JP2005233048A - 流体噴射弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】 セット荷重を高めることができるとともに、安定したスプリング力が得られる流体噴射弁を提供する。
【解決手段】 弁座29aに着座および離座することで閉弁および開弁する弁部材26と、弁部材26に協働して往復移動可能な可動コア25と、可動コア25を閉弁方向に付勢するスプリング24とを備え、可動コア25を吸引する電磁力がなくなると、閉弁する流体噴射弁1において、スプリンング24の断面形状は、楕円のものとする。
【選択図】 図1
【解決手段】 弁座29aに着座および離座することで閉弁および開弁する弁部材26と、弁部材26に協働して往復移動可能な可動コア25と、可動コア25を閉弁方向に付勢するスプリング24とを備え、可動コア25を吸引する電磁力がなくなると、閉弁する流体噴射弁1において、スプリンング24の断面形状は、楕円のものとする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、流体噴射弁に関し、例えば内燃機関に燃料を噴射供給する電磁式燃料噴射弁に適用して好適なものである。
流体噴射弁としては、例えば内燃機関の燃焼室に直接あるいは間接的に燃料噴射する燃料噴射弁が知られている。この種の燃料噴射弁は、内燃機関へ供給する燃料の流通、遮断を正確に行うために、弁座に着座、離座することで閉弁および開弁するニードルを、閉弁方向に押圧するスプリングが取り付けられている(特許文献1参照)。
なお、スプリングは、通電により発生する駆動コイルの電磁力により吸引される可動コアとしてのニードルコアの内孔に収容され、支持されている。
特開平9−14090号公報
近年、内燃機関の高出力化に伴い、燃料噴射弁においても高応答化が要求されており、特に、スプリングを収容するニードルコアは、高応答化に対応するため、軽量化は必須であり、かつ磁気特性の制約よりスプリング収容空間を拡大することが困難、つまり内孔に収容されるスプリング外径を拡大することが難しかった。また、高応答性を確保するためには、例えば閉弁応答性向上を図る方法として、スプリングのセット荷重を高める必要がある。
しかしながら、従来技術では、実際にセット荷重を高めてしまうと、結果的にスプリングのたわみ量を増加させることになるため、伸縮するスプリング自身に曲がりが生じていた。その曲がり量が大きくなると、ニードルコア等の相手部材と干渉を起こし、安定したスプリング力が得られなくなるという問題があった。その結果、燃料噴射弁の作動が不安定となり噴射量特性に影響を及ぼすおそれがあった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、セット荷重を高めることができるとともに、安定したスプリング力が得られることを目的とする。
本発明の請求項1によると、弁座に着座および離座することで閉弁および開弁する弁部材と、弁部材に協働して往復移動可能な可動コアと、可動コアを閉弁方向に付勢するスプリングと、前記可動コアを前記スプリングの付勢力に抗して吸引する電磁力を発生する駆動コイルとを備え、可動コアを吸引する電磁力がなくなると、閉弁する流体噴射弁において、スプリンングの断面形状は、楕円であることを特徴とする。
これによると、可動コアは、閉弁方向および開弁方向に移動することで、弁部材を弁座に着座および離座する、つまり閉弁および開弁する。可動コアを閉弁方向に付勢するスプリングの断面形状を楕円にするので、例えば断面積が等しいほぼ真円のものに比べて短径化分、素線間の隙間に余裕が生じる。したがって、スプリングのセット荷重を増やすことが容易となる。
さらに、同じばね定数を確保する場合には有効巻き数をほぼ同じにすればよいので、素線間隙間の余裕分を利用して、スプリング全長を短縮することが可能である。これにより、スプリングをたわました時の曲がりを小さくすることができる。なお、スプリングの曲がりを小さくなるものは、スプリングの自由長時の傾きが小さくなる。したがって、スプリングの傾きまたは曲がりに起因する可動コア等の相手部材との干渉防止ができるので、安定したスプリング力を得ることができる。
