファイバの光の出射端部の屈折率よりも大きい屈折率を有する透光性部材とを有してなることを特徴とする。
また、本発明の光送受信器は、本発明の光合分波器と、該光合分波器に入射する光を送信する発光手段と、該発光手段から送信された光を前記光合分波器を介して受信する受光手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、光フィルタを構成する透光性部材の屈折率を第1乃至第3の光ファイバの光の出射端部における屈折率よりも大きくしたことにより、第1の光ファイバに入力された光は、フィルタ膜の光入射面に直交する方向に対する角度が小さくなる方向に屈折するため、透光性部材内において、第1の光ファイバからの出射角度よりも小さい角度で光を伝送させることができる。その結果、本発明では、第1の光ファイバから出射された光のフィルタ膜への入射角度を小さくすることができるため、光フィルタの光の入射角度依存性を低減することができる。
また、本発明において、透光性部材の一主面に直に形成すれば、蒸着等の簡易な薄膜形成方法によってフィルタ部を形成することができるため、製造工程の簡易化という観点で好適である。
また、本発明において、光フィルタを透光性部材の内部に形成すれば、たとえば外部の環境変化に伴って生じるフィルタ部の劣化を低減することができる。
また、本発明において、光ファイバと透光性部材との間に、光の光路を補正する光路補正部材を設ければ、光フィルタから出射された光(透過光もしくは反射光)の光路を所望の方向に変えることができるため、光ファイバ間で生じる光の損失を低減することができる。さらに、光路補正部材の屈折率を出射端部の屈折率よりも小さくすれば、光路補正部材を光フィルタと平行に設置することも可能となるため、光路補正部材の位置合わせが容易になる。
また、本発明において、第1乃至第3の光ファイバの出射端部をコアレスファイバとし、かつ該コアレスファイバに屈折率分布型レンズを接続してなる構成にすれば、光学的に結合する光ファイバ間の距離を広げても光の損失を低減することができるため、光フィルタを構成する透光性部材の厚みを大きくすることができる。
以下に、本発明の第1の実施形態にかかる光合分波器について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる光合分波器を示す図であり、図1(a)が斜視図、図1(b)が平面図、図1(c)が光の伝送の様子を説明する説明図である。本発明の第1の実施形態に係る光合分波器Xは、図1(a)および図1(b)に示すように、第1光ファイバ1と、第2光ファイバ2と、第3光ファイバ3と、光フィルタ4と、基板5と、光学接着剤6と、蓋体7と、を備えている。なお、光ファイバおよび光フィルタの配置を明瞭にすべく、図1(a)では光学接着剤を省略し、図1(b)では蓋体7を省略している。
第1光ファイバ1は、屈折率分布ファイバ1bの一端にシングルモードファイバ1aが接続され、他端にコアレスファイバ1cが接続されてなる。第2光ファイバ2は、屈折率分布ファイバ2bの一端にシングルモードファイバ2aが接続され、他端にコアレスファイバ2cが接続されてなる。第3光ファイバ3は、屈折率分布ファイバ3bの一端にシングルモードファイバ3aが接続され、他端にコアレスファイバ3cが接続されてなる。
シングルモードファイバ1a、2a、3aは、屈折率の高いコア部と該コア部の外周を被覆するクラッド部からなり、コア部とクラッド部との屈折率差による反射を利用することによってコア部内で光を伝送するものであり、たとえば円柱状の石英等から構成され、クラッド部の外径が125μm、コア部の径が10μm程度である。
屈折率分布ファイバ1b、2b、3bは、その軸対称に屈折率分布を備えていることからレンズ効果を有し、シングルモードファイバ1a、2a、3aから出射する、もしくはシングルモードファイバ1a、2a、3aに入射する光を集光あるいはコリメートする機能を有する。屈折率分布ファイバ1b、2b、3bは、たとえば円柱状の石英等から構成され、クラッド部の外径が125μm、コア部の径が50μm程度であり、コア部に上述した屈折率分布を有する。また、屈折率分布ファイバ1b、2b、3bとシングルモードファイバ1a、2a、3aは、たとえば熱による融着によって接合される。
