JP4295819B2 - 微細ひび割れ幅検量方法 - Google Patents

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この発明は微細ひび割れ幅検量方法、詳しくはデジタルカメラ(デジタルビデオカメラを含む)により撮影された画像から、1画素に満たないサブピクセルの微細なひび割れ幅を検量可能な微細ひび割れ幅検量方法に関する。
トンネル(鉄道用、自動車道用)、橋架、モノレール軌道桁などのコンクリート構造物に生じたひび割れを検出する方法として、例えば特許文献1のように、CCDデジタルビデオカメラ(以下、ビデオカメラ)を利用したひび割れ幅検量方法が開発されている。CCDとは、画像部の各エレメントに、光量に応じて蓄積された電荷を出力する素子である。
特許文献1では、コンクリート構造物のひび割れをCCDデジタルビデオカメラにより撮影し、その後、カメラ画像上でひび割れ幅の画素数を計測し、その計測値に1画素の一辺の長さ(以下、1画素の長さ)を乗算することで、ひび割れ幅を算出する。これは、最新のオプトエレクトロニクスとコンピュータとを駆使した高精度で高効率な画像処理技術を基礎とする。得られた精細なカラー画像と、ひび割れデータとは、コンクリート構造物に対する詳細な損傷劣化の把握を可能とし、コンクリート構造物の健全性の評価も可能としている。
特開2002−310920号公報
コンクリート構造物のひび割れ幅の検量では、ひび割れ幅を正確に量ることが重要である。しかしながら、特許文献1では、ビデオカメラのサブピクセルの微細なひび割れ、例えば1画素の長さが1mmの場合に、幅0.1mmの微細なひび割れは検量不可能であった。これは、1画素全体で検量されたひび割れ(幅1mm)の色濃度が、256階調の色濃度値で例えば20の場合、幅0.1mmの微細なひび割れを含む1画素の色濃度が、例えば140と著しく高くなる(明るくなる)ためである。
そこで、発明者は、鋭意研究の結果、CCDが、カメラの画像部の各エレメントに、光量に応じて蓄積された電荷を出力する点に着目した。すなわち、被写体からの受光量に差が存在すれば、蓄積される電荷にも差が生じる。電荷の差は、画像上では色濃度(輝度)の違いとして表示される。このことは、サブピクセル幅の微細なひび割れを撮影した場合でも、色濃度の差が小さくなるだけで同じとなる。すなわち、微細なひび割れを含む1画素分の画像は、特許文献1などの従来法では検量できないものの、実際にはコンクリートの表面の一部にその微細なひび割れが混在した特定の色濃度を有している。従って、微細なひび割れを含むひび割れの分布は、色濃度分布として表示可能であることを見出し、この発明を完成させた。
この発明は、サブピクセルサイズのひび割れ幅を検量することができる微細ひび割れ幅検量方法を提供することを目的としている。
この発明は、微細なひび割れを含む1画素分の色濃度データを高い精度で得ることができる微細ひび割れ幅検量方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、サブピクセルサイズの微細なひび割れが存在する画素を含む複数の画素領域内の色濃度分布データを求め、該色濃度分布データを背景の色濃度毎に微細なひび割れ幅のサイズを変更して取得し、該複数の色濃度分布データが集積された色濃度分布データベースを作成する色濃度分布データベース化工程と、被写体の微細なひび割れ部分をデジタルカメラで撮影し、撮像された微細なひび割れ部分を、前記色濃度分布データを求める際と同じ画素数で区画し、その区画された画像領域内の色濃度分布である実測色濃度分布データを求める実測分布データ取得工程と、該実測色濃度分布データを、前記色濃度分布データベースに蓄積された色濃度分布データと照合し、最も近似した色濃度分布データを選出する分布データ選出工程と、選出された色濃度分布データが固有する微細なひび割れ幅のデータから、前記実測色濃度分布データに記録された微細なひび割れ幅を取得するひび割れ幅検量工程とを備えた微細ひび割れ幅検量方法である。