本発明の請求項2によると、可動コアの内周側には、弁部材側の燃料下流に燃料を導く燃料通路が形成されており、内周側には、スプリングの座面が形成されていることを特徴とする。
これによると、内周側に、弁部材側の燃料下流に燃料を導く燃料通路が形成されるとともに、スプリングの座面が形成されている可動コアを有する流体噴射弁に適用して好適なものである。
これによると、従来のほぼ真円のものと、ばね定数およびスプリング外径とがほぼ同じという条件の場合において、スプリング全長を短縮することができるので、スプリングを収容する座面を有する内周側に、弁部材側の燃料下流に燃料を導く燃料通路を形成することができる。例えば燃料通路として、噴射供給するための流体流路面積を確保するとともに、同じ内周側にスプリングを収容し支持する座面を形成することができる。
請求項3によると、楕円における長径aと短径bの比a/bは、1<a/b<1.7の範囲にあることを特徴とする。
例えば長径aと短径bの比a/bが1となるほぼ真円のものでは、素線間の隙間の拡大の効果を得にくい。長径aと短径bの比a/bが大きいと、楕円自体が扁平した長円となって圧縮スプリングの巻線加工が難しくなる。これに対して請求項3に記載の流体噴射弁では、長径aと短径bの比a/bを、1<a/b<1.7の範囲に設定したことにより、素線間の隙間の拡大の効果を保持し、その隙間を利用してスプリングのセット荷重を増やすことが可能であるとともに、圧縮スプリングの巻線加工が難しくない程度の扁平度合いの楕円にすることができる。
請求項4によると、スプリングの全長Lとスプリングの外径dの比L/dは、1.1<L/d<5.4の範囲にあることを特徴とする。
例えば全長Lと外径dの比L/dが小さいと、密着等のスプリング設計上の制約問題が生じる。比L/dが大きいと、スプリングのたわみによる曲がりへの影響度が増大する。これに対して請求項4に記載の流体噴射弁では、全長Lと外径dの比L/dを、1.1<L/d<5.4の範囲に設定したことにより、密着等のスプリング設計上の制約が生じることなく、スプリングのたわみによる曲がりへの影響が問題にならない程度の大きさにすることができる。
以下、本発明の流体噴射弁を、内燃機関に燃料を噴射供給する燃料噴射弁に適用して、具体化した実施形態を図面に従って説明する。図1は、本実施形態に係わる要部を示す図であって、図2中のスプリング周りを示す断面図である。図2は、本実施形態の流体噴射弁の概略構成を示す断面図である。図3は、図1中のスプリング単品を示す図であって、図3(a)は一部を切断した正面図、図3(b)は図3(a)の素線の断面を示す拡大断面図である。図4は、図1中の可動コアを示す部分的断面図である。
図2に示すように、燃料噴射弁(以下、インジェクタと呼ぶ)1は、内燃機関(エンジン)、特にガソリンエンジンに用いられる。インジェクタ1は、エンジンの吸気管等に取り付けられて、図示しない燃料ポンプにより加圧された燃料を供給される。インジェクタ1から噴射された燃料は、吸入空気とともに、エンジンの燃焼室へ供給される。インジェクタ1は、略円筒形状であり、一端から燃料を受け、他端から燃料を噴射する。インジェクタ1は、燃料噴射を断続する弁部26、29と、弁部26、29を駆動する電磁駆動部31、14、25、24と、燃料を微粒化し、噴霧を形成する噴孔プレート28とを含んで構成されている。インジェクタ1の燃料入口には、フィルタ11が取り付けられており、異物が除去される。なお、噴孔プレート28は、燃料を微粒化し、噴霧を形成する噴霧形成手段を構成する。
