JP2005239890A - 環境対応軽油およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】硫黄分が十分に低く、かつ、実用上十分な発熱量を確保した環境対応軽油およびその製造方法を提供する。
【解決手段】環境対応軽油は、密度が0.795g/cm以上、硫黄分が5質量ppm以下、好ましくは1質量ppm以下、全芳香族分が5〜20容量%で、かつ単位体積あたりの真発熱量が34500J/cm以上である。硫黄分が0.5質量%以上、90容量%留出温度が370℃以下である炭化水素油を原料油とし、水素圧力3〜10MPa、反応温度280〜450℃の反応条件下で水素化処理触媒と接触させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、環境保護に対応した環境対応軽油およびその製造方法に関し、更に詳細には硫黄分を低減することで環境保護に対処しつつ、かつ十分な単位体積あたりの発熱量を確保した環境対応軽油およびその製造方法に関する。
近年、環境保護の見地から、ディーゼル自動車においては排出ガス中のPM(粒子状物質)、NOx(窒素酸化物)、HC(炭化水素)といった環境汚染物質の排出量の大幅な低減が求められている。このために、ディーゼルエンジンの改良や酸化触媒、NOx還元触媒、DPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)等の後処理システムによるディーゼル自動車の開発が進められている。これらの排ガス後処理システムの能力を効果的に発揮し、かつ耐久性を維持するために、燃料となる軽油には硫黄分の低減が求められている。これは、ディーゼル自動車の排ガス中に含まれるPMやNOxを削減するために装着する排ガス後処理システムに用いられる触媒が、軽油中の硫黄分の燃焼で生成する硫黄酸化物により被毒され、触媒の機能が低下することによる。中央環境審議会「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第七次答申)」(2003年7月29日)によると、軽油中の硫黄分の許容限度が2007年から10ppmにされることになっている。
ディーゼル自動車において、軽油の燃焼で生成するPMの量が多いと、DPFに対する負荷が大きくなる。PMの生成と軽油性状との関係については、軽油中の芳香族分が増加するとPMの生成量が増加するが、1環芳香族分の増加はPM生成量にあまり影響がなく、2環以上の多環芳香族分がPMの生成に大きく関係すると考えられている(非特許文献1)。一方、地球温暖化の原因と考えられる二酸化炭素の排出量を削減するため、自動車の燃費向上が求められている。
ところで、被毒を受けた排ガス後処理触媒の機能を回復させる手段として、燃料である軽油自体を触媒上に供給して反応させる方法が通常採用されている。したがって、硫黄分がより一層低い軽油を用いれば、触媒の硫黄被毒回復制御の頻度を下げ、消費される燃料を削減できるので、燃費を改善し、その結果、二酸化炭素の排出量を削減することが可能になる。最新の研究(非特許文献2)によれば、燃料となる軽油の硫黄分に応じて排ガス後処理システムの触媒被毒回復制御頻度を調整すれば、軽油に含まれる硫黄分が10ppmの場合、50ppmの場合に比べ、燃費を3.9%改善することができるとしている。それゆえ、軽油に含まれる硫黄分を10ppmよりさらに低減することにより、一層燃費を改善できることが考えられる。
加部利明監修,川田襄,高塚透,猪俣誠,石原篤編著,「水素化精製−Science & Technology−」,株式会社アイシーピー,東京(2000年) 内山茂樹,財団法人石油産業活性化センター第17回技術開発研究成果発表会口頭発表資料,東京(2003年6月4日)
フィッシャー・トロプシュ(Fischer−Tropsch)法によれば天然ガスの改質で得られる水素と一酸化炭素よりなる合成ガスからノルマルパラフィンを主成分とし、硫黄分をほとんど含まない炭化水素を合成することができることが知られている。この合成された炭化水素を原料として実質的に硫黄分を含まない合成軽油を製造することが近年注目されている(例えば、特許文献1〜7、非特許文献3)。しかし、このような合成軽油は、硫黄分が十分に低いものではあるが、従来の石油系の軽油と比較すると、密度が低く、単位体積あたりの発熱量が低いという欠点がある。
特表平11−513729号公報 特表平11−513730号公報 特表2001−511207号公報 特表2001−522382号公報 特表2002−507635号公報 特表2002−526636号公報 特表2002−526637号公報 渋谷昌彦,石油学会第10回触媒シンポジウム講演予稿集,8−14頁,東京(2001年10月3日)
石油系の減圧軽油留分を、触媒の存在下で、水素圧力10〜25MPa、反応温度350〜450℃の反応条件で水素化処理することによって分解生成する軽油留分は、水素化分解軽油と呼ばれる。上記のような高い水素圧力で反応を行うために比較的容易に硫黄分10質量ppm程度の水素化分解軽油を得ることができるが、水素消費量が多く、プロセスで消費するエネルギーも大きいという問題点があった。また、芳香族成分の水素化反応が進行しすぎるため、得られた水素化分解軽油は、密度が低く、単位体積あたりの発熱量が小さいという問題もあった。
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決するものであり、硫黄分および多環芳香族分が十分に低く、かつ、従来市販されている軽油と同等の単位体積あたりの真発熱量を確保した環境対応軽油およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、所定の水素化条件の下で石油留分を水素化処理することで以下のような硫黄分が極めて低い軽油を得ることに成功した。