コアレスファイバ1c、2c、3cは、略均一な屈折率分布を備える、換言すれば、略均一な屈折率で構成されたファイバである。コアレスファイバ1c、2c、3cは、その材質はたとえば石英ガラスからなり、屈折率は1.45程度、透過損失は0.35×10−6dB/mm以下であり、このように透過損失が比較的低いものが好ましい。このコアレスファイバ1c、2c、3cは、外径がシングルモードファイバおよび屈折率分布ファイバと等しく略125μmであり、屈折率分布ファイバ1b、2b、3bと、たとえば熱による融着によって接合される。
このとき、光の透過損失を少なくするためには、屈折率分布ファイバ1b、2b、3bを全て同じ材質、かつ同じ長さで作製することが望ましい。これは、屈折率分布ファイバ1b、2b、3bがシングルモードファイバからのビーム光を集光またはコリメートする場合、集光またはコリメートして最適な光を伝達するためには同じ光学系をそれぞれのビームウエストに対して対称に配置すれば損失が少なくなるという観点から、同じ材料であることが望ましい。
光フィルタ4は、たとえば透光性部材4aの一方の主面にフィルタ膜(フィルタ部)4bが施されることにより形成されている。フィルタ膜4bは異なる複数の波長領域の光を含んでなる光を波長領域ごとに選択的に分離(分波)する機能を有する。具体的に、たとえばフィルタ膜4bは、波長λ1の光を透過し、波長λ2の光を反射する機能を担う。このように、フィルタ膜4bは、それぞれ所定の波長(波長領域)の光を透過し、その他の波長(波長領域)の光を反射することによって波長領域ごとに光を分波する機能を有するものである。
光フィルタ4は、たとえば以下のような手順で作製される。フィルタ膜4bは、たとえば二酸化ケイ素と二酸化チタン等の屈折率の異なる2種類以上の誘電体を交互に積層して構成される多層膜により構成される。この誘電体多層膜は、誘電体膜間の繰り返しの反射干渉により波長選択性を示し、各膜の膜厚は、反射させる光の波長の1/4波長分の倍数の厚みに設定される。このように、誘電体膜の膜厚を1/4波長分の倍数の厚みとすることにより、各誘電体膜界面における多重反射において、ある特定の波長の光の位相が一致し、干渉して強めあうことで波長選択性を有した膜とすることができる。そして、このようなフィルタ膜4bの成膜方法としては、たとえば透光性部材4aの主面に蒸着、スパッタリング等の方法によって容易に作製することができる。また、光フィルタ4を透過する光の波長帯域が5nm以下のような狭帯域のフィルタとする場合、誘電体多層膜の積層数を100層以上とする必要がある。
透光性部材4aは、フィルタ膜4bを支持するための基板となる部材である。透光性部材4aは、光合分波器Xで使用される光の透過率が98%以上の透過特性を有している。透光性部材4aの材質は、上述した透過率を満たすとともに、光ファイバ1乃至光ファイバ3の光の出射端部に配されたコアレスファイバ1c乃至コアレスファイバ3cの屈折率よりも大きい材料であれば特に限定されるものではない。そのため、透光性部材4aの材質には、コアレスファイバ1c乃至コアレスファイバ3cが石英(屈折率:1.45)で形成されていれば、たとえば屈折率が1.5〜1.8程度の光学ガラス(硼珪酸ガラスや白板ガラス)を選択することができる。また、透光性部材4aの大きさは、光の有効径以上あれば特に現体されるものではなく、たとえば0.7mm角、厚みは0.8mmである。
基板5は、表面にV溝が形成されており、このV溝には第1光ファイバ1、第2光ファイバ2、および第3光ファイバ3が接着剤で固定されている。さらに、この基板5上には、光フィルタ4が保持される凹部5aが形成されている。基板5の材質は、特に限定されるものではないが、たとえば石英ガラス、低熱膨張ガラス、シリコン、または低熱膨張樹脂(たとえばエポキシ系樹脂やアクリル系樹脂)で形成される。また、基板5が石英ガラスで構成されているのであれば、平板の石英ガラスに切削加工によりV溝と凹部を加工することにより容易に作製できる。基板5に形成されるV溝は、光ファイバ1乃至光ファイバ3を配する位置に自由に形成される。
