JP2005240265A - 超軽量防水性ポリエステル織物 - Google Patents

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Abstract

【課題】紫外線遮蔽性及び洗濯耐久性に優れ、かつ実用上問題ないレベルの引裂強力を有するとともに、ソフトな風合を有する薄地軽量なポリエステルの防水性織物を提供すること。
【解決手段】ポリエステルフィラメントからなる織物であって、目付が75g/m2以下であり、耐水圧が700mmH2O以上、洗濯後の耐水圧保持率が50%以上であり、特定の経糸及び緯糸のカバーファクターの和、若しくは比を有する紫外線遮蔽性にも優れた超軽量防水性ポリエステル織物。
【選択図】なし

Description

本発明は、主としてノンコーティングタイプで使用する軽量性に優れ、耐水性と洗濯耐久性にすぐれた織物であって、特に薄いにもかかわらず紫外線遮蔽性、可視光遮蔽性に優れた織物を提供するものであり、ウィンドブレーカー等のスポーツ衣類に好適に用いることのできるものに関する。
ウィンドブレーカー等のスポーツ衣料に関し、雨風から身体を守るために従来から防水性に優れた織物が用いられてきた。その代表的な商品としてアクリルやポリウレタン等の樹脂をコーティングまたはラミネートした透湿防水性布帛がある(例えば、特許文献1参照)。かかる樹脂膜による透湿防水性布帛は防水性には非常に優れているので、10000mmH2O以上の耐水圧性が要求されるマウンテンパーカーやゴルフあるいはフィッシング用のレインスーツには好適に使用されているが、重量が重くなったり、ソフト感に乏しい欠点があり、1000mmH2Oレベルの耐水性しか要求されていないテニス等で使用するのにはウィンドブレーカーは適しておらず、もっと軽いノンコーティングタイプのソフト風合の防水性織物が用いられてきた。
特開平11−247069号公報
一方、ノンコーティングタイプの織物について従来から一般的に用いられている方法としては、単繊維繊度が細い繊維糸条を高密度に製織し、フッ素系撥水剤などで処理するなど種々の提案がなされている。例えば単繊維繊度が1.2デニール以下の極細繊維を用いて高密度に製織し、撥水剤を織物内部に浸透させる技術が開示されているが、織物密度が不十分なため、実用上の必要耐水圧(700mmH20)が満足されていない(例えば、特許文献2参照)。
特開平2−269871号公報
また、繊維糸条の40重量%以上が単繊維繊度1.1デニール以下の繊維を用いた高密度織物で、断面重なり係数を規定した織物(例えば、特許文献3参照)や、単糸繊度0.6デニール以下、トータル繊度60〜120デニールのポリエステル高密度織物に特殊加工剤が施したものが開示されているが、引き裂き強力や耐水圧の向上を目指すが為に経糸密度を高くしすぎて布帛厚みが増し、軽量性に劣ったものしか得られない。
WO94/21848号パンフレット
さらにスポーツ用としてはナイロンフィラメントを用いた高密度織物も上市されているが、ナイロンからなるノンコート高密度織物は洗濯すると耐水圧が著しく悪化し、一般的には洗濯20回後の耐水圧保持率は30〜40%にまで低下してしまうというナイロンの吸湿特性が優れるが故の致命的な欠点がある。
また織物が薄くなればなるほど透けやすくなり、用途によっては光透過を抑制する特性が要求されるので、その場合は濃色に染める以外の手段はなかった。特に紫外線に関しては濃色に染めてもその透過を抑制する効果は限定的であり、太陽の下で行われるスポーツにおいては高耐水圧、生地薄さ、紫外線防止を同時に満足し、引き裂き強力に優れたものはなかった。
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、ポリエステルからなる軽量薄地織物で、洗濯耐久性に優れ、かつ実用上問題ないレベルの引裂強力を有するとともに、ソフトな風合を有し、特に紫外線遮蔽性に優れた防水性織物を提供せんものとする。
本発明はかかる問題について鋭意検討した結果、上記課題を解決するために本発明は下記の構成からなる。
1.ポリエステルフィラメントからなる織物であって、目付が75g/m2以下であり、耐水圧が700mmH2O以上、洗濯後の耐水圧保持率が50%以上であることを特徴とする超軽量防水性ポリエステル織物。
2.経糸の繊度TDと緯糸の繊度WDの比が下記式(A)を満たすことを特徴とする上記第1に記載の超軽量防水性ポリエステル織物。
TD/WD≦0.7・・・・・・・・・・・・(A)
3.経糸のカバーファクター(TC)と緯糸のカバーファクター(WC)の和(CF)が2300〜2900であることを特徴とする上記第1又は第2に記載の超軽量防水性ポリエステル織物。