請求項1に記載の発明によれば、例えば、CCDデジタルカメラによる被写体の撮影では、CCDからカメラの画像部の各エレメントに対して、光量に応じて蓄積された電荷が出力される。そのため、被写体からの受光量に差が存在すれば、蓄積される電荷にも差が生じる。この電荷の差は、カメラ画像上では色濃度の違いとして表示される。すなわち、サブピクセル幅のひび割れの場合でも、微小ではあるが同様に色濃度の違いとして表示される。
そこで、実測色濃度分布データを、色濃度分布データベースに蓄積された色濃度分布データと照合し、最も近似した色濃度分布データを選出する。色濃度分布データ中には、明るい背景画像と、暗いひび割れ画像とが異なる色濃度ピークとして存在する。これを利用し、選出された色濃度分布データが固有する微細なひび割れ幅のデータから、実測色濃度分布データに記録された微細なひび割れ幅を取得する。その結果、サブピクセルサイズのひび割れ幅を簡単に検量することができる。この方法によれば、区画された画像領域内のひび割れ幅が均一のときの方が検量精度は高い。
被写体としては、例えば鉄道用のトンネル、自動車道用のトンネル、地下鉄用のトンネル、モノレール軌道桁などのコンクリート壁が挙げられる。ただし、これには限定されない。
微細なひび割れを含む1画素の色濃度データを求める方法は限定されない。例えば、再標本化法などを採用することができる。
デジタルカメラは、撮像を電子的に処理可能なカメラであれば限定されない。例えば、デジタルビデオカメラ、デジタルスチールカメラなどを採用することができる。このうち、連続的に撮像可能なデジタルビデオカメラが好ましい。
例えば、トンネルの内部壁面のひび割れ検量時において、デジタルビデオカメラは、トンネルの幅方向に複数台並べて配置され、しかも内部壁面に対向してトンネルの貫通方向に走行する台車に載せて撮像し、実測データは、台車の走行位置とともに得られるデータとしてもよい。
請求項2に記載の発明は、前記デジタルカメラがデジタルビデオカメラである請求項1に記載の微細ひび割れ幅検量方法である。
デジタルビデオカメラを採用することで、被写体の露出面に存在する微細なひび割れ部分の撮影時間を短縮することができる。
デジタルビデオカメラの種類は限定されない。
請求項1に記載の発明によれば、実測色濃度分布データを、色濃度分布データベースに蓄積された色濃度分布データと照合し、最も近似した色濃度分布データを選出後、選出された色濃度分布データが固有する微細なひび割れ幅のデータから、実測色濃度分布データに記録された微細なひび割れ幅を取得するので、サブピクセルサイズのひび割れ幅を簡単に検量することができる。
この発明の参考例1に係る微細ひび割れ幅検量方法を示すフローシートである。 (a),(b)この発明の参考例1に係る微細ひび割れ幅検量方法における再標本化法の説明図である。 この発明の参考例1に係る微細ひび割れ幅検量方法における平均色濃度と再標本化度との関係を示すグラフである。 この発明の参考例1に係る微細ひび割れ幅検量方法におけるカメラ画像上の所定の画素領域を示すグラフである。 この発明の参考例1に係る微細ひび割れ幅検量方法における実測色濃度分布データを示すグラフである。 この発明の参考例1に係る微細ひび割れ幅検量方法における色濃度分布データを示すグラフである。 この発明の参考例1に係る微細ひび割れ幅検量方法におけるひび割れ幅と平均色濃度との関係を示すグラフである。 この発明の参考例1に係る他の微細ひび割れ幅検量方法を示すフローシートである。 この発明の参考例2に係る微細ひび割れ幅検量方法を示すフローシートである。 この発明の参考例2に係る微細ひび割れ幅検量方法における平均色濃度と再標本化度との関係を示すグラフである。 この発明の参考例2に係る微細ひび割れ幅検量方法におけるひび割れ幅と平均色濃度との関係を示すグラフである。 この発明の実施例1に係る微細ひび割れ幅検量方法における平均色濃度と再標本化度との関係を示すフローシートである。 この発明の実施例1に係る微細ひび割れ幅検量方法における実測色濃度分布データを示すグラフである。 この発明の実施例1に係る微細ひび割れ幅検量方法における色濃度分布データを示すグラフである。
