JPH08104222A - ブレーキシステム - Google Patents

ブレーキシステム

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JPH08104222A
JPH08104222A JP23894794A JP23894794A JPH08104222A JP H08104222 A JPH08104222 A JP H08104222A JP 23894794 A JP23894794 A JP 23894794A JP 23894794 A JP23894794 A JP 23894794A JP H08104222 A JPH08104222 A JP H08104222A
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JP
Japan
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check valve
pressure
wheel brake
valve
front wheel
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JP23894794A
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Noboru Noguchi
登 野口
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アンチロック制御中は還流用ポンプによって前
後輪双方のブレーキ圧を増圧するが前輪ブレーキシリン
ダにはポンプの吐出圧を逆止弁で減圧して伝達するダイ
ヤゴナル2系統式のアンチロック型ブレーキシステムに
おいて、逆止弁の異常検出を可能とすることにより、ブ
レーキシステムの信頼性を向上させる。 【構成】逆止弁162のポンプ150の側と前輪ブレー
キシリンダ22の側との間に差圧スイッチ300を設け
るとともに、コントローラ170を、その差圧スイッチ
300が逆止弁162が正常であれば発生すべき差圧を
検出しない場合には、逆止弁162が異常であると判定
するものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、逆止弁の減圧機能を利
用して車両の前後制動力配分を適正化する形式のブレー
キシステムに関するものであり、特に、ブレーキシステ
ムの信頼性を向上させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のブレーキシステムにおいては、た
とえ荷重感知型のプロポーショニングバルブを使用して
も、特に積車時かつ前輪制動力および後輪制動力が十分
に0に近い軽制動領域(例えば、ブレーキ操作当初,摩
擦係数が低い路面上での制動時等であって、荷重感知型
のプロポーショニングバルブの折れ点前の領域等が該当
する)において、制動力の実配分線が理想配分線に対し
て後輪制動力が減少する側にやや大きく外れ、後輪ロッ
クに至らない領域での後輪制動力の十分な増加が不可能
となる。このような事態は、少なくとも軽制動領域では
実配分線が空車時であると積車時であるとを問わず一定
とされ、かつ、その軽制動領域での実配分線の勾配が空
車時に後輪先行ロックが生じないものに設定されている
ことから生じるものである。したがって、このような事
態を解決するためには、少なくとも軽制動領域において
特性が異なる複数の制動力配分を用意し、それらを選択
的に実現することが必要となる。
【0003】このような知見に基づき、本出願人は先に
次のようなブレーキシステムを開発した。すなわち、車
両の前輪ブレーキシリンダと後輪ブレーキシリンダとに
それぞれ同じ圧力源が接続されたブレーキシステムにお
いて、圧力源を前輪ブレーキシリンダに、圧力源から前
輪ブレーキシリンダに向かう向きのブレーキ液の流れは
設定開弁圧以上で許容するがその逆向きの流れは阻止す
る逆止弁を含む逆止弁装置を経て接続することにより、
逆止弁の減圧機能を利用して車両の制動力配分を適正化
するブレーキシステムを開発したのである。このブレー
キシステムにおいては、逆止弁の作用状態(減圧機能発
揮状態)では、圧力源の圧力が逆止弁の開弁圧の分だけ
減圧されて前輪ブレーキシリンダに供給されることによ
り、後輪ブレーキ圧が逆止弁の非作用状態(すなわち、
通常ブレーキ状態)におけるより逆止弁の開弁圧の分だ
け相対的に増加し、後輪制動力が逆止弁の非作用状態に
おけるより逆止弁の開弁圧の分だけ相対的に増加する制
動力配分が実現される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この開発したブレーキ
システムにおいては、逆止弁装置は実制動力配分を適正
化するという重要な役割を果たすため、逆止弁装置に全
く異常が発生しないことが望ましい。しかし、例えば、
逆止弁が弁子と弁座との間において異物をかみ込み、逆
止弁が閉じることが不可能となって減圧機能を果たすこ
とができないという異常が発生する場合がある。
【0005】このような異常は早期に発見して運転者に
知らせるなどの措置をとることが望ましい。実際に異常
が発生した事実を運転者に知らせることができないと、
実際に異常が発生しても運転者はブレーキシステムが正
常であると信じて制動操作を行うこととなり、ブレーキ
システムに対する運転者の期待が裏切られてしまい、そ
の結果、ブレーキシステムの信頼性が低下するからであ
る。
【0006】また、逆止弁装置の異常の早期発見のみな
らず、逆止弁装置に異常が発生してもそれによる逆止弁
装置の機能低下量ができる限り少なくて済むようにする
こともブレーキシステムの信頼性を向上させる有効な手
段である。
【0007】それらの知見に基づき、請求項1の発明
は、逆止弁の減圧機能によって制動力配分を適正化する
形式のブレーキシステムにおいて逆止弁装置の異常を検
出可能とすることにより、ブレーキシステムの信頼性を
向上させることを課題としてなされたものである。
【0008】請求項2の発明は、逆止弁装置の圧力源側
と前輪ブレーキシリンダ側との間における差圧の有無か
ら逆止弁装置の異常を検出することを課題としてなされ
たものである。
【0009】請求項3の発明は、逆止弁装置における弁
子と弁座との間における電気の導通状態の時間的変化の
有無から逆止弁装置の異常を検出することを課題として
なされたものである。
【0010】請求項4の発明は、逆止弁装置に異常が発
生してもそれによる逆止弁装置の機能低下量ができる限
り少なくなるようにすることにより、ブレーキシステム
の信頼性を向上させることを課題としてなされたもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】それぞれの課題を解決す
るために、請求項1の発明は、車両の前輪ブレーキシリ
ンダと後輪ブレーキシリンダとにそれぞれ同じ圧力源が
接続され、かつ、その圧力源が前輪ブレーキシリンダ
に、圧力源から前輪ブレーキシリンダに向かう向きのブ
レーキ液の流れは設定開弁圧以上で許容するがその逆向
きの流れは阻止する逆止弁を含む逆止弁装置を経て接続
されたブレーキシステムにおいて、その逆止弁装置の異
常を検出する異常検出手段を設けたことを特徴とする。
【0012】なお、圧力源と前輪ブレーキシリンダおよ
び後輪ブレーキシリンダとをそれぞれつなぐブレーキ系
統の態様は例えば、互いに独立した2本の液通路がそれ
ぞれ圧力源から延び出してそれぞれ前輪ブレーキシリン
ダと後輪ブレーキシリンダとに到達する形式としたり、
圧力源から1本の液通路が延び出した後に二股に分岐
し、その一方の先端に前輪ブレーキシリンダ、他方の先
端に後輪ブレーキシリンダがそれぞれ接続される形式と
することができる。そして、前者の形式を採用する場合
には、2本の液通路のうち圧力源と前輪ブレーキシリン
ダとをつなぐものに前記逆止弁装置が設けられるのに対
し、後者の形式を採用する場合には、1本の液通路のう
ち分岐位置と前輪ブレーキシリンダとをつなぐ部分に逆
止弁装置が設けられることとなる。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記異常検出手段を、前記逆止弁装置の前記圧力源
側と前記前輪ブレーキシリンダ側との間における差圧を
検出する差圧検出部と、その差圧検出部が逆止弁装置が
正常であれば発生すべき差圧を検出しない場合には逆止
弁装置が異常であると判定する異常判定部とを有する差
圧検出型としたことを特徴とする。
【0014】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記逆止弁を、互いに共同して前記前輪ブレーキシ
リンダから前記圧力源に向かう向きのブレーキ液の流れ
を阻止する弁子と弁座とが共に導電性を有するものと
し、かつ、前記異常検出手段を、それら弁子と弁座との
間における電気の導通状態の時間的な変化を検出する電
気的変化検出部と、その電気的変化検出部が前記逆止弁
装置が正常であれば発生すべき変化を検出しない場合に
は逆止弁装置が異常であると判定する異常判定部とを有
する電気的変化利用型としたことを特徴とする。なお、
