JP2005241471A - 微細ひび割れ幅検量方法 - Google Patents
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Abstract
サブピクセルサイズのひび割れ幅を検量する微細ひび割れ幅検量方法を提供するを提供する。
【解決手段】
実測色濃度分布データを、第2のデータベースに蓄積された色濃度分布データと照合して最も近似した色濃度分布データを選出し、その後、選出された色濃度分布データの固有平均色濃度データと、第1のデータベースに蓄積された平均色濃度データとを照合して最も近似した平均色濃度データを選出し、次いで選出された平均色濃度データが固有する微細なひび割れ幅のデータから、実測色濃度分布データに記録された微細なひび割れ幅を取得する。その結果、サブピクセルサイズのひび割れ幅を検量できる。
【選択図】図1
Description
特許文献1では、コンクリート構造物のひび割れをCCDデジタルビデオカメラにより撮影し、その後、カメラ画像上でひび割れ幅の画素数を計測し、その計測値に1画素の一辺の長さ(以下、1画素の長さ)を乗算することで、ひび割れ幅を算出する。これは、最新のオプトエレクトロニクスとコンピュータとを駆使した高精度で高効率な画像処理技術を基礎とする。得られた精細なカラー画像と、ひび割れデータとは、コンクリート構造物に対する詳細な損傷劣化の把握を可能とし、コンクリート構造物の健全性の評価も可能としている。
この発明は、微細なひび割れを含む1画素分の色濃度データを高い精度で得ることができる微細ひび割れ幅検量方法を提供することを目的としている。
そこで、まず実測色濃度分布データを、第2のデータベースに蓄積された色濃度分布データと照合して最も近似した色濃度分布データを選出し、その後、選出された色濃度分布データの固有平均色濃度データと、第1のデータベースに蓄積された平均色濃度データとを照合して最も近似した平均色濃度データを選出し、次いで選出された平均色濃度データが固有する微細なひび割れ幅のデータから、実測色濃度分布データに記録された微細なひび割れ幅を取得する。その結果、サブピクセルサイズのひび割れ幅を検量することができる。
微細なひび割れを含む1画素の色濃度データを求める方法は限定されない。例えば、再標本化法などを採用することができる。
デジタルカメラは、撮像を電子的に処理可能なカメラであれば限定されない。例えば、デジタルビデオカメラ、デジタルスチールカメラなどを採用することができる。このうち、連続的に撮像可能なデジタルビデオカメラが好ましい。
例えば、トンネルの内部壁面のひび割れ検量時において、デジタルビデオカメラは、トンネルの幅方向に複数台並べて配置され、しかも内部壁面に対向してトンネルの貫通方向に走行する台車に載せて撮像し、実測データは、台車の走行位置とともに得られるデータとしてもよい。
また、実測色濃度分布データを第2のデータベースの色濃度分布データと照合する分布データ選出工程と、選出された色濃度分布データが固有する平均色濃度データを第1のデータベースの平均色濃度データと照合する平均色濃度データ選出工程と、選出された平均色濃度データが固有する微細なひび割れ幅のデータから、実測色濃度分布データに記録された微細なひび割れ幅を取得するひび割れ幅検量工程とは、平均色濃度とひび割れ幅との関係式により求めてもよい。
デジタルビデオカメラを採用することで、被写体の露出面に存在する微細なひび割れ部分の撮影時間を短縮することができる。
デジタルビデオカメラの種類は限定されない。
まず、この発明の実施例1の微細ひび割れ幅検出方法で使用されるコンクリート壁のひび割れ検出装置(以下、ひび割れ検出装置)を説明する。ひび割れ検出装置は、トンネルのアーチ型の内部壁面を撮像し、デジタル量の画像データを取得する撮像装置を備えている。撮像装置は、トンネルの内部壁面に対向して、アーチの頂上から左右に等間隔で周方向の曲面に沿って撮像可能な4台のCCDデジタルビデオカメラ(以下、ビデオカメラ)と、各ビデオカメラによって明瞭な画面が得られるように、各ビデオカメラの視野より広い範囲の撮像面に照明を当てる照明装置と、画像記憶媒体とを備えている。
