JP4998368B2 - 液圧制御機構 - Google Patents

液圧制御機構 Download PDF

Info

Publication number
JP4998368B2
JP4998368B2 JP2008128758A JP2008128758A JP4998368B2 JP 4998368 B2 JP4998368 B2 JP 4998368B2 JP 2008128758 A JP2008128758 A JP 2008128758A JP 2008128758 A JP2008128758 A JP 2008128758A JP 4998368 B2 JP4998368 B2 JP 4998368B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
hydraulic
valve
hydraulic pressure
chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008128758A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009274625A (ja
Inventor
勝康 大久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2008128758A priority Critical patent/JP4998368B2/ja
Publication of JP2009274625A publication Critical patent/JP2009274625A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4998368B2 publication Critical patent/JP4998368B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Braking Systems And Boosters (AREA)
  • Valves And Accessory Devices For Braking Systems (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Description

本発明は、液圧回路の液圧の制御に用いる液圧制御機構に関する。
従来、ブレーキペダルの操作力に応じた液圧を液圧回路内に発生させて、ホイールシリンダにその液圧回路内の液圧を供給することにより車両の車輪に制動力を付与する車両用液圧ブレーキ装置が知られている。このような液圧ブレーキ装置には、そのホイールシリンダの手前に増圧弁や減圧弁等の電磁弁が設けられており、これらの電磁弁を開閉制御することによってホイールシリンダへの作動液の給排量を調整して液圧を制御し、各車輪に適切な制動力を付与している。
また、ブレーキ液圧を発生する液圧源として、マスタシリンダと高圧源とを備える液圧ブレーキ装置が知られている。このような液圧ブレーキ装置は、システムが正常に機能する場合、マスタシリンダとホイールシリンダとを遮断し、高圧源を液圧源としてホイールシリンダ圧の増圧を図る制御を実行する。上記の制御において、ホイールシリンダ圧はマスタシリンダ圧に対して所定の倍力比を有する液圧に制御される。
一方、このような液圧ブレーキ装置は、システムに故障が認められる場合、マスタシリンダとホイールシリンダとを連通させて、マスタシリンダを液圧源としてホイールシリンダ圧の増圧を図る制御を実行する。上記の制御によれば、ホイールシリンダ圧をマスタシリンダ圧と等圧に制御することができる。そのため、前述の液圧ブレーキ装置によれば、システムに故障が発生しても、少なくともマスタシリンダ圧と等圧のホイールシリンダ圧を発生させることができる。
一方、前述の液圧ブレーキ装置においては、システムに故障が認められた場合、高圧源が正常であっても、ブレーキ液圧の液圧源が常に高圧源からマスタシリンダに変更される。そのため、ホイールシリンダ圧を容易に増圧することができる高圧源を有効利用することができず、この点においてなお改良の余地を残すものであった。
これに対して、特許文献1には、システムに故障が認められた場合に高圧源を液圧源として有効に利用する液圧ブレーキ装置が開示されている。この液圧ブレーキ装置は、システムに故障が認められた場合にアキュムレータ等の高圧源の液圧をリニア制御弁を介さずに直接ホイールシリンダへ伝達するポンプ液圧通路が設けられている。そして、ポンプ液圧通路とフロント液圧通路との合流部に設けられた機械式増圧弁により、高圧源を液圧源としたホイールシリンダ圧の制御が可能となる。
特開平11−48955号公報
特許文献1に記載の液圧ブレーキ装置は、前述のように、システムに故障が認められた場合に高圧源を液圧源として有効に利用することを可能としている。しかしながら、上述の機械式増圧弁は、高圧源からホイールシリンダへ供給されたブレーキフルードを素早く排出することができないため、ブレーキフィーリングの向上という観点から更なる改良の余地がある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、良好なブレーキフィーリングの実現に寄与する液圧制御機構を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の液圧制御機構は、マスタシリンダとホイールシリンダとの間の第1流路に接続され、マスタシリンダで発生する液圧に対して所定の増圧比の液圧をホイールシリンダに発生させるために、増圧時に高圧源からホイールシリンダ側へ作動液を導入可能な増圧手段と、前記第1流路と並列にマスタシリンダとホイールシリンダとの間に設けられた第2流路に接続され、減圧時にマスタシリンダの液圧の低下に応じて開弁し、ホイールシリンダ側の作動液を外部に排出する減圧手段と、を備える。
この態様によると、このような液圧制御機構が組み込まれたブレーキシステムの異常時などにおいても、高圧源の作動流体を用いてマスタシリンダの液圧に対して所定の増圧比の液圧をホイールシリンダに発生させることができる。また、増圧後にマスタシリンダの液圧が低下した場合、ホイールシリンダ側の作動流体を増圧手段が設けられている第1流路ではなく、これとは別の第2流路から外部に排出することができる。そのため、ホイールシリンダ側の作動液を第1流路を逆流させてマスタシリンダ側へ戻すよりも、マスタシリンダの液圧が低下した場合のホイールシリンダの液圧変化の応答性が向上する。
