JP2008001751A - 軽油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ディーゼルエンジンをより長期間安定的に運転するための軽油組成物であり、燃料噴射装置により燃料温度が上昇しても腐食性を極力抑制することができ、精密な燃焼制御をより長期間可能にする軽油組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】全硫黄分が10質量ppm以下、該全硫黄分の内、メルカプタン類の硫黄分が2質量ppm以下であり、かつn−デシルメルカプタン(1−デカンチオール)より重質でジベンゾチオフェンより軽質な硫黄化合物の硫黄分が0.4質量ppm以下である軽油組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、軽油組成物に関する。詳しくは、主にディーゼルエンジンの燃料に用いられる軽油組成物に関する。さらに詳しくは、燃料噴射系統の腐食を抑制し、環境への影響を低減するための精密な運転制御を、より長期間持続することを可能にする軽油組成物に関する。
ディーゼル自動車の排出ガス規制は年々厳しくなっており、自動車メーカーは様々な技術で規制値をクリアしようとしている。これらの技術の中で、最も多く採用されているのが、コモンレール式燃料噴射装置と呼ばれる蓄圧装置を備えた燃料高圧噴射である。この装置は、高圧噴射での軽油液滴の微粒化による粒子状物質の低減ばかりではなく、1サイクル中に燃料噴射を複数回行うことが可能であり、最適な噴射時期と噴射回数などが精密に電子制御されている。
しかし、コモンレール式燃料噴射装置では、蓄圧装置で燃料が高圧になることと、蓄圧装置自体がエンジンに直結されているため、燃料温度がかなり上昇する。さらに従来の機械式噴射装置と比較して、噴射されずに燃料タンクへ戻る燃料量がかなり多いことから、燃料タンク内での燃料温度も上昇する(非特許文献1)。
燃料温度が上昇すると、軽油の熱安定性が問題となる可能性があり、長期間使用する間に燃料噴射弁や燃料ポンプなどの劣化が生じ、電子制御による精密な燃料噴射が不可能になる恐れがある。
石坂一義、「コモンレール式ディーゼル燃料噴射装置」、トヨタ技術公開集、16303、2004年
軽油組成物の安定性や腐食性を規定するJIS規格は存在しないが、一般的には安定性は色相で管理されており、酸価等も転用できると考えられる。また、軽油組成物のエンジン材質に対する腐食性を評価する手法としては、ガソリンや灯油に使用する50℃で3時間の銅板腐食が転用できると考えられる。しかし、これらの評価方法は、従来の機械式燃料噴射装置の時代に開発されたものであり、コモンレール式燃料噴射装置のように燃料温度が上昇するケースに対しては精度の点で必ずしも十分とはいえない。また、上記指標に基づいて良好な安定性を有すると評価された軽油組成物であっても、ディーゼルエンジンの長期間の使用に伴い燃料噴射装置の運転が不安定になる可能性がある。これは、上記指標は軽油組成物の性状を評価するものであって、軽油組成物の安定性や腐食性に関与する直接の要因を見極めたものではないためである。
本発明は、ディーゼルエンジンをより長期間安定的に運転するための軽油組成物であり、燃料噴射装置により燃料温度が上昇しても腐食性を極力抑制することができ、精密な燃焼制御をより長期間可能にする軽油組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決し、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、軽油中の硫黄分の中でも、メルカプタン類の硫黄分と、n−デシルメルカプタン(1−デカンチオール)より重質でジベンゾチオフェンより軽質な硫黄化合物の硫黄分とが、ディーゼルエンジンの燃料噴射系統における腐食作用に影響を及ぼしうることを知見し、これら硫黄分を特に選択的に低減することによって、燃料油の温度が上昇しても腐食性を低減できて上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、全硫黄分が10質量ppm以下、該全硫黄分の内、メルカプタン類の硫黄分が2質量ppm以下であり、かつn−デシルメルカプタン(1−デカンチオール)より重質でジベンゾチオフェンより軽質な硫黄化合物の硫黄分が0.4質量ppm以下であることを特徴とする軽油組成物を提供する。
