JP2005239001A - マスタシリンダ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ストロークシュミレータを含めてマスタシリンダ装置を小型化し、車両に搭載するときの組付け性、作業性等を向上できるようにする。
【解決手段】 シリンダ2の液圧室8Aとストロークシュミレータ22の蓄圧室24との間に液圧制御弁31を設ける。この液圧制御弁31は、ブレーキペダル7の踏込み操作によって液圧室8A内の液圧が設定圧力に達すると、弁ケース32内で段付ピストン37が摺動変位する。これにより、液圧室8Aからストロークシュミレータ22の蓄圧室24に供給する液圧が制限され、このときに液圧制御弁31は、ストロークシュミレータ22と一緒にブレーキ反力を発生する。そして、このときのブレーキ反力によって車両の運転者に十分な踏み応えを与えると共に、ストロークシュミレータ22に過大な液圧が作用するのも抑える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば車両のブレーキバイワイヤ方式のブレーキシステムに好適に用いられるマスタシリンダ装置に関する。
一般に、4輪自動車等の車両には種々のブレーキシステムが搭載されている。そして、ブレーキペダルの操作量(ストローク、踏力等)を検出し、その操作量に応じたブレーキ液圧を、例えば液圧ポンプ等の液圧源から車輪側のホイールシリンダに向けて供給する構成としたブレーキバイワイヤ方式のブレーキシステム(以下、BBWシステムという)が搭載されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の従来技術によるBBWシステムでは、システムの失陥時等に備えて、例えばフェイルセーフ用となるマスタシリンダが設けられ、このマスタシリンダは、ブレーキペダルの踏込み操作時に外部の液圧源に替えて前記ホイールシリンダにブレーキ液圧を供給するように作動するものである。
そして、マスタシリンダとホイールシリンダとの間にはフェイルセーフ弁が設けられ、システムの正常動作時には、このフェイルセーフ弁によってマスタシリンダとホイールシリンダとの間を遮断し、液圧源の失陥等のBBWシステムの失陥時には、フェイルセーフ弁を開弁させることによりマスタシリンダからホイールシリンダへの液圧供給を可能にする構成としている。
また、このようなマスタシリンダには、システムの正常動作時にフェイルセーフ弁によってマスタシリンダとホイールシリンダとの間が遮断されるため、ブレーキ操作に伴ってマスタシリンダの液圧室に発生する液圧を蓄圧するようにしたストロークシュミレータが設けられる。
そして、このストロークシミュレータは、前記液圧室内に発生する液圧を蓄圧すると共に、ブレーキペダルに対してブレーキ反力を伝えることにより、システムの正常動作におけるペダル反力を車両の運転者に与え、ブレーキの効き、所謂踏み応えを生じさせるものである。
特開平11−334577号公報
ところで、上述した従来技術では、ストロークシュミレータ内に大きなバネ定数を有するものと小さなバネ定数を有するものとの2種類のばねが収容され、ストロークシュミレータが大型化するという問題がある。即ち、ブレーキペダルの操作感は、ペダルの踏み初めが軽く、ブレーキペダルを踏み込むに従って徐々に重くなり、ある程度踏み込んだ段階でいきなり重さを感じるような踏み応えを与えることが望ましいものである。
そして、従来技術では、このようなブレーキペダルの操作感を与えるため、ストロークシュミレータ内に2種類のばねを収容しており、これによってストロークシュミレータが大型化し、ストロークシュミレータを含めたマスタシリンダ装置全体をコンパクトに形成することが難しく、車両への搭載性が悪くなるという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、ストロークシュミレータを含めて全体を小型化し、コンパクトに形成することができると共に、車両への搭載性を向上できるようにしたマスタシリンダ装置を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明は、有底筒状のシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に設けられブレーキ操作に応じて該シリンダ内を軸方向に変位するピストンと、該ピストンによりシリンダ内に画成され車輪側のホイールシリンダにフェイルセーフ弁を介して接続される液圧室と、該液圧室とホイールシリンダとの間を前記フェイルセーフ弁により遮断しているときに、前記ブレーキ操作によって該液圧室内に発生する液圧を蓄圧しブレーキ反力を生じさせるストロークシュミレータとを備えたマスタシリンダ装置に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記液圧室とストロークシュミレータとの間には、前記ブレーキ操作によって前記液圧室内の液圧が予め決められた設定圧力に達したときに前記液圧室からストロークシュミレータに供給する液圧を制限する液圧制御弁を設ける構成としたことにある。
また、請求項2の発明は、前記液圧室とストロークシュミレータとの間には、常時は両者の間を連通し前記フェイルセーフ弁により液圧室が前記ホイールシリンダに連通されたときに前記液圧室とストロークシュミレータとの間を遮断する切換弁を設け、前記液圧制御弁は、該切換弁と前記ストロークシュミレータとの間に配置する構成としている。
さらに、請求項3の発明によると、前記液圧制御弁は、前記ホイールシリンダに液圧を供給する液圧源に接続され該液圧源の圧力に対応して前記設定圧力を変化させる設定圧力可変手段を有する構成としている。
