JP2005239863A - キラル配向構造を有する有機/無機複合体及びその製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】らせん構造などの光学活性なキラル配向構造を有する重合体が有する分子レベルのキラルな情報を効率的にシリカなどの金属酸化物に転写すること、並びに、1つの重合体からキラル配向構造を作り分けて、金属酸化物中に転写する技術を確立すること。
【解決手段】アキラルなモノマーユニットからなる重合体に、光学活性化合物を錯体化させる事により、該重合体に光学活性なキラル配向構造を誘起させた後、該重合体に光学不活性な金属アルコキシド又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物を作用させ、然る後、これに水の存在下、光学不活性な金属アルコキシド又は/及び金属ハロゲン化物を反応させることにより得られる、アキラルなモノマーユニットからなるが光学活性なキラル配向構造を有する重合体と光学不活性な金属化合物とからなる光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体、並びに該有機/無機複合体から有機成分を除去することにより得られる無機構造体。
【選択図】 なし
【解決手段】アキラルなモノマーユニットからなる重合体に、光学活性化合物を錯体化させる事により、該重合体に光学活性なキラル配向構造を誘起させた後、該重合体に光学不活性な金属アルコキシド又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物を作用させ、然る後、これに水の存在下、光学不活性な金属アルコキシド又は/及び金属ハロゲン化物を反応させることにより得られる、アキラルなモノマーユニットからなるが光学活性なキラル配向構造を有する重合体と光学不活性な金属化合物とからなる光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体、並びに該有機/無機複合体から有機成分を除去することにより得られる無機構造体。
【選択図】 なし
Description
本発明は、光学分割剤や触媒担体等として利用し得る、光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体と、該複合体から有機成分を除去することにより得られるキラル配向構造を有する無機構造体、並びにこれらの製造法に関する。
光学不斉を有する物質としては、不斉炭素やいわゆる不斉分子を有するものが多数知られており、これらは光学分割剤、液晶材料、キラルセンサー、非線形光学材料などの高機能性材料として広く用いられている。近年、分子不斉を有する高分子材料が注目されており、例えば、らせん構造を有し高い旋光性を有するポリ(メタクリル酸トリフェニルメチル)(特許文献1)、光学活性なポリアクリル酸アミド誘導体(特許文献2)、光学活性な(4−カルボキシフェニル)アセチレン(特許文献3)などの重合体が知られている。
一方、ゼオライトやメソポーラスシリカなどの多孔質性の金属酸化物をベースとした無機物質は高い表面エネルギーを有すると共に有機分子と異なり安定性に富んでいるため、各種カラムなどの分離担体や吸着剤をはじめとして広く利用されている。近年、キラルな多孔質構造を有するシリカなどの金属酸化物が注目を集めており、例えば、コレステロール誘導体(非特許文献1)や、糖をベースとした化合物(非特許文献2)の有機ゲルが作り出すらせん状の会合構造をシリカガラス中に転写させる方法などが開示されている。
これら転写複合体中から有機分子を除去した後に得られるシリカガラス等は、光学分割剤などとしての利用が期待されている。しかし、これらの方法で得られるキラルな構造はサブミクロンから数十ナノメーターオーダーの大きさであり、孔のサイズがかなり大きく、分子を振り分ける光学分割剤としては必ずしも好適なものとは言えなかった。
一方、前述したらせん構造を有する高分子に対し、シリケートなどを使って複合化することも考えられるが、この方法でも分子レベルでのキラルな情報をシリカ中に転写することは困難である。更に、らせん構造を有する重合体のらせん構造は重合体それぞれに固有なものであるため、異なるらせん情報を転写させるためには、異なるらせん構造を有する重合体を用いる必要があるという問題があった。
一方、ゼオライトやメソポーラスシリカなどの多孔質性の金属酸化物をベースとした無機物質は高い表面エネルギーを有すると共に有機分子と異なり安定性に富んでいるため、各種カラムなどの分離担体や吸着剤をはじめとして広く利用されている。近年、キラルな多孔質構造を有するシリカなどの金属酸化物が注目を集めており、例えば、コレステロール誘導体(非特許文献1)や、糖をベースとした化合物(非特許文献2)の有機ゲルが作り出すらせん状の会合構造をシリカガラス中に転写させる方法などが開示されている。
これら転写複合体中から有機分子を除去した後に得られるシリカガラス等は、光学分割剤などとしての利用が期待されている。しかし、これらの方法で得られるキラルな構造はサブミクロンから数十ナノメーターオーダーの大きさであり、孔のサイズがかなり大きく、分子を振り分ける光学分割剤としては必ずしも好適なものとは言えなかった。
一方、前述したらせん構造を有する高分子に対し、シリケートなどを使って複合化することも考えられるが、この方法でも分子レベルでのキラルな情報をシリカ中に転写することは困難である。更に、らせん構造を有する重合体のらせん構造は重合体それぞれに固有なものであるため、異なるらせん情報を転写させるためには、異なるらせん構造を有する重合体を用いる必要があるという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、らせん構造などの光学活性なキラル配向構造を有する重合体が有する分子レベルのキラルな情報を効率的にシリカなどの金属酸化物に転写すること、更には、1つの重合体からキラル配向構造を作り分けて、金属酸化物中に転写する技術を確立することにある。
本発明は、アキラルなモノマーユニットからなるが光学活性なキラル配向構造を有する重合体と、光学不活性な金属化合物とからなる、光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体に関する。
また、本発明は、側鎖に官能基を有する、アキラルなモノマーユニットからなる重合体に、該官能基と容易に反応し得る官能基を有する光学活性化合物を錯体化させる事により、該重合体に光学活性なキラル配向構造を誘起させた後、該重合体に光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物を作用させ、然る後、これに水の存在下、光学不活性な金属アルコキシド又は/及び金属ハロゲン化物を反応させることを特徴とする、上記有機/無機複合体の製造法に関する。
更に、本発明は、側鎖に官能基を有する、アキラルなモノマーユニットからなる重合体に、該官能基と容易に反応し得る官能基を有する光学活性化合物を錯体化させる事により、該重合体に光学活性なキラル配向構造を誘起させた後、該重合体に光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物を作用させて、該重合体の錯体中から該光学活性化合物を置換除去することを特徴とする、上記有機/無機複合体の製造法に関する。
更にまた、本発明は、上記の光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体から、有機成分を除去することにより得られる無機構造体に関する。
また、本発明は、上記の有機/無機複合体を含んでなる光学分割剤又は触媒担体に関する。
更に、本発明は、上記の無機構造体を含んでなる光学分割剤又は触媒担体に関する。
即ち、本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アキラルなモノマーユニットからなる重合体を用いて、これにらせん構造などのキラル配向構造を構築す
ることにより上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち、アキラルなモノマーユニットからなる重合体に金属アルコキシドなどを配位した状態でらせん構造などのキラル配向構造を構築することにより、分子レベルでキラルな情報を金属酸化物に有効に転写することが可能となる。特に、アキラルなモノマーユニットからなる重合体を用いる場合、キラルな配向構造を誘起させる条件や化合物を選択することで、容易にキラルな配向状態を作り分けることが出来、らせん構造を制御することが可能となる。本発明によれば、正負反対のキラリティを有するらせん構造などを容易に得ることが可能である。
