JP2004177776A - 光合波器及びそれを用いた光デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】加工精度が緩く、且つ、使用される光の波長に制限が生じない光合波器、及びそれを用いた光デバイスを提供すること。
【解決手段】外部から入力された複数本の光信号のそれぞれを個別にコリメートしてそれらを一つにするコリメート部8と、コリメート部8により一つにされた光信号を集光する集光レンズ9と、集光レンズ9により集光された光信号が入力される出力チャネル導波路2bと、コリメート部8と集光レンズ9との間に配されて、光信号が通る共通光導波路3dと、を備えたことを特徴とする光合波器による。
【選択図】 図1
【解決手段】外部から入力された複数本の光信号のそれぞれを個別にコリメートしてそれらを一つにするコリメート部8と、コリメート部8により一つにされた光信号を集光する集光レンズ9と、集光レンズ9により集光された光信号が入力される出力チャネル導波路2bと、コリメート部8と集光レンズ9との間に配されて、光信号が通る共通光導波路3dと、を備えたことを特徴とする光合波器による。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光合波器、及びそれを用いた光デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
光信号は、高速・大容量の信号伝送に適しており、長距離の基幹通信システムでは光信号を用いた信号伝達が既に実用化されている。そのようなシステムの中でも、光波長多重(WDM)システムは、波長の異なる複数の光信号の各々に独立に情報を持たせることで、より容量の大きな信号を伝送することが可能となる。
【0003】
その光多重システムでは、波長の異なる複数の入力光信号を一本に合波(合流)させる光合波器が必要であるが、そのような光合波器としては、Y分岐、方向性結合器、マルチモード干渉器、スターカップラ等が提案されており、実際に実用に供されている。或いは、レンズ系を設けることにより、複数の入力信号を合流させる構造も提案されている(例えば、特許文献1、2参照)
なお、光合波器ではなく、光信号の伝播経路を変える光スイッチとしては、例えば特願2002−178291号に記載される構造がある。
【0004】
また、光合波器や光スイッチではなく、12個の波長の異なるレーザ源から一つのレーザを選択してそれを出力する波長可変光源も提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−224082号公報
【特許文献2】
特開平10−107387号公報
【非特許文献1】
B. Pezeshki et al., ”20mW widely tunable laser module using DFB array and MEMs selection”, Optical Society of America, (Fig. 1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の構造のうち、Y分岐は、幅が数μmという非常に細い二本の入力チャネル導波路が一本の出力チャネル導波路に結合した構造であるため、非常に高い加工精度が要求される。
【0007】
また、方向性結合器は、隣接する光導波路を通る光信号同士の相互作用を利用しているため、使用できる光の波長に制限が生じる。同様に、マルチモード干渉器及びスターカップラは、いずれも光の干渉を利用しているため、やはり使用できる光の波長に制限が生じてしまう。
【0008】
一方、特開平5−224082号公報に記載の構造では、レンズ系の前面に偏角プリズム3が配されており、その偏角プリズム3によって全体の構造がやや複雑となっている。
【0009】
更に、特開平10−107387号公報の構造では、入力チャネル導波路IWG1〜IWG8が途中で屈曲した構造となっているため、Y分岐と同様に、高い加工精度が要求される。
【0010】
本発明は、係る従来例の問題点に鑑みて創作されたものであり、加工精度が緩く、且つ、使用される光の波長に制限が生じない光合波器、及びそれを用いた光デバイスを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、第1の発明である、外部から入力された複数本の光信号のそれぞれを個別にコリメートするコリメート部と、前記コリメート部からの前記光信号を集光する集光レンズと、前記集光レンズにより集光された前記光信号が入力される出力チャネル導波路と、前記コリメート部と前記集光レンズとの間に配されて、前記光信号が通る共通光導波路と、を備えたことを特徴とする光合波器によって解決する。
