JP2005241465A - 微小力測定装置、微小力測定方法 - Google Patents

微小力測定装置、微小力測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】微小な粒子とベース物質との水平な方向の相対位置を数ナノメートルのオーダーで制御することを可能な装置であって、測定に至るまでの微小な粒子の取り扱いや操作が簡単な優れた微小力測定装置を提供する。
【解決手段】前記微小な粒子を固定し得る当該微小な粒子より大きなビーズ1aとこのビーズを支持する支持部1bとを備えたプローブ1と、前記微小な粒子の移動に伴って位置変化するビーズ1aを、捕捉用レーザで光学的に捕捉し、当該捕捉用レーザのビーズ1aに対する捕捉力を利用して、前記プローブ1を所定目的位置に静止固定するようフィードバック制御するプローブ位置制御機構Aと、前記捕捉用レーザのビーズ1aに対する捕捉力を経時的に測定記録する測定手段Bと、さらに全反射蛍光観察機構Cを備えている微小力測定装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、蛋白質分子などの微小の粒子と所定のベース物質との間に働く力学的な力を経時的に測定する微小力測定装置及び微小力測定方法に関するものである。
従来、例えば、微小な粒子たるモータ蛋白質分子とベース物質たる蛋白質フィラメントなどが相互作用する際に発生する微小な力の大きさをpN(ピコニュートン)の精度で測定するための微小なガラスプローブや光ピンセットを用いる方法等が知られていた。これらは、微小なガラスプローブの先端や光ピンセットを微小なバネ秤のように利用して、前記微小なガラスプローブの先端や光ピンセットで捕捉した粒子にモータ蛋白質一分子を固定し、観察対象物面に蛋白質フィラメントを固定して両者を接近させると、これらの間に相互作用が働いたときにモータ蛋白質の移動に基づく微小なガラスプローブの先端や光ピンセットで捕捉した粒子の変位が観察され、この変位を測定することにより、モータ蛋白質分子と蛋白質フィラメントとの間に働いた力の強さの経時変化を測定することができるようになっている(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)。
また、レーザの放射圧を利用して、観察対象物面に垂直な方向のプローブの位置をフィードバック制御することにより、観察対象物面との距離を一定に保ちながら観察対象物面に垂直な方向の引力および斥力の非接触計測を行う分子間力顕微鏡が知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、これらの方法では、プローブや粒子の熱揺らぎ及び外力に伴う変位を消失させて、水平な方向の力を測定する手段を考慮していなかったため、微小な粒子とベース物質との相対的な位置を数ナノメートルのオーダーで制御しながら水平方向の力を検出することができないという課題を残していた。そこで、その課題を解決するべく本出願人は、モータ蛋白質及び蛋白質フィラメント等、微小な粒子とベース物質との水平な方向の相対位置を数ナノメートルのオーダーで制御することを可能にした装置として、図12に示すような微小な粒子25を固定している探針100aを備えたプローブ100と、前記微小な粒子25の移動に伴って位置変化する前記プローブ100を光圧用レーザの放射圧を利用して所定目的位置に静止固定するようフィードバック制御するプローブ位置制御機構と、前記光圧用レーザの放射出力を経時的に測定記録する測定手段とを備えて構成したものを開発している(例えば、特許文献3参照)。なお、図12において、後述する本発明の一実施形態における構成と同様の構成には、同様の符号を付している。
特開平9−43434号公報 特開平7−12825号公報 特願2001−308744号公報 TREND in Biotechnology vol.19 no.6 June 2001 P211−P216
ところで、上記装置で微小な力を測定する際には、測定に係る操作の前段階において微小な粒子25をプローブ100の探針100aに固定せねばならないが、その場合には探針100aを複数の微小な粒子25に接触させ所定の化学的手法によって固定するという方法を採っていた。この場合極めて微細な探針100aに微小な粒子25をしかも可及的に一分子のみを固定するという作業は非常に手間がかかり、測定までに時間を要するという不具合を有していた。
そこで、このような短所を解決すべく、微小な粒子とベース物質との水平な方向の相対位置を数ナノメートルのオーダーで制御することを可能な装置であって、測定に至るまでの微小な粒子の取り扱いや操作が簡単な優れた微小力測定装置を提供する。
