JP5983479B2 - 光素子 - Google Patents

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この発明は、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)通信において波長の異なる成分光の合分波に用いる光素子に関する。
加入者側から局側への光伝送(上り通信)と、局側から加入者側への光伝送(下り通信)とを1本の光ファイバで行う光加入者系通信システム(以下、加入者系システムとも称する。)においては、上り通信及び下り通信に異なる波長の光を用いることがある。加入者系システムで現在主流となっているのが、双方向で1Gbps以上の速度で通信可能なGE−PON(Gigabit Ethernet(登録商標)−Passive Optical Network)である。近年、GE−PONに代わる次世代の技術として、通信に用いる波長の多重度を上げたWDM−PONが検討されている。WDM−PONでは、原理的には、双方向で10Gbpsを超える通信速度が得られる。
WDM−PONでは、通信に用いる光ファイバの局側及び加入者側の端部にそれぞれ局側終端装置(OLT:Optical Line Terminal)と、加入者側終端装置(ONU:Optical Network Unit)とが設けられる。これらの終端装置には、発光素子、受光素子及び複数波長の光を合分波する波長合分波素子が備えられる。以下、発光素子の一例として、Laser Diode(以下、LDとも称する。)を用い、受光素子の一例として、Photo Diode(以下、PDとも称する。)を用いた場合につき説明する。
一般に、光導波路を備えた共通基板に、LD、PD、及び波長合分波素子等の各光素子が集積されて光チップが構成されている(例えば、非特許文献1及び特許文献1〜18参照)。近年、1個の光チップ内で、光素子間は、シリコン(Si)を材料とするコアと、Siとの屈折率差が大きな酸化シリコン(SiO)を材料とするクラッドとを用いたSi光導波路で接続させる場合が多い。Si光導波路は、コアの屈折率がクラッドの屈折率よりも非常に大きいので、光の閉じ込めが強く、光を1μm程度の小さい曲率半径で曲げる湾曲光導波路を形成できる。また、Si電子デバイスの加工技術を利用して製造できるために、きわめて微細なサブミクロンの断面構造を実現できる。これらのことから、Si光導波路を用いることで光チップを小型化することができる。
Optics Express vol.18,p.23891,8 November 2010
特開2003−029093号公報 特開2010−286683号公報 特開平06−075137号公報 特開平08−190026号公報 特開平11−218651号公報 特開平11−248977号公報 特開2003−322739号公報 特開2004−157192号公報 特開2008−209904号公報 特開2010−204387号公報 特開2005−309370号公報 特開2007−243121号公報 特開2010−014831号公報 国際公開第2009/081539号 特開2002−169054号公報 特開2003−241006号公報 特開2004−085860号公報 特開2004−085861号公報
ところで、WDM−PONで用いられる受光素子には、波長多重された高速信号を受信する能力が求められる。そのためには、PDには局側から消光比の良い光信号が入力される必要がある。ここで、「消光比」とは、光信号を構成する「1」符号と「0」符号との強度比のことである。
一般に、「0」符号の光強度は、ノイズレベルで定まるので、消光比を向上するためには、「1」符号の光強度、すなわち光信号の強度を大きくすれば良い。Si光導波路を用いた光チップでは、受信された光信号は、Si光導波路によりPDに送られる。しかし、Si光導波路から出力される光信号の数百nmのビーム径と、PDの約10μmφの受光部とでは、サイズが大きく異なるために、光結合効率が低く(−3〜−4dB)、高速信号の受信に必要な強度が得られなかった。
本発明は、このような技術的背景でなされた。従って本発明の目的は、Si光導波路を用いることなく、波長多重された光信号を、高速通信に十分な光強度を維持しつつ、波長ごとに設けられたPDに入力する光素子を得ることにある。
発明者は、鋭意検討の結果、幾何光学的に伝搬経路を設計できる波長フィルタブロックと、場所により透過波長を変化させた波長フィルタ膜とを用いることで上述の目的を達成できることに想到した。
従って、この発明の光素子は、共通した基板に設けられた第1〜第N受光素子と、グレーティングと、波長フィルタブロックと、反射部材とを備える。
ここで、第1〜第N受光素子は、入射する第1光信号に含まれる、互いに波長の異なる第1〜第N成分光(Nは1以上の整数)を、それぞれ受信する。グレーティングは、第1〜第N成分光と異なる波長の第2光信号の経路を、第1光信号と同じ経路に変更して出射する。波長フィルタブロックは、グレーティングの上側に設けられる。
そして、波長フィルタブロックは、平行平板な本体と、本体の一面に設けられた波長フィルタ膜とを有し、この波長フィルタ膜は、第2光信号及び第1〜第N成分光をそれぞれ透過させる第0〜第N領域を備えている。ここで、第0領域は第2光信号を透過させ、且つ第1〜第N成分光を反射する。反射された第1〜第N成分光は、反射部材と第1〜第N領域との間を反射しながら伝搬する過程で、第i領域(iは1〜Nの整数)を第i成分光が透過して第i受光素子で受光される。
この発明の光素子は、波長多重された下り信号を、Si光導波路に拠らずに波長分離しながら、それぞれのPDまで伝搬させることができる。その結果、WDM−PONで要求される高速通信に十分な強度の信号を受信することができる。