【0012】
次に、本発明の作用について説明する。
【0013】
本発明によれば、外部から入力された光信号をコリメート部によりコリメートし、それらを合波するので、光を干渉させる必要が無い。よって、使用される光の波長に制限が生じず、適応波長範囲が広められる。
【0014】
また、入力された各光信号は、コリメート部により一旦幅広の光束にされた後に合波されるので、細い光導波路を結合するY分岐と比較して、その加工精度が緩やかとなる。
【0015】
更に、入力端が広径となるテーパー部を出力チャネル導波路に設けることで、集光レンズによる各光入力信号の焦点位置のずれがカバーされ、光量のロスを招くことなく各光入力信号が合波される。
【0016】
また、本発明に係る光デバイスによれば、上記光合波器の前段に、複数の光信号の各々を射出する複数のレーザ源が設けられる。そのような光デバイスは、例えば、各レーザ源として波長の異なるものを使用し、そのうちの一つのみを選択的にオンし、残りをオフとすることで、選択されたレーザ光のみが射出される波長可変光源として使用される。
【0017】
また、この場合、複数のレーザ源のうちの少なくとも二つを同じ波長にすることで、一方のレーザ源が故障したとき、他方をバックアップ用のレーザ源として使用することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る光合波器について示す斜視図である。
【0019】
図1に示すように、この光合波器は、屈折率が約1.44である石英基板等の基板1上にコア層2を有する。そのコア層2は、例えばGaをドープして屈折率を約0.3〜0.4%程度高くした石英よりなり、複数の入力チャネル導波路2aと、一本の出力チャネル導波路2bとを有する。このうち、出力チャネル導波路2bには、その入力端が広径となるテーパー部2cが図示の如く設けられる。
【0020】
コア層2上には、例えば石英よりなる上部クラッド層3が形成され、更に、基板1に至る深さの第1溝6と第2溝7とがこれら上部クラッド層3とコア層2とに形成される。その第1溝6、第2溝7には、例えばフッ素樹脂等のポリマーが充填されて、そのポリマーによりコリメート部8と集光レンズ9とが構成される。
【0021】
コリメート部8と集光レンズ9との間のコア層2は、複数の入力光が共通に通るスラブ導波路(共通導波路)2dとして機能する。
【0022】
この光合波器は次のように動作する。
【0023】
まず、外部から複数本の光信号が各入力チャネル導波路2aに入力されると、その光信号は、各入力チャネル導波路2aを通ってそれらの終端から広がり出るが、そのように広がり出た光信号はコリメート部8により一旦平行光にコリメートされる。コリメート部8を通った光信号は、スラブ導波路2dを通り、集光レンズ9の近くで一つにされる。集光レンズ9は、一つにされた複数の光信号を集光し、各光信号を合波するように機能する。このように合波された各光信号は、出力チャネル導波路2bの入力端に入力された後、該出力チャネル導波路2bを通って外部に出力される。
【0024】
このような光合波器によれば、光の干渉を利用していないため、各入力光信号の波長に制限が生じず、適応波長範囲を広くすることができる。また、入力光信号をコリメート部8により一旦幅広にしてから集光レンズ9に集めるので、光束の幅方向のアライメント精度が緩やかとなり、Y分岐のように高い加工精度を必要とせず、加工精度を緩やかにすることができる。
【0025】
しかも、集光レンズ9の焦点位置は、各入力光信号の入射角の違いにより各入力光信号毎に異なるのであるが、出力チャネル導波路2bの入力端にテーパー部2cを設けることで、そのような焦点位置のずれをカバーすることができ、光量のロスを招くことなく入力光信号を合波することができる。
【0026】
なお、図2の平面図に示すように、各入力光信号の各々を発する複数の半導体レーザー(レーザ源)10を上記の光合波器の前段に設けてもよい。この場合、各半導体レーザ10のレーザ射出部10aは、コリメート部8の入力側の焦点位置に配置されることになる。
【0027】
このような光デバイスは、半導体レーザ10のそれぞれに異なる波長のものを使用して、各半導体レーザ10のうちの一つを選択的にオンにし、残りをオフとすることで、選択された波長のレーザが出力される波長可変光源として機能する。
【0028】
更に、この場合、半導体レーザ10のうちの二つに同じ波長のものを使用することで、その波長の一方のレーザが故障したとき、残りの一つをバックアップ用のレーザ源として使用することが可能となる。