4.経糸のカバーファクターTCと緯糸のカバーファクターWCの比であるTC/WCが1以上1.3以下であることを特徴とする上記第1〜第3のいずれかに記載の超軽量防水性ポリエステル織物。
5.織物を構成する経糸および緯糸のそれぞれの断面重なり係数である経糸重なり度TTと緯糸重なり度WWがそれぞれ0.8〜1と1.05〜1.35の範囲にあることを特徴とする上記第1〜第4のいずれかに記載の超軽量防水性ポリエステル織物。
6.L値を35以上に分散染料で染色しても、可視光透過率(積分値)が25以下になることを特徴とする上記第1〜第5のいずれかに記載の超軽量防水性ポリエステル織物。
7.織物の350nmの紫外線透過率が5%以下であり、ポリエステルフィラメントが無機微粒子を1.0wt%以上含有するポリエチレンテレフタレートからなり、経糸の総繊度が40デシテックス以下、経糸及び/または緯糸の単糸繊度が0.8デシテックス以下であることを特徴とする上記第1〜第6のいずれかに記載の超軽量防水性ポリエステル織物。
本発明によると、ポリエステルからなる軽量薄地織物で、紫外線遮蔽性及び洗濯耐久性に優れ、かつ実用上問題ないレベルの引裂強力を有するとともに、ソフトな風合を有する防水性織物を得ることができる。
本発明の織物はポリエステルフィラメントからなる。ここでいうポリエステルとは主たる酸成分がテレフタル酸またはそのエステル誘導体、主たるグリコール成分がエチレングリコールからなるポリエチレンテレフタレートであるが、酸成分として20モル%以下の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成誘導体、芳香族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体を共重合成分として含むことができる。また、酸成分の20モル%以下のオキシカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を含むこともできる。グリコール成分としては20モル%以下のプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,10−デカメチレングリコール、4,4−ジヒドロキシビスフェノール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,5−ナフタレンジオール、これらのグリコールにエチレンオキサイドが付加したグリコール、ポリエチレングリコール等を含むことができる。またポリ乳酸、ポリー3―ヒドロキシ酪酸等の生分解性脂肪族ポリエステルであっても構わない。
本発明の織物は目付が75g/m2以下であることが好ましい。目付とは布帛面積の1平方メートル当たりの重量を意味する。織物の目付が75g/m2を超えると薄地が求められる用途に使用しにくくなる。より好ましくは72g/m2以下であるが、30g/m2未満になると引き裂き強力や耐水圧が必要スペックを満足できにくくなることから、30g/m2以上70g/m2以下が一層好ましい。
本発明の織物は耐水圧が700mmH20以下であることが好ましい。700mmH20未満であれば、例えばウインドブレーカーとしてした場合に、風雨に対して耐水性が不十分で、衣服内に雨がしみこんでくる。より好ましくは900mmH20以上であり、さらには1000mmH20以上が一層好ましい。ただし、5000mmH20以上とするにはウレタン樹脂等の膜加工を施す必要があり、本発明の目的とする軽量性を確保できなくなりやすいので好ましくない。
本発明の織物は洗濯後の耐水圧保持率が50%以上であることが好ましい。耐水圧保持率を50%以上とするためにはウレタン樹脂等の膜加工を施すか、公定水分率の低い繊維に撥水加工を施す必要がある。ナイロン等の公定水分率が3%以上の繊維では洗濯を繰り返していく度に繊維の膨潤、乾燥が繰り返され、織物内の繊維構造がみだれやすくなり、耐水性が著しく低下する原因となる。より好ましくは60%以上であり、さらには70%以上が一層好ましい。
本発明の織物は紫外線透過率(積分値)が15%以下で有ることが好ましい。紫外線は日焼けをばかりでなく、時には皮膚障害を起こす原因となることが指摘されている。この紫外線透過率(積分値)とは280nm〜400nm間の透過率の平均値を示すものである。この紫外線透過率(積分値)が15%を越えると長時間強い太陽光を浴びた場合に皮膚障害になる危険が高くなるため好ましくない。下限は特に限定されないが、0.001%未満にするためには繊維に過剰の酸化チタンを練り込む必要がでてくるため生産性が著しく低下するので好ましくない。より好ましい範囲は0.01%〜10%であり、さらには0.01%〜5%が一層好ましい。
