JP2007203927A - ブレーキストロークシミュレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレーキペダルの踏み込み初期において最適なブレーキフィーリングを創出するストロークシミュレータを実現する。
【解決手段】ストロークシミュレータ124のハウジング64は、マスタシリンダからのブレーキオイルが導入される液室66を有する。第1ピストン70はハウジング64内に摺動自在に配置されており、液室66内のブレーキオイルの圧力に応じて摺動する。第1スプリング78は、第1ピストン70の摺動に伴い弾性変形することにより、ペダルストロークに対する反力を発生させる。ガス室100は、液室66の壁面に開口するようにハウジング64内に形成され、所定のガスが封入される。薄膜102は、液室66とガス室100とを分離するように設けられ、液室66の圧力に応じて変形してガス室内に侵入しガス室の容積を変化させる。これによって、ブレーキペダルの踏み込み初期の反力を発生させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、ドライバーによるブレーキペダルの操作量に応じて反力を与えるブレーキストロークシミュレータの構造に関する。
近年、いわゆるブレーキバイワイヤ方式のブレーキシステムが普及しつつあるが、ドライバーの操作力(踏力)を電気信号に置き換える関係上、この種のブレーキシステムでは、ドライバーによるブレーキペダルの操作力に応じたペダルストロークを発生させるブレーキストロークシミュレータ(以下、適宜「ストロークシミュレータ」という)が必須となる。従来の一般的なストロークシミュレータは、マスタシリンダからの作動液の圧力によってハウジング内を摺動するピストンと、ピストンからの圧力を受けて反力を発生するスプリングやクッション材等を含む。そして、複数のスプリングやクッション材を適宜組み合わせることによって荷重−ストロークの曲線を創出し、旧来のバキュームブースタを備えるブレーキと同様のフィーリングを与えるようにしている。例えば、特許文献1には、ばね定数の異なる複数のスプリングと緩衝弾性体とを組み合わせ、ストロークに応じて滑らかに増加するばね反力を発生するストロークシミュレータが開示されている。
特開2002−293229号公報 特開2001−151091号公報 特開2005−219678号公報
ストロークシミュレータのペダル踏力−ペダルストローク曲線(例えば、図3を参照)では、ブレーキペダルの踏み込み初期にストロークの急激な立ち上がり(ジャンピング)が求められる。この立ち上がりを実現するには、スプリングのばね係数や設定荷重を小さくする必要があるが、ブレーキ解除時のピストンの戻り特性を考慮すると自ずと限界がある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、ブレーキペダルの踏み込み時のペダルフィーリングを改善したストロークシミュレータを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のブレーキストロークシミュレータは、マスタシリンダに接続され、ブレーキペダルの操作に応じた反力を発生させるブレーキストロークシミュレータにおいて、前記マスタシリンダからの作動液が導入される液室を有するハウジングと、前記ハウジング内に摺動自在に配置されており前記液室内の作動液の圧力に応じて摺動するピストンと、前記ピストンの摺動に伴い弾性変形することによりペダルストロークに対する反力を発生させる弾性部材と、前記液室内の作動液の圧力に応じて所定のガスが封入された領域の容積を変化させることによりペダルストロークに対する反力を発生させるガス反力発生手段と、を備える。
この態様によると、ペダルストロークを踏み込んだとき、液室内の作動液圧上昇によるガス反力発生手段の容積変化によってペダルストロークに対する反力が発生する。この反力によって、ピストンと弾性部材の組合せで創出されるペダルフィーリングより柔らかいフィーリングを創出することができる。
前記ガス反力発生手段は、前記液室の壁面に開口するように前記ハウジング内に形成され所定のガスが封入されるガス室と、前記液室と前記ガス室とを分離するように設けられ、前記液室内の作動液の圧力に応じて変形してガス室内に侵入し該ガス室の容積を変化させる弾性膜と、を含んでもよい。液室内の作動液圧が上昇すると、ピストンが摺動抵抗に打ち勝って移動する前に弾性膜が変形を開始しガス室内に侵入する。弾性膜は、ガス室内のガス容積を圧縮するため、ガスから反力を受ける。この反力がペダルストロークに対する反力として伝達される。これによって、ピストンから受ける反力よりも微小な反力を創出することができる。