各ビデオカメラにより撮像された画像は、撮像装置により、各ビデオカメラが撮像した画像データの頭部が揃えられる。ビデオカメラは、例えば1秒間に30コマ程度の複数の連続した画像を録画する。したがって、台車の走行により、各ビデオカメラがトンネルの長さ方向に移動しながら録画すると、台車の走行位置とともに画像データが得られる。
まず、サブピクセルのひび割れが存在する画素を含む15個程度の画素を円形に区画し、画素領域Rとする。この画素領域R内の各画素の色濃度を求め、その平均値を平均色濃度データとする。平均色濃度データを微細なひび割れ幅のサイズ毎に取得して、多数の平均色濃度データが集積された第1のデータベースを作成する(S100/第1のデータベース化工程)。第1のデータベースは、前記画像記憶媒体に登録される。
そのうち、n=10の場合を詳述する。まず、1/10にするということは、原画像の縦横寸法の10倍、すなわち100倍の画素を有する画像上に、1画素の幅を有するひび割れを作成し(図2(a))、再び縦横比を1/10にして原画像の寸法に戻すことを意味する(図2(a))。これが再標本化である。その際、1/nを再標本化度という。縮小後の1画素は、10×10画素に存在するひび割れと、コンクリート表面の色濃度とを平均化した色濃度である。図2は、1画素以下のひび割れをCCDが捉えた状態を模擬的に示している。
y=−0.00836x+1.18060 (1)
(x;平均色濃度、y;再標本化度)
である。
1画素当たりの視野角水平方向寸法
=視野角水平方向寸法/ビデオカメラの水平方向画素数 (2)
被写体実寸法=1画素当たりの視野角水平方向寸法×再標本化度 (3)
ここでは、ビデオカメラの水平方向画素数を1000、再標本化度を1/nとする。
それから、実測色濃度分布データを、第2のデータベースに蓄積された色濃度分布データと照合し(S105)、最も近似した色濃度分布データを選出する(S106/分布データ選出工程)。ここでは、色濃度が150にピークが存在した色濃度分布データを例示する(図5)。
ここで、図7のグラフを参照し、平均色濃度データが固有するひび割れ幅と平均色濃度との関係を説明する。選出されたコンクリートの表面の平均色濃度は140、ひび割れ部分の色濃度は20である。図7のグラフを用いることで、平均色濃度が120の場合、ひび割れ幅は0.3mmであることが簡単に導き出される。
その後、モニタ画面上の全画素の走査が終了するまで、上述したモニタ画面上の左上より順の1画素の走査(S103)から、微細ひび割れ幅の取得(S107)までの処理を繰り返す。
ここでの関係式とは、コンクリートの表面の平均色濃度を140とし、ひび割れ部分の平均色濃度を20としたとき、
y=h×(−0.00836x+1.18060) (4)
(x;平均色濃度、y;再標本化度、h;1画素あたりの視野角水平方向寸法)である。この式は、(1) 式により導き出される。
そこで、まずデジタルビデオカメラで被写体の微細なひび割れ部分を撮影して実測データを取得し、次に、得られた実測データをデータベース中の色濃度データと照合して、最も近似した色濃度データを選出する。選出された色濃度データ中には、予め色濃度に応じた微細なひび割れ幅のデータが含まれている。そこで、微細なひび割れ幅のデータ値を、従来法では検量できなかった実測データ中の微細なひび割れ幅と見なす。これにより、サブピクセルサイズのひび割れ幅を検量することができる。
