JP2005232253A - 廃塩化ビニル樹脂組成物からのポリ塩化ビニルの回収方法 - Google Patents

廃塩化ビニル樹脂組成物からのポリ塩化ビニルの回収方法 Download PDF

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Abstract

【目的】 廃塩化ビニル樹脂組成物から塩化ビニル樹脂を再生する方法において、設備コストの負担が少なく、より安全な溶媒を用いて、エネルギーもかからない効率的な方法であり、更には自由にその再生された樹脂の形態を作り分けることができるポリ塩化ビニルの回収方法を提供する。
【構成】 下記(a)から(c)の各工程を有し、かつ(a)、(b)、(c)の順に行うことを特徴とする廃塩化ビニル樹脂組成物からのポリ塩化ビニルの回収方法。
(a)廃塩化ビニル樹脂組成物を、ポリ塩化ビニルを溶解しうる溶媒に溶解して、ポリ塩化ビニル溶液を得る溶解工程
(b)得られたポリ塩化ビニル溶液と水とを混合し、ポリ塩化ビニルを析出させる析出工程、及び
(c)析出したポリ塩化ビニルを分離する分離工程

Description

本発明は廃塩化ビニル樹脂組成物からのポリ塩化ビニルの回収方法に関し、塩化ビニル樹脂を溶剤で溶解後、樹脂を析出回収する方法であって、回収されるポリ塩化ビニルの形状をコントロールする方法に関する。
塩化ビニル樹脂(ポリビニルクロライド、PVC)組成物は、様々な製品に広く使用されている。例えば、建材、自動車部品、ホース、野菜や果物のハウス栽培に用いられる農業用フィルム、工事中などに建物を覆う為のシートなどが挙げられる。しかし、用途の拡大に伴ない毎年大量の塩化ビニル樹脂組成物がスクラップにされており、社会的な問題になっている。
塩化ビニル樹脂は焼却条件によってはダイオキシンを発生する恐れがあり、排煙浄化装置を備えた焼却炉で、充分に管理された条件下で焼却処理されることが法的に求められている。塩化ビニル樹脂は自然環境では分解しないため、現在、廃塩化ビニル樹脂組成物の一部は焼却処理されているものの、多くは埋め立て処理されている。このような社会状況下において、大量の廃棄された塩化ビニル樹脂組成物を処理する手段が希求されている。その中にポリ塩化ビニルのマテリアルリサイクルする方法がいくつか研究されている。
しかし、マテリアルリサイクルにはいくつかの解決すべき問題がある。廃棄される塩化ビニル樹脂組成物には、例えば、コンベヤーベルト、被覆繊維、ビヒクル仕上げのインテリア用品、パイプ、ホース、窓枠、絶縁電力ケーブルなどのように、塩化ビニル樹脂と他の材料との複合材も広く用いられている。このような複合材に用いられている塩化ビニル樹脂をリサイクルするには、塩化ビニル樹脂を他の材料から分離し、かつ分離された塩化ビニル樹脂の精製が必要であるが、これまでの技術は、経済的問題を有していた。
廃塩化ビニル樹脂組成物のマテリアルリサイクルの方法としては、例えば、特許文献1では、水との共沸混合物を形成し、かつ、塩化ビニル樹脂を溶解しうる溶媒に、塩化ビニル樹脂組成物を溶解させ、得られた溶液に、スチームを注入して、塩化ビニル樹脂を沈殿させると共に溶媒をストリッピングにより留去して、塩化ビニル樹脂粒子を得る方法が開示されている。また、特許文献2には、塩化ビニル樹脂組成物から可塑剤のみを溶解する溶媒により可塑剤を抽出した後、塩化ビニル樹脂を溶解する溶媒により塩化ビニル樹脂を溶解して回収する方法が開示されている。しかしながら、これら近年提案された塩化ビニル樹脂の回収方法においても、未だこれを工業的、経済的に実施するには多くの解決すべき問題を蔵している。
特開平11−310660号公報 特開平11−12386号公報