【0029】
次に、上記のような光合波器の製造方法について、図3〜図4を参照しながら説明する。図3〜図4は、本実施形態に係る光合波器の製造方法について示す斜視図である。
【0030】
まず、図3(a)に示すように、基板1として厚さが約1〜2mmの石英基板を用意する。
【0031】
次いで、図3(b)に示すように、Gaをドープした石英を基板1上にCVD法により厚さ3〜5μm程度に形成し、それをコア層2とする。
【0032】
続いて、図3(c)に示すように、コア層2上に金属膜をスパッタ法により形成し、それをパターニングして第1マスクパターン3とする。
【0033】
次に、図3(d)に示す構造を得るまでの工程について説明する。まず、第1マスクパターン3をエッチングマスクとして使用し、RIE(Reactive Ion Etching)によるドライエッチングによりコア層2をパターニングする。その結果、コア層2には、複数本の入力チャネル導波路2aと、一本の出力チャネル導波路2bとが形成されることになる。そのようなパターニングの後、第1マスクパターン3は除去される。
【0034】
次いで、図4(a)に示すように、CVD法により石英を全面に厚さ約10μmに形成し、それを上部クラッド層4とする。
【0035】
続いて、図4(b)に示すように、上部クラッド層4上に金属膜を形成し、それをパターニングすることで第2マスクパターン5とする。そのマスクパターン5には、コリメート部8(図1参照)、集光レンズ9に対応する開口5a、5bが形成されている。
【0036】
次に、図4(c)に示す構造を得るまでの工程について説明する。まず、第2マスクパターン5をエッチングマスクにし、RIEによりコア層2と上部クラッド層4とをパターニングし、基板1に至る深さの第1溝6、第2溝7を形成する。
【0037】
その後、第2マスクパターン5を除去し、第1、第2溝6、7にサイトップ(旭硝子株式会社製)等のポリマーを充填し、それをベーク・キュアしてコリメート部8、集光レンズ9とする。
【0038】
以上により、本実施形態に係る光合波器が完成する。既述のように、この光合波器は、コリメート部8で入力光信号を幅広にするので、上記の製造方法における加工精度を比較的緩やかにすることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る光合波器によれば、光の干渉を利用しないため、使用する光の波長に制限が生じず、適応波長範囲を広くすることができる。
【0040】
また、入力された各光信号は、コリメート部により一旦幅広の光束にされた後に合波されるので、光合波器の加工精度を緩やかにすることができる。
【0041】
しかも、入力端が広径となるテーパー部を出力チャネル導波路に設けることで、光量のロスを招くことなく各光入力信号を合波することができる。
【0042】
また、本発明に係る光デバイスによれば、波長の異なる複数のレーザ源が上記光合波器の前段に設けられるので、波長可変光源として使用することができる。
【0043】
更に、そのレーザ源のうちの少なくとも二つを同じ波長にすることで、一方のレーザ源が故障したとき、他方をバックアップ用のレーザ源として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る光合波器の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係る光デバイスの平面図である
【図3】図3は、本発明の実施の形態に係る光合波器の製造方法について示す斜視図(その1)である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態に係る光合波器の製造方法について示す斜視図(その2)である。
【符号の説明】
1…基板、2…コア層、2a…入力チャネル導波路、2b…出力チャネル導波路、2c…テーパー部、3…第1マスクパターン、4…上部クラッド層、5…第2マスクパターン、5a、5b…開口、6…第1溝、7…第2溝、8…コリメート部、9…集光レンズ、10…スラブ導波路。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光合波器、及びそれを用いた光デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
光信号は、高速・大容量の信号伝送に適しており、長距離の基幹通信システムでは光信号を用いた信号伝達が既に実用化されている。そのようなシステムの中でも、光波長多重(WDM)システムは、波長の異なる複数の光信号の各々に独立に情報を持たせることで、より容量の大きな信号を伝送することが可能となる。