ることにより上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち、アキラルなモノマーユニットからなる重合体に金属アルコキシドなどを配位した状態でらせん構造などのキラル配向構造を構築することにより、分子レベルでキラルな情報を金属酸化物に有効に転写することが可能となる。特に、アキラルなモノマーユニットからなる重合体を用いる場合、キラルな配向構造を誘起させる条件や化合物を選択することで、容易にキラルな配向状態を作り分けることが出来、らせん構造を制御することが可能となる。本発明によれば、正負反対のキラリティを有するらせん構造などを容易に得ることが可能である。
本発明は、分子骨格自体にはキラリティは無いが、高分子主鎖などにらせん構造などのキラル配向構造を有する重合体と、アキラルなシリカ、チタニア、アルミナなどの無機金属酸化物とからなる、光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体と、該複合体中から有機成分を除去して得られる光学活性なキラル配向構造を有する金属酸化物、並びにこれらの製造法を提供するものである。本発明によれば、らせん構造などの光学活性なキラル配向構造を有する重合体が有する分子レベルのキラルな情報を効率的にシリカなどの無機金属酸化物に転写することが出来、更には、1つの重合体からキラル配向構造を作り分けて、無機金属酸化物中に転写することも出来る。
本発明に係るアキラルなモノマーユニットからなる重合体としては、重合体を構成するモノマーユニットがキラルな分子構造を持たない重合体であって、重合体それ自身は本来光学的に不活性な重合体が挙げられる。重合体の形状としては、鎖状重合体、分岐状重合体、架橋重合体、更にはアキラルなモノマーユニットを持つ2種以上の単量体からなるランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体の何れでも良い。また、これらアキラルなモノマーユニットからなる重合体を2種以上混合して用いることも可能である。
これら重合体の分子量は数平均分子量で1千以上が好ましく、特に2千以上のものがより好ましく用いられる。
これら重合体の分子量は数平均分子量で1千以上が好ましく、特に2千以上のものがより好ましく用いられる。
重合体を形成するアキラルなモノマーユニットとしては、側鎖に官能基を有するモノマーユニットが好ましく用いられ、中でもアミノ基、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、リン酸基等の官能基を有するものが好ましい。なお、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等は、例えば、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩等の塩の形になっていても良い。
また、重合体を形成するアキラルなモノマーユニットとしては、例えば、クラウンエーテル、シクロデキストリン、或いはカリックスアレーンなどの包接化合物のホスト分子からなる基を有するものも好ましく用いられる。
また、重合体を形成するアキラルなモノマーユニットとしては、例えば、クラウンエーテル、シクロデキストリン、或いはカリックスアレーンなどの包接化合物のホスト分子からなる基を有するものも好ましく用いられる。
本発明に係るアキラルなモノマーユニットからなる重合体の好ましい具体例としては、例えば、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリソジウムアクリレート、ポリカルボキシアリールアセチレン、ポリカルボキシアリールイソシアニド、ポリカルボキシスチレン、ポリアミノアリールアセチレン、ポリビニルビリジン、ポリボロンアリールアセチレン、ポリフォスフォノアリールアセチレン、ポリスチレンスルホン酸、ポリヒドロキシスチレン等の官能基を有する重合体や、更には、エステル結合などでクラウンエーテル、シクロデキストリン、或いはカリックスアレーンと結合したポリアリールアセチレンなどを挙げることができる。
本発明に係る光学不活性な金属化合物としては、光学不活性な金属酸化物、金属アルコキシド、金属ハロゲン化物、金属水酸化物等やこれらの混合物等が挙げられる。これら金属化合物の中では、金属酸化物が特に好ましく、また、混合物の場合は、金属酸化物が主たる成分であることが好ましい。金属化合物中の金属酸化物の割合は厳密に把握することは技術的に困難であるが、例えば、熱重量分析(TGA)測定などの重量減から金属酸化物量を見積もる方法などにより知ることができる。重量減少率は使用する金属化合物の種類などにより異なり、一概に規定するのは困難であるが、一般的には50重量%以上が好ましく、60重量%以上がより好ましい。
光学不活性な金属化合物の金属としては、例えば、チタン、ジルコニウム等の周期表4族の金属、ホウ素、アルミニウム、インジウム等の13族の金属、シリコン、スズ等の14族の金属、タングステン、鉄又はストロンチウム等が挙げられ、中でもシリコン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、ホウ素、タングステン等が好ましい。これらの金属化合物は、必ずしも単一の金属からなる金属化合物でなくともよく、2種以上の金属を含む金属化合物や2種以上の金属化合物の混合物等であっても良い。
なお、ホウ素は一般には非金属として扱われる場合が多く、また、シリコンも非金属として扱われることもあるが、本明細書中においては、前者は13族の金属の範疇に入るものとして、また、後者は14族の金属の範疇に入るものとして取り扱う。
光学不活性な金属化合物の金属としては、例えば、チタン、ジルコニウム等の周期表4族の金属、ホウ素、アルミニウム、インジウム等の13族の金属、シリコン、スズ等の14族の金属、タングステン、鉄又はストロンチウム等が挙げられ、中でもシリコン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、ホウ素、タングステン等が好ましい。これらの金属化合物は、必ずしも単一の金属からなる金属化合物でなくともよく、2種以上の金属を含む金属化合物や2種以上の金属化合物の混合物等であっても良い。
なお、ホウ素は一般には非金属として扱われる場合が多く、また、シリコンも非金属として扱われることもあるが、本明細書中においては、前者は13族の金属の範疇に入るものとして、また、後者は14族の金属の範疇に入るものとして取り扱う。
本発明の上記アキラルなモノマーユニットからなる重合体に誘起される光学活性なキラル配向構造は、重合体主鎖自身がらせん状にねじれた構造や、重合体の側鎖部分が主鎖の周りをらせん状にねじれて配向した構造である。
ねじれの向きは右向き左向きいずれでもよいが、重合体全体が右向き或いは左向きに偏って配向しているために光学活性な性質を示すものである。これら、らせんの偏りの度合いを厳密に把握するのは技術的に困難である。
本発明では、旋光度や円偏光二色性などの公知の光学異方性の測定方法によりらせんの偏りの度合いが把握される。本発明のキラル構造はこれら光学異方性を表す物理値が観測されるものであるが、特に、上述したらせん構造を形成している部分の分子団(或いは原子団)からの円偏光二色性比(G値=θ/3300ε(無次元量))のスペクトルにおける最大強度が5×10−5、好ましくは10−4を越えるものが用いられる。ここでθ(deg・cm2/dmol)は分子楕円率、ε(1/M・cm)はモル吸光係数である。円偏光二色性比は公知の円偏光二色性スペクトロメーターで得られる分子楕円率(θ)と紫外可視スペクトロメーター、或いは、遠赤外/赤外吸収スペクトロメーターにより得られるモル吸光係数(ε)から、算出することができる。
ねじれの向きは右向き左向きいずれでもよいが、重合体全体が右向き或いは左向きに偏って配向しているために光学活性な性質を示すものである。これら、らせんの偏りの度合いを厳密に把握するのは技術的に困難である。