光学接着剤6は、コアレスファイバ1c乃至コアレスファイバ3cと光フィルタ4を接合する機能を有する。この光学接着剤6は、コアレスファイバ1c乃至コアレスファイバ3cと略同等の屈折率を有する材質を用いることが好ましく、たとえばコアレスファイバ1c乃至コアレスファイバ3cが石英ガラスで形成されている場合、たとえば透光性のあるエポキシ樹脂、アクリル系樹脂、またはシリコン系樹脂のような材質を選択できる。なお、エポキシ樹脂、シリコン樹脂およびアクリル系樹脂は、添加物によって紫外線硬化または熱硬化する特性を有し、紫外線硬化および熱硬化の特性の両方を有するものであってもよい。このように、光学接着剤6とコアレスファイバ1c乃至コアレスファイバ3cとの屈折率が整合されていれば、光学接着剤とコアレスファイバとの界面で生じる光の反射を低減させることができる。
蓋体7は、図1(a)に示すように、第1光ファイバ1および第3光ファイバ3を覆う蓋体7aと、第2光ファイバ2を覆う蓋体7bがある。この蓋体7は、第1光ファイバ1乃至第3光ファイバの上部に配置され、基体5と協同して固定する機能を担う。なお、各光ファイバの固定には、たとえばエポキシ系の接着剤を用いることができる。蓋体7の材質は、たとえば石英ガラス、低熱膨張ガラス、シリコン、または低熱膨張樹脂(たとえばエポキシ系樹脂やアクリル系樹脂)で構成され、例えば、蓋体7を石英ガラスで構成する場合には、平板の石英ガラスに切削加工を施すことで所定の形状にすることが可能である。
次に、光合分波器Xの動作について図1(c)を参照しつつ説明する。
まず、光合分波器Xの光の分波作用について説明する。光ファイバ1のシングルモードファイバ1aに波長λ1、波長λ2の光が入射されると、その光は屈折率分布ファイバ1bによって集光もしくはコリメータされ、コアレスファイバ1cから出射される。そして、コアレスファイバ1cから出射された光は、光学接着剤6を介して光フィルタ4の透光性部材4aに入射される。このとき、透光性部材4aに入射された光は、透光性部材4aの屈折率がコアレスファイバ1cの屈折率より高く設定されているため、光の屈折が生じ、コアレスファイバ1cからの出射角度に対して小さい角度で透光性部材4a内を伝送することとなる。すなわち、透光性部材4aを伝送する光は、コアレスファイバ1cと透光性部材4aの屈折率が同等であった場合に比べて光の角度が小さくなるとともに、光路を長くすることができる。なお、上述した光の角度とは、光フィルタ4のフィルタ膜4bの光入射面4b’と直交する方向に対して傾く角度を指す。その後、透光性部材4aを伝送する光は、光の集光位置付近もしくはコリメータ光の中心付近に配置したフィルタ膜4bに入射される。フィルタ膜4bは、波長λ1の光を透過し、それ以外の波長領域を有する光を反射させて進入を防止する機能を有する。すなわち、本実施形態の場合は、波長λ1の光を透過し、波長λ2の光を反射することとなる。したがって、フィルタ膜4bに入射され光のうち、波長λ1の光は、フィルタ膜4bおよび光学接着剤6を透過してコアレスファイバ2cに入射され、屈折率分布ファイバ2bを介してシングルモードファイバ2aに出力される。一方で、フィルタ膜4bに入射され光のうち、波長λ2の光は、フィルタ膜4bの表面で反射され、再度、透光性部材4a内を伝送し、光学接着剤6を透過してコアレスファイバ3cに入射され、屈折率分布ファイバ3bを介してシングルモードファイバ3aに出力される。以上のような作用によって、光合分波器Xは、複数の波長の光を分波して、所望の光ファイバに出力することができる。また、光合分波器Xでは、上述した光を逆方向に進行させれば、合波器として機能する。具体的には、光ファイバ2に波長λ1の光を入射し、光ファイバ3に波長λ2の光を入射すれば、光ファイバ1で波長λ1と波長λ2の合波光を得ることができる。
このように本発明の光合分波器によれば、光フィルタ4を構成する透光性部材4aの屈折率を第1光ファイバ1乃至第3光ファイバ3の光の出射端部(コアレスファイバ1c、2c、3c)における屈折率よりも大きくしたことにより、第1光ファイバ1から光フィルタ4に向かって出射する光は、フィルタ膜4bの光入射面4b’に直交する方向に対する角度が小さくなるように屈折がするため、透光性部材4a内において、第1光ファイバ1の出射角度に対して小さい角度で光を伝送させることができる。その結果、本発明では、第1光ファイバ1から出射された光のフィルタ膜への入射角度を小さくすることができるため、光フィルタの光の入射角度依存性を低減することができる。すなわち、本発明の光合分波器では、従来のような光ファイバの配置を変更することなく、光フィルタの光の入射角度依存性を低減することができるため、光ファイバからの出射角度が小さくなるように光ファイバを新たに配置する必要がない。また、本発明の光合分波器では、透光性部材4a内を伝送する光の光路を長くすることができるため、透光性部材4aの厚みを大きくできることから、フィルタ膜4bの反りを低減させることができる。すなわち、本発明では、光ファイバ間のスペースを過度に大きくすることなく透光性部材4aの厚みを確保し、フィルタ膜4bに生じる反りを低減できる。