すなわち従来の技術で用いられる溶剤は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンなどであるが、これら溶剤に対する塩化ビニル樹脂の溶解度は、必ずしも高くないので、塩化ビニル樹脂を処理するにあたり多量の溶剤を必要としたり、加圧や高温条件が必要であったりした。2つ目に、これら溶剤は水と共沸することから選ばれたもので、比較的を低沸点物であるため、法的制約が高く、取扱に格段の注意とそれに伴う設備が必要となっている。3つ目に、蒸気による溶媒のストリッピング工程を有しており、これを行うための設備は重厚なものとなる。化学メーカーにおいて容易である反面、一般の業者には容易には実施できない方法である。4つ目に再生された塩化ビニル樹脂の形状として、輸出、運搬、取扱いなどの種々の理由により、必ずしも粉体だけが好ましい形態ではなく、必要に応じて形態を作り分けたいが、従来技術ではできない。これのデメリットは塩化ビニル樹脂リサイクルの普及を困難にしている要因と考えられる。
そこで本発明は、上述の従来の不都合を鑑みて、廃塩化ビニル樹脂組成物から塩化ビニル樹脂を再生する方法において、設備コストの負担が少なく、より安全な溶媒を用いて、エネルギーもかからない効率的な方法を提供し、更には自由にその再生された樹脂の形態を作り分けようとするものである。
上記課題を解決すべく本発明者等は鋭意検討した結果、廃塩化ビニル樹脂組成物から塩化ビニル樹脂をN−メチル−2−ピロリドン( 以下、NMP) に溶解させた後、得られたポリ塩化ビニルNMP溶液と水とを混合することで、ポリ塩化ビニルを任意の形態で析出させ、安価に回収する方法を見出した。即ち本発明の要旨は、下記(1)〜(7)に存する。
(1)下記(a)から(c)の各工程を有し、かつ(a)、(b)、(c)の順に行うことを特徴とする廃塩化ビニル樹脂組成物からのポリ塩化ビニルの回収方法。
(a)廃塩化ビニル樹脂組成物を、ポリ塩化ビニルを溶解しうる溶媒に溶解して、ポリ塩化ビニル溶液を得る溶解工程
(b)得られたポリ塩化ビニル溶液と水とを混合し、ポリ塩化ビニルを析出させる析出工程、及び
(c)析出したポリ塩化ビニルを分離する分離工程
(2)(a)の溶解工程において、ポリ塩化ビニル溶液中のポリ塩化ビニル濃度をコントロールすることで、続く(b)の析出工程で得られるポリ塩化ビニルの形状をコントロールする上記(1)に記載の回収方法。
(3)(a)の溶解工程において、ポリ塩化ビニル溶液中のポリ塩化ビニル濃度を30重量%以下にし、続く(b) の析出工程でポリ塩化ビニル溶液と水を混合することにより得られるポリ塩化ビニルを平均粒径500μm以下の粉体とする上記(2)に記載の回収方法。
(4)(a)の溶解工程において、ポリ塩化ビニル溶液中のポリ塩化ビニル濃度を5−30重量%にし、続く(b) の析出工程でポリ塩化ビニル溶液を水中に噴霧あるいは滴下することにより得られるポリ塩化ビニルを平均粒径1−5mmのペレットとする上記(2)に記載の回収方法。
(5)(a)の溶解工程において、ポリ塩化ビニル溶液中のポリ塩化ビニル濃度を5−30重量%にし、続く(b) の析出工程でポリ塩化ビニル溶液を水中に連続的にフィードすることにより得られるポリ塩化ビニルを直径が0.1−5mmの糸で得る上記(2)に記載の回収方法。
(6)(a)の溶解工程において、ポリ塩化ビニル溶液中のポリ塩化ビニル濃度を20−50重量%にし、続く(b) の析出工程でポリ塩化ビニル溶液と水を混合することにより得られるポリ塩化ビニルを塊状で得る上記(2)に記載の回収方法。
(7)(c) 工程の後、得られたポリ塩化ビニルに含まれる溶媒を押し出し機で脱気し、ペレット化する上記(1)〜(6)のいずれかに記載の回収方法。
本発明によれば、廃塩化ビニル樹脂組成物から塩化ビニル樹脂を再生する方法において、設備コストの負担が少なく、より安全な溶媒を用いて、エネルギーもかからない効率的な方法であり、更には自由にその再生された樹脂の形態を作り分けることができる、ポリ塩化ビニルの回収方法を提供することができる。
本発明は、樹脂組成物中に塩化ビニル樹脂を少しでも含有すれば適用することができ、例えば1%含有された樹脂組成物に対しても適用できる。塩化ビニル樹脂が5%以上含有されている樹脂組成物はダイオキシン発生の問題から焼却処理することができないため、特に本発明の適用が好ましい。なお、樹脂組成物中の塩化ビニル樹脂の含有量に上限はなく、100%塩化ビニル樹脂である組成物であっても適用可能である。