前記ガス室は、前記液室内の作動液の圧力上昇に伴い前記弾性膜の侵入を妨げる形状に形成されていてもよい。一例として、前記ガス室は、前記液室への開口部分から該ガス室の奥方向に向かうにつれて断面積が減少する形状に形成されていてもよい。こうすると、液室内の作動液圧が上昇し、弾性膜がガス室の奧に侵入するにつれて弾性膜のさらなる変形が困難になるため、ペダルストロークに対する反力を徐々に大きくすることができる。例えば、ガス室の壁面をテーパー状にしたり階段状にしてもよい。
前記ガス室は、前記液室への開口部分から鉛直上方に向かう部分を少なくとも有してもよい。こうすると、弾性膜がピストンとの接触や疲労などのために破損した場合でも、封入されているガスは鉛直上方に移動し液室の奧に滞留するため、マスタシリンダのシリンダ内や液路へのガスの流出が防止される。
ペダルストロークの初期においては、前記ガス反力発生手段のみがペダルストロークに対する反力を発生させることが好ましい。つまり、液室内の作動液圧によってピストンが移動し弾性部材が弾性変形を開始して反力を発生するより前に、ガス反力発生手段の容積変化によってペダルストロークに対する反力が発生するように設定する。こうすれば、ペダルストロークの初期つまりブレーキペダルの踏み込み初期に、ピストンと弾性部材の組合せで創出されるペダルフィーリングより柔らかいフィーリングを創出することができる。したがって、ブレーキストロークシミュレータのペダル踏力−ペダルストローク曲線の立ち上がり特性が改善される。
本発明のブレーキストロークシミュレータによれば、ブレーキペダルの踏み込み時のペダルフィーリングを改善することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るブレーキ制御装置10を示す系統図である。ブレーキ制御装置10は、図示しない車両用の電子制御式ブレーキシステム(ECB)を構成しており、ドライバーによるブレーキ操作部材としてのブレーキペダル12の操作に応じて車両の4輪のブレーキを独立かつ最適に設定する。つまり、ブレーキ制御装置10は、車両に設けられた車輪に付与される制動力を制御することができる。
ブレーキペダル12は、ドライバーによる踏み込み操作に応じて作動液としてのブレーキオイルを送り出すマスタシリンダ14に接続されている。また、ブレーキペダル12には、その踏み込みストロークを検出するためのストロークセンサ46が設けられている。
さらに、マスタシリンダ14には、リザーバタンク26が接続されており、マスタシリンダ14の一方の出力ポートには、シミュレータカット弁25を介して、ドライバーによるブレーキペダル12の操作力に応じた反力を創出するストロークシミュレータ24が接続されている。なお、シミュレータカット弁25は、非通電時に閉状態にあり、ドライバーによるブレーキペダル12の操作が検出された際に開状態に切り換えられる常閉型電磁弁である。
マスタシリンダ14の一方の出力ポートには、右前輪用のブレーキ油圧制御管16が接続されている。ブレーキ油圧制御管16は、図示されない右前輪に対して制動力を付与する右前輪用のディスクブレーキユニット21FRのホイールシリンダに接続されている。また、マスタシリンダ14の他方の出力ポートには、左前輪用のブレーキ油圧制御管18が接続されており、ブレーキ油圧制御管18は、図示されない左前輪に対して制動力を付与する左前輪用のディスクブレーキユニット21FLのホイールシリンダに接続されている。
右前輪用のブレーキ油圧制御管16の中途には、右電磁開閉弁22FRが設けられており、左前輪用のブレーキ油圧制御管18の中途には、左電磁開閉弁22FLが設けられている。また、右前輪用のブレーキ油圧制御管16の中途には、右前輪側のマスタシリンダ圧を検出する右マスタ圧力センサ48FRが設けられており、左前輪用のブレーキ油圧制御管18の途中には、左前輪側のマスタシリンダ圧を計測する左マスタ圧力センサ48FLが設けられている。
ブレーキ制御装置10では、ドライバーによってブレーキペダル12が踏み込まれた際、ストロークセンサ46によりその踏み込み操作量が検出されるが、これらの右マスタ圧力センサ48FRおよび左マスタ圧力センサ48FLによって検出されるマスタシリンダ圧からもブレーキペダル12の踏み込み操作力(踏力)を求めることができる。
一方、リザーバタンク26には、油圧給排管28の一端が接続されており、この油圧給排管28の他端には、モータ32により駆動されるオイルポンプ34の吸込口が接続されている。オイルポンプ34の吐出口は、高圧管30に接続されており、この高圧管30には、アキュムレータ50とリリーフバルブ53とが接続されている。