次に、本発明の第1の実施形態に係る光合分波器Xの製造方法の一例について説明する。
<基板の作製>
基板5は、たとえば石英ガラスからなる平板状部材の一方の面に、ダイシング等の切削加工を施し、光ファイバを保持するためのV溝を互いに中央部で交差するように2本形成することにより得ることができる。
基板5は、たとえば石英ガラスからなる平板状部材の一方の面に、ダイシング等の切削加工を施し、光ファイバを保持するためのV溝を互いに中央部で交差するように2本形成することにより得ることができる。
<光ファイバの作製>
光ファイバ1と光ファイバ2は、部品組み立て時は一直線上に繋がったものとして作製し、組み立て後にダイシング等の切削加工によって基体5に凹部5aを形成すると同時に光ファイバ1と光ファイバ2に分離するため、まず、光ファイバ1と光ファイバ2とが一体的に形成された光ファイバ体を作製する。
光ファイバ1と光ファイバ2は、部品組み立て時は一直線上に繋がったものとして作製し、組み立て後にダイシング等の切削加工によって基体5に凹部5aを形成すると同時に光ファイバ1と光ファイバ2に分離するため、まず、光ファイバ1と光ファイバ2とが一体的に形成された光ファイバ体を作製する。
まず、シングルモードファイバ1a、屈折率分布ファイバ1b、コアレスファイバ1c、コアレスファイバ2c、屈折率分布ファイバ2b、シングルモードファイバ2aを、一直線上になるように放電等の手段で融着接合し、1本の光ファイバ体を作製する。一方で、シングルモードファイバ3a、屈折率分布ファイバ3b、コアレスファイバ3cを、一直線上になるように放電等の手段で融着接合し、光ファイバ3を作製する。
<光合分波器の組立>
まず、基体5のV溝に、光ファイバを固定するための紫外線硬化型樹脂からなる接着剤を塗布する。次に、基体5のV溝の交点に光ファイバ体のコアレスファイバ部の中心がくるように位置決めして光ファイバ体を1本目のV溝内に配置する。次いで、光ファイバ3をもう一方のV溝内に配置する。このとき、光ファイバ3は、コアレスファイバ3cが光ファイバ体のコアレスファイバ部に近接するように配置する。その後、各光ファイバを覆うように蓋体7を載置した後、上方から各光ファイバを押さえて接着剤に紫外線を照射することによって固定する。
まず、基体5のV溝に、光ファイバを固定するための紫外線硬化型樹脂からなる接着剤を塗布する。次に、基体5のV溝の交点に光ファイバ体のコアレスファイバ部の中心がくるように位置決めして光ファイバ体を1本目のV溝内に配置する。次いで、光ファイバ3をもう一方のV溝内に配置する。このとき、光ファイバ3は、コアレスファイバ3cが光ファイバ体のコアレスファイバ部に近接するように配置する。その後、各光ファイバを覆うように蓋体7を載置した後、上方から各光ファイバを押さえて接着剤に紫外線を照射することによって固定する。
次いで、V溝交点の中心を結ぶ線を中心として、ダイシング等の加工により凹部5aを形成し、光フィルタ4を配置する空間を確保すると同時に、コアレスファイバをコアレスファイバ1c、2cに、また蓋体7をそれぞれ蓋体7a、7bに分離する。なお、凹部5aの幅は、光フィルタ4の幅より若干大きくなるようにする。
次いで、光学接着剤6を凹部5aに充填した後に、凹部5aの所定の位置に光フィルタ4を配置する。そして、この光学接着剤6を硬化させる前に光フィルタ4の光学調整を行う。具体的には、まず、光ファイバ1から光を入力し、光ファイバ2から出力する光が最大となる角度になるよう光フィルタ4を調整する。この状態で、光学接着剤6に紫外線を照射することによって硬化して光フィルタ4を位置決め固定する。以上の工程によって、光合分波器Xが作製される。なお、光フィルタ4と各コアレスファイバ1c〜3cの間には、光学接着剤6が十分充填されるようにする。
