JP3668653B2 - デジタルカメラを用いる寸法,形状の計測方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、デジタルカメラを用いる寸法,形状の計測方法に関し、特に、この種の計測方法における計測精度を向上させる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CCDなどのデジタルカメラを用いる画像計測は、工業製品の検査,加工管理などに用いられていて、主として、それほど高度の計測精度を要求されない分野に利用されている。
【0003】
ところで、この種の画像計測は、非接触での計測が可能なので、例えば、橋梁などの構造物の経時的な変位計測など、手の届かない部位や、危険な部位での高精度な計測に用することが期待されている。
【0004】
しかしながら、従来のデジタルカメラを用いる画像計測を高度の計測精度が要求される分野に適用するには、以下に説明する技術的な課題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、従来の画像計測では、撮像によって得られた撮像画像データから計測点を抽出し、計測点間の画素数を計数し、得られた計数値に画素の大きさを乗算することにより、計測点間の長さなどを求めている。
【0006】
ところが、CCDなどのデジタルカメラは、画素数の増大化などにより高精度化が図られているものの、レンズ系を有していて、撮像された画面は、レンズ系の収差の影響を受けて樽型ないしは糸巻型に屈曲しており、これをそのまま計数すると、収差に基づく誤差が含まれていて、高精度の計測値が得られないという問題があった。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、高精度の計測が可能なデジタルカメラを用いる寸法,形状の計測方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、被計測対象物をデジタルカメラで撮像し、撮像によって得られた撮像画面データと、前記デジタルカメラの画素の大きさとに基づいて、前記被計測対象物の寸法,形状を計測する方法において、前記撮像データから計測点を抽出し、抽出した前記計測点の座標値に、前記デジタルカメラの光軸中心と画素中心との間のズレを、前記デジタルカメラのレンズの歪曲収差とともに補正し、前記歪曲収差の補正は、間隔値が既知の複数のターゲットマークが表示されたキャリブレーション板を前記デジタルカメラにより撮像し、撮像された画面上の前記ターゲットマーク間の計測値と前記既知間隔値とに基づいて、予め、5次元多項補正近似式のパラメータを決定し、この5次元多項補正近似式から前記補正座標値を求めるものであり、得られた前記計測点の補正値に基づいて、前記計測対象物の形状,寸法を計測するようにした。
このように構成したデジタルカメラを用いる寸法,形状の計測方法によれば、抽出した計測点の計測値に歪曲収差補正を施し、得られた計測点の補正値に基づいて、計測対象物の形状,寸法を計測するので、高精度の計測が可能になる。
また、歪曲収差補正は、間隔値が既知の複数のターゲットマークが表示されたキャリブレーション板をデジタルカメラにより撮像し、撮像された画面上のターゲットマーク間の計測値と前記既知間隔値とに基づいて、予め、5次元多項補正近似式のパラメータを決定し、この5次元多項補正近似式から補正座標値を求めるので、デジタルカメラの撮像条件に依存しない、絶対的な歪曲収差補正が行える。
前記計測点は、前記被計測対象物の角部などの偏極点であって、各計測点間の長さを計測することにより、前記計測対象物の形状を計測することができる。
この構成によると、歪曲収差補正をした高精度の形状計測が可能になる。
前記計測対象物に間隔値が既知で、撮像可能な計測基準点を設定し、前記デジタルカメラで前記計測基準点を撮像し、撮像画面上の前記計測基準点間の間隔計測値を求め、前記間隔値と前記間隔計測値との関係に基づいて、撮像の収縮率を演算し、得られた収縮率に基づいて、前記計測点間の長さを実物相当長に変換することができる。
この構成によれば、撮像画像データから撮像の収縮率が求められるので、簡単に、計測点間の長さを実物相当長に変換することができる。
前記計測点は、前記計測対象物に設置した撮像可能な複数から構成され、不動位置に基準点を設定し、この基準点から各計測点との間の距離を時間を異ならせて計測して、前記計測対象物の経時的な変形量を計測することができる。