前記減圧手段は、開弁する際のマスタシリンダ圧に対するホイールシリンダ圧の比が前記増圧手段における増圧比と同じもしくはそれより小さくなるように設定されていてもよい。これにより、減圧時のホイールシリンダの液圧変化を、マスタシリンダの液圧変化に対してより近づけることができる。
前記増圧手段は、マスタシリンダから液圧の供給を受ける加圧室と、前記加圧室の液圧により一方向に付勢される移動部材と、前記移動部材を他方向に付勢する液圧を蓄える調圧室と、前記移動部材が前記一方向に所定距離を超えて変位する場合に前記高圧源と前記調圧室とを連通状態とし、かつ、前記移動部材が前記他方向に所定距離を超えて変位する場合に前記高圧源と前記調圧室とを遮断状態とする連通制御機構と、を有してもよい。前記移動部材は、調圧室側の端面の面積に対する加圧室側の端面の面積の比が前記増圧比と同じになるように構成されていてもよい。これにより、所望の増圧比を簡便な構成で実現できる。
前記減圧手段は、ハウジングと、前記ハウジングの内部に形成され、ホイールシリンダ側の作動液を導入する導入口から作動液を外部に導出する導出口までの液圧通路と、前記液圧通路の途中に設けられた弁座より導出口側に形成された弁室と、前記弁室に配設されるとともに前記弁座に接離可能に構成され、前記液圧通路を開閉可能な移動部材と、前記移動部材の移動方向の両端部のうち弁座側とは反対側の背面部に、前記弁室との間が封止されるように形成された背面室と、を有してもよい。前記移動部材は、マスタシリンダから前記背面室に流入した作動液による液圧により前記弁座に向かう方向へ力を受け、前記移動部材が前記弁座に当接した状態のシール面積に対する、前記背面室に流入した作動液による液圧が前記移動部材の端面に加わる加圧面積の比が前記増圧比と同じもしくはそれより小さくなるように構成されていてもよい。これにより、簡便な構成で減圧時のホイールシリンダの液圧変化を、マスタシリンダの液圧変化に対してより近づけることができる。
本発明によれば、良好なブレーキフィーリングの実現に寄与する液圧制御機構を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。以下の形態で説明する液圧制御機構は、液圧を制御する液圧回路であれば適用することが可能であり、例えば、車両用の電子制御式ブレーキシステムの液圧回路に用いると好適である。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
(液圧ブレーキ装置の概略)
図1は、本発明の一実施の形態に係る液圧ブレーキ装置のシステム構成を示す図である。本実施の形態の形態に係る液圧ブレーキ装置100は、電子制御ユニット10(以下、ECU10と称す)により制御される。液圧ブレーキ装置は、ブレーキペダル12を備えている。
ブレーキペダル12には、ストロークシミュレータ14を介してマスタシリンダ16が連結されている。ストロークシミュレータ14は、ブレーキペダル12が踏み込まれた場合に、ブレーキペダル12に、ブレーキ踏力に応じたストロークを付与する機構である。マスタシリンダ16は、その内部に2つの液圧室を備えている。これらの液圧室には、ブレーキ踏力に応じたマスタシリンダ圧PM/Cが発生する。
マスタシリンダ16の上部には、リザーバタンク18が配設されている。リザーバタンク18には、ブレーキフルードが貯留されている。マスタシリンダ16の液圧室とリザーバタンク18とは、ブレーキペダル12の踏み込みが解除されている場合に導通状態となる。マスタシリンダ16には、第1液圧通路20および第2液圧通路22が連通している。第1液圧通路20には、その内部に導かれる液圧、すなわち、マスタシリンダ圧PM/Cに応じた信号を出力するマスタ圧センサ24が配設されている。マスタ圧センサ24の出力信号pMCはECU10に供給されている。ECU10は出力信号pMCに基づいてマスタシリンダ圧PM/Cを検出する。
第1液圧通路20は、機械式増圧弁26および減圧弁25に連通している。第1液圧通路20は、途中で2つの流路に分岐されており、第1流路20aに機械式増圧弁26が、第2流路20bに減圧弁25がそれぞれ接続されている。機械式増圧弁26には、大気圧通路27、フロント液圧通路28、および、ポンプ液圧通路29が連通している。大気圧通路27は、リザーバタンク18に連通することにより大気圧に開放されている。フロント液圧通路28からは、機械式増圧弁26により生成された液圧が吐出される。また、ポンプ液圧通路29には、高圧のアキュムレータ圧PACCが供給される。
(液圧制御機構)
図2は、本実施の形態に係る液圧制御機構の概略を示す断面図である。図2に示すように、液圧制御機構200は、機械式増圧弁26および減圧弁25を備える。機械式増圧弁26は、マスタシリンダ16とホイールシリンダ53,56との間の、第1液圧通路20の一部を構成する第1流路20aに接続されている。そして、機械式増圧弁26は、マスタシリンダ16で発生するマスタシリンダ圧PM/Cに対して所定の増圧比のホイールシリンダ圧PW/Cをホイールシリンダ53,56に発生させるために、増圧時にアキュムレータ72からホイールシリンダ53,56側へブレーキフルードを導入可能なように構成されている。
また、減圧弁25は、第1流路20aと並列にマスタシリンダ16とホイールシリンダ53,56との間に設けられた第2流路20bに接続されている。そして、減圧弁25は、減圧時にマスタシリンダ16の液圧の低下に応じて開弁し、ホイールシリンダ53,56側の作動液を外部に排出可能に構成されている。以下に、機械式増圧弁26および減圧弁25の構成について詳述する。
(機械式増圧弁)
機械式増圧弁26は、ハウジング30を備えている。ハウジング30には、第1流路20aに連通するマスタ圧導入孔31、フロント液圧通路28に連通する液圧吐出孔32、ポンプ液圧通路29に連通する高圧導入孔33、および、大気圧通路27に連通する大気導入孔34が設けられている。