「電気の導通状態」は例えば、電流値,電圧値,電気抵
抗値等の物理量で表すことができる。
【0015】請求項4の発明は、車両の前輪ブレーキシ
リンダと後輪ブレーキシリンダとにそれぞれ同じ圧力源
が接続され、かつ、圧力源が前輪ブレーキシリンダに、
圧力源から前輪ブレーキシリンダに向かう向きのブレー
キ液の流れは設定開弁圧以上で許容するがその逆向きの
流れは阻止する逆止弁を含む逆止弁装置を経て接続され
たブレーキシステムにおいて、その逆止弁装置を、前記
逆止弁を複数個互いに直列に接続した直列型としたこと
を特徴とする。
【0016】
【作用】請求項1の発明に係るブレーキシステムにおい
ては、異常検出手段が設けられ、逆止弁装置の異常が検
出される。
【0017】請求項2の発明はその請求項1の発明の一
実施態様としてなされたものであり、本発明に係るブレ
ーキシステムにおいては、逆止弁が弁子と弁座との間に
おいて異物をかみ込んで開き続けさせられると逆止弁装
置の圧力源側と前輪ブレーキシリンダ側との間において
差圧が発生しないのに対し、逆止弁装置が正常であれば
発生するという事実に着目し、異常検出手段が、逆止弁
装置が正常であれば発生すべき差圧を検出しない場合に
は逆止弁装置が異常であると判定する。すなわち、逆止
弁装置の異常の有無と逆止弁装置の差圧の有無との間に
成立する一定の関係を利用して逆止弁装置の異常判定を
行うのである。
【0018】逆止弁装置に差圧が発生しなくなる原因に
は、異物かみ込みという逆止弁自体の異常のみならず、
逆止弁装置に関連する他の構成要素の異常も存在する。
例えば、圧力源が圧力を発生することができない場合に
も逆止弁装置に差圧が発生せず、また、別の逆止弁(逆
止弁装置に属するか否かを問わない)に異常が発生して
圧力を保持することができない場合にも逆止弁装置に差
圧が発生しない。したがって、本発明に係るブレーキシ
ステムにおいては、逆止弁装置自体の異常のみならず、
他の構成要素の異常に起因する逆止弁装置の異常も発見
することができ、ここに「逆止弁装置の異常」とは、逆
止弁装置の圧力源側と前輪ブレーキシリンダ側との間に
差圧が発生しない状況すべてを意味することとなる。
【0019】請求項3の発明も請求項1の発明の一実施
態様としてなされたものであり、本発明に係るブレーキ
システムにおいては、逆止弁が弁子と弁座との間におい
て異物をかみ込むと逆止弁が開き続けさせられ、弁子と
弁座との間における電気の導通状態に時間的な変化が発
生しないのに対し、逆止弁装置が正常であれば発生する
という事実に着目し、異常検出手段が、逆止弁装置が正
常であれば発生すべき変化を検出しない場合には逆止弁
装置が異常であると判定する。すなわち、逆止弁装置の
異常の有無と逆止弁装置の電気の導通状態の変化の有無
との間に成立する一定の関係を利用して逆止弁装置の異
常判定を行うのである。また、逆止弁装置における弁子
と弁座とが共に導電性を有するものとされ、逆止弁装置
の構成要素の一部が電気的変化検出部の構成要素として
も機能するようになっている。
【0020】請求項4の発明においては、逆止弁装置
が、複数の逆止弁が互いに直列に接続された構成とされ
ている。したがって、それら逆止弁すべてに異物かみ込
みという異常が発生しない限り、逆止弁装置の機能が完
全に損なわれることが回避される。
【0021】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1の発明によれば、逆止弁装置の異常検出が可能とな
り、例えば、その事実を運転者に早期に報知可能となる
ため、逆止弁によって制動力配分を適正化する形式のブ
レーキシステムの信頼性が向上する。
【0022】また、請求項2の発明によれば、逆止弁装
置における差圧の有無から逆止弁装置の異常が検出され
るため、逆止弁装置の異常を早期かつ確実に検出可能と
なる。
【0023】また、請求項3の発明によれば、逆止弁装
置の一部が異常検出手段の一部としても機能するように
されているため、異常検出手段に専用の構成要素の数の
節減が可能となり、異常検出に伴う装置コストの上昇が
抑制可能となる。
【0024】また、請求項4の発明によれば、逆止弁装
置における複数の逆止弁すべてに異常が発生しない限
り、逆止弁装置の機能が完全に損なわれることが回避さ
れるため、ブレーキシステムの信頼性が向上する。
【0025】
【発明の望ましい実施態様】以下、各請求項の発明の望
ましい実施態様のいくつかを列挙する。 (1) 請求項1ないし4のいずれかに記載のブレーキシス
テムであって、4輪車両に設けられ、マスタシリンダの
互いに独立した2個の加圧室の各々から互いに独立して
延びる2個のブレーキ系統がダイヤゴナルに構成され、
各ブレーキ系統ごとに、(a) マスタシリンダの各加圧室
と前記前輪ブレーキシリンダとを接続する前輪ブレーキ
通路の途中から後輪ブレーキ通路が分岐して前記後輪ブ
レーキシリンダに至り、(b) 前輪ブレーキ通路のうち後
輪ブレーキ通路の接続位置よりマスタシリンダの側の部
分に、アンチロック制御状態では閉じられ、それ以外の
状態では開かれるマスタシリンダカット弁が設けられ、
(c) 後輪ブレーキ通路に常開の開閉弁である中間弁が設
けられ、(d) 後輪ブレーキ通路のうち中間弁の接続位置
より後輪ブレーキシリンダの側の部分にリザーバから延
びるリザーバ通路が接続され、(e) そのリザーバ通路に
常閉の開閉弁である減圧弁が設けられ、(f)リザーバ
と、後輪ブレーキ通路のうち前輪ブレーキ通路の接続位
置と中間弁の接続位置との間の部分とをつなぐポンプ通
路に、リザーバからブレーキ液を汲み上げるポンプが設
けられ、(g) それらマスタシリンダカット弁,中間弁,
減圧弁およびポンプがそれぞれコントローラにより制御
されることによってアンチロック制御が実行され、(h)
前記逆止弁装置が、後輪ブレーキ通路のうち前輪ブレー
キ通路の接続位置とポンプ通路の接続位置との間の部分
に設けられ、ポンプから前輪ブレーキシリンダに向かう
向きのブレーキ液の流れを実質的に0でない開弁圧(設
定開弁圧)以上で許容するがその逆向きの流れは阻止す
る第一逆止弁(請求項1〜4の各発明における「逆止
弁」の一例である)と、前輪ブレーキシリンダからポン
プに向かう向きのブレーキ液の流れを実質的に0である
開弁圧以上で許容するがその逆向きの流れは阻止する第
二逆止弁とが互いに並列に接続されて構成されているも
のを含むアンチロック型ブレーキシステム。
【0026】(2) 上記(1) に記載のアンチロック型ブレ
ーキシステムであって、前記後輪ブレーキ通路のうち前
輪ブレーキ通路の接続位置とポンプ通路の接続位置とを
つなぐ部分のうちの少なくとも一部が互いに独立した円
形断面部分通路(内側部分通路)と環状断面部分通路
(外側部分通路)とが同心的に形成された構成とされ、
前記逆止弁装置が、それら円形断面部分通路と環状断面
部分通路との一方に前記第一逆止弁、他方に前記第二逆
止弁がそれぞれ設けられた構成とされているアンチロッ
ク型ブレーキシステム。
【0027】
【実施例】以下、各請求項の発明を図示のいくつかの実
施例に基づいて具体的に説明する。
【0028】図1に示す実施例はダイヤゴナル2系統式
のアンチロック型ブレーキシステムである。図において
符号10はマスタシリンダを示している。マスタシリン
ダ10は互いに独立した2個の加圧室が直列に並んだタ
ンデム型である。このマスタシリンダ10は、ブースタ
12を介してブレーキ操作部材としてのブレーキペダル
14に連携させられており、運転者によるブレーキペダ
ル14の踏込みに応じて2個の加圧室に互いに等しい高
さの液圧をそれぞれ機械的に発生させる。
【0029】マスタシリンダ10の一方の加圧室には、
左前輪の液圧作動式のブレーキシリンダ(以下、単に
「ブレーキシリンダ」という)と右後輪のブレーキシリ
ンダとがそれぞれ接続され、他方の加圧室には、右前輪
のブレーキシリンダと左後輪のブレーキシリンダとがそ
れぞれ接続されている。マスタシリンダ10の各加圧室
から延びる2個のブレーキ系統が互いに独立してダイヤ
ゴナルに構成されているのである。以下、一方のブレー
キ系統のみを詳細に説明し、他のブレーキ系統について
は、互いに構成が共通するため、説明を省略する。
【0030】マスタシリンダ10の一方の加圧室は前輪
ブレーキ通路20により前輪ブレーキシリンダ22に接
続されている。その前輪ブレーキ通路20の途中から後
輪ブレーキ通路24が分岐させられており、その先端が
後輪ブレーキシリンダ26に接続されている。
【0031】前輪ブレーキ通路20のうち後輪ブレーキ
通路24の接続位置よりマスタシリンダ10の側の部分
には常開の第一開閉弁100が設けられている。前輪ブ
レーキ通路20にはまた、第一開閉弁100をバイパス
する戻り通路102が接続されており、その途中に逆止
弁104が設けられている。逆止弁104は、マスタシ
リンダ10から前輪ブレーキシリンダ22に向かう向き
のブレーキ液の流れを阻止するがその逆向きの流れを実
質的に0である開弁圧以上で許容するものとされてい
る。
【0032】後輪ブレーキ通路24にプロポーショニン
グバルブ(以下、単に「Pバルブ」という)110が設
けられている。このPバルブ110は図2に示すよう