この構成よれば、複数の計測点を橋梁などの構造物に設置すると、この種の構造物の経時的な伸長,収縮などの変形計測が高精度に行える。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1から図10は、本発明にかかるデジタルカメラを用いる寸法,形状の計測方法の一実施例を示している。
【0010】
同図に示した計測方法は、被計測対象物Wの形状を計測する際に本発明を適用した場合を示している。図1〜図4は、計測方法を実施する際の手順を時系列順に示した手順説明図であって、この実施例では、被計測対象物Wは、図1に示すように、正方形の左上部を一部切欠した形状になっている。
【0011】
被計測対象物Wの四周には、間隔値x0,y0が既知の4個の基準点A〜Dが、デジタルカメラで撮像可能な状態で設置されている。この被計測対象物Wを計測する際には、CCDカメラなどのデジタルカメラで撮像する。
【0012】
図2は、デジタルカメラで被計測対象物Wを撮像し、撮像によって得られた撮像画面データを再生した撮像画面が示されている。被計測対象物Wの形状を計測する際には、まず、得られた撮像画面から計測点1〜6を抽出する。
【0013】
本実施例の場合には、計測点1〜6は、被計測対象物Wの角部であって、外形線の偏極点になっているので、この部分を、直線除去やメデイアンフィルタなどの各種のフィルタ処理を行うことにより、公知の画像処理を施すことで自動的に抽出する。
【0014】
計測点1〜6が抽出されると、撮像画面の画素(ピクセル)pij(i=1〜m、j=1〜nであって、例えば、ピクセル数が600万画素のCCDカメラでは、i=1〜3060、j=1〜2036となる)の大きさから、各計測点1〜6の座標値(x1〜x6,y1〜y6)および各計測点1〜6の間隔(a〜f)を演算することになる。
【0015】
この演算に際しては、1画素(ピクセル)pijの大きさは、例えば、ピクセル数が600万画素のCCDカメラでは、一辺が0.009mmの大きさの正方形になっているので、撮像画面の中心を原点とする二次元座標系X',Y'を想定して、各計測点1〜6の座標値(x1〜x6,y1〜y6)を求め、その後この座標値を用いて各計測点1〜6の間隔(a〜f)を演算する。
【0016】
ところが、図2に示した再生撮像画面では、一般に、デジタルカメラにレンズ系が用いられていて、そのレンズ系に収差が含まれているので、撮像画面に樽型ないしは糸巻型の歪曲が発生し、変形した状態になっている。
【0017】
従って、歪曲が発生している状態で、各計測点1〜6の座標値(x1〜x6,y1〜y6)および各計測点1〜6の間隔(a〜f)を演算すると、これらの値に歪曲誤差が含まれ、高精度の形状計測が行えない。
【0018】
そこで、本実施例では、各計測点1〜6の座標値(x1〜x6,y1〜y6)に歪曲収差補正を施すようにした。この歪曲補正は、予め設定される歪曲収差率に基づく補正曲線か、あるいは、多次元の多項補正式で近似することにより実施される。
【0019】
図5および図6には、デジタルカメラの歪曲収差補正を求める場合の一例が示されている。これらの図に示した方法では、図5に示すようなキャリブレーション板Cを用いる。
【0020】
キャリブレーション板Cには、同図に示した寸法の位置に、正確に描かれた合計5個のターゲットマークTA〜TEが設けられている。各ターゲットマークTA〜TEは、白色板紙に所定直径の真円を黒色に描いたものである。
【0021】
複数のキャリブレーション板Cは、所定の間隔を隔てて、鉛直壁上にm列,n行になるように縦横に配置し、これを所定の撮影距離Lの地点からデジタルカメラ14で撮像する。
【0022】
壁上に配置した各キャリブレーション板Cの2次元位置は、図7に示すように、m列,n行に配置された中央のキャリブレーション板Ci,jのターゲットマークTAi,jを原点とするX,Y系の二次元座標値として、誤差が±1mm程度のレーザートランシットにて計測されている。
【0023】
レーザートランシットは、水準器により計測して、地面と平行になるように三脚16上に設置してある。デジタルカメラ14は、中央のキャリブレーション板Ci,jのターゲットマークTAi,jの方向に光軸が向くようにして、同じ配列のキャリブレーション板Cを撮像する。
【0024】
図8にデジタルカメラ14によりターゲットCを撮像した際の撮像画面の要部が示されている。カメラ14による撮像画面では、ピクセルpijの中心を原点とするX',Y'系の二次元座標により各ターゲットマークTA'i,jなどの座標値が求められる。