上述の如く、請求項1に記載の発明によれば、シリンダ内の液圧室とストロークシュミレータとの間に設けた液圧制御弁は、例えばブレーキペダルの踏込み操作によって前記液圧室内の液圧が予め決められた設定圧力に達するまでは、この液圧室からストロークシュミレータに液圧を制限することなく供給する。このため、ストロークシュミレータは、このときの液圧に対応したブレーキ反力を発生する。そして、ストロークシュミレータ内に収容する弾性体(ばね)を、例えばバネ定数が小さい弾性体とすることにより、前記ブレーキ反力を小さく抑えることができ、車両の運転者に比較的軽い踏み応えを与えることができる。
また、前記液圧室内に発生する液圧が予め決められた設定圧力に達したときには、液圧室からストロークシュミレータに供給する液圧を液圧制御弁で制限する。このため、このときには液圧制御弁がストロークシュミレータと一緒にブレーキ反力を発生でき、このときのブレーキ反力によって車両の運転者に十分な踏み応えを与えることができると共に、ストロークシュミレータに過大な液圧が作用するのも抑えることができる。従って、ストロークシュミレータ内にはバネ定数が小さい弾性体(例えば、単一のばね)を収容するだけで、ブレーキ操作時に良好なペダルフィーリング(踏み応え)を確保することができ、これにより、ストロークシュミレータを小型化してコンパクトに形成できると共に、マスタシリンダ装置を車両に搭載する上での作業性や組付け性を向上することができる。
また、請求項2に記載の発明は、液圧室と液圧制御弁(ストロークシュミレータ)との間に切換弁を設けているので、この切換弁によって液圧室と液圧制御弁との間を常時は連通させ、例えば液圧源の失陥時等にフェイルセーフ弁が開弁してシリンダの液圧室からホイールシリンダに液圧を供給するときには、前記液圧室と液圧制御弁(ストロークシュミレータ)との間を切換弁により遮断することができる。
さらに、請求項3に記載の発明は、設定圧力可変手段を液圧制御弁に設けているので、液圧制御弁による設定圧力を液圧源の圧力に対応して変更することができる。そして、液圧源の失陥時には液圧制御弁による設定圧力を低い圧力に設定することにより、液圧室からストロークシュミレータに供給する液圧を低い設定圧力で早期に制限することができ、シリンダの液圧室からホイールシリンダに向けて液圧を効率的に供給することができる。
以下、本発明の実施の形態によるマスタシリンダ装置を、車両のBBWシステム(ブレーキバイワイヤ方式のブレーキシステム)に適用した場合を例に挙げ、添付図面の図1〜図13に従って詳細に説明する。
ここで、図1ないし図6は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は本実施の形態によるマスタシリンダ装置で、このマスタシリンダ装置1は、図1、図2に示す如く後述のシリンダ2、第1,第2のピストン4,5、第1,第2の液圧室8A,8B、チルトバルブ21、ストロークシュミレータ22および液圧制御弁31等により構成されている。
2はマスタシリンダ装置1の主要部を構成するシリンダで、該シリンダ2は、図2に示すように所謂タンデム型マスタシリンダを構成し、その内部は有底円筒状のシリンダ孔2Aとなっている。また、シリンダ2には、シリンダ孔2Aの軸方向に離間して第1,第2のボス部2B,2Cが設けられ、これらのボス部2B,2Cは、第1,第2のサプライポート2D,2Eを介してシリンダ孔2A内と連通している。
3は内部にブレーキ液が収容された作動液タンクとしてのリザーバで、該リザーバ3は、図1に示すように管路3A,3Bを介してシリンダ2のボス部2B,2Cに接続され、後述の補給室10A,10B内に向けてブレーキ液を補給するものである。また、リザーバ3には、後述の液圧ポンプ47A,47Bに向けてブレーキ液を供給する他の管路3Cが設けられている。
4はシリンダ2のシリンダ孔2A内に摺動可能に設けられたピストンとしてのプライマリピストン(以下、第1のピストン4という)、5は第1のピストン4よりもシリンダ2の奥所側に位置してシリンダ孔2A内に摺動可能に設けられた他のピストンとしてのセカンダリピストン(以下、第2のピストン5という)を示している。そして、第1,第2のピストン4,5は、シリンダ孔2Aの軸方向に互いに離間して配置され、両者の間には後述の戻しばね18Aが配設されている。
ここで、第1のピストン4は、図2に示す如くシリンダ孔2A内に摺動可能に挿嵌されたピストン部4Aと、該ピストン部4Aよりも小径に形成されシリンダ2の開口端側から外部に突出した軸部4Bとにより構成され、ピストン部4Aと軸部4Bとの間には、後述のピン14が隙間をもって挿通される径方向孔4Cが穿設されている。そして、第1のピストン4の軸部4Bは、シリンダ2の開口端側にピストンガイド6等を介して液密状態で取付けられている。
また、第2のピストン5にも、後述のピン16が隙間をもって挿通される長円形状の径方向孔5Aが穿設され、この径方向孔5Aは後述の補給室10Bと常時連通している。なお、第1のピストン4の径方向孔4Cは、後述の補給室10Aと常時連通しているものである。
7は車両のブレーキ操作時に運転者等が踏込み操作するブレーキペダルで、該ブレーキペダル7は、第1のピストン4の軸部4Bをシリンダ孔2A内に軸方向へと押込むように踏込み操作されるものである。そして、ブレーキペダル7には、後述のブレーキ反力(ペダル反力)が第1のピストン4を通じて伝達されるものである。
8A,8Bはシリンダ孔2A内にピストン4,5により画成された第1,第2の液圧室で、該液圧室8A,8B内には、シリンダ孔2A内でピストン4,5が軸方向に変位するに応じて液圧が発生するものである。そして、これらの液圧室8A,8Bには、シリンダ2に設けた第1,第2の配管ポート9A,9Bを介して後述のブレーキ配管44A,44Bが接続されるものである。
