JP2005235967A - 原子層制御薄膜の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 原子層制御薄膜成長法(以下ALD)に於いて、反応炉容量に依らず品質及び生産性を向上することができる薄膜形成方法を提供する。
【解決手段】 ALD手法では、成長面に対し順次「気体供給・吸着過程」、「パージ工程」、「気体供給・反応過程」、及び「パージ工程」の如く、異なる条件から成るステップを複数回繰り返し所望の膜厚を得る。本発明は、前記パージ段階で用いられる不活性気体として、衝突噴流伝熱熱交換機を用いて加熱し、気相反応抑制作用を持たせた窒素を導入することにより「パージ工程」の効果を高めながら、同時にその所要時間を短縮できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体製造に於ける薄膜成長工程において利用可能な原子層制御薄膜の形成方法に関するものである。
半導体装置の高集積化が進む中で、デザインルールが微細化して行き、半導体装置を構成する薄膜も、分子レベルもしくは原子レベルまで十分制御して形成することが求められるようになってきた。
この分子層もしくは原子層制御薄膜の形成はALD法(atomic layer deposition)と呼ばれ、被処理基板表面に原料を供給し、単原子層もしくは単分子層状に原料を積層して成膜する方法である。
以下、このプロセスをそのフローチャートである図4を用いて説明する。すなわち、第1工程(S41)が、被処理基板を配置した反応炉へ原料となる第1の気体原料を供給し、被処理基板表面に原料となる気体原料を単分子層もしくは原子層状に吸着させる工程である。次いで、第2工程(S42)が、前記工程で反応炉に供給された第1の原料の内、吸着されずに被処理基板表面近傍を含む反応炉雰囲気中に残留している余剰原料を排除する工程である。次いで、第3工程(S43)が、原料となる第2の気体原料を反応炉中に供給して、さらに単分子層もしくは原子層状に吸着させ、前記第1の気体原料と前記第2の気体原料とを化学的に反応させて、生成する反応物を前記被処理基板表面に分子レベルで制御された層として形成する工程である。次いで、第4の工程(S44)は、前記工程で反応炉に供給された第2の原料の内、吸着されずに被処理基板表面近傍を含む反応炉雰囲気中に残留している余剰原料や、前工程における化学反応によって生成した物質を排除する工程である。以上の工程によって生成する薄膜の膜厚が所要の厚さになっているか否かを検査(S45)し、膜厚が不十分である場合には、再度を第1の工程(S41)から前記プロセスを繰り返す。
ALD法は、上記工程を経ることによって、分子レベルあるいは原子レベルで制御された所要の膜厚を有する薄膜を形成する方法である。
このように、従来のALD手法に於いては、所望の膜厚を得る為に異なる複数の原料を反応炉へ交互に導入して吸着過程と反応・成長過程を繰り返し所望の膜厚を得るが、各過程の効果を高める為に吸着過程と反応・成長過程の間に窒素ガスなどの不活性の気体を用いてパージする過程を設けている(S42,及びS44工程)、(特許文献1参照)。
しかしながら、この方法によれば、複数の原料が被処理基板の表面近傍に残留しやすく、パージガスとして、十分量のガスを供給しなければ、完全に原料を払拭することができず、薄膜に異種原子が混在し原子層の配列が不完全な膜となったり、あるいは、パージ工程に長時間を要したりする傾向にあり、生産性を悪化させる原因ともなっている。すなわち、従来のALD手法に於いては、一般的にその効果を高める為にはパージ工程の実行時問を長くするという手法がとられるため、生産性が著しく低下する。これらのことから判る通り、ALDに於けるパージ工程の実行時間は、ALD手法により向上を図ろうとする薄膜の純度とトレードオフの関係に有り、工程を単純に短縮することが出来ないという問題があった。

特開2003−318174号公報
本発明は、ALD法における上記課題を解決するために成されたもので、簡単な方法により原子配列が均一でよく制御された原子配列の膜を形成することができ、且つ、成膜に要する時間を短縮することができ、生産性に優れた原子層制御薄膜を形成することができる薄膜の形成方法を提供することを目的としている。