本発明の織物は350nmの紫外線透過率が5以下であることが好ましい。350nmの紫外線透過率は紫外線のなかでも短波長領域の紫外線の透過率を判断するのに適した測定範囲である。一般的に光は長波長側が透過率は高いので、350nmの透過率が低いということはそれよりも短波長側の透過率はそれよりも低い。つまりエネルギーの大きい短波長側の紫外線が透過する量を知ることができる。紫外線透過率(積分値)ではトータルの紫外線透過率は分かるが、短波長側からコンスタントに透過しているのか、長波長側で急激に透過率が増大しているのか判断できない。そこで、中間レベルにある350nmでの紫外線透過率をあわせて判断することで、人体への影響の強いといわれているUV−B(領域315〜280nm)がどれほど透過しているのかが推定できるのである。350nmの紫外線透過率が5を越えると皮膚障害になる危険が高くなるため好ましくない。下限は特に限定されないが、0.001%未満にするためには繊維に過剰の酸化チタンを練り込む必要がでてくるため生産性が著しく低下するので好ましくない。より好ましくは0.1〜1%である。
本発明の織物は経糸の繊度TDと緯糸の繊度WDの比であるTD/WDが0.7以下であることが好ましい。これは経糸繊度が緯糸繊度の7割以下であることを意味する。従来の高密度織物はできるだけカバーファクターをあげるために、高密度化しやすい経糸の繊度を大きくすることに主眼が置かれていた。本発明では経糸の繊度を下げ、逆に緯糸の繊度をあげることで織物の目付を下げることに成功した。TD/WDが0.7を越えると耐水圧を700mmH20以上にするためには経糸の繊度を50デシテックス以上に設定しなければならず、目付が80g/m2以上になってしまいやすいため好ましくない。また、TD/WDが0.2未満になると経糸が細くなりすぎるため引き裂き強力がシングルタング法で0.7kgfを満たさなくなるため好ましくない(1kgfは9.8N)。より好ましくは0.35〜0.65である。この範囲にすることで、高耐水圧、高引き裂き強力、低目付を同時に満足することができる。
本発明の織物は経糸のカバーファクターカバー(TC)と緯糸のカバーファクター(WC)の和が2300〜2900であることが好ましく、次式で示されるものである。
カバーファクターの和(CF)=(TC)+(WC)
=経糸密度(本/2.54cm)×(TD)1/2+緯糸密度(本/2.54cm)×(WD)1/2
経糸、緯糸の織物密度の単位は(本/2.54cm)である。
カバーファクターが2300未満であると耐水圧が低いものとなりやすいため好ましくなく、また2900を越えると目付が大きくなりやすいため好ましくない。より好ましくは2400〜2800である。
経糸のカバーファクターTCと緯糸のカバーファクターWCの比であるTC/WCが1以上1.3以下であることが好ましい。TC/WCが1未満であると低目付織物においては耐水圧が700mmH20未満となるため好ましくなく、また、1.3を越える場合でも耐水圧が700mmH20未満となるため好ましくない。この理由としては、低目付織物では経糸および緯糸の表面カバー率が偏ると繊維間に空隙ができやすく耐水圧が低くなりやすいためである。
本発明の織物を構成する経糸の断面重なり係数である経糸重なり度TTが0.8〜1であることが好ましく、また緯糸の断面重なり係数である経糸重なり度WWが1.05〜1.35であることが好ましい。経糸重なり係数が0.8未満であると繊維間に空隙ができやすく耐水圧が低くなりやすいため好ましくなく、1を越えると目付が重たくなりやすいため好ましくない。より好ましくは0.82〜0.92である。緯糸重なり係数が1.05未満であると繊維間に空隙ができやすく耐水圧が低くなりやすいため好ましくなく、1.35を越えると目付が重たくなりやすいため好ましくない。従来、高密度織物は経糸のカバー率を緯糸よりも大きくする方法(経糸重なり係数を緯糸重なり係数より大きくする方法)で対応してきたが、本発明では経糸よりも緯糸の重なりを大きくすることに意味がある。通常高密度織物は経糸の切断方向の引き裂き強力は緯糸のそれよりも大きい。これは耐水圧を高めるために高密度化しやすい経糸のカバーファクターを増やすことで対応してきたためである。その結果、引き裂き強力のバランスは経糸切断方向が緯糸切断方向の1.5倍以上あるものが一般的である。逆をいえば、緯糸切断方向の引き裂き強力が経糸切断方向よりも3割ほど低い。織物引き裂き強力は経もしくは緯いずれの方向においてもある数値以上になることが要求されるので、低い方の緯糸切断方向の引き裂き強力のレベルをあげる必要がある。そうすると経糸切断方向のそれは要求特性を過剰に満足するものとなる。本発明では経糸の本数を少なくするのではなく、経糸の繊度を下げることと、微妙な範囲に経糸緯糸それぞれの繊度・密度を最適化することで従来になかった軽く、高耐水圧の織物を開発できたのである。