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。ここでは、トンネルのコンクリート壁に発生したひび割れの幅を求める微細ひび割れ幅検出方法を例にとる。
この発明の参考例1に係る微細ひび割れ幅検量方法を、図1〜図8を参照して説明する。
まず、この発明の参考例1の微細ひび割れ幅検出方法で使用されるコンクリート壁のひび割れ検出装置(以下、ひび割れ検出装置)を説明する。ひび割れ検出装置は、トンネルのアーチ型の内部壁面を撮像し、デジタル量の画像データを取得する撮像装置を備えている。撮像装置は、トンネルの内部壁面に対向して、アーチの頂上から左右に等間隔で周方向の曲面に沿って撮像可能な4台のCCDデジタルビデオカメラ(以下、ビデオカメラ)と、各ビデオカメラによって明瞭な画面が得られるように、各ビデオカメラの視野より広い範囲の撮像面に照明を当てる照明装置と、画像記憶媒体とを備えている。
各ビデオカメラにより撮像された画像データはデジタル量として出力され、画像記憶媒体(ここではDVD)に記憶される。各ビデオカメラ、照明装置を有する撮像装置は、トンネルの長さ方向に向かって、トンネルの内部壁面と平行に移動する台車を備えた移動装置に載置されている。
各ビデオカメラにより撮像された画像は、撮像装置により、各ビデオカメラが撮像した画像データの頭部が揃えられる。ビデオカメラは、例えば1秒間に30コマ程度の複数の連続した画像を録画する。したがって、台車の走行により、各ビデオカメラがトンネルの長さ方向に移動しながら録画すると、台車の走行位置とともに画像データが得られる。
次に、図1のフローシートを参照し、参考例1の微細ひび割れ幅検出方法を説明する。ここでは、1台のビデオカメラを使用した微細ひび割れ幅検出方法を例とする。
まず、サブピクセルのひび割れが存在する画素を含む15個程度の画素を円形に区画し、画素領域Rとする。この画素領域R内の各画素の色濃度を求め、その平均値を平均色濃度データとする。平均色濃度データを微細なひび割れ幅のサイズ毎に取得して、多数の平均色濃度データが集積された第1のデータベースを作成する(S100/第1のデータベース化工程)。第1のデータベースは、前記画像記憶媒体に登録される。
微細なひび割れを含む1画素分の色濃度データは、再標本化法により求められる。具体的には、1画素の原画像を縦横n倍し、n×nの画素数を有した拡大画像を求める。次に、拡大画像の中に1画素分の幅のひび割れを作成し、この拡大画像を縦横1/n倍して原寸に戻す。その後、原寸に戻された原画像の輝度から色濃度を計測する。この再標本化法により、微細なひび割れを含む1画素分の色濃度データを高い精度で得ることができる。
以下、図2のグラフを参照して、再標本化法を具体的に説明する。ここでは、原画像の寸法の縦横2〜16倍(n=2〜16)まで拡大した画像上にひび割れを入れた後、1/2〜1/16に縮小し、再び原画像の寸法に戻した場合のモデル画像と色濃度との度数分布を求めた。
そのうち、n=10の場合を詳述する。まず、1/10にするということは、原画像の縦横寸法の10倍、すなわち100倍の画素を有する画像上に、1画素の幅を有するひび割れを作成し(図2(a))、再び縦横比を1/10にして原画像の寸法に戻すことを意味する(図2(a))。これが再標本化である。その際、1/nを再標本化度という。縮小後の1画素は、10×10画素に存在するひび割れと、コンクリート表面の色濃度とを平均化した色濃度である。図2は、1画素以下のひび割れをCCDが捉えた状態を模擬的に示している。
ここで、再標本化度と色濃度との関係を図3のグラフに示す。縦軸は色濃度の平均値、横軸は再標本化度である。ただし、コンクリートの表面の色濃度とひび割れ部分の色濃度とは、再標本化度と画素の色濃度との関係におけるパラメータである。図3のグラフは、コンクリートの表面の平均色濃度を140とし、ひび割れ部分の平均色濃度を20と設定した場合のものである。このグラフにおける関係式は、
y=−0.00836x+1.18060 (1)
(x;平均色濃度、y;再標本化度)
である。
図3のグラフに示す関係をひび割れ幅の検量に適用するには、再標本化度を実寸法値に対応させる必要がある。そこで、視野角を3番目のパラメータとする。視野角と1画素相当の被写体の実寸法との間には、次の関係式が成り立つ。