本発明の装置は、微小な粒子と所定のベース物質との間に働く力学的な力を測定するためのものであって、前記微小な粒子を固定し得る当該微小な粒子より大きな微小担体とこの微小担体を支持する支持部とを備えたプローブと、前記微小な粒子の移動に伴って位置変化する前記微小担体を、捕捉用レーザで光学的に捕捉し、その捕捉用レーザの微小担体に対する捕捉力を利用して、前記プローブを所定目的位置に静止固定するようフィードバック制御するプローブ位置制御機構と、前記捕捉用レーザの微小担体に対する捕捉力を経時的に測定記録する測定手段とを備えている微小力測定装置であり、測定手段によって測定された捕捉用レーザの捕捉力に基づいて微小な粒子と所定のベース物質との間に働く力学的な力を測定することができるようにしたものである。なお、「微小な粒子を固定し得る」とは、微小な粒子を結合すること、吸着することなどができるということである。
より具体的には、一定のバネ定数を有する支持部を固定器に(直接的に或いは間接的に)接続するとともに、前記捕捉用レーザの微小担体に対する捕捉中心を所定距離ずらして、動的な平衡が保持できるようオフセット機能を付加するようにすれば好ましい。微小な粒子の順逆両方の方向の移動による力の測定が可能となるからである。
また、微小担体としての好適な具体的態様としては、前記微小な粒子を化学的手法で結合或いは吸着したビーズが挙げられる。手に入りやすく扱いが簡単だからである。
そして、捕捉用レーザによる力を有効に与えることができ、且つ微小担体自身の存在による液体中の粘性抵抗の増加を可及的に小さく保つようにするためには、ビーズの大きさを、その径が0.5〜1μmのものとすることが望ましい。
また、ビーズとしては、ポリスチレンを素材としたカルボキシルビーズを用いることが好ましい。熱発生に対して安定である上に、例えば非常に高い親和性を持ち且つ安定なアビジン・ビオチン結合などを採用して、微小な粒子に対しても支持部に対しても簡単に固定することができるからである。
支持部の具体的な態様としては、ベース物質を観察対象物面に固定するようしておき、その観察対象物面に対して水平方向へ移動できるように構成したものが挙げられる。すなわち、板状、角柱状、円柱状のものなど種々の形状のものが考えられる。
また、微小な粒子の観察対象物面に対して垂直方向な動きに対応させるためには、前記支持部を観察対象物面に対してさらに垂直方向への移動可能に構成するようにすればよい。そして、このように、観察対象物面に対して垂直方向への移動も可能なものとするには、例えば支持部を針状に成形しておき、その基端部を片持ち状に固定して観察対象面に対して水平をなすように配置するようにすればよい。
そして、支持部の素材としては、化学的、機械的に安定なものであれば種々のものが考えられるが、手に入りやすい上に加工がし易く、機械的にも安定であるという点からガラスを用いることが望ましい。
プローブ位置制御機構の具体的構成としては、前記微小担体に捕捉用レーザを照射して光学的に捕捉する捕捉手段と、その微小担体に対して位置検出用の光照射を行う位置検出用光照射手段と、分割光ダイオードに前記光照射による干渉像を映し出す投影手段と、前記干渉像により微小担体の位置を検出測定する検出手段と、前記検出手段による検出結果より捕捉用レーザの微小担体に対する捕捉力を調節する調節手段とを備えているものが挙げられる。
微小な粒子が1分子のみプローブに対して固定されたかどうかを確認できる有用な装置とするためには、全反射蛍光観察機構をさらに設けると望ましい。全反射蛍光観察機構によれば、微小な物質のプローブに対する固定の過程をリアルタイムで視覚によって直接的に観察できるからである。さらに、他の物質例えばベース物質の観察が可能な構成とすることも容易に実施でき、このようにすれば微小な物質とベース物質との位置関係の調整をも行うことができるようになり、これらの相互作用を適正な状態で測定することができるようになる。
このような、全反射蛍光観察機構の好適な具体的態様としては、励起光レーザを対物レンズから観察対象物面に対して照射し全反射するようにしたものが挙げられる。このようなものであれば、観察対象物面より上方に、プローブの設置空間を確保することが容易となる。
また、本発明によるプローブの構成を活かして、より有用な装置とするためには、前記全反射蛍光観察機構を、前記微小な粒子、ベース物質、及び微小担体それぞれを蛍光観察するようにしておき、さらに前記ベース物質と前記微小担体とを同じ波長の励起光によって蛍光観察するように構成すれば望ましい。このようにすれば、微小な粒子が1分子プローブに固定されたかどうかを確認できる上に、微小担体とベース物質とを所定波長の励起光を照射した状態で、ビデオ等で撮像することで、微小担体に固定した微小な粒子とベース物質との位置関係の変化、すなわち微小な粒子の動きを長時間にわたり観察しつつ、これらの間に働く力を測定することが可能となるからである。
熱によるプローブの揺らぎの抑制に関しては、前記プローブ位置制御機構において、プローブの揺らぎを二乗平均で変位換算して0.65ナノメートル以下で保持していることを監視制御することで、熱揺らぎによるプローブの揺らぎを防止するようにすることが挙げられる。