本発明の織物は引き裂き強力が、経糸切断方向および緯糸切断方向ともにシングルタング法で7N以上であることが好ましい。7N未満では商品とした場合に要求特性を満たさなくなりやすいので好ましくない。より好ましくは9N以上であるが20N以上にするためには繊維を太くする必要があり、織物目付が75g/m2を越えやすくなるので好ましくない。
本発明の織物はL値を35以上に分散染料で染色しても、可視光透過率(積分値)が25以下になることが好ましい。L値とは布帛の暗さを意味する数値であり、この数値が高いほど明るく(白く)、低いほど暗い(黒い)ことを意味する。通常白い生地ほど透けやすくなり、黒い生地ほど透けにくい。これは繊維内部の染料が特定の光の波長エネルギーに共鳴し吸収されるからである。本発明の織物では繊維内部に酸化チタン等の無機物を高濃度で含有しているため紫外線から可視光に至る範囲まで光の通過を妨げるため上記効果が現れる。可視光透過率(積分値)のより好ましい範囲としては20以下であり、さらには15が一層好ましい。
本発明の織物に使用するポリエステルフィラメントが無機微粒子を1.0wt%以上含有することが好ましい。1.0wt%未満であると紫外線透過率あるいは可視光透過率が大きくなってしまうため好ましくない。より好ましくは1.5wt%以上であり、さらには2.0wt%以上が一層好ましい。
本発明の織物は経糸の総繊度が40デシテックス以下であることが好ましい。40デシテックスを越えると目付が重たくなりやすいため好ましくない。より好ましくは35デシテックス以下であり、さらには30デシテックス以下が一層好ましい。
本発明の織物は経糸及び/または緯糸の単糸繊度が0.8デシテックス以下であることが好ましい。0.8デシテックスを越えると耐水圧が低くなりやすいため好ましくない。0.1デシテックス以下になると破断伸度が著しく低下するのに伴い、引き裂き強力が低下するので好ましくない。より好ましくは0.3デシテックス以上0.6デシテックス以下である。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお本発明で用いた評価方法は以下の通りである。
(1)目付
JIS L 1096に規定されている単位面積当たりの質量に準拠する。
(2)紫外線透過率
(350nm)
日立U−3210型ダブルビーム分光光度計(積分球使用)を用い、サンプル1枚をガラスフィルターを使用し波長350nmにて測定し、n=3回の平均値を紫外線透過率(%)とした。
(積分値)
同装置を用いて波長280〜400nmの範囲を波長送り速度120nm/分で測定した。
(3)耐水圧
JIS L−1092(高水圧法)に準拠する。
(4)洗濯後の耐水圧保持率
洗濯前の試料およびJIS L−1027(103法)にて洗濯10回後,JIS L−1092(ライン乾燥)に準拠して乾燥させた試料の耐水圧を測定し、下記式に基づき算出し求めた。
(式) 耐水圧保持率=洗濯後耐水圧/洗濯前耐水圧×100(%)
(5)L値
JIS Z8722及びJIS Z8729に準拠し、ハンター形色差計を用いてL,a,bを測定してL値を算出した。
(6)断面重なり係数
WO94/21848号パンフレットに記載の方法による。
(7)可視光透過率
日立U−3210型ダブルビーム分光光度計(積分球使用)を用い、サンプル1枚をガラスフィルターを使用し波長280〜400nmの範囲を波長送り速度120nm/分で測定した。
(8)引裂強力
JIS L 1079 A1のシングルタング法に従い、経/緯それぞれ5回測定してその平均値で表わした。なお、経方向の引裂強力とは、織物の経方向に沿って緯糸を引裂いていくのに要する引裂力を示すものとする。
(実施例1)
酸化チタンを2wt%含有したポリエチレンテレフタレートを公知の方法で溶融紡糸し、紡糸速度2600m/min、延伸倍率1.85で、28デシテックス48フィラメント(強度4.0cN/dtex、伸度36%、沸水収縮率7%)のマルチフィラメントを作成した。また、紡糸速度2600m/min、延伸倍率1.65で56デシテックス108フィラメント(強度3.5cN/dtex、伸度39%、沸水収縮率8%)のマルチフィラメントを作成した。平織り組織で経糸に28デシテックス48フィラメント、緯糸に56デシテックス108フィラメントを使用し、液流染色方法でサックス色に分散染料で染色し、撥水加工、カレンダー加工を施して、経糸密度270本/2.54cm、緯糸密度150本/2.54cm、経糸の重なり度0.88、緯糸の重なり度1.16、カバーファクター2551、目付68g/m2の織物に仕上げた。得られた織物は耐水圧、耐水圧保持率に優れ、紫外線も通しにくいものであった。緯方向および経方向の引き裂き強力がともに8Nであった。
