JP4579584B2 - ビスフェノールaの回収方法 - Google Patents

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Description

この発明は、ビスフェノールAの回収方法に関し、さらに詳しくは、ポリカーボネート回収物例えば回収されたポリカーボネート製品から高い転換率でビスフェノールAを回収することができ、ビスフェノールAから合成されたポリカーボネートを用いて製造された各種のポリカ-ボネート製品からビスフェノールAを回収してこれを再度ポリカーボネートの合成原料に用いるといったビスフェノールAのリサイクルに応用されることのできる方法に関する。
ポリカーボネートは非結晶性のエンジニアリングプラスチックである。ポリカーボネートは衝撃に強く、寸法安定性及び加工精度に優れ、透明で自己消火性を示すので、電気機器分野、電子機器分野、自動車分野及び医療分野に至るまで各種製品として広く使用されている。例えば、ポリカーボネート製品の具体例として、血液浄化器の外筒等の医療製品、哺乳びん、離乳用マグカップ、フォーク、及びスプーン等の食器製品、光ディスク、レンズ等の光学部材、透明導電性フィルムにおけるベースフィルム、酸素−窒素分離膜等を挙げることができる(非特許文献1)。また、ポリカーボネート製品の例として、電気・電子部品、機会・精密機械部品、自動車部品、医用、光学部品及び複合部材が例示される(非特許文献2)。
高分子学会編,「高分子新素材便覧」,初版,丸善株式会社,平成元年9月20日,第88頁、第108頁、第138頁、第243頁、第577頁 久保内 賢,大柳 康,妹尾 学,「エンジニアリングプラスチック事典」,第1版第1刷,技報堂出版株式会社,1988年12月15日,第120頁〜第123頁
近年の環境対策の動きとして、各種プラスチック製品の回収を指摘することができる。プラスチック製品の回収の目的は、回収したプラスチック製品を無害な物質に変換すること、及び回収したプラスチック製品を元の原料に分解してプラスチック製品の原料として再利用することに大別される。現状においては、回収されたプラスチック製品を焼却することにより無害な物質に変換することが試みられ、また実際に行われもしているが、プラスチック製品の廃棄物を焼却処分すると環境ホルモンの発生という新たな問題を生じている。このような問題を回避することができ、しかも資源の有効利用を図ることができるという視点から、回収したプラスチック製品を原料に分解し、得られた原料を再びプラスチックに合成するといった資源のリサイクルがより注目されるに至っている。
特に、回収されたポリカーボネート製品には臭素含有の難燃剤等が含有されているので、ポリカーボネート製品廃棄物を単純に焼却処分すると、臭素系ダイオキシンが発生する。したがって、ポリカーボネート製品廃棄物の焼却処理よりも、ポリカーボネート製品をその原料にまで分解して、得られた原料を再利用することのほうが、有利であり、また環境に対する悪影響が少ないと、考えられる。
そのような考えの下で、一部の企業体において、ポリカーボネート製品のリサイクルが検討されつつある。その検討内容は企業体内における技術内容に係るので必ずしも明らかにされている訳ではないが、ポリカーボネート製品から原料であるビスフェノールAを効率よく回収するには、ポリカーボネート製品に含有される様々の添加剤を除去する必要があると、されている。ポリカーボネート製品に含まれる種々の添加剤を除去してビスフェノールAを単離するには、コストのかかる数多い工程によらねばならず、工業的なビスフェノールAの回収は未だ完成していないと推測される。
この発明の目的は、ポリカーボネート回収物から少ない工程で純度の高いビスフェノールAを効率よく回収する方法を提供することにある。
前記課題を解決するための手段として
請求項1は、水にポリカーボネート回収物を分散してなるポリカーボネート分散液を、前記ポリカーボネート分散液中の水が亜臨界状態となるように260〜374℃に高周波加熱するとともに20〜30MPaに加圧し、加熱加圧を0.5〜90秒継続し、次いで冷却することを特徴とするビスフェノールAの回収方法であり、
請求項2は,前記ポリカーボネート回収物が粉粒状態である前記請求項1に記載のビスフェノールAの回収方法であり、
請求項3は、前記ポリカーボネート回収物は、その平均粒径が100〜600μmである粉粒体の集合物である前記請求項1又は2に記載のビスフェノールAの回収方法。