要すれば、微小な粒子と所定のベース物質との間に働く力学的な力を測定するためのものであって、前記微小な粒子を固定するためのプローブを、その微小な粒子を固定し得る当該微小な粒子より大きな微小担体とこの微小担体を支持する支持部とを備えて構成し、前記微小な粒子の移動に伴って位置変化する前記微小担体を、捕捉用レーザで光学的に捕捉し、その捕捉用レーザの微小担体の捕捉力を利用して、前記プローブを所定目的位置に静止固定するようフィードバック制御しておいて、前記捕捉用レーザの微小担体に対する捕捉力を経時的に測定記録して、その捕捉力に基づいて微小な粒子とベース物質との間に働く力学的な力を測定する微小力測定方法であればよい。
本発明の装置のような構成とすれば、プローブに対して微小な粒子を固定する場合に、微小な粒子を微小担体に対して化学的手法など所定の方法で予め固定しておき、微小な粒子よりも大きな微小担体を支持部に対して固定するという手順を採用することができ、すなわち、「プローブに微小な粒子を取り付ける」という作業を、従来のプローブの探針に対して微小な粒子を固定する場合と比較して、簡単で扱い易い。加えて、「一分子」の微小な粒子を固定するという点においても、微小担体と微小な粒子とを1:1で作用させた上で、微小な粒子よりも大きな微小担体を支持部に固定するという手法を採ることで、プローブの探針に対して直接的に微小な粒子を一分子だけ固定しようとする場合と比較すれば、飛躍的に作業の煩雑さを払拭することができる。
また、従来のいわゆる捕捉用レーザを用いた光ピンセット法を利用して蛋白質などの微小な粒子の力学的な力を測定する際には、微小な粒子を固定したビーズが回転してしまい測定の阻害となってしまう場合があったのに対し、本発明では、微小な粒子を結合或いは吸着させた微小担体を支持部に固定して支持させることにより、微小担体自身の回転等の動きを抑制して微小な粒子の変位が確実に微小担体の重心位置の移動に反映されるようにすることができる。加えて、支持部の弾性力を利用してオフセット機能を備えることも可能である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
この微小力測定装置は、タンパク質などの微小な粒子と所定のベース物質との間に働く力学的な力を測定するためのものであり、図1に機器構成図、図2に機能構成図を示しているように、微小な粒子を固定可能なものであって当該微小な粒子よりも大きな微小担体たるビーズ1aとこのビーズ1aを支持する支持部1bとを備えたプローブ1と、微小な粒子の移動に伴って位置変化する前記ビーズ1aを捕捉用レーザで光学的に捕捉し、その捕捉用レーザのビーズ1aに対する捕捉力を利用してプローブ1を所定目的位置に静止固定するようフィードバック制御するプローブ位置制御機構Aと、捕捉用レーザの捕捉力を経時的に測定記録する測定手段Bとしての機能を有するものであり、さらに本実施形態においては全反射蛍光観察機構Cを備えている。
それぞれを具体的に説明する。まず、図3、図4に概略図を示しているプローブ1を構成するビーズ1aは、本実施形態においては、ポリスチレンを素材としたカルボキシルビーズであってその径が0.5〜1μmに設定されたものを使用している。なお、図3、図4において、符号25を付して示している、ビーズ1aに吸着した微小粒子たるモータ蛋白質については後述する。
支持部1bは、ガラスによって長さを50〜100μmの針状に成形したもので、バネ定数(Kとする)が0.05pN/nm程度となるように調整してある。この支持部1bの基端部に当該支持部1bより太くした補強部1cを一体的に形成し、この補強部1cを図示しない固定器具に対して取り付けるようにして支持部1bが片持ち状となるようにしている。そしてこの支持部1bを、観察対象物面2aに対して平行に配置するようにし、観察対象面2aに対して、水平方向に移動可能とするとともに、垂直方向にも移動可能な状態となるようにしている。なお、観察対象物面2aとは、ビーズ1bに固定した微小な粒子が移動する場所であり、通常はスライドガラス2を用いている。
プローブ位置制御機構Aは、捕捉用レーザを照射してビーズ1aを光学的に捕捉する捕捉手段A1と、前記ビーズ1aに対して位置検出用の光照射を行う位置検出用照射手段A2と、分割光ダイオードに前記位置検出用照射手段A2の光照射による干渉像を映し出す投影手段A3と、前記干渉像によりビーズ1aの位置を検出測定する検出手段A4と、前記検出手段A4による検出結果より捕捉用レーザのビーズ1aに対する捕捉力を調整する調整手段A5とを備えて構成している。
捕捉手段A1は、捕捉用レーザを照射する第1のレーザ光源3の光線を、EOM(電気光学変調器)4によってその照射強度の調整を行い、捕捉用レーザレンズ5aを通過させて、ミラーMRで反射させることによって光路を90度曲げてから捕捉用レーザレンズ5bを通過させ、さらに第1の反射鏡6で反射させてから第1対物レンズ7に入射し集光して、ビーズ1aに対して照射するように構成している(図4参照。なお、図中、捕捉用レーザを二点鎖線で示している)。前記ミラーMRを移動させることにより、光線を平行移動して観察対象面2aでのビーズ1aの捕捉位置を移動させることができるようにしてある。また、捕捉用レーザレンズ5bと第1の対物レンズ7との焦点位置は一致させている。なお、EOM4から出力するレーザ光線を複数の集光レンズや反射鏡で反射させて第1対物レンズ7に入射するように構成してあってもよい。