本実施の形態では、コアレスファイバ1c〜3cをそれぞれ屈折率分布ファイバ1b〜3bの端部に接続し、光フィルタ4の表面近くまで配置することにより、物理的に位置決めがしやすく、光フィルタ4とコアレスファイバ1c〜3cを接合する光学接着剤6の量を低減することができる。これにより、光学接着剤6の光吸収や、光学接着剤6の熱膨張によるズレや応力の影響を抑制でき、挿入損失を低減することができる。
以下に、本発明の他の実施形態について、図2および図3を用いて説明する。なお、図1を参照して先に説明した光合分波器Xと同様な要素および部材については同一の符号を付してあり、重複説明は省略する。
図2は、本発明の第2の実施形態にかかる光合分波器X1を示す断面図である。光合分波器X1は、透光性部材の内部にフィルタ膜4bが形成されている光フィルタ4’を用いている点で第1の実施形態の光合分波器Xと相違する。すなわち光フィルタ4は、透光性部材4aおよび透光性部材4a’の間にフィルタ膜4bが挟み込まれている。このようにフィルタ膜4bが透光性部材の内部に形成されていれば、たとえば光フィルタ4に外部から応力や熱衝撃が作用しても、フィルタ膜4bに対する影響を低減させることができるため、フィルタ膜4bの劣化を抑制することができる。
また、光合分波器X1では、第2光ファイバ2側の透光性部材4a’を光ファイバ2の出射端部の屈折率(本実施形態ではコアレスファイバ2cの屈折率)よりも大きくすれば、光ファイバ2から光フィルタ4’に向けて出射される光のフィルタ膜4bの入射角度を小さくすることができるという点でも優れている。このような光フィルタ4の製造方法としては、たとえば平板状の透光性部材4aの一主面にフィルタ膜4bを形成した部材に、該フィルタ膜4bを挟み込むように他の透光性部材を貼り付けることにより作製することができる。
図3は、本発明の第3の実施形態にかかる光合分波器X2を示す断面図である。光合分波器X2は、図3(a)に示すように、第2光ファイバ2と光フィルタ4との間に、光の光路を補正する光路補正部材10を設けた点で第1の実施形態の光合分波器Xと相違する。
光路補正部材10は、光フィルタ4から出射された光の光路を変換し、損失が小さくなるように当該出射光を所望の光ファイバに入射できるよう、光路を補正するための部材である。光路補正部材10は、光ファイバ1〜3の出射端部の(コアレスファイバ1c〜3c)と異なる屈折率を有するように形成され、コアレスファイバ1c〜3cが石英で形成されているのであれば、たとえば硼珪酸ガラス、白板ガラス等の光学ガラス、あるいはエポキシ系、アクリル系の透光性樹脂からなり、屈折率は1.5〜1.8程度で調整されたものを好適に利用できる。また、光路補正部材10の形状は、平板状、楔形状のような様々な形状を選択できる。光路補正部材10の大きさは、光の有効径以上あればよく、平板状の光路補正部材を用いるのであれば、たとえば0.5mm角、厚みは0.4mmに設定される。
このように、光路補正部材10は、光フィルタから出射された光(透過光もしくは反射光)の光路を所望の方向に変えることができるため、光ファイバとの挿入損失を低減することができる。さらに、光路補正部材10を用いた光合分波器X2であれば、光フィルタ4から出射された光の光路を自由に変えることができるため、光合分波器の設計の自由度を向上させることができる。この光路補正部材10は、光フィルタ4と同様に光学接着剤6で固定され、光合分波器の組立時においては、光フィルタを配置した後に、光学調整を行いつつ光学接着剤6で固定される。また、光路補正部材10は、光フィルタから出射光または光フィルタへの入射光の光路を変換できるような位置(光ファイバと光フィルタとの間)であれば、配置方法は特に限定されるものではく、たとえば光フィルタ4と当接させてもよく、離間させた状態で配置してもよい。但し、光路補正部材10の光学調整を光フィルタ4と独立して高精度に行うという観点では、離間させた状態で配置すると好適である。なお、図3(a)に示した光合分波器2では、第2光ファイバと光フィルタ4との間に光路補正部材10を配置した形態を示したが、本発明ではこのような形態に限られることなく、たとえば第1光ファイバおよび第3光ファイバと光フィルタとの間に光路補正部材10を設けてもよく、また、第1光ファイバおよび第3光ファイバと光フィルタとの間、第2光ファイバと光フィルタとの間にそれぞれ光路補正部材10を配置した形態であってもよい。