【0003】
その光多重システムでは、波長の異なる複数の入力光信号を一本に合波(合流)させる光合波器が必要であるが、そのような光合波器としては、Y分岐、方向性結合器、マルチモード干渉器、スターカップラ等が提案されており、実際に実用に供されている。或いは、レンズ系を設けることにより、複数の入力信号を合流させる構造も提案されている(例えば、特許文献1、2参照)
なお、光合波器ではなく、光信号の伝播経路を変える光スイッチとしては、例えば特願2002−178291号に記載される構造がある。
【0004】
また、光合波器や光スイッチではなく、12個の波長の異なるレーザ源から一つのレーザを選択してそれを出力する波長可変光源も提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−224082号公報
【特許文献2】
特開平10−107387号公報
【非特許文献1】
B. Pezeshki et al., ”20mW widely tunable laser module using DFB array and MEMs selection”, Optical Society of America, (Fig. 1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の構造のうち、Y分岐は、幅が数μmという非常に細い二本の入力チャネル導波路が一本の出力チャネル導波路に結合した構造であるため、非常に高い加工精度が要求される。
【0007】
また、方向性結合器は、隣接する光導波路を通る光信号同士の相互作用を利用しているため、使用できる光の波長に制限が生じる。同様に、マルチモード干渉器及びスターカップラは、いずれも光の干渉を利用しているため、やはり使用できる光の波長に制限が生じてしまう。
【0008】
一方、特開平5−224082号公報に記載の構造では、レンズ系の前面に偏角プリズム3が配されており、その偏角プリズム3によって全体の構造がやや複雑となっている。
【0009】
更に、特開平10−107387号公報の構造では、入力チャネル導波路IWG1〜IWG8が途中で屈曲した構造となっているため、Y分岐と同様に、高い加工精度が要求される。
【0010】
本発明は、係る従来例の問題点に鑑みて創作されたものであり、加工精度が緩く、且つ、使用される光の波長に制限が生じない光合波器、及びそれを用いた光デバイスを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、第1の発明である、外部から入力された複数本の光信号のそれぞれを個別にコリメートするコリメート部と、前記コリメート部からの前記光信号を集光する集光レンズと、前記集光レンズにより集光された前記光信号が入力される出力チャネル導波路と、前記コリメート部と前記集光レンズとの間に配されて、前記光信号が通る共通光導波路と、を備えたことを特徴とする光合波器によって解決する。
【0012】
次に、本発明の作用について説明する。
【0013】
本発明によれば、外部から入力された光信号をコリメート部によりコリメートし、それらを合波するので、光を干渉させる必要が無い。よって、使用される光の波長に制限が生じず、適応波長範囲が広められる。
【0014】
また、入力された各光信号は、コリメート部により一旦幅広の光束にされた後に合波されるので、細い光導波路を結合するY分岐と比較して、その加工精度が緩やかとなる。
【0015】
更に、入力端が広径となるテーパー部を出力チャネル導波路に設けることで、集光レンズによる各光入力信号の焦点位置のずれがカバーされ、光量のロスを招くことなく各光入力信号が合波される。
【0016】
また、本発明に係る光デバイスによれば、上記光合波器の前段に、複数の光信号の各々を射出する複数のレーザ源が設けられる。そのような光デバイスは、例えば、各レーザ源として波長の異なるものを使用し、そのうちの一つのみを選択的にオンし、残りをオフとすることで、選択されたレーザ光のみが射出される波長可変光源として使用される。
【0017】
また、この場合、複数のレーザ源のうちの少なくとも二つを同じ波長にすることで、一方のレーザ源が故障したとき、他方をバックアップ用のレーザ源として使用することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る光合波器について示す斜視図である。
【0019】