本実施形態においては、捕捉用レーザとして、支持部1bの素材であるガラス、ビーズ1a及び微小な粒子に吸収がほとんど見られない赤外線領域の波長のYAG(Yittrium Aluminium Garnet)レーザ(1064nm、500mW)を採用している。なお、図5に示すように、この捕捉用レーザ(EOM4での調整後は200mW)の有無で確実にプローブ1の位置が変化し再現性ある結果を示すことは確認できている。また、図4、図6に示しているように、捕捉用レーザ1のビーズ1aに対する捕捉中心を所定距離移動させることでオフセット機能を与えて、プローブ1を動的平衡で所定目的位置に静止するようにしている。なお、オフセットに要する力として、捕捉用レーザの捕捉力がプローブ1に固定した微小な粒子が持つ力より十分大きいものになるように捕捉用レーザの照射強度を予め調節している。
位置検出用光照射手段A2は、位置検出用の第2のレーザ光源8による光線を、ビームエクスバンダ9で広げてから、第2の反射鏡10で反射させ、図7に示しているように前記第1対物レンズ7に入射し集光してプローブ1にフォーカス(クロス)して照射するように構成している。なお、位置検出用レーザは、ビーズ1a及び支持部1bに対しては特段の作用を及ぼさないように構成する必要があるもので、本実施形態においては、YAGレーザ(532nm、100μW)を採用している。
投影手段A3は、ビーズ1aを通過した位置検出用レーザ光線を第2対物レンズ12に入射させ、第3の反射鏡11で反射させて分割光ダイオードたるニ分割フォトダイオード13内でプローブ干渉像を得るように構成している。
検出手段A4は、前記ニ分割フォトダイオード13に接続したI−V変換器14及び差動増幅器15を有する位置検出用増幅器16によって、前記干渉像を位置信号として電気信号に変換し、さらにA−D変換器17でデジタル信号に変換して、その出力信号をデータ収録用のコンピュータ18に集積記録してモニターできるように構成している。
調整手段A5は、前記位置信号をフィードバック回路19によってフィードバック信号に変換させ、EOM4にその信号を送信して捕捉用レーザの捕捉力を調整して、プローブ1を静止固定させるように構成している。より具体的には、フィードバック制御により微小な粒子が作用した力と反対向きに力が作用するように、照射強度を変化させることで捕捉用レーザの捕捉力に対応するレーザトラップのバネ定数を調整し、見た目の上でプローブ1が静止させるようにしている。ここで、ビーズ1aに固定した微小な粒子の運動及びバックグラウンドとして熱による揺らぎがビーズ1a及び支持部1bに生じるが、位置信号をフィードバック回路19へ入力し目標値信号へ追従させることにより、図9示すように、ビーズ1の揺らぎを二乗平均変位に換算して約0.65ナノメートル以下に抑えるように設定している。なお、プローブ1(ビーズ1a)の位置が変位することにより、この干渉縞が変化するが、この変化量はプローブ1の位置変化と一定の相関関係を持って変化することがわかっているので、定量的にプローブ位置の測定が可能である。
測定手段Bは、前記コンピュータ18或いは図示しない専用の制御装置等によって捕捉用レーザの捕捉力を経時的に測定し、間接的にプローブ1に懸かる力学的な負荷を測定できるようにしたものである。より具体的には、支持部1bの基端部側に、例えば補強部1cに、ピエゾ素子等を取り付けて電圧を印加し一定の振幅Yの変位を与えた状態として、このときに検出されるフィードバック信号の振幅Fが、支持部1bのバネ定数K及びピエゾ素子によって与えられた振幅Yより見積もられる力学的負荷L(L=K×Y)及びある係数αを用いてL=α×Fという関係式で表せることを利用して、前記係数αを決めて校正を行い、支持部1bにかかった力を測定している。
全反射蛍光観察機構Cは、励起光を観察対象物面等の所定の面に対して全反射させることによって生じるエバネッセント場において励起される蛍光物質を観察する、いわゆる全反射蛍光観察顕微鏡の原理に基づくものである。
詳述すると、微小な粒子に標識した特定の蛍光物質(色素)を励起させる波長のレーザ光線を、観察対象物面2aに対して全反射するように設定した入射角度で照射し、観察対象物面2aから約100nmの範囲に形成されるエバネッセント場において励起される前記蛍光物質を観察するように構成している。具体的には、図示例のものでは、前記励起光としてブルーレーザ(473nm、500μW)を採用しており、励起用レーザ光源20の光線をビームエスクパンダ21、集光レンズ22に通し、励起光用レーザ反射鏡23で反射させて第1対物レンズ7を通じて観察対象物面2aを下方側から照射し、照射領域を例えばCCDカメラ24によって撮像して、図示しないモニターに画像として表示するようにしている。
以上のように構成した微小力測定装置によって、図10に示したように微小な粒子たるモータ蛋白質(キネシン)25とベース物質たるフィラメント蛋白質(微小管)26との間に作用する力を測定する場合について説明する。
まず、プローブ1にモータ蛋白質25を固定してその微小力を測定するまでの過程の一例について説明する。