弁部26、29は、図1および図2に示すように、バルブボディ29と、弁部材(以下、ニードルと呼ぶ)26とを有する。バルブボディ29は、金属内筒部材14の下端側の内壁に固定されている。なお、バルブボディ29と金属内筒部材14の固定方法としては、例えばレーザ溶接等によって外側から全周に溶接される。具体的には、バルブボディは、金属内筒部材14の磁性筒部材14cに圧入、または挿入可能されている。バルブボディ29と磁性筒部材14cとは、外側から全周にわたって溶接されている。バルブボディ29の内周側には、ニードル26が当接および離間可能な弁座としての円錐斜面29aが形成されている。バルブボディ29の内側には、エンジンへ燃料噴射する燃料の燃料通路が形成されており、燃料流れの下流側から上流に向かって、円錐斜面29a、大径壁面29b、円錐斜面29c、円錐ニードル26を摺動可能に支承する小径壁面29d、円錐斜面29eが順に形成されている。弁座29aは、燃料の流れに沿って縮径する。弁座29aは、ニードル26の当接部26cと協働して、弁部としての開弁、閉弁を実行する。また、大径壁面29bは、燃料溜り孔、つまりニードル26と共に囲まれる燃料溜り室29fを形成しており、小径壁面29dは、ニードル26を摺動可能に支承するニードル支持孔を形成している。この小径壁面29dにより形成されるニードル支持孔は、大径壁面29bにより形成される燃料溜り孔より小径である。円錐斜面29eは燃料上流に向かって拡径している。
ニードル26は、ステンレスからなる略有底筒状体に形成されており、バルブボディ29(詳しくは小径壁面29d)に摺動可能に支承される大径円筒部26eと、大径円筒部26aの燃料下流側に向かって形成される小径円柱部26dとを含んで構成されている。小径円柱部26dの先端には、弁座29aに当接および離間可能な当接部26cが形成されている。当接部26cの径は、弁としてのシート径を規定する。この実施例では、シート径は小径壁面29dより小さい。大径円筒部26eには、内部通路26fと燃料溜り室29fとを連通するように、少なくとも1つの出口孔26bが設けられている。
噴孔プレート28は、図1、および図2に示すように、バルブボディ29の先端に配置され、複数の噴孔28aから燃料を噴射し、燃料噴霧を微粒化する。噴孔プレート28は薄い金属板である。噴孔28aは、要求される燃料の噴霧の形状、方向、数などに応じて、その大きさ、噴孔軸線の方向、噴孔配列等が決定される。また、噴孔28aの開口面積は、開弁時の流量を規定する。したがって、インジェクタ1の燃料噴射量は、噴孔の開口面積と、開弁期間とによって計量される。
なお、噴射プレート28の下流側には、インジェクタ1の先端部(詳しくは、噴射プレート28、バルブボディ29など)を保護するプロテクタ50が配置されている。プロテクタ50には、噴孔プレート28のうち、噴孔28aが配置される領域を少なくとも開口する開口部50aが設けられている。なお、プロテクタ50は、バルブボディ29に取り付けられ、バルブボディ29の側面と嵌合している。
電磁駆動部31、14、25、24は、図1および図2に示すように、コイル31、金属円筒部材14、アーマチャ25、およびスプリング(以下、圧縮スプリングと呼ぶ)24とを含んで構成されている。インジェクタ1は、電磁駆動部に通電されると開弁し、電磁駆動部への通電が遮断されると閉弁する。コイル31は、樹脂製のボビン(以下、スプールと呼ぶ)30の外周に巻回されている。コイル31の端部はターミナル12が電気的に接続しており、2つのターミナルとして引き出されている。スプール30は、金属円筒部材14の外周に装着されている。金属円筒部材14の外周には、樹脂モールド13が配置され、ターミナル12を収容するコネクタ部16が設けられている。なお、コイル31とスプール30は、通電により電磁力を発生する駆動コイルを構成する。駆動コイル31、30は、通電により発生する電磁力によって、後述の磁気回路に磁束を流す。金属内筒部材14は、磁性部と非磁性部からなるパイプ材であり、例えば複合磁性材で形成されている。金属円筒部材14は、燃料の流れの上流から下流に向かって、磁性筒部14a、非磁性筒部14b、磁性筒部14cを有している。非磁性筒部14bは、金属円筒部材14の一部を加熱して非磁性化することにより形成されている。なお、磁性筒部14a、非磁性筒部14b、および磁性筒部14cを溶接等により接合することにより金属内筒部材14として形成されてもよい。金属円筒部材14の内周には、アーマチャ収容孔14eが設けられており、非磁性筒部14bと磁性筒部14cとの境界付近に、アーマチャ25が収容されている。金属円筒部材14は、コイル31に通電したときに起きる磁束が流れる磁気回路を形成する。金属円筒部材14の外側には、磁性部材23、樹脂モールド15、および磁性部材18が設けられている。磁性部材23はコイル31の外周を覆っている。磁性部材18はC字状の板である。磁性部材18、23は、金属内筒部材14の外周に当接しており、金属内筒部材14とともに、磁気回路の一部を構成している。樹脂モールド15は、磁性筒部14aと磁性部材18、23の外周に形成され、磁性部材18および金属内筒部材14の外周を覆っている。なお、樹脂モールド13と樹脂モールド15は結合している。