また、光合分波器X2では、光路補正部材10の屈折率を光ファイバ1〜3の出射端部に接続されたコアレスファイバ1c〜3cの屈折率よりも小さくすれば、光が透光性部材4aで屈折した方向と逆方向に光路補正部材10内で屈折する。そのため、このような形態によれば、図3(b)に示すように、光ファイバ1および光ファイバ2を一直線上に配置し、かつ光路補正部材10を光フィルタ4と平行に設置することも可能となるため、光合分波器の組み立てが容易になる。なお、光路補正部材10の屈折率を調整するためには、たとえばエポキシ系やアクリル系の透光性樹脂にフッ素を混ぜることにより屈折率を1.3〜1.4程度まで小さくすることが可能である。すなわち、上述した屈折率が小さい光路補正部材10を用いる場合には、製造の容易性という観点から、光路補正部材を構成する材料として、樹脂材料が好適である。
また、光合分波器X2では、光路補正部材10の屈折率を透光性部材板4aの屈折率よりも大きくすれば、光路補正部材10内を伝送する光を大きく屈折させることができる。その結果、このような形態であれば、比較的小さい光路補正部材10であっても、光ファイバ同士の光学的な接続を精度よく行うことができるため、部品の小型化という観点から好適である。光路補正部材10には、たとえば鉛イオン等の重金属イオンをガラスに含有させることによりできる高屈折率ガラスなど屈折率が1.5〜1.8程度の光学ガラス(硼珪酸ガラスや白板ガラス)や結晶材料を選択することができる。
次に、本発明の光送受信器について図面を参照しつつ説明する。図4は本発明の一実施形態である光送受信器Yを説明する模式図である。
次に、本発明の光送受信器について図面を参照しつつ説明する。図4は本発明の一実施形態である光送受信器Yを説明する模式図である。
光送受信器Yは、本発明の第1の実施形態に係る光合分波器Xを2つ備えている。さらに、光送受信器Yは、一方の光合分波器(以下、第1光合分波器とする)に入射する光を送信する発光手段21a、21bと、第1光合分波器で合波された光を伝送する伝送ファイバ22と、該伝送ファイバ22を伝送する光が入射される他方の光合分波器(以下、第2光合分波器とする)で分波された光を受光する受光手段23a、23bと、を備えている。
次に、光送受信器Yの機能について説明する。まず、外部から入力される2つの送信信号24a、24bは発光手段21a、21bによって互いに波長の異なる光信号に変換された後、第1光合分波器の合波機能により1つに合波される。次に、合波された光は、伝送ファイバ22内を受信手段側に向かって伝送される。次いで、伝送ファイバ22によって伝送された波長多重信号光(合波光)は、第2光合分波器の分波機能によって分離され、分離された光が受光手段23a、23bによりもとの信号24a、24bに変換される。したがって、この光送受信器Yでは、1本の伝送ファイバ24を用い、さらに2つの光合分波器を用いることによって大容量の情報を簡単な構成で伝送できる利点がある。
X、X1、X2:光合分波器
1:第1光ファイバ
2:第2光ファイバ
3:第3光ファイバ
1a〜3a:シングルモードファイバ
1b〜3b:屈折率分布ファイバ
1c〜3c:コアレスファイバ
4、4’:光フィルタ
4a、4a’:透光性部材
4b:フィルタ膜(フィルタ部)
5:基板
5a:凹部
6:光学接着剤
7:蓋体
10:光路補正部材
21、21a、21b:発光手段
22:伝送ファイバ
22、22a、22b:受光手段
24a、24b:信号
1:第1光ファイバ
2:第2光ファイバ
3:第3光ファイバ
1a〜3a:シングルモードファイバ
1b〜3b:屈折率分布ファイバ
1c〜3c:コアレスファイバ
4、4’:光フィルタ
4a、4a’:透光性部材
4b:フィルタ膜(フィルタ部)
5:基板
5a:凹部
6:光学接着剤
7:蓋体
10:光路補正部材
21、21a、21b:発光手段
22:伝送ファイバ
22、22a、22b:受光手段
24a、24b:信号
Claims (8)
- 第1乃至第3の光ファイバと、