本発明では、旋光度や円偏光二色性などの公知の光学異方性の測定方法によりらせんの偏りの度合いが把握される。本発明のキラル構造はこれら光学異方性を表す物理値が観測されるものであるが、特に、上述したらせん構造を形成している部分の分子団(或いは原子団)からの円偏光二色性比(G値=θ/3300ε(無次元量))のスペクトルにおける最大強度が5×10−5、好ましくは10−4を越えるものが用いられる。ここでθ(deg・cm2/dmol)は分子楕円率、ε(1/M・cm)はモル吸光係数である。円偏光二色性比は公知の円偏光二色性スペクトロメーターで得られる分子楕円率(θ)と紫外可視スペクトロメーター、或いは、遠赤外/赤外吸収スペクトロメーターにより得られるモル吸光係数(ε)から、算出することができる。
本発明に係る光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体の製造法は、特に限定されるものではないが、例えば、下記の方法により目的とするキラル配向構造を有する有機/無機複合体を得ることが可能である。
即ち、例えば、側鎖に官能基を有する、アキラルなモノマーユニットからなる重合体に、該官能基と容易に反応し得る官能基を有する光学活性化合物を錯体化させる事により、該重合体に光学活性なキラル配向構造を誘起させた後、該重合体に光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物を作用させて、該重合体の錯体中から該光学活性化合物を置換除去することにより、本発明の光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体を得ることが出来る。
また、本発明の光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体は、以下の方法によっても得ることが出来る。
即ち、側鎖に官能基を有する、アキラルなモノマーユニットからなる重合体に、該官能基と容易に反応し得る官能基を有する光学活性化合物を錯体化させる事により、該重合体に光学活性なキラル配向構造を誘起させた後、該重合体に光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物を作用させ、然る後、これに水の存在下、光学不活性な金属アルコキシド又は/及び金属ハロゲン化物を反応させることにより、本発明の光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体を得ることが出来る。
前者の方法により得られたキラル配向構造を有する有機/無機複合体は、そのままでは安定性に欠ける面がややあるので、通常は、より安定な形でキラル配向構造を有する有機/無機複合体が得られる後者の方法が好ましく用いられる。
即ち、例えば、側鎖に官能基を有する、アキラルなモノマーユニットからなる重合体に、該官能基と容易に反応し得る官能基を有する光学活性化合物を錯体化させる事により、該重合体に光学活性なキラル配向構造を誘起させた後、該重合体に光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物を作用させて、該重合体の錯体中から該光学活性化合物を置換除去することにより、本発明の光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体を得ることが出来る。
また、本発明の光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体は、以下の方法によっても得ることが出来る。
即ち、側鎖に官能基を有する、アキラルなモノマーユニットからなる重合体に、該官能基と容易に反応し得る官能基を有する光学活性化合物を錯体化させる事により、該重合体に光学活性なキラル配向構造を誘起させた後、該重合体に光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物を作用させ、然る後、これに水の存在下、光学不活性な金属アルコキシド又は/及び金属ハロゲン化物を反応させることにより、本発明の光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体を得ることが出来る。
前者の方法により得られたキラル配向構造を有する有機/無機複合体は、そのままでは安定性に欠ける面がややあるので、通常は、より安定な形でキラル配向構造を有する有機/無機複合体が得られる後者の方法が好ましく用いられる。
上記製造法において、アキラルなモノマーユニットからなる重合体の側鎖の官能基と容易に反応し得る官能基を有する光学活性化合物としては、分子内に該重合体の側鎖の官能基と容易に反応し得る官能基を少なくとも1つ有し、且つ、不斉炭素原子などの不斉中心を有する化合物であり、ラセミ体を形成していない光学活性なものが挙げられる。
該重合体の側鎖の官能基と容易に反応し得る官能基を有する光学活性化合物としては、例えば、光学活性なカルボン酸、スルホン酸、リン酸、アミン、アルコール等が挙げられる。即ち、例えば、アキラルなモノマーユニットからなる重合体がアミノ基を有する場合には、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等を有する光学活性化合物が、また、重合体がカルボキシル基を有する場合には、アミノ基、水酸基等を有する光学活性化合物が、良好な錯体を形成する点から好ましく用いられる。また、これら何れの場合もアミノ基とカルボキシル基の両官能基を備えた光学活性なアミノ酸を用いることも可能である。
このような光学活性化合物の具体例としては、例えば、(R)−又は(S)−1−(1−ナフチル)エチルアミン、L−又はD−アラニノール、L−又はD−フェニルアラニノール、(R、R)−又は(S、S)−シクロヘキサンジアミン、(R、R)−又は(S、S)−ジフェニルエチレンジアミン、L−又はD−バリノール、(R)−又は(S)−1−フェニルエチルアミン、D−又はL−マンデル酸、L−又はD−乳酸、L−又はD−フェニル乳酸、L−又はD−酒石酸、L−又はD−リンゴ酸、L−又はD−オルニチン、L−又はD−システイン、L−又はD−プロリン等を挙げることができるが、勿論これらに限定されるものではない。
該重合体の側鎖の官能基と容易に反応し得る官能基を有する光学活性化合物としては、例えば、光学活性なカルボン酸、スルホン酸、リン酸、アミン、アルコール等が挙げられる。即ち、例えば、アキラルなモノマーユニットからなる重合体がアミノ基を有する場合には、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等を有する光学活性化合物が、また、重合体がカルボキシル基を有する場合には、アミノ基、水酸基等を有する光学活性化合物が、良好な錯体を形成する点から好ましく用いられる。また、これら何れの場合もアミノ基とカルボキシル基の両官能基を備えた光学活性なアミノ酸を用いることも可能である。
このような光学活性化合物の具体例としては、例えば、(R)−又は(S)−1−(1−ナフチル)エチルアミン、L−又はD−アラニノール、L−又はD−フェニルアラニノール、(R、R)−又は(S、S)−シクロヘキサンジアミン、(R、R)−又は(S、S)−ジフェニルエチレンジアミン、L−又はD−バリノール、(R)−又は(S)−1−フェニルエチルアミン、D−又はL−マンデル酸、L−又はD−乳酸、L−又はD−フェニル乳酸、L−又はD−酒石酸、L−又はD−リンゴ酸、L−又はD−オルニチン、L−又はD−システイン、L−又はD−プロリン等を挙げることができるが、勿論これらに限定されるものではない。
側鎖に官能基を有する、アキラルなモノマーユニットからなる重合体に、該官能基と容易に反応し得る官能基を有する光学活性化合物を錯体化させる方法は、公知の方法に従ってこれを行えば良く、例えば、側鎖にカルボキシル基又はアミノ基を有するアキラルなモノマーユニットからなる重合体と光学活性なアミン又は光学活性なカルボン酸を有機溶媒中、撹拌、混合する方法などにより容易に反応を行うことが出来る。反応温度は、通常は室温で良いが、必要に応じて加温、冷却等は任意である。反応時間は、反応温度その他の反応条件により自ずから異なるが、通常、数分〜数時間である。
光学活性なアミン又はカルボン酸とアキラルなモノマーユニットからなる重合体が錯体化したか否かは、核磁気共鳴分光法(NMR)、紫外可視吸収法、赤外吸収法などの公知の方法で知ることが可能である。また、光学活性なアミン又はカルボン酸により、光学活性なキラル配向構造が誘起されたか否かは、上述した円偏光二色性スペクトルや偏光度などにより知ることが可能である。