図1に示すように、この光合波器は、屈折率が約1.44である石英基板等の基板1上にコア層2を有する。そのコア層2は、例えばGaをドープして屈折率を約0.3〜0.4%程度高くした石英よりなり、複数の入力チャネル導波路2aと、一本の出力チャネル導波路2bとを有する。このうち、出力チャネル導波路2bには、その入力端が広径となるテーパー部2cが図示の如く設けられる。
【0020】
コア層2上には、例えば石英よりなる上部クラッド層3が形成され、更に、基板1に至る深さの第1溝6と第2溝7とがこれら上部クラッド層3とコア層2とに形成される。その第1溝6、第2溝7には、例えばフッ素樹脂等のポリマーが充填されて、そのポリマーによりコリメート部8と集光レンズ9とが構成される。
【0021】
コリメート部8と集光レンズ9との間のコア層2は、複数の入力光が共通に通るスラブ導波路(共通導波路)2dとして機能する。
【0022】
この光合波器は次のように動作する。
【0023】
まず、外部から複数本の光信号が各入力チャネル導波路2aに入力されると、その光信号は、各入力チャネル導波路2aを通ってそれらの終端から広がり出るが、そのように広がり出た光信号はコリメート部8により一旦平行光にコリメートされる。コリメート部8を通った光信号は、スラブ導波路2dを通り、集光レンズ9の近くで一つにされる。集光レンズ9は、一つにされた複数の光信号を集光し、各光信号を合波するように機能する。このように合波された各光信号は、出力チャネル導波路2bの入力端に入力された後、該出力チャネル導波路2bを通って外部に出力される。
【0024】
このような光合波器によれば、光の干渉を利用していないため、各入力光信号の波長に制限が生じず、適応波長範囲を広くすることができる。また、入力光信号をコリメート部8により一旦幅広にしてから集光レンズ9に集めるので、光束の幅方向のアライメント精度が緩やかとなり、Y分岐のように高い加工精度を必要とせず、加工精度を緩やかにすることができる。
【0025】
しかも、集光レンズ9の焦点位置は、各入力光信号の入射角の違いにより各入力光信号毎に異なるのであるが、出力チャネル導波路2bの入力端にテーパー部2cを設けることで、そのような焦点位置のずれをカバーすることができ、光量のロスを招くことなく入力光信号を合波することができる。
【0026】
なお、図2の平面図に示すように、各入力光信号の各々を発する複数の半導体レーザー(レーザ源)10を上記の光合波器の前段に設けてもよい。この場合、各半導体レーザ10のレーザ射出部10aは、コリメート部8の入力側の焦点位置に配置されることになる。
【0027】
このような光デバイスは、半導体レーザ10のそれぞれに異なる波長のものを使用して、各半導体レーザ10のうちの一つを選択的にオンにし、残りをオフとすることで、選択された波長のレーザが出力される波長可変光源として機能する。
【0028】
更に、この場合、半導体レーザ10のうちの二つに同じ波長のものを使用することで、その波長の一方のレーザが故障したとき、残りの一つをバックアップ用のレーザ源として使用することが可能となる。
【0029】
次に、上記のような光合波器の製造方法について、図3〜図4を参照しながら説明する。図3〜図4は、本実施形態に係る光合波器の製造方法について示す斜視図である。
【0030】
まず、図3(a)に示すように、基板1として厚さが約1〜2mmの石英基板を用意する。
【0031】
次いで、図3(b)に示すように、Gaをドープした石英を基板1上にCVD法により厚さ3〜5μm程度に形成し、それをコア層2とする。
【0032】
続いて、図3(c)に示すように、コア層2上に金属膜をスパッタ法により形成し、それをパターニングして第1マスクパターン3とする。
【0033】
次に、図3(d)に示す構造を得るまでの工程について説明する。まず、第1マスクパターン3をエッチングマスクとして使用し、RIE(Reactive Ion Etching)によるドライエッチングによりコア層2をパターニングする。その結果、コア層2には、複数本の入力チャネル導波路2aと、一本の出力チャネル導波路2bとが形成されることになる。そのようなパターニングの後、第1マスクパターン3は除去される。
【0034】
次いで、図4(a)に示すように、CVD法により石英を全面に厚さ約10μmに形成し、それを上部クラッド層4とする。
【0035】
続いて、図4(b)に示すように、上部クラッド層4上に金属膜を形成し、それをパターニングすることで第2マスクパターン5とする。そのマスクパターン5には、コリメート部8(図1参照)、集光レンズ9に対応する開口5a、5bが形成されている。
【0036】