10A,10Bはピストン4,5の外周側に位置してシリンダ孔2A内に画成された第1,第2の補給室で、該補給室10A,10Bは、シリンダ2のボス部2B,2Cにサプライポート2D,2Eを介して常時連通し、リザーバ3からブレーキ液が補給される。また、これらの補給室10A,10Bは、ピストン4,5の径方向孔4C,5Aと常時連通し、後述のセンタバルブ11A,11Bにより液圧室8A,8Bに対して連通,遮断されるものである。
11A,11Bはピストン4,5に設けられた第1,第2のセンタバルブで、これらのセンタバルブ11A,11Bは、シリンダ孔2A内でピストン4,5が軸方向(図2中の矢示A,B方向)に変位するのに応じて液圧室8A,8Bを補給室10A,10Bに対し連通,遮断するものである。
ここで、第1のセンタバルブ11Aは、図2に示す初期位置でピストンガイド6に固定されたストッパプレート12、該プレート12に対して離接するように軸部4Bの外周側に摺動可能に挿嵌されたストッパ環13および径方向孔4C内に挿入したピン14を介して開弁方向に押圧される。このとき、後述のリテーナ19Aとセンタバルブ11Aとの間に配設した弁ばね15は、弾性的に圧縮変形されてセンタバルブ11Aの開弁を許すことになる。
また、ブレーキペダル7の踏込み操作によりピストン4が図2中の矢示A方向に押動されると、ストッパプレート12に対するストッパ環13の当接が解除され、ストッパ環13はピン14と共に矢示B方向に相対移動可能となる。このためにセンタバルブ11Aは、弁ばね15によって矢示B方向に押動され、液圧室8Aを補給室10Aに対して遮断するものである。
一方、第2のセンタバルブ11Bは、図2に示す初期位置でピストン5の径方向孔5A内に挿入され両端がシリンダ2に固定されたピン16を介して開弁方向に押圧される。このとき、後述のリテーナ19Bとセンタバルブ11Bとの間に配設した弁ばね17は、弾性的に圧縮変形されてセンタバルブ11Bの開弁を許すことになる。
また、ブレーキペダル7の踏込み操作によりピストン4,5が共に図2中の矢示A方向に押動されると、シリンダ2に固定されたピン16に対してピストン5が相対移動するために、センタバルブ11Bは、弁ばね17によって矢示B方向に押動され、このときには液圧室8Bを補給室10Bに対して遮断するものである。
18Aはリテーナ19Aを介して第1のピストン4と第2のピストン5との間に配設された第1の戻しばね、18Bはリテーナ19Bを介して第2のピストン5とシリンダ2の底部との間に配設された第2の戻しばねを示している。そして、これらの戻しばね18A,18Bは、ピストン4,5を図2中の矢示B方向に常時付勢し、ブレーキペダル7の踏込み操作を解除したときにピストン4,5を図1、図2に示す初期位置に戻すものである。
20はシリンダ2の長さ方向中間部に設けられた通液路、21は該通液路20を介してシリンダ2に設けられた切換弁としてのチルトバルブで、該チルトバルブ21は、図2に示すように第2のピストン5が初期位置にあるときに、該ピストン5の端面に当接して傾いた状態(開弁状態)に保持され、シリンダ2内の液圧室8Aを通液路20を介して後述の液圧制御弁31(ストロークシュミレータ22)に連通させる。
そして、第2のピストン5が戻しばね18Bに抗して図2中の矢示A方向に押動されると、チルトバルブ21は、ピストン5に対する当接が解除されて傾いた状態から正立状態(閉弁状態)に切換わり、通液路20を閉塞することによってシリンダ2内の液圧室8Aを液圧制御弁31(ストロークシュミレータ22)に対し遮断するものである。
22は本実施の形態で採用したストロークシュミレータで、該ストロークシュミレータ22は、図2に示す如くシリンダ2に通液路20の位置で後述の液圧制御弁31等を介して外付けされた筒形ケース23と、該筒形ケース23内に摺動可能に挿嵌され筒形ケース23内を蓄圧室24とばね室25とに画成した可動隔壁としての有蓋ピストン26と、ばね室25内に配設され該有蓋ピストン26を蓄圧室24側に向けて常時付勢する弾性体としてのスプリング27等とにより構成されている。
また、ストロークシュミレータ22の筒形ケース23には、後述する液圧制御弁31の出力ポート32Bを蓄圧室24に常時連通させる通路23Aが形成されている。そして、ストロークシュミレータ22は、ブレーキ操作によって第1の液圧室8A内に後述の如く液圧が発生すると、この液圧が通液路20、チルトバルブ21、液圧制御弁31等を介して通路23A側から供給される。
このときストロークシュミレータ22は、液圧の大きさに応じてスプリング27が撓み変形されることにより有蓋ピストン26を摺動変位させ、蓄圧室24内に液圧を蓄圧する。そして、蓄圧室24内の圧力は、ブレーキ反力となってシリンダ2内の液圧室8Aから第1のピストン4を介してブレーキペダル7に伝達され、ペダル反力を生じさせるものである。
28はストロークシュミレータ22のばね室25をリザーバ3に連通させる低圧配管で、該低圧配管28は、その一端側が筒形ケース23の底部側にプラグ29等を介して接続され、他端側は第2の補給室10Bと連通するようにシリンダ2に他のプラグ30等を介して接続されている。そして、低圧配管28は、リザーバ3と常時連通する補給室10Bをストロークシュミレータ22のばね室25に接続することにより、このばね室25を低い圧力(タンク圧)状態に保つものである。