アーマチャ25は、磁性ステンレス等の強磁性材料からなる筒状体である。アーマチャ25はニードル26に固定されている。アーマチャ25の内部空間25eは、ニードル26の内部通路26fと連通しており、出口孔26bを介してアーマチャ収容孔14eと大径壁面29bとでそれぞれ形成される燃料通路とお互いに連通している。吸引部材22は、磁性ステンレス等の強磁性材料からなる円筒体である。吸引部材22は、金属内筒部材14の内周に圧入等により固定されている。
圧縮スプリング24は、アーマチャ25を閉弁方向に付勢しており、詳しくはアーマチャ25をバルブボディ29の弁座29aに向けて付勢する。圧縮スプリング24は、吸引部22の内周に配置されたアジャスティングパイプ21の端面と、アーマチャ25の内周25b側に形成された座面(以下、スプリング座面)25cとの間に配置されている。また、圧縮スプリング24は、一端側がアーマチャ25の内周25b側に形成された内孔に収容され、他端側が吸引部材22の内周側に収容されている。圧縮スプリング24の両端面は研磨等により平坦に形成されている。なお、駆動コイル31、30に通電時には、ニードル26およびアーマチャ25が駆動コイル31、30による電磁力によって吸引されてリフトし、吸引部材22の下端部とアーマチャ25の上端部とが当接する。このとき、圧縮スプリング24が最大たわみ状態となり、圧縮スプリング24のスプリング力は最大(以下、使用時最大荷重と呼ぶ)となる。通電停止時には、圧縮スプリング24は初期たわみ状態となり、スプリング力は初期たわみ荷重(以下、セット荷重)を有する。
ここで、本実施形態では、圧縮スプリング24の素線の断面形状は、図3(a)および図3(b)に示すように、楕円に形成されている。さらに、楕円断面の短径bが圧縮スプリング24が伸縮する軸方向に、長径aが径方向に配置されている。これにより、断面積が等しい従来のほぼ真円のものに比べて、短径b化分だけ、素線間の隙間に余裕が生じる。なお、圧縮スプリング24の素線は引抜き加工等により成形されるため、従来の素線の断面形状は設計上は真円(円形)であっても、実際に製造されるものはほぼ真円であり、短径bおよび長径aを有する楕円とは異なる形状である。したがって、圧縮スプリング24のセット荷重、および使用時最大荷重を増やすことが容易となる。さらに、同じばね定数を確保する場合には有効巻き数をほぼ同じにすればよいので、素線間隙間の余裕分を利用して、スプリング全長Lを短縮することが可能である。これにより、圧縮スプリング24をたわました時の曲がりを小さくすることができる。なお、たわんだ状態で生じる圧縮スプリング24の曲がりを小さくなるものは、圧縮スプリング24の全長つまり自由長L時の傾きも小さくなる。したがって、圧縮スプリング24の傾きまたは曲がりに起因するアーマチャ25の内周25側の内孔との干渉防止ができるので、安定したスプリング力を得ることができる。
なお、本実施例では、図3(b)および図4に示すように、圧縮スプリング24の全長(自由長)Lは、L=13mm、外径dはd=2.8mmである。また、圧縮スプリング24を収容するアーマチャ25の内周側の内孔の内径D2はD2=3.1mm、アーマチャ25の外径D1はD1=5.6mmである。また、本実施形態の楕円断面を、断面積が同じ従来の円形の直径で表すと、素線直径は0.3〜0.5mm程度の比較的細いものである。圧縮スプリング24の全長(自由長)Lは、本実施例では、従来の素線断面のもの(L=15mm)より2mm短くなった。