アキュムレータ50は、オイルポンプ34によって例えば14〜22MPa程度にまで昇圧されたブレーキオイルを蓄える。また、リリーフバルブ53の弁出口は、油圧給排管28に接続されており、アキュムレータ50におけるブレーキオイルの圧力が異常に高まって例えば25MPa程度になると、リリーフバルブ53が開弁し、高圧のブレーキオイルは油圧給排管28へと戻される。さらに、高圧管30には、アキュムレータ50の出口圧力、すなわち、アキュムレータ50におけるブレーキオイルの圧力を検出するアキュムレータ圧センサ51が設けられている。
そして、高圧管30は、増圧弁40FR、40FL、40RR、40RLを介して右前輪用のディスクブレーキユニット21FR、左前輪用のディスクブレーキユニット21FL、右後輪用のディスクブレーキユニット21RRおよび左後輪用のディスクブレーキユニット21RLのホイールシリンダにそれぞれに接続されている。
なお、各ディスクブレーキユニット21FR〜21RLは、ホイールシリンダの作用によってブレーキパッド23をディスク22に押し付けることで制動力を発生する。
また、右前輪用のディスクブレーキユニット21FRと左前輪用のディスクブレーキユニット21FLのホイールシリンダは、それぞれ減圧弁42FRまたは42FLを介して油圧給排管28に接続されている。一方、右後輪用のディスクブレーキユニット21RRと左後輪用のディスクブレーキユニット21RLのホイールシリンダは、減圧弁42RRまたは42RLを介して油圧給排管28に接続されている。
各ディスクブレーキユニット21FR〜21RLのホイールシリンダ付近には、それぞれ対応するホイールシリンダに作用するブレーキオイルの圧力であるホイールシリンダ圧を検出するホイールシリンダ圧センサ44FR、44FL、44RRおよび44RLが設けられている。
上述の右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FL、増圧弁40FR〜40RL、減圧弁42FR〜42RL、オイルポンプ34、アキュムレータ50等は、ブレーキ制御装置10の油圧アクチュエータを構成する。そして、かかる油圧アクチュエータは、本実施形態における制御部としての電子制御ユニット(図示せず)によって制御される。電子制御ユニットは、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM、入出力インターフェース、メモリ等を備えるものである。
このように構成されるブレーキ制御装置10では、電子制御ユニットにより、ブレーキペダル12の踏み込みストロークとマスタシリンダ圧とから車両の目標減速度が算出され、算出された目標減速度に応じて各車輪の目標ホイールシリンダ圧が求められる。そして、電子制御ユニットにより増圧弁40および減圧弁42が制御され、各車輪のホイールシリンダ圧が目標ホイールシリンダ圧になるよう制御される。
一方、このとき電磁開閉弁22FRおよび22FLは閉状態とされ、シミュレータカット弁25は開状態とされる。よって、ドライバーによるブレーキペダル12の踏み込みによりマスタシリンダ14から送出されたブレーキオイルは、シミュレータカット弁25を通ってストロークシミュレータ24に流入する。
図2は、従来のストロークシミュレータ24の断面を模式的に示す断面図である。ストロークシミュレータ24は、ハウジング64の内部に第1ピストン70と第2ピストン82とを備える。ハウジング64の内部には、第1ピストン70よりもわずかに大径の第1シリンダ60と、第1シリンダ60よりも大径の第2シリンダ62が連続して形成されている。第2ピストン82は第2シリンダ62内を移動する。
第1ピストン70の左側には、マスタシリンダ14からブレーキペダル12の操作量に応じたブレーキオイルが導入される液室66が画成される。液室66は、ハウジング64に形成された流路68およびシミュレータカット弁25を介してブレーキ油圧制御管16に連通している。第1ピストン70は、液室66内のブレーキオイルの圧力に応じて第1シリンダ60内を摺動自在である。
また、ハウジング64には、第1ピストン70を介して液室66の反対側に位置するように、エア室96、98が画成されている。第1ピストン70は略円柱形状をなし、円柱の表面に形成された円環溝にリング状のカップ72が取り付けられており、このカップ72により、液室66からエア室96、98へのブレーキオイルの流入が阻止される。なお、エア室96、98は図示しない連通孔を介して大気と連通している。
第1ピストン70と第2ピストン82との間には、ピストンを付勢する弾性体としての第1スプリング78が若干量圧縮された状態で配置される。第1ピストン70の液室66と反対側の底部には、軸方向に延びる穴74が形成される。穴74には円柱状のゴム76が、第1ピストン70の底部から若干量突出するような状態で嵌め込まれる。