実施形態1の光素子の概略的な構造を示す平面図である。 図1のI−I線に沿った切断端面図である。 (A)及び(B)は、実施形態2及び3の光素子の概略的な構造を示す平面図である。 実施形態4の光素子の概略的な構造を示す端面図である。 実施形態5の光素子の概略的な構造を示す端面図である。 実施形態6の光素子の概略的な構造を示す端面図である。 実施形態7の光素子の概略的な構造を示す端面図である。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。なお、各図では構成要素の形状、大きさ及び配置関係を、この発明が理解できる程度に概略的に示している。また、以下の各実施形態は、この発明の一好適例であり、各構成要素の材質や数値的条件なども、好適な場合の例示に過ぎない。従って、この発明は、以下の各実施形態に何ら限定されない。また、各図において、共通する構成要素には同符号を付し、その説明を省略することもある。
[実施形態1]
図1及び図2を参照して、実施形態1の光素子(以下、第1光素子とも称する。)について説明する。図1は、第1光素子の概略的な構造を示す平面図である。図2は、図1のI−I線に沿った切断端面図である。なお、図1では、グレーティングや、PD等は、波長フィルタブロックに覆われているために直接目視することができないが、強調のために実線で示す。
まず、図1を参照して、以下の説明で用いる方向及び寸法を定義する。図1に示したような右手系の直交座標系を考え、X方向を図が描かれた紙面の左から右に向かう方向とし、長さ方向とも称する。また、Z方向を図が描かれた紙面の裏面から表面に向かう方向とし、高さ方向又は厚み方向とも称する。また、Y方向を図が描かれた紙面の下方から上方に向かう方向とし、幅方向とも称する。そして、X方向に沿って測った幾何学的長さを「長さ」とも称し、Y方向に沿って測った幾何学的長さを「幅」とも称し、Z方向に沿って測った幾何学的長さを「高さ」又は「厚さ」とも称する。また、伝搬光IN及びOUTの伝搬する方向に沿った方向を光伝搬方向とする。また、所定の構造体の光伝搬方向に垂直な断面のことを「横断面」と称する。また、この例では、基板の主面は、XY平面(紙面)に平行に延在する。
(構造)
まず、図1及び図2を参照して、第1光素子10の構造について説明する。なお、ここでは、第1光素子10が、加入者系システムのONUで用いられる場合について例示する。図1に示すように、第1光素子10は、第1〜第N受光素子4〜4(Nは1以上の整数)と、グレーティング3Gと、波長フィルタブロック6(以下、単にブロック6とも称する。)と、反射部材としての全反射膜11とを備える。これらの構成要素は、全て共通の基板1に集積されている。なお、第1〜第N受光素子4〜4を総称する場合は、単に「受光素子4」とも称する。さらに第1光素子10は、任意的な構成として、基板1の主面1a側に集積された発光素子5を備える。
第1光素子10には、局側から送信された第1光信号INが、互いに波長(λ〜λ)の異なる第1〜第N成分光を含む下り信号として、光ファイバ12を通じて入力される。また、第1光素子10からは、発光素子5から出射された上り信号である第2光信号OUTが、第1〜第N成分光と同経路を逆方向に伝搬して光ファイバ12を介して局側へと出力される。
第2光信号OUTの波長λと、第1光信号INを構成する第1〜第N成分光の波長λ〜λとは、それぞれ異なっている。以降、第2光信号及び第1〜第N成分光を、それぞれの波長λ〜λを用いて、「第2光信号λ」及び「第i成分光λ」(iは1〜Nの整数)とも表す。
図1を参照すると、第1〜第N受光素子4〜4は、主面1a上において、第1光信号INの入射方向DINに沿った直線上に等間隔に配置されている。第1〜第N受光素子4〜4は、波長多重された第1〜第N成分光λ〜λをそれぞれ受光する位置に設けられている。受光素子4は、例えば、基板1がシリコンの場合、主面1a上にGe(ゲルマニウム)を結晶成長することで形成される。受光素子4において光を受光する領域は、直径約10μmの円形である。なお、主面1a上において、第1光信号INの伝搬方向DINと、後述する第2光信号OUTの伝播方向DOUTは非平行、つまり、交差している。
グレーティング3Gは、平面型回折格子であり、発光素子5から主面1aに平行に出射される第2光信号OUTを光ファイバ12に結合可能な、主面1aに対して傾いた、第1光信号INと同じ経路に変更する。また、発光素子5から出射される第2光信号OUTのスポットサイズを、光導波路14のスポットサイズに合わせるために、第2光信号OUTの入力端には、スポットサイズ変換器31が設けられている。スポットサイズ変換器31は公知であるし、この発明の要旨とは直接関係しないので、これ以上の説明を省略する。また、スポットサイズ変換器31とグレーティング3Gとの間には、テーパ部3が設けられている。
なお、グレーティング3G、スポットサイズ変換器31、及びテーパ部3は、何れも、コア14aが、コア14aよりも屈折率が小さいクラッド14bで囲まれた光導波路14として構成されている。
この例では、クラッド14bは、主面1a上に形成された約3μmの一様な膜厚を有する膜体であり、屈折率が約1.45のSiOが材料である。また、コア14aは、屈折率が約3.47のSiを材料とし、厚みが約200〜300nmである。このように、クラッド14bの屈折率をコア14aの屈折率の71.4%未満とすることにより、コア14aへの光の閉じ込め能力が向上し、小さい曲率半径の湾曲光導波路を形成することができる。
また、光導波路14を伝搬する光の基板1への不所望な結合を防ぐためには、コア14aと基板1との間に1μm以上の厚みのクラッド14bを介在させることが好ましい。この例では、主面1aとコア14aの下面との間に、約1.5μmのクラッド14bを介在させている。なお、この例では、基板1の材料はSiである。
ブロック6は、主に、第1光信号INに含まれる第1〜第N成分光λ〜λを波長分離して、それぞれ、第1〜第N受光素子4〜4に入力させる機能を有する。ブロック6は、平行平板なブロック本体6aと、ブロック本体6aの一面である下面6cに、場所により透過波長が異なる波長フィルタ膜7を備える。