楕円断面の長径aと短径bの比率a/bは、1<a/b<1.7の範囲に設定されている。下限未満では長径a=短径bとなるほぼ真円の断面となり、ばね定数を同じにするために少なくとも有効巻き数が同じという条件で、素線間の隙間の拡大を図ることは困難である。上限を超えるa/b≧1.7の場合では、楕円自体が扁平した長円となって圧縮スプリングの巻線加工が難しくなる。また、圧縮スプリング24の両端面は研磨等により平坦に形成されているため、端部が磨耗し易くなる。
圧縮スプリング24を収容するアーマチャ25は、吸引部材22などと磁気回路を形成しており、磁気特性の制約上、収容される圧縮スプリング24との関係は以下のような特徴を有する。圧縮スプリング25のスプリング外径dは、アーマチャ25の内径D2の比率で表すと、d<0.91×D2となり、アーマチャ25の外径D1と内径D2の比率D1/D2は、D1/D2>1.8の範囲にあることが好ましい。
なお、圧縮スプリング24の全長(自由長)Lとスプリング外径dの比率L/dでは、1.1<L/d<5.4の範囲にあることが好ましい。下限未満のL/d≦1.1では、スプリング設計上のスプリング外径D1に対する全長Lが短くなりすぎることで、例えば同じばね定数となる所定の有効巻き数における素線間の隙間が小さくなりすぎてしまって、密着等のスプリング設計上の問題を生じるおそれがある。上限の超えるL/d≧5.4では、逆に全長Lが長くなりすぎるので、たわみによる曲がりへの影響度が増加する。
なお、磁気回路は、磁性筒部14a、吸引部材22、アーマチャ25、磁性筒部14c、および磁性部材18、23により構成される。吸引部材22は、通電により磁気回路内に生じる磁束によってアーマチャ25を軸方向移動可能にする吸引力を発生する吸引力発生部材を構成する。また、アーマチャ25は、その磁束がアーマチャ25自体を、磁気抵抗なく、流れる被吸引部材を構成する。
インジェクタ1の作動について以下説明する。コイル31に通電すると、コイル31には電磁力が生じる。そして、吸引部材22およびアーマチャ25等の磁気回路に電磁力による磁束が流れる。したがって、アーマチャ25は吸引部材22に向けて引きつけられ、ニードル26が弁座29aから離間する。よって、インジェクタ1は開弁し、燃料が噴孔28aを通して噴射される。なお、燃料は、燃料ポンプにより所定の燃料圧力(本実施例では、250〜400kPaに調圧されている。
コイル31への通電が停止されると、コイル31に生じていた電磁力が消失する。ニードル26が、圧縮スプリング24により弁座29aに向けて押付けられ、インジェクタ1は閉弁し、燃料噴霧が遮断される。コイル31への通電期間を調節することにより、インジェクタ1から噴射される燃料噴霧の燃料噴射量が調節される。
なお、ここで、圧縮スプリング25がたわみ状態にあるとき、圧縮スプリング25の素線断面を従来のほぼ真円から楕円に形状変更することにより、ばね定数とスプリング外径dとを従来のものと同じ寸法で、圧縮スプリング24の全長Lを短縮することができるため、曲がりを小さくして、圧縮スプリング25の伸縮作動の安定化、つまりニードル26の閉弁動作および開弁動作の安定化が図れる。
次に、本実施形態の作用効果を説明すると、(1)圧縮スプリング24の素線の断面形状を、楕円に形成する。さらに、楕円断面の短径bが圧縮スプリング24が伸縮する略軸方向に、長径aが略径方向に配置されるようにする。これにより、素線の断面積が等しい従来のものに比べて、短径b化分だけ円形より扁平するので、素線間の隙間に余裕が生じる。したがって、圧縮スプリング24のセット荷重、および使用時最大荷重を増やすことが容易となる。
さらに、同じばね定数を確保する場合には有効巻き数をほぼ同じにすればよいので、素線間隙間の余裕分を利用して、スプリング全長Lを短縮することが可能である。これにより、圧縮スプリング24をたわました時の曲がりを小さくすることができる。したがって、圧縮スプリング24の曲がりあるいは傾きなどに起因するアーマチャ25の内周25側の内孔との干渉防止ができるので、安定したスプリング力を得ることができる。