光学活性なアミン又はカルボン酸とアキラルなモノマーユニットからなる重合体が錯体化したか否かは、核磁気共鳴分光法(NMR)、紫外可視吸収法、赤外吸収法などの公知の方法で知ることが可能である。また、光学活性なアミン又はカルボン酸により、光学活性なキラル配向構造が誘起されたか否かは、上述した円偏光二色性スペクトルや偏光度などにより知ることが可能である。
アキラルなモノマーユニットからなる重合体に、光学活性なキラル配向構造を誘起させるために必要な光学活性化合物の量は、使用する光学活性化合物の種類や最終生成物の使用目的などにより異なり、一概には規定できないが、通常、アキラルなモノマーユニットからなる重合体のモノマー換算のモル数に対して、通常0.5〜50倍、好ましくは0.7〜40倍、より好ましくは0.9〜30倍が用いられる。0.5倍未満では光学活性なキラル配向構造が良好に誘起されない場合があり、50倍を超える場合には次の工程において金属アルコキシドや金属ハロゲン化物との置換が良好に行い難くなる場合がある。
本発明の製造法においては、このようにして光学活性化合物を錯体化させる事により重合体に光学活性なキラル配向構造を誘起させた後、該重合体に光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物を作用させて該重合体の錯体中から該光学活性化合物を置換除去する。
ここで用いられる光学不活性な金属アルコキシドとしては、例えば、チタン、ジルコニウム等の周期表4族の金属原子、ホウ素、アルミニウム、インジウム等の13族の金属原子、シリコン、スズ等の14族の金属原子、タングステン、鉄又はストロンチウム等の金属原子、就中、シリコン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、ホウ素、タングステン等の金属原子と少なくとも1つ以上のアルコキシド基を含む化合物であって、且つ光学不活性な金属アルコキシドが挙げられる。 これらの金属アルコキシドは、必ずしも単一の金属からなる金属アルコキシドでなくともよく、2種以上の金属を含む金属アルコキシドや2種以上の金属アルコキシドの混合物等であっても良い。
また、アルコキシ基の炭素鎖長に特に制約はないが、炭素数が4以上になると、例えばsec−ブトキシドのように不斉炭素原子を有するものがあるが、本発明では、ラセミ体を形成していて、光学不活性なものが用いられるので、このようなものは当然のことながら不適当である。また、ゾルゲル反応後形成させるアルコールの除去のし易さや反応性などから炭素数10以下、好ましくは8以下、より好ましくは6以下のアルコキシ基を有するものが用いられる。これらアルコキシ基は直鎖状構造でも、分岐状構造でも可能である。
ここで用いられる光学不活性な金属アルコキシドとしては、例えば、チタン、ジルコニウム等の周期表4族の金属原子、ホウ素、アルミニウム、インジウム等の13族の金属原子、シリコン、スズ等の14族の金属原子、タングステン、鉄又はストロンチウム等の金属原子、就中、シリコン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、ホウ素、タングステン等の金属原子と少なくとも1つ以上のアルコキシド基を含む化合物であって、且つ光学不活性な金属アルコキシドが挙げられる。 これらの金属アルコキシドは、必ずしも単一の金属からなる金属アルコキシドでなくともよく、2種以上の金属を含む金属アルコキシドや2種以上の金属アルコキシドの混合物等であっても良い。
また、アルコキシ基の炭素鎖長に特に制約はないが、炭素数が4以上になると、例えばsec−ブトキシドのように不斉炭素原子を有するものがあるが、本発明では、ラセミ体を形成していて、光学不活性なものが用いられるので、このようなものは当然のことながら不適当である。また、ゾルゲル反応後形成させるアルコールの除去のし易さや反応性などから炭素数10以下、好ましくは8以下、より好ましくは6以下のアルコキシ基を有するものが用いられる。これらアルコキシ基は直鎖状構造でも、分岐状構造でも可能である。
当該光学不活性な金属アルコキシドは、重合体に光学活性なキラル配向構造を誘起させた光学活性化合物と同じ官能基を有することが必須要件であるが、それ以外の置換基として、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、フェニル基等を有している等は任意である。
光学活性化合物と同じ官能基を有する光学不活性な金属アルコキシドの使用量は、重合体のモノマーに対して、通常、0.5〜50倍モルの範囲から選択される。
光学不活性な金属アルコキシドの好ましい具体例は、出発原料の重合体やこれと反応させた光学活性化合物の種類により自ずから異なるが、例えば、側鎖にカルボキシル基を有するアキラルなモノマーユニットからなる重合体を出発原料とし、これを光学活性アミンを用いて錯体化させた場合には、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどをあげることができる。
光学活性化合物と同じ官能基を有する光学不活性な金属アルコキシドの使用量は、重合体のモノマーに対して、通常、0.5〜50倍モルの範囲から選択される。
光学不活性な金属アルコキシドの好ましい具体例は、出発原料の重合体やこれと反応させた光学活性化合物の種類により自ずから異なるが、例えば、側鎖にカルボキシル基を有するアキラルなモノマーユニットからなる重合体を出発原料とし、これを光学活性アミンを用いて錯体化させた場合には、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどをあげることができる。
本発明の製造法において、光学活性化合物を錯体化させる事により重合体に光学活性なキラル配向構造を誘起させた後、該重合体に作用させる、光学不活性な金属ハロゲン化物としては、上記金属アルコキシドの場合と同様の金属原子1以上と少なくとも1以上のクロルやブロモなどのハロゲン原子を含む化合物であって、且つ光学的に不活性な金属ハロゲン化物が挙げられる。
上記金属アルコキシドの場合と同様の金属原子とは、例えば、チタン、ジルコニウム等の周期表4族の金属原子、ホウ素、アルミニウム、インジウム等の13族の金属原子、シリコン、スズ等の14族の金属原子、タングステン、鉄又はストロンチウム等の金属原子であり、就中、シリコン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、ホウ素、タングステン等の金属原子のことである。
光学不活性な金属ハロゲン化物のハロゲン部分としては、塩素が特に好ましい。
当該光学不活性な金属ハロゲン化物は、ハロゲン原子以外に、例えば、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、アミノ基、カルボキシル基等を有していても良い。
これら金属ハロゲン化物は単独で用いても、また、2種以上を併用しても良く、更には、上述した金属アルコキシドと併用することも可能である。
これら金属ハロゲン化物の具体例としては、例えば、四塩化チタン、塩化アルミニウム、塩化トリイソプロポキシチタン、二塩化ジエトキシチタンなどを挙げることができる。
上記金属アルコキシドの場合と同様の金属原子とは、例えば、チタン、ジルコニウム等の周期表4族の金属原子、ホウ素、アルミニウム、インジウム等の13族の金属原子、シリコン、スズ等の14族の金属原子、タングステン、鉄又はストロンチウム等の金属原子であり、就中、シリコン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、ホウ素、タングステン等の金属原子のことである。
光学不活性な金属ハロゲン化物のハロゲン部分としては、塩素が特に好ましい。
当該光学不活性な金属ハロゲン化物は、ハロゲン原子以外に、例えば、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、アミノ基、カルボキシル基等を有していても良い。
これら金属ハロゲン化物は単独で用いても、また、2種以上を併用しても良く、更には、上述した金属アルコキシドと併用することも可能である。