本発明は、反応炉内に配置した半導体基板に、原料を供給し、原子層制御薄膜を形成する方法であって、
(1) 前記半導体基板表面に形成する薄膜の原料となる第1の原料を、反応炉に供給し、反応炉内に配置され反応温度に保たれた基板表面に、前記第1の原料を吸着させる第1の工程と、
(2) 前記第1の工程の完了後に前記第1の原料の供給を停止し、前記反応炉内を減圧後若しくは減圧と同時に前記反応炉内に不活性気体を導入することによって少なくとも前記半導体基板表面近傍に残存する前記第1の原料を払拭する第2の工程と、
(3) 前記第2の工程における前記不活性気体の供給停止後に、前記薄膜の構成原料となる第2の原料を、流量制御機構を通じて前記反応炉に供給し、前記反応炉内に配置された前記半導体基板表面に前記第2の原料を接触させ、前記第1の工程で吸着させた前記第1の原料と化学的に反応させることにより薄膜を成長させる第3の工程と、
(4) 前記第3の工程における薄膜成長工程終了後に、前記第2の原料の供給を停止し、反応炉内を減圧後若しくは減圧と同時に不活性気体を導入することによって、少なくとも前記半導体基板表面近傍に残存する前記第2の原料を払拭する第4の工程とを、所望の膜厚に到達するまで繰り返すことによって、前記半導体基板表面に原子層制御薄膜を形成する際に、
前記第2及び第4の工程において、前記不活性気体として、衝突噴流伝熱を利用した熱交換機により少なくとも100℃以上に加熱された高純度窒素を、少なくとも毎分100cm以上前記反応炉に導入することを特徴とする原子層制御薄膜の形成方法である。
前記本発明において、前記第2の工程と前記第4の工程で導入する不活性気体として、衝突噴流伝熱を利用した熱交換機により少なくとも100℃以上に加熱された高純度窒素を、少なくとも毎分100cm以上、それぞれ前記第1の工程と前記第3の工程の開始と同時若しくはこれらの工程の途中に導入開始することが好ましい。
また、前記本発明において、前記薄膜として、シリコン酸化膜、窒化珪素膜等の絶縁体薄膜、タングステン、アルミニウム等の金属膜、III−V族、II−VI族、IV−IV族各化合物半導体およびHfO等の金属酸化膜のいずれかの膜とすることができる。
本発明によれば、従来のALD法と比較して、短いパージ時間で従来のパージ工程の効果と同等若しくはそれ以上に高めることができるため、高純度な薄膜を得ることが可能となり、成膜プロセス時間の短縮によって生産性も向上する。
[本発明の原理及び作用]
以下、本発明の原理及び作用について説明する。
本発明は、ALD法において、反応炉に供給するパージガスとして、衝突噴流伝熱熱交換機を用いて加熱した高純度窒素ガスを供給することにより、前記本発明の効果を得るものである。
本発明における衝突噴流伝熱とは、気体を高速で熱交換対象表面に衝突させると対象表面の伝熱を阻害するガス層が薄層化し、熱交換効率が飛躍的に向上する現象である。この衝突噴流伝熱を利用した熱交換機により少なくとも100℃以上に加熱した高純度窒素の気相反応抑制作用は、一般的には反応炉を出た後の排気配管に導入することで排気配管内壁への副生成物堆積を抑制する効果によって知られている。この副生成物堆積抑制の原理は、次の様に説明されている。塩化アンモニウムが析出する可能性がある排気配管に、本方式によって100℃以上に加熱された高純度窒素を導入したところ、副生成物堆積の抑制効果が認められた。この排気配管において、その加熱窒素は熱源である熱交換機を出るとすぐに50℃以下へ低下している。このことから、塩化アンモニウム析出抑制効果は排気ガスを副生成物の析出温度以上に上昇させることによって得られるものではなく、本方式による加熱窒素を混合することにより、析出ガス中の分子配列が変化したためと考えられている。塩化アンモニウムなどの結晶塩が析出するためには、一定量以上の酸とアルカリの分子結合が必要となるが、本方式を用いない場合は配管内に存在する混合ガス内の分子配列が均一ではなく、ある領域内に特定のガス分子が集合して散在しているものと考えられるため、それら散在する酸の分子の集合体とアルカリの分子の集合体が結合して反応し、塩の結晶物を析出するものと考えられる。