図9のフローシートに示すように、まずサブピクセルサイズの微細なひび割れが存在する1画素の色濃度の平均値により1画素平均色濃度データを求め、1画素平均色濃度データを背景画像の色濃度毎に微細なひび割れ幅のサイズを変更して取得し、これらの1画素平均色濃度データが背景画素の色濃度毎にグループ分けして集積された1画素濃度データベースを作成する(S300/1画素濃度データベース化工程)。図10のグラフには、背景画素の色濃度毎のグループ(CB1〜CB3)に分けられた1画素の平均色濃度と再標本化度との関係を示す。
1画素平均色濃度データは、前記再標本化法を利用して求められる。図10のグラフに示す関係をひび割れ幅の検量に適用するには、再標本化度を実寸法値に対応させる前記(2) 式、(3) 式を使用し、視野角をパラメータとした画角補正を行う。
次いで、実測平均色濃度データを、1画素濃度データベースに蓄積された1画素平均色濃度データと照合し(S304)、最も近似した1画素濃度データベースを選出する(S305/背景画像用色濃度データ選出工程)。
それから、画像領域Rの中心位置に存在する1画素の平均色濃度データを求め、該平均色濃度データを、選出された1画素平均色濃度データが属する色濃度のグループ(例えばCB1)の1画素平均色濃度データと照合し、最も近似した1画素平均色濃度データを選出する(S307/ひび割れ幅用色濃度データ選出工程)。
選出された1画素平均色濃度データが固有する微細なひび割れ幅のデータから、区画された画像領域の中心位置の1画素に記録された微細なひび割れ幅を取得する(S308/ひび割れ幅検量工程)。
その後、モニタ画面上の全画素の走査が終了するまで、上述したモニタ画面の左上より順の1画素の走査(S302)から、微細ひび割れ幅の取得(S308)までの処理を繰り返す(S309)。これにより、サブピクセルサイズのひび割れ幅を高精度に検量することができる。
その他の構成、作用および効果は実施例1から推測可能な範囲であるので、説明を省略する。
図12のフローシートに示すように、まず画素領域R内の色濃度分布データを求め、色濃度分布データを背景の色濃度毎に微細なひび割れ幅のサイズを変更して取得し、複数の色濃度分布データが集積された色濃度分布データベースを作成する(S400/色濃度分布データベース化工程)。色濃度分布データ中には、明るい背景画像と、暗いひび割れ画像とが異なる色濃度ピークとして存在する。
それから、実測色濃度分布データ(図13のグラフ)を、色濃度分布データベースに蓄積された色濃度分布データ(図14のグラフ)と照合し(S404)、最も近似した色濃度分布データを選出する(S405/分布データ選出工程)。
その後、モニタ画面上の全画素の走査が終了するまで、上述したモニタ画面の左上より順の1画素の走査(S402)から、微細ひび割れ幅の取得(S406)までの処理を繰り返す(S407)。これにより、サブピクセルサイズのひび割れ幅を簡単に検量することができる。
その他の構成、作用および効果は実施例1と略同じであるので、説明を省略する。
Claims (6)
- サブピクセルサイズの微細なひび割れが存在する画素を含む複数の画素の色濃度の平均値により平均色濃度データを求め、該平均色濃度データを背景画像の色濃度毎に微細なひび割れ幅のサイズを変更して取得し、該複数の平均色濃度データが集積された第1のデータベースを作成する第1のデータベース化工程と、
サブピクセルサイズの微細なひび割れが存在する画素を含み、かつ前記平均色濃度データを求める際と同じ画素数の画素領域内の色濃度分布データを求め、該色濃度分布データを背景画像の色濃度毎に微細なひび割れ幅のサイズを変更して取得し、該複数の色濃度分布データが集積された第2のデータベースを作成する第2のデータベース化工程と、
被写体の微細なひび割れ部分をデジタルカメラで撮影し、撮像された微細なひび割れ部分を、前記平均色濃度データを求める際と同じ画素数で区画し、その区画された画像領域内の色濃度分布である実測色濃度分布データを求める実測分布データ取得工程と、