前記第1の光ファイバより出射される光を透過光と反射光に分波して前記第2の光ファイバまたは前記第3の光ファイバに入射する、あるいは前記第2の光ファイバおよび前記第3の光ファイバより出射される光を合波して前記第1の光ファイバに入射する光フィルタと、を備え、
前記光フィルタは、光を分波あるいは合波するフィルタ部と前記第1乃至第3の光ファイバの光の出射端部の屈折率よりも大きい屈折率を有する透光性部材とを有してなることを特徴とする光合分波器。 - 前記光フィルタは、前記透光性部材の一主面に直に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光合分波器。
- 前記光フィルタは、前記透光性部材の内部に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光合分波器。
- 前記第1乃至第3の光ファイバのうち、少なくとも1つの光ファイバと前記光フィルタとの間に、光の光路を補正する光路補正部材をさらに設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光合分波器。
- 前記光路補正部材の屈折率は、前記第1乃至第3の光ファイバの光の出射端部の屈折率よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の光合分波器。
- 前記光路補正部材の屈折率は、前記透光性部材の屈折率よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の光合分波器。
- 前記第1乃至第3の光ファイバは、その出射端部がコアレスファイバであり、かつ該コアレスファイバに屈折率分布型ファイバを接続してなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光合分波器。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の光合分波器と、
該光合分波器に入射する光を送信する発光手段と、
該発光手段から送信された光を前記光合分波器を介して受信する受光手段と、を備えた光送受信器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008018676A JP2008209916A (ja) | 2007-01-30 | 2008-01-30 | 光合分波器およびこれを用いた光送受信器 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007018764 | 2007-01-30 | ||
JP2008018676A JP2008209916A (ja) | 2007-01-30 | 2008-01-30 | 光合分波器およびこれを用いた光送受信器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008209916A true JP2008209916A (ja) | 2008-09-11 |
Family
ID=39786218
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008018676A Pending JP2008209916A (ja) | 2007-01-30 | 2008-01-30 | 光合分波器およびこれを用いた光送受信器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008209916A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017033230A1 (ja) * | 2015-08-21 | 2017-03-02 | 三菱電機株式会社 | 光部品及び光モジュール |
JP2018129826A (ja) * | 2018-03-12 | 2018-08-16 | Tianma Japan株式会社 | 立体画像表示装置及び立体画像表示方法 |
US10237542B2 (en) | 2014-04-24 | 2019-03-19 | Nlt Technologies, Ltd. | Stereoscopic image display device, stereoscopic image display method, and stereoscopic image display program |