本発明の第1の態様に従えば、密度が0.795g/cm以上、硫黄分が5質量ppm以下、1環芳香族分が5〜18容量%、多環芳香族分が2容量%以下で、かつ単位体積あたりの真発熱量が34500J/cm以上である環境対応軽油が提供される。環境対応軽油の硫黄分は1質量ppm以下が好ましい。
本発明の第2の態様に従えば、上記第1の態様の環境対応軽油を製造する方法であって、硫黄分が0.5質量%以上、密度が0.80〜0.90g/cm、90容量%留出温度が370℃以下である炭化水素油を原料油とし、水素圧力3〜10MPa、反応温度280〜450℃の反応条件下で水素化処理触媒と接触させる水素化処理工程を含む環境対応軽油の製造方法が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、上記第1の態様の環境対応軽油を製造する方法であって、硫黄分が0.5質量%以上、密度が0.80〜0.90g/cm、90容量%留出温度が370℃以下である炭化水素油を原料油とし、水素圧力3〜10MPa、反応温度280〜450℃の反応条件下で水素化処理触媒と接触させて反応混合物を得る第1の工程と;
第1の工程で得られた反応混合物を気液分離して粗精製油を得る第2の工程と;
第2の工程で得られた粗精製油を、水素圧力3〜10MPa、反応温度280〜450℃の反応条件下で水素化処理触媒と接触させる第3の工程と;を含む環境対応軽油の製造方法が提供される。
本発明は、硫黄分が5質量ppm以下、さらには1質量ppm以下と極めて低く、かつ従来市販されている軽油と同等の単位体積あたりの真発熱量を確保した環境対応軽油を提供することができるため、ディーゼル自動車の環境汚染物質の排出量の削減と二酸化炭素排出量の削減を両方同時に実現している。
〔環境対応軽油〕
本発明の環境対応軽油は、密度が0.795g/cm以上、硫黄分が5質量ppm以下、1環芳香族分が5〜18容量%、多環芳香族分が2容量%以下で、かつ単位体積あたりの真発熱量が34500J/cm以上である。
環境対応軽油の密度は、好ましくは、0.800〜0.850g/cm、さらには0.805〜0.845g/cm、特には0.810〜0.840g/cmである。本発明でいう密度とは、JIS K 2249で測定される15℃での密度を指す。環境対応軽油の密度が0.795g/cm未満では、単位体積あたりの真発熱量が低下し、環境対応軽油の単位体積あたりの燃費が悪化するので、好ましくない。密度が0.850g/cm以上では、環境対応軽油の製造コストが高くなる。本発明の環境対応軽油の硫黄分は、好ましくは、1質量ppm以下である。硫黄分が5質量ppm以上では、ディーゼル自動車の排ガス後処理装置の触媒の硫黄被毒回復制御の頻度を高くする必要があり、燃費を悪化させるので、好ましくない。本発明でいう1環芳香族分とは、JPI−5S−49−97「石油製品−炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法」で測定された1環芳香族分を指す。本発明の環境対応軽油の1環芳香族分は、5〜18容量%であり、好ましくは8〜18容量%、特には10〜16容量%である。1環芳香族分が5容量%未満では、単位体積あたりの真発熱量が低下し、環境対応軽油の単位体積あたりの燃費が悪化し、好ましくない。本発明でいう多芳香族分とは、JPI−5S−49−97「石油製品−炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法」で測定された2環芳香族分と3環以上芳香族分の合計を指す。本発明の環境対応軽油の多環芳香族分は、2容量%以下であり、好ましくは1.5容量%以下、特には1容量%以下である。多環芳香族分が2容量%を超えると、PMの生成量が多くなり、DPFへの負荷が高くなるので好ましくない。本発明でいう全芳香族分とは、JPI−5S−49−97「石油製品−炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法」で測定された1環芳香族分、2環芳香族分および3環以上芳香族分の合計を指す。本発明の環境対応軽油の全芳香族分は、好ましくは5〜20容量%、さらには8〜20容量%、特には10〜18容量%である。全芳香族分が5容量%未満では、単位体積あたりの真発熱量が低下し、環境対応軽油の単位体積あたりの燃費が悪化し、好ましくない。また、全芳香族分が低下すると、ディーゼル自動車の燃料系のシール材として用いられているゴムの膨潤特性を悪化させるので、好ましくない。全芳香族分が20容量%を超えると、硫黄分を5質量ppm以下とすることが困難になり、好ましくない。本発明でいう単位体積あたりの真発熱量とは、JIS K 2279で求められるものを指す。本発明の環境対応軽油の単位体積あたりの真発熱量は、34500J/cm以上であり、好ましくは、34500〜36500J/cmの範囲である。燃費の観点からは、単位体積あたりの真発熱量が高いほど好ましいが、36500J/cmを超えると燃料としての実用特性、例えば、燃焼性や低温流動性を確保することが困難になる。
本発明の環境対応軽油は、好ましくは、30℃での動粘度が1.7mm/s以上、さらには2.0mm/s以上、特には2.7mm/s以上である。動粘度が1.7mm/sより低いと、ディーゼル自動車の燃料噴射ポンプやノズルの摺動面での潤滑性が悪化し、焼付などの原因となるため、好ましくない。本発明の環境対応軽油は、好ましくは、目詰まり点が−5℃以下、さらには−12℃以下、特には−19℃以下である。目詰まり点が低すぎると、低温時、ディーゼル自動車の燃料フィルターの通過性が悪くなるため、好ましくない。本発明の環境対応軽油は、好ましくは、流動点が−2.5℃以下、さらには−7.5℃以下、特には−20℃以下である。流動点が高いと、低温時、固化しやすく、好ましくない。本発明の環境対応軽油は、好ましくは、曇り点が−5℃以下である。曇り点が高いと、低温時、ディーゼル自動車の燃料フィルターの通過性が悪くなり、好ましくない。本発明の環境対応軽油は、好ましくは、セタン指数が45以上、さらには50以上、特には55以上である。