本発明において再生の対象とする塩化ビニル樹脂組成物は、硬質塩化ビニル樹脂組成物、軟質塩化ビニル樹脂組成物のいずれであってもよく、塩化ビニル樹脂の他に、可塑剤、不燃材、色素、抗酸化剤等種々の添加剤を含有していてもよく、また、塩化ビニル樹脂以外の樹脂や金属との混合物であってもよい。
溶媒に溶解させる直前の廃塩化ビニル樹脂組成物の大きさ、形状は、特に限定されるものではないが、大きな廃塩化ビニル樹脂組成物は破砕して、溶媒と接触面積を大きくした方が、溶解速度が速くなるので好ましい。通常、樹脂の溶解時間と樹脂組成物粉砕の労力の兼ね合いによって適宜決めることができるが、通常シートであれば1〜1000cm2 程度、成形体であれば0.001〜100cm3 程度である。
塩化ビニル樹脂を溶解する溶媒としては、ポリ塩化ビニルを良く溶かし、沸点が100℃以上のものが好ましい。具体的には、窒素原子のもつ3個の結合手のそれぞれに炭素原子が結合している水溶性アミド化合物及び水溶性ラクトン化合物よりなる群から選ばれた化合物を主成分とするものが挙げられる。なかでも炭素数6以下、特に5以下のアミド又はラクトン化合物が用いられる。
例えば、アミド化合物としては、N−メチル−2―ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。ラクトン化合物としては、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられる。これらの中でも、N−メチル−2―ピロリドン、γ−ブチロラクトンが塩化ビニル樹脂に対する溶解力が大きいので好ましく、N−メチル−2―ピロリドンが特に好ましい。
これらは単独でも塩化ビニル樹脂に対して大きな溶解力を示すが、これらに炭素数2〜8の水溶性グリコールエーテルを混合して用いると、溶解力が更に大きくなるので、混合して用いてもよい。
水溶性グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。これらの水溶性グリコールエーテルは、溶媒中に1〜50容量%となるように含有させるのが好ましい。
廃塩化ビニル樹脂組成物を溶解処理する際の溶解温度は、溶媒の沸点以下であれば特に限定されない。長時間を要するが、室温での浸漬溶解も可能であるが、溶解速度を速めるため溶解温度は高い方が好ましい。通常10℃以上150℃以下、特に40℃以上120℃以下が好ましい。
廃塩化ビニル樹脂組成物と溶媒との混合比は、溶媒が多すぎると溶解後に蒸発させる溶媒量が多くなり経済的に不利である。溶解を効率よく行うためには、溶解槽で廃塩化ビニル樹脂組成物と溶媒との混合物を流動させることが好ましく、また、生成した塩化ビニル樹脂溶液も配管輸送が可能なようにあまり高粘度でない方が好ましい。通常、塩化ビニル樹脂溶液の粘度が1000cP以下、特に500cP以下10cP以上となるように、廃塩化ビニル樹脂組成物と溶媒との混合量比を調整するのが好ましい。
続く析出工程で得られる析出物の形態は、溶解工程でのポリ塩化ビニル溶解液中のポリ塩化ビニルの濃度を制御することで、例えば、粉体、粒状、糸状、塊状など、任意にコントロールすることができる。粉体は、樹脂から高度に溶媒を除去でき、粒状では、比較的高度に溶剤が除去できかつ比較的容易に固液分離ができ、糸状は、連続プロセスとして使え、塊状は比較的少量の溶媒で得ることができるメリットがある。また、塊状について、このままでは含有する溶媒濃度が高い場合、破砕機等で機械的に圧搾することで、溶剤濃度を低減することもできる。
具体的には、
(イ)溶解工程で得たポリ塩化ビニル溶液中のポリ塩化ビニル濃度を30重量%以下になるように、好ましくは20重量%以下に制御し、この液と水を混合することでポリ塩化ビニルの平均粒子径が500μm以下の粉体として回収することができる。
(ロ)溶解工程で得たポリ塩化ビニル溶液中のポリ塩化ビニル濃度を5−30重量%になるように制御し、この液を水中に噴霧あるいは滴下することでポリ塩化ビニルの平均粒径1−5mmのペレットとして回収することができる。
(ハ)溶解工程で得たポリ塩化ビニル溶液中のポリ塩化ビニル濃度を5−30重量%になるように制御し、この液を水中に連続的にフィードすることで直径0.1−5mmの糸状のポリ塩化ビニルを回収することができる。