本発明の、全硫黄分、該全硫黄分の内のメルカプタン類の硫黄分、及びn−デシルメルカプタン(1−デカンチオール)より重質でジベンゾチオフェンより軽質な硫黄化合物の硫黄分をそれぞれ一定値以下に管理した軽油組成物は、ディーゼルエンジンにおいて、燃料噴射装置により燃料温度が上昇しても、より長期間腐食性を抑制できる。その結果、より長期間精密な燃焼制御を可能にし、燃焼状態や排出ガス組成への悪影響を極力低減できて、ディーゼルエンジンをより長期間安定的に運転することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の軽油組成物の全硫黄分含有量は、PM排出量の抑制、及び特に排出ガス後処理装置を装着したエンジンにおける環境負荷の低減効果を長期間保持するために、10質量ppm以下とする(PMとはParticle Matterの略で、ディーゼルエンジンの排気ガス起源の粒子状物質をいう)。なお、本発明でいう全硫黄分とは、JIS K2541に準拠して測定した値である。また、ここでいう全硫黄分とは、例えば硫化水素、メルカプタン類、硫化アルキル類、環状硫化物、チオフェン類等の軽油組成物に含有されている全ての硫黄分を意味する。
また、本発明の軽油組成物では、メルカプタン類の硫黄分は、2質量ppm以下、好ましくは1質量ppm以下である。本発明でいうメルカプタン類の硫黄分とは、本出願人の出願に係る特願2005−265598号の明細書に記載の方法により測定した値である。この方法は、石油系燃料油中のメルカプタン硫黄分の濃度を定量分析するための電位差滴定によるメルカプタン硫黄分試験方法において、用いる硝酸銀滴定液の濃度を0.0005〜0.005mol/Lとし、且つ試料のはかり採り量を50〜500mLとして電位差滴定を行い、該電位差滴定で測定された前記硝酸銀滴定液の滴定量からメルカプタン硫黄分の濃度を算出する石油系燃料油のメルカプタン硫黄分試験方法である。
本発明の軽油組成物においては、メルカプタン類の硫黄分は少ないほど好ましいが、メルカプタン類の硫黄分が2質量ppm以下であれば、燃料噴射系統で腐食が発生する可能性が低下する。その結果、環境への影響を低減するための精密な運転制御をより長時間持続することが可能になる。なお、ここでいう燃料噴射系統とは、燃料タンク、燃料フィルター、燃料ポンプ、コモンレール、燃料噴射弁、及びこれらを繋ぐ配管の総称である。
さらに、本発明の軽油組成物では、n−デシルメルカプタン(1−デカンチオール)より重質でジベンゾチオフェンより軽質な硫黄化合物の硫黄分は、0.4質量ppm以下、好ましくは0.1質量ppm以下である。本発明でいうn−デシルメルカプタン(1−デカンチオール)より重質でジベンゾチオフェンより軽質な硫黄化合物の硫黄分は、化学発光によって硫黄化合物を選択的に検出、定量するANTEK製硫黄化学発光検出器を備えた島津製作所製ガスクロマトグラフ装置を用いて、ガスクロマトグラフ法で測定される。ここで、n−デシルメルカプタンとジベンゾチオフェンを標準硫黄化合物として、硫黄分が検出されないHPLC用イソオクタンに溶解したものを予め測定し、ピークの位置を求めておく。その後、試料を測定し、n−デシルメルカプタンとジベンゾチオフェンのピークの位置の中間にあるピークの総面積で定量した。
ガスクロマトグラフの測定条件は、40℃で1分保持した後、10℃/分で300℃まで昇温し、300℃で3分保持した。また、使用したカラムは、ポリジメチルシロキサンをコーティングしたキャピラリータイプで、長さ30m、内径0.32mm、膜厚1.0μmを使用した。
n−デシルメルカプタン(1−デカンチオール)より重質でジベンゾチオフェンより軽質な硫黄化合物の硫黄分が、0.4質量ppm以下であれば、コモンレール式の燃料噴射系統で腐食が発生する可能性が低下し、環境への影響を低減するための精密な運転制御をより長期間持続することが可能になる。
本発明の軽油組成物は、JIS K2204でいう所謂、特1号、1号、2号、3号、特3号軽油全般に適合させることができる。
本発明の軽油組成物の色相、酸価、50℃で3時間の銅板腐食等の、軽油組成物の安定性や腐食性の評価に転用できる性状は、従来の軽油組成物の性状と同等であっても差支えない。本発明の軽油組成物におけるこれらの各性状は、一般に、色相は−16以上(セーボルト色、JIS K2580)、または1.5以下(ASTM色、JIS K2580)、酸価は0.02以下(中和価、JIS K2501)、50℃、3時間での銅板腐食は2未満(銅板腐食、JIS K2513)であることが好ましい。本発明の軽油組成物はさらに、149℃で24時間の銅板腐食試験の判定値が4未満であることが好ましい。かかる試験は、過熱浴の温度を149℃に設定し、試料と銅板を加熱浴に浸す時間を24時間とする以外はJIS K2513に準拠した値である。従来のJIS K2513の50℃、3時間での銅板腐食よりも苛酷な条件とする事で、エンジン上部に設置されて、輻射熱で100℃を超えると考えられる環境下にあるコモンレール内での軽油組成物の腐食性を、加速的に評価したものである。