この場合、ターゲットマークTA〜TEの撮像画面上での大きさは、例えば、600万画素のCCDカメラを用い、撮影距離が約15mで撮影すると、レンズの画角から、1画素の間隔は、撮像画面上で約4mmの換算になるので、例えば、ターゲットマークTA〜TEの大きさが50mmの円形であると、約10〜13画素の大きさを占める。
【0025】
そこで、ターゲットマークTA〜TEの中心位置は、撮像画面上での円形の重心上に設定する。この場合、ターゲットマークTA〜TEは、黒色で描かれているので、閾値処理を行うことにより、図形を明確にしてから重心位置を決定する。
【0026】
この場合、デジタルカメラ14を中央のキャリブレーション板Ci,jのターゲットマークTAi,jの方向に光軸が向くように配置したとしても、光軸の中心とピクセルpijの中心との間に、図8に示すようなズレTが生じる。
【0027】
このズレTは、ピクセルpijの中心を原点として、キャリブレーション板Ci,jのターゲットマークTAi,jの座標を求めれば決まり、ズレTが決定すると、ターゲットマークTA'i,jなどの座標値をこれで補正し、座標系のズレに基づく誤差をなくす。
【0028】
このような座標系の誤差補正が終了すると、図7に示す実測に基づく像高h1〜h5と、これに対応する撮像画面上の像高h1’〜h5'をそれぞれ求め、これらの値に基づいて、歪曲収差率が以下の式で求められる。
【0029】
歪曲収差率(%)=100×(h'−h )/h
このような歪曲収差率をX',Y'軸に沿って順次求めていくと、図9に示すような、歪曲収差率の補正曲線が得られる。図9には、キャリブレーション板Cを、撮影距離15m,10m,5mの地点でそれぞれ600万画素のCCDカメラで撮像して得られた3種類の補正曲線が示されている。
【0030】
なお、図9において、横軸は、歪み後の像高であって、撮影距離5mにおける像高11mmの以上の部分を除けば、理論値と比較して大きなずれがないことが判った。
【0031】
このような補正曲線をあらかじめ求めておくと、デジタルカメラ14により計測対象物Wを撮像した際の計測値をこの補正曲線に当てはめて補正することができ、このような補正値を用いると、画像計測の精度を向上させることができる。ところが、以上のようにして求められる歪曲収差率の補正曲線は、デジタルカメラ14の撮像距離によって異なるし、また、デジタルカメラ14の画角の方向が異なった位置に向けられると変化し、実際の歪曲収差補正に採用すると、再現性に問題がある。
【0032】
そこで、これらの条件に左右されることなく、撮像距離による依存性のない歪曲収差の補正方法として、多次元多項式により補正曲線を近似することができる。
【0033】
本実施例では、歪み後の像高h’を歪み前の像高hに直す関数として、以下の5次元の多項補正式を設定した。
h=ah’5+bh’5+ch’4+dh’3+eh’
この補正式の各パラメータを求めるためには、図8に示す、撮像画面上に5点以上の測点を設定し、各測点に置ける像高h1'〜h5’と、これに対応する図7に示す実測像高h1〜h5とをそれぞれ求め、これらの値を代入した式を5以上得て、最小二乗法を用いて、最も近似した値が得られるパラメータを決定する。
【0034】
図10は、実際にキャリブレーション板Cを、撮影距離15mで、600万画素のCCDカメラで撮像し、上記方法によりパラメータを決定して、歪曲収差補正をした場合と、補正をしない場合との、実測値との間の誤差を示している。
【0035】
図10に示した結果からも明らかなように、歪曲収差補正をしないと、中心からの距離が約6m程度で、約100mmほどの誤差が生じているが、収差補正を行うと、±10mm以内に誤差が収まることが判る。
【0036】
以上のような、歪曲収差の補正方法によれば、撮像された画面上のターゲットマーク間の計測値と既知間隔値とに基づいて、予め、多次元多項補正近似式のパラメータを決定し、この多次元多項補正近似式から、歪曲収差補正を施した補正座標値を求めるので、デジタルカメラ14の撮像条件に依存しない、絶対的な歪曲収差補正が行える。
【0037】
以上のようにして予め設定される歪曲収差率の補正曲線、または、5次元の多項補正式により、各計測点1〜6の座標値(x1〜x6,y1〜y6)を補正すると、各計測点1〜6の補正座標値(x1'〜x6',y1'〜y6')が求められ、この補正座標値(x1'〜x6',y1'〜y6')に基づいて、各計測点1〜6の間隔(a〜f)を演算し、これを画面上に表示させた状態が図3に示されている。