ハウジング30の内部には、段付きピストン35が配設されている。段付きピストン35には、大きな断面積Sを有する大径部36と小さな断面積sを有する小径部37とが形成されている。段付きピストン35の内部には貫通孔38が形成されている。貫通孔38の下流側端部には、ニードルバルブ39が当接可能に配設されている。貫通孔38の内部には、ニードルバルブ39の弁座として機能する弁座38aが設けられている。ニードルバルブ39と段付きピストン35との間には、第1スプリング40が配設されている。第1スプリング40は、ニードルバルブ39を弁座38aから離座させる方向の付勢力を発生する。
ハウジング30の内部には、ボール弁41、第2スプリング42、および、第3スプリング43が配設されている。また、ハウジング30の内部には、ボール弁41の弁座44が形成されている。第2スプリング42は、ボール弁41を弁座44に向けて付勢する。第3スプリング43は、段付きピストン35をマスタ圧導入孔31側へ向けて付勢する。弁座44の中央部には、ニードルバルブ39の貫通を許容する貫通孔44aが設けられている。
ハウジング30の内部には、上述した段付きピストン35およびボール弁41によって、加圧室45、調圧室46、高圧室47およびドレン室48が形成されている。加圧室45は、マスタ圧導入孔31に連通している。調圧室46は、液圧吐出孔32に連通している。高圧室47は、高圧導入孔33に連通している。また、ドレン室48は、大気導入孔34に連通している。
ハウジング30の内部には、更に、ストッパ30aが形成されている。ストッパ30aは、調圧室46の内壁に、ニードルバルブ39の変位を規制するために設けられている。一方、ストッパ30bは、ドレン室48の内壁に、段付きピストン35の変位を規制するために設けられている。すなわち、ニードルバルブ39の、図2における右側変位端は、ニードルバルブ39がストッパ30aに当接する位置に規制される。また、段付きピストン35の、図2における左側変位端は、段付きピストン35がストッパ30bに当接する位置に規制される。
(減圧弁)
減圧弁25は、ハウジング102を備えている。ハウジング102には、第2流路20bに連通するマスタ圧導入孔104、フロント液圧通路28に連通する液圧吸入孔106、および、リザーバタンク18への流路(不図示)が設けられているドレイン108と連通する排出孔110が設けられている。
ハウジング102の内部には、減圧ロッド112が配設されている。減圧ロッド112には、大きな断面積Tを有する後端面112aと、後述する弁座に当接した場合のシール面積tが後端面112aの断面積Tより小さくなるように設定されている封止部112bとが形成されている。封止部112bは、半球形状を有している。
ハウジング102の内部のうち液圧吸入孔106が設けられている側には、減圧ロッド112の封止部112bが当接する弁座114が設けられている。また、減圧ロッド112の後端面112aとハウジング102の内部のうちマスタ圧導入孔104が設けられている側との間には、第4スプリング116が配設されている。第4スプリング116は、封止部112bを弁座114に向けて付勢する。
ハウジング102の内部には、上述した減圧ロッド112によって、加圧室118およびドレン室120が形成されている。加圧室118は、マスタ圧導入孔104に連通している。ドレン室120は、排出孔110に連通している。
換言すると、減圧弁25は、ホイールシリンダ側のブレーキフルードを導入する導入口としての液圧吸入孔106から、ブレーキフルードをドレイン108に導出する導出口としての排出孔110までの液圧通路が、ハウジング102の内部に形成されている。また、減圧弁25は、弁座114より排出孔110側に形成されたドレン室120と、ドレン室120に配設されるとともに弁座114に接離可能に構成され、液圧通路を開閉可能な減圧ロッド112と、減圧ロッド112の移動方向の両端部のうち弁座114側とは反対側の背面部に、ドレン室120との間が封止されるように形成された背面室としての加圧室118と、を有している。
減圧ロッド112は、マスタシリンダ16から加圧室118に流入したブレーキフルードによる液圧により弁座114に向かう方向へ力を受ける。そして、減圧ロッド112は、減圧ロッド112が弁座114に当接した状態のシール面積tに対する、加圧室118に流入したブレーキフルードによる液圧が減圧ロッド112の端面に加わる加圧面積Tの比が、増圧比と同じもしくはそれより小さくなるように構成されている。
(液圧制御機構の動作)
以下、機械式増圧弁26および減圧弁25を備える液圧制御機構200の動作について説明する。機械式増圧弁26は、マスタシリンダ圧PM/Cが発生していない場合は図2に示す状態に維持される。かかる状況下でブレーキ操作が開始されると、マスタ圧導入孔31から加圧室45へブレーキフルードが流入する。加圧室45に流入したブレーキフルードは、貫通孔38を通って調圧室46に到達する。このため、ブレーキ操作が開始された後、加圧室45の内圧、および、調圧室46の内圧は共にマスタシリンダ圧PM/Cまで上昇する。
加圧室45および調圧室46に、共にマスタシリンダ圧PM/Cが発生すると、段付きピストン35には、F=S・PM/C−s・PM/Cで表され、かつ、調圧室46側へ向かう付勢力が作用する。その結果、ブレーキ操作が開始された後、段付きピストン35は、速やかに図2に示す位置から調圧室46側へ向かって変位し始める。
段付きピストン35の調圧室46側へ向かう変位量が所定量に到達すると、ニードルバルブ39が貫通孔38を閉塞する状態が形成される。かかる状態が形成されると、以後、段付きピストン35に作用していた付勢力Fが、ニードルバルブ39を介してボール弁41に伝達され始める。このため、段付きピストン35の変位が上記の所定量に到達すると、その後、ボール弁41が弁座44から離座する状態が形成される。
ボール弁41が弁座44から離座すると、高圧室47と調圧室46とが導通状態となる。このため、ボール弁41が開弁すると、その後、調圧室46の内圧は、マスタシリンダ圧PM/Cに比して高圧となる。この際、調圧室46に生ずる液圧をPcとすると、段付きピストン35に作用する付勢力の大きさは、F=S・PM/C−s・Pcと表すことができる。段付きピストン35は、上記の付勢力Fが正の値である場合は、ボール弁41を開弁させる方向に変位し続ける。