(ニ)溶解工程で得たポリ塩化ビニル溶液中のポリ塩化ビニル濃度を20−50重量%になるように制御し、この液と水を混合することで塊状のポリ塩化ビニルを回収することができる。
また、溶解槽には、廃塩化ビニル樹脂組成物を効率よく溶媒に溶解させるために、攪拌装置を設けるのが好ましく、また、別法として、外部循環ポンプにより槽内の液体を強制的に流動させるのも好ましい。
このようにして得られた塩化ビニル樹脂溶液は、必要に応じてろ過や沈降分離等により不溶解物を除去することができる。
ポリ塩化ビニル溶液と水との混合は、撹拌しながら行うことが好ましい。混合の態様としては水中にポリ塩化ビニル溶液を導入しても良いし、逆にポリ塩化ビニル溶液中に水を導入しても良い。これらは析出形態に応じて使い分けるのが好ましい。すなわち粉体はポリ塩化ビニル溶液中に水を導入し、それ以外の形態は、水中にポリ塩化ビニル溶液を導入すると良い。ポリ塩化ビニル溶液と水との混合比は、二液の導入が終わった時点で、混合液中の水濃度で10重量%以上加えることが好ましい。混合液中の水濃度が10重量%以下で少なすぎるとPVCの析出量が減少し、PVCの回収ロスが発生する。逆に多すぎると廃水量が増加して経済的に不利益である。混錬脱気や圧搾など機械的に溶剤を除去する場合、水濃度は10重量%以上で有れば良く、樹脂中に残る溶媒量を削減したい場合、水濃度を50重量%以上にすることが好ましい。
析出工程における温度は特に制限はないが、通常、5℃以上、好ましくは10℃以上であり、通常60℃以下、好ましくは40℃以下である。温度は室温で十分であり、低すぎても析出に問題はないが冷凍機のエネルギーロスを生じ、高すぎると析出物同士の凝集を促進して不都合である。
本発明においては、析出工程の後、析出したポリ塩化ビニルを分離する(分離工程)方法としては、沈降−デカンテーション分離、ろ過分離、遠心分離等が挙げられる。
以上の工程により、本発明においては廃塩化ビニル樹脂組成物からポリ塩化ビニルを回収することができる。
回収されたポリ塩化ビニルは、最終的に回収したポリ塩化ビニル溶解溶剤及び水を高度に除くために混錬脱気する。混錬機にフィードする前に、上述のようにして含有する溶媒量を少なくしておくことは、混錬機の負荷を低減できる点で有利である。混練に用いる装置としては、通常は押し出し機を用いる。なかでも剪断熱の発生の多い2軸押し出し機を用いるのが好ましい。粉体回収されたポリ塩化ビニルは、ドラヤーで乾燥すれば、続くコンパウンド製造に直接使用できるが、尚微量残るポリ塩化ビニル溶解溶剤の除去は必要な場合がある。この場合もコンパウド製造の中で混錬脱気することができる。
通常、塩化ビニル樹脂の軟化温度は65〜85℃、溶融温度は170℃、熱分解温度は190℃であり、熱分解温度以上になると塩化ビニル樹脂は熱分解して塩化水素が発生する。従って、混練は、100℃以上、特には150℃以上であり、かつ、230℃以下、特には150〜180℃で混練するのが好ましい。
また、混練に際して、溶媒の揮発を促進させ、溶媒の残存量をできるだけ減少させるために、減圧脱気を行ってもよい。減圧度は、溶媒により異なるが、混練温度で溶媒が沸点に達する圧力以下の圧力となるように減圧空度を決めることが好ましく、通常1〜760torrである。例えば、溶媒がN−メチル−2−ピロリドンであれば、300torr以下で20torr以上、特に100torr以上の減圧度とするのが好ましい。
押し出し機から押し出されたストランドは任意の大きさに裁断されて、ペレット化することができる。
濃縮工程、溶融化工程および析出工程で分離された溶媒は、必要に応じて精製して、再度、塩化ビニル樹脂溶液を得るための溶媒として用いてもよい。