-
2008
- 2008-01-30 JP JP2008018676A patent/JP2008209916A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10237542B2 (en) | 2014-04-24 | 2019-03-19 | Nlt Technologies, Ltd. | Stereoscopic image display device, stereoscopic image display method, and stereoscopic image display program |
WO2017033230A1 (ja) * | 2015-08-21 | 2017-03-02 | 三菱電機株式会社 | 光部品及び光モジュール |
JP2018129826A (ja) * | 2018-03-12 | 2018-08-16 | Tianma Japan株式会社 | 立体画像表示装置及び立体画像表示方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9341785B2 (en) | Wavelength division multiplexing with multi-core fiber | |
JP2005309370A (ja) | 光モジュール、光合分波器及びそれを用いた光合分波ユニット | |
US10469923B2 (en) | Routing band-pass filter for routing optical signals between multiple optical channel sets | |
JP2008209916A (ja) | 光合分波器およびこれを用いた光送受信器 | |
US20150114554A1 (en) | Optical multiplexer and demultiplexer and a method for fabricating and assembling the multiplexer/demultiplexer | |
JP2008111863A (ja) | 光合分波器およびこれを用いた光送受信装置 | |
JP4319067B2 (ja) | 光合分波器 | |
JP5148506B2 (ja) | 光デバイスおよびこれを用いた光送受信器 | |
JP2010032782A (ja) | 光デバイスおよびこれを用いた光送受信器 | |
JP2009204765A (ja) | 光合分波器およびそれを用いた光送受信器 | |
JP2012181470A (ja) | アレイ導波路回折格子型光合分波器 | |
JP2008242450A (ja) | 光合分波器およびそれを用いた光送受信器 | |
JP2005241730A (ja) | 光合分波器および光モジュール | |
US6621959B2 (en) | Planar waveguide diffractive beam splitter/coupler | |
CN111630440B (zh) | 光合分波器 | |
JP2007272001A (ja) | 多段型光合分波器 | |
JP2003043295A (ja) | 光モジュールユニットおよびこのユニットを用いた光モジュール | |
JP2008241825A (ja) | 光合分波器 | |
JP2003232943A (ja) | 波長多重通信信号分波装置及びそれを用いた光送受信モジュール | |
JP2001264572A (ja) | 干渉光フィルタモジュール装置 | |
JP2008242418A (ja) | 光ファイバコリメータ、光デバイスおよびこれを用いた光送受信器 | |
JP2008276183A (ja) | 光合分波器および光送受信器 | |
JP2008268893A (ja) | 光合分波器 | |
WO2007074805A1 (ja) | 光合分波器およびその製造方法ならびにこれを用いた光送受信器 | |
JP2004094242A (ja) | 光モジュール |