これら金属ハロゲン化物の具体例としては、例えば、四塩化チタン、塩化アルミニウム、塩化トリイソプロポキシチタン、二塩化ジエトキシチタンなどを挙げることができる。
光学活性化合物と同じ官能基を有する光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物の使用量は、アキラルなモノマーユニットからなる重合体に対する光学活性化合物の当量をEc、会合定数をKcとし、アキラルなモノマーユニットからなる重合体に対する、光学活性化合物と同じ官能基を有する光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物の当量をEb、会合定数をKbとした場合に、
3Ec×Kc<Eb×Kb
の関係を満たす量であることが望ましく、
5Ec×Kc<Eb×Kb
の関係を満たす量であることがより好ましい。
上記関係が成立する場合、アキラルなモノマーユニットからなる重合体と光学活性化合物との会合体に、光学活性化合物と同じ官能基を有する光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物(以下、これらを纏めて、「光学不活性な金属アルコキシド類」と略すことがある。)を添加するなどの方法で作用させることにより、目的とする会合体中で光学活性化合物と光学不活性な金属アルコキシド類との交換が良好に進行する。
なお、会合定数(Kc、Kb)は、NMR法、IR法、紫外可視スペクトル法などの公知の方法により容易に求めることが出来る。
3Ec×Kc<Eb×Kb
の関係を満たす量であることが望ましく、
5Ec×Kc<Eb×Kb
の関係を満たす量であることがより好ましい。
上記関係が成立する場合、アキラルなモノマーユニットからなる重合体と光学活性化合物との会合体に、光学活性化合物と同じ官能基を有する光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物(以下、これらを纏めて、「光学不活性な金属アルコキシド類」と略すことがある。)を添加するなどの方法で作用させることにより、目的とする会合体中で光学活性化合物と光学不活性な金属アルコキシド類との交換が良好に進行する。
なお、会合定数(Kc、Kb)は、NMR法、IR法、紫外可視スペクトル法などの公知の方法により容易に求めることが出来る。
このようして、該重合体の錯体中から該光学活性化合物を置換除去することにより、アキラルなモノマーユニットからなるが光学活性なキラル配向構造を有する重合体と、光学不活性な金属化合物とからなる、光学活性なキラル配向構造を有する本発明の有機/無機複合体が得られる。
しかしながら、上記有機/無機複合体は、そのままでは安定性に欠ける面がややあるので、より安定な形でキラル配向構造を有する有機/無機複合体を得ようとする場合は、光学活性化合物と錯体を形成させることによりキラル配向構造を誘起させた重合体に光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物を作用させた後、これに水の存在下、光学不活性な金属アルコキシド又は/及び金属ハロゲン化物(以下、これらを纏めて、「金属アルコキシド類」と略すことがある。)を反応させることにより、本発明の光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体がより安定な形で得られる。
しかしながら、上記有機/無機複合体は、そのままでは安定性に欠ける面がややあるので、より安定な形でキラル配向構造を有する有機/無機複合体を得ようとする場合は、光学活性化合物と錯体を形成させることによりキラル配向構造を誘起させた重合体に光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物を作用させた後、これに水の存在下、光学不活性な金属アルコキシド又は/及び金属ハロゲン化物(以下、これらを纏めて、「金属アルコキシド類」と略すことがある。)を反応させることにより、本発明の光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体がより安定な形で得られる。
ここで用いられる金属アルコキシド類の使用上限は、得られる有機/無機複合体の使用目的により大きく異なるが、通常50倍モル以下、好ましくは40倍モル以下、より好ましくは30倍モル以下である。
斯くして得られた光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体は、使用した金属アルコキシド類が全て金属酸化物となっている場合も、また、未反応のアルコキシド基や水酸基が混入している場合もあるが、本発明の目的が損なわれない限り、何れの場合も全て本発明の範疇にはいる。
本発明の有機/無機複合体中における重合体と金属化合物との割合は、使用する重合体や金属化合物の種類、或いは有機/無機複合体の使用目的等により異なるため一概には規定できないが、通常、金属化合物は重合体のモノマー単位のモル数の0.5倍以上、好ましくは1倍以上、より好ましくは1.5倍モル以上である。
本発明の有機/無機複合体は、優れた光学分割剤、或いは触媒担体等として合成化学の分野で広く使用し得る。
斯くして得られた光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体は、使用した金属アルコキシド類が全て金属酸化物となっている場合も、また、未反応のアルコキシド基や水酸基が混入している場合もあるが、本発明の目的が損なわれない限り、何れの場合も全て本発明の範疇にはいる。
本発明の有機/無機複合体中における重合体と金属化合物との割合は、使用する重合体や金属化合物の種類、或いは有機/無機複合体の使用目的等により異なるため一概には規定できないが、通常、金属化合物は重合体のモノマー単位のモル数の0.5倍以上、好ましくは1倍以上、より好ましくは1.5倍モル以上である。
本発明の有機/無機複合体は、優れた光学分割剤、或いは触媒担体等として合成化学の分野で広く使用し得る。
より安定な形で得られた本発明の光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体から有機成分を除去する事により、光学活性なキラル配向構造を有する重合体が有する分子レベルのキラルな情報が効率的に転写された無機構造体が容易に得られる。
得られる無機構造体もまた、優れた光学分割剤、或いは触媒担体等として合成化学の分野で広く使用し得る。
有機/無機複合体から有機成分を除去する方法は、公知の方法により行うことが可能であり、例えば、高温で焼成、或いは昇華させる方法、有機溶媒や酸或いはアルカリ溶液などを用いて分解或いは溶解抽出する方法、更には、紫外線などの活性光線により分解除去する方法などを挙げることができる。
これらの方法はそれぞれ単独で用いても良いが、複数の方法を組み合わせて行うことも可能である。
得られる無機構造体もまた、優れた光学分割剤、或いは触媒担体等として合成化学の分野で広く使用し得る。
有機/無機複合体から有機成分を除去する方法は、公知の方法により行うことが可能であり、例えば、高温で焼成、或いは昇華させる方法、有機溶媒や酸或いはアルカリ溶液などを用いて分解或いは溶解抽出する方法、更には、紫外線などの活性光線により分解除去する方法などを挙げることができる。
これらの方法はそれぞれ単独で用いても良いが、複数の方法を組み合わせて行うことも可能である。
有機/無機複合体から有機成分を除去する場合、有機成分を完全に除去しても良いが、光学分割剤、或いは触媒担体として利用する場合、部分的に残すこともまた好ましい。
そのような方法としては、例えば、焼成温度を制御したり、溶液を選択することにより、有機成分を一部残存させる方法などが挙げられる。
また、酸素或いはアンモニアなどの雰囲気下で紫外線などの活性光線或いはプラズマを照射することにより、複合体中に含まれる有機成分を除去すると同時に、水酸基やアミノ基などを無機構造体の表面に付着させる方法なども挙げることができる。
上記の有機成分除去などを行うに際して、金属化合物の反応性等を向上させる目的で、光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体に熱処理、紫外線などの活性光線照射、或いは、超音波照射などの処理を施すことも好ましい態様の一つである。これらの処理は、通常、キラルな配向構造を有する重合体がキラルな配向構造を失わない条件下で行われる。