【0038】
図3に示した被計測対象物Wの形状は、補正前の座標値(x1〜x6,y1〜y6)で示した形状に対して、歪曲収差が補正されているので、実際の形状に近くなり、高精度の形状計測が行われる。
【0039】
図4は、被計測対象物Wとともにその外周に設置されている4個の基準点A〜Dを同じに撮影表示した状態を示している。この場合、各基準点A〜Dの間隔値x0',y0'は、各計測点1〜6の座標値と同様な歪曲収差補正が行われた値である。
【0040】
このような間隔値x0',y0'が求められると、実際の基準点A〜D間の隔値x0,y0が既知なので、これらの値からデジタルカメラで撮像された画面の収縮率を求めることができる。
【0041】
そして、収縮率が求められると、各計測点1〜6の間隔(a〜f)にこれを乗算することにより、実物相当長が求められるので、例えば、被計測対象物Wの形状検査などに適用すると、高精度の検査が可能になる。
【0042】
なお、上記実施例では、形状計測の特徴点として、被計測対象物Wの角部に計測点1〜6を設定した場合を例示したが、特徴抽出は、角部に限ることはなく、例えば、被計測対象物Wの任意の線分の、任意の位置に撮像堪能なターゲットを貼付して、これを計測点としてもよい。
【0043】
図11は、本発明にかかる寸法,形状の計測方法の他の実施例を示しており、同図に示した実施例は、本発明を変形量の計測に適用する場合を示している。本実施例の場合には、被計測対象物に、不動位置に基準点sを設定し、かつ、計測点1〜3を設定する。基準点sおよび計測点1〜3は、デジタルカメラで撮像可能なものであって、これらが同時に同じ画面に現れるようにして撮影する。
【0044】
そして、まず、時刻t0にデジタルカメラにより計測対象物を撮影して、得られた撮像画面データから、基準点sと各計測点1〜3を抽出し、基準点sから各計測点1〜3までの距離a〜cを計測する。
【0045】
この距離a〜cを計測する際には、上記実施例と同様に基準点sおよび各計測点1〜3の画面上の座標値を演算するが、演算によって得られた座標値は、上記実施例と同様に、予め設定されている多次元多項補正式により、歪曲収差補正が施され、補正された座標値により距離a〜cが求められる。
【0046】
次に、時刻t0から時間が経過して、時刻t1になると、デジタルカメラにより計測対象物を撮影して、得られた撮像画面データから、基準点sと各計測点1〜3を抽出し、基準点sから各計測点1〜3までの距離a'〜c'を計測する。
【0047】
この距離a'〜c'を計測する際にも、基準点sおよび各計測点1〜3の画面上の座標値を演算するが、演算によって得られた座標値は、時刻t0のときと同様に、予め設定されている多次元多項補正式により、歪曲収差補正が施され、補正座標値を用いて距離a'〜c'が求められる。
【0048】
このようにして、時刻t0およびt1における距離a〜cおよび同a'〜c'が求められると、対応する距離値を減算することにより、計測対象物の時刻t0から時刻t1までの間の変位量を求めることができる。
【0049】
なお、この変位量の計測では、時刻t0と同t1におけるデジタルカメラの設置位置を全く同じ位置にするか、あるいは、設置条件が異なる場合には、上記実施例と同様に、計測対象物に基準点A〜Dを設置しておき、時刻t0と同t1に撮像した画面同士で基準点A〜Dの間隔値が同じ値になるように補正するようにしてもよい。
【0050】
以上のような経時的な変位量の計測は、例えば、図12に示すように、橋梁の橋桁の側面に、デジタルカメラで撮像可能な複数の計測点1〜nを設定し、不動位置に基準点sを設定して、時間の経過に応じて複数の撮像画像データを得ることにより、橋桁上に重量物が載った際の撓みや、橋桁の長手方向の経時的な変位を計測することができる。
【0051】
なお、このような変位計測においては、撮影画面上に複数の不動点(基準点s)が撮像されていることが望ましく、このような条件で撮像すると、不動点の座標値が基準座標値になり、不動点間の長さを基準長さとすることができる。
【0052】
また、図13に示すように、岩盤の傾斜面にデジタルカメラで撮像可能な複数の計測点1〜nを設定し、不動位置に基準点sを設定し、時間の経過に応じて複数の撮像画像データを得ることにより、岩盤傾斜面の経時的な変位を計測することができる。
【0053】
さらに、図14に示すように、トンネルの掘削断面に沿ってデジタルカメラで撮像可能な複数の計測点1〜nを設定し、不動位置に基準点sを設定し、時間の経過に応じて複数の撮像画像データを得ることにより、トンネル内空面の経時的な変位を計測することができる。