31はシリンダ2の液圧室8Aとストロークシュミレータ22との間に設けられた液圧制御弁で、該液圧制御弁31は、図2に示す如くシリンダ2に通液路20の位置でストロークシュミレータ22と共に外付けされた弁ケース32と、該弁ケース32内に摺動可能に設けられた後述の段付ピストン37およびボール弁体38等により構成されている。
ここで、液圧制御弁31の弁ケース32内には、図3に示す如く長さ方向に離間して圧力室33とばね室34とが設けられ、該圧力室33とばね室34との間には小径の挿嵌穴35が形成されている。そして、弁ケース32のばね室34は蓋体36により閉塞され、該蓋体36には呼吸孔36Aが穿設されている。
また、弁ケース32には、図2に示すチルトバルブ21によりシリンダ2内の液圧室8Aと通液路20を介して連通、遮断される液圧の入力ポート32Aと、該入力ポート32Aから弁ケース32の長さ方向に離間しストロークシュミレータ22の蓄圧室24と図2に示す通路23Aを介して常時連通した出力ポート32Bとが設けられている。
そして、チルトバルブ21の開弁時には、液圧室8A内の圧力が入力液圧Pm (図3参照)となって液圧制御弁31の入力ポート32Aに供給される。また、液圧制御弁31の出力ポート32B内には、ストロークシュミレータ22の蓄圧室24と等しい圧力である出力液圧Pr が発生する。そして、この出力液圧Pr は、後述のボール弁体38が開弁しているときに入力液圧Pm とほぼ等しい圧力になり、ボール弁体38が閉弁したときには、入力液圧Pm よりも低い圧力に通常は設定されるものである。
37は弁ケース32内に摺動可能に設けられた段付ピストンで、該段付ピストン37は、図3に示すように大径部37Aが圧力室33内に配置され、小径部37Bは挿嵌穴35内に摺動可能に挿嵌されている。そして、段付ピストン37の小径部37Bは、弁ケース32内の圧力室33をばね室34から液密状態で遮断しているものである。
また、段付ピストン37の大径部37Aには、後述のボール弁体38が移動可能に収容される弁体収容穴37Cと、該弁体収容穴37C内を圧力室33に常時連通させる径方向の通路37D,37Dと、後述のプッシュロッド40が隙間をもって挿通され弁体収容穴37C内を出力ポート32Bに連通させる軸方向の通路37Eと、該通路37Eと弁体収容穴37Cとの間に形成されボール弁体38が離着座する弁座37Fとが設けられている。
38は段付ピストン37の弁体収容穴37C内に配置された弁体としてのボール弁体で、該ボール弁体38は、弁ばね39により図3に示す弁座37F側に向けて付勢され、段付ピストン37が図4、図5に示す如く矢示C方向に変位したときに軸方向の通路37Eを弁体収容穴37Cから遮断するものである。
40は通路37E内に隙間をもって挿通されるように弁ケース32に固定して設けられたプッシュロッドで、該プッシュロッド40は、図3に示す如く段付ピストン37が矢示D方向に変位しているときにボール弁体38に当接し、このボール弁体38を弁ばね39に抗して開弁状態に保持するものである。
41はばね室34内に設けられた圧力設定ばねで、該圧力設定ばね41は、ばね受42を介して段付ピストン37の小径部37Bと蓋体36との間に圧縮変形状態で配設され、段付ピストン37を図3中の矢示D方向にばね力Fをもって付勢している。
ここで、段付ピストン37は、圧力室33内で入力ポート32Aからの入力液圧Pm を図3に示す如く受圧面積(S1−S2)をもって受圧し、出力ポート32B側の出力液圧Pr を受圧面積S1で受圧する。また、段付ピストン37は、圧力設定ばね41のばね力Fにより図3中の矢示D方向に付勢されている。
このため、段付きピストン37は、入力液圧Pm が図6に示す液圧Pmaよりも低い圧力(Pm <Pma)にある間、下記の数1式の関係で図3に示す位置に保持される。そして、ボール弁体38が開弁しているときには、出力液圧Pr は入力液圧Pm と等しい圧力(Pm =Pr )状態におかれる。
Figure 2005239001
一方、入力液圧Pm が図6に示す液圧Pma以上の圧力(Pm ≧Pma)となったときには、下記の数2式の関係で段付ピストン37が圧力設定ばね41に抗して図4、図5中の矢示C方向に変位し、ボール弁体38は通路37Eを閉塞する。これにより、液圧制御弁31の出力ポート32Bを介したこれ以上の液圧供給は中断され、出力液圧Pr は、入力液圧Pm と異なる圧力値(Pm ≠Pr )となるものである。
Figure 2005239001
次に、この状態で入力液圧Pm がさらに上昇すると、出力液圧Pr が入力液圧Pm よりも低い圧力値(Pr <Pm )となるために、段付きピストン37は再び数1式による関係下におかれて矢示D方向に押動され、ボール弁体38は図3に示す如くプッシュロッド40により再び開弁される。
このように液圧制御弁31は、入力液圧Pm が予め決められた設定圧力(例えば、図6に示す液圧Pma)に達して以降(Pm >Pma)に、段付ピストン37を図3に示す開弁位置と図5に示す閉弁位置との間で繰り返し摺動変位させ、出力ポート32Bの出力液圧Pr が入力液圧Pm に従って上昇するのを、図6中に実線で示す特性線の如く抑えるものである。
43A,43Bは図1に示す如く車両の車輪側に設けられる第1,第2のホイールシリンダを示し、該ホイールシリンダ43A,43Bは、例えばドラムブレーキまたはディスクブレーキ等のシリンダ部を構成し、図1に示す第1,第2のブレーキ配管44A,44Bを介してブレーキ液圧が給排されることにより、車両に制動力を付与するものである。
45A,45Bはブレーキ配管44A,44Bの途中に設けられた第1,第2のフェイルセーフ弁で、該フェイルセーフ弁45A,45Bは、後述するコントロールユニット51からの制御信号により開弁位置(a)から閉弁位置(b)に切換えられる。即ち、フェイルセーフ弁45A,45Bは、システムの正常動作時には開弁位置(a)から閉弁位置(b)に切換えられ、システムの失陥時等には開弁位置(a)に復帰するものである。