第2ピストン82はフランジ82aと凸部82bとを有する。フランジ82aは第2シリンダ62の中心軸から外径方向に延設され、第2シリンダ62より若干量小さい外径を有している。このフランジ82aにより、第2ピストン82が所定位置より左方に移動することを防止している。
第2シリンダ62内の右端には基部90が配置される。基部90とフランジ82aとの間には、第2ピストン82を付勢する弾性体としての第2スプリング84が若干量圧縮された状態で配置される。
凸部82bは、フランジ82aの中央から第1ピストン70とは逆方向(図中右方向)に延びる。凸部82bの先端にはゴムキャップ88が嵌め込まれており、第2ピストン82が右方に移動すると、ゴムキャップ88は基部90に形成されたゴム受容部94内部に収納される。
上記構成のストロークシミュレータ24の動作を説明する。シミュレータカット弁25が開放された状態でドライバーによりブレーキペダル12が操作されると、マスタシリンダ14からブレーキオイルが流路68を介して液室66に導入される。すると、第1ピストン70が、第1スプリング78の付勢力と、カップ72と第1シリンダ60の内周面との摺動抵抗に抗して、図中右方向に移動する。第1ピストン70が右方に移動すると、第1ピストン70の底部に設けられたゴム76の先端が第2ピストン82の左端に接触する。この時点から、第1ピストン70にはさらにゴム76の弾性力が加えられる。
液室66にブレーキオイルが導入されて、第1ピストン70がさらに右方に移動すると、ゴム76が圧縮されて第1ピストン70の穴74に押し込まれた状態になる。すると、第1ピストン70が第2ピストン82と直に接触する状態となる。この時点から第1ピストン70と第2ピストン82とは一体に移動するようになり、第1ピストン70と第2ピストン82には第2スプリング84の弾性力が加えられる。
第1ピストン70と第2ピストン82とがさらに右方に移動すると、今度は第2ピストン82の凸部82bに取り付けられたゴムキャップ88が、基部のゴム受容部94と接触する。これ以降、ゴムキャップ88の弾性力も第1ピストン70と第2ピストン82に加えられる。
この結果、ストロークシミュレータ24は、第1ピストン70の右方への移動につれて4段階のばね特性すなわち反力を与えることになる。スプリング78、84のばね係数、ゴム76、ゴムキャップ88の反発係数、およびカップ72摺動抵抗などを調整することによって、ドライバーによるブレーキペダル12の操作量に応じて、踏み始めは軽く、踏み込みにしたがって反力が大きくなるブレーキフィーリングが付与される。
ドライバーがブレーキペダルから足を離すと、液室66から流路68を経由してブレーキオイルがストロークシミュレータ24から流出し、これに応じて第1ピストン70と第2ピストン82は、ゴムキャップ88、第2スプリング84、ゴム76および第1スプリング78からの弾性力により、図2中の左方に押され、第1ピストン70は第1シリンダ60内を摺動する。
図3は、図2の従来のストロークシミュレータの特性曲線を示す。縦軸はブレーキペダル12の踏み込み量であるペダルストロークを表し、横軸はブレーキペダル12に反力として与えられるペダル踏力を表す。図中の二つの点線は特性曲線の狙いを表し、この点線の間に特性曲線が収まることが望ましい。これらの点線は、バキュームブースタを用いたブレーキシステムにおけるペダル踏力−ペダルストロークの特性曲線にしたがって設定される。
従来のストロークシミュレータ24では、ペダルストロークの初期において望ましい立ち上がり特性(「ジャンピング特性」ともいう)を創出することが困難であった。図3においても、図中丸で囲った部分において、特性曲線が点線の外側にはみ出していることが分かる。
点線の内側に収まるような立ち上がり特性を得るためには、上述の第1スプリングのばね係数やセット荷重を下げる方法が考えられる。しかし、第1スプリングは、制動解除時にカップの摺動抵抗に打ち勝って第1ピストンを初期位置A(図2参照)に復帰させるという役割もあるため、カップの摺動抵抗よりも小さくすることはできず、第1スプリングのばね係数やセット荷重として選択できる値の範囲には自ずと限界がある。
そこで、本実施形態では、ペダルストロークの初期領域つまりブレーキペダルの踏み込み初期において所望の立ち上がり特性を得るために、ストロークシミュレータの液室に隣接して、容積変化により反力を発生させるガス室を設けるようにした。
図4は、本実施形態のストロークシミュレータ124の構造を示す断面図である。図中、図2と同一の符号を付された構成要素は、上述と同様の構造および機能を有する。