そのような方法としては、例えば、焼成温度を制御したり、溶液を選択することにより、有機成分を一部残存させる方法などが挙げられる。
また、酸素或いはアンモニアなどの雰囲気下で紫外線などの活性光線或いはプラズマを照射することにより、複合体中に含まれる有機成分を除去すると同時に、水酸基やアミノ基などを無機構造体の表面に付着させる方法なども挙げることができる。
上記の有機成分除去などを行うに際して、金属化合物の反応性等を向上させる目的で、光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体に熱処理、紫外線などの活性光線照射、或いは、超音波照射などの処理を施すことも好ましい態様の一つである。これらの処理は、通常、キラルな配向構造を有する重合体がキラルな配向構造を失わない条件下で行われる。
一方、また、有機成分を除去したあと、アミンや有機酸、水酸化物などを無機構造体の表面に付着、或いは塗布することも光学分割剤、或いは触媒担体としての性能を向上させる上で好ましい。アミンや有機酸などを無機構造体の表面に付着、或いは塗布する方法としては、例えば、アミンや有機酸などを含む希薄溶液に無機構造体を浸漬させて、無機構造体の表面にこれらの有機物をコートする方法等が挙げられる。
以下、参考例、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら参考例、実施例により何ら限定されるものではない。
合成例1 (4−カルボキシフェニル)アセチレン(モノマー1)の合成
(4−カルボキシフェニル)アセチレンを文献(ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイアティ,119巻,27号,6345頁,1997年)に基づき合成した。 エチル4−ヨードベンゾエート(25g、0.091モル)、ビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0.25g)、トリフェニルホスフィン(0.4g)及びヨウ化銅(I)(0.4g)を300mLのトリエチルアミンに溶解し、これに室温撹拌下で(トリメチルシリル)アセチレン(20mL、0.15モル)をゆっくりと滴下した後、室温、窒素下で15時間撹拌、反応させた。反応後、溶媒を減圧除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン)で分離精製し、(4−(トリメチルシリル)エチニル)ベンゾエートを得た。次いで、分離精製物を60mLのエタノールに溶解させ、0℃、撹拌下で1Nの水酸化ナトリウム溶液90mLをゆっくりと添加した。0℃で2時間撹拌後、室温で更に14時間撹拌した。反応後、反応液にエーテル150mLを加えて撹拌した後、静置してエーテル層と水層に分離させ、エーテル相を除去して、水層を得た。得られた水層に1N塩酸溶液約100mLを徐々に加えると、不溶物が析出した。ここにエーテル500mLを添加し、よく振盪すると析出物はエーテルに溶解した。エーテル層を取り出し、硫酸マグネシウム10gを加え、1晩静置した。硫酸マグネシウムを濾去した後、濾液を減圧濃縮して得られた粉末をエタノールで再結晶化してモノマー1を得た。
(4−カルボキシフェニル)アセチレンを文献(ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイアティ,119巻,27号,6345頁,1997年)に基づき合成した。 エチル4−ヨードベンゾエート(25g、0.091モル)、ビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0.25g)、トリフェニルホスフィン(0.4g)及びヨウ化銅(I)(0.4g)を300mLのトリエチルアミンに溶解し、これに室温撹拌下で(トリメチルシリル)アセチレン(20mL、0.15モル)をゆっくりと滴下した後、室温、窒素下で15時間撹拌、反応させた。反応後、溶媒を減圧除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン)で分離精製し、(4−(トリメチルシリル)エチニル)ベンゾエートを得た。次いで、分離精製物を60mLのエタノールに溶解させ、0℃、撹拌下で1Nの水酸化ナトリウム溶液90mLをゆっくりと添加した。0℃で2時間撹拌後、室温で更に14時間撹拌した。反応後、反応液にエーテル150mLを加えて撹拌した後、静置してエーテル層と水層に分離させ、エーテル相を除去して、水層を得た。得られた水層に1N塩酸溶液約100mLを徐々に加えると、不溶物が析出した。ここにエーテル500mLを添加し、よく振盪すると析出物はエーテルに溶解した。エーテル層を取り出し、硫酸マグネシウム10gを加え、1晩静置した。硫酸マグネシウムを濾去した後、濾液を減圧濃縮して得られた粉末をエタノールで再結晶化してモノマー1を得た。
合成例2 ポリ(4−カルボキシフェニル)アセチレン(ポリマー1)の合成
文献(マクロモルキュール,33巻,4616頁,2000年)に記載の方法により、ポリ(4−カルボキシフェニル)アセチレンを合成した。
モノマー1(1g)を1N水酸化ナトリウム溶液10mLに溶解した。ビス(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム テトラフルオロボロネート(14mg、アルドリッチ製)を蒸留水1.4mLに溶解し、モノマー1の水溶液に添加して、窒素雰囲気下、30℃で3時間撹拌、反応させた。反応後、反応液を蒸留水で希釈し、過剰量のエタノール中にゆっくりと滴下して、沈殿物を得た。沈殿物を濾取し、100mLの蒸留水に溶解させた。この溶液に1N塩酸水溶液をpH1程度となるまで滴下して、沈殿物を得た。沈殿物を濾取して、pH6程度となるまで水洗した。水洗後、沈殿物を真空乾燥させて、モノマーユニットにキラルな分子構造を有さないポリ(4−カルボキシフェニル)アセチレン(ポリマー1)を得た。得られたポリマー1の数平均分子量は約7万であった。尚、分子量はカルボキシル基部分をエチル基に置換したものについて測定した。
文献(マクロモルキュール,33巻,4616頁,2000年)に記載の方法により、ポリ(4−カルボキシフェニル)アセチレンを合成した。
モノマー1(1g)を1N水酸化ナトリウム溶液10mLに溶解した。ビス(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム テトラフルオロボロネート(14mg、アルドリッチ製)を蒸留水1.4mLに溶解し、モノマー1の水溶液に添加して、窒素雰囲気下、30℃で3時間撹拌、反応させた。反応後、反応液を蒸留水で希釈し、過剰量のエタノール中にゆっくりと滴下して、沈殿物を得た。沈殿物を濾取し、100mLの蒸留水に溶解させた。この溶液に1N塩酸水溶液をpH1程度となるまで滴下して、沈殿物を得た。沈殿物を濾取して、pH6程度となるまで水洗した。水洗後、沈殿物を真空乾燥させて、モノマーユニットにキラルな分子構造を有さないポリ(4−カルボキシフェニル)アセチレン(ポリマー1)を得た。得られたポリマー1の数平均分子量は約7万であった。尚、分子量はカルボキシル基部分をエチル基に置換したものについて測定した。
30mgのポリマー1を5mLのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した。別に0.05mLの(R)ナフチルエチルアミン(R−nap)を5mLのジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、これを上記ポリマー1の溶液と混合した。なお、R−napのモル数とポリマー1のモノマー換算のモル数の比は3:2とした。
円二色性スペクトル(CD)を測定したところ、波長300〜500nmにかけてポリマー1の主鎖由来の分裂型CDスペクトルが観察された。375nm付近にθ=−2万(deg・cm2/dmol)(ε=3000(1/M・cm))の負のピーク、330nm付近にθ=2.2万(deg・cm2/dmol)(ε=4200(1/M・cm))の正のピークが認められた。
ポリマー1単体、及びR−nap単体では同波長領域にCDは観察されなかった。
このことから、アキラルな分子構造を持つポリマー1にキラルな配向構造が誘起されたことが確認された。赤外吸収スペクトル(FT−IR)を測定したところ、ポリマー1中のカルボン酸からの1702cm−1のバンド強度が混合後に大きく低下すると共に、1587cm−1にカルボキシレートに由来するバンドが発現したことから、ポリマー1とR−napは錯体化していることが確認された。