セタン指数が低いと、着火性が悪くなり、低温時の始動性が悪くなるため、好ましくない。本発明の環境対応軽油は、好ましくは、10%残留炭素分が、0.10質量%以下、さらには0.05質量%以下、特には0.02質量%以下である。10%残留炭素分が高いと、未燃焼物質が発生しやすく、好ましくない。なお、本発明でいう動粘度、目詰まり点、流動点、曇り点、セタン指数および10%残留炭素分は、各々、JIS K 2283、JIS K 2288、JIS K 2269、JIS K 2269、JIS K 2280およびJIS K 2270で規定されるものを指す。本発明の環境対応軽油は、90容量%留出温度が、好ましくは360℃以下、さらには300〜355℃、特には310〜340℃であることが好ましい。90容量%留出温度が高いと、燃焼性が悪化し、好ましくない。90容量%留出温度が低いと、単位体積あたりの真発熱量が低下し、環境対応軽油単位体積あたりの燃費が悪化するので、好ましくない。
本発明の環境対応軽油は、50容量%留出温度が、好ましくは240〜310℃、さらには245〜305℃、特には250〜300℃である。50容量%留出温度が高すぎると燃焼性が悪化し、50容量%留出温度が低すぎると単位体積あたりの真発熱量が低下して環境対応軽油単位体積あたりの燃費が悪化するので、好ましくない。本発明の環境対応軽油は、10容量%留出温度が、好ましくは180〜260℃、さらには195〜255℃、特には205〜250℃である。10容量%留出温度が高すぎると環境対応軽油の得率が低下して製造コストが高くなり、10容量%留出温度が低すぎると環境対応軽油の引火点が高くなるため、好ましくない。なお、本発明でいう90容量%留出温度、50容量%留出温度、10容量%留出温度等の蒸留性状は、JIS K 2254で規定されるものを指す。
〔環境対応軽油の製造方法〕
本発明の環境対応軽油の製造方法によれば、上述のような環境対応軽油を製造することができる。
〔原料油〕
本発明の環境対応軽油の製造方法における原料油は、密度が0.80〜0.90g/cm、硫黄分が0.5質量%以上、90容量%留出温度が370℃以下である炭化水素油である。
原料油の密度は、好ましくは0.81〜0.89g/cm、特に好ましくはは0.82〜0.88g/cmである。通常、原料油の硫黄分は0.5〜5質量%、特には1〜3質量%である。また、通常、原料油の窒素分は、50質量ppm以上、特には80〜500質量ppmである。上述の条件を満たしていれば、炭化水素油の由来に特に制限はないが、直留軽油留分単独の原料油または直留軽油留分を主成分とする、例えば80容量%以上を含む原料油を用いることが好ましい。また、各種石油精製プロセスから得られるプロセス油を直留軽油留分に混合して用いてもよい。
直留軽油留分は、原油を常圧蒸留して得られ、通常、おおよそ10容量%留出温度が180〜280℃、50容量%留出温度が240〜320℃、90%容量留出温度が300〜370℃である。
直留軽油留分に混合して原料油とすることができるプロセス油としては、例えば、熱分解油、接触分解油、直接脱硫軽油、間接脱硫軽油が挙げられる。熱分解油とは、重質油留分に熱を加えて、ラジカル反応を主体にした反応により得られる軽質留分油で、例えば、ディレードコーキング法、ビスブレーキング法あるいはフルードコーキング法等により得られる留分をいう。これらの留分は得られる全留分を熱分解油として用いてもよいが、留出温度が150〜360℃の範囲内にある留分を用いることが好適である。接触分解油とは、中間留分や重質留分、特には減圧軽油留分や常圧蒸留残油等をゼオライト系触媒と接触分解する際に得られる留分、特に高オクタン価ガソリン製造を目的とした流動接触分解装置において副生する分解軽油留分である。この留分は、一般に、沸点が相対的に低い軽質接触分解油と沸点が相対的に高い重質接触分解油とが別々に採取されている。本発明においては、これらの留分のいずれをも用いることができるが、前者の軽質接触分解油、いわゆるライトサイクルオイル(LCO)を用いることが好ましい。このLCOは、一般に、10容量%留出温度が220〜250℃、50容量%留出温度が260〜290℃、90容量%留出温度が310〜355℃の範囲内にある。また、重質接触分解油、いわゆるヘビーサイクルオイル(HCO)は、通常、10容量%留出温度が280〜340℃、50容量%留出温度が390〜420℃、90容量%留出温度が450℃以上であるので、本発明の環境対応軽油の製造方法に用いる原料油の90容量%留出温度が370℃以下になるよう、HCOをさらに分留して軽質な留分を原料油に混合し、原料油に混合する量を制限することが好ましい。直接脱硫軽油とは、常圧残油および/または減圧残油を直接脱硫装置で水素化処理する際に副生する軽油留分である。間接脱硫軽油とは、減圧軽油留分を間接脱硫装置で水素化処理する際に副生する軽油留分である。直接脱硫軽油や間接脱硫軽油を原料油の一部とする場合も、本発明の環境対応軽油の製造方法に用いる原料油の90容量%留出温度が370℃以下になるよう、適切な分留を行い、原料油に混合する量を制限して用いることが好ましい。
〔水素化処理〕