あらかじめ、モータ蛋白質25は、Cy3等の所定の蛍光物質で標識しておく。
プローブ1を構成する針状の支持部1bには、例えばアミノプロピルトリエトキシシラン処理を施すことによって表面にアミノ基を導入する。次に、例えばBiotin―(AC―Sulfo−OSu処理を行い、ビオチンを導入する。
一方、ビーズ1aに対しては、まず表面に露出するカルボキシル基に、ビオチンカダベリンをEDC(1-Ethyl-3-[3-Dimethylaminopropyl] carbodiimide
Hydrochloride)架橋させることによって、ビオチン化する。次に、このように導入されたビオチンの部位にストレプトアビジンを結合させ、ビーズ1aの表面をアビジンでコーティングした状態とする。そして、このアビジン化されたビーズ1aとモータ蛋白質25とを1:1の割合となるよう混合して、一のビーズ1aに一のモータ蛋白質25を吸着させるようにする。なお、ストレプトアビジンを用いず、アビジン、ニュートラアビジンを用いてもよい。
観察対象面2aにはフィラメント蛋白質26を固定しておき、観察対象面2aに形成されるフローチャンバーに上記のように蛍光標識済みのモータ蛋白質25を1分子吸着した状態のビーズ1aを撒布する。第3のレーザ光源20による励起光が観察対象物面2aに照射されると、CCDカメラ24がその励起光による蛍光の状態を撮像し、その画像がモニターに映し出されるので、その蛍光像をモニター上で観察することで、ビーズ1aに吸着させたモータ蛋白質25の存在が確認できる。
そして、第3のレーザ光源20による励起光の照射を続け、モータ蛋白質25の位置を確認しながら、支持部1bを所定のプログラムに従ってスキャンさせ、モータ蛋白質25を吸着したビーズ1aに近づけると、そのビーズ1aの表面のアビジンと支持部1bの表面のビオチンとが結合し、支持部1bがビーズ1aを拾い上げることになる。このようにして、プローブ1にモータ蛋白質25が固定された状態となったら、ビーズ1aに固定されたモータ蛋白質25を、スライドガラス2上の観察対象物面2aに固定しておいたフィラメント蛋白質26にデポジットさせる。
以上のように測定準備が完了した後、測定開始信号の入力により、第2のレーザ光源8はプローブ1の位置検出用として機能するように切り替えられるとともに、ビーズ捕捉用の第1のレーザ光源3の照射が開始される。そして、前記ミラーMRを移動することによってビーズ1aの捕捉中心を所定距離ずらしてオフセットをかける。
一方、第2のレーザ光源8から出力されたレーザ光線は、ビームエクスバンダ9で広げられ、第2の反射鏡10に反射され、第1対物レンズ7に入射し集光され、プローブ1の位置を検出する。プローブ1を通過した位置検出用レーザは、第2対物レンズ12に入射し、第3の反射鏡11に反射される。そして、プローブ1の位置を反映して、ニ分割フォトダイオード13内でプローブ干渉像が得られる。ここで、プローブ1は、熱揺らぎによってランダムに変位するが、これは干渉像の動きとして検出される(図8、9参照)。この干渉像が、位置検出用増幅器16によって位置信号として電気信号に変換され、さらにA−D変換器17でデジタル化され、コンピュータ18に入力される。コンピュータ18では、熱揺らぎ等によるバックグラウンドを二乗平均変位に変換計算する。また、前記位置信号がフィードバック回路19に入り、フィードバック信号に変換される。このフィードバック信号が、EOM4に移行し、そのフィードバック信号に応じて第1のレーザ光源3の照射強度が調整され、すなわちビーズ1aに対する捕捉力が変調される。
そして、フィードバック信号により調整された捕捉力によって、ビーズ1aに固定したモータ蛋白質25による力の発生にかかわらず、プローブ1は、見た目上、静止固定される。この際、図8に示しているフィードバックをかけなかったときの熱揺らぎによるプローブの変位が、図9に示しているように、フィードバック制御によって約0.65ナノメートルの精度で制御して固定できたのと同様に制御できる。なお、本実施形態ではオフセット機能を付加させているので、図6に示しているように、プローブ1に固定されたモータ蛋白質25が、レーザの捕捉中心をずらした方向と逆の向きに移動する場合には、支持部1bに懸かる力は、オフセットによる力と前記モータ蛋白質25の移動に伴う力が加算された力に相当することになる。一方、前記モータ蛋白質25がレーザの捕捉中心をずらした方向と同じ向きに移動する場合には、支持部1bに懸かる力は、オフセットによる力からモータ蛋白質25の移動に伴う力を減じた力に相当することになる。
そして、支持部1bのバネ定数を用い、フィードバック信号と捕捉用レーザの捕捉力との関係を求め、フィードバック信号を解析することにより、モータ蛋白質25とフィラメント蛋白質26との間に作用する力を得ることができる。