一方、衝突噴流伝熱を利用した熱交換機により過熱された窒素は熱交換流路内の衝突噴流運動により粒子単位で加熱されるため、均一な温度に加熱・活性化され高い運動エネルギーを持つようになる。この活性化された窒素雰囲気に混入した排気ガス=酸とアルカリの分子は、エネルギーの大きい窒素ガスによって完全に均一配置され、窒素希釈効果が最大限に高まった状態となる。結果として、混合ガス内の酸の分子、アルカリの分子は高エネルギーの窒素により相互反応を抑制され塩化物の析出が抑えられるものと考えられる。但し、流体の加熱源として一般的なコイル式熱交換機や多孔板式熱交換機などの、衝突噴流伝熱によらない熱交換機を用いた場合、その熱交換効率が低いため窒素が均一に加熱・活性化され難く、効率向上のため加熱温度を大きく設定すると排気配管内の混合ガスの温度勾配が大きくなる。結果、混合ガス分子の均一配列効果は小さく、結晶塩析出抑制効果も小さい。本発明では、この衝突噴流伝熱を利用した熱交換機により加熱した窒素を反応炉に導入し、ALDの不活性気体によるパージ効果の向上を図るものである。
[成膜装置]
本発明で用いることができる成膜装置を、その概略図である図1を用いて説明する。
この成膜装置は、図1に示すように、その中に被処理基板である半導体基板を収容し、成膜反応によって成膜する反応炉6を備え、この反応炉6には、この反応炉6に接して配置され、反応炉6に原料となる原料の気体及びパージガスを所定の圧力で供給するための気体供給装置5と、前記反応炉6内の圧力を減圧に維持し、かつ反応炉6内のガスを排出するための反応炉減圧ポンプ7が接続されている。前記気体供給装置5には、第1の原料となる原料を収容し、その流量を制御しながら反応炉に供給するための第1の原料収容容器1と、第2の原料となる原料を収容し、その流量を制御しながら反応炉に供給するための第2の原料収容容器2と、反応炉6に供給するパージガスを加熱するための衝突噴流伝熱熱交換機4が接続されている。また、この衝突噴流伝熱熱交換機4には、パージガスである高純度窒素ガスの流量を制御し供給するためのパージガス収容容器3が接続されており、さらに、この衝突噴流伝熱熱交換機4において余剰の窒素ガスは、前記反応炉減圧ポンプ7に接続されている。また、前記減圧ポンプ7の排出口は排気ガス処理システムに接続され、反応炉減圧ポンプ7によって反応炉6から排出される排ガスを無害化などの処理をするようになっている。
以下、前記本発明の成膜装置を構成する各機構について説明する。
(衝突噴流伝熱熱交換機)
本発明では、パージガスとして用いる窒素ガスを均一に加熱することが必要である。そのために、衝突噴流伝熱熱交換機として知られている熱交換機を使用する。この熱交換機は、加熱されている熱供給媒体として、金属板を用い、これに高速でパージガスを衝突させ、そのときの運動エネルギーを用いて効果的に熱交換を行うものである。
熱供給媒体である金属板としては、ステンレススチールなどの鋼原料板を用いることができる。この金属板は、十分な熱容量を備えていることが必要であり、できる限り大きなブロック状ないし厚い板材が好ましい。その表面は、噴射されるパージガスと大きな運動エネルギーで衝突することが好ましく、そのためにパージガスの噴射方向と直角な平面を有していることが望ましい。
この熱交換機に供給するパージガスの流速は、3〜80m/minの範囲が好ましい、流速が上記範囲を下回った場合、熱供給媒体と、パージガスの熱交換効率が低下し、パージガスを均一に加熱することができず、所期の目的を達成することができない。一方、流速が上記範囲を上回ったとしても、そのために過大な設備が必要となるだけで、それに見合うだけのパージガスの均一加熱の効果の改善が見られず、不経済である。
この熱交換機において加熱されたパージガスは、図1に見られるように、パージガスの温度の低下が見られない程度に可及的速やかに、反応炉内に供給されることが好ましい。また、この熱交換機において、過剰に供給されたパージガスは、その過剰部分については、排ガス処理装置に直接排出して処理することができる。
(気体供給装置)