本発明の軽油組成物の製造方法は、前記した性状を満足する限り特に制限されない。例えば、本発明の軽油組成物は、直留軽油(LGO)及び/又は軽質減圧軽油(LVGO)を、Co−Mo、Ni−Mo、Ni−Co−Mo触媒等の触媒の存在下で、3〜12MPa、好ましくは7〜10MPaの圧力下、300〜400℃、好ましくは330〜360℃の温度で、液空間速度(LHSV)0.1〜5h-1、好ましくは0.5〜1.5h-1の条件で、水素化処理した後、必要に応じて流動性向上剤等を配合して得られる。
また、他の軽油基材を用いて、前記した性状を満たすように適宜配合することにより任意の方法で調製することができる。この際の軽油基材としては、例えば、脱硫灯油(UFT−KERO)、水素化分解軽油(HCGO)、接触分解軽油(LCO)、脱硫重質ナフサ(DHN)、脱ろう脱硫軽油(DWDLGO)、直脱軽油(DSGO)、間脱軽質軽油(VHLGO)、特開平6−158058号に代表される公報に記載されたフィッシャー・トロプッシュ合成により製造される灯油留分及び軽油留分などが挙げられる。これらの基材を1 種又は2 種以上を混合して製造できるし、また直留軽油(LGO)及び/又は軽質減圧軽油(LVGO)にこれらの基材を1 種又は2 種以上を混合してから、上記の条件で水素化処理して製造してもよい。
本発明の軽油組成物には、曇り点、流動点の改善や含有するワックスの含有率を減少させるために、脱硫灯油(UFT−KERO)を配合することもできる。脱硫灯油は、常圧蒸留装置から得られた灯油留分を水素化脱硫処理したものである。脱硫灯油は、好ましくは直留軽油及び軽質減圧軽油から得られた組成物に対して5〜70容量%、より好ましくは10〜40容量% 配合される。
本発明の軽油組成物には、必要に応じて、各種の添加剤を適宜配合することができる。この添加剤としては、流動性向上剤、セタン価向上剤、清浄剤、防錆剤、消泡剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、色相安定剤などが挙げられる。
流動性向上剤としては、種々の低温流動性向上剤が使用でき、例えばアルケニルコハク酸アミド、エチレン− 酢酸ビニル共重合体、エチレン− アルキルアクリレート共重合体、ポリエチレングリコール誘導体などの共重合系ポリマー、塩素化ポリエチレン、ポリアルキルアクリレートなどのポリマーなどが挙げられる。中でも、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。これらの流動性向上剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。流動性向上剤の配合量は、流動性向上剤の機能が適切に発現する観点、及び流動性向上剤自体が自動車のフィルターを閉塞する不具合を避ける観点から、軽油組成物中に好ましくは100〜1000容量ppm、より好ましくは300〜600容量ppm含有される量である。
セタン価向上剤としては、種々のセタン価向上剤が使用でき、例えば2−クロロエチルナイトレート、2−エトキシエチルナイトレート、イソプロピルナイトレート、ブチルナイトレート、第一アミルナイトレート、第二アミルナイトレート、イソアミルナイトレート、第一ヘキシルナイトレート、第二ヘキシルナイトレート、n−ヘプチルナイトレート、n−オクチルナイトレート、2−エチルヘキシルナイトレート、シクロヘキシルナイトレート、エチレングリコールジナイトレートなどの種々のナイトレートやジ−t−ブチルペルオキシドなど種々の過酸化物が挙げられ、好ましくは炭素数6 又は8のアルキルナイトレートが挙げられる。これらのセタン価向上剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。セタン価向上剤の配合量は、適宜選定すれば良いが、軽油組成物に対して100〜1000容量ppm配合することが好ましい。