次に、図4(c)に示す構造を得るまでの工程について説明する。まず、第2マスクパターン5をエッチングマスクにし、RIEによりコア層2と上部クラッド層4とをパターニングし、基板1に至る深さの第1溝6、第2溝7を形成する。
【0037】
その後、第2マスクパターン5を除去し、第1、第2溝6、7にサイトップ(旭硝子株式会社製)等のポリマーを充填し、それをベーク・キュアしてコリメート部8、集光レンズ9とする。
【0038】
以上により、本実施形態に係る光合波器が完成する。既述のように、この光合波器は、コリメート部8で入力光信号を幅広にするので、上記の製造方法における加工精度を比較的緩やかにすることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る光合波器によれば、光の干渉を利用しないため、使用する光の波長に制限が生じず、適応波長範囲を広くすることができる。
【0040】
また、入力された各光信号は、コリメート部により一旦幅広の光束にされた後に合波されるので、光合波器の加工精度を緩やかにすることができる。
【0041】
しかも、入力端が広径となるテーパー部を出力チャネル導波路に設けることで、光量のロスを招くことなく各光入力信号を合波することができる。
【0042】
また、本発明に係る光デバイスによれば、波長の異なる複数のレーザ源が上記光合波器の前段に設けられるので、波長可変光源として使用することができる。
【0043】
更に、そのレーザ源のうちの少なくとも二つを同じ波長にすることで、一方のレーザ源が故障したとき、他方をバックアップ用のレーザ源として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る光合波器の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係る光デバイスの平面図である
【図3】図3は、本発明の実施の形態に係る光合波器の製造方法について示す斜視図(その1)である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態に係る光合波器の製造方法について示す斜視図(その2)である。
【符号の説明】
1…基板、2…コア層、2a…入力チャネル導波路、2b…出力チャネル導波路、2c…テーパー部、3…第1マスクパターン、4…上部クラッド層、5…第2マスクパターン、5a、5b…開口、6…第1溝、7…第2溝、8…コリメート部、9…集光レンズ、10…スラブ導波路。
Claims (5)
- 外部から入力された複数本の光信号のそれぞれを個別にコリメートするコリメート部と、
前記コリメート部からの前記光信号を集光する集光レンズと、
前記集光レンズにより集光された前記光信号が入力される出力チャネル導波路と、
前記コリメート部と前記集光レンズとの間に配されて、前記光信号が通る共通光導波路と、
を備えたことを特徴とする光合波器。 - 前記出力チャネル導波路は、その入力端が広径となるテーパー部を有することを特徴とする請求項1に記載の光合波器。
- 請求項1又は請求項2に記載の光合波器の前段に、前記複数の光信号の各々を射出する複数のレーザ源が設けられたことを特徴とする光デバイス。
- 前記レーザー源のレーザ射出部は、前記コリメート部の焦点位置に配置されることを特徴とする請求項3に記載の光デバイス。
- 前記複数のレーザ源のうちの少なくとも二つは、同じ波長のレーザを射出することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の光デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002345556A JP2004177776A (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | 光合波器及びそれを用いた光デバイス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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WO2020240797A1 (ja) * | 2019-05-30 | 2020-12-03 | 日本電信電話株式会社 | 光合波回路および光源 |
JP7185164B2 (ja) | 2019-05-30 | 2022-12-07 | 日本電信電話株式会社 | モニタリング機能付き光源 |
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