に、有底円筒状のハウジング112を有する。ハウジン
グ112には、大径部114と小径部116とを有する
段付状のシリンダボア118が形成されており、それに
大径部120と小径部122とを有する段付状のバルブ
ピストン124が摺動可能に嵌合されている。バルブピ
ストン124は付勢手段としてのスプリング126によ
り、大径部120の先端面がハウジング112の、小径
部116の側の底面に当接する非作用位置に常時付勢さ
れている。シリンダボア118とバルブピストン124
との間にはシール部材としてのカップシール128が配
設されている。このカップシール128によりシリンダ
ボア118内の空間が2個に仕切られており、シリンダ
ボア118の大径部114の側の空間が入力室130、
小径部116の側の空間が出力室132とされている。
入力室130はマスタシリンダ10、出力室132は後
輪ブレーキシリンダ26にそれぞれ接続されている。
【0033】カップシール128は一方向シール部13
4と双方向シール部136とを備えている。一方向シー
ル部134は、シリンダボア118の大径部114の表
面に密着して入力室130から出力室132へ向かう向
きのブレーキ液の流れを阻止し、大径部114の表面か
ら離間してその逆向きの流れを許容する。一方、双方向
シール部136は、非作用位置から作用位置に向かって
前進(図において右方に移動)したバルブピストン12
4の、大径部120と小径部122との間の肩面に着座
して入力室130と出力室132との間の双方向の流れ
を阻止し、その肩面から離間して双方向の流れを許容す
る。
【0034】なお、カップシール128のうち入力室1
30に対向する側の面と出力室132に対向する側の面
とにはそれぞれ、複数の半球状の突起がバルブピストン
124と同心の円周に沿って形成されている。入力室1
30の側の突起は、カップシール128がバルブピスト
ン124に完全に密着することを阻止し、一方、出力室
132の側の突起は、カップシール128がシリンダボ
ア118の肩面に完全に密着することを阻止する。
【0035】図1に示すように、後輪ブレーキ通路24
のうちPバルブ110の接続位置よりマスタシリンダ1
0の側の部分に常開の第二開閉弁140が接続されてい
る。また、後輪ブレーキ通路24のうちその第二開閉弁
140の接続位置とPバルブ110の接続位置との間の
部分にはリザーバ通路142が接続されている。リザー
バ通路142はリザーバ144から延びており、その途
中に常閉の第三開閉弁146が設けられている。すなわ
ち、本実施例においては、第一開閉弁100が「マスタ
シリンダカット弁」、第二開閉弁140が「中間弁」、
第三開閉弁146が「減圧弁」としてそれぞれ機能する
ようになっているのである。
【0036】リザーバ144からはまた、ポンプ通路1
48も延びている。ポンプ通路148の途中にはリザー
バ144からブレーキ液を汲み上げるポンプ150が設
けられている。ポンプ150はブレーキ液を間欠的に吐
き出す形式の一例であるプランジャ式であり、モータ1
52によって駆動される。ポンプ通路148のブレーキ
液の吐出口は、後輪ブレーキ通路24のうち第二開閉弁
140の接続位置よりマスタシリンダ10の側の部分に
接続されている。
【0037】後輪ブレーキ通路24のうち第二開閉弁1
40の接続位置とPバルブ110の接続位置との間の部
分は戻り通路154によって、前輪ブレーキ通路20の
うちマスタシリンダ10の接続位置と第一開閉弁100
の接続位置との間の部分に接続されている。この戻り通
路154には逆止弁156が設けられている。逆止弁1
56は、マスタシリンダ10から後輪ブレーキシリンダ
26に向かう向きのブレーキ液の流れを阻止するがその
逆向きの流れは実質的に0である開弁圧以上で許容する
ものである。
【0038】後輪ブレーキ通路24のうちポンプ通路1
48の接続位置よりマスタシリンダ10の側には逆止弁
装置160が設けられている。この逆止弁装置160
は、開弁圧が実質的に0でない第一逆止弁162と開弁
圧が実質的に0である第二逆止弁164とが互いに逆向
きかつ並列に接続された構成とされている。本実施例に
おいては、アンチロック制御状態では原則としてポンプ
150が圧力源とされるため、逆止弁装置160は、減
圧用の第一逆止弁162がポンプ150から前輪ブレー
キシリンダ22に向かう向きのブレーキ液の流れを設定
開弁圧以上で許容する逆止弁として機能するように配置
されているのである。
【0039】マスタシリンダ10,ポンプ150,前輪
ブレーキシリンダ22および後輪ブレーキシリンダ26
の間でのブレーキ液の流れを図3に基づいて説明する。
なお、この図にはブレーキ液圧回路の主要部がPバルブ
110および常開の第二開閉弁140双方の存在を無視
して概念的に表されている。
【0040】本実施例においては、ポンプ150が作動
しない通常ブレーキ状態では、マスタシリンダ10から
のブレーキ液が第一開閉弁100を経て前輪ブレーキシ
リンダ22に供給されるとともに、第一開閉弁100お
よび第二逆止弁164を経て後輪ブレーキシリンダ26
にも供給される。第二逆止弁164の開弁圧は実質的に
0であるから、結局、前輪ブレーキシリンダ22と後輪
ブレーキシリンダ26とに互いに等しいブレーキ圧が発
生することになる。
【0041】これに対し、ポンプ150が作動している
状態では、第一開閉弁100が閉じられており、ポンプ
150から吐き出されたブレーキ液が第一逆止弁162
を経て前輪ブレーキシリンダ22に供給されるととも
に、そのまま後輪ブレーキシリンダ26に供給される。
第一逆止弁162の開弁圧は実質的に0ではないから、
結局、前輪ブレーキシリンダ22に後輪ブレーキ圧より
第一逆止弁162の開弁圧だけ低い圧力が供給されるこ
ととなる。
【0042】すなわち、通常ブレーキ状態ではマスタシ
リンダ10が圧力源(図において「第二の圧力源」で表
す)として機能し、前輪ブレーキシリンダ22と後輪ブ
レーキシリンダ26とに等圧のブレーキ圧をそれぞれ発
生させ、これに対し、ポンプ作動状態ではポンプ150
が圧力源(図において「第一の圧力源」で表す)として
機能し、前輪ブレーキシリンダ22と後輪ブレーキシリ
ンダ26とに前輪ブレーキ圧が後輪ブレーキ圧より低い
関係となるブレーキ圧をそれぞれ発生させることになる
のである。なお、第一逆止弁162および第二逆止弁1
64の具体的構成については後に詳述する。
【0043】以上説明した第一開閉弁100,第二開閉
弁140および第三開閉弁146は図1に示すように、
それぞれのソレノイドにおいてコントローラ170と接
続されている。コントローラ170はCPU,ROM,
RAMおよびバスを含むコンピュータ,A/Dコンバー
タ,ドライバ等を主体として構成されており、それら開
閉弁100,140,146の開閉状態を制御する。ま
た、コントローラ170は、前輪の回転速度と後輪の回
転速度とをそれぞれ検出する速度センサ172,174
とも接続され、それらからの信号に基づいて開閉弁10
0,140,146を制御する。
【0044】このコントローラ170はまた、前記モー
タ152とも接続され、モータ152の駆動状態すなわ
ちポンプ150の駆動状態も制御する。ポンプ150は
原則としてリザーバ144が空である場合には、駆動が
禁止される。アンチロック制御中は全期間駆動し続ける
ようにして各請求項の発明を実施することは可能である
が、本実施例においては、ポンプ150等の作動音の極
力低減化のため、汲み上げるべきブレーキ液がない場合
にはポンプ150等が停止させられるようにされている
のである。
【0045】なお、リザーバ144が空になった状態を
検出する方法としては、例えば、リザーバ144におい
て摺動可能に嵌合されるとともに付勢手段としてのスプ
リング175によって付勢されるピストン176の軸方
向位置をセンサ(例えば、近接スイッチ等)によって検
出して空の状態を直接に検出する方法としたり、モータ
152の電流値を検出してモータ152にかかる負荷が
設定値より小さくなったか否か,モータ152の連続運
転時間が設定値より長くなったか否か等を判定すること
によって空の状態を間接に検出する方法とすることがで
きる。
【0046】以下、コントローラ170による開閉弁1
00,140,146の制御を詳しく説明する。コント
ローラ170は、車両制動中、各速度センサ172,1
74からの信号に基づく各輪の回転状況(例えば、車輪
減速度,スリップ量,スリップ比等)に基づき、各輪に
ロック傾向が生じたか否かを判定する。一方、開閉弁1
00,140,146の開閉状態の組み合わせにより実
現可能なモードは、次のモード表に示すように7種類あ
る。
【0047】
【表1】
【0048】したがって、コントローラ170は、(a)
2個のブレーキ系統のうち前輪および後輪の少なくとも
一つにでもロック傾向が生じたと判定したものの各々に
つき、各輪ごとにそれの回転状況に基づいて減圧要求を
出すべきか、保持要求を出すべきか、または増圧要求を
出すべきかを決定し、(b) 次に、7種類のモードのう
ち、前輪と後輪とについてそれぞれ決定した液圧制御要
求に合致するモードを今回のモードに決定し、(c) その
後、その決定した今回のモードを実行する。そのため、