該実測色濃度分布データを、前記第2のデータベースに蓄積された色濃度分布データと照合し、最も近似した色濃度分布データを選出する分布データ選出工程と、
選出された色濃度分布データが固有する固有平均色濃度データと、前記第1のデータベースに蓄積された平均色濃度データとを照合し、近似した平均色濃度データを選出する平均色濃度データ選出工程と、
選出された平均色濃度データが固有する微細なひび割れ幅のデータから、前記実測色濃度分布データに記録された微細なひび割れ幅を取得するひび割れ幅検量工程とを備えた微細ひび割れ幅検量方法。 - 前記微細なひび割れを含む複数の画素の平均色濃度データは、複数の画素数を有する原画像を縦横n倍した拡大画像の中に、1画素分の幅のひび割れを作成し、その後、前記拡大画像を縦横1/n倍して原寸に戻す再標本化法を利用して求められる請求項1に記載の微細ひび割れ幅検量方法。
- サブピクセルサイズの微細なひび割れが存在する1画素の色濃度の平均値により1画素平均色濃度データを求め、該1画素平均色濃度データを背景画像の色濃度毎に微細なひび割れ幅のサイズを変更して取得し、これらの1画素平均色濃度データが背景画素の色濃度毎にグループ分けして集積された1画素濃度データベースを作成する1画素濃度データベース化工程と、
被写体の微細なひび割れ部分をデジタルカメラで撮影し、撮像された微細なひび割れ部分を複数の画素数で区画し、その区画された画像領域内の平均色濃度である実測平均色濃度データを求める実測色濃度データ取得工程と、
該実測平均色濃度データを、前記1画素濃度データベースに蓄積された1画素平均色濃度データと照合し、最も近似した1画素平均色濃度データを選出する背景画像用色濃度データ選出工程と、
選出された1画素平均色濃度データが固有する背景画像の色濃度のデータから、前記区画された画像領域の中心位置に存在する1画素における背景画像の色濃度を取得する背景画像色濃度取得工程と、
前記区画された画像領域の中心位置に存在する1画素の平均色濃度データを求め、該平均色濃度データを、選出された1画素平均色濃度データが属する色濃度のグループの1画素平均色濃度データと照合し、最も近似した1画素平均色濃度データを選出するひび割れ幅用色濃度データ選出工程と、
選出された1画素平均色濃度データが固有する微細なひび割れ幅のデータから、前記区画された画像領域の中心位置の1画素に記録された微細なひび割れ幅を取得するひび割れ幅検量工程とを備えた微細ひび割れ幅検量方法。 - サブピクセルサイズの微細なひび割れが存在する画素を含む複数の画素領域内の色濃度分布データを求め、該色濃度分布データを背景の色濃度毎に微細なひび割れ幅のサイズを変更して取得し、該複数の色濃度分布データが集積された色濃度分布データベースを作成する色濃度分布データベース化工程と、
被写体の微細なひび割れ部分をデジタルカメラで撮影し、撮像された微細なひび割れ部分を、前記色濃度分布データを求める際と同じ画素数で区画し、その区画された画像領域内の色濃度分布である実測色濃度分布データを求める実測分布データ取得工程と、
該実測色濃度分布データを、前記色濃度分布データベースに蓄積された色濃度分布データと照合し、最も近似した色濃度分布データを選出する分布データ選出工程と、
選出された色濃度分布データが固有する微細なひび割れ幅のデータから、前記実測色濃度分布データに記録された微細なひび割れ幅を取得するひび割れ幅検量工程とを備えた微細ひび割れ幅検量方法。 - 前記ひび割れ幅検量工程によって微細なひび割れ幅が取得できなかった場合には、請求項1または請求項2に記載の微細ひび割れ幅検量方法に則って、微細なひび割れ幅を取得する請求項4に記載の微細ひび割れ幅検量方法。
- 前記デジタルカメラがデジタルビデオカメラである請求項1〜請求項5のうち、何れか1項に記載の微細ひび割れ幅検量方法。
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