図4において、ハウジング64にはガス室100が設けられる。ガス室100は液室66のシリンダ壁面に開口するようにハウジング64の内部に形成される。ガス室100の開口部には、液室66とガス室100とを分離するように、ゴム等の弾性材料で作成された薄膜102が貼り付けられる。ガス室100には窒素等のガスが封入される。薄膜102は、液室66内のブレーキオイルの圧力が高まると、第1ピストン70がカップ72の摺動抵抗に打ち勝って図中の右方向に移動するより前に変形してガス室100内に侵入する。変形した薄膜102はガス室100の容積を圧縮し、この容積変化によってブレーキペダル12に反力が伝達される。
薄膜102の材質や厚さは、第1ピストン70がカップ72の摺動抵抗に打ち勝って移動するときの液室圧力よりも小さい圧力で、ガス室100内に侵入するように設定される。このように、第1ピストン70により圧縮される第1スプリング78により創出される反力よりも小さい反力を創出するガス室100と薄膜102とを設けることによって、ブレーキペダル踏み込みの初期段階において非常に軽いペダルフィーリングを生み出すことができる。
なお、ガス室100は、第1シリンダ60の壁面のうち、鉛直方向上側に設けることが好ましい。これは、薄膜102が第1ピストン70との接触したり疲労などにより破損した場合でも、ガス室100に封入されていたガスをガス室100の鉛直上方に滞留させて、マスタシリンダ内にガスが流出することを防止するためである。ガスがストロークシミュレータの内部に留まっている限り、カップの摺動抵抗やスプリングによって創出されるペダルフィーリングや制動性能に影響が及ぶことはない。
図5は、本実施形態のストロークシミュレータ124の特性曲線を示し、図の縦軸、横軸および点線の意味は図3と同様である。図示するように、ペダルストローク初期において、ペダル踏力が急激に立ち上がる特性曲線となっており、点線で示した狙い値の範囲内に収まる特性が得られていることが分かる。
なお、薄膜102のうちガス室100の内側に面する面は、リブを設けたり、または面粗度を粗くすることが好ましい。これによって、液室66からのブレーキオイルの排出時にガス室100の内壁に薄膜102が張り付いたままの状態になることが防止される。したがって、ペダルフィーリングが悪化したり、ガス室100の内壁から薄膜102がはがれるときに音が発生したりすることがない。
ガス室100の形状を変えることによって、ペダル踏力−ペダルストローク特性をさらに微調整することもできる。
図6(a)、(b)は、ガス室形状の別の例を示す。図示するように、ガス室104は、液室66への開口部104aから底の方向に向かうにつれて、断面積が徐々に減少するテーパー形状に形成されている。図6(a)は薄膜102がガス室104内に侵入を開始した段階であり、図6(b)はガス室104のさらに奧まで薄膜102が侵入した段階である。図6(b)の段階では、図6(a)の段階に比べて薄膜102が伸びきっている上に、先細の空間110に存在するガスも薄膜により圧縮されていることから、薄膜がガス室104のさらに奧に侵入するために必要な液圧は高くなる。逆に言えば、液室66内のブレーキオイルの圧力が上昇し薄膜102をガス室104内に押し込むにつれて、薄膜102のガス室104内への侵入は徐々に困難になる。したがって、ペダルストロークに応じた反力が徐々に高くなる特性を得ることができる。
図7は、ガス室形状のさらに別の例を示す。ガス室106は、断面積が段階的に変化する4つの部分106a〜106dから構成される。このように断面積をガス室106の開口部106eから底方向に向けた多段構成とすることによって、薄膜102のガス室106内への侵入が徐々に困難になり、ペダルストロークに対する多段階の反力を創出することができる。
図8は、ガス室形状のさらに別の例を示す。図示するように、ハウジング64内に渦巻き状の管路120を作成する。これは、ハウジング64の鋳造時に、予め渦巻き状に形成された管を埋め込んでおくことで作成可能である。管路120は、最初液室66への開口部120cから鉛直上方に向けて伸びた後、今度は下方に向かい、再び鉛直上方に向けて伸びる形状をしている。この再び鉛直上方に向かう先端部分において、管路120の内面に薄膜122を貼り付けておく。そして、薄膜122により画成されたガス室126にガスを封入する。このような構成にすると、薄膜122が破損した場合であっても、ガスは図中に点線で囲んで示す領域120bに滞留する。万が一、ガスの一部が領域120bから鉛直下方に漏れてしまった場合でも、ガスは領域120aに滞留する。このような二段構えの構成を取ることによって、薄膜の破損時にガスがマスタシリンダに流入するような事態を回避することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ピストンがカップの摺動抵抗に打ち勝って移動する前に変形を開始しガス室内に侵入する薄膜を、ストロークシミュレータの液室に隣接して設けるようにした。