1画素当たりの視野角水平方向寸法
=視野角水平方向寸法/ビデオカメラの水平方向画素数 (2)
被写体実寸法=1画素当たりの視野角水平方向寸法×再標本化度 (3)
ここでは、ビデオカメラの水平方向画素数を1000、再標本化度を1/nとする。
次に、サブピクセルのひび割れが存在する画素を含み、かつ平均色濃度データを求める際と同じ画素数で円形に区画された画素領域R内での色濃度分布データ(図6)を求め、色濃度分布データを微細なひび割れ幅のサイズ毎に取得して、複数の色濃度分布データが集積された第2のデータベースを作成する(S101/第2のデータベース化工程)。第2のデータベースも、前記画像記憶媒体に登録される。
次に、トンネルのコンクリート壁の微細なひび割れ部分をデジタルビデオカメラで撮影し(図4)、撮像された画像のうち、微細なひび割れが抽出された画像を読み込む(S102)。次に、読み込まれた抽出画像について、モニタ画面の左上の1画素を走査する(S103)。次にまた、平均色濃度データを求める際と同じ画素数で円形に区画し、その区画された画素領域R内の色濃度分布である実測色濃度分布データを計算する(S104/実測分布データ取得工程)。
それから、実測色濃度分布データを、第2のデータベースに蓄積された色濃度分布データと照合し(S105)、最も近似した色濃度分布データを選出する(S106/分布データ選出工程)。ここでは、色濃度が150にピークが存在した色濃度分布データを例示する(図5)。
選出された色濃度分布データが固有する平均色濃度データと、第1のデータベースに蓄積された平均色濃度データとを照合し、最も近似した平均色濃度データを選出し(平均色濃度データ選出工程)、選出された平均色濃度データが固有する微細なひび割れ幅のデータから、実測色濃度分布データに記録された微細なひび割れ幅を取得する(S107/ひび割れ幅検量工程)。
ここで、図7のグラフを参照し、平均色濃度データが固有するひび割れ幅と平均色濃度との関係を説明する。選出されたコンクリートの表面の平均色濃度は140、ひび割れ部分の色濃度は20である。図7のグラフを用いることで、平均色濃度が120の場合、ひび割れ幅は0.3mmであることが簡単に導き出される。
その後、モニタ画面上の全画素の走査が終了するまで、上述したモニタ画面上の左上より順の1画素の走査(S103)から、微細ひび割れ幅の取得(S107)までの処理を繰り返す。
また、図8のフローシートに示すように、これらのS103からS107までの工程は、選出された平均色濃度データに基づき、ひび割れ幅と平均色濃度の関係式から微細なひび割れ幅を計算する工程(S205)に変更して簡略化してもよい。
ここでの関係式とは、コンクリートの表面の平均色濃度を140とし、ひび割れ部分の平均色濃度を20としたとき、
y=h×(−0.00836x+1.18060) (4)
(x;平均色濃度、y;再標本化度、h;1画素あたりの視野角水平方向寸法)である。この式は、(1) 式により導き出される。
このように、参考例1では、実測色濃度分布データを第2のデータベースの色濃度分布データと照合して最も近似した色濃度分布データを選出後、得られた色濃度分布データが固有する平均色濃度データと、第1のデータベースの平均色濃度データとを照合して最も近似した平均色濃度データを選出し、この選出された平均色濃度データが固有する微細なひび割れ幅のデータから、実測色濃度分布データに記録された微細なひび割れ幅を取得する。その結果、サブピクセルサイズのひび割れ幅を高精度に検量することができる。
なお、この発明の微細ひび割れ幅検量方法は、上述した参考例1には限定されない。例えば、サブピクセルのひび割れを含む1画素の色濃度データを求め、この色濃度データを微細なひび割れ幅のサイズ毎に取得して、複数の色濃度データが集積されたデータベースを作成するデータベース化工程と、被写体の微細なひび割れ部分をデジタルビデオカメラで撮影し、撮像された微細なひび割れ部分における各画素毎の色濃度の実測データを取得する実測データ取得工程と、実測データを、データベースに蓄積された色濃度データと照合し、最も近似した色濃度データを選出するデータ選出工程と、選出された色濃度データが固有する微細なひび割れ幅のデータから、実測データに記録された微細なひび割れ幅を得るひび割れ幅検量工程とを備えた微細ひび割れ幅検量方法であってもよい。