【0054】
さて、以上のようにして行う寸法,形状の計測方法によれば、歪曲収差補正をした補正座標値を用いて、経時的な変位量を求めるので、高精度の変位計測が可能になる。
【0055】
また、本実施例のように、デジタルカメラで撮像可能な複数の計測点を橋梁などの構造物に設置すると、この種の構造物の経時的な伸長,収縮などの変形計測が高精度に行えるとともに、手が届かず、危険な場所での変位計測を可能にする。
【0056】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明にかかるデジタルカメラを用いる寸法,形状の計測方法によれば、高精度の計測が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる計測方法が適用される計測対象物の一例を示す説明図である。
【図2】図1の計測対象物をデジタルカメラで撮像して、再生した画像の説明図である。
【図3】図2の画像を歪曲収差補正した後の説明図である。
【図4】図1の計測対象物の周囲に基準点を設定し、この基準点とともに計測対象物を撮像し、得られた画像に歪曲収差補正を施した後の説明図である。
【図5】本発明の計測方法で行う歪曲収差補正の計測に用いるキャリブレーション板の平面図である。
【図6】図5に示したキャリブレーション板をデジタルカメラで撮影する際の説明図である。
【図7】図5に示したキャリブレーション板の配置状態の要部説明図である。
【図8】図5に示したキャリブレーション板をデジタルカメラで撮影際の撮像画面の要部説明図である。
【図9】図6に示した撮影において、撮影距離を異ならせた場合の歪曲収差率の変化を示すグラフである。
【図10】本発明の計測方法で採用する歪曲収差補正を行った場合と、行わない場合の誤差を示すグラフである。
【図11】本発明にかかる計測方法の他の実施例の説明図である。
【図12】図9に示した実施例のより具体的な実施状況の説明図である。
【図13】図9に示した実施例のより具体的な実施状況の説明図である。
【図14】図9に示した実施例のより具体的な実施状況の説明図である。
【符号の説明】
TA〜TE ターゲットマーク
C(Ci,j) キャリブレーション板
14 デジタルカメラ
Claims (4)
- 被計測対象物をデジタルカメラで撮像し、撮像によって得られた撮像画面データと、前記デジタルカメラの画素の大きさとに基づいて、前記被計測対象物の寸法,形状を計測する方法において、
前記撮像データから計測点を抽出し、
抽出した前記計測点の座標値に、前記デジタルカメラの光軸中心と画素中心との間のズレを、前記デジタルカメラのレンズの歪曲収差とともに補正し、
前記歪曲収差の補正は、間隔値が既知の複数のターゲットマークが表示されたキャリブレーション板を前記デジタルカメラにより撮像し、
撮像された画面上の前記ターゲットマーク間の計測値と前記既知間隔値とに基づいて、予め、5次元多項補正近似式のパラメータを決定し、この5次元多項補正近似式から前記補正座標値を求めるものであり、
得られた前記計測点の補正値に基づいて、前記計測対象物の形状,寸法を計測することを特徴とするデジタルカメラを用いる寸法,形状の計測方法。 - 前記計測点は、前記被計測対象物の角部などの偏極点であって、各計測点間の長さを計測することにより、前記計測対象物の形状を計測することを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラを用いる寸法,形状の計測方法。
- 前記計測対象物に間隔値が既知で、撮像可能な計測基準点を設定し、前記デジタルカメラで前記計測基準点を撮像し、撮像画面上の前記計測基準点間の間隔計測値を求め、前記間隔値と前記間隔計測値との関係に基づいて、撮像の収縮率を演算し、得られた収縮率に基づいて、前記計測点間の長さを実物相当長に変換することを特徴とする請求項2記載のデジタルカメラを用いる寸法,形状の計測方法。
- 前記計測点は、前記計測対象物に設置した撮像可能な複数から構成され、不動位置に基準点を設定し、この基準点から各計測点との間の距離を時間を異ならせて計測して、前記計測対象物の経時的な変形量を計測することを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラを用いる寸法,形状の計測方法。
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