調圧室46の液圧Pcが充分に大きな値となると、段付きピストン35に作用する付勢力Fは負の値となる。付勢力Fが負の値となると、段付きピストン35は、ボール弁41を閉弁させる方向に変位し始める。そして、ボール弁41が弁座44に着座すると、調圧室46の内圧Pcの上昇が停止される。機械式増圧弁26においては、運転者によってブレーキ操作が実行された後に上記の動作が繰り返し実行されることにより、調圧室46の内圧Pcが、Pc=(S/s)・PM/Cで表される液圧に制御される。調圧室46に発生する液圧Pcは、液圧吐出孔32からフロント液圧通路28に吐出される。このように、機械式増圧弁26によれば、運転者によってブレーキ操作が実行された場合に、マスタシリンダ圧PM/Cに対して所定の倍力比(増圧比)S/sを有する液圧Pcを、フロント液圧通路28に供給することができる。このように、段付きピストン35の調圧室46側の小径部37の面積sと加圧室側の大径部36の面積Sとの比が調整されることで、機械式増圧弁26において所望の増圧比が簡便な構成で実現される。
一方、高圧室47に適正にアキュムレータ圧PACCが導かれていない場合は、ボール弁41を弁座44に向けて付勢する力が第2スプリング42の付勢力だけとなる。この場合、ブレーキ操作が開始された後、段付きピストン35が調圧室46側へ変位する際に、第2スプリング42の付勢力は第1スプリング40の付勢力より小さくされているため、ニードルバルブ39は、貫通孔38を閉塞することなくボール弁41を弁座44から離座させる。段付きピストン35の変位は、段付きピストン35がストッパ30bに当接するまで継続される。この際、ニードルバルブ39は、常に貫通孔38を導通状態に維持する。
このため、高圧室47の内圧が適正に昇圧されていない場合は、ブレーキ操作の実行中、調圧室46の内圧が常にマスタシリンダ圧PM/Cと等圧となる。したがって、機械式増圧弁26によれば、高圧室47の内圧が適正に昇圧されていない状況下でブレーキ操作が実行された場合に、フロント液圧通路28からマスタシリンダ圧PM/Cと等しい液圧を吐出することができる。なお、機械式増圧弁26の調圧室46に上記のようにマスタシリンダ圧PM/Cが導かれる場合は、そのマスタシリンダ圧PM/Cが、高圧室47および高圧導入孔33を介してポンプ液圧通路29にも供給される。
上述のように、本実施の形態に係る液圧制御機構200を備えた液圧ブレーキ装置では、ブレーキシステムの異常時などにおいても、アキュムレータ72などに蓄圧されているブレーキフルードを用いてマスタシリンダ16の液圧に対して所定の増圧比の液圧をホイールシリンダに発生させることができる。
このように、運転者がブレーキペダル12を操作して発生させたマスタシリンダ16の液圧を用いてホイールシリンダに制動力を発生させた後、ブレーキペダル12の操作を解除もしくは踏み込み量を少なくした場合、マスタシリンダ16で発生する液圧は低下する。しかしながら、上述の液圧ブレーキ装置では、増圧時においては、マスタシリンダ16から調圧室46に供給されたブレーキフルードだけでなく、アキュムレータ72から高圧のブレーキフルードがフロント液圧通路28や調圧室46に流入している。
そのため、減圧時に流入したブレーキフルードをすべて機械式増圧弁26を通過させてマスタシリンダ16に戻そうとすると、ホイールシリンダの液圧がスムーズに減圧されず、ホイールシリンダの減圧特性やマスタシリンダ16の液圧変化に対する応答性を十分満たすことが困難である。特に、ブレーキペダル12の戻し量が小さく、マスタシリンダ16とリザーバタンク18とが遮断されている場合、第1液圧通路20を経由してリザーバタンク18にブレーキフルードを戻せない。
そこで、本実施の形態に係る液圧制御機構200は、機械式増圧弁26が接続されている第1流路20aと並列に設けられている第2流路20bに接続される減圧弁25を備えている。減圧弁25は、減圧時にマスタシリンダ16の液圧の低下に応じて開弁し、フロント液圧通路28側のブレーキフルードをドレイン108を介してリザーバタンク18まで戻す役割を果たす。そのため、ホイールシリンダ側のブレーキフルードを第1流路20aを逆流させてマスタシリンダ16へ戻すよりも、マスタシリンダ16の液圧が低下した場合のホイールシリンダの液圧変化の応答性を向上することできる。
なお、本実施の形態に係る減圧弁25は、シール面積tと後端面112aの断面積Tとの関係が実質的にS/s=T/tを満たすように設定されている。換言すると、減圧弁25は、開弁する際のマスタシリンダ圧に対するホイールシリンダ圧の比が機械式増圧弁26における増圧比とほぼ同じに設定されている。なお、S/sとT/tの関係は完全に一致していなくてもよく、T/tの値がS/sの値よりも多少小さくなっていてもよい。これにより、減圧時のホイールシリンダの液圧変化を、マスタシリンダの液圧変化に対してより近づけることができる。
(液圧ブレーキ装置の構成および動作)
図1に示す液圧ブレーキ装置において、フロント液圧通路28には、Frメインカット弁50が配設されている。Frメインカット弁50は、常態で開弁状態を維持し、ECU10から駆動信号が供給されることにより閉弁状態となる2位置の電磁弁である。フロント液圧通路28は、Fr第1連通路51およびFr第2連通路52に分岐している。Fr第1連通路51には、右前輪FRに配設されるホイールシリンダ53が連通している。また、Fr第1連通路51には、その内部に発生する液圧、すなわち、右前輪FRのホイールシリンダ圧PM/Cに応じた信号を出力するFR圧力センサ54が連通している。FR圧力センサ54の出力信号pFRはECU10に供給されている。ECU10は、出力信号pFRに基づいて右前輪FRのホイールシリンダ圧PM/Cを検出する。
Fr第2連通路52には、Frサブカット弁55が配設されている。Frサブカット弁55は、常態で開弁状態を維持し、ECU10から駆動信号が供給されることにより閉弁状態となる2位置の電磁弁である。Fr第2連通路52には、左前輪FLに配設されるホイールシリンダ56が連通している。更に、Fr第2連通路52には、左前輪FLのホイールシリンダ圧PM/Cに応じた信号を出力するFL圧力センサ57が連通している。FL圧力センサ57の出力信号pFLはECU10に供給されている。ECU10は、出力信号pFLに基づいて左前輪FLのホイールシリンダ圧PM/Cを検出する。