ここで、図2を参照して、ブロック6及び全反射膜11の構成について詳細に説明する。ブロック本体6aは、光学的に透明な物質が材料であり、この例では、厚みが約1mmのガラス基板を用いている。このように、ブロック本体6aの厚みが、伝搬する光の波長に対して十分に大きいので、ブロック本体6a中を伝搬する光の挙動は幾何光学的に扱うことができる。波長フィルタ膜7は、下面6cに形成された平面的な膜体である。波長フィルタ膜7はグレーティング3Gからの距離に応じて透過波長が変化するように構成された第0〜第N領域7〜7を有している。より詳細には、第0領域7は、波長λの第2光信号OUTを透過するように構成され、第1〜第N領域7〜7は、それぞれ、波長λ〜λの第1〜第N成分光を透過させるように構成されている。
ここで、波長フィルタ膜7の第j領域(jは0〜Nの整数)は、グレーティング3Gからの距離と共に透過波長が長波長側へと変化するように構成されている。例えば、第2光信号λ(上り信号)が波長1.31μmであり、第1光信号(下り信号)の第1成分光λが波長1.49μmであり、第2成分光λが波長1.55μmの場合を考える。この場合、グレーティング3Gと重複して存在する第0領域7は、第2光信号λ(1.31μm)を透過できるように構成されている。そして、第0領域7に隣接する第1領域7は、次に波長の長い波長1.49μmの第1成分光λを透過できるように構成される。そして、第1領域7に隣接する第2領域7は、次に波長の長い1.55μmの第2成分光λが透過できるように構成される。
波長フィルタ膜7の各領域7〜7で、このように透過波長を変更するには、例えば、第2光信号と、第1光信号の各成分光の波長λをjと共に長くし、これに対応して第j領域7の透過波長を変化させていけば良い。つまり、第k領域7(kは0〜N−1の整数)と、第k領域7に隣接しグレーティング3Gからの距離が遠い第k+1領域7k+1とを考え、第k領域7は、波長がλの波長を透過して、それ以外の波長(≠λ)の光を反射するように構成する。同様に、第k+1領域7k+1では、λk+1の波長を透過し、λk+1とは異なる波長の光を反射するように構成する。
なお、波長フィルタ7には、従来公知の誘電体多層膜を用いることができる。すなわち、低屈折率膜と、この低屈折率膜よりも屈折率が大きい高屈折率膜とを交互に複数段に渡り積層する。そして、各領域7〜7で、透過波長範囲を変更するために、低屈折率膜の膜厚及び屈折率の何れか一方と、高屈折率膜の膜厚及び屈折率の何れか一方とを互いに異ならせている。
全反射膜11は、波長フィルタ膜7を本体6aの厚み方向に挟んで対向する他面である上面6bに形成されている。全反射膜11は、全ての波長の光を反射する例えば金属薄膜として構成されている。そして、波長フィルタ膜7、ブロック本体6a、及び全反射膜11が相俟って、入力される第1〜第N成分光λ〜λの波長分離を行う。
(動作)
以下、図2を参照して、ブロック6の波長分離動作について説明する。
図2に示すように、ブロック6には、光ファイバ12から、基板1の主面1aに対して傾いた方向から第1光信号INが入射し、同経路を逆方向に第2光信号OUTが出射される。波長フィルタ膜7は、上述した第2光信号λを透過させる第0領域7と、第1〜第N成分光λ〜λとを透過させる第1〜第N領域と7〜7に区画されている。第0領域7は、グレーティング3Gと重複するように設けられている。
まず、第1光素子10から出射される波長λの第2光信号OUTについて説明する。発光素子5から主面1aに対して平行に出射された第2光信号OUTは、グレーティング3Gにより回折されて、伝搬経路が主面1aに対して斜めに変更され、波長フィルタ膜7の第0領域7に入射する。ところで、第0領域7は、波長λの光を透過させ、λ以外の波長の光(λ〜λ)を反射するように構成されている。よって、波長λの第2光信号OUTは、第0領域7とブロック本体6aを透過し、全反射膜11が設けられていない上面6bの領域から第1光信号INと同経路を逆方向に出射され、光ファイバ12へと結合される。
次に、第1光素子10に入射する第1光信号INについて説明する。光ファイバ12から出射された第1〜第N成分光λ〜λを含む第1光信号INは、第2光信号OUTと同経路を逆方向に伝播して、ブロック本体6aを経て第0領域7へと入射する。第0領域7は、波長λ以外の光を反射するので、第1光信号INは、その入射方向に沿って、波長フィルタ膜7と全反射膜11との間のブロック本体6aを言わばジグザグに伝播し、その過程で各成分光λ〜λが、次々と波長分離されていく。
より詳細には、第1光信号INは、λ以外の波長の光を反射する第0領域7に入射して、全成分光λ〜λが全反射膜11方向へと反射される。そして、全反射膜11により、波長フィルタ膜7方向に再度反射されて、第1領域7へと入射する。ところで、第1領域7は、波長λの光を透過させ、λ以外の波長の光(λ〜λ)を反射するように構成されている。
よって、波長λの第1成分光は、第1領域7を透過して、第1領域7の下側に設けられた第1受光素子4で受光される。一方、第2〜第N成分光λ〜λは、第1領域7で、全反射膜11に向かって反射され、全反射膜11に至ると波長フィルタ膜7方向に再度反射されて、第2領域7へと入射する。
以下同様であり、成分光λ〜λを含む第1光信号INは、全反射膜11により、波長フィルタ膜7方向に再度反射されて、第i領域7へと入射する。ところで、第i領域7は、波長λの光を透過させ、λ以外の波長の光(λi+1〜λ)を反射するように構成されている。よって、波長λの第i成分光は、第i領域7を透過して、第i領域7の下側に設けられた第i受光素子4で受光される。一方、第(i+1)〜第N成分光λi+1〜λは、第i領域7で、全反射膜11に向かって反射され、全反射膜11に至ると波長フィルタ膜7方向に再度反射されて、第i+1領域7i+1へと入射する。
このようにして、第1光信号に含まれる第1〜第N成分光λ〜λは、成分光毎に波長分離されて、それぞれ受光素子4〜4で受光される。
(第1光素子10の製造方法)
第1光素子10は、通常のSi半導体製造プロセス技術を用いて製造可能であるので、全体的な素子の製造方法の説明を省略し、以下に、波長フィルタ膜7と光導波路14の製造方法のみを説明する。
場所により透過波長が異なる波長フィルタ膜7の製造方法の一例について説明する。上述のように波長フィルタ膜7は、低屈折率膜と高屈折率膜とが交互に積層されている。よって、場所により透過波長を変化させるためには、この低屈折率膜と高屈折率膜の膜厚を、連続的に変化させていけば良い。