清浄剤としては、種々の清浄剤が使用でき、例えばイミド系化合物; ポリブテニルコハク酸無水物とエチレンポリアミン類とから合成されるポリブテニルコハク酸イミドなどのアルケニルコハク酸イミド; ペンタエリスリトールなどの多価アルコールとポリブテニルコハク酸無水物から合成されるポリブテニルコハク酸エステルなどのコハク酸エステル;ジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ビニルピロリドンなどとアルキルメタクリレートとのコポリマーなどの共重合系ポリマーなどの無灰清浄剤などが挙げられ、好ましくはアルケニルコハク酸イミドである。これらの清浄剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。清浄剤の配合量は、適宜選定すれば良いが、軽油組成物に対して450〜2000容量ppm配合することが好ましい。
防錆剤としては、種々の防錆剤が使用でき、例えばステアリン酸などのモノカルボン酸、アルキル又はアルケニルコハク酸などのジカルボン酸などのカルボン酸; 脂肪酸、ナフテン酸、アビエチン酸、ラノリン脂肪酸、アルケニルコハク酸、アミノ酸誘導体などのカルボン酸のアルカリ土類金属塩、アルミニウム、亜鉛、鉛などの各種金属元素塩、アミン塩などのカルボン酸塩; 石油スルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、重質アルキルベンゼンスルホン酸などのスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩などのスルホン酸塩; ソルビトール、ペンタエリスリトール、ショ糖、グリセリンなどの多価アルコールとオレイン酸、ラウリル酸などのカルボン酸との部分エステルなどのカルボン酸エステル; 高級脂肪族アルコールなどのアルコール; シクロヘキシルアミン、モルホリン、アルコキシフェニルアミン、ジエタノールアミン誘導体、アミノアルコール、ロジンアミンのエチレンオキサイド付加物などのアミン; リン酸などの極性基を主あるいは副極性基として有する油溶性界面活性剤などが挙げられる。これらの防錆剤の内、好ましいものは、無灰タイプのアミノ基を有するものである。これらの防錆剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。防錆剤の配合量は、適宜選定すれば良いが、軽油組成物に対して2〜100容量ppm配合することが好ましい。
消泡剤としては、種々の消泡剤が使用でき、例えばポリジメチルシロキサン、ジメチルシロキサンとトリフルオロプロピルメチルシロキサンとの共重合物、ジメチルシロキサンとオキシエチレンとの共重合物などのシリコーンポリマーが挙げられ、好ましくはジメチルシロキサンとオキシエチレンとの共重合物が挙げられる。これらの消泡剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。消泡剤の配合量は、適宜選定すれば良いが、軽油組成物に対して3〜20容量ppm配合することが好ましい。
酸化防止剤としては、種々の酸化防止剤が使用でき、例えばN,N ’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N ’−ジ−sec−ブチル−p− フェニレンジアミンのようなアミン;2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノールのようなフェノールなどが挙げられる。これらの酸化防止剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。酸化防止剤の配合量は、適宜選定すれば良いが、軽油組成物に対して10〜60容量ppm配合することが好ましい。
金属不活性化剤としては、種々の金属不活性化剤が使用でき、例えばN,N ’−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパンなどが挙げられる。これらの金属不活性化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。金属不活性化剤の配合量は、適宜選定すれば良いが、軽油組成物に対して2〜20容量ppm配合することが好ましい。
色相安定剤としては、種々の色相安定剤が使用でき、例えば清浄剤としての機能をも有するアルケニルコハク酸イミドや、その他アントラキノン、ヒドラジンなどが挙げられる。これらの色相安定剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。色相安定剤の配合量は、適宜選定すれば良いが、軽油組成物に対して10〜1000容量ppm配合することが好ましい。