以下実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)400gに硬質ポリ塩化ビニル4gを25℃で溶解させ、ポリ塩化ビニル溶液を得た(ポリ塩化ビニル溶液中のポリ塩化ビニル濃度:0.99重量%)。撹拌した400gの水中にポリ塩化ビニル溶液を加え5分撹拌し、その後静置した。デカンテーションで上澄みを分離し、その後1μmの親水性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)メンプランフィルターでろ過した。回収したポリ塩化ビニル(PVC)は平均粒径100μであった。回収したPVCを、テトラヒドロフラン(THF)に溶解し、水濃度をカールフィッシャー法( ダイアインスツルメンツ製CA21電量滴定方式、アクアミクロンAX一般用) で、NMP濃度をガスクロマトグラフィー(島津株式会社14A検出器、水素炎イオン化検出器、キャピラリーカラム、5%フェニルシリコン、2μm、内径0.53mm、長さ30m)で測定した。また、析出物組成におけるPVC量は、析出物重量から、分析により求められる水、NMPを差し引いた残りの重量をPVCの重量として求めた。結果を表1に示す。
実施例2
NMP320gに硬質ポリ塩化ビニル80gを70℃で溶解させ、ポリ塩化ビニル溶液を得た(ポリ塩化ビニル溶液中のポリ塩化ビニル濃度:20重量%)。撹拌した400gの水中にポリ塩化ビニル溶液を滴下し、平均5分で水中から取り出した。分析法は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
実施例3
NMP320gに硬質ポリ塩化ビニル80gを70℃で溶解させ、ポリ塩化ビニル溶液を得た(ポリ塩化ビニル溶液中のポリ塩化ビニル濃度:20重量%)。撹拌した400gの水中にポリ塩化ビニル溶液を連続的にフィードし、平均5分で水中から取り出した。分析法は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
実施例4
NMP280gに硬質ポリ塩化ビニル120gを70℃で溶解させ、ポリ塩化ビニル溶液を得た(ポリ塩化ビニル溶液中のポリ塩化ビニル濃度:30重量%)。撹拌しながら400gの水中にポリ塩化ビニル溶液を加え、平均60分で水中から取り出した。得られた塊を粉砕器にかけた。分析法は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
Figure 2005232253

Claims (7)

  1. 下記(a)から(c)の各工程を有し、かつ(a)、(b)、(c)の順に行うことを特徴とする廃塩化ビニル樹脂組成物からのポリ塩化ビニルの回収方法。(a)廃塩化ビニル樹脂組成物を、ポリ塩化ビニルを溶解しうる溶媒に溶解して、ポリ塩化ビニル溶液を得る溶解工程
    (b)得られたポリ塩化ビニル溶液と水とを混合し、ポリ塩化ビニルを析出させる析出工程、及び
    (c)析出したポリ塩化ビニルを分離する分離工程
  2. (a)の溶解工程において、ポリ塩化ビニル溶液中のポリ塩化ビニル濃度をコントロールすることで、続く(b)の析出工程で得られるポリ塩化ビニルの形状をコントロールする請求項1に記載の回収方法。
  3. (a)の溶解工程において、ポリ塩化ビニル溶液中のポリ塩化ビニル濃度を30重量%以下にし、続く(b) の析出工程でポリ塩化ビニル溶液と水を混合することにより得られるポリ塩化ビニルを平均粒径500μm以下の粉体とする請求項2に記載の回収方法。
  4. (a)の溶解工程において、ポリ塩化ビニル溶液中のポリ塩化ビニル濃度を5−30重量%にし、続く(b) の析出工程でポリ塩化ビニル溶液を水中に噴霧あるいは滴下することにより得られるポリ塩化ビニルを平均粒径1−5mmのペレットとする請求項2に記載の回収方法。
  5. (a)の溶解工程において、ポリ塩化ビニル溶液中のポリ塩化ビニル濃度を5−30重量%にし、続く(b) の析出工程でポリ塩化ビニル溶液を水中に連続的にフィードすることにより得られるポリ塩化ビニルを直径が0.1−5mmの糸で得る請求項2に記載の回収方法。
  6. (a)の溶解工程において、ポリ塩化ビニル溶液中のポリ塩化ビニル濃度を20−50重量%にし、続く(b) の析出工程でポリ塩化ビニル溶液と水を混合することにより得られるポリ塩化ビニルを塊状で得る請求項2に記載の回収方法。
  7. (c) 工程の後、得られたポリ塩化ビニルに含まれる溶媒を押し出し機で脱気し、ペレット化する請求項1〜6のいずれかに記載の回収方法。
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