(2)なお、従来の素線形状を適用している圧縮スプリングにおいて、使用最大荷重におけるたわみ量に対して、素線間の隙間に十分余裕がある場合には、例えば短径bを従来の素線の寸法と同じ条件において、比率a/bを大きくし、長径aを拡大することで断面積を大きくすることができる。従来の素線拡大の手法と同様に、断面積を大きくすることで全長を短縮することができる。しかも、従来では素線全体を大きくしたのに対して、素線隙間に影響しない径方向の長径aの寸法のみを大きくするだけであるので、素線隙間の余裕状態を低下させることなく、圧縮スプリング24のセット荷重、および使用時最大荷重を増やすことが可能である。
(3)アーマチャ25の内周25b側に、ニードル26側の燃料下流に燃料を導く燃料通路が形成されるとともに、圧縮スプリング24のスプリング座面25cが形成されているアーマチャ25を有する流体噴射弁1に適用して好適なものである。
これによると、従来の素線形状のものと、ばね定数およびスプリング外径dとがほぼ同じという条件の場合において、スプリング全長Lを短縮することができるので、圧縮スプリング24を収容するスクリング弁面25cを有する内周25b側に、ニードル26側の燃料下流に燃料を導く燃料通路を形成することができる。例えば燃料通路として、噴射供給するための流体流路面積を確保するとともに、同じ内周側に圧縮スプリング25を収容し支持する座面25cを形成することができる。
(他の実施形態)
なお、上述した実施形態では、インジェクタ1に用いる圧縮スプリング24で説明したが、圧縮スプリング24の素線が比較的細いもの(本実施形態の素線の楕円断面の断面積相当の円形の直径で表すと、素線直径は0.3〜0.5mm程度)を有する流体噴射弁であれば、いずれのものであってもよい。
なお、上述した実施形態では、インジェクタ1に用いる圧縮スプリング24で説明したが、圧縮スプリング24の素線が比較的細いもの(本実施形態の素線の楕円断面の断面積相当の円形の直径で表すと、素線直径は0.3〜0.5mm程度)を有する流体噴射弁であれば、いずれのものであってもよい。
なお、上述した実施形態において、圧縮スプリング24の素線断面形状として、短径bおよび長径aを有する楕円とし、その長径aと短径bの比率a/bを、1<a/b<1.7の範囲に設定したが、短径bおよび長径aを有する楕円でなくとも、軸方向高さをbとし、径方向幅をaとする上記比率範囲を有する扁平した長円であってもよい。
1 インジェクタ(流体噴射弁)
22 吸引部材
24 圧縮スプリング(スプリング)
25 アーマチャ(可動コア)
25b 内周
25c スプリング座面(座面)
26 ニードル(弁部材)
26c 当接部
28 噴孔プレート
28a 噴孔
29 バルブボディ
29a 弁座(円錐斜面)
30 コイル
22 吸引部材
24 圧縮スプリング(スプリング)
25 アーマチャ(可動コア)
25b 内周
25c スプリング座面(座面)
26 ニードル(弁部材)
26c 当接部
28 噴孔プレート
28a 噴孔
29 バルブボディ
29a 弁座(円錐斜面)
30 コイル
Claims (4)
- 弁座に着座および離座することで閉弁および開弁する弁部材と、前記弁部材に協働して往復移動する可動コアと、前記可動コアを閉弁方向に付勢するスプリングと、前記可動コアを前記スプリングの付勢力に抗して吸引する電磁力を発生する駆動コイルとを備え、前記可動コアを吸引する電磁力がなくなると、閉弁する流体噴射弁において、
前記スプリンングの断面形状は、楕円であることを特徴とする流体噴射弁。 - 前記可動コアの内周側には、前記弁部材側の燃料下流に燃料を導く燃料通路が形成されており、
前記内周側には、前記スプリングの座面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の流体噴射弁。 - 前記楕円における長径aと短径bの比a/bは、1<a/b<1.7の範囲にあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流体噴射弁。
- 前記スプリングの全長Lと前記スプリングの外径dの比L/dは、1.1<L/d<5.4の範囲にあることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の流体噴射弁。
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