こうすると、ペダルストロークの初期つまりブレーキペダルの踏み込み初期において、液室内の作動液圧によってピストンが移動しスプリングの弾性力により反力を発生するより前に、ガス室内の容積変化によってペダルストロークに対する反力が発生する。これによって、ブレーキペダルの踏み込み初期に、ピストンとスプリングの組合せで創出されるペダルフィーリングより柔らかいフィーリングを創出することができ、ストロークシミュレータのペダル踏力−ペダルストローク曲線の立ち上がり特性を改善することができる。また、ガス室の形状を工夫することによって、ペダルストローク初期のペダル踏力−ペダルストローク曲線の特性をさらに微調整することが可能である。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態はあくまで例示であり、実施の形態どうしの任意の組合せ、実施の形態の各構成要素の組合せなどの変形例もまた、本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明は、ブレーキストロークシミュレータを有するものであれば、図1に示した以外の構成を有するブレーキ制御装置にも適用することができる。
本発明の一実施形態に係るブレーキ制御装置を示す系統図である。 従来のストロークシミュレータの断面を模式的に示す断面図である。 図2の従来のストロークシミュレータの特性曲線を示す図である。 本実施形態のストロークシミュレータの断面を模式的に示す断面図である。 本実施形態のストロークシミュレータの特性曲線を示す図である。 (a)、(b)は、ガス室形状の別の例を示す図である。 ガス室形状のさらに別の例を示す図である。 ガス室形状のさらに別の例を示す図である。
符号の説明
12 ブレーキペダル、 14 マスタシリンダ、 24、124、224 ストロークシミュレータ、 25 シミュレータカット弁、 60 第1シリンダ、 62 第2シリンダ、 64 ハウジング、 66 液室、 70 第1ピストン、 72 カップ、 78 第1スプリング、 82 第2ピストン、 84 第2スプリング、 100、104、106、126 ガス室、 102、122 薄膜。

Claims (6)

  1. マスタシリンダに接続され、ブレーキペダルの操作に応じた反力を発生させるブレーキストロークシミュレータにおいて、
    前記マスタシリンダからの作動液が導入される液室を有するハウジングと、
    前記ハウジング内に摺動自在に配置されており前記液室内の作動液の圧力に応じて摺動するピストンと、
    前記ピストンの摺動に伴い弾性変形することによりペダルストロークに対する反力を発生させる弾性部材と、
    前記液室内の作動液の圧力に応じて所定のガスが封入された領域の容積を変化させることによりペダルストロークに対する反力を発生させるガス反力発生手段と、
    を備えることを特徴とするブレーキストロークシミュレータ。
  2. 前記ガス反力発生手段は、
    前記液室の壁面に開口するように前記ハウジング内に形成され所定のガスが封入されるガス室と、
    前記液室と前記ガス室とを分離するように設けられ、前記液室内の作動液の圧力に応じて変形してガス室内に侵入し該ガス室の容積を変化させる弾性膜と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載のブレーキストロークシミュレータ。
  3. 前記ガス室は、前記液室内の作動液の圧力上昇に伴い前記弾性膜の侵入を妨げる形状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のブレーキストロークシミュレータ。
  4. 前記ガス室は、前記液室への開口部分から該ガス室の奥方向に向かうにつれて断面積が減少する形状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のブレーキストロークシミュレータ。
  5. 前記ガス室は、前記液室への開口部分から鉛直上方に向かう部分を少なくとも有することを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載のブレーキストロークシミュレータ。
  6. ペダルストロークの初期においては、前記ガス反力発生手段のみがペダルストロークに対する反力を発生させることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のブレーキストロークシミュレータ。
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