46A,46Bはホイールシリンダ43A,43Bに液圧を供給するための液圧源を構成する第1,第2の液圧ユニットで、これらの液圧ユニット46A,46Bは、ホイールシリンダ43A,43B、フェイルセーフ弁45A,45B間に位置するブレーキ配管44A,44Bの途中部位とリザーバ3の管路3Cとの間に配設されている。
そして、第1の液圧ユニット46Aは、図1に示す如くリザーバ3に管路3Cを介して接続された液圧ポンプ47Aと、該液圧ポンプ47Aの吐出側にチェック弁48Aを介して接続され常開の電磁弁からなるブレーキ液圧の供給弁49Aと、常閉の電磁弁からなるブレーキ液圧の排出弁50A等とにより構成されるものである。
また、第2の液圧ユニット46Bについても同様に、リザーバ3に管路3Cを介して接続され液圧源を構成する液圧ポンプ47Bと、該液圧ポンプ47Bの吐出側にチェック弁48Bを介して接続された常開の供給弁49B、常閉の排出弁50B等とにより構成されるものである。
51はBBWシステムの制御装置を構成するコントロールユニットで、該コントロールユニット51は、例えばマイクロコンピュータ等により構成され、その入力側は、ブレーキペダル7の操作検出器(以下、ペダルセンサ52という)とホイールシリンダ43A,43B側の圧力センサ53A,53B等とに接続されている。
この場合、ペダルセンサ52は、ブレーキペダル7を踏込み操作したときのストロークまたは踏力を検出するものである。また、圧力センサ53A,53Bは、ホイールシリンダ43A,43Bに供給されるブレーキ液圧を検出する。そして、コントロールユニット51は、ペダルセンサ52、圧力センサ53A,53Bからの検出信号に従ってBBWシステムが正常に動作しているか否かを判別すると共に、後述の如くブレーキ液圧の制御等を行うものである。
また、コントロールユニット51は、出力側がフェイルセーフ弁45A,45Bおよび液圧ユニット46A,46B等に接続されている。そして、コントロールユニット51は、システムの正常動作時にフェイルセーフ弁45A,45Bを閉弁位置(b)に切換えると共に、液圧ユニット46A,46Bに給電を行って液圧ポンプ47A,47Bを作動させ、ホイールシリンダ43A,43Bのブレーキ液圧を増圧、保持または減圧するために供給弁49A,49B、排出弁50A,50Bを選択的に開,閉弁させるものである。
本実施の形態によるマスタシリンダ装置1を用いたBBWシステムは、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
まず、BBWシステムが正常に動作するときには、コントロールユニット51からの制御信号によりフェイルセーフ弁45A,45Bが図1に示す開弁位置(a)から閉弁位置(b)に切換えられ、シリンダ2内の液圧室8A,8Bは、ホイールシリンダ43A,43Bに対して遮断された状態となる。
そして、この状態で車両の制動時にブレーキペダル7が踏込み操作されると、シリンダ孔2A内でピストン4,5が図2中の矢示A方向に僅かに押動された段階で、センタバルブ11A,11Bが閉弁されて液圧室8A,8Bを補給室10A,10Bに対して遮断する。
このとき、第2の液圧室8Bは、フェイルセーフ弁45Bによりホイールシリンダ43Bに対し遮断されると共に、補給室10Bに対しても遮断されるので、第2のピストン5は液圧ロック状態となって、これ以上の摺動変位が抑制され、チルトバルブ21は図2に例示した開弁状態に保たれる。
そして、第1の液圧室8A内は、第1のピストン4が矢示A方向に摺動変位するに従って液圧が上昇し、この液圧室8A内の液圧は、通液路20、チルトバルブ21、液圧制御弁31等を介してストロークシュミレータ22の筒形ケース23(蓄圧室24)内へと供給される。
このときストロークシュミレータ22は、筒形ケース23内のスプリング27が液圧の大きさに応じて撓み変形され、有蓋ピストン26を摺動変位させることにより、蓄圧室24内に液圧を蓄圧する。そして、この蓄圧室24内の圧力はブレーキ反力となって、シリンダ2内の液圧室8Aから第1のピストン4を介してブレーキペダル7に伝えられるので、ペダル反力を生じさせることができ、車両の運転者にブレーキの効き、所謂踏み応えを与えることができる。
ところで、この場合の踏み応えは、ブレーキペダル7の踏み初めが軽く、ブレーキペダル7を踏み込むに従って徐々に重くなり、ある程度踏み込んだ段階でいきなり重さを感じるような踏み応えが望ましいものである。しかし、このようなブレーキペダル7の操作感を与えるためには、ストロークシュミレータ22内に複数のバネ定数が異なるばねを収容する必要が生じ、これによりストロークシュミレータが大型化して車両への搭載性が悪くなる。
そこで、本実施の形態では、シリンダ2の液圧室8Aとストロークシュミレータ22との間に液圧制御弁31を設け、図6中に実線で示す特性線54の如き液圧制御を行うことにより、ブレーキペダル7の操作感を向上させ、その踏み応えを良好に保つようにしている。
即ち、液圧制御弁31の入力液圧Pm が予め決められた設定圧力(例えば、図6に示す液圧Pma)に達するまでは、液圧制御弁31の段付ピストン37が図3に例示する開弁状態に保持され、出力ポート32B側の出力液圧Pr (ストロークシュミレータ22の蓄圧室24に供給する液圧)は、入力液圧Pm (液圧室8A内の圧力)に従って比例的に増減される。