マスタシリンダ16に連通する第2液圧通路22には、Rrメインカット弁58が配設されている。Rrメインカット弁58は、常態で開弁状態を維持し、ECU10から駆動信号が供給されることにより閉弁状態となる2位置の電磁弁である。第2液圧通路22は、Rr第1連通路59およびRr第2連通路60に分岐している。Rr第1連通路59には、右後輪RRに配設されるホイールシリンダ61が連通している。また、Rr第1連通路59には、その内部に発生する液圧、すなわち、右後輪RRのホイールシリンダ圧PM/Cに応じた信号を出力するRR圧力センサ62が連通している。RR圧力センサ62の出力信号pRRはECU10に供給されている。ECU10は、出力信号pRRに基づいて右後輪RRのホイールシリンダ圧PM/Cを検出する。
Rr第2連通路60には、Rrサブカット弁63が配設されている。Rrサブカット弁63は、常態で開弁状態を維持し、ECU10から駆動信号が供給されることにより閉弁状態となる2位置の電磁弁である。Rr第2連通路60には、左後輪RLに配設されるホイールシリンダ64が連通している。更に、Rr第2連通路60には、左後輪RLのホイールシリンダ圧PM/Cに応じた信号を出力するRL圧力センサ65が連通している。RL圧力センサ65の出力信号はECU10に供給されている。ECU10は、出力信号pRLに基づいて右後輪RLのホイールシリンダ圧PM/Cを検出する。
液圧ブレーキ装置は、リザーバタンク18に連通するリザーバ通路66を備えている。上述した大気圧通路27は、リザーバ通路66を介してリザーバタンク18に連通している。リザーバ通路66は、逆止弁67を介してポンプ機構68の吸入側に連通している。ポンプ機構68の吐出側は、逆止弁69を介して高圧通路70に連通している。
高圧通路70には、逆止弁71を介して上述したポンプ液圧通路29が連通している。逆止弁71は、高圧通路70側からポンプ液圧通路29側へ向かう流体の流れのみを許容する一方向弁である。高圧通路70の内圧が適正に上昇しない場合は、機械式増圧弁26の高圧室47の内圧が適正に上昇しない。この場合、上述のように、ブレーキ操作が実行されることによりポンプ液圧通路29にマスタシリンダ圧PM/Cが導かれる。逆止弁71によれば、かかる状況下で、機械式増圧弁26を介してポンプ液圧通路29に導かれるマスタシリンダ圧PM/Cが、高圧通路70側に開放されるのを防止することができる。
高圧通路70には、アキュムレータ72が連通している。アキュムレータ72は、ポンプ機構68から吐出される液圧をその内部にアキュムレータ圧PACCとして蓄えることができる。高圧通路70には、アキュムレータ圧PACCに応じた電気信号を出力するACC圧力センサ73が配設されている。ACC圧力センサ73の出力信号pACCはECU10に供給されている。ECU10は、出力信号pACCに基づいてアキュムレータ圧PACCを検出する。
高圧通路70には、更に、アキュムレータ圧PACCが上限値を超える場合にオン信号を発生するULスイッチ74、および、アキュムレータ圧PACCが下限値を超える場合にオン信号を出力するLLスイッチ76が連通している。ポンプ機構68は、ULスイッチ74の状態、および、LLスイッチ76の状態に基づいて、アキュムレータ圧PACCが常にその上限値と下限値との間に収まるように駆動される。
高圧通路70とリザーバ通路66との間には、定圧開放弁78が配設されている。定圧開放弁78は、高圧通路70側の液圧がリザーバ通路66側の液圧に比して、所定の開弁圧を超えて高圧となった場合に、高圧通路70側からリザーバ通路66側へ向かう流体の流れを許容する一方向弁である。高圧通路70には、FR増圧用リニア制御弁80(以下、FR増リニア80と称す)およびFL増圧用リニア制御弁82(以下、FL増リニア82と称す)が連通している。また、高圧通路70には、Rr増圧カット弁84を介してRR増圧用リニア制御弁86(以下、RR増リニア86と称す)およびRL増圧用リニア制御弁88(以下、RL増リニア88と称す)が連通している。Rr増圧カット弁84は、常態で閉弁状態を維持し、ECU10から駆動信号が供給されることにより開弁状態となる2位置の電磁開閉弁である。以下、上述した増圧用リニア制御弁を総称する場合は「**増リニア」と称す。
FR増リニア80はFr第1連通路51に連通している。また、FL増リニア82はFr第2連通路52に連通している。同様に、RR増リニア86およびRL増リニア88は、それぞれ、Rr第1連通路59およびRr第2連通路60に連通している。**増リニアはECU10から駆動信号が供給されていない場合は閉弁状態に維持される。また、**増リニアは、ECU10から駆動信号が供給された場合に、高圧通路70側からFr第1連通路51,Fr第2連通路52,Rr第1連通路59,Rr第2連通路60側へ、駆動信号に応じたホイールシリンダ圧が発生するようにブレーキフルードを流入させる。
Fr第1連通路51,Fr第2連通路52,Rr第1連通路59およびRr第2連通路60には、それぞれ、FR減圧用リニア制御弁90、FL減圧用リニア制御弁92、RR減圧用リニア制御弁94およびRL減圧用リニア制御弁96が連通している。以下、これらの減圧用リニア制御弁を、それぞれ、FR減リニア90、FL減リニア92、RR減リニア94およびRL減リニア96と称す。また、これらの減圧用リニア制御弁を総称する場合は「**減リニア」と称す。
**減リニアには、リザーバタンク18に連通するリザーバ通路66が連通している。**減リニアは、ECU10から駆動信号が供給されていない場合は閉弁状態に維持される。また、**減リニアは、ECU10から駆動信号が供給された場合に、Fr第1連通路51,Fr第2連通路52,Rr第1連通路59,Rr第2連通路60側から、すなわち、ホイールシリンダ53,56,61,64側からリザーバ通路66側へ、駆動信号に応じたホイールシリンダ圧が発生するようにブレーキフルードを流出させる。
次に、本実施の形態の液圧ブレーキ装置の動作について説明する。本実施の形態のシステムにおいて、システムが備えるすべての制御弁をオフ状態、すなわち、図1に示す状態に維持すると、各輪のホイールシリンダ53,56,61,64を、アキュムレータ72から遮断し、かつ、機械式増圧弁26、減圧弁25およびマスタシリンダ16と導通させることができる。この場合、左右前輪FR,FLのホイールシリンダ53,56には、機械式増圧弁26で増圧された液圧Pcが導かれる。また、左右後輪RR,RLのホイールシリンダ61,64にはマスタシリンダ16で発生されたマスタシリンダ圧PM/Cが導かれる。