(実施例2)
リップストップ組織にし、グレーに染色した以外は実施例1に従った。得られた織物は経糸密度270本/2.54cm、緯糸密度157本/2.54cm、経糸の重なり度0.85、緯糸の重なり度1.23、カバーファクター2604、目付72g/m2の織物に仕上げた。得られた織物は耐水圧、耐水圧保持率に優れ、特に紫外線、可視光線も通しにくいものであった。緯方向および経方向の引き裂き強力がともに10Nであった。
(実施例3)
経糸、緯糸とも実施例1の28デシテックス48フィラメント(強度4.0cN/dtex、伸度36%、沸水収縮率7%)のマルチフィラメントを使用した以外は実施例1に従った。得られた織物は耐水圧、耐水圧保持率に優れ、紫外線も通しにくいものであったが、経方向の引き裂き強力(緯糸切断方向)が5Nと低かったが、緯方向は9Nであった。
(実施例4)
酸化チタンが0.3wt%のセミダルポリマーを使用した以外は実施例1に従った。得られた織物は紫外線透過率、可視光線透過率はやや高目であったが、耐水圧、耐水圧保持率に優れていた。
(比較例1)
経糸を84デシテックス48フィラメント、緯糸を84デシテックス108フィラメントに変更した以外は実施例1に従った。得られた織物は耐水圧、耐水圧保持率に優れ、紫外線も通しにくいものであったが、目付が95g/m2の織物となり重たいものとなった。
(比較例2)
経糸密度を222本/2.54cm、緯糸密度120本/2.54cmにした以外は実施例1に従った。得られた織物は耐水圧が低かった。
(比較例3)
ポリエチレンテレフタレートポリマーの代わりに酸化チタンを2wt%含有したナイロン6ポリマーを使用し平織り組織で経糸に28デシテックス48フィラメント、緯糸に56デシテックス108フィラメントを使用し、撥水加工、カレンダー加工を施して、経糸密度245本/2.54cm、緯糸密度150本/2.54cm、目付66g/m2の織物に仕上げた。得られた織物は耐水圧保持率が著しく低いものであった。
Figure 2005240265
ポリエステルからなる軽量薄地織物で洗濯耐久性に優れ、かつ実用上問題ないレベルの引裂強力を有するとともに、ソフトな風合を有し、特に紫外線遮蔽性に優れた防水性織物を提供できる。

Claims (7)

  1. ポリエステルフィラメントからなる織物であって、目付が75g/m2以下であり、耐水圧が700mmH2O以上、洗濯後の耐水圧保持率が50%以上であることを特徴とする超軽量防水性ポリエステル織物。
  2. 経糸の繊度TDと緯糸の繊度WDの比が下記式(A)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の超軽量防水性ポリエステル織物。
    TD/WD≦0.7・・・・・・・・・・・・(A)
  3. 経糸のカバーファクター(TC)と緯糸のカバーファクター(WC)の和(CF)が2300〜2900であることを特徴とする請求項1又は2に記載の超軽量防水性ポリエステル織物。
  4. 経糸のカバーファクターTCと緯糸のカバーファクターWCの比であるTC/WCが1以上1.3以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の超軽量防水性ポリエステル織物。
  5. 織物を構成する経糸および緯糸のそれぞれの断面重なり係数である経糸重なり度TTと緯糸重なり度WWがそれぞれ0.8〜1と1.05〜1.35の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の超軽量防水性ポリエステル織物。
  6. L値を35以上に分散染料で染色しても、可視光透過率(積分値)が25以下になることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の超軽量防水性ポリエステル織物。
  7. 織物の350nmの紫外線透過率が5%以下であり、ポリエステルフィラメントが無機微粒子を1.0wt%以上含有するポリエチレンテレフタレートからなり、経糸の総繊度が40デシテックス以下、経糸及び/または緯糸の単糸繊度が0.8デシテックス以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の超軽量防水性ポリエステル織物。
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