このような成膜が可能な手法としては、真空蒸着法又はスパッタリング成膜法が挙げられる。例えば、スパッタリング成膜法の場合には、低屈折率膜と同材料の第1スパッタリングターゲットと、高屈折率膜と同材料の第2スパッタリングターゲットとを準備する。そして、被成膜面であるブロック6の下面6cを、これらのターゲットの中心軸からずれた位置に配置するとともに、ターゲットに対して傾けて配置する。
そして、第1及び第2スパッタリングターゲットを交互に切り替えながらスパッタリング成膜を行う。これにより、ターゲットの遠くに位置する下面6cでは高屈折率膜及び低屈折率膜の膜厚が薄くなり、逆に、ターゲットの近くに位置する下面6cでは高屈折率膜及び低屈折率膜の膜厚が厚くなる。つまり、ターゲットからの距離と共に、下面6c上に成膜される波長フィルタ膜7の透過波長が徐々に短くなっていく。ここで、低屈折率膜及び高屈折率膜の材料としては、それぞれ、屈折率が1.47のSiOや、屈折率が2.15のTa等の公知の誘電体を用いることができる。
グレーティング3G、テーパ部3及びスポットサイズ変換器31等の光導波路14は、Si基板上にSiO層とSi層とがこの順序で積層されたSOI(Si On Insulator)基板を利用して作成される。すなわち、最上層のSi層を利用して、上述したグレーティング3G、テーパ部3及びスポットサイズ変換器31のコア14aをドライエッチング等で形成する。その際、BOX(Buried−OXide)層であるSiO層をクラッド14bの下層に利用する。そして、このコア14aを埋め込むように、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等で、クラッド14bの上層に対応するSiO層を形成する。これにより、光導波路14が形成される。
(効果)
第1光素子10では、ブロック6と全反射膜11とにより、Si光導波路を用いずに、光ファイバ12から出射される第1光信号INを、成分光λ〜λ毎に受光素子4〜4でまで伝搬して、受光させる。つまり、第1光素子10では、光ファイバ12から出射される第1光信号INのスポットサイズ(約10μmφ)を変更することなく、同等のサイズの受光部を有する受光素子4に受光させることができる。
その結果、Si光導波路から受光素子4へ光を結合する際の、1/2〜1/3にも及ぶ強度ロスを回避することができる。これにより、受光素子4が受光する第1光信号INの光強度を、Si光導波路と受光素子4とを接続した従来例に比べて2倍〜3倍まで高めることができ、第1光信号INのS/N比が大幅に改善する。その結果、第1光素子10が受信できる通信速度を従来比で約10〜40倍の10〜40Gbpsにまで高めることができる。
また、図1に示すように、グレーティング3Gの回折効率を上回ったため回折されずに直進する第2光信号由来の迷光OUTxの伝搬経路と非平行に受光素子4〜4が設けられている。これにより、迷光OUTxに由来する消光比の悪化を防止することができる。
(変形例)
この例では、発光素子5が、他の部材とともに共通の基板1に集積されている場合について説明した。しかし、発光素子5は、基板1の主面1aに平行に光を出射するものであれば、基板1とは別に設けられていてもよい。
この例では、ブロック6としてガラス基板を用いた場合について説明した。しかし、ブロック6は、第1及び第2光信号IN及びOUTに対して透明であれば、特に材質や屈折率等に制限はない。例えば、アクリル樹脂等の光学樹脂を用いても良い。
また、この例では、ブロック6の厚みを約1mmとしたが、ブロック6の厚みは、第1及び第2光信号IN及びOUTの波長に対して十分に大きく、これらの光信号を幾何光学的に扱えるような厚みであれば良い。換言すれば、ブロック6は、第1及び第2光信号IN及びOUTの回折現象を無視できる厚みであれば特に制限はない。
また、ブロック6は、隣接するサブブロック間の境界で生じる光の反射や回折等のロスを許容できれば、屈折率が異なるサブブロックを、Z方向に積層したり、XY平面内で組み合わせて構成しても良い。
また、この例では、第2光信号OUTの伝搬方向を主面1aに平行な方向から光ファイバ12に向かう方向に変更するために、グレーティング3Gを用いた場合について説明した。しかし、第2光信号OUTの伝搬方向の変更には、主面1aに対して所定の角度に傾斜した反射面を有するミラーを用いても良い。
[実施形態2]
続いて、図3(A)を参照して、実施形態2の光素子(以下、第2光素子とも称する。)について説明する。図3(A)は、第2光素子の概略的な構造を示す平面図である。
第2光素子30は、発光素子5と、グレーティング3Gとの間に、光回路35が設けられている点、グレーティング3Gと受光素子4との間に遮光領域32が設けられている点を除いて、第1光素子10と同様に構成されている。従って、主に、これらの相違点について説明する。
第2光素子30は、発光素子5から出射されたレーザ光を光回路35で加工した上で、第2光信号OUTとして出力する。すなわち、第2光素子30には、発光素子5の第2光信号OUTの出射端に対向して、スポットサイズ変換器31が設けられており、第2光信号OUTのスポットサイズを、チャネル型光導波路36を伝搬するために適切な径にまで変換する。
スポットサイズ変換器31とグレーティング3Gとの間には、光回路35が設けられている。光回路35は、外部共振器としてのリング共振器33と、外部変調器34と、各構成要素を接続するチャネル型光導波路36とを備えている。
リング共振器33は、発光素子5から出力されるレーザ光の波長を変更するためのものである。また、外部変調器34は、上り信号である第2光信号OUTで、高速変調を行い、通信速度を高めるためのものである。
また、遮光領域32は、基板1の主面1aに設けられており、クラッド14bの厚みと等しい厚みを有するGe等の金属膜で構成される。遮光領域32は、第2光信号OUT由来の迷光(例えばOUTx等)を受光素子4〜4から遮蔽する機能を有する。遮光領域32を設けることにより、発光素子5由来の迷光をさらに低減でき、各受光素子4〜4が受光する第1〜第N成分光λ〜λの消光比をより一層高めることができる。