この場合、例えばCCDデジタルビデオカメラによる被写体の撮影では、CCDからビデオカメラの画像部の各エレメントに対して、光量に応じて蓄積された電荷が出力される。そのため、被写体からの受光量に差が存在すれば、蓄積される電荷にも差が生じる。この電荷の差は、カメラ画像上では色濃度の違いとして表示される。すなわち、サブピクセル幅のひび割れの場合でも、微小ではあるが同様に色濃度の違いとして表示される。
そこで、まずデジタルビデオカメラで被写体の微細なひび割れ部分を撮影して実測データを取得し、次に、得られた実測データをデータベース中の色濃度データと照合して、最も近似した色濃度データを選出する。選出された色濃度データ中には、予め色濃度に応じた微細なひび割れ幅のデータが含まれている。そこで、微細なひび割れ幅のデータ値を、従来法では検量できなかった実測データ中の微細なひび割れ幅と見なす。これにより、サブピクセルサイズのひび割れ幅を検量することができる。
このとき、微細なひび割れを含む1画素の色濃度データは、1画素の原画像を縦横n倍した拡大画像の中に、1画素分の幅のひび割れを作成し、その後、前記拡大画像を縦横1/n倍して原寸に戻す再標本化法を利用して求めることができる。これにより、微細なひび割れを含む1画素分の色濃度データを高い精度で得ることができる。
次に、図9〜図11を参照してこの発明の参考例2に係る微細ひび割れ幅検量方法を説明する。
図9のフローシートに示すように、まずサブピクセルサイズの微細なひび割れが存在する1画素の色濃度の平均値により1画素平均色濃度データを求め、1画素平均色濃度データを背景画像の色濃度毎に微細なひび割れ幅のサイズを変更して取得し、これらの1画素平均色濃度データが背景画素の色濃度毎にグループ分けして集積された1画素濃度データベースを作成する(S300/1画素濃度データベース化工程)。図10のグラフには、背景画素の色濃度毎のグループ(CB1〜CB3)に分けられた1画素の平均色濃度と再標本化度との関係を示す。
1画素平均色濃度データは、前記再標本化法を利用して求められる。図10のグラフに示す関係をひび割れ幅の検量に適用するには、再標本化度を実寸法値に対応させる前記(2) 式、(3) 式を使用し、視野角をパラメータとした画角補正を行う。
次に、トンネルのコンクリート壁の微細なひび割れ部分をデジタルビデオカメラで撮影し(図4)、撮像された画像のうち、微細なひび割れが抽出された画像を読み込む(S301)。次いで、読み込まれた抽出画像を、モニタ画面の左上の1画素を走査する(S302)。それから、この走査画素を中心とした画素領域R内の平均色濃度を計算し、実測平均色濃度データを求める(S303/実測色濃度データ取得工程)。
次いで、実測平均色濃度データを、1画素濃度データベースに蓄積された1画素平均色濃度データと照合し(S304)、最も近似した1画素濃度データベースを選出する(S305/背景画像用色濃度データ選出工程)。
その後、選出された1画素平均色濃度データが固有する背景画像の色濃度のデータから、画像領域Rの中心位置に存在する1画素の背景画像の色濃度を取得する(背景画像色濃度取得工程/S306)。
それから、画像領域Rの中心位置に存在する1画素の平均色濃度データを求め、該平均色濃度データを、選出された1画素平均色濃度データが属する色濃度のグループ(例えばCB1)の1画素平均色濃度データと照合し、最も近似した1画素平均色濃度データを選出する(S307/ひび割れ幅用色濃度データ選出工程)。
選出された1画素平均色濃度データが固有する微細なひび割れ幅のデータから、区画された画像領域の中心位置の1画素に記録された微細なひび割れ幅を取得する(S308/ひび割れ幅検量工程)。
ここで、図11のグラフを参照し、平均色濃度データが固有するひび割れ幅と平均色濃度との関係を説明する。選出されたコンクリートの表面の平均色濃度は140、ひび割れ部分の平均色濃度は20である。図11のグラフを用いることで、平均色濃度が120の場合、ひび割れ幅は0.3mmであることが簡単に導き出される。