上述のように、機械式増圧弁26は、マスタシリンダ16が発生するマスタシリンダ圧PM/Cをパイロット圧として、機械的な機構により液圧Pcを発生する。したがって、上記の状況下では、すべてのホイールシリンダ53,56,61,64のホイールシリンダ圧PM/Cを、何ら電気的な制御を介在させることなく、マスタシリンダ16を液圧源として制御することができる。以下、上述のように、マスタシリンダ16を液圧源として(すなわち、電気的な制御を介在させることなく)ホイールシリンダ圧PM/Cを制御する手法をマスタ加圧と称す。
本実施の形態のシステムにおいて、システムが備えるすべての開閉弁をオン状態とすると、すなわち、Frメインカット弁50、Frサブカット弁55、Rrメインカット弁58およびRrサブカット弁63を閉弁状態とし、かつ、Rr増圧カット弁84を開弁状態とすると、すべてのホイールシリンダ53,56,61,64を機械式増圧弁26、減圧弁25およびマスタシリンダ16から遮断し、かつ、すべての**増リニアの上流側にアキュムレータ圧PACCを導くことができる。
上記の状況下で、各車輪に対応する出力信号pFR,pFL,pRR,pRLが目標のホイールシリンダ圧PW/C と一致するように**増リニアおよび**減リニアを制御すると、各車輪のホイールシリンダ圧PM/Cを、アキュムレータ72を液圧源として目標のホイールシリンダ圧PM/Cに制御することができる。このように、本実施例のシステムによれば、すべての開閉弁をオン状態とし、かつ、**増リニアおよび**減リニアを適当に制御することで、マスタシリンダ16を液圧源として用いることなく、アキュムレータ72を液圧源として、各車輪のホイールシリンダ圧PM/Cを電気的な制御のみを用いて適正に制御することができる。以下、このような制御手法を、ブレーキバイワイヤ加圧(BBW加圧)と称す。
本実施の形態の液圧ブレーキ装置は、システムが正常に機能している場合は、上述したBBW加圧によって各車輪のホイールシリンダ圧PM/Cを調圧する。そして、システムに、BBW加圧の実行を妨げる故障が発生した場合は、マスタ加圧によりホイールシリンダ圧PM/Cを調圧する。上述のように、本実施の形態の液圧ブレーキ装置は、アキュムレータ圧PACCが正常に昇圧されている場合には、マスタ加圧の実行中においてもアキュムレータ圧PACCを利用して、左右前輪FR,FLのホイールシリンダ53,56にマスタシリンダ圧PM/Cに比して高圧の液圧Pcを導くことができる。このため、本実施の形態の液圧ブレーキ装置によれば、システムの故障時においてもアキュムレータ圧PACCを有効利用を図ることができる。
また、本実施の形態の液圧ブレーキ装置は、アキュムレータ圧PACCが正常に昇圧されていない場合には、機械式増圧弁26側から高圧通路70側へ液圧が開放されるのを防止しつつ、マスタシリンダ16で発生されるマスタシリンダ圧PM/Cを、左右後輪RR,RLのホイールシリンダ61,64のみならず、左右前輪FR,FLのホイールシリンダ53,56にも導くことができる。このため、本実施の形態の液圧ブレーキ装置によれば、システムの故障に対して優れたフェールセーフ機能を実現することができる。
なお、上記の実施の形態においては、ポンプ機構68およびアキュムレータ72が「高圧源」に、機械式増圧弁26の段付きピストン35が「移動部材」に、ボール弁41、弁座44およびニードルバルブ39が「連通制御機構」に、それぞれ相当している。また、ECU10は、BBW加圧の実行を妨げる故障を検出した際に、マスタ加圧を実行することによりフェールセーフが実現されている。
ところで、上記の実施の形態においては、移動部材および連通制御機構を、段付きピストン35、ボール弁41、弁座44およびニードルバルブ39等を用いて実現しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、加圧室45の液圧と高圧室47の液圧とのバランスで変位し、高圧導入孔33および大気導入孔34の一方を選択的に調圧室46に導通させるスプールバルブを用いて移動部材および連通制御機構を実現してもよい。
また、上記の実施の形態において、機械式増圧弁26は、ドレン室48が大気導入孔34から大気圧通路27を介してリザーバタンク18に連通させられていたが、大気導入孔34に大気圧通路27を接続せず、単純に大気開放するようにしてもよい。つまり、ドレン室48が常に大気圧に保たれていればよい。
以上、本発明を上述の実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
本発明の一実施の形態に係る液圧ブレーキ装置のシステム構成を示す図である。 本実施の形態に係る液圧制御機構の概略を示す断面図である。
符号の説明
10 電子制御ユニット、 12 ブレーキペダル、 14 ストロークシミュレータ、 16 マスタシリンダ、 18 リザーバタンク、 20 第1液圧通路、 20a 第1流路、 20b 第2流路、 22 第2液圧通路、 25 減圧弁、 26 機械式増圧弁、 27 大気圧通路、 28 フロント液圧通路、 29 ポンプ液圧通路、 30 ハウジング、 31 マスタ圧導入孔、 32 液圧吐出孔、 33 高圧導入孔、 34 大気導入孔、 35 ピストン、 36 大径部、 37 小径部、 38 貫通孔、 38a 弁座、 39 ニードルバルブ、 40 第1スプリング、 41 ボール弁、 42 第2スプリング、 43 第3スプリング、 44 弁座、 44a 貫通孔、 45 加圧室、 46 調圧室、 47 高圧室、 48 ドレン室、 53 ホイールシリンダ、 72 アキュムレータ、 100 液圧ブレーキ装置、 102 ハウジング、 104 マスタ圧導入孔、 106 液圧吸入孔、 108 ドレイン、 110 排出孔、 112 減圧ロッド、 112a 後端面、 112b 封止部、 114 弁座、 116 第4スプリング、 118 加圧室、 120 ドレン室、 200 液圧制御機構。