また、チャネル型光導波路36は、この例では、小さい曲率半径の湾曲部を形成できるSi光導波路とする。
このように、遮光領域32を有する第2光素子30は、第1光素子10よりも消光比が向上することから、より高速に変調されたな各成分光λ〜λを受信できる。
また、発光素子5とグレーティング3Gとの間に光回路35を備えるので、第2光素子30から出力される第2光信号OUTに種々の処理を行うことができる。
[実施形態3]
図3(B)を参照して、実施形態3の光素子(以下、第3光素子とも称する。)について説明する。図3(B)は、第3光素子の概略的な構造を示す平面図である。
第3光素子40は、主面1a上での第1及び第2光信号IN及びOUTの伝搬方向が平行である点を除いて第1光素子10と略同様に構成されている。従って、主に、これらの相違点について説明する。
図3(B)に示すように、第3光素子40は、グレーティング3Gの格子溝の延在方向を調整することにより、発光素子5、グレーティング3G、及び受光素子4〜4を直線状に配置している。そして、グレーティング3Gで回折出来なかった迷光OUTxを遮蔽するために、遮光領域32が設けられている。
第3光素子40は、全ての構成要素を直線状に配列しているので、第1光素子10に比べてより小型化することが可能である。
[実施形態4]
図4を参照して、実施形態4の光素子(以下、第4光素子とも称する。)について説明する。図4は、第4光素子の概略的な構造を示す端面図であり、図2のI−I線と同様の線に沿った端面図である。
第4光素子50は、以下の点が、第1光素子10と異なっている。
(1)ブロック6の上面6bに第2波長フィルタ膜7bを有している点
(2)各成分光を反射する反射部材としての反射鏡8〜8が、ブロック6の上面6b側に設けられている点
以下これらの点について主に説明する。
ブロック6の上面6bに設けられた第2波長フィルタ膜7bは、第0領域7bを有さない以外は、第1光素子10の波長フィルタ膜7と同様に構成されている。つまり、第2波長フィルタ膜7bは、各成分光λ〜λをそれぞれ透過する第1〜第N領域7b〜7bに区画されている。なお、この実施形態では、ブロックの下面6cに設けられた波長フィルタ膜7を、便宜的に第1波長フィルタ膜7aと称する。
第2波長フィルタ膜7bは、第1〜第N成分光λ〜λを反射する第0領域7bを備えていない。つまり、第1及び第2光信号IN及びOUTが入出射する上面6bの部分ではブロック6の上面6bが露出している。これは、この部分に第0領域7bを設けると、第1〜第N成分光λ〜λが反射されてしまい、ブロック6中に入力されないからである。
また、ブロック6の上面6b側には、第2波長フィルタ膜7bの第i領域7bを透過した各成分光λを反射するための反射鏡8を含むMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー装置8が設けられている。以下、このMEMSミラー装置8について詳細に説明する。
MEMSミラー装置8は、各成分光λ〜λに対応して設けられる反射鏡8〜8と、これらの反射鏡8〜8の傾斜角をそれぞれ制御するための制御駆動部8aとを備える。
反射鏡8は、第2波長フィルタ膜7bの第i領域7bの上側に設けられており、制御駆動部8aの制御を受けて、Y軸方向に延在する回転軸の周りで、傾斜角を変更可能に構成されている。
次に、図4を参照して、第4光素子50の動作について説明する。発光素子5から出射される第2光信号OUTの挙動は、第1光素子10と同様であるので、その説明を省略する。
光ファイバ12から出力された第1光信号INは、第2波長フィルタ膜7bが設けられていない上面6bからブロック6内に入射し、ブロック6中を伝搬して、第1波長フィルタ膜7aの第0領域7aに到達する。
そして、第1光信号INは、第0領域7aで反射され、ブロック本体6aを横切って、第2波長フィルタ膜7bの第1領域7bに入射する。この第1領域7bは、波長λの第1成分光を透過するので、第1成分光λは、第1領域7bを透過して、上面6bの上方に設けられた反射鏡8に入射する。
一方、第1成分光λ以外の第2〜第N成分光λ〜λは、第1領域7bで反射されて、ブロック本体6aを横切って、第1波長フィルタ膜7aの第1領域7aに入射する。そして、第1領域7aで再反射されて、第2波長フィルタ膜7bの第2領域7bに入射する。この第2領域7bは、波長λの第2成分光を透過するので、第2成分光λは、第2領域7bを透過して、上面6bの上方に設けられた反射鏡8に入射する。
一方、波長がλ〜λの第3〜第N成分光は、第2波長フィルタ膜7bの第2領域7bと、第1波長フィルタ膜7aの第2領域7aでブロック本体6aをジグザクに横断するように反射されて第2波長フィルタ膜7bの第3領域7bに入射する。そして、上述と同様に、波長λの第3成分光は、第3領域7bを透過して反射鏡8に取り出され、それ以外の波長の成分光は、第1及び第2波長フィルタ膜7a及び7bの間を往復反射される過程で、1波長ずつ取り出されて、対応する反射鏡に入射する。
次に反射鏡8に入射した第i成分光λの挙動について、第1成分光λを例に挙げて説明する。第1成分光λは、反射鏡8で、ブロック6の下側に位置する受光素子4に向けて反射される。反射鏡8から受光素子4までの経路に設けられる第1及び第2波長フィルタ膜7a及び7bは、何れも第1領域7a及び7bであるので、第1成分光λは、ブロック6と、第1及び第2波長フィルタ膜7a及び7bを透過して、受光素子4に受光される。
第4光素子50は、第1及び第2光素子10及び30と同様の効果に加えて、更に以下のような2種の効果を奏する。
ブロック6の寸法誤差、波長フィルタ膜7a及び7bの反射波長の誤差や、第1光信号INの波長ズレ等により、ブロック6での第i成分光λの反射挙動が微妙に変化する場合がある。このように反射挙動が変化すると、第i成分光λのビームスポット(約10μmφ)が、受光素子4の受光部(約10μmφ)からずれてしまい、受光強度が低下する場合がある。しかし、第4光素子50のように、反射鏡8を設ければ、第i成分光λの入射角度を、受光素子4の受光部に正確に一致させることができ、受光強度を高めることができる。例えば、ビームスポットと受光部の位置ズレが大きい場合、反射鏡8により第i成分光λの伝搬方向を調整することにより、受光素子4における受光強度を2〜3dB程度向上できる。