0.1mLの3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APMS)を0.9mLのDMFに溶解し、このポリマー1溶液に添加した。CDスペクトルを測定したところ、添加前とほぼ同一のスペクトルが得られた。ポリマー1とR−nap、ポリマー1とAPMSとの会合常数はそれぞれ40と2200であり、50倍以上の差があった。APMS添加後のポリマー1溶液を過剰量のエーテルに添加して、ポリマー1の錯体の沈殿物を得た。NMR測定により、沈殿物中に存在するR−napを調べたところ、APMS添加後の沈殿物にはR−napは全く観察されなかった。このことから、ポリマー1の錯体中でR−napとAPMSが置換していることが確認された。
この溶液にテトラエトキシオルソシラン(TEOS)0.5mLと水0.1mLを添加した。添加後、このゾル溶液をガラス板に塗布し、3日間シャーレ内で保持した後、空気気流下、室温でゆっくりと乾燥させた。
ゾル溶液は塗布後、30分ほどでゲル状に固まった。これによりTEOSのゾル−ゲル反応が進行しているのが確認された。乾燥後、TEOSのゾル−ゲル反応を更に進行させるために、80℃で2時間熱処理を行った。約0.05mm厚のポリマー1とシリカガラスの複合体の塗膜が得られた。塗膜のCDスペクトルを測定したところ、最初に誘起されたCDと殆ど同じ形状と強度のCDスペクトルが得られた。円偏光二色性比(G値)のスペクトルのピークでの強度は約2×10−3であった。これらのことから、ポリマー1はシリカガラス内でキラルな配向構造を保持していることが確認された。
なお、CD測定は、日本分光株式会社製のCDスペクトルメーター J−820を用い、0.1mの石英セルを使用した。FT−IR測定は、日本分光株式会社製のFT−IRスペクトロメーター FT−IR−680を使用した。また、会合常数はFT−IR測定によるポリマー1のカルボン酸からの1702cm−1のバンド強度の変化より求めた。セルとしては0.1mmのCaF2のセルを使用した。NMRはバリアン株式会社製のユニティ・イノバ500Sを使用した。沈殿物は水酸化ナトリウムの重水溶液に溶解してNMR測定を行った。
図1に実施例1の反応を図式化して示す。
円二色性スペクトル(CD)を測定したところ、波長300〜500nmにかけてポリマー1の主鎖由来の分裂型CDスペクトルが観察された。375nm付近にθ=−2万(deg・cm2/dmol)(ε=3000(1/M・cm))の負のピーク、330nm付近にθ=2.2万(deg・cm2/dmol)(ε=4200(1/M・cm))の正のピークが認められた。
ポリマー1単体、及びR−nap単体では同波長領域にCDは観察されなかった。
このことから、アキラルな分子構造を持つポリマー1にキラルな配向構造が誘起されたことが確認された。赤外吸収スペクトル(FT−IR)を測定したところ、ポリマー1中のカルボン酸からの1702cm−1のバンド強度が混合後に大きく低下すると共に、1587cm−1にカルボキシレートに由来するバンドが発現したことから、ポリマー1とR−napは錯体化していることが確認された。
0.1mLの3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APMS)を0.9mLのDMFに溶解し、このポリマー1溶液に添加した。CDスペクトルを測定したところ、添加前とほぼ同一のスペクトルが得られた。ポリマー1とR−nap、ポリマー1とAPMSとの会合常数はそれぞれ40と2200であり、50倍以上の差があった。APMS添加後のポリマー1溶液を過剰量のエーテルに添加して、ポリマー1の錯体の沈殿物を得た。NMR測定により、沈殿物中に存在するR−napを調べたところ、APMS添加後の沈殿物にはR−napは全く観察されなかった。このことから、ポリマー1の錯体中でR−napとAPMSが置換していることが確認された。
この溶液にテトラエトキシオルソシラン(TEOS)0.5mLと水0.1mLを添加した。添加後、このゾル溶液をガラス板に塗布し、3日間シャーレ内で保持した後、空気気流下、室温でゆっくりと乾燥させた。
ゾル溶液は塗布後、30分ほどでゲル状に固まった。これによりTEOSのゾル−ゲル反応が進行しているのが確認された。乾燥後、TEOSのゾル−ゲル反応を更に進行させるために、80℃で2時間熱処理を行った。約0.05mm厚のポリマー1とシリカガラスの複合体の塗膜が得られた。塗膜のCDスペクトルを測定したところ、最初に誘起されたCDと殆ど同じ形状と強度のCDスペクトルが得られた。円偏光二色性比(G値)のスペクトルのピークでの強度は約2×10−3であった。これらのことから、ポリマー1はシリカガラス内でキラルな配向構造を保持していることが確認された。
なお、CD測定は、日本分光株式会社製のCDスペクトルメーター J−820を用い、0.1mの石英セルを使用した。FT−IR測定は、日本分光株式会社製のFT−IRスペクトロメーター FT−IR−680を使用した。また、会合常数はFT−IR測定によるポリマー1のカルボン酸からの1702cm−1のバンド強度の変化より求めた。セルとしては0.1mmのCaF2のセルを使用した。NMRはバリアン株式会社製のユニティ・イノバ500Sを使用した。沈殿物は水酸化ナトリウムの重水溶液に溶解してNMR測定を行った。
図1に実施例1の反応を図式化して示す。
TEOSの代わりにテトライソプロポキシチタネート(TPT)を用いた以外は、実施例1と全く同様にして約0.05mm厚のポリマー1とチタニアガラスの複合体の塗膜を得た。得られた塗膜では最初に誘起されたCDと殆ど同じ形状と強度のCDスペクトルが得られ、円偏光二色性比(G値)のスペクトルのピークでの強度は約2×10−3であった。 ポリマー1はチタニアガラス内で光学活性なキラル配向構造を保持していることが確認された。
R−napの代わりに、R−napとは反対のキラリティを有する(S)−ナフチルエチルアミン(S−nap)を用いて、実施例1と同じ検討を行った。S−napとポリマー1との会合常数は2200であり、R−napの場合と同じであった。S−napの溶液を添加後、実施例1とは符号が全く反転したCDスペクトルが得られ、実施例1と反対のキラリティを持つらせん構造が誘起された。APES添加後の再沈物中にはS−napは全く認められず、ほぼ完全にポリマー1とAPMSとの錯体となっていた。APMSに置換後の溶液のCDスペクトルは、形状と強度は共にAPMS添加前と同じであった。更に、最終的に得られた塗膜ではAPMS添加後に得られたCDと殆ど同じ形状と強度のCDスペクトルが得られ、円偏光二色性比(G値)のスペクトルのピークでの強度は約2×10−3であった。ポリマー1はシリカガラス内で実施例1とは全く反対のキラルな配向構造を保持していることが確認された。S−napとR−napは汎用の市販品であり、左右らせんの向きが反転したキラルな配向構造が容易に得られることが確認された。CDスペクトルの符号が全く反転していることから、らせんピッチなどのらせん向き以外の状態は殆ど同じであると推測される。
APMSの代わりに、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APES)を用いて、実施例1と同じ検討を行った。APESの会合常数は1200であり、R−napの30倍であった。APES添加後の再沈物中にはR−napは全く見られず、ほぼ完全にポリマー1とAPESとの錯体となっていた。ところがAPESに置換後の溶液のCDスペクトルは、形状はAPES添加前と同じであったが、強度はおよそ半分となっていた。APMSを用いた場合と異なるキラルな配向構造を有すると推測される。更に、最終的に得られた塗膜ではAPES添加後に得られたCDと殆ど同じ形状と強度のCDスペクトルが得られ、円偏光二色性比(G値)のスペクトルのピークでの強度は約1×10−3であった。 ポリマー1はシリカガラス内でキラルな配向構造を保持していることが確認できた。
実施例1で得られた光学活性なキラル配向構造を有する有機無機複合体を700℃で焼成し、シリカガラスを得た。得られたシリカガラスをカラムに詰め、1−フェニルエチルアミンのラセミ体のテトラヒドロフラン溶液をカラムに通したところ、(R)体と(S)体の量比に偏りが見られた。