以上のように説明した本実施形態の微小力測定装置によれば、プローブ1に対して微小な粒子(モータ蛋白質25)を固定する場合に、微小な粒子をビーズ1aに対して上述したようなビオチン・アビジン系など扱い易い化学的手法で予め吸着しておき、微小な粒子を吸着した状態のビーズ1aを支持部1bに対してもビオチン・アビジン系を利用した化学的手法で固定させ支持することができる。すなわち、「プローブ1aに微小な粒子を取り付ける」という作業を、図12に示したような従来のプローブ100の探針100aに対して微小な粒子を固定する場合と比較して、取り扱いが簡単である。
また、ビーズ1aと微小な粒子とを1:1で混合して作用させて、支持部1bにビーズ1aを固定すれば、微小な粒子をプローブ1に対して「一分子のみ固定する」ことが実現できるので、従来の方法と比較すれば、極めて簡単である。
また、本発明では、微小な粒子を吸着させたビーズ1aを支持部1bに固定して支持させているので、ビーズ1a自身の回転等の動きを抑制して微小な粒子の変位が確実にビーズ1aの重心位置の移動に反映されるようにすることができる。
加えて、針状の支持部1bの弾性力を利用して簡単にプローブ1にオフセット機能を備えることができる。そして、その結果、プローブ1に固定した微小な粒子が、観察対象物面2aに対して左右(順方向、逆方向)何れの方向に移動しても測定できる。
また、ビーズ1aに捕捉用レーザを照射する照射手段A1を500mWのYAGレーザとEOM4とを備えて構成したので、フィードバック制御が0.65nm rmsで行えることも実験で明らかとなった。すなわち、非常に高い精度での制御が行えるため、微小な粒子の力を正確に測定することが可能である。
ビーズ1aの大きさを、0.5〜1μmとしているので、捕捉用レーザによる力を有効に与えることができ、且つビーズ1a自身の存在による液体中の粘性抵抗の増加を可及的に小さく保つことができる。また、ビーズ1aにカルボキシルビーズを使用したので、手に入れ易く、また親和性が高く安定的な結合が可能なビオチン・アビジン系の導入が簡単である。
また、支持部1bを針状に形成して、観察対象面2aに対して水平方向に移動できるとともに垂直方向にも移動できるようにしたので、微小な粒子が移動する際の観察対象物面2aに対して垂直方向への力が生じた場合に、その力をこの支持部1bの動きにより吸収することができるので、ビーズ1a固定した微小な粒子をつぶすことなく測定を行うことができる。
また、支持部1b及び補強部1cを、ガラスを素材として成形したので、化学的、機械的に安定なものであれば種々のものが考えられるが、手に入りやすい上に加工がし易く、機械的にも安定である。
本実施形態においては、全反射蛍光観察機構Cを組み込んだので、ビーズ1aを支持部1bに固定する際にリアルタイムで直接視覚によって観察・確認することができ、微小な粒子一分子のみがビーズ1aに固定できたかどうかを確実に確認することができる。その結果、微小な粒子一分子あたりの力(滑り力)を適正に測定できる。
また、微小な粒子を観察するための励起用レーザを、第1対物レンズ7から観察対象物面2aに対して下方から照射して全反射するように構成したので、観察対象物面2aに載置したベース物質の上方に、プローブ1を配置する空間が容易に確保でき、装置の設計・製造がし易くなる。
加えて、捕捉用レーザ、位置検出用レーザ、励起用レーザの全てを、第1対物レンズ7を通じて観察対象面2aの下方から照射するように設計しているため、装置が嵩張らずコンパクトなものとすることができる。
本発明は、上記実施形態に限られない。
特に、支持部、微小担体の形状や素材などの態様については、様々種類が考えられ、それに応じた固定方法も複数種類考えられる。
例えば、上記実施形態では、支持部のビオチン化には、Biotin―Sulfo−OSu、Biotin―AC―Sulfo−OSuなど、スルホン基がついているものが液中の溶解性が高く扱い易いが、Biotin−OSuタイプのものであってもよい。また、支持部にアミノ基を導入してビオチン化させたが、チオール基やアルデヒド基を導入して、ビオチン化させてもよいし、酵素を利用したビオチン化などであってもよい。
また、支持部に対してニッケルNTAを付けるとともに、Hisタグをビーズに取り付けて支持部とビーズとを結合するようにしてもよい。このような金属を利用した化学的固定手法を採用すれば、EDTAなどのキレート剤を用いてビーズを取り外することができるため、支持部を取り替えることなく再利用することができ、非常に有用である。
微小担体は、液中に大きな粘性抵抗を与えないようなものであれば、上記実施形態のようなビーズ以外の微細な粒子を利用したものであってもよい。また、ビーズとしてもカルボキシル基以外の官能基を有するものであっても構わない。
その他、例えば、図11に示しているように、微小な粒子たるモータ蛋白質25のみならずベース物質たるフィラメント蛋白質26及びビーズ1aも、蛍光観察できるようにした全反射蛍光観察機構を備えたものであってもよい。なお、図中、上記実施形態と同様の構成には、特に説明することなく同じ符号を付している。
詳述すると、本実施形態では、フィラメント蛋白質26及びビーズ1aにも所定の蛍光物質で標識し、これらを、励起光として前記第3のレーザ光源24を用い、すなわちブルーレーザ(473nm、500μW)を利用して蛍光観察できるようにしている。機器構成としては、上記実施形態と同様に、第3のレーザ光源20の光線を、ビームエキスパンダ21、集光レンズ22に通し、第3の反射鏡23で反射させて第1対物レンズ7を通じて観察対象物面2aを下方側から照射するようにしている。