さらに、WDM−PONでは、局と加入者との距離が異なる複数の成分光を含む第1光信号INが、1本の光ファイバ12に含まれることがある。この場合、加入者との距離が近い局から送信された成分光は非常に強度が強い。このように強度が強い成分光を受光すると、受光素子4の受光能力が飽和してしまい、光信号を正確に受信できなくなる。このような場合には、反射鏡8により、成分光のビームスポットを故意に受光部からずらしてやることで、成分光の強度を、受光素子4の受光能力の範囲内まで弱め、正確な光信号を受信することができる。
なお、この例では、第4光素子50に遮光領域32が設けられていない場合について説明したが、グレーティング3Gと受光素子4〜4の間に遮光領域32を設けてもよい。このようにすることにより、第2光信号OUT由来の迷光が受光素子4〜4に入射してノイズとなることを防ぐことができる。
また、この例では、第i成分光λは、受光素子4で受光されるまでに、第2波長フィルタ膜7bの第i領域7bを2回透過し、更に、第1波長フィルタ膜7aの第i領域7aを1回透過する。つまり、第i成分光λは、合計3回波長フィルタ膜7a及び7bによる波長選択を受けることになる。よって、波長フィルタ膜7の透過回数が1回である第1光素子10に比較して、波長選択性を高めることができる。具体的には、第i成分光λの波長軸に関する半値幅を第1光素子10よりも狭くでき、不要波長の光に由来するノイズを低減できる。
また、第2光素子30の場合と同様に、発光素子5とグレーティング3Gとの間に、例えば、外部変調器や、外部共振器等の光回路を設けても良い。
[実施形態5]
図5を参照して、実施形態5の光素子(以下、第5光素子とも称する。)について説明する。図5は、第5光素子の概略的な構造を示す端面図であり、図2のI−I線と同様の線に沿った端面図である。
第5光素子60は、反射部材が、全反射膜11と反射鏡8〜8で構成されている点が、第1光素子10と異なっている。以下これらの点について主に説明する。
第5光素子60は、言わば、第1光素子10のクラッド14b中に反射鏡8〜8が設けられた構造を有する。反射部材を構成する一方の部材である全反射膜11は、第1光素子10と同様にブロック6の上面6b上に設けられている。また、反射部材を構成する他の部材である反射鏡8〜8は、クラッド14b中に設けられている。より詳細には、反射鏡8は、グレーティング3Gと受光素子4の間に設けられており、反射鏡8は、受光素子4と4の間に設けられている。同様に、反射鏡8は、受光素子4i−1と4の間に設けられている。
これらの反射鏡8〜8は、不図示の制御駆動装置により、個々の傾斜角を変更可能に構成されている。
次に、図5を参照して、第5光素子60の動作について説明する。発光素子5から出射される第2光信号OUTの挙動は、第1光素子10と同様であるので、その説明を省略する。
光ファイバ12から出射された第1光信号INは、全反射膜11が設けられていない上面6bからブロック6内に入射し、ブロック6中を伝搬して、波長フィルタ膜7の第0領域7に到達する。
そして、第1光信号INは、第0領域7で反射された後に上面6bの全反射膜11で再反射され、ブロック本体6aをジグザグに横切って第1領域7に入射する。この第1領域7は、波長λの第1成分光を透過するので、第1成分光λは、第1領域7を透過して、下面6cの下側に設けられた反射鏡8に入射する。
一方、第1成分光λ以外の第2〜第N成分光λ〜λは、第1領域7で反射された後に上面6bの全反射膜11で再反射され、ブロック本体6aをジグザグに横切って第2領域7に入射する。この第2領域7は、波長λの第2成分光を透過するので、第2成分光λは、第2領域7を透過して、下面6cの下側に設けられた反射鏡8に入射する。
以下、同様であり、第i領域7を透過しなかった第i成分光λ以外の第i+1〜第N成分光λi+1〜λは、第i+1〜第N領域7i+1〜7と、全反射膜11との間をジグザグに伝搬する過程で、対応する波長λ(mはi+1〜Nの整数)を透過する第m領域7を透過して、反射鏡8に入射する。
次に反射鏡8に入射した第成分光λの挙動について、第1成分光λを例に挙げて説明する。第1成分光λは、反射鏡8で反射されて全反射膜11に至り、さらに全反射膜11で反射されて受光素子4で受光される。反射鏡8から受光素子4までの経路に存在する波長フィルタ膜7は、第1成分光λを透過する第1領域7であるので、第1成分光λは、波長フィルタ膜7で反射されること無く、受光素子4で受光される。
第5光素子60は、第1及び第2光素子10及び30と同様の効果に加えて、第4光素子50と同様の効果を奏する。
なお、この例では、第4光素子50と同様の理由により、第5光素子60にも遮光領域32を設けてもよい。
また、この例では、第i成分光λは、受光素子4で受光されるまでに、波長フィルタ膜7の第i領域7を3回透過する。つまり、第i成分光λは、3回にわたり、波長選択を受けることになる。よって、第4光素子50と同様の理由により、不要波長の光に由来するノイズを低減できる。
また、第2光素子30の場合と同様に、発光素子5とグレーティング3Gとの間に、例えば、外部変調器や、外部共振器等の光回路を設けても良い。
[実施形態6]
図6を参照して、実施形態6の光素子(以下、第6光素子とも称する。)について説明する。図6は、第6光素子の概略的な構造を示す端面図であり、図2のI−I線と同様の線に沿った端面図である。
第6光素子70は、以下の点が、第5光素子60と異なっている。
(1)受光素子4〜4が、ブロック6の上面6b側に設けられている点
(2)ブロック6の上面6bに、全反射膜11に代えて、第2波長フィルタ膜7bを有している点
以下これらの点について主に説明する。
ブロック本体6aの上面6bに設けられた第2波長フィルタ膜7bは、第1及び第2光信号IN及びOUTが入出射される領域を除いて、第1波長フィルタ膜7aと同様に、第0〜第N領域7b〜7bを備えている。第1及び第2光信号IN及びOUTの入出射領域を上面6bに設けた結果、第1及び第2波長フィルタ膜7a及び7bは、対応する各領域7a及び7bが、X方向に互いにズレた位置に設けられる。