ROMに、各輪ごとに、それの回転状況に基づいてその
各輪に対して出すべき液圧制御要求を決定するための図
示しないルーチンや、各開閉弁100,140,146
ごとに、各輪に対して出された液圧制御要求に基づいて
各開閉弁100,140,146のソレノイドのON/
OFF状態を制御するための図示しないルーチンが予め
記憶されている。
【0049】以下、アンチロック制御の内容を具体的に
説明する。まず、前輪および後輪のうちの前輪に最初に
ロック傾向が生じた場合について説明する。この場合、
前輪ブレーキ圧をまず減圧する必要がある。ただし、前
記モード表から明らかなように、前輪ブレーキ圧のみ減
圧するモードは存在しない。したがって、まず、第七モ
ードすなわち双方減圧モードが実行される。
【0050】この第七モードでは、まず、第一開閉弁1
00のソレノイドがONされて第一開閉弁100が閉じ
られて、前輪ブレーキシリンダ22および後輪ブレーキ
シリンダ26双方がマスタシリンダ10から切り離され
る。それに伴い、第三開閉弁146のソレノイドがON
されて第三開閉弁146が開かれ、これにより、前輪ブ
レーキシリンダ22は第二逆止弁164,常開の第二開
閉弁140および現在開状態の第三開閉弁146を経て
リザーバ144に連通させられ、前輪ブレーキシリンダ
22内のブレーキ液がリザーバ144内に排出されて前
輪ブレーキ圧が低下させられる。一方、後輪ブレーキシ
リンダ22については、Pバルブ110および現在開状
態の第三開閉弁146を経てリザーバ144に連通させ
られ、これにより、後輪ブレーキ圧が低下させられる。
すなわち、この第七モードが「双方減圧モード」なので
ある。
【0051】前輪ブレーキ圧の減圧の結果、前輪のロッ
ク傾向が解消されたかまたは解消傾向が生じた後には、
この第七モードの今回の実行が終了し、その後、前輪お
よび後輪のその後のロック傾向に応じ、それが解消され
るように第四〜第七モードが択一的に実行される。
【0052】第四モードでは、第一開閉弁100および
第三開閉弁146がともに閉じられ、第二開閉弁140
のみ開かれる。したがって、ポンプ150から吐き出さ
れたブレーキ液は、第一逆止弁162を経て前輪ブレー
キシリンダ22に供給され、その結果、前輪ブレーキ圧
が増圧され、一方、現在開状態にある第二開閉弁140
およびPバルブ110を経て後輪ブレーキシリンダ26
にも供給され、その結果、後輪ブレーキ圧も増圧され
る。すなわち、第四モードは、双方増圧モードなのであ
る。このとき、前輪ブレーキシリンダ22にはポンプ1
50の吐出圧が第一逆止弁162の開弁圧だけ減圧され
て伝達されるため、アンチロック制御による減圧制御お
よびPバルブ110による減圧制御の双方の影響を受け
ない元のブレーキ圧配分として、前輪ブレーキ圧が後輪
ブレーキ圧に対して第一逆止弁162の開弁圧だけ低い
関係を有するブレーキ圧配分が実現されることになる。
このブレーキ圧配分に対応する制動力配分が図5におい
て第二基本配分線として表されている。
【0053】一方、第五モードでは、開閉弁110,1
40,146がいずれも閉じられるため、前輪ブレーキ
圧については、第四モードにおけると同様に、ポンプ1
50によって増圧されるが、後輪ブレーキ圧について
は、保持される。すなわち、このモードは「前輪ポンプ
増圧・後輪保持モード」なのである。
【0054】この第五モードにおいては、ポンプ150
から吐き出されたブレーキ液は後輪ブレーキシリンダ2
6には供給されず、前輪ブレーキシリンダ22にのみ供
給される。これに対し、上記の第四モードでは、後輪ブ
レーキシリンダ26にも供給される。したがって、この
第五モードにおける方が第四モードにおけるより、前輪
ブレーキ圧の増圧勾配が急になる。すなわち、図4にグ
ラフで概念的に表すように、前輪ブレーキ圧の変化にの
み着目すれば、第四モードは緩増圧モード、第五モード
は急増圧モードとなり、一方、後輪ブレーキ圧の変化に
のみ着目すれば、第四モードは増圧モード、第五モード
は保持モードとなるのである。
【0055】また、第六モードでは、第一開閉弁100
および第二開閉弁140がともに閉じられ、第三開閉弁
146のみ開かれるため、前輪ブレーキ圧については、
第四モードにおけると同様に、ポンプ150によって増
圧されるが、後輪ブレーキ圧については、減圧される。
すなわち、このモードは「前輪ポンプ増圧・後輪減圧モ
ード」なのである。
【0056】なお、前輪についてのアンチロック制御中
は原則として第一〜第三モードは実行されない。第一〜
第三モードは第一開閉弁100を開かせるものである
が、アンチロック制御中は前輪ブレーキシリンダ22お
よび後輪ブレーキシリンダ26をマスタシリンダ10か
ら切り離し、ポンプ150の吐出圧低下,脈動軽減等を
図るためである。
【0057】ただし、ポンプ150がリザーバ144内
のブレーキ液すべてを汲み上げてリザーバ144が空に
なった後に、前輪ブレーキ圧または後輪ブレーキ圧を増
圧する必要が生じた場合には、それら第一〜第三モード
のいずれかに適宜切り換え、マスタシリンダ10からの
ブレーキ液によって前輪ブレーキ圧または後輪ブレーキ
圧を増圧する。
【0058】なお、リザーバ144が空になったか否か
の検出には、前述の方法の他にも、例えば、前輪ブレー
キシリンダ22の減圧時間とモータ152の駆動時間と
の関係を用いることによって推定する方法を採用するこ
とができる。リザーバ144内におけるブレーキ液の残
量は、リザーバ144へのブレーキ液の流入量からリザ
ーバ144からのブレーキ液の流出量を差し引くことに
よって求めることができ、かつ、流入量は前輪ブレーキ
シリンダ22の減圧時間から推定可能であり、流出量は
モータ152の駆動時間から推定可能であるからであ
る。
【0059】また、第四モードまたは第五モードにより
前輪ブレーキ圧がポンプ150によって増圧される際に
は、逆止弁104がリリーフ弁として機能するため、前
輪ブレーキ圧がマスタシリンダ圧より高くなることが防
止されている。
【0060】以上、前輪に最初にロック傾向が生じた場
合について説明したが、次に、後輪に最初にロック傾向
が生じた場合について説明する。
【0061】この場合、後輪ブレーキ圧のみまず減圧す
れば足りる。したがって、まず第三モードが実行され
る。第一開閉弁100と開状態のままとされ、第二開閉
弁140は閉じられ、第三開閉弁146は開かれるので
あり、これにより、前輪ブレーキ圧については、アンチ
ロック制御が実質的には行われずにマスタシリンダ10
によって増圧され、一方、後輪ブレーキ圧については、
現在開状態にある第三開閉弁146により、減圧される
ことになる。
【0062】その後、第一〜第七モードが択一的に実行
されることになるが、前輪にロック傾向が生じない期間
については、第一〜第三モードが択一的に実行されるこ
とによって後輪についてのみアンチロック制御が行わ
れ、一方、前輪にもロック傾向が生じるか、または後輪
についてはロック傾向が解消され、前輪のみロック傾向
が生じる場合には、前記の、前輪に最初にロック傾向が
生じた場合に準じて前輪または後輪についてアンチロッ
ク制御が行われることになる。
【0063】後輪に最初にロック傾向が生じるのは、例
えば、車両制動がまたぎ路上で行われる場合であって、
路面のうち摩擦係数が高い部分に前輪、低い部分に後輪
が接する場合である。この場合、前輪については、ロッ
クしない範囲でできる限り前輪ブレーキ圧を高めること
が路面の利用率を高めて制動距離の短縮を図る上で望ま
しく、一方、後輪については、タイヤのコーナリングフ
ォースをできる限り大きくし、車両の方向安定性の向上
を図ることが望ましい。すなわち、後輪ブレーキ圧の増
圧なしで前輪ブレーキ圧を増圧するか、または前輪ブレ
ーキ圧の減圧なしで後輪ブレーキ圧を減圧することがで
きるようになっていることが望ましいのである。本実施
例においては、第五または第六モードにより、後輪ブレ
ーキ圧の増圧なしで前輪ブレーキ圧の増圧が達成され、
また、第六モードにより、前輪ブレーキ圧の減圧なしで
後輪ブレーキ圧の減圧が達成される。したがって、本実
施例によれば、前輪が路面の摩擦係数の高い側、後輪が
路面の摩擦係数の低い側に接するまたぎ路上の車両制動
時に、制動距離の短縮と車両の方向安定性の向上とを両
立させることができる。
【0064】ここで、制動力配分を図5に示すグラフに
基づいて具体的に説明する。通常ブレーキ状態において
は、運転者がブレーキペダル14の踏込みを開始すれ
ば、ポンプ150ではなくマスタシリンダ10が圧力源
として機能するため、逆止弁装置160の存在とは無関
係に、マスタシリンダ圧が減圧なしで前輪ブレーキシリ
ンダ22に伝達される。したがって、制動力配分点はグ
ラフにおいて点0から第一基本配分線およびPバルブ1
10の第一折れ線に沿って移動する。
【0065】車両が現在、軽積載状態の一例である空車
状態にあると仮定すれば、ブレーキ操作力の増加により
前輪がロックする直前の状態に至ったときは、制動力配
分点は点aに至る。そして、この状態でブレーキ操作力
がさらに増加させられ、前輪ブレーキ圧が上昇させられ
たため、前輪のロック傾向が過大になり、アンチロック
制御が開始されたと仮定すると、前輪ブレーキ圧および