しかし、入力液圧Pm が設定圧力を越えたときには(Pm >Pma)、液圧制御弁31の段付ピストン37が図3に示す開弁位置と図5に示す閉弁位置との間で繰り返し摺動変位することにより、出力ポート32Bの出力液圧Pr を図6中に実線で示す特性線54の如く2段階で液圧制御でき、出力液圧Pr (蓄圧室24内の液圧)が一点鎖線で示す特性線55のように入力液圧Pm に従って上昇するのを抑えることができる。
このため、ストロークシュミレータ22の有蓋ピストン26は、液圧制御弁31の入力液圧Pm が液圧Pmaに達するまでは、その変位量Ls が図6中に実線で示す特性線56のように出力液圧Pr (液圧Pra)に従って変位量Lsaの位置まで比較的軽い反力で移動する。
しかし、液圧制御弁31の入力液圧Pm が液圧Pmaを越えた後には、例えば入力液圧Pm が液圧Pmbのときに出力液圧Pr (蓄圧室24内の液圧)を液圧Prbに抑えることにより、ストロークシュミレータ22は、有蓋ピストン26の変位量Ls を変位量(Lsb−Lsa)として小さく抑制でき、図2に例示する筒形ケース23内で有蓋ピストン26が早期にストロークエンドに達するのを抑えることができる。
この結果、ストロークシュミレータ22の筒形ケース23と有蓋ピストン26との間に設けるスプリング27を、バネ定数が比較的小さいばねによって構成でき、ストロークシュミレータ22を小型、軽量化してコンパクトに形成することができる。そして、ブレーキペダル7には液圧制御弁31の入力液圧Pm (液圧室8A内の圧力)に従って良好なペダル反力を伝えることができ、ブレーキペダル7の操作感を向上することができる。
また、このようなブレーキ操作時には、ブレーキペダル7の踏込み操作をペダルセンサ52で検出することにより、コントロールユニット51から液圧ユニット46A,46Bに制御信号を出力して液圧ポンプ47A,47Bを作動できると共に、供給弁49A,49B、排出弁50A,50Bを選択的に開,閉弁することができる。
このため、車両の制動時等には、ブレーキペダル7の踏込み操作に従って液圧ポンプ47A,47Bからホイールシリンダ43A,43Bに供給するブレーキ液圧を増圧、保持または減圧でき、ブレーキペダル7の踏込み操作に対応したブレーキ液圧をホイールシリンダ43A,43Bに供給できると共に、車両の制動力制御を高精度に行うことができる。
一方、例えば液圧源となる液圧ポンプ47A,47Bが故障したり、コントロールユニット51が故障したりした場合には、前述の如きBBWシステムによる自動的なブレーキ液圧の制御が失効する。そして、このようなシステムの失陥時には、コントロールユニット51からフェイルセーフ弁45A,45Bに制御信号が出力されず、フェイルセーフ弁45A,45Bは図1に示す開弁位置(a)に自動的に復帰する。
このため、マスタシリンダ装置1は、シリンダ2内の液圧室8A,8Bがホイールシリンダ43A,43Bに連通した状態となる。そして、この状態で車両の制動時等にブレーキペダル7が踏込み操作されると、シリンダ孔2A内でピストン4,5が共に軸方向に押動され、センタバルブ11A,11Bが閉弁されて液圧室8A,8Bを補給室10A,10Bに対して遮断されると共に、液圧室8A,8Bには、ブレーキペダル7の踏込み操作に対応した液圧が発生する。
そして、液圧室8A,8B内に発生した液圧は、ブレーキ配管44A,44Bを介してホイールシリンダ43A,43Bにブレーキ液圧として供給され、この場合でも、ブレーキペダル7の踏込み操作に対応したブレーキ液圧をホイールシリンダ43A,43Bに供給することができる。
また、シリンダ2内の液圧室8Aと液圧制御弁31との間に通液路20を介して設けたチルトバルブ21は、第2のピストン5が戻しばね18Bに抗して図2中の矢示A方向に押動されると、ピストン5に対する当接が解除されて傾いた状態から正立状態(閉弁状態)に切換わり、液圧制御弁31に対して通液路20を閉塞する。
これにより、例えばシステムの失陥時等には、シリンダ2内の液圧室8Aを液圧制御弁31の入力ポート32A側から遮断でき、液圧室8A内の液圧がストロークシュミレータ22側で余分に消費されるのを防止できると共に、液圧室8A内に発生した液圧をブレーキ配管44Aを介してホイールシリンダ43Aに対し効率的に供給することができる。
従って、本実施の形態によれば、シリンダ2内の液圧室8Aとストロークシュミレータ22との間に液圧制御弁31を設けることにより、ストロークシュミレータ22内に収容するスプリング27を、例えばバネ定数が小さいばねで構成することができ、このようなストロークシュミレータ22によりブレーキ操作時には良好なペダルフィーリング(踏み応え)を確保することができる。
このため、本実施の形態にあっては、ストロークシュミレータ22を小型、軽量化してコンパクトに形成することができる。そして、このようなストロークシュミレータ22を用いることにより、マスタシリンダ装置1全体も小型、軽量化することができ、マスタシリンダ装置1を車両に搭載する上での作業性や組付け性を向上することができる。
次に、図7ないし図13は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
しかし、本実施の形態の特徴は、シリンダ2内の液圧室8Aとストロークシュミレータ22との間に設ける液圧制御弁61が、後述の設定圧力可変手段を備えることにより、液圧制御弁61による設定圧力を液圧源(例えば、液圧ユニット46A)の圧力に応じて変更する構成としたことにある。
ここで、液圧制御弁61は、第1の実施の形態で述べた液圧制御弁31とほぼ同様に構成され、入力ポート62A、出力ポート62B等を有した弁ケース62内には、図9に示す如く圧力室63、ばね室64および小径の挿嵌穴65等が形成されている。そして、弁ケース62内には第1の実施の形態で述べた段付ピストン37、ボール弁体38、弁ばね39、プッシュロッド40およびばね受42等が設けられている。