本発明の環境対応軽油の製造方法における水素化処理に用いる反応装置は、バッチ式、流通式、固定床式、流動床式等の反応形式に特に制限はないが、固定床流通式反応装置に充填された水素化処理触媒に水素と原料油とを連続的に供給して接触させる形式が好ましい。本発明の環境対応軽油の製造方法における水素化処理は、反応温度が280〜450℃、好ましくは300〜420℃、特には320〜400℃、水素圧力が3〜10MPa、好ましくは4〜9MPa、特には4.5〜8.5MPaの反応条件で行われる。反応温度が280℃未満では、環境対応軽油の硫黄分を5質量ppm以下にすることが困難になり、450℃を超えると分解反応が著しく起こり軽油得率低下やコーキングが発生し、好ましくない。水素圧力が3MPaより低いと、環境対応軽油の硫黄分を5質量ppm以下にすることが困難になり、10MPaを超えると環境対応軽油の単位体積あたりの発熱量が小さくなり、好ましくない。本発明の環境対応軽油の製造方法における水素化処理は、好ましくは、液空間速度(LHSV)が0.1〜5h−1、さらには0.3〜3h−1の、特には0.5〜2h−1の反応条件で行うことが好ましい。LHSVが0.1h−1未満では、一定量の環境対応軽油を製造するための反応装置が大きくなり過ぎ、LHSVが5h−1を超えると、環境対応軽油の硫黄分を5質量ppm以下にすることが困難になり、好ましくない。また、本発明の環境対応軽油の製造方法における水素化処理は、好ましくは、水素/オイル比が100〜2000NL/L、さらには100〜1000NL/L、特には150〜800NL/Lの反応条件で行う。水素/オイル比が100NL/L未満では、環境対応軽油の硫黄分を5質量ppm以下にすることが困難になり、2000NL/Lを超えると、水素供給のためのコストが嵩み、経済的な環境対応軽油の製造が困難になり、好ましくない。固定床流通式反応装置で水素化処理を行う場合、水素化処理触媒は、単一触媒床に充填してもよいし、2つ以上の触媒床に分割して充填してもよい。2つ以上の触媒床に分割して水素化処理触媒を充填する場合においては、触媒床間にクエンチ水素を供給することが好ましい。触媒床間にクエンチ水素を供給する場合にあっては、反応器入口に原料油とともに供給する水素とクエンチ水素の合計量と原料油の供給量の比が、100〜2000NL/L、さらには100〜1000NL/L、特には150〜800NL/Lとすることが好ましい。
〔水素化処理触媒〕
本発明の環境対応軽油の製造方法に用いる水素化処理触媒は、活性金属元素として、モリブデンおよびタングステンから選ばれる1種以上の元素とコバルトまたはニッケルから選ばれる1種以上の元素を含む多孔質体であり、公知のコバルト−モリブデン系水素化処理触媒、ニッケル−モリブデン系水素化処理触媒、ニッケル−コバルト−モリブデン系水素化処理触媒、ニッケル−タングステン系水素化処理触媒等を用いることができる。好ましくは、モリブデンとタングステンの合計の含有量が5〜50質量%、コバルトとニッケルの合計の含有量が1〜15質量%である。また、リン、ホウ素、フッ素などの元素を含むものであってよい。さらに、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、trans−1,2−シクロヘキサンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、ニトリロ三酢酸、クエン酸等、キレート性の有機化合物を含ませた水素化処理触媒も好ましく用いられる。これらのキレート性の有機化合物は、コバルトまたはニッケルと錯体を形成した形態で水素化処理触媒に含まれていると一層好ましい。本発明の環境対応軽油の製造方法に用いる水素化処理触媒は、好ましくは、メソポアの中央細孔直径が、4〜20nmであり、さらに好ましくは4〜15nmである。さらに、好ましくは、比表面積が、30〜800m/gであり、一層好ましくは50〜600m/gである。本発明の環境対応軽油の製造方法に用いる水素化処理触媒は、粉体ではなく、成形体であることが好ましい。成形体の形状や成形方法に特に制限はないが、球状や柱状の形状が好ましい。球状の場合は、直径が0.5〜20mmであることが好ましい。柱状の場合の断面形状は、特に制限はないが、円型、三つ葉型、四つ葉型が好ましい断面形状として挙げられる。柱状の場合の成形体の寸法は、断面積が0.25〜400mm、長さ0.5〜20mm程度であることが好ましい。水素化処理触媒の製造方法に特に制限はないが、多孔質無機酸化物担体に上述の活性金属元素やリン等の添加元素を含ませて製造することが好ましい。多孔質無機酸化物としては、アルミナ、シリカ、チタニア、マグネシア、ジルコニア等の酸化物、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、シリカ−ジルコニア、シリカ−マグネシア、シリカ−アルミナ−チタニア、シリカ−アルミナ−ジルコニア等の複合酸化物、Y型ゼオライト、安定化Y型ゼオライト、βゼオライト、モルデナイト型ゼオライトまたはMCM−22等のゼオライトから選ばれる1種または2種以上からなるものが好ましい。また、本発明の環境対応軽油の製造方法においては、2種以上の水素化処理触媒を組合せて、反応装置内で積層させて用いてよい。軽油留分中に含まれている4−メチルジベンゾチオフェン(4−MDBT)、4,6−ジメチルジベンゾチオフェン(4,6−DMDBT)のように、ジベンゾチオフェン(DBT)の4位または6位にアルキル置換基を有する硫黄原子に対する立体障害をもつ硫黄化合物が存在することが知られており、難脱硫性硫黄化合物と呼ばれている(T.Kabe,A.Ishihara,W.Quin,“Hydrodesulfurization and Hydrodenitrogenation”,Kodansha(1999年)参照)。軽油留分を水素化処理すると、難脱硫性硫黄化合物が選択的に残留することになる。一方、このような難脱硫性硫黄化合物の脱硫には、DBT骨格中の硫黄原子を直接脱硫する反応ルート(直接脱硫ルート)よりも、DBT骨格内のベンゼン環を水素化して置換基による立体障害を緩和した後に脱硫する反応ルート(水素化脱硫ルート)を取りやすい水素化処理触媒を用いた触媒の方が有利であることが知られており、コバルト−モリブデン系水素化処理触媒とニッケル−モリブデン系水素化処理触媒とを比較すると、後者の方が水素化脱硫ルートを取りやすいことが知られている(礒田隆聡,馬筱良,持田勲,石油学会誌,37巻,368−375頁(1994年)参照)。したがって、2種類以上の水素化処理触媒を組合せて、反応装置内に積層させて用いる場合は、水素化処理触媒中に含まれるコバルトとニッケルの含有量合計に占めるニッケルの比率がより小さいものをより原料油が供給される反応器入口に近い側に、コバルトとニッケルの含有量合計に占めるニッケルの比率がより大きいものをより反応器出口に近い側に配置することが好ましい。