後輪ブレーキ圧の双方に対して減圧モードが実行され、
その結果、制動力配分点はグラフにおいて点aから左側
に移動し、第一基本配分線または第一折れ線上の点に到
達する。今回はその点が点bであると仮定する。
【0066】その後、前輪のロック傾向が解消され、前
輪ブレーキ圧および後輪ブレーキ圧双方に対してポンプ
増圧モードの実行が開始されたと仮定すると、このころ
にはリザーバ144にブレーキ液が存在するのが普通で
あるから、ポンプ150の吐出圧が第一逆止弁162の
開弁圧だけ減圧されて前輪ブレーキシリンダ22に伝達
され、後輪ブレーキシリンダ26には減圧なしで伝達さ
れる。ポンプ150からのブレーキ液の吐出しが開始さ
れれば、第一逆止弁162が開かれるまでは前輪ブレー
キ圧がそのままに維持されて前輪制動力もそのままに維
持され、後輪ブレーキ圧すなわち後輪制動力のみが上昇
する。したがって、制動力配分点はグラフにおいて点b
から後輪制動力の座標軸の正の向きに移動し、その後、
制動力配分点は第二基本配分線またはPバルブ110の
第二折れ線との交点に到達する。なお、第二基本配分線
および第二折れ線は、第一基本配分線および第一折れ線
をそれぞれ、前輪制動力の座標軸の負の方向に、後輪制
動力の座標軸との交点が第一逆止弁162の開弁圧に対
応する点となるまで平行移動させることによって作成さ
れる。今回は、第二折れ線との交点が点cであると仮定
する。その後、制動力配分点はグラフにおいて点cから
第二折れ線に沿って上昇し、空車時後輪ロック線との交
点である点dに到達する。その後は後輪ロックが解消さ
れるようにアンチロック制御が実行される。
【0067】これに対し、車両は現在、重積載状態の一
例である積車状態にあると仮定すれば、ブレーキ操作力
の増加により前輪がロックする直前の状態に至ったとき
は、制動力配分点は点eに至る。そして、この状態でブ
レーキ操作力がさらに増加させられたためにアンチロッ
ク制御が開始され、その結果、制動力配分点は点bに移
動したと仮定する。
【0068】その後、前輪のロック傾向が解消され、前
輪ブレーキ圧および後輪ブレーキ圧双方に対してポンプ
増圧モードの実行が開始されたと仮定すると、前記の場
合と同様に、制動力配分点がグラフにおいて点bから後
輪制動力の座標軸の正の向きに移動して点cに到達す
る。その後、さらにポンプ増圧モードの実行が継続さ
れ、制動力配分点がグラフにおいて点cから第二折れ線
に沿って上昇し、積車時前輪ロック線との交点である点
fに到達する。その後は前輪ロックが解消されるように
アンチロック制御が実行される。
【0069】したがって、本実施例においては、積車時
であるにもかかわらず第一基本配分線の下にアンチロッ
ク制御を行った場合に比較して、前輪制動力と後輪制動
力との和すなわち車両全体としての制動力が増加し、制
動距離が短縮されるという効果が得られる。さらに、本
実施例によれば、グラフから明らかなように、積車状態
においては、Pバルブ110の折れ点以下の領域である
軽制動領域から後輪ブレーキ圧すなわち後輪制動力の有
効な増加が可能となり、このことによっても制動距離が
短縮される効果が得られる。
【0070】ここで、逆止弁装置160の具体的な構成
について説明する。本実施例においては、逆止弁装置1
60と第二開閉弁140とが互いに一体的に構成されて
いる。すなわち、図1に示すブレーキシステムのうち一
点鎖線の枠で囲まれた部分がバルブユニットとされて部
品点数の削減,装置サイズの小形化等が図られているの
である。以下、図6に基づいて詳しく説明する。
【0071】第二開閉弁140はハウジング200に設
けられている。第二開閉弁140は、よく知られている
ように、ソレノイド202内に同心に棒状の駆動部材2
04が摺動可能に配設された構成とされている。駆動部
材204は固定部材としての筒状の支持部材206によ
り摺動可能に支持されている。駆動部材204の先端部
(図において上側の端部)には半球状の弁子208が形
成される一方、筒状の弁座形成部材210が前記支持部
材206に同心に固定されている。弁座形成部材210
は弁子208に対向する側の端部に環状の弁座212を
形成するものであり、弁子208と共同して開閉弁を構
成する。弁座形成部材210の中心部には連通路214
が貫通させられ、弁座212において開口させられてい
る。
【0072】前記ハウジング200には、前輪ブレーキ
シリンダ22と後輪ブレーキシリンダ26とをつなぐた
めの円形断面の通路216が形成されている。この通路
216内に前記弁座形成部材210が同心にかつ適当な
隙間を隔てて固定的に配置されているのである。その結
果、通路216内に環状断面の通路218が形成され、
この通路218は連通路214と同心に配置されてい
る。
【0073】通路218には、第二逆止弁164の一例
である一方向シール部材としてのカップシールと両方向
シール部材としてのOリング220とが前輪ブレーキシ
リンダ22から後輪ブレーキシリンダ26に向かって順
に配置されており、これにより、通路218が、前輪ブ
レーキシリンダ22側の部分と、後輪ブレーキシリンダ
26の側の部分と、両者の中間の部分222とに仕切ら
れている。そして、その中間の部分222にポンプ15
0のポンプ通路148の先端が接続されるとともに、弁
座形成部材210に連通路214と通路218とを互い
に連通させる通路224が形成されている。また、連通
路214のうちその通路224との接続位置より前輪ブ
レーキシリンダ22の側の部分に第一逆止弁162の一
例であるスプリング付き逆止弁が配設されている。この
スプリング付き逆止弁は、弁子としてのボール226が
付勢手段としてのスプリング228によって円形の弁座
230(これも弁座形成部材210に形成されている)
に押し付けられる構成とされている。
【0074】以上の構成により、前輪ブレーキシリンダ
22の側から中間の部分222へのブレーキ液の流入
は、第一逆止弁162によっては常時阻止され、第二逆
止弁164によっては実質的に0である開弁圧以上で許
容される。また、中間の部分222から前輪ブレーキシ
リンダ22の側へのブレーキ液の排出は、第一逆止弁1
62によってはスプリング228の弾性力によって決ま
る設定開弁圧以上で許容され、第二逆止弁164によっ
ては常時阻止される。また、中間の部分222と後輪ブ
レーキシリンダ26との間のブレーキ液の導通は第二開
閉弁140のみによって制御される。なお、図において
符号232は、弁子208を弁座212から離間する向
きに常時付勢する付勢手段としてのスプリングを示して
いる。
【0075】コントローラ170はまた、図7にフロー
チャートで表されている異常検出ルーチンを実行する。
本ルーチンは、車両走行開始当初におけるイニシャルチ
ェックとして逆止弁装置160の異常を検出し、さら
に、アンチロック制御中においても逆止弁装置160の
異常を検出するためのルーチンである。イニシャルチェ
ックにおいては、開閉弁100等を予め設定されたパタ
ーンに従って駆動してアンチロック制御を疑似的に実行
することにより異常検出が行われ、一方、アンチロック
制御中においては、開閉弁100等が予め設定された作
動状態にある場合に異常検出が行われる。いずれの検出
も逆止弁装置160に設けられた差圧スイッチを用いて
行われ、逆止弁装置160が正常であればそれのポンプ
側と前輪ブレーキシリンダ側との間において差圧が発生
すべきときに差圧が発生したか否かを判定し、発生しな
い場合に逆止弁装置160が異常であると判定するので
ある。
【0076】なお、逆止弁装置160に差圧が発生すべ
きときに発生しない原因としては、第一逆止弁162の
異常のみならず、例えば、第二逆止弁164の異常,ポ
ンプ150の異常,ポンプ150の吐出し側と吸込み側
とにそれぞれ設けられた図示しない逆止弁の異常も考え
られるが、本実施例においては、設計上、差圧が発生し
ないときは逆止弁装置160が異常であると判定するよ
うになっている。
【0077】ここで、差圧スイッチの具体的な構成につ
いて説明する。差圧スイッチは図1に示すように、符号
300として逆止弁装置160のポンプ側と前輪ブレー
キシリンダ側との間に接続されている。差圧スイッチ3
00においては、図8に示すように、有底円筒状のハウ
ジング302に差圧ピストン304が実質的に気密かつ
摺動可能に嵌合されている。この差圧ピストン304に
は前輪ブレーキシリンダ側圧力とポンプ側圧力とが互い
に逆向きに、かつ等しい受圧面積で作用するようにされ
ている。なお、図において306および308はそれぞ
れ大気圧室である。差圧スイッチ300にはさらにスイ
ッチ部320も設けられている。スイッチ部320は、
固定接点322と可動接点324とを有し、固定接点3
22の2個の端子(図示しない)からそれぞれワイヤ3
26が延び出させられている。可動接点324は常には
付勢手段としてのスプリング330によって固定接点3
22に接触させられている。可動接点324には差圧ピ
ストン304の変位がプランジャ332を介して伝達さ
れ、ポンプ側圧力が前輪ブレーキシリンダ側圧力より高
くなって差圧ピストン304が前進(図において上方に
移動)すれば、プランジャ332が付勢手段としてのス