しかし、この場合の液圧制御弁61は、弁ケース62内のばね室64に環状の段差部64Aを介して拡径部64Bが形成され、該拡径部64B内には段付ばね受66が変位可能に配置されている。そして、この段付ばね受66とばね室64の壁面64Cとの間には、図9に示す如く大径の戻しばね67が配設され、段付ばね受66と段付ピストン37の小径部37Bとの間には、小径の圧力設定ばね68がばね受42を介して設けられている。
ここで、該圧力設定ばね68は、戻しばね67の径方向内側に位置してばね室64内に圧縮変形状態で配設され、段付ピストン37を図9中の矢示D方向にばね力Fをもって付勢している。そして、段付ピストン37は、第1の実施の形態で述べたように圧力室63内で入力ポート32Aからの入力液圧Pm を図9に示す如く受圧面積(S1−S2)をもって受圧すると共に、圧力設定ばね68のばね力Fにより図9中の矢示D方向に付勢される。
また、段付ピストン37は、出力ポート32B側の出力液圧Pr を受圧面積S1で受圧することにより、図9中の矢示C方向に押圧される。このため、段付きピストン37は、第1の実施の形態で述べた数1,2式の関係を満たすように、図9に示す開弁位置と図10、図11に示す閉弁位置との間で摺動変位を繰返すものである。
また、液圧制御弁61の弁ケース62には、ばね室64の拡径部64Bと連通するようにプッシャ摺動穴62Cが軸方向に形成されると共に、該プッシャ摺動穴62Cに連通して径方向に延びるパイロットポート62Dが形成されている。そして、プッシャ摺動穴62C内にはプッシャ69が挿嵌され、該プッシャ69は、パイロットポート62Dから後述のパイロット圧Po を受圧することにより段付ばね受66を戻しばね67に抗して矢示D方向に押動する。
この場合、プッシャ69は、段付ばね受66等と共に設定圧力可変手段を構成し、圧力設定ばね68のばね力F(液圧制御弁61による設定圧力)を、図9〜図11に示す如く段付ばね受66が矢示D方向に前進した位置と、図12に示す如く段付ばね受66が矢示C方向に後退した位置とで大,小に変化させるものである。
また、弁ケース62のパイロットポート62Dには、図8に示すようにパイロット配管70の先端側が接続され、該パイロット配管70の基端側は、図7に示す如くホイールシリンダ43Aとフェイルセーフ弁45Aとの間でブレーキ配管44Aの途中部位から分岐している。
そして、パイロット配管70内には、液圧ユニット46Aの液圧ポンプ47Aから供給弁49A等を介して供給されるブレーキ液圧がパイロット圧Po となって導かれ、このパイロット圧Po は、図9に示すプッシャ69によりパイロットポート62Dを介して受圧されるものである。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、シリンダ2内の液圧室8Aとストロークシュミレータ22との間に液圧制御弁61を設けることにより、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。しかし、本実施の形態では、圧力設定ばね68のばね力F(液圧制御弁61による設定圧力)を少なくとも大,小の2段階で変化させる構成としているので、下記のような作用効果を得ることができる。
即ち、BBWシステムが正常に動作している間は、液圧ポンプ47Aから供給弁49A等を介して供給されるブレーキ液圧が、パイロット圧Po となって弁ケース62のパイロットポート62Dへと導かれる。そして、プッシャ69は、このパイロット圧Po を受圧することにより図9〜図11に示す如く段付ばね受66が矢示D方向に前進した位置に保持する。
このため、圧力設定ばね68は、段付ばね受66と段付ピストン37の小径部37Bとの間で圧縮変形されることにより、そのばね力Fが高い圧力値に設定される。これによって段付ピストン37は、入力液圧Pm が図13に示す液圧Pm2よりも低い圧力(Pm <Pm2)にある間、前述した数1式の関係で図9に示す位置に保持される。そして、ボール弁体38が開弁しているときには、出力液圧Pr は入力液圧Pm と等しい圧力(Pm =Pr )状態におかれる。
一方、入力液圧Pm が図13に示す液圧Pm2以上の圧力(Pm ≧Pm2)となったときには、前述した数2式の関係で段付ピストン37が圧力設定ばね68に抗して図10、図11中の矢示C方向に変位し、ボール弁体38は通路37Eを閉塞する。これにより、液圧制御弁61の出力ポート32Bを介したこれ以上の液圧供給は中断され、出力液圧Pr は入力液圧Pm と異なる圧力値(Pm ≠Pr )となるものである。
次に、この状態で入力液圧Pm がさらに上昇すると、出力液圧Pr が入力液圧Pm よりも低い圧力値(Pr <Pm )となるために、段付きピストン37は再び数1式による関係下におかれて矢示D方向に押動され、ボール弁体38は図9に示す如くプッシュロッド40により再び開弁される。
このように液圧制御弁61は、入力液圧Pm が予め決められた設定圧力(例えば、図13に示す液圧Pm2)に達して以降(Pm >Pm2)に、段付ピストン37を図9に示す開弁位置と図11に示す閉弁位置との間で繰り返し摺動変位させ、出力ポート32Bの出力液圧Pr を図13中に実線で示す特性線71の如く2段階で液圧制御でき、出力液圧Pr (蓄圧室24内の液圧)が一点鎖線で示す特性線55のように入力液圧Pm に従って上昇するのを抑えることができる。