本発明の光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体、並びに、該有機/無機複合体から有機成分を除去した無機構造体は、優れた光学分割剤、或いは触媒担体等として有効に利用することが出来る。
Claims (23)
- アキラルなモノマーユニットからなるが光学活性なキラル配向構造を有する重合体と、光学不活性な金属化合物とからなる、光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体。
- アキラルなモノマーユニットが、側鎖に官能基を有するモノマーユニットである、請求項1に記載の有機/無機複合体。
- 官能基がアミノ基、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基及びリン酸基からなる群より選ばれる1種以上である、請求項2に記載の有機/無機複合体。
- 光学不活性な金属化合物の金属が、周期表4族の金属、13族の金属、14族の金属、タングステン、鉄又はストロンチウムである、請求項1〜3の何れかに記載の有機/無機複合体。
- 光学不活性な金属化合物の金属が、チタン、ジルコニウム、ボロン、アルミニウム、インジウム、シリコン、スズ、タングステン、鉄又はストロンチウムである請求項1〜3の何れかに記載の有機/無機複合体。
- 光学不活性な金属化合物が金属酸化物である、請求項1〜5の何れかに記載の有機/無機複合体。
- 円偏光二色性比(G値)の最大強度が5×10−5を超えるキラリティを有する、請求項1〜6の何れかに記載の有機/無機複合体。
- 側鎖に官能基を有する、アキラルなモノマーユニットからなる重合体に、該官能基と容易に反応し得る官能基を有する光学活性化合物を錯体化させる事により、該重合体に光学活性なキラル配向構造を誘起させた後、該重合体に光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物を作用させ、然る後、これに水の存在下、光学不活性な金属アルコキシド又は/及び金属ハロゲン化物を反応させることにより得られる、請求項1〜7の何れかに記載の有機/無機複合体。
- 側鎖に官能基を有する、アキラルなモノマーユニットからなる重合体が、側鎖にアミノ基、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基及びリン酸基からなる群より選ばれる1種以上を有するアキラルなモノマーユニットからなる重合体であり、該官能基と容易に反応し得る官能基を有する光学活性化合物が、光学活性なカルボン酸、スルホン酸、リン酸、アミン又はアルコールである、請求項8に記載の有機/無機複合体。
- 光学活性化合物と同じ官能基を有する光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物の使用量が、
3Ec×Kc<Eb×Kb
(但し、Ec及びKcは、それぞれアキラルなモノマーユニットからなる重合体に対する、光学活性化合物の当量及び会合定数を表し、Eb及びKbは、それぞれアキラルなモノマーユニットからなる重合体に対する、光学活性化合物と同じ官能基を有する光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物の当量及び会合定数を表す。)の関係を満たすものである、請求項8又は9に記載の有機/無機複合体。 - 側鎖に官能基を有する、アキラルなモノマーユニットからなる重合体に、該官能基と容易に反応し得る官能基を有する光学活性化合物を錯体化させる事により、該重合体に光学活性なキラル配向構造を誘起させた後、該重合体に光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物を作用させて、該重合体の錯体中から該光学活性化合物を置換除去して得られる、請求項1〜7の何れかに記載の有機/無機複合体。
- 側鎖に官能基を有する、アキラルなモノマーユニットからなる重合体が、側鎖にアミノ基、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基及びリン酸基からなる群より選ばれる1種以上を有するアキラルなモノマーユニットからなる重合体であり、該官能基と容易に反応し得る官能基を有する光学活性化合物が、光学活性なカルボン酸、スルホン酸、リン酸、アミン又はアルコールである、請求項11に記載の有機/無機複合体。
- 光学活性化合物と同じ官能基を有する光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物の使用量が、
3Ec×Kc<Eb×Kb
(但し、Ec及びKcは、それぞれアキラルなモノマーユニットからなる重合体に対する、光学活性化合物の当量及び会合定数を表し、Eb及びKbは、それぞれアキラルなモノマーユニットからなる重合体に対する、光学活性化合物と同じ官能基を有する光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物の当量及び会合定数を表す。)の関係を満たすものである、請求項11又は12に記載の有機/無機複合体。 - 側鎖に官能基を有する、アキラルなモノマーユニットからなる重合体に、該官能基と容易に反応し得る官能基を有する光学活性化合物を錯体化させる事により、該重合体に光学活性なキラル配向構造を誘起させた後、該重合体に光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物を作用させ、然る後、これに水の存在下、光学不活性な金属アルコキシド又は/及び金属ハロゲン化物を反応させることを特徴とする、請求項1〜7の何れかに記載の有機/無機複合体の製造法。
- 光学活性化合物と同じ官能基を有する光学不活性な金属アルコキシド又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物の使用量が、
3Ec×Kc<Eb×Kb
(但し、Ec及びKcは、それぞれアキラルなモノマーユニットからなる重合体に対する、光学活性化合物の当量及び会合定数を表し、Eb及びKbは、それぞれアキラルなモノマーユニットからなる重合体に対する、光学活性化合物と同じ官能基を有する光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物の当量及び会合定数を表す。)の関係を満たすものである、請求項14に記載の製造法。 - 側鎖に官能基を有する、アキラルなモノマーユニットからなる重合体に、該官能基と容易に反応し得る官能基を有する光学活性化合物を錯体化させる事により、該重合体に光学活性なキラル配向構造を誘起させた後、該重合体に光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物を作用させて、該重合体の錯体中から該光学活性化合物を置換除去することを特徴とする、請求項1〜7の何れかに記載の有機/無機複合体の製造法。
- 光学活性化合物と同じ官能基を有する光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物の使用量が、
3Ec×Kc<Eb×Kb
(但し、Ec及びKcは、それぞれアキラルなモノマーユニットからなる重合体に対する、光学活性化合物の当量及び会合定数を表し、Eb及びKbは、それぞれアキラルなモノマーユニットからなる重合体に対する、光学活性化合物と同じ官能基を有する光学不活性な金属アルコキシド、又は/及び光学不活性な金属ハロゲン化物の当量及び会合定数を表す。)の関係を満たすものである、請求項16に記載の製造法。 - 請求項1〜10の何れかに記載の光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体から、有機成分を除去することにより得られる無機構造体。
- 光学活性なキラル配向構造を有する有機/無機複合体を焼成することにより得られる請求項18に記載の無機構造体。
- 請求項1〜10の何れかに記載の有機/無機複合体を含んでなる光学分割剤。
- 請求項1〜10の何れかに記載の有機/無機複合体を含んでなる触媒担体。
- 請求項18又は19に記載の無機構造体を含んでなる光学分割剤。
- 請求項18又は19に記載の無機構造体を含んでなる触媒担体。
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