プリング334の弾性力に抗して前進させられ、その結
果、可動接点324が固定接点322から離間させられ
る。すなわち、この差圧スイッチ300は、ポンプ側圧
力と前輪ブレーキシリンダ側圧力とが互いに等しい場合
には、可動接点324が固定接点322に接触させられ
て電気を導通させる導通状態(ON状態)となるのに対
し、ポンプ側圧力が前輪ブレーキシリンダ側圧力より高
い場合には、可動接点324が固定接点322から離間
させられて電気の導通を遮断する絶縁状態(OFF状
態)となるのである。
【0078】この差圧スイッチ300はワイヤ326に
より前記コントローラ170に接続されている。コント
ローラ170は差圧スイッチ300を用い、図7の異常
検出ルーチンを実行することにより、逆止弁装置160
の異常を検出するようにされているのである。
【0079】この異常検出ルーチンにおいては、まず、
S300において、本ルーチンの今回の実行が車両のキ
ースイッチがON状態に操作された後に最初の実行であ
るか否か、すなわち、初回の実行であるか否かが判定さ
れる。今回は初回であると仮定すれば判定がYESとな
り、S301において、運転者によってブレーキペダル
14が操作されるのを待つ状態となる。ブレーキペダル
14に連動するブレーキスイッチ(図において「ブレー
キSW」で表す)からの信号に基づき、ブレーキペダル
14が運転者によって操作されたか否かが判定され、ブ
レーキ操作が行われたと判定されるまでS301の実行
が繰り返されるのである。このようにブレーキ操作を検
出するのは、イニシャルチェックにおいて第一逆止弁1
62に差圧を発生させるためにはアンチロック制御中で
なくてもポンプ150を作動させてブレーキ液を吐き出
させることが必要であり、ブレーキ液を吐き出させるた
めにはリザーバ144にブレーキ液が存在することが必
要であり、リザーバ144にブレーキ液が存在するため
にはそのブレーキ液がマスタシリンダ10から供給され
ることが必要であり、マスタシリンダ10がブレーキ液
をリザーバ144に供給するためにはブレーキ操作が行
われることが必要であるからである。すなわち、イニシ
ャルチェックにおいては、運転者によるブレーキ操作を
利用して逆止弁装置160の異常検出が行われるのであ
る。
【0080】ブレーキ操作が行われた場合にはS301
の判定がYESとなり、S302において、逆止弁装置
160における差圧の有無が判定される。具体的には、
図9にタイムチャートで示すように、まず第一開閉弁
(図において「SOL.1」で表す)100がON状態
(閉状態)とされ、次に第三開閉弁(図において「SO
L.3」で表す)146もON状態(開状態)とされ、
マスタシリンダ10からのブレーキ液がリザーバ144
に供給され、さらに、モータ152がON状態とされて
ポンプ150が作動させられる。第三開閉弁146は設
定時間の経過後OFF状態(閉状態)とされ、その後第
二開閉弁(図において「SOL.2」で表す)140が
閉じられる(図において「ON」)。これにより、ポン
プ150はリザーバ144からブレーキ液を汲み上げて
それを第一逆止弁162に供給する。このとき、第一逆
止弁162が正常であればそれに差圧が発生するため、
差圧スイッチ300からの信号である差圧スイッチ信号
が差圧の発生を表すものとなっているはずであり、一
方、第一逆止弁162が異常であればそれに差圧が発生
せず、差圧スイッチ信号が差圧の不発生を表すものとな
っているはずである。したがって、特定の条件下におけ
る差圧スイッチ信号を介して逆止弁装置160の異常検
出が可能となるのである。異常検出が終了したならば、
第二開閉弁140が開かれ、第一開閉弁100が開か
れ、モータ152が停止させられる。ブレーキシステム
がイニシャルチェック前の状態に復元されるのである。
【0081】その後、S303において、上記S302
において読み込まれた差圧スイッチ信号に基づき、逆止
弁装置160が正常であれば発生すべき差圧が発生した
か否かが判定される。差圧スイッチ信号がOFF状態に
あれば差圧が発生したから逆止弁装置160が正常であ
ると判定され、一方、差圧スイッチ信号がON状態にあ
れば差圧が発生しないから逆止弁装置160が異常であ
ると判定されるのである。差圧が発生した場合には判定
がYESとなり、直ちにS300に戻るが、差圧が発生
しない場合には判定がNOとなり、S304において、
逆止弁装置160が異常であることが図示しない警告装
置を介して運転者に知らされる。警告装置には例えば、
ブザー,音声発生器等、運転者の聴覚に訴える形式の警
告装置や、インジケータ,液晶ディスプレー等、運転者
に視覚に訴える形式の警告装置などを選ぶことができ
る。その後、S300に戻る。なお、本実施例において
は、逆止弁装置160の異常の有無にかかわらずアンチ
ロック制御が実行されるようになっている。
【0082】以上、本ルーチンの初回の実行について説
明したが、二回目以後の実行時には、S300の判定が
NOとなり、S305以下のステップに移行する。ま
ず、S305において、アンチロック制御に移行するの
が待たれる。アンチロック制御に移行すれば判定がYE
Sとなり、S306〜S308において、開閉弁100
等の状態が逆止弁装置160の異常検出に適した状態に
あるか否かが判定される。すなわち、S306におい
て、第一開閉弁100がON状態(閉状態)にあるか否
かが判定され、S307において、第三開閉弁146が
OFF状態(閉状態)にあるか否かが判定され、S30
8において、モータ152がON状態にあるか否かが判
定されるのである。いずれの判定もYESとなったとき
に、S309において、差圧スイッチ300から差圧ス
イッチ信号が読み込まれ、その後、前記S303に移行
し、読み込まれた差圧スイッチ信号に基づき、逆止弁装
置160の異常検出が行われる。したがって、開閉弁1
00等の状態が例えば、図10に示すように変化する場
合には、図示の検出期間において差圧スイッチ信号の読
込みが行われて逆止弁装置160の異常検出が行われる
こととなる。
【0083】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、差圧スイッチ300およびコントローラ1
70のうち図7のルーチンを実行する部分によって請求
項1の発明における「異常検出手段」が構成され、ま
た、差圧スイッチ300が請求項2の発明における「差
圧検出部」の一例であり、コントローラ170のうち図
7のルーチンを実行する部分が請求項2の発明における
「異常判定部」の一例なるのである。
【0084】次に、請求項3の発明を別の実施例に基づ
いて具体的に説明する。先の実施例においては、専用の
差圧スイッチ300が設けられるとともに、差圧の有無
を監視することによって逆止弁装置160の異常検出が
行われるようになっているが、本実施例においては、第
一逆止弁が本来の減圧機能のみならず異常検出のための
機能の一部をも果たすようにされている。
【0085】具体的には、前記後輪ブレーキ通路24の
うち前記前輪ブレーキ通路20との接続位置とPバルブ
110との間の部分に、図11に示すように、逆止弁装
置400と第二開閉弁402とが接続されている。第二
開閉弁402は、図6に示す第二開閉弁140と同様
に、ソレノイド,それの磁気力に基づいて作動するプラ
ンジャ404,それの先端に形成された弁子406およ
びそれが着座すべき弁座408を主体として構成されて
いる。
【0086】逆止弁装置400においては、後輪ブレー
キ通路24の一部に形成されたシリンダボア410に、
弁子保持部材412と弁座形成部材414とが同心かつ
実質的に気密に嵌合され、付勢手段としてのスプリング
416によって弁座形成部材414が常時弁子保持部材
412に押し付けられている。
【0087】弁子保持部材412は非導電性の本体部4
17(例えば、セラミックス製,プラスチック製等)を
有し、その本体部417において導電性の弁子形成部材
418を軸方向移動不能かつ実質的に気密に保持してい
る。弁子形成部材418はその先端に半球状の弁子41
9が形成されている。一方、弁座形成部材414はその
中心に貫通穴420が形成されるとともに、外周に軸方
向に延びる複数の連通溝422が形成されている。弁座
形成部材414には、弁子419と対向する側の端面に
おいて弁座424が形成されている。この弁座424に
貫通穴420が開口させられている。したがって、弁座
形成部材414がシリンダボア410に嵌合されること
により、後輪ブレーキ通路24のうち弁座形成部材41
4に対応する部分に、互いに独立した内側部分通路42
6と外側部分通路428とがそれぞれ形成されている。
【0088】したがって、弁子419と弁座424と内
側部分通路426とスプリング416とにより、ポンプ
側から前輪ブレーキシリンダ側に向かう向きのブレーキ
液の流れを設定開弁圧(スプリング416のセット荷重
に対応する)以上で許容するがその逆向きの流れは阻止
する第一逆止弁430が形成されている。
【0089】弁座形成部材414の外周の中間部には一
方向シール部材としてのカップシール432が装着され
ている。カップシール432は前輪ブレーキシリンダ側
からポンプ側に向かう向きのブレーキ液の流れは許容す