そして、ストロークシュミレータ22の有蓋ピストン26は、液圧制御弁61の入力液圧Pm が液圧Pm2に達するまでは、その変位量Ls が図13中に実線で示す特性線56のように出力液圧Pr に従って変位量Ls2の位置まで比較的軽い反力で移動するようになり、その後は第1の実施の形態と同様に筒形ケース23内で有蓋ピストン26が早期にストロークエンドに達するのを抑えることができる。
一方、システムの失陥時等には、液圧ポンプ47Aによるブレーキ液圧の供給が失効されるので、弁ケース62のパイロットポート62Dに導かれるパイロット圧Po は、タンク圧となって大きく低下する。これにより、段付ばね受66はプッシャ69と共に戻しばね67によって図12中の矢示C方向に戻され、圧力設定ばね68のばね力Fは、低い圧力値に設定される。
このため、液圧制御弁61の設定圧力は、図13に示す液圧Pm2からより低い液圧Pm1(Pm1<Pm2))まで低下することになり、段付ピストン37は、入力液圧Pm が液圧Pm1に達したときに図10に示す如く通路37Eがボール弁体38で閉塞され、これによって出力ポート32B側の出力液圧Pr は、図13中に二点鎖線で示す特性線72の如く制御される。
従って、システムの失陥時等には、シリンダ2内の液圧室8Aから液圧制御弁61を介してストロークシュミレータ22側に液圧が流通するのを、段付ピストン37の通路37Eをボール弁体38で閉塞することにより早期に遮断でき、液圧室8A内の液圧がシステムの失陥時にストロークシュミレータ22側で余分に消費されるのを防止できると共に、液圧室8A内に発生した液圧をブレーキ配管44Aを介してホイールシリンダ43Aに対し効率的に供給することができる。
なお、前記各実施の形態では、シリンダ2内の液圧室8A,8Bと補給室10A,10Bとの間をセンタバルブ11A,11Bにより連通,遮断する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばコンベンショナル型、プランジャ型またはこれらの複合型等、種々の型式のマスタシリンダにも適用できるものである。
本発明の第1の実施の形態によるマスタシリンダ装置を示すブレーキ液圧回路図である。 図1中のマスタシリンダ装置を拡大して示す要部断面図である。 図2中の液圧制御弁を拡大して示す断面図である。 液圧制御弁の入力液圧が設定圧力に達した状態を示す図3と同様位置での断面図である。 図4中の段付ピストンがストークエンドまで変位した状態を示す断面図である。 液圧制御弁の制御特性等を示す特性線図である。 第2の実施の形態によるマスタシリンダ装置を示すブレーキ液圧回路図である。 図7中のマスタシリンダ装置を拡大して示す要部断面図である。 図8中の液圧制御弁を拡大して示す断面図である。 液圧制御弁の入力液圧が設定圧力に達した状態を示す図9と同様位置での断面図である。 図10中の段付ピストンがストークエンドまで変位した状態を示す断面図である。 液圧制御弁の設定圧力が低い圧力値に変わった状態を示す図9と同様位置での断面図である。 第2の実施の形態による液圧制御弁の制御特性等を示す特性線図である。
符号の説明
1 マスタシリンダ装置
2 シリンダ
3 リザーバ
4 第1のピストン(ピストン)
5 第2のピストン
7 ブレーキペダル
8A,8B 液圧室
10A,10B 補給室
11A,11B センタバルブ
18A,18B 戻しばね
20 通液路
21 チルトバルブ(切換弁)
22 ストロークシュミレータ
23 筒形ケース
24 蓄圧室
26 有蓋ピストン
27 スプリング(弾性体)
31,61 液圧制御弁
32,62 弁ケース
32A,62A 入力ポート
32B,62B 出力ポート
37 段付ピストン
38 ボール弁体
40 プッシュロッド
41,68 圧力設定ばね
43A,43B ホイールシリンダ
44A,44B ブレーキ配管
45A,45B フェイルセーフ弁
46A,46B 液圧ユニット(液圧源)
47A,47B 液圧ポンプ
49A,49B 供給弁
50A,50B 排出弁
51 コントロールユニット(制御装置)
62D パイロットポート
66 段付ばね受
69 プッシャ(設定圧力可変手段)
70 パイロット配管

Claims (3)

  1. 有底筒状のシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に設けられブレーキ操作に応じて該シリンダ内を軸方向に変位するピストンと、該ピストンによりシリンダ内に画成され車輪側のホイールシリンダにフェイルセーフ弁を介して接続される液圧室と、該液圧室とホイールシリンダとの間を前記フェイルセーフ弁により遮断しているときに、前記ブレーキ操作によって該液圧室内に発生する液圧を蓄圧しブレーキ反力を生じさせるストロークシュミレータとを備えたマスタシリンダ装置において、
    前記液圧室とストロークシュミレータとの間には、前記ブレーキ操作によって前記液圧室内の液圧が予め決められた設定圧力に達したときに前記液圧室からストロークシュミレータに供給する液圧を制限する液圧制御弁を設ける構成としたことを特徴とするマスタシリンダ装置。
  2. 前記液圧室とストロークシュミレータとの間には、常時は両者の間を連通し前記フェイルセーフ弁により液圧室が前記ホイールシリンダに連通されたときに前記液圧室とストロークシュミレータとの間を遮断する切換弁を設け、前記液圧制御弁は、該切換弁と前記ストロークシュミレータとの間に配置してなる請求項1に記載のマスタシリンダ装置。
  3. 前記液圧制御弁は、前記ホイールシリンダに液圧を供給する液圧源に接続され該液圧源の圧力に対応して前記設定圧力を変化させる設定圧力可変手段を有する構成としてなる請求項1または2に記載のマスタシリンダ装置。
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