微小な粒子を観察するための励起光には、前記位置検出用照射手段A2を構成する第2のレーザ光源8を用い、すなわちYAGレーザ(532nm、500μW)を利用している。具体的には、第2のレーザ光源8からの光線を、ビームスプリッタ27によって分岐し、その反射光をビームエキスパンダ28で広げ、集光レンズ29を通し、ミラーMR2で反射して、再びビームスプリッタ30によって反射し、さらに全反射光学系の光へ戻してから前記第2の反射鏡10で反射させて、第1対物レンズ7へ通し下方から観察対象物面2aを照射するようにしている。前記集光レンズ29によって第1対物レンズ7の後焦点面へ集光するように調整することにより、観察対象物面2aにおいて平行光を得、ミラーMR2の位置を調整することにより、観察対象物面2aに対して全反射する入射角度を得るようにしている。また、前記第2のレーザ光源8を、位置検出用光源として機能させる場合と励起用光源として機能させる場合とで使い分けるために、例えば図示しないシャッタを設置して照射のon・offを調整できるようにしている。
なお、このような全反射蛍光観察機構を設けた場合は、前記プローブ位置調整機構Aの位置検出用光照射手段A2は、図示したように、第2のレーザ光源8からの光線を、前記ビームスプリッタ27を通し、ビームエキスパンダ9で広げ、さらにビームスプリッタ30を通し、その透過光を第2の反射鏡10で反射させて、観察対象面2aに照射するようにすればよい。
続いて、この実施形態における微小力測定装置によって、モータ蛋白質25とフィラメント蛋白質26との間に働く力を測定するまでの過程について説明する。
あらかじめ、モータ蛋白質25をCy3等の所定の蛍光物質で標識するとともに、フィラメント蛋白質26及びビーズ1aをAlexa488等の所定の蛍光物質で標識しておく。まず、第3のレーザ光源20による励起光が観察対象物面2aに照射されると、CCDカメラ24がその励起光による蛍光の状態を撮像し、その画像がモニターに映し出され、観察対象物面2aに固定した蛍光標識済みのフィラメント蛋白質26及びビーズ1aの位置を確認することができる。次に、第2のレーザ光源8が、励起光用光源として観察対象物面2aに対して全反射するように照射されると、CCDカメラ24がこの励起光による蛍光の状態も同様に撮像し、その画像がモニターに映し出される。これにより、モータ蛋白質25の位置を確認することができる。そして、支持部1bは、所定のプログラムに従ってスキャンしてモータ蛋白質25を吸着したビーズ1aを拾い上げる。この際、前記第2のレーザ光源8による励起光を照射し続けておき、蛍光スポットが一段階で消えることが観察されれば、一個のビーズ1aには一分子のモータ蛋白質25が吸着され、その結果「プローブ1に1分子のモータ蛋白質25が固定された」ことが確認できることになる。その後で、第3のレーザ光源20から光線が照射されるとともにこの励起光に基づく蛍光状態がモニターに表示されるので、フィラメント蛋白質26及びビーズ1aの位置を画面上で確認しながら、そのフィラメント蛋白質26上にプローブ1に固定したモータ蛋白質25をデポジットすることができる。
この実施形態の全反射蛍光観察機構によれば、ベース物質たるフィラメント蛋白質26及びビーズ1aをも観察することができるものとしたため、フィラメント蛋白質26の位置を確認しながらモータ蛋白質25を固定したプローブ1を適正な位置にデポジットすることができる。すなわち、その結果、モータ蛋白質25とフィラメント蛋白質26との間に作用する力を正確に測定できる。加えて、フィラメント蛋白質26及びビーズ1aを同じ蛍光物質で標識しておき、第3のレーザ光源20での励起光による蛍光像をビデオ等で撮像することで、フィラメント蛋白質26に対するモータ蛋白質1aの位置変化を長時間にわたり観察しながらこれら二つの間に働く力学的な力を測定することができる。
また、全反射蛍光観察機構が、さらにモータ蛋白質の移動時におけるATP(蛍光標識済み)を観察できるようにしたものであってもよい。このようなものであれば、モータ蛋白質の力学的な力とATPの化学反応との関係を測定することができる。
また、微小な粒子としては、蛋白質に限らず、例えばDNA、RNA、ATPなど他の微小粒子、細胞などであってもよい。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の一実施形態を示す機器構成図。 同実施形態を示す機能構成図。 同実施形態におけるプローブを示す説明図。 同実施形態における捕捉用レーザが観察対象物面を通してプローブに照射された様子を示す説明図。 同実施形態において、捕捉用レーザの放射によるプローブの位置変化の影響をを示すグラフ。 同実施形態におけるオフセット機能を示す説明図。 同実施形態における位置検出用レーザがプローブに照射される様子を示す説明図。 同実施形態において、フィードバック制御をかけなかった場合のプローブの熱揺らぎによる変位の経時的変化を示すグラフ。 同実施形態において、フィードバック制御をかけた場合のプローブの熱揺らぎによる変位の経時的変化を示すグラフ。 同実施形態において、モータ蛋白質とフィラメント蛋白質との間に作用する力を測定する場合を示す図。 本発明の別の実施形態を示す機器構成図。 従来の装置を示す説明図。