るがその逆向きの流れは阻止するものとされている。し
たがって、カップシール432と外側部分通路428と
により、前輪ブレーキシリンダ側からポンプ側に向かう
向きのブレーキ液の流れは許容するがその逆向きの流れ
は阻止する第二逆止弁434が形成されている。
【0090】弁子形成部材418からワイヤ440が延
びており、外部の電気的変化検出部442に接続されて
いる。すなわち、弁子419を固定接点、弁座424を
可動接点とし、ワイヤ440,弁子形成部材418,弁
座形成部材414,逆止弁装置400のハウジングおよ
び車両のボデーが互いに直列に接続された電気回路が形
成されているのであり、電気的変化検出部442はワイ
ヤ440とボデーアースとの間の電気の導通状態、すな
わち、弁子419と弁座424との間の電気の導通状態
の時間的な変化を電流値として検出するのである。
【0091】この電気的変化検出部442は前記コント
ローラ170に接続されており、コントローラ170は
この電気的変化検出部442を用いて逆止弁装置400
の異常の有無を判定する。第一逆止弁430が弁子41
9と弁座424との間に導電性の異物をかみ込んだ場合
には、弁子419と弁座424とがその異物の存在によ
り継続的に導通状態に維持され、一方、第一逆止弁43
0が非導電性の異物をかみ込んだ場合には、弁子419
と弁座424とがその異物の存在により継続的に遮断状
態に維持され、いずれの場合にも、本来であれば発生す
べき電気の導通状態の変化が発生しなくなるから、コン
トローラ170は、本来であれば発生すべき電気の導通
状態の変化が発生しない場合には、逆止弁装置400が
異常であると判定するのである。すなわち、本実施例に
おいては、先の実施例におけるとは異なり、差圧の有無
によってではなく電気的変化の有無によって逆止弁装置
400の異常判定が行われるのである。
【0092】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、第一逆止弁430自体が異物検出のための
スイッチとしても機能するようにされていて、逆止弁装
置400の異常検出という機能付加に伴う部品点数の増
加および装置サイズの大形化が回避されているのであ
る。
【0093】図12には、電気的変化利用型の異常検出
に適した逆止弁装置の別の例が示されている。なお、本
実施例は逆止弁装置以外の部分については図11に示す
実施例と共通するため、逆止弁装置以外の部分について
は同一の符号を使用することによって説明を省略する。
【0094】この逆止弁装置500においては、リテー
ナ保持部材502と弁座形成部材504とが前記シリン
ダボア410に実質的に気密に嵌合されている。リテー
ナ保持部材502は、非導電性の本体部506において
導電性のリテーナ508を軸方向移動不能かつ実質的に
気密に保持している。一方、弁座形成部材504は図1
1における弁座形成部材414と同様に、貫通穴51
0,連通溝512,弁座514およびカップシール51
6を備えている。したがって、弁座形成部材504がシ
リンダボア410に嵌合されることにより、図11にお
けると同様に、後輪ブレーキ通路24のうち弁座形成部
材504が対応する部分に、互いに独立した内側部分通
路426と外側部分通路428とがそれぞれ形成されて
いる。リテーナ508には付勢手段としてのスプリング
520が保持され、そのスプリング520の先端部と弁
座514との間に球状の弁子522が配置され、弁子5
22がスプリング520の弾性力によって弁座514に
着座させられている。スプリング520は導電性を有す
るものとされている。
【0095】したがって、弁子522と弁座514と内
側部分通路426とスプリング520とにより、ポンプ
側から前輪ブレーキシリンダ側に向かう向きのブレーキ
液の流れを設定開弁圧以上で許容するがその逆向きの流
れは阻止する第一逆止弁524が形成されており、ま
た、カップシール516と外側部分通路428とによ
り、前輪ブレーキシリンダ側からポンプ側に向かう向き
のブレーキ液の流れは許容するがその逆向きの流れは阻
止する第二逆止弁526が形成されている。
【0096】リテーナ508からワイヤ528が延びて
おり、前記電気的変化検出部442に接続されている。
すなわち、弁座514を固定接点、弁子522を可動接
点とし、ワイヤ528,リテーナ508,スプリング5
20,弁子522,弁座形成部材504,逆止弁装置5
00のハウジングおよび車両のボデーが互いに直列に接
続された電気回路が形成されているのであり、電気的変
化検出部442はワイヤ528とボデーアースとの間の
電気の導通状態、すなわち、弁子522と弁座514と
の間の電気の導通状態の時間的な変化を電流値として検
出する。前記コントローラ170はこの電気的変化検出
部442を用い、先の実施例におけると同様にして逆止
弁装置500の異常判定を行う。
【0097】次に、請求項4の発明を図13に示す実施
例に基づいて具体的に説明する。本実施例は図1に示す
実施例と逆止弁装置の構造の点で異なるが、それ以外の
部分については共通する。ただし、本実施例において
は、図1に示す実施例とは異なり、差圧スイッチが設け
られておらず、逆止弁装置の異常検出は行われない。
【0098】逆止弁装置550においては、第一逆止弁
162が2個互いに直列に接続されている。しかも、そ
れら2個の第一逆止弁162の開弁圧の和が設定開弁圧
となるようにされている。したがって、本実施例におい
ては、2個の第一逆止弁162に同時に異物かみ込みと
いう異常が発生しない限り、第一逆止弁162を全く設
けていない従来のブレーキシステムにおけるより後輪制
動力が増加する。すなわち、本実施例においては、ブレ
ーキシステムの制動性能に重大な影響を及ぼす逆止弁が
複数個互いに直列に接続されていて、それら逆止弁すべ
てに同時に異常が発生しない限り逆止弁の機能が完全に
損なわれることがないようにされて、ブレーキシステム
の信頼性が向上させられているのである。
【0099】逆止弁の開弁圧を低く設定することは一般
に、逆止弁のリフト量(ブレーキ液通過時における弁子
と弁座との最大距離)を増加させることを意味する。し
たがって、第一逆止弁162を2個直列に設けること
は、各第一逆止弁162の弁子−弁座間に異物が詰まり
難くなることをも意味し、本実施例においては、その意
味においてもブレーキシステムの信頼性が向上させられ
ている。
【0100】すなわち、本実施例においては、第一逆止
弁162を2個直列に接続することにより、異物かみ込
みを未然に防止する効果とたとえ実際に異物かみ込みが
生じてもそれによる減圧機能の低下を抑制する効果との
双方を享受することができるのである。
【0101】なお付言すれば、ブレーキシステムの制動
性能に重大な影響を及ぼす逆止弁を2個以上互いに直列
に接続するという技術思想は、車両の前後制動力配分を
適正化することを目的とする逆止弁に限らず、それ以外
のことを目的とする逆止弁にも適用可能である。例え
ば、図14に示す別の形式のアンチロック型ブレーキシ
ステムにおける逆止弁に適用することも可能なのであ
る。以下、このブレーキシステムを簡単に説明する。
【0102】このブレーキシステムにおいては、ブレー
キペダル600がブースタ602を介して、互いに独立
した2個の加圧室を有するタンデム型のマスタシリンダ
604に連携させられ、そのマスタシリンダ604の一
方の加圧室には左前輪のブレーキシリンダ606と右後
輪のブレーキシリンダ608、他方の加圧室には右前輪
のブレーキシリンダ606と左後輪のブレーキシリンダ
608がそれぞれ接続されている。マスタシリンダ60
4の各加圧室から延びる2個のブレーキ系統が互いに独
立してダイヤゴナルに構成されているのである。以下、
一方のブレーキ系統のみを詳細に説明し、他のブレーキ
系統については、互いに構成が共通するため、説明を省
略する。
【0103】加圧室からは主液通路610が延びてい
る。主液通路610は加圧室から延び出た後に二股状に
分岐している。主液通路610のうちマスタシリンダ6
04と分岐位置PDとの間の部分である基幹部分通路の
途中に電磁方向切換弁614が設けられている。この電
磁方向切換弁614は常にはブレーキシリンダ606,
608をリザーバ616から遮断してマスタシリンダ6
04に連通させる非作用位置にあるが、ソレノイドが励
磁されればブレーキシリンダ606,608をマスタシ
リンダ604から遮断してリザーバ616に連通させる
作用位置に切り換わる。主液通路610のうち分岐位置
PDと各ブレーキシリンダ606,608との間の部分
である2個の分岐部分通路の途中にはそれぞれ電磁開閉
弁620が設けられている。電磁開閉弁620はいずれ
も、各ブレーキシリンダ606,608を常には電磁方
向切換弁614に連通させる非作用位置にあるが、ソレ
ノイドが励磁されれば各ブレーキシリンダ606,60
8を電磁方向切換弁614から遮断する作用位置に切り
換わる。
【0104】したがって、通常ブレーキ状態において
は、電磁方向切換弁614と電磁開閉弁620が共に非
作用位置にあり、マスタシリンダ604の同じ加圧室の
液圧が前輪ブレーキシリンダ606と後輪ブレーキシリ