その後、モニタ画面上の全画素の走査が終了するまで、上述したモニタ画面の左上より順の1画素の走査(S302)から、微細ひび割れ幅の取得(S308)までの処理を繰り返す(S309)。これにより、サブピクセルサイズのひび割れ幅を高精度に検量することができる。
その他の構成、作用および効果は参考例1から推測可能な範囲であるので、説明を省略する。
次に、図12〜図14を参照し、この発明の実施例1に係る微細ひび割れ幅検量方法を説明する。
図12のフローシートに示すように、まず画素領域R内の色濃度分布データを求め、色濃度分布データを背景の色濃度毎に微細なひび割れ幅のサイズを変更して取得し、複数の色濃度分布データが集積された色濃度分布データベースを作成する(S400/色濃度分布データベース化工程)。色濃度分布データ中には、明るい背景画像と、暗いひび割れ画像とが異なる色濃度ピークとして存在する。
次に、トンネルのコンクリート壁の微細なひび割れ部分をデジタルビデオカメラで撮影し(図4)、撮像された画像のうち、微細なひび割れが抽出された画像を読み込む(S401)。次に、読み込まれた抽出画像について、モニタ画面の左上の1画素を走査する(S402)。次にまた、色濃度分布データを求める際と同じ画素数で円形に区画し、その区画された画素領域R内の色濃度分布である実測色濃度分布データを計算する(S403/実測分布データ取得工程)。ここでは、色濃度が150(背景画像)と30(ひび割れ)にピークが存在した色濃度分布データを例示する(図13のグラフ)。
それから、実測色濃度分布データ(図13のグラフ)を、色濃度分布データベースに蓄積された色濃度分布データ(図14のグラフ)と照合し(S404)、最も近似した色濃度分布データを選出する(S405/分布データ選出工程)。
選出された色濃度分布データが固有する微細なひび割れ幅のデータ(色濃度30にピーク、平均色濃度は20)から、実測色濃度分布データに記録された微細なひび割れ幅を取得する(S406/ひび割れ幅検量工程)。
その後、モニタ画面上の全画素の走査が終了するまで、上述したモニタ画面の左上より順の1画素の走査(S402)から、微細ひび割れ幅の取得(S406)までの処理を繰り返す(S407)。これにより、サブピクセルサイズのひび割れ幅を簡単に検量することができる。
以上説明した実施例1の方法によりサブピクセルサイズのひび割れ幅の検量ができなかった場合、具体的には色濃度分布データ中において、明るい背景画像と暗いひび割れ画像とが異なる色濃度ピークとして検出できなかった場合には、参考例1の方法に則って、微細なひび割れ幅を取得する。その結果、サブピクセルサイズのひび割れ幅を確実に検量することができる。
その他の構成、作用および効果は参考例1と略同じであるので、説明を省略する。

Claims (2)

  1. サブピクセルサイズの微細なひび割れが存在する画素を含む複数の画素領域内の色濃度分布データを求め、該色濃度分布データを背景の色濃度毎に微細なひび割れ幅のサイズを変更して取得し、該複数の色濃度分布データが集積された色濃度分布データベースを作成する色濃度分布データベース化工程と、
    被写体の微細なひび割れ部分をデジタルカメラで撮影し、撮像された微細なひび割れ部分を、前記色濃度分布データを求める際と同じ画素数で区画し、その区画された画像領域内の色濃度分布である実測色濃度分布データを求める実測分布データ取得工程と、
    該実測色濃度分布データを、前記色濃度分布データベースに蓄積された色濃度分布データと照合し、最も近似した色濃度分布データを選出する分布データ選出工程と、
    選出された色濃度分布データが固有する微細なひび割れ幅のデータから、前記実測色濃度分布データに記録された微細なひび割れ幅を取得するひび割れ幅検量工程とを備えた微細ひび割れ幅検量方法。
  2. 前記デジタルカメラがデジタルビデオカメラである請求項1に記載の微細ひび割れ幅検量方法。
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