〔水素化処理触媒の硫化処理〕
本発明の環境対応軽油の製造方法に用いる水素化処理触媒は、通常、硫化処理することによって活性化される。通常、硫化処理は、水素化処理触媒前駆体を、本発明の環境対応軽油の製造方法に用いる反応装置中に充填した後に行われる。この硫化処理は、約75〜400℃、好ましくは約100〜350℃で、常圧あるいはそれ以上の水素分圧の水素雰囲気下、硫黄化合物を含む石油蒸留物、それに硫黄含有化合物を添加したもの、あるいは硫化水素を用いて行う。石油蒸留物に硫黄含有化合物を添加して用いる場合の硫黄含有化合物は、硫化処理条件下で分解して硫化水素に転化し得るものであれば特に限定はないが、好ましくは、チオール類、二硫化炭素、チオフェン類、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィドおよび種々のポリスルフィド類である。水素化処理触媒前駆体を反応装置に充填した後、硫化処理を開始する前に、水素化処理触媒前駆体に付着した水分を除去するための乾燥処理を行ってもよい。この乾燥処理は、水素または不活性ガスの雰囲気下で、常圧あるいはそれ以上の圧力でガスを流通させ、常温〜220℃、好ましくは150℃以下で行う。
〔気液分離工程を含む水素化処理〕
本発明の環境対応軽油の製造方法の好ましい態様として、原料油の水素化処理によって粗精製を行う第1の工程、第1の工程で得られる反応混合物の気液分離を行う第2の工程、第2の工程で得られた粗精製油の硫黄分を5質量ppm以下に減じる水素化処理を行う第3の工程を含む環境対応軽油の製造方法がある。原料油を水素化処理すると、脱硫反応や脱窒素反応が進行し、硫化水素やアンモニアが生成するが、硫化水素やアンモニアは水素化処理触媒を被毒し、脱硫反応を阻害する性質がある。そこで、第1の工程で得られる反応混合物を第2の工程で気液分離して硫化水素やアンモニアを除去し、得られた粗精製油を第3の工程でさらに水素化処理することで、効率よく脱硫を進行させることができ、よりマイルドな条件で環境対応軽油を製造できたり、環境対応軽油を増産できたりするので好ましい。
第1の工程と第3の工程は異なる反応器を用いて行ってもよいし、第1の工程と第3の工程とを同一の反応器内で行ってもよい。第1の工程と第3の工程を異なる反応器を用いて行う場合にあっては、第1の工程のための反応器と第3の工程のための反応器の間に、第1の工程のための反応器から得られる反応混合物の気液分離を行う気液分離装置と、気液分離装置から得られる粗精製油を水素とともに第3の工程のための反応器に供給する装置を備えた一連の装置を用いて水素化処理を行うことが好ましい。気液分離装置としては、高圧分離槽、ストリッパー、フラッシャー、蒸留塔等の公知の分離装置を用いることが好ましく、2つ以上の分離装置を組合せて用いてもよい。例えば、高圧分離槽での気液分離で得られた粗精製油をさらにストリッパーを用いて気液分離すると硫化水素やアンモニアを、効果的に除去できるので、特に好ましい。ストリッパーによるストリッピング処理のために供給するガス流としては、水素、不活性ガスまたはスチームが好ましい。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素などの粗精製油と化学反応を起こさないガスであれば用いることができる。一方、第1の工程と第3の工程とを同一の反応器内で行う場合にあっては、再表2000−42130号公報や国際公開特許2002−31088号公報で開示されている装置や方法を用いることが好ましい。第1の工程から第2の工程に単位時間あたりに供給される硫化水素量、アンモニア量に対する第3の工程に単位時間あたりに供給される硫化水素量、アンモニア量の比率を、本発明では、各々、硫化水素の残存率、アンモニアの残存率と呼ぶが、これらの残存率は、好ましくは0〜50%である。これら残存率が50%より高いと、気液分離による第3の工程での反応阻害低減効果が小さくなり好ましくない。これらの残存率は低いほど第3の工程での反応阻害低減効果が高いが、残存率を0%に近づけると環境対応軽油の製造におけるエネルギー消費量が増加し、経済性を損ねるので、これらの残存率は、より好ましくは1〜40%、特には3〜20%とすることが好ましい。
前記好ましい態様においては、第1の工程と第3の工程とを同一の反応器内で行うか、第1の工程と第3の工程を異なる反応器を用いて行うかによらず、水素化処理触媒や反応条件について、以下のように選択することが好ましい。第1の工程と第3の工程に用いられる水素化処理触媒の総量に対する第1の工程に用いられる水素化処理触媒の割合は、好ましくは20〜80容量%、特には30〜70容量%である。この割合が20容量%未満では、難脱硫性硫黄化合物以外の硫黄化合物が第3の工程に供給され、第3の工程に用いられる水素化処理触媒が十分な脱硫性能を発揮できないため、好ましくなく、80容量%を超えると、硫化水素やアンモニアの共存濃度を低減された脱硫反応に有利な反応ゾーンが減少するので好ましくない。第1の工程と第3の工程に用いる水素化処理触媒は、同一のものでもよいが、異なる水素化処理触媒を用いることが好ましい。第1の工程と第3の工程に異なる水素化処理触媒を用いる場合にあっては、水素化処理触媒中に含まれるコバルトとニッケルの含有量合計に占めるニッケルの比率がより小さいものを第1の工程に、コバルトとニッケルの含有量合計に占めるニッケルの比率がより大きいものを第2の工程に用いることが好ましい。