また、第6光素子70では、受光素子4〜4が、基板1の主面1a上ではなく、ブロック本体6aの上面6b側に設けられている。
次に、図6を参照して、第6光素子70の動作について説明する。発光素子5から出射される第2光信号OUTの挙動は、第1光素子10と同様であるので、その説明を省略する。
光ファイバ12から出力された第1光信号INは、第2波長フィルタ7bが設けられていない上面6bからブロック6内に入射し、ブロック6中を伝搬して、第1波長フィルタ膜7aの第0領域7aに到達する。
そして、第1光信号INは、第0領域7aで反射され、ブロック本体6aを横切って、第2波長フィルタ膜7bの第0領域7bで再び反射され、ブロック本体6aを再び横切って、第1波長フィルタ膜7aの第1領域7aに到達する。
この第1領域7aは、波長λの第1成分光を透過するので、第1成分光λは、第1領域7aを透過して、下面6cの下方に設けられた反射鏡8に入射する。
一方、第2〜第N成分光λ〜λは、第1波長フィルタ膜7aの第1領域7aと、第2波長フィルタ膜7bの第1領域7bとの間をジグザグに2往復した後に、第1波長フィルタ膜7aの第2領域7aに到達する。この第2領域7aは、波長λの第2成分光を透過するので、第2成分光λは、第2領域7aを透過して、下面6cの下方に設けられた反射鏡8に入射する。
一方、第3〜第N成分光λ〜λは、第1波長フィルタ膜7aの第1領域7aと、第2波長フィルタ膜7bの第2領域7bとの間をジグザグに2往復した後に、第1波長フィルタ膜7aの第3領域7aに到達する。そして、上述と同様に、波長λの第3成分光は、第3領域7aを透過して反射鏡8に取り出され、それ以外の波長の成分光は、第1及び第2波長フィルタ膜7a及び7bの間を往復反射される過程で、1波長ずつ取り出されて、対応する反射鏡に入射する。
次に反射鏡8に入射した第i成分光λの挙動について、第1成分光λを例に挙げて説明する。第1成分光λは、反射鏡8で、ブロック6の上側に位置する受光素子4に向けて反射される。反射鏡8から受光素子4までの経路に設けられる第1及び第2波長フィルタ膜7a及び7bは、何れも第1領域7a及び7bであるので、第1成分光λは、ブロック6を透過して、受光素子4に受光される。
第6光素子70は、第5光素子60と同様の効果に加えて、更に、受光素子4を第6光素子70の製造工程の最後に形成できるので、製造条件上の制約が少なく、より容易に第6光素子70を作成できる。例えば、第6光素子70では、市販の受光素子4をブロック6の上面6bに貼り付けることによっても製造できる。
[実施形態7]
図7を参照して、実施形態7の光素子(以下、第7光素子とも称する。)について説明する。図7は、第7光素子の概略的な構造を示す端面図であり、図2のI−I線と同様の線に沿った端面図である。
第7光素子80は、透過波長が異なる波長フィルタ膜9〜9をZ方向に積層しており、一枚の波長フィルタ膜7に透過波長が異なる領域7〜7を設けた第1光素子10(図2)とは、この点が異なっている。以下、この相違点について主に説明する。
第7光素子80は、クラッド14bの上面に、分離すべき成分光の個数(N)に対応する波長フィルタブロック6〜6がこの順で積層されている。そして、これらのブロック6〜6のそれぞれの上面6b〜6bに、各成分光λ〜λを反射し、λ〜λを超える波長の光を透過する波長フィルタ膜9〜9が設けられている。以降、ブロック6〜6を総称する場合には、単に「ブロック6」とも称する。同様に、波長フィルタ膜9〜9を総称する場合には、単に「波長フィルタ膜9」とも称する。
各ブロック6〜6は、内部を伝搬する光を幾何光学的に扱えるように、各成分光λ〜λの波長に対して十分に大きい、mmオーダの厚みを有する。また、各ブロック6の上面には、各成分光λの波長の光を反射し、λを超える波長の光を透過するように設計された誘電体多層膜からなる波長フィルタ膜9が製膜されている。
また、クラッド14bの上面の、第1及び第2光信号IN及びOUTが入射する領域には、波長フィルタ膜13が設けられている。この波長フィルタ膜13は、発光素子5から出射される波長λの第2光信号OUTのみを透過し、第1光信号INに含まれる成分光λ〜λを反射するように構成されている。
また、クラッド14bの上面には、各波長フィルタ膜9〜9で反射された成分光λ〜λをコリメートして受光素子4〜4に入力するためのレンズ15〜15が設けられている。
次に、図7を参照して、第7光素子80の動作について説明する。発光素子5から出射される波長λの第2光信号OUTは、グレーティング3Gにより伝搬方向が主面1aに対して傾いた方向に変更され、波長フィルタ膜13を透過して、光ファイバ12に結合される。
一方、光ファイバ12から出力された波長λ〜λの第1光信号INは、ブロック6〜6中を伝搬して、波長フィルタ膜13で反射される。反射された第1光信号INの中で、波長λの第1成分光は、ブロック6の波長フィルタ膜9で、受光素子4方向に反射される。それ以外の第2〜第N成分光λ〜λは、波長フィルタ膜9を透過して、次のブロック6に入射する。
そして、第2〜第N成分光λ〜λの内、波長がλの第2成分光は、ブロック6の波長フィルタ膜9で、受光素子4方向に反射される。波長λよりも大きい波長を有する第3〜第N成分光λ〜λは、波長フィルタ膜9を透過して、次のブロック6に入射する。以下同様にして、各ブロック6の波長フィルタ膜9で第i成分光が受光素子4方向に反射される。
次に波長フィルタ膜9に入射した第i成分光λの挙動について、第2成分光λを例に挙げて説明する。第2成分光λは、波長フィルタ膜9で、受光素子4に向けて反射される。波長フィルタ膜9から受光素子4までの経路に設けられる第1波長フィルタ膜9は、波長λを超える波長の第2成分光λを透過させるので、第2成分光λは、レンズ15でコリメートされて、受光素子4に受光される。
第7光素子80は、第1光素子10と同様の効果を奏するが、第1光素子10とは異なり、一枚の波長フィルタ膜7の内部で透過波長を変更する必要がなく、波長フィルタ膜9を容易に作成することができる。