符号の説明
1・・・プローブ
1a・・・微小担体(ビーズ)
1b・・・支持部
2a・・・観察対象物面
7・・・対物レンズ(第1対物レンズ)
13・・・分割光ダイオード(ニ分割フォトダイオード)
25・・・微小な粒子(モータ蛋白質)
26・・・ベース物質(フィラメント蛋白質)
A・・・プローブ位置制御機構
A1・・・捕捉手段
A2・・・位置検出用照射手段
A3・・・投影手段
A4・・・検出手段
A5・・・調整手段
B・・・測定手段
C・・・全反射蛍光観察機構

Claims (15)

  1. 微小な粒子と所定のベース物質との間に働く力学的な力を測定するためのものであって、
    前記微小な粒子を固定し得る当該微小な粒子より大きな微小担体とこの微小担体を支持する支持部とを備えたプローブと、
    前記微小な粒子の移動に伴って位置変化する前記微小担体を、捕捉用レーザで光学的に捕捉し、その捕捉用レーザの微小担体に対する捕捉力を利用して、前記プローブを所定目的位置に静止固定するようフィードバック制御するプローブ位置制御機構と、
    前記捕捉用レーザの微小担体に対する捕捉力を経時的に測定記録する測定手段とを備えている微小力測定装置。
  2. 一定のバネ定数を有する支持部を固定器に接続するとともに、前記捕捉用レーザの微小担体に対する捕捉中心を所定距離ずらして、動的な平衡が保持できるようオフセット機能を付加している請求項1記載の微小力測定装置。
  3. 前記微小担体が、前記微小な粒子を化学的手法で結合或いは吸着可能なビーズである請求項1又は2記載の微小力測定装置。
  4. 前記ビーズは、その径が0.5〜1μmに設定されたものである請求項3記載の微小力測定装置。
  5. 前記ビーズは、ポリスチレンを素材としたカルボキシルビーズである請求項3又は4記載の微小力測定装置。
  6. 前記ベース物質を観察対象面に固定し、前記支持部を前記観察対象面に対して水平方向への移動可能に構成している請求項1乃至5何れかに記載の微小力測定装置。
  7. 前記支持部を、さらに観察対象物面に対して垂直方向への移動可能に構成している請求項6記載の微小力測定装置。
  8. 前記支持部を針状に成形し、その基端部を片持ち状に固定して観察対象面に対して水平をなすように配置している請求項7記載の微小力測定装置。
  9. 前記支持部を、ガラスによって構成している請求項1乃至8何れかに記載の微小力測定装置。
  10. 前記プローブ位置制御機構が、
    前記微小担体に捕捉用レーザを照射して光学的に捕捉する捕捉手段と、
    その微小担体に対して位置検出用の光照射を行う位置検出用光照射手段と、
    分割光ダイオードに前記光照射による干渉像を映し出す投影手段と、
    前記干渉像により微小担体の位置を検出測定する検出手段と、
    前記検出手段による検出結果より捕捉用レーザの微小担体に対する捕捉力を調節する調節手段とを備えている請求項1乃至9何れかに記載の微小力測定装置。
  11. 全反射蛍光観察機構をさらに備えたものである請求項1乃至10何れかに記載の微小力測定装置。
  12. 前記全反射蛍光観察機構が、励起光レーザを対物レンズから観察対象物面に対して照射するものである請求項11記載の微小力測定装置。
  13. 前記全反射蛍光観察機構が、前記微小な粒子、ベース物質、及び微小担体を蛍光観察し得るものであり、前記ベース物質と前記微小担体とを同じ波長の励起光によって蛍光観察するように構成している請求項11又は12記載の微小力測定装置。
  14. 前記プローブ位置制御機構を、プローブの揺らぎを二乗平均で変位換算して0.65ナノメートル以下で保持していることを監視制御することで、熱揺らぎによるプローブの揺らぎまたは外力によるプローブの変位を防止するように構成している請求項1乃至13何れかに記載の微小力測定装置。
  15. 微小な粒子と所定のベース物質との間に働く力学的な力を測定するためのものであって、
    前記微小な粒子を固定するためのプローブを、その微小な粒子を固定し得る当該微小な粒子より大きな微小担体とこの微小担体を支持する支持部とを備えて構成し、
    前記微小な粒子の移動に伴って位置変化する前記微小担体を、捕捉用レーザで光学的に捕捉し、当概捕捉用レーザの微小担体の捕捉力を利用して、前記プローブを所定目的位置に静止固定するようフィードバック制御しておいて、
    前記捕捉用レーザの微小担体に対する捕捉力を経時的に測定記録して、その捕捉力に基づいて微小な粒子とベース物質との間に働く力学的な力を測定する微小力測定方法。
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