この気体供給装置5は、複数種の原料ガス及びパージガスの供給を受け、これらを所定のシーケンスで反応炉6に供給するための装置であり、原料ガス及びパージガスからの配管とこれらを制御するためのバルブと、このバルブの開閉を制御するための制御機構からなっている。前記原料ガス等の供給シーケンスは、この気体供給装置5に内蔵されるマイクロコンピュータのような制御装置によって実現することができる。
(原料供給容器、及びパージガス供給容器)
前述したように、前記反応炉には、複数種の原料となる原料、及びパージガスが供給されるが、これらの原料を収容し、その流量を制御しながら供給するのが、原料供給容器及びパージガス供給容器である。これらの供給容器は、原料を収容するボンベのような容器と、この容器から導出される配管に接続されているバルブと、このバルブを制御する制御機構からなっている。使用する原料が常温で液体の場合には、原料を加熱気化して前記気体供給装置5に供給することができる。
(その他の付属する機構)
本発明の成膜装置は、主として以上の機構から構成されているが、その他、反応炉6を加熱するための加熱装置、反応炉6内の温度を測定する温度センサー、反応炉6中の圧力を検知する圧力センサー、被処理基板を保持するための静電チャックなどの基板保持装置、前記基板保持装置を回転させるための駆動機構、原料となる原料やパージガスを反応炉6内で整流させるための整流板などを必要に応じて配置することができる。
また、前記反応炉6がプラズマ成膜装置である場合には、プラズマ発生装置を配置する。
[成膜プロセス:第1の実施の形態]
以下本発明の原子層制御薄膜形成方法の第1の実施の形態について説明する。以下、成膜プロセスのフローを記載した図4を用いて本実施の形態を説明する。
本発明の原子層制御薄膜形成方法は、シリコンウェハ自体や、その表面に、各種プロセスによって金属配線、層間絶縁膜形成などの下地形成処理を施した基板などに適用することができる。その表面に形成する原子層制御薄膜としては、シリコン酸化膜、窒化珪素膜、或いはhighK膜として知られている金属酸化膜などが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、被処理基板を反応炉内に配置し、反応炉内を反応炉内減圧ポンプによって所定の圧力に減圧する。さらに、反応炉内を、成膜反応に必要な温度まで昇温する。
(第1の工程)
第1工程(S41)は、被処理基板を配置した反応炉へ原料となる第1の気体原料を供給し、被処理基板表面に原料となる気体原料を単分子層もしくは原子層状に吸着させる工程である。
被処理基板上に形成する薄膜が、シリコン酸化膜である場合には、この第1の原料としては、モノシランや、TEOS等を用いることができる。また、薄膜が、窒化珪素膜である場合には、第1の原料としては、シランガス、HCD等を用いることができる。さらに薄膜が、highK原料薄膜である場合には、第1の原料としては、アルミニウム、ジルコニウム、ハフニウムなどの各種金属を含有する有機金属化合物、例えば、トリメチルアルミニウム等の有機金属化合物を用いることができる。
この工程における第1の原料の温度としては、各原料の物性によって大きく異なるため一概に規定することはできないが、一般的に言えば、気相搬送圧力下において、液化しない温度が好ましい。原料の温度が所定の温度を下回った場合には、原料ガスの液化、凝固による閉塞の問題があり、一方温度が上記範囲を上回った場合には、加熱電力の損失は勿論、圧力変動を引き起こすおそれがある。原料の温度はこれらの要因を考慮して適宜決定することができる。
また、第1の原料の流量は、これも原料種によって異なり一概に規定することはできないが、一般的に言えば、密度、蒸気圧、活性化エネルギーなどの要因を考慮して決定することができる。原料の流量が、所定の範囲を下回った場合、成膜不良もしくは成膜速度の低下をもたらし、一方、原料流量が所定の範囲を上回って供給しても、原料の吸着には寄与せず、不要である。
さらに、第1の原料を供給する時間についても、上記と同様に原料によって異なるため一概に規定することはできないが、供給時間が所定の範囲を下回った場合、第1の原料の吸着が十分ではなく、一方、供給時間が所定の範囲をこえて原料を供給しても原料の吸着には寄与せず、不要である。
(第2の工程)
次いで、第2工程(S42)が、前記工程で反応炉に供給された第1の原料の内、吸着されずに被処理基板表面近傍を含む反応炉雰囲気中に残留している余剰原料を排除する工程である。
この工程では、余剰原料の排除に、前記衝突噴流伝熱熱交換機によって加熱した高純度窒素ガスをパージガスとして用い、これを反応炉6内に供給することによって行うことができる。この高純度窒素ガスの温度は、100℃以上とすることが好ましい。窒素ガスの温度が100℃を下回った場合、同時に加熱窒素の活性も低下し、パージ(すなわち気相反応抑制)効率が低下する問題があり、好ましくない。また、パージガスの流量は、100cm/min以上とすることが好ましい。この流量が、100cm/minを下回った場合、衝突噴流原料による熱交換効率が低下し、パージ効果を得るために必要な活性化が起こらない問題があり、好ましくない。
本発明においては、パージガスとして、高純度窒素ガスを用いることによって、希ガスなどの不活性ガスを用いる場合と比較して、窒素ガスの分子量が大きく、均一かつ効率的な加熱によりパージガスの運動エネルギーを増大することができ、効果的なパージを実現することができる点で有利である。この高純度窒素ガスとしては、窒素含有率が少なくとも99.9999容積%以上のガスが好ましい。純度がこの範囲を下回った場合、パージ効率が低下するのみならず、反応炉に汚染をもたらすおそれがあり好ましくない。
(第3の工程)
第3工程(S43)が、原料となる第2の気体原料を反応炉中に供給して、さらに単分子層もしくは原子層状に吸着させ、前記第1の気体原料と前記第2の気体原料とを化学的に反応させて、生成する反応物を前記被処理基板表面に分子レベルで制御された層として形成する工程である。
被処理基板上に形成する薄膜が、シリコン酸化膜である場合には、この第2の原料としては、酸素ガス、水、過酸化水素、オゾン等を用いることができる。また、薄膜が、窒化珪素膜である場合には、第2の原料としては、アンモニア、メチルヒドラジン等のヒドラジン系材料、メチルアミン等のアミン系材料等を用いることができる。さらに薄膜が、highK原料薄膜である場合には、第1の原料としては、酸素、水、過酸化水素、オゾン等を用いることができる。
この工程における第2の原料の温度としては、各原料の物性によって大きく異なるため一概に規定することはできないが、一般的に言えば、気相搬送圧力下において、液化しない温度が好ましい。原料の温度が所定の温度を下回った場合には、原料ガスの液化、凝固による閉塞の問題があり、一方温度が上記範囲を上回った場合には、加熱電力の損失は勿論、圧力変動を引き起こすおそれがある。原料の温度はこれらの要因を考慮して適宜決定することができる。
また、第2の原料の流量は、これも原料種によって異なり一概に規定することはできないが、一般的に言えば、密度、蒸気圧、活性化エネルギーなどの要因を考慮して決定することができる。原料の流量が、所定の範囲を下回った場合、成膜不良もしくは成膜速度の低下をもたらし、一方、原料流量が所定の範囲を上回って供給しても、原料の吸着には寄与せず、不要である。
さらに、第2の原料を供給する時間についても、上記と同様に原料によって異なるため一概に規定することはできないが、供給時間が所定の範囲を下回った場合、第1の原料の吸着が十分ではなく、一方、供給時間が所定の範囲をこえて原料を供給しても原料の吸着には寄与せず、不要である。
(第4の工程)
第4の工程(S44)は、前記第2の工程と同様、前記工程で反応炉に供給された第2の原料の内、吸着されずに被処理基板表面近傍を含む反応炉雰囲気中に残留している余剰原料や、前工程における化学反応によって生成した物質を、パージガスの供給で排除する工程である。
(膜厚判定工程)
この工程は、以上の工程によって生成する薄膜の膜厚が所要の厚さになっているか否かを判定する工程であり、被処理基板上に形成される薄膜を測定し、膜厚が所定の厚さに満たない場合には、前記第1の工程を繰り返すよう判定するか、もしくは、上記工程の繰り返しが予め設定した範囲内であるか否か判定する工程であってもよい。
上記プロセスの原料供給タイミングチャートを図2に示す。図2において、横軸がプロセスの経過時間を表し、図2の上部に記載している(1)、(2)、(3)及び(4)は、それぞれ第1工程、第2工程、第3工程及び第4工程を表す。また、符号Aで示しているタイミングチャートは、第1の原料の供給タイミングを示しており、onの時間帯において第1の原料の供給を行い、offの時間帯において第1の原料の供給を停止していることを表している。符号Bは、第2の原料の供給タイミングを表しており、符号Pは、パージガスの供給タイミングを表している。
本実施の形態においては、図2から明らかなように、第1の原料の供給を停止した後、パージガスを供給し、パージガスの供給を停止してから第2の原料の供給を開始する。そして第2の原料の供給を停止してからパージガスの供給を開始している。この4つの工程を、薄膜の膜厚が所定の厚さになるまで、反復実施する。
この実施の形態によれば、比較的簡単な制御によって高精度に制御された薄膜を形成することができる。
[成膜プロセス:第2の実施の形態]
本実施の形態は、前記第1の実施の形態において、第1の原料、パージガス、第2の原料及びパージガスの供給を、それぞれ、前工程におけるガスの供給を停止してから次工程のガスの供給を行った例を示したが、本実施の形態の方法は、前工程のガスの供給を停止する前に、次工程のガスの供給を開始するものである。このプロセスのタイミングチャートを図3に示す。図3における各符号は、前記図2と同様である。
図3に示すように、第1の原料の供給の開始後、第1の原料の供給を停止する前に、パージガスの供給を開始する。また、パージガスの供給を停止する前に、第2の原料の供給を開始する。以下同様に、この実施の形態によれば、同時に2種のガスが供給される時間帯が存在することになる。このような、プロセスは、パージガスとして、衝突噴流伝熱によって加熱した高純度窒素ガスを用いることにより、パージ効果が極めて高くなることに起因して実現可能となったものである。
この方法によれば、パージ時間の短縮が可能で、プロセスの効率を大幅に改善することができる。
以下、本発明の成膜装置の一例を示す図1を用いて具体的に本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
反応炉6内に、被処理基板である半導体基板を配置し、反応炉減圧用ポンプ7を駆動して、反応炉6内を、圧力133Pa(1Torr)に減圧に保持した。
次いで、第1の原料として、HCD(SiCl)を採用し、これを収容した第1の原料収容容器1から流量を15sccmに制御しながら、図2のタイミングチャートに従って、温度450℃で、10秒間、前記反応炉6に気体状の第1の原料を供給し、第1の原料を基板上に吸着させた。
次いで、前記第1の原料の供給を停止すると同時に、パージガス収容容器から、高純度窒素ガスはそのままパージガスとして反応炉に供給した。このパージガス流量は、0.5l/minとした。この際の反応炉内の温度、圧力は、前記工程と同等とし、パージ時間は60秒とした。
次いで、第2の原料の収容容器2を制御して、反応炉6内に、第2の原料としてアンモニア(NH)を採用し、流量制御供給機構2を介して、この原料を反応炉6内に流量450sccmで供給した。図2のタイミングチャートに従って、温度450℃で、反応時間20秒間、第2の原料を半導体基板上に成膜した。
次いで、前記第2の原料の供給を停止すると同時に、パージガスの供給を開始した。窒素ガスは、そのままパージガスとして反応炉に供給した。このパージガスの流量は、0.5l/minとした。この際の反応炉6内の温度、圧力は、前記工程と同等とし、パージ時間は60秒とした。
以上の工程を、100回繰り返すことによって膜厚4.9nmの窒化珪素の薄膜を形成した。これに要した時間は、合計250分間であった。
(実施例2)
反応炉6内に、半導体基板を配置し、反応炉減圧用ポンプ7を駆動して、反応炉6内を、圧力133Pa(1Torr)に減圧に保持した。第1の原料として、HCD(SiCl)を採用し、第1の原料収容容器1から、この原料を反応炉内に流量15sccmで供給した。図2のタイミングチャートに従って、温度450℃で、時間10秒間、第1の原料を半導体基板上に成膜した。
次いで、前記第1の原料の供給を停止すると同時に、パージガスの収容容器から高純度窒素ガスの供給を開始した。高純度窒素ガスは、衝突噴流伝熱熱交換機を通過させることによって、100℃に加熱し、これを気体供給装置を通過させて、反応炉に供給した。このパージガスの流量は、0.5l/minとした。この際の反応炉内の温度、圧力は、前記工程と同等とし、パージ時間は40秒とした。
次いで、第2の原料の収容容器2から、反応炉6内に、第2の原料としてアンモニア(NH)を採用し、この原料を反応炉6内に流量450sccmで供給した。図2のタイミングチャートに従って、温度450℃で、反応時間20秒間、第2の原料を半導体基板上に成膜した。
次いで、前記第2の原料の供給を停止すると同時に、パージガスの収容容器3から、高純度窒素ガスの供給を開始した。高純度窒素ガスは、衝突噴流伝熱熱交換機を通過させることによって、100℃に加熱し、これを気体供給装置を通過させて、反応炉6に供給した。このパージガスの流量は、0.5l/minとした。この際の反応炉内の温度、圧力は、前記工程と同等とし、パージ時間は40秒とした。
以上の工程を、100回繰り返すことによって膜厚5.2nmの窒化珪素の薄膜を形成した。これに要した時間は、合計183分間であった。
ALDによる気相薄膜成長を行う装置のガスフロー系統図 一般的なALD手法に於ける、原料並びにパージ用不活性気体の供給タイミングチャート 本発明を適用した場合のALD手法に於ける、原料並びに加熱されたパージ窒素の供給タイミングチャート 一般的なALD法のプロセスを示すプロセスフロー図
符号の説明
1…第1の原料収容容器
2…第2の原料収容容器
3…パージガス収容容器
4…衝突噴流伝熱による熱交換機
5…気体供給装置
6…反応炉
7…反応炉減圧用ポンプ
8…排気ガス処理システム
9…熱交換機の余剰窒素排出配管

Claims (3)

  1. 反応炉内に配置した半導体基板に、成膜原料を供給し、原子層制御薄膜を形成する方法であって、
    (1) 前記半導体基板表面に形成する薄膜の原料となる第1の原料を、反応炉に供給し、反応炉内に配置され反応温度に保たれた基板表面に、前記第1の原料を吸着させる第1の工程と、
    (2) 前記第1の工程の完了後に前記第1の原料の供給を停止し、前記反応炉内を減圧後若しくは減圧と同時に前記反応炉内に不活性気体を導入することによって少なくとも前記半導体基板表面近傍に残存する前記第1の原料を払拭する第2の工程と、
    (3) 前記第2の工程における前記不活性気体の供給停止後に、前記薄膜の構成原料となる第2の原料を、流量制御機構を通じて前記反応炉に供給し、前記反応炉内に配置された前記半導体基板表面に前記第2の原料を接触させ、前記第1の工程で吸着させた前記第1の原料と化学的に反応させることにより薄膜を成長させる第3の工程と、
    (4) 前記第3の工程における薄膜成長工程終了後に、前記第2の原料の供給を停止し、反応炉内を減圧後若しくは減圧と同時に不活性気体を導入することによって、少なくとも前記半導体基板表面近傍に残存する前記第2の原料を払拭する第4の工程とを、所望の膜厚に到達するまで繰り返すことによって、前記半導体基板表面に原子層制御薄膜を形成する際に、
    前記第2及び第4の工程において、前記不活性気体として、衝突噴流伝熱を利用した熱交換機により少なくとも100℃以上に加熱された高純度窒素を、少なくとも毎分100cm以上前記反応炉に導入することを特徴とする原子層制御薄膜の形成方法。
  2. 前記請求項1記載の薄膜の製造方法において、前記第2の工程と前記第4の工程で導入する不活性気体として、衝突噴流伝熱を利用した熱交換機により少なくとも100℃以上に加熱された高純度窒素を、少なくとも毎分100cm以上、それぞれ前記第1の工程と前記第3の工程の開始と同時若しくはこれらの工程の途中に導入開始することを特徴とする請求項1記載の原子層制御薄膜の形成方法。
  3. 前記薄膜が、シリコン酸化膜、窒化珪素膜等の絶縁体薄膜、タングステン、アルミニウム等の金属膜、III−V族、II−VI族、IV−IV族各化合物半導体およびHfO等の金属酸化膜のいずれかの膜であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原子層制御薄膜の形成方法。

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