10,30,40,50,60,70,80 光素子
1 基板
1a 主面
3 テーパ部
3G グレーティング
4,4〜4N 受光素子
5 発光素子
6,6〜6 波長フィルタブロック
6a ブロック本体
6b 上面
6c 下面
7,9〜9,13 波長フィルタ膜
7a 第1波長フィルタ膜
7b 第2波長フィルタ膜
〜7,7a〜7a,7b〜7b 第0〜第N領域
8 MEMSミラー装置
8a 制御駆動装置
〜8 反射鏡
11 全反射膜
12 光ファイバ
14 光導波路
14a コア
14b クラッド
15〜15 レンズ
31 スポットサイズ変換器
32 遮光領域
33 外部共振器
34 外部変調器
35 光回路
36 チャネル型光導波路

Claims (16)

  1. 基板に設けられていて、
    入射する第1光信号に含まれる、互いに波長の異なる第1〜第N成分光(Nは1以上の整数)を、それぞれ受信する第1〜第N受光素子と、
    前記第1〜第N成分光と異なる波長の第2光信号の経路を、前記第1光信号と同じ経路に変更して出射するグレーティングと、
    前記グレーティングの上側に設けられる波長フィルタブロックと、
    反射部材とを備え、
    前記波長フィルタブロックは、平行平板な本体と、該本体の一面に設けられた波長フィルタ膜とを備え、
    該波長フィルタ膜は、前記第2光信号及び前記第1〜第N成分光をそれぞれ透過させる第0〜第N領域を備えており、
    前記第0領域は前記第2光信号を透過させ、且つ前記第1〜第N成分光を反射し、
    該反射された第1〜第N成分光は、前記反射部材と前記第1〜第N領域との間を反射しながら伝搬する過程で、第i領域(iは1〜Nの整数)を第i成分光が透過して第i受光素子で受光されることを特徴とする光素子。
  2. 前記第0〜第N領域は、前記グレーティングからの距離と共に、透過波長が、長波長側へと変化するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光素子。
  3. 前記第j領域(jは0〜Nの整数)は、低屈折率膜と、該低屈折率膜よりも屈折率が大きい高屈折率膜とが交互に複数段に渡り積層されており、
    前記j毎に、前記低屈折率膜の膜厚及び屈折率の何れか一方と、前記高屈折率膜の膜厚及び屈折率の何れか一方とが異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の光素子。
  4. 前記第1〜第N受光素子が、前記第1光信号の入射方向に沿って、前記基板の主面上に配置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の光素子。
  5. 前記グレーティングに対する前記第2光信号の前記基板の主面での伝搬方向と、前記第1光信号の前記主面での伝搬方向が、非平行であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の光素子。
  6. 前記グレーティングに対する前記第2光信号の前記基板の主面での伝搬方向と、前記第1光信号の前記主面での伝搬方向が、平行であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の光素子。
  7. 前記反射部材が、前記一面に対向する前記本体の他面の設けられた反射膜であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の光素子。
  8. 前記第0領域を有さない以外は前記波長フィルタ膜と同様に第1〜第N領域を有する第2波長フィルタ膜を、前記一面に対向する前記本体の他面に備え、
    前記反射部材が、前記第2波長フィルタ膜を透過する第1〜第N成分光をそれぞれ、前記波長フィルタ膜に向かって反射する反射鏡であり、該反射鏡が、前記他面側に設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の光素子。
  9. 前記反射部材が、前記波長フィルタ膜が設けられた前記一面に対向する前記本体の他面側に設けられた反射膜と、
    前記波長フィルタ膜を透過する第1〜第N成分光をそれぞれ反射する反射鏡とを備え、
    該反射鏡が、前記一面側に設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の光素子。
  10. 前記波長フィルタ膜と等しく構成された第2波長フィルタ膜を、前記一面に対向する前記本体の他面に備え、
    前記反射部材が、前記波長フィルタ膜を透過する第1〜第N成分光を、それぞれ第2波長フィルタ膜に向かって反射する反射鏡であり、該反射鏡が、前記一面側に設けられており、
    前記第1〜第N受光素子が、前記他面側に設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の光素子。
  11. 前記第2光信号が入力される入力端に、前記第2光信号のスポットサイズを変更するためのスポットサイズ変換器を備えることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の光素子。
  12. 前記スポットサイズ変換器と前記グレーティングとの間に光回路が設けられていることを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の光素子。
  13. 前記光回路が、外部変調器であることを特徴とする請求項12に記載の光素子。
  14. 前記光回路が、外部共振器であることを特徴とする請求項12又は13に記載の光素子。
  15. 前記グレーティングと、前記第1〜第N受光素子との間に遮光領域が設けられていることを特徴とする請求項1〜14の何れか一項に記載の光素子。
  16. 前記基板に発光素子が設けられており、前記第2光信号を前記基板の主面に対して平行に出力することを特徴とする請求項1〜15の何れか一項に記載の光素子。
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