Claims (4)

  1. マスタシリンダとホイールシリンダとの間の第1流路に接続され、マスタシリンダで発生する液圧に対して所定の増圧比の液圧をホイールシリンダに発生させるために、増圧時に高圧源からホイールシリンダ側へ作動液を導入可能な増圧手段と、
    前記第1流路と並列にマスタシリンダとホイールシリンダとの間に設けられた第2流路に接続され、減圧時にマスタシリンダの液圧の低下に応じて開弁し、ホイールシリンダ側の作動液を外部に排出する減圧手段と、を備え
    前記減圧手段は、開弁する際のマスタシリンダ圧に対するホイールシリンダ圧の比が前記増圧手段における増圧比と同じもしくはそれより小さくなるように設定されている液圧制御機構。
  2. 前記増圧手段は、
    マスタシリンダから液圧の供給を受ける加圧室と、
    前記加圧室の液圧により一方向に付勢される移動部材と、
    前記移動部材を他方向に付勢する液圧を蓄える調圧室と、
    前記移動部材が前記一方向に所定距離を超えて変位する場合に前記高圧源と前記調圧室とを連通状態とし、かつ、前記移動部材が前記他方向に所定距離を超えて変位する場合に前記高圧源と前記調圧室とを遮断状態とする連通制御機構と、を有し、
    前記移動部材は、調圧室側の端面の面積に対する加圧室側の端面の面積の比が前記増圧比と同じになるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液圧制御機構。
  3. 前記減圧手段は、
    ハウジングと、
    前記ハウジングの内部に形成され、ホイールシリンダ側の作動液を導入する導入口から作動液を外部に導出する導出口までの液圧通路と、
    前記液圧通路の途中に設けられた弁座より導出口側に形成された弁室と、
    前記弁室に配設されるとともに前記弁座に接離可能に構成され、前記液圧通路を開閉可能な移動部材と、
    前記移動部材の移動方向の両端部のうち弁座側とは反対側の背面部に、前記弁室との間が封止されるように形成された背面室と、
    を有し、
    前記移動部材は、マスタシリンダから前記背面室に流入した作動液による液圧により前記弁座に向かう方向へ力を受け、
    前記移動部材が前記弁座に当接した状態のシール面積に対する、前記背面室に流入した作動液による液圧が前記移動部材の端面に加わる加圧面積の比が前記増圧比と同じもしくはそれより小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液圧制御機構。
  4. 減圧手段の前記移動部材を前記弁座に向かう方向へ付勢する付勢手段を更に備えていることを特徴とする請求項3に記載の液圧制御機構
JP2008128758A 2008-05-15 2008-05-15 液圧制御機構 Expired - Fee Related JP4998368B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008128758A JP4998368B2 (ja) 2008-05-15 2008-05-15 液圧制御機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008128758A JP4998368B2 (ja) 2008-05-15 2008-05-15 液圧制御機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009274625A JP2009274625A (ja) 2009-11-26
JP4998368B2 true JP4998368B2 (ja) 2012-08-15