この発明によると、水に分散したポリカーボネート回収物を水の亜臨界状態で加熱加圧するのでポリカーボネート回収物中に存在するポリカーボネートがビスフェノールAと炭酸ガスとに分解し、次いで冷却することによりビスフェノールAを水から析出させることができ、析出したビスフェノールAを例えば濾別することにより単離することのできるビスフェノールAの回収方法が提供される。この発明の方法によると、ポリカーボネート回収物から高い純度でビスフェノールAを回収することができ、焼却処理ではないからダイオキシンの発生がなくて環境に悪影響を与えることがない。また、この発明の方法は、湿式であるから、反応操作を容易に行うことができる。
この発明に係るビスフェノールの回収方法とそれを実現する回収装置とについて、以下、図面を参照しながら、説明する。
この発明の回収方法におけるポリカーボネート回収物は、ポリカーボネートを製造する工場等で生成するポリカーボネートそのものであって、製品として使用されずに回収されたもの、ポリカーボネートと各種の添加剤例えば可塑剤等とを配合してなる成形用のポリカーボネート組成物であって、製品として使用されずに回収されたもの、前記ポリカーボネート又は前記ポリカーボネート組成物を用いて成形加工した際に副生するバリ及び打ち抜き残渣等の半端物を回収したもの、前記ポリカーボネート又は前記ポリカーボネート組成物を用いて成形加工して得られるポリカーボネート製品であって、廃棄されるに至って回収されたもの、前記ポリカーボネート製品と他の樹脂を用いて得られる樹脂製品とを組み合わせてなる複合樹脂製品であって廃棄されるに至り、その複合樹脂製品の回収物から分離されたポリカーボネート製品回収物等を挙げることができる。この発明の目的は、ポリカーボネート中のビスフェノールAを回収することにあるので、ビスフェノールAを単離することのできるポリカーボネート含有物をポリカーボネート回収物と称することができる。
ポリカーボネート回収物がどのようであれ、そのポリカーボネート回収物に含まれるポリカーボネートについては、ビスフェノールAとホスゲン又はジフェニールカーボネートとから合成されるポリカーボネートである限り特に制限がなく、ビスフェノールAとホスゲン又はジフェニールカーボネートとから合成される単独重合体であってもよく、また、共重合体であってもよい。ポリカーボネートの共重合体としては、例えば、ポリスチレンとポリアリレートとの共重合体とポリカーボネートとを溶融混練することによりポリアリレート鎖とポリカーボネートとの間のエステル交換反応を起こさせて得ることのできる共重合体等を挙げることができる。
この発明の方法においては、ポリカーボネート回収物は粉砕された形態を執ることが好ましい。ポリカーボネート回収物を粉砕してなる粉砕物は、粉砕後のその平均粒径が100〜600μm、特に200〜300μmであるのが好ましい。
この発明の方法においては、ポリカーボネート回収物を水中に分散してなるポリカーボネート分散液を亜臨界水状態で加熱加圧する。
ポリカーボネート分散液におけるポリカーボネート回収物の含有割合としては、水100gに対してポリカーボネートが1〜30g、特に10〜20gが好ましい。水に分散するポリカーボネートの含有量が前記上限値を超えると、ポリカーボネート分散液の流動性が低下することがあってポリカーボネート分散液の移送に支障を来たして工業的でないことがある。またポリカーボネート分散液におけるポリカーボネート回収物の含有割合が前記下限値を下回ると、ビスフェノールAの回収が効率的でなくなることがある。上記上限値に近い含有割合でポリカーボネート回収物を含有するポリカーボネート分散液は、配管内を移送可能なスラリー状になることがある。
この発明においては、前記ポリカーボネート回収物を含有するポリカーボネート分散液が亜臨界状態になるように前記ポリカーボネート分散液を、加熱加圧する。
加熱温度としては、高くとも274℃、好ましくは200〜300℃である。加熱温度が274℃を超えるとビスフェノールAが分解する恐れがあって高転化率でビスフェノールAを回収することができないことがある。加熱方法としては、通常の電気ヒータ等で加熱するのもよいが、高周波加熱方法が好適である。また、ポリカーボネート分散液を加圧する際の圧力としては、通常20〜30MPaが好ましい。加圧の方法としては、例えば耐圧製密閉容器内にポリカーボネート分散液を充填するとともに、溶媒例えば水を圧入する方法を挙げることができる。
加熱加圧する雰囲気としては、空気、窒素、アルゴン等の希ガスを挙げることができる。もっとも、耐圧製密閉容器内に溶媒例えば水を圧入することにより加圧する場合には、気体雰囲気ではない。