ンダ608とにそれぞれ供給され、前輪ブレーキと後輪
ブレーキとがそれぞれ作用させられることとなる。
【0105】なお、図において符号622および624
は共に戻り通路であり、各戻り通路622,624の途
中には逆流防止のための逆止弁626および628が設
けられている。
【0106】これに対し、アンチロック制御状態に移行
すると、電磁方向切換弁614のソレノイドが励磁され
て各ブレーキシリンダ606,608がマスタシリンダ
604から遮断され、各ブレーキシリンダ606,60
8の圧力源がポンプ630に切り換えられる。各ブレー
キシリンダ606,608がポンプ630によって増圧
される状態となるのであり、一方、各ブレーキシリンダ
606,608の減圧は各電磁開閉弁620のソレノイ
ドを励磁し、各ブレーキシリンダ606,608内のブ
レーキ液を各電磁開閉弁620および電磁方向切換弁6
14を順に経てリザーバ616に排出することにより実
現される。
【0107】リザーバ616内に放出されたブレーキ液
はポンプ630によって汲み上げられ、直接に前輪ブレ
ーキシリンダ606と後輪ブレーキシリンダ608とに
供給される。すなわち、先の実施例におけると同様に、
アンチロック制御中における前輪ブレーキ圧および後輪
ブレーキ圧の増圧がマスタシリンダ604によってでは
なくポンプ630によって行われるようになっているの
である。そのためにポンプ630と前輪ブレーキシリン
ダ606と後輪ブレーキシリンダ608とが二股状に分
岐したポンプ増圧用通路632によって互いに接続され
ている。ポンプ増圧用通路632はポンプ630から延
び出た後に二股に分岐して各ブレーキシリンダ606,
608に至り、各分岐部分の途中に絞り634,635
と逆止弁636,637とがそれぞれ設けられている。
逆止弁636,637はポンプ630から各ブレーキシ
リンダ606,608に向かう向きのブレーキ液の流れ
を許容するがその逆向きの流れは阻止するものであり、
ブレーキシリンダ606,608からポンプ630への
ブレーキ液の逆流を防止する。
【0108】逆止弁636,637に異物かみ込みとい
う異常が発生すると、アンチロック制御中に各ブレーキ
シリンダ606,608をポンプ630によって所定の
値まで増圧することができなくなる。すなわち、逆止弁
636,637はこのブレーキシステムにおいて重要な
構成要素なのであり、この逆止弁636,637の異常
によるブレーキシステムの制動性能の低下をできる限り
少なくする必要がある。したがって、逆止弁の直列化と
いう技術思想を適用することが望ましく、例えば、図1
5に示すように、逆止弁636,637をそれぞれ、2
個互いに直列に接続することが望ましい。このようにす
れば、2個の逆止弁636,637に同時に異常が発生
しない限り、アンチロック制御中においてポンプ630
による各ブレーキシリンダ606,608の増圧が確保
されることとなる。
【0109】なお、このブレーキシステムにおいて、逆
止弁の直列化という技術思想を採用するためには装置コ
ストの上昇を避けることができない。そこで、ブレーキ
システムの信頼性向上に伴う装置コストの上昇を極力回
避することが必要である場合には例えば次のような技術
思想を採用することができる。
【0110】その技術思想とは、2個の逆止弁636,
637双方の開弁圧を0より大きな値に設定することで
ある。この技術思想を採用すれば、逆止弁636と63
7とのいずれか一方が異物をかみ込んだ場合には、異物
をかみ込んだ方の逆止弁は開き続けてそれの開弁圧が0
に低下するのに対し、異物をかみ込んでいない方の逆止
弁の開弁圧は0でない値に維持されるため、異物をかみ
込んでいる方の逆止弁の側へのブレーキ液の流入量が増
加し、逆止弁のリフト量が増加して、逆止弁から異物が
除去され易くなる。したがって、2個の逆止弁636,
637双方の開弁圧増加という技術思想を逆止弁の直列
化という技術思想に代えて採用すれば、部品点数の増加
による装置コストの上昇を回避しつつブレーキシステム
の信頼性を向上させることが可能となる。
【0111】以上、各請求項の発明を図示のいくつかの
実施例に基づいて具体的に説明したが、これらの他に
も、特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識
に基づいて種々の変形,改良を施した態様で各請求項の
発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1および2の発明に共通の一実施例であ
るアンチロック型ブレーキシステムを示すシステム図で
ある。
【図2】図1におけるPバルブを示す部分正面断面図で
ある。
【図3】図1のブレーキシステムにおけるマスタシリン
ダ,ポンプ,前輪ブレーキシリンダおよび後輪ブレーキ
シリンダ間のブレーキ液の流れを概念的に示す液圧回路
図である。
【図4】上記実施例におけるアンチロック制御中に実行
される第四モードと第五モードとの特性の相違を前輪ブ
レーキ圧と後輪ブレーキ圧とについて説明するためのグ
ラフである。
【図5】上記実施例における制動力配分を説明するため
のグラフである。
【図6】上記実施例における逆止弁装置および第二開閉
弁を示す正面断面図である。
【図7】上記実施例におけるコントローラの一構成要素
であるコンピュータが実行する異常検出ルーチンを示す
フローチャートである。
【図8】図1における差圧スイッチを示す部分正面断面
図である。
【図9】上記実施例における逆止弁の異常検出原理を説
明するためのタイムチャートである。
【図10】上記実施例における逆止弁の異常検出原理を
説明するためのタイムチャートである。
【図11】請求項3の発明の一実施例であるアンチロッ
ク型ブレーキシステムにおける逆止弁装置および第二開
閉弁を示す部分正面断面図である。
【図12】請求項3の発明の別の実施例であるアンチロ
ック型ブレーキシステムにおける逆止弁装置および第二
開閉弁を示す部分正面断面図である。
【図13】請求項4の発明の一実施例であるアンチロッ
ク型ブレーキシステムにおける逆止弁装置および第二開
閉弁を示す部分正面断面図である。
【図14】別の形式のアンチロック型ブレーキシステム
を示すシステム図である。
【図15】図14における逆止弁の直列構造の一例を示
す図である。
【符号の説明】
10 マスタシリンダ 22 前輪ブレーキシリンダ 26 後輪ブレーキシリンダ 160,400,500,550 逆止弁装置 162,430,524 第一逆止弁 164,432,526 第二逆止弁 170 コントローラ 300 差圧スイッチ 442 電気的変化検出部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の前輪ブレーキシリンダと後輪ブレー
    キシリンダとにそれぞれ同じ圧力源が接続され、かつ、
    その圧力源が前記前輪ブレーキシリンダに、圧力源から
    前輪ブレーキシリンダに向かう向きのブレーキ液の流れ
    は設定開弁圧以上で許容するがその逆向きの流れは阻止
    する逆止弁を含む逆止弁装置を経て接続されたブレーキ
    システムにおいて、 その逆止弁装置の異常を検出する異常検出手段を設けた
    ことを特徴とするブレーキシステム。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のブレーキシステムであっ
    て、前記異常検出手段が、前記逆止弁装置の前記圧力源
    側と前記前輪ブレーキシリンダ側との間における差圧を
    検出する差圧検出部と、その差圧検出部が逆止弁装置が
    正常であれば発生すべき差圧を検出しない場合には逆止
    弁装置が異常であると判定する異常判定部とを有する差
    圧利用型であるブレーキシステム。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のブレーキシステムであっ
    て、前記逆止弁が、互いに共同して前記前輪ブレーキシ
    リンダから前記圧力源に向かう向きのブレーキ液の流れ
    を阻止する弁子と弁座とが共に導電性を有するものであ
    り、前記異常検出手段が、それら弁子と弁座との間にお
    ける電気の導通状態の時間的な変化を検出する電気的変
    化検出部と、その電気的変化検出部が前記逆止弁装置が
    正常であれば発生すべき変化を検出しない場合には逆止
    弁装置が異常であると判定する異常判定部とを有する電
    気的変化利用型であるブレーキシステム。
  4. 【請求項4】車両の前輪ブレーキシリンダと後輪ブレー
    キシリンダとにそれぞれ同じ圧力源が接続され、かつ、
    その圧力源が前記前輪ブレーキシリンダに、圧力源から
    前輪ブレーキシリンダに向かう向きのブレーキ液の流れ
    は設定開弁圧以上で許容するがその逆向きの流れは阻止
    する逆止弁を含む逆止弁装置を経て接続されたブレーキ
    システムにおいて、 その逆止弁装置を、前記逆止弁を複数個互いに直列に接
    続した直列型としたことを特徴とするブレーキシステ
    ム。
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