Family

ID=41440437

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008128758A Expired - Fee Related JP4998368B2 (ja) 2008-05-15 2008-05-15 液圧制御機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4998368B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5392123B2 (ja) * 2010-02-02 2014-01-22 トヨタ自動車株式会社 ブレーキシステム
JP5614267B2 (ja) * 2010-12-01 2014-10-29 トヨタ自動車株式会社 液圧ブレーキシステム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009274625A (ja) 2009-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1148955A (ja) 液圧ブレーキ装置
JP5003608B2 (ja) 車両用制動装置
JP2006240542A (ja) 液圧ブレーキ装置
US8979218B2 (en) Brake system for motor vehicles
JP2007210372A (ja) ブレーキ制御装置
JP5796554B2 (ja) 車両用制動装置
JP4474323B2 (ja) ブレーキ装置
JP5120099B2 (ja) 車両用制動装置
JP2013514933A (ja) 油圧式車両ブレーキ装置
JP6245696B2 (ja) ブレーキ液圧発生装置
US20040239177A1 (en) Vehicle hydraulic brake device
JP4998368B2 (ja) 液圧制御機構
JP5407533B2 (ja) 液圧制御機構
JP5093082B2 (ja) ブレーキ液圧制御装置
JP5104586B2 (ja) 車両用制動装置
JP5240123B2 (ja) 液圧制御装置
JP4779232B2 (ja) 車両制動装置
JP2002362353A (ja) 自動車用制動油圧調節装置
JP2007176384A (ja) 車両用ブレーキ装置
JP6317659B2 (ja) 車両用ブレーキシステム
JP7443872B2 (ja) 車両用制動装置
WO2022210930A1 (ja) 車両用制動装置
WO2021200661A1 (ja) 車両用制動装置
WO2022138815A1 (ja) 車両用制動装置
JP2009067269A (ja) ブレーキ制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101006

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120326

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120417

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120430

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4998368

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150525

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees