JP2005235478A - 誘導加熱装置及びそれを用いた金属部材の加熱方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 形状等の異なる金属部材をそれぞれ誘導加熱により加熱する場合でも、ワークコイルの段替えをすることなく、金属部材に対応した好適な誘電加熱を行うことができる誘電加熱装置を提供する。
【解決手段】 誘導加熱装置100は、金属部材200を誘導加熱により昇温させるときに用いられる。誘導加熱装置100は、誘導加熱用のワークコイル110と、ワークコイル110に金属部材200に対応して交換することができるように着脱可能に取付固定された磁性体からなるコア131と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属製の金属部材を誘導加熱により昇温させるときに用いられる誘導加熱装置及びそれを用いた金属部材の加熱方法に関する。
金属部材を加熱する方法として誘導加熱によるものが広く用いられている。誘導加熱は、ソレノイド状等のワークコイルに金属部材を近接させて配し、ワークコイルに高周波電流を流すことによって磁界を発生させ、金属部材にそれを打ち消す磁界が発生するようにうず電流を生じさせて、その電流と金属部材の電気抵抗とでジュール熱を生じさせて金属部材を昇温させるものである。
例えば、特許文献1には、所定長を有する外筒部材と、外筒部材の内部に向けて一定空間をもって同軸状に挿通された内筒部材と、内筒部材の外周面に固着されて上面が外筒部材の内周面に圧接する弾性部材と、外筒と弾性部材との間に介在させた接着剤とから成るプロペラシャフトの外筒部材の外壁面に沿って配置された誘導加熱用のコイルに通電して、外筒部材と弾性部材を強固に接着するようにしたプロペラシャフトの製造装置において、外筒部材の外壁面に沿って配置される誘導加熱用コイルの形状を、外筒部材の長手方向に沿う外表面の略半分をカバーする形状として構成するとともに、コイルの通電時に、外筒部材及び内筒部材を一体的に回転させる回転機構を設けたものが開示されている。そして、これによれば、外筒部材と内筒部材内に加硫接着された弾性部材とを外筒部材の全周にわたって強固に接着することができ、また、工程が簡易化されるという利点があり、さらに、電力費及び設備費に要するコストが低廉化される、と記載されている。
特許文献2には、金属製の内筒と、金属製の外筒と、内筒と外筒との間に介装されるゴム弾性体と、を有し、このゴム弾性体の内部に形成された複数の液室内に非圧縮性の流体が封入されてなる流体封入式防振装置の製造方法において、内筒外面にゴム弾性体を加硫接着しておき、外筒の内面またはゴム弾性体の外面に接着剤を塗布した後、流体の液中において外筒内にゴム弾性体を圧入して、ゴム弾性体の絞り率を10〜40%とし、次いで、外筒を160〜250℃の範囲で誘導加熱して、外筒とゴム弾性体とを接着させることが開示されている。そして、これによれば、工程を簡素化し、かつ、装置自体の部品点数を減少することができる、と記載されている。
特許文献3には、金属板と生ゴム層とを交互に積層して未加硫の積層ゴム支承を形成する積層工程と、この未加硫の積層ゴム支承の生ゴム層を、電磁誘導加熱手段により金属板を誘導加熱することによりこの金属板を介して予熱する予熱工程と、この予熱された積層ゴム支承を、金型内に装着してさらに加熱する加硫成形工程とを含む積層ゴム支承の製造方法が開示されています。そして、これによれば、誘導加熱による予熱によって、従来では熱が入り難かった積層ゴム支承の中央部分の温度を周囲温度と同じか、より高い温度に上げることができ、過加硫を抑制しながら加硫時間を大巾に短縮することができる、と記載されている。
特許文献4には、飲料入りの缶を加熱する自動販売機の誘導加熱装置において、加熱コイルは複数回の巻数を有し、軸方向の所定の位置に隙間を有する円筒形に形成することが開示されている。そして、これによれば、加熱コイル近辺でのローカルヒートを無くし、加熱コイル内に飲料缶を装着する際の機構部品を少なくするとともに、加熱コイル自身でインダクタンスを調整できる、と記載されている。
特許文献5には、熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜で被覆された金属基材に、弾性材料で形成された防振材本体が熱硬化性樹脂接着剤により接着固定されてなる防振構造体の製造方法として、金属基材の被接着面に電磁誘導加熱用ワークコイルを近接させた後、電磁誘導加熱により被接着面を熱硬化性樹脂接着剤がゲル状態となるゲル状温度域に昇温させ、しかる後、防振材本体に熱硬化性樹脂接着剤を付着させて、金属基材のゲル状温度域まで昇温させた被接着面と防振材本体の熱硬化性接着剤の付着部とを圧接させる技術が開示されています。そして、これによれば、金属基材が熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜で被覆されているような場合でも、焼付塗膜の劣化を最小限に抑えつつ電磁誘電加熱により金属基材と防振ゴム本体との接着一体化を図ることができる、と記載されている。
特公平6−9873号公報 特開平10−89411号公報 特開平11−218183号公報 特開2002−8125号公報 特開2001−271859号公報
ところで、ブッシュタイプの防振装置は、同軸状に配設された内筒及び外筒と、それらの間に介設された防振ゴムとからなる。このような防振装置は、内筒及び防振ゴムを加硫一体成形し、その外周に接着剤を塗布したものを誘電加熱によって昇温させた外筒に圧入することにより製造される。そして、このとき、外筒の加熱は、誘電加熱用のワークコイルを備えた誘電加熱装置が用いられ、外筒の内側或いは外側にワークコイルを配して行われる。
また、外筒には様々なサイズのものがあり、このとき、外筒のサイズに応じて効率よく加熱をするために、加工する外筒のサイズ毎にワークコイルを段替えすることが行われる。
ところが、ワークコイルは冷却水が流通するようになっていて構造が複雑であり、これを段替えするのには長時間を要し、そのために生産性が低くなるという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、形状等の異なる金属部材をそれぞれ誘導加熱により加熱する場合でも、ワークコイルの段替えをすることなく、金属部材に対応した好適な誘電加熱を行うことができる誘電加熱装置及びそれを用いた金属部材の加熱方法を提供することにある。
上記目的を達成する本発明の誘導加熱装置は、金属部材を誘導加熱により昇温させるときに用いられるものであって、
誘導加熱用のワークコイルと、
上記ワークコイルに金属部材に対応した交換ができるように着脱可能に取付固定された磁性体からなるコアと、
を備えたことを特徴とする。
そして、本発明の金属部材の加熱方法は、ワークコイルを用いて金属部材を誘導加熱により昇温させるものであって、
金属部材に対応した磁性体からなるコアを選択するコア選択ステップと、
上記コア選択ステップで選択したコアをワークコイルに着脱可能に取付固定するコア取付ステップと、
上記コア取付ステップでワークコイルに取付固定したコアに対して上記金属部材を所定位置に位置付けるワークセットステップと、
上記ワークセットステップで所定位置に位置付けた金属部材を上記ワークコイルを用いた誘導加熱により昇温させる加熱ステップと、
を備えたことを特徴とする。
単一のワークコイルで種々の金属部材を誘導加熱により加熱しようとした場合、ワークコイルと金属部材との間隔が小さければ効率よく加熱することができるものの、その間隔が大きければ金属部材において磁束密度が小さくなってしまい、効率よく加熱することができない。また、金属部材の各部とワークコイルとの間隔が不均一である場合、金属部材内に温度分布が生じてしまう。しかしながら、上記の構成によれば、磁束密度の低下を抑制する磁性体からなるコアがワークコイルに着脱可能に取付固定されるので、仮にワークコイルと金属部材との間隔に大小がある場合でも、両方の場合でコアと金属部材との間隔が同じになるようにコアを選択して交換すれば、金属部材の大きさに関わらず、同一条件での誘導加熱を行うことができる。また、金属部材の各部とコアとの間隔が均一になるようなコアを選択して交換すれば、温度分布が生じることなく金属部材を均一に加熱することができ、一方、金属部材の一部とコアとの間隔だけが小さくなるようなコアを選択して交換すれば、局部的に加熱温度を高めることもできる。従って、金属部材のサイズ等の形状毎に、その加熱に適した形状の磁性体からなるコアを準備しておくことにより、形状等の異なる金属部材をそれぞれ誘導加熱により加熱する場合でも、ワークコイルの段替えをすることなく、金属部材に対応した好適な誘電加熱を行うことができる。
本発明の誘導加熱装置は、上記コアが上記ワークコイルを覆うように形成されているものであってもよい。
上記の構成によれば、ワークコイルの直接の影響が金属部材に及ばないので、金属部材の局部的な加熱度合の設定等をコアの形状設定のみによって行うことができる。
本発明によれば、形状等の異なる金属部材をそれぞれ誘導加熱により加熱する場合でも、ワークコイルの段替えをすることなく、金属部材に対応した好適な誘電加熱を行うことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る誘導加熱装置100を示す。
本発明の実施形態1に係る誘導加熱装置100は、自動車のサスペンションに用いられるブッシュタイプの防振装置300の製造工程で使用されるものである。
具体的には、防振装置300は、図2に示すように、内筒311及び防振ゴム312を加硫一体成形し、その外周に接着剤320を塗布したものを予熱しておいた外筒200に圧入することにより製造される。そして、誘導加熱装置100は、その外筒(金属部材)200の予熱を行うのに用いられる。
この誘導加熱装置100は、誘導加熱用のワークコイル110と、ワークコイル110に接続された装置本体120と、ワークコイル110に着脱可能に取付固定されたコア131と、で構成されている。
ワークコイル110は、金属製の管状材からなり、螺旋を形成して上方に延びた後、螺旋の上端から軸位置を通るように下方に延びるように形成されたソレノイドタイプのものであり、両端が下部に設けられた構成となっている。また、ワークコイル110は、螺旋の軸が鉛直方向になるように図示しない支持台に固設されている。
装置本体120は、ワークコイル110の両端が接続され、ワークコイル110に高周波電流を供給する発振器として機能すると共に、ワークコイル110に流通させる冷却水を循環させるコイル冷却器として機能する他、電流の調整等の装置全体の制御をも行う。
コア131は、フェライトなどの強磁性体からなり、有底の円筒を上下ひっくり返したキャップ状に形成されている。また、コア131は、略円筒状に形成されたワークコイル110に上側から被せて外嵌めすることにより着脱可能に取付固定されている。ここで、コア131は、ワークコイル110に直接接触するように設けられている。図1に示すコア131は、外径の小さい外筒200を加熱するためのものであり、コア131の外径が外筒200の内径よりもやや小さく、外筒200の内壁とコア131の外周との間隔が均一になるように形成されている。以下、外径の小さい外筒200を加熱するためのコア131をワークコイル110に取付固定した図1に示す構成を第1構成とする。
次に、この誘導加熱装置100を用いた防振装置300の製造方法について説明する。
まず、内筒311及び防振ゴム312を加硫一体成形する。
次いで、その一体物310のゴム外周に熱硬化型の接着剤320を塗布する。
一方、外筒200を誘導加熱装置100のコア131を囲うように配置する。
次いで、装置本体120からワークコイル110に高周波電流を流すと共に冷却水を循環させる。このとき、ワークコイル110に流れる高周波電流によって磁界が発生する。そして、外筒200では、その内側の表層部分において、ワークコイル110による磁界を打ち消す磁界を発生させるようにうず電流が生じ、そのうず電流と外筒200の電気抵抗とによるジュール熱によって外筒200が昇温して加熱される。ここで、コア131は強磁性体で形成されており、ワークコイル110と外筒200との間での磁界の減衰が抑制されるので、効率よく加熱することができると共に、外筒200の内壁とコア131の外周との間隔が均一であるので、外筒200全体が同様に磁界に晒され、外筒200内で温度分布が生じることなく均一に誘電加熱を行うことができる。なお、外筒200の加熱度合(温度)はワークコイル110に流す高周波電流の電流値によって設定自在であるが、外筒200には電着塗装が施されており、誘電加熱によりその電着塗装が劣化することがないように、高周波電流の電流値の設定がなされている。
そして、加熱された外筒200に内筒311及び防振ゴム312の一体物310を同軸に圧入する。これにより、一体物310の外周に塗布された接着剤320が硬化して一体物310と外筒200とが接着する。なお、外筒200への一体物310の圧入は、加熱されている外筒200と同軸に一体物310を外筒200の上方に配し、加熱後の外筒200を上方に移動させて一体物310に外嵌めするようにして行う。
以上のようにして、同軸に配設された内筒311及び外筒200の間に防振ゴム312が介設された防振装置300が製造される。
上記のように、この誘導加熱装置100では、コア131が着脱可能であり、外筒200に対応して交換することができるようになっている。以下に、第1構成とは種類の異なる外筒200を加熱するための構成について説明する。
図3は、外径が大きい外筒200を加熱するためのコア132をワークコイル110に取付固定した誘導加熱装置100の要部を示す。
このコア132は、第1構成よりも外径の大きい外筒200を加熱するためのものであり、コア132の外径が外筒200の内径よりもやや小さく、外筒200の内壁とコア132の外周との間隔が均一で、しかも、その間隔が第1構成と略同一となるように形成されている。この場合、コア132は強磁性体で形成されており、ワークコイル110と外筒200との間での磁界の減衰が抑制されるので、ワークコイル110と外筒200との間隔が第1構成よりも広いものの、外筒200の内壁とコア132の外周との間隔が第1構成と略同一であることから、第1構成と同等に効率よく誘導加熱を行うことができると共に、外筒200の内壁とコア132の外周との間隔が第1構成と同様に均一であるので、外筒200全体が同様に磁界に晒され、外筒200内で温度分布が生じることなく均一に加熱することができる。以下、外径の大きい外筒200を加熱するためのコア132をワークコイル110に取付固定した図3に示す構成を第2構成とする。
図4は、断面楕円形状の外筒200を加熱するためのコア133をワークコイル110に取付固定した誘導加熱装置100の要部を示す。
このコア133は、断面楕円形状の外筒200を加熱するためのものであり、その外径が外筒200の内径よりもやや小さい断面楕円形状に形成されている。また、コア133は、外筒200の内壁とコア133の外周との間隔が均一で、しかも、その間隔が第1構成と略同一となるように形成されている。この場合、コア133は強磁性体で形成されており、ワークコイル110と外筒200との間での磁界の減衰が抑制され、また、外筒200の内壁とコア133の外周との間隔が第1構成と略同一であるので、第1構成と同等に効率よく誘導加熱を行うことができると共に、外筒200の内壁とコア133の外周との間隔が第1構成と同様に均一であるので、外筒200全体が同様に磁界に晒され、外筒200内で温度分布が生じることなく均一に加熱することができる。
図5は、断面略D形状の外筒200を加熱するためのコア134をワークコイル110に取付固定した誘導加熱装置100の要部を示す。
このコア134は、断面略D形状の外筒200を加熱するためのものであり、その外径が外筒200の内径よりもやや小さい断面略D形状に形成されている。また、コア134は、外筒200の内壁とコア134の外周との間隔が均一で、しかも、その間隔が第1構成と略同一となるように形成されている。この場合、コア134は強磁性体で形成されており、ワークコイル110と外筒200との間での磁界の減衰が抑制され、また、外筒200の内壁とコア134の外周との間隔が第1構成と略同一であるので、第1構成と同等に効率よく誘導加熱を行うことができると共に、外筒200の内壁とコア134の外周との間隔が第1構成と同様に均一であるので、外筒200全体が同様に磁界に晒され、外筒200内で温度分布が生じることなく均一に加熱することができる。
図6は、ロッド材に取り付けられた断面円形状の外筒200についてロッド材との溶接結合部をより高温に加熱するためのコア135をワークコイル110に取付固定した誘導加熱装置100の要部を示す。
このコア135は、ロッド材に取り付けられた断面円形状の外筒200について、放熱の最も著しいロッド材との溶接結合部をより高温に加熱するためのものであり、その外径が外筒200の内径よりもやや小さく、断面が円形と長方形とを組み合わせたような形状に形成されている。そして、コア135は、長方形部分が外筒200のロッド材との結合部に対応するように、特に長方形の角が溶接部分に対応するように、ワークコイル110に取付固定されている。そのため、コア135の円形部分に対応しては、外筒200の内壁とコア135の外周との間隔が均一であるのに対し、長方形部分に対応しては、円形部分よりも外筒200の内壁とコア135の外周との間隔が小さくなっている。特に、長方形部分の角と溶接部分との間隔が最も小さくなっている。この場合、コア135は強磁性体で形成されており、ワークコイル110と外筒200との間での磁界の減衰が抑制されるので、効率よく誘導加熱を行うことができる。また、円形部分に対応しては、外筒200の内壁とコア135の外周との間隔が均一であるので、外筒200の円形部分対応部分が同様に磁界に晒され、外筒200内で温度分布が生じることなく均一に加熱することができる。一方、長方形部分に対応しては、外筒200の内壁とコア135の外周との間隔が円形部分よりも小さいので、外筒200の円形部分対応部分よりも高温度に加熱することができる。特に、長方形部分の角と溶接部分との間隔が最も小さいので、溶接部分を最も高温に加熱することができる。
単一のワークコイルで種々の外筒を誘導加熱により加熱しようとした場合、ワークコイルと外筒との間隔が小さければ効率よく加熱することができるものの、その間隔が大きければ外筒において磁束密度が小さくなってしまい、効率よく加熱することができない。また、外筒の各部とワークコイルとの間隔が不均一である場合、外筒内に温度分布が生じてしまう。しかしながら、上記構成の誘導加熱装置100によれば、磁束密度の低下を抑制する磁性体からなるコア131〜135がワークコイル110に着脱可能に取付固定されているので、仮にワークコイル110と外筒200との間隔に大小がある場合(例えば、第1構成と第2構成)でも、両方の場合でコア131〜135と外筒200との間隔が同じになるようにコア131〜135を選択して交換すれば、外筒200の大きさに関わらず、同一条件での誘導加熱を行うことができる。また、外筒200の各部とコア131〜135との間隔が均一になるようなコア131〜135を選択して交換すれば、温度分布が生じることなく外筒200を均一に加熱することができ、一方、外筒200の一部とコア131〜135との間隔だけが小さくなるようなコア131〜135を選択して交換すれば、局部的に加熱温度を高めることもできる。従って、外筒200のサイズ等の種類毎に、その加熱に適した形状の磁性体からなるコア131〜135を準備しておくことにより、形状等の異なる外筒200をそれぞれ誘導加熱により加熱する場合でも、ワークコイル110の段替えをすることなく、外筒200に対応した好適な誘電加熱を行うことができる。
また、コア131〜135がワークコイル110をを覆うように形成されており、ワークコイル110の直接の影響が外筒200に及ばないので、外筒200の局部的な加熱度合の設定等をコア131〜135の形状設定のみによって行うことができる。
(実施形態2)
図7は、本発明の実施形態2に係る誘導加熱装置100の要部を示す。なお、実施形態1と同一名称の部分は同一符号で示す。
この誘導加熱装置100では、金属製の管状材を螺旋を形成してなるソレノイドタイプのワークコイル110の内側に着脱可能に筒状のコア136が内嵌めされて取付固定されている。コア136には、断面の輪郭形状が略正方形の貫通孔が形成されている。そして、その貫通孔内に、外径がその貫通孔よりもやや小さい断面略正方形の筒状の金属部材200がコア136表面から間隔をおいて配され、誘導加熱によって金属部材200を加熱するようになっている。
コア136は着脱可能であることから、貫通孔の形状の異なるコア136を準備しておくことにより、形状の異なる金属部材200をそれぞれ誘導加熱により加熱する場合でも、ワークコイル110の段替えをすることなく、金属部材200に対応した好適な誘電加熱を行うことができる。
その他の構成、作用及び構成は実施形態1と同一である。
(実施形態3)
図8は、本発明の実施形態3に係る誘導加熱装置100の要部を示す。なお、実施形態1と同一名称の部分は同一符号で示す。
この誘導加熱装置100では、金属製の線材をうずまき状に形成してなるパンケーキタイプのワークコイル110に着脱可能にブロック状のコア137がその下部に外嵌め状に取付固定されている。コア137には、上面に略円錐孔が形成されている。そして、その略円錐孔内に、略円錐状の金属部材200が挿入されてコア137表面から間隔をおいて配され、誘導加熱によって金属部材200を加熱するようになっている。
コア137は着脱可能であることから、孔の形状の異なるコア137を準備しておくことにより、形状の異なる金属部材200をそれぞれ誘導加熱により加熱する場合でも、ワークコイル110の段替えをすることなく、金属部材200に対応した好適な誘電加熱を行うことができる。
その他の構成、作用及び構成は実施形態1と同一である。
(その他の実施形態)
上記実施形態1及び2では、ソレノイドタイプのワークコイル110とし、実施形態3では、パンケーキタイプのワークコイル110としたが、特にこれに限定されるものではなく、ヘアピンタイプ等その他のタイプのワークコイルであってもよい。
また、上記実施形態1では、誘導加熱装置100を防振装置300の製造に用いるものとしたが、特にこれに限定されるものではなく、いかなる金属部材の加熱に用いるものであってもよい。
本発明は、金属製の金属部材を誘導加熱により昇温させるときに用いられる誘導加熱装置及びそれを用いた金属部材の加熱方法に有用である。
本発明の実施形態1に係る誘導加熱装置の第1構成を示す図である。 防振装置の製造方法を示す説明図である。 第2構成のコアをワークコイルに取付固定した誘導加熱装置の要部を示す図である。 断面楕円形状の外筒を加熱するためのコアをワークコイルに取付固定した誘導加熱装置の要部を示す図である。 断面略D形状の外筒を加熱するためのコアをワークコイルに取付固定した誘導加熱装置の要部を示す図である。 外筒のロッド材との溶接結合部をより高温に加熱するためのコアをワークコイルに取付固定した誘導加熱装置の要部を示す図である。 本発明の実施形態2に係る誘導加熱装置の要部を示す図である。 本発明の実施形態3に係る誘導加熱装置の要部を示す図である。
符号の説明
100 誘電加熱装置
110 ワークコイル
120 装置本体
131〜137 コア
200 外筒(金属部材)
210 ロッド材
300 防振装置
310 一体物
311 内筒
312 防振ゴム
320 接着剤

Claims (3)

  1. 金属部材を誘導加熱により昇温させるときに用いられる誘導加熱装置であって、
    誘導加熱用のワークコイルと、
    上記ワークコイルに金属部材に対応した交換ができるように着脱可能に取付固定された磁性体からなるコアと、
    を備えたことを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 請求項1に記載された誘導加熱装置において、
    上記コアは、上記ワークコイルを覆うように形成されていることを特徴とする誘導加熱装置。
  3. ワークコイルを用いて金属部材を誘導加熱により昇温させる金属部材の加熱方法であって、
    金属部材に対応した磁性体からなるコアを選択するコア選択ステップと、
    上記コア選択ステップで選択したコアをワークコイルに着脱可能に取付固定するコア取付ステップと、
    上記コア取付ステップでワークコイルに取付固定したコアに対して上記金属部材を所定位置に位置付けるワークセットステップと、
    上記ワークセットステップで所定位置に位置付けた金属部材を上記ワークコイルを用いた誘導加熱により昇温させる加熱ステップと、
    を備えたことを特徴とする金属部材の加熱方法。
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