以下、実施例及び比較例によりさらに具体的に本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
中東系の原油から常圧蒸留により得た軽油留分(直留軽油、蒸留カットレンジ170〜370℃)を原料油とし、該原料油を水素化脱硫触媒として市販触媒(Co−Mo系)を用いて水素化処理して、脱硫軽油組成物を得た。その諸性状を表1に示した。
実施例2
中東系の原油(ただし実施例1とは原油種が異なる)から常圧蒸留により得た軽油留分(直留軽油、蒸留カットレンジ170〜380℃)を原料油とし、該原料油を水素化脱硫触媒として市販触媒(Co−Mo系)を用いて水素化処理して、脱硫軽油組成物を得た。その諸性状を表1に示した。
実施例3
実施例1で得た脱硫軽油組成物に、中東系の原油から常圧蒸留により得た灯油留分(直留灯油、蒸留カットレンジ160〜370℃)を原料油として、該原料油を水素化脱硫触媒として市販触媒(Co−Mo系)を用いて水素化処理して得られた脱硫灯油(蒸留カットレンジ150〜350℃)を10容量%混合して、脱硫軽油組成物を得た。その諸性状を表1に示した。
実施例4
中東系の原油から常圧蒸留により得た軽油留分(直留軽油、蒸留カットレンジ160〜370℃)に、中東系の原油から減圧蒸留により得た軽油留分(軽質減圧軽油、蒸留カットレンジ160〜370℃)を10容量%混合したものを原料油とし、該原料油を水素化脱硫触媒として市販触媒(Co−Mo系)を用いて水素化処理して、脱硫軽油組成物を得た。その諸性状を表1に示した。
実施例5
中東系の原油から常圧蒸留により得た軽油留分(直留軽油、蒸留カットレンジ170〜360℃)に、中東系原油から常圧蒸留により得た軽油留分以上の高沸点留分を接触分解して得られた接触分解軽油(LCO)を10容量%混合したものを原料油とし、該原料油を水素化脱硫触媒として市販触媒(Co−Mo系)を用いて水素化処理して、脱硫軽油組成物を得た。その諸性状を表1に示した。
実施例6
中東系の原油から常圧蒸留により得た軽油留分(直留軽油、蒸留カットレンジ170〜370℃)を原料油とし、該原料油を水素化脱硫触媒として市販触媒(Co−Mo系)を用い水素化処理して得られた脱硫軽油に、フィッシャー・トロプシュ合成により得た炭素数30以上のワックス分を水素化分解触媒として市販触媒(Pt系)を用いて水素化分解した後、蒸留して得た軽油留分(蒸留カットレンジ200〜350℃)を10容量%混合して、脱硫軽油組成物を得た。その諸性状を表1に示した。
比較例1
中東系の原油から常圧蒸留により得た軽油留分(直留軽油、蒸留カットレンジ170〜360℃)を原料油とし、該原料油を水素化脱硫触媒として市販触媒(Co−Mo系)を用い水素化処理して、脱硫軽油組成物を得た。その諸性状を表1に示した。
比較例2
実施例6で得た脱硫軽油組成物に、n−ドデシルメルカプタン(東京化成工業製、市販試薬)を所定量添加し、メルカプタン類の硫黄分を2.2質量ppmに調整した脱硫軽油組成物を得た。その諸性状を表1に示した。
上記実施例、比較例で調製した軽油組成物について、50℃で3時間の銅板腐食試験及び149℃で24時間の銅板腐食試験を行った。その結果を表1に示した。
50℃で3時間の銅板腐食試験結果が、2以上であるか、又は149℃で24時間の銅板腐食試験結果が4以上であると、燃料噴射系統で腐食が発生し、環境への影響を低減するための精密な運転制御を長期間持続することが不可能になる恐れがある。
Figure 2008001751
表1から明らかなように、n−デシルメルカプタン(1−デカンチオール)より重質でジベンゾチオフェンより軽質な硫黄化合物の硫黄分が0.4質量ppmを超える比較例1では、149℃で24時間の銅板腐食試験が4に悪化する。また、メルカプタン類の硫黄分が2質量ppmを超える比較例2でも、149℃で24時間の銅板腐食試験が4に悪化することがわかる。

Claims (1)

  1. 全硫黄分が10質量ppm以下であり、該全硫黄分の内、メルカプタン類の硫黄分が2質量ppm以下であり、かつn−デシルメルカプタン(1−デカンチオール)より重質でジベンゾチオフェンより軽質な硫黄化合物の硫黄分が0.4質量ppm以下であることを特徴とする軽油組成物。
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