第1の工程と第3の工程に用いる水素化処理触媒は、各々、単一の水素化処理触媒でもよいし、2種類以上の触媒を組合せて積層充填してもよい。2種類以上の触媒を組合せて積層充填して用いる場合にあっては、水素化処理触媒中に含まれるコバルトとニッケルの含有量合計に占めるニッケルの比率がより小さいものをより原料油または粗精製油が供給される反応器入口に近い側に、コバルトとニッケルの含有量合計に占めるニッケルの比率がより大きいものをより反応器出口に近い側に配置することが好ましい。第1の工程および第3の工程の反応温度は、280〜450℃の範囲から選ばれ、好ましくは300〜420℃、特には320〜400℃の範囲から選ばれる。第1の工程および第3の工程の水素圧力は、好ましくは3〜10MPaの範囲から選ばれ、好ましくは4〜9MPa、特には4.5〜8.5MPaの範囲から選ばれる。第1の工程と第3の工程の反応温度は必ずしも同じにする必要はなく、各々の工程に対して上記範囲から独立に選択してよい。第1の工程の全圧は、第3の工程の全圧よりも高いことが好ましく、第3の工程の全圧に比べ、0.01〜1MPa程度高くすることが特に好ましい。第3の工程の全圧と同じまたはより低いと、流体の流れが円滑でなくなり好ましくない。
第1の工程および第3の工程に用いられる水素化処理触媒の総容量に対する原料油の容量基準での供給量比である総合液空間速度は、好ましくは0.1〜5h−1、特には0.3〜3h−1である。また、第1の工程における水素/オイル比は、好ましくは50〜2000NL/L、さらには100〜1000NL/L、特には150〜800NL/Lである。第3の工程における水素/オイル比は、好ましくは20〜1000NL/L、さらには40〜800NL/L、特には50〜500NL/Lである。第3の工程で消費される水素量は、第1の工程で消費される水素量より少ないので、第3の工程の水素/オイル比は、第1の工程の水素/オイル比より低くてもよい。固定床流通式反応装置で水素化処理を行う場合、第1の工程および第3の工程に用いられる水素化処理触媒は、各々、単一触媒床に充填してもよいし、2つ以上の触媒床に分割して充填してもよい。2つ以上の触媒床に分割して水素化処理触媒を充填する場合においては、触媒床間にクエンチ水素を供給することが好ましい。触媒床間にクエンチ水素を供給する場合にあっては、反応器入口に原料油または粗精製油とともに供給する水素とクエンチ水素の合計量と原料油または粗精製油の供給量の比が、第1の工程に対して、好ましくは50〜2000NL/L、さらには100〜1000NL/L、特には150〜800NL/L、第3の工程に対して、好ましくは20〜1000NL/L、さらには40〜800NL/L、特には50〜500NL/Lとすることが好ましい。また、本態様においては、第3の工程に供給される粗精製油中に含まれるアルキル置換基のないDBTが、硫黄分として、好ましくは10質量ppm以下、さらには5質量ppm以下、特には1質量ppm以下であることが好ましい。DBTが極めて低濃度になるまで脱硫されていると、難脱硫性硫黄化合物が粗精製油中に選択的に残留することになり、第3の工程の反応条件下で難脱硫性硫黄化合物が効率よく脱硫されるので好ましい。さらに本態様においては、第3の工程に供給される粗精製油中に含まれる硫黄分が、好ましくは2000質量ppm以下、さらには1000質量ppm以下、特には50〜500質量ppmであることが好ましい。通常、このような硫黄分レベルにまで脱硫された粗精製油中には難脱硫性硫黄化合物が選択的に残留することになり、第3の工程の反応条件下で難脱硫性硫黄化合物が効率よく脱硫されるので好ましい。
第2の工程における液相の温度は特に制限はないが、30〜450℃、さらには200〜420℃、特には220〜400℃の範囲から選択することが好ましく、第1の工程の出口反応温度と同じかまたは100℃以内の範囲でより低い温度であることが特に好ましい。第2の工程の液相の温度が低過ぎると、第3の工程に供給する粗精製油や水素を加熱するために必要なエネルギーが大きくなり、好ましくない。第2の工程でストリッピング処理を行う場合にストリッパーに供給される水素または不活性ガスの温度に特に制限はないが、常温より高い温度であることが好ましく、100℃〜第1の工程の出口反応温度の範囲であることが特に好ましい。第2の工程でストリッピング処理を行う場合にストリッパーに供給される水素または不活性ガスの流量は、第1の工程に供給される水素の流量に対して0.01〜2倍、さらには0.1〜1倍の範囲から選択することが好ましい。
〔配合〕
本発明の環境対応軽油の製造方法では、上述の製造方法で得られる軽油留分をそのまま環境対応軽油として、あるいは他の基材と混合して環境対応軽油製品を調製するための基材として用いることができる。他の軽油基材としては、例えば、原油を精製して生産される灯油、フィッシャー・トロプシュ法等で誘導される合成軽油、水素化分解軽油、あるいはそれらの半製品、中間製品などの配合用基材が挙げられる。また、植物油メチルエステルなども他の軽油基材として配合することができる。本発明の軽油留分と他の軽油基材とを配合して本発明の環境対応軽油を調製する場合、所望の品質の軽油となるように適宜の割合で配合することができるが、他の軽油基材の配合割合は、20質量%以下、特には5〜15質量%にすることが好ましい。
また、本発明の環境対応軽油の製造方法においては、添加剤として、低温流動性向上剤、耐摩耗性向上剤、セタン価向上剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、腐食防止剤等の公知の燃料添加剤を添加してよい。低温流動性向上剤としては、エチレン共重合体などを用いることができるが、特には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどの飽和脂肪酸のビニルエステルが好ましく用いられる。耐摩耗性向上剤としては、長鎖(例えば、炭素数12〜24)の脂肪酸またのその脂肪酸エステルが好ましく用いられる。10〜500ppm、好ましくは50〜100ppmの添加量で十分に耐摩耗性が向上する。
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明するが、この実施例により、本発明が限定されるものではない。
〔水素化処理触媒A〕
γ-アルミナを主成分とする断面形状が三つ葉型で呼び寸法1/20インチのペレット状の担体にモリブデン、ニッケル、リンを担持して調製した水素化処理触媒Aは、触媒中にモリブデンを12質量%、ニッケルを3.3質量%、リンを2質量%含み、窒素吸着法で分析した細孔容積が0.43mL/g、比表面積が183m/g、中央細孔径が7.8nmであった。
〔水素化処理〕
水素化処理触媒A100mLを固定床流通式反応装置に充填し、水素圧力5.0MPa、40L/hで水素を流通させながら2時間で室温から150℃まで昇温した。その後、以下の手順で水素化処理触媒Aを硫化処理した。硫化剤(市販軽油に1質量%の二硫化炭素を混合したもの)を水素圧力5.0MPa、水素/オイル比200NL/L、LHSV 2.0h−1、150℃の条件下で2時間通油した。その後、温度以外の条件を一定として硫化剤と水素の供給を継続し、20℃/hで230℃まで昇温して、4時間、230℃で一定とした。その後さらに、17.5℃/hで300℃まで昇温して、7時間、300℃で一定とした。この後、表1に性状を示す軽油留分Aを原料油として、水素圧力6.5MPa、水素/オイル比350NL/L、LHSV 1.0h−1、反応温度352℃の条件で水素化処理反応を行った。得られた生成油(軽油A)の性状分析結果を表2に示す。
Figure 2005239890
Figure 2005239890
〔水素化処理触媒B〕
イオン交換水50gに、三酸化モリブデン(太陽鉱工株式会社製)31.8g、45.6%炭酸コバルト(関西触媒化学株式会社製)10.7g、45.0%炭酸ニッケル(日本化学産業株式会社製)3.6g、85%リン酸(関東化学株式会社製)4.9gを加え、80℃で撹拌しながら溶解した。さらに、60℃まで自然放冷したのち、クエン酸(関東化学株式会社製)24gを加え、撹拌しながら溶解し、40℃まで自然放冷したのち、35%過酸化水素(関東化学株式会社製)8gを加え、撹拌しながら室温まで放冷して担持液を調製した。実施例1で用いた担体A120gにこの担持液をポアフィリング法で含浸させた。含浸物を130℃で一晩乾燥後、通気式ロータリーキルンで空気中550℃、30分間焼成して水素化処理触媒Bを調製した。水素化処理触媒Bの組成分析結果は、モリブデン12.6質量%、コバルト2.9質量%、ニッケル1.0質量%、リン0.8質量%であった。水素化処理触媒Bのメソポア構造を窒素吸着法で分析したところ、細孔容積は0.42mL/g、比表面積は201m/g、中央細孔径は7.3nmだった。
〔水素化処理触媒C〕
乾燥担体基準でシリカアルミナ80質量%およびアルミナ20質量%からなるような配合比で、シリカアルミナ粉体および擬ベーマイト粉体を混合し、硝酸水溶液を添加して混練し、呼び寸法1/20インチ三つ葉型のダイスを通して押出成形した後、乾燥し、空気気流下600℃で1時間焼成することで担体Bを調製した。シリカアルミナ粉体としては、シリカ/アルミナモル比4.4、平均粒経8.8μm、強熱減量15.3質量%の粉体を用いた。関東化学株式会社製アンモニア水(28%)9.0gを約20mLのイオン交換水に加えて攪拌した。ここに、エチレンジアミン四酢酸(EDTA、関東化学株式会社製鹿特級)14.0gを加えて攪拌し、EDTAを溶解させた。この溶液に硝酸ニッケル六水和物(関東化学株式会社製鹿特級)29.51gを加えて攪拌し、青緑色の均一な溶液を得た。この溶液にメタタングステン酸アンモニウム水溶液(日本無機化学工業株式会社製MW−2、W濃度693g/L)47.26mLを添加して、均一な担持液約130mLを得た。担体B120gにこの担持液をポアフィリング法で含浸させた。含浸物を130℃で24時間乾燥し、水素化処理触媒Cを得た。水素化処理触媒Cの組成分析結果は、タングステン17.4質量%、ニッケル3.1質量%、炭素3.1質量%、窒素2.8質量%であった。水素化処理触媒Cのメソポア構造を窒素吸着法で分析したところ、細孔容積は0.12mL/g、比表面積は63m/g、中央細孔径は6.3nmだった。
〔気液分離機構を備えた反応装置を用いた水素化処理〕
用いた反応装置の概略フローを図1に示す。本反応装置は、反応器1および反応器2の2つの反応器を備え、その間に高圧分離槽3とストリッパー4を備え、反応器2は高圧分離槽5、ミスト分離槽6及びストリッパー7に連結されており、それらは配管16〜42で連結されている。反応器1および2に対する水素供給は、各々、配管14および配管29、30から行われる。原料油は、配管13,15を通じて反応器1に送られる。ストリッパー4には配管23から水素ガスを供給して、ストリッパー4内に滞留する液体と気液接触させることができる。高圧分離槽3およびストリッパー4からは、各々、配管21および配管24を通して水素化処理反応で生成した硫化水素やアンモニアを含むガス(オフガス)を反応系外に除去することができる。ストリッパー4から取り出された液体は、配管26〜28,31を通じて反応器2に供給される。反応器2で水素化処理された反応混合物は、高圧分離槽5およびミスト分離槽6で気液分離され、液体成分がストリッパー7に送られてストリッピングされた後に、生成油として取り出される。
反応器1に水素化処理触媒Bを50mL、反応器2に水素化処理触媒Cを50mL充填し、開閉バルブ8および10を閉じ、開閉バルブ9を開いた状態で、水素圧力5.0MPa、40L/hで水素を流通させながら2時間で室温から120℃まで昇温した。その後、以下の手順で水素化処理触媒BおよびCの硫化処理を行った。硫化剤(市販軽油に1質量%の二硫化炭素を混合したもの)を水素圧力5.0MPa、水素/オイル比200NL/L、反応器1と反応器2の触媒充填量合計に対する総合液空間速度2.0h−1、120℃の条件下で2時間通油した。その後、温度以外の条件を一定として硫化剤と水素の供給を継続し、27.5℃/hで230℃まで昇温して、4時間、230℃で一定とした。その後さらに、42.5℃/hで300℃まで昇温して、7時間、300℃で一定とした。この後、表1に性状を示す軽油留分Bを原料油として水素化処理反応を行った。開閉バルブ8、10および11を開き、開閉バルブ9を閉じて、反応器1の水素圧力5.1MPa、反応器2の水素圧力5.0MPa、反応器1および反応器2各々に対する水素/原料油供給比200NL/L、反応器1と反応器2の触媒充填量合計に対する総合液空間速度 1.5h−1およびストリッパー4に対する配管23からの水素供給30L/hとし、反応器1、反応器2、高圧分離槽3およびストリッパー4の温度をいずれも345℃として反応を行った。得られた生成油(軽油B)の性状分析結果を表2に示す。また、開閉バルブ11を閉じ、開閉バルブ12を開いてサンプリングされた中間生成油を窒素ガスでストリッピング処理して中間生成油の硫黄分を分析したところ、121質量ppmだった。
[比較例1]
〔水素化処理触媒D〕
乾燥担体基準で、モルデナイト7質量%およびアルミナ93質量%からなり、直径1.4mmのシリンダー形状の担体150gに、モリブデン酸アンモニウム46.5g、硝酸ニッケル六水和物41.8g、リン酸溶液19.6gを含む含浸液を用いてモリブデン、ニッケル、リンを含浸した。これを130℃で一晩乾燥した後、ロータリーキルンを用いて500℃で30分間焼成して、触媒中にモリブデンを12質量%、ニッケルを4質量%およびリンを2.5質量%含む水素化処理触媒Dを調製した。なお、モルデナイト原料としては、シリカ/アルミナモル比210、ゼオライト細孔長径0.70nmの粉体を用いた。
〔フィッシャー・トロプシュ合成油からの軽油製造〕
固定床流通式反応装置に水素化処理触媒Dを100mL充填し、水素圧力9MPa、40L/hで水素を流通させながら2時間で室温から120℃まで昇温した。その後、以下の手順で水素化処理触媒Dを硫化処理した。硫化剤(市販軽油に1質量%の二硫化炭素を混合したもの)を水素圧力5.0MPa、水素/オイル比200NL/L、LHSV 2.0h−1、120℃の条件下で2時間通油した。その後、温度以外の条件を一定として硫化剤と水素の供給を継続し、27.5℃/hで230℃まで昇温して、4時間、230℃で一定とした。その後さらに、42.5℃/hで300℃まで昇温して、7時間、300℃で一定とした。この後、後述のノルマルパラフィン原料を用い、水素圧力9MPa、水素/原料油供給比1500NL/L、LHSV=0.5h−1、反応温度370℃の反応条件で水素化分解および異性化反応を行い、得られた生成油から実施例2で得られた軽油Bとほぼ同等の50容量%留出温度となるよう分留し、軽油Cを得た。ノルマルパラフィン原料としては、SMDS(Shell Middle Distillate Synthesis)製SX−60Mを用いた。これは、15℃換算での密度0.82g/mL、初留点343℃、10容量%留出温度401℃、90容量%留出温度524℃、終点581℃であり、フィッシャー・トロプシュ法により合成されたものである。
[比較例2]
現在市販されている軽油(軽油D)を入手した。その性状を表2に示す。
表2から、実施例の軽油Aおよび軽油Bは、硫黄分が1質量ppm以下と市販軽油の軽油Dより極めて低く、かつ軽油Dと同等の単位体積あたりの真発熱量を有している。また、硫黄分が1質量ppm以下であるフィッシャー・トロプシュ合成油から誘導された軽油Cと比べて、単位体積あたりの真発熱量について格段に優れていることがわかる。
実施例および比較例での測定方法は、以下の方法を用いた。
〔細孔特性の測定方法〕
窒素ガス吸着法による細孔特性の測定には、Micromeritics社製ASAP2400型測定器を用いた。
〔硫黄分の測定方法〕
軽油留分の硫黄分の測定は、理学電機工業株式会社製ZSX101e型蛍光X線分析装置を用いて行った。
本発明の環境対応軽油は、硫黄分が5質量ppm以下、さらには1質量ppm以下と極めて低く、かつ従来市販されている軽油と同等の単位体積あたりの真発熱量を確保しているので、ディーゼル自動車の環境汚染物質の排出量の削減と二酸化炭素排出量の削減を両方同時に実現することができ、それによって地球環境の保護に貢献することができる。
実施例2で用いた、反応器間に気液分離装置を備えた反応装置の概略フローを示す説明図である。
符号の説明
1および2: 反応器、3: 高圧分離槽、4: ストリッパー、5: 高圧分離槽、6: ミスト分離槽、7: ストリッパー、8〜12: 開閉バルブ、 13〜42: 配管

Claims (4)

  1. 密度が0.795g/cm以上、硫黄分が5質量ppm以下、1環芳香族分が5〜18容量%、多環芳香族分が2容量%以下であり、かつ単位体積あたりの真発熱量が34500J/cm以上である環境対応軽油。
  2. 硫黄分が1質量ppm以下である請求項1に記載の環境対応軽油。
  3. 請求項1または2に記載の環境対応軽油を製造する方法であって、
    硫黄分が0.5質量%以上、密度が0.80〜0.90g/cm、90容量%留出温度が370℃以下である炭化水素油を原料油とし、水素圧力3〜10MPa、反応温度280〜450℃の反応条件下で水素化処理触媒と接触させる水素化処理工程を含む環境対応軽油の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の環境対応軽油を製造する方法であって、
    硫黄分が0.5質量%以上、密度が0.80〜0.90g/cm、90容量%留出温度が370℃以下である炭化水素油を原料油とし、水素圧力3〜10MPa、反応温度280〜450℃の反応条件下で水素化処理触媒と接触させて反応混合物を得る第1の工程と;
    第1の工程で得られた反応混合物を気液分離して粗精製油を得る第2の工程と;
    第2の工程で得られた粗精製油を、水素圧力3〜10MPa、反応温度280〜450℃の反応条件下で水素化処理触媒と接触させる第3の工程と;を含む環境対応軽油の製造方法。
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