ポリカーボネート分散液を加熱加圧する時間としては、通常0.5〜90秒が好ましい。加熱加圧する時間が前記90秒を超えるとポリカーボネートの分解反応が進行し過ぎてビスフェノールAを高転化率で得ることができないことがある。前記加圧及び加熱によりポリカーボネート分散液中に存在していたポリカーボネートが分解してビスフェノールA及びその他の成分が亜臨界状態にある水中に溶解する。
この発明の方法においては、前記ポリカーボネート分散液を加熱加圧するとポリカーボネートが分解してビスフェノールAとその他の成分とを生成し、それらを高温度下に溶解する反応生成液が得られる。この反応生成液を必要に応じて濾過し、又は反応生成液を冷却する。冷却温度は常温以下であればよい。また、高温度下にある反応生成液を濾過することなくそのまま冷却するのもよい。冷却すると、高温度下にある反応生成液に溶解していたビスフェノールAが析出する。なお、ポリカーボネート製品中に含まれている可塑剤等の添加剤は、その種類によってそのまま高温度下の反応生成液に溶解しており、また添加剤の分解物質が高温度下の反応生成液に溶解している。このように高温度下の反応生成液に溶解している前記不純物はその含有量がビスフェノールAの含有量よりも遥かに少ないので、高温度下においてビスフェノールA及び前記不純物を含有する反応生成液を例えば常温に冷却すると、ビスフェノールAが沈殿析出する。
この発明の方法においては、反応生成液中に溶解しているビスフェノールAの濃度が飽和濃度に達する温度にまで冷却するのであるから、適切な冷却温度は反応生成液中に溶解しているビスフェノールAの濃度に応じて冷却温度が決定される。換言すると、冷却温度を常温に設定しておくのが操作上好ましいので、常温でビスフェノールAの飽和濃度に達するように、ポリカーボネート分散液に含有されるポリカーボネートの量を設定するのがよい。
冷却は、できるだけ急速に実行することが望ましい。緩慢に高温度の反応生成液を冷却すると、冷却過程においてもポリカーボネートの分解反応が進行し過ぎてビスフェノールAを有効に回収することができないことがある。
反応生成液を冷却することにより析出したビスフェノールAは、固液分離手段によりビスフェノールAを反応生成液における液から分離される。固液分離手段としては特に制限がなく、濾紙による分離、ガラス製濾過器による分離、クロマトグラフ法による分離、再結晶法等による分離等の公知の分離方法が採用される。
分離したビスフェノールAは、通常の分析手段により同定することができる。
次に図面を参照しながら、ポリカーボネートからビスフェノールAを回収する回収装置について説明する。
図1に示されるように、この発明の方法を実施する一例としてのビスフェノール回収装置1は、ポリカーボネート分散液を調製するスラリー調製槽2と、前記ポリカーボネート分散液を加熱加圧する反応容器3と、反応容器3内で生成した反応生成液を冷却する冷却槽4とを有する。
前記スラリー調製槽2は、そのスラリー調製槽2内に収容された水とポリカーボネートの粉砕物とを混合して所定濃度でポリカーボネートを含有するポリカーボネート分散液を調製することができる限りその構造については特に制限がない。したがって、多くの場合、このスラリー調製槽2には、水供給手段(図示せず。)とポリカーボネート粉砕物をこのスラリー調製槽2に供給するポリカーボネート供給手段(図示せず。)とが付設される。また、ポリカーボネート粉砕物の分散を良好にするために、攪拌手段(図示せず。)がこのスラリー調製槽2に設けられる。
前記反応容器3は、水の亜臨界状態を実現するに必要な圧力及び温度に耐える耐圧性及び耐熱性を有する耐熱耐圧容器と、この耐熱耐圧容器の内部に収容された内容物を過熱する加熱手段例えば高周波加熱装置5と、耐熱耐圧容器内の内容物を攪拌する攪拌機6とを備える。なお、図1において、Mで示されるのは、攪拌機6を駆動する駆動源例えばモータである。
この反応容器3には、その内部を加圧する加圧手段たとえばコンプレッサーCompが付設される。
前記冷却槽4は、前記反応容器3内で生成した反応生成液を冷却するための冷却手段を備えた容器である。冷却手段としては、前記高温になっている反応生成液を所定の温度に冷却することができる限りその構造には特に制限がなく、例えば通常の水冷蛇管等を挙げることができる。この冷却槽4は、また晶析装置であってもよい。
前記スラリー調製槽2と反応容器3とは流体移送流路7で接続され、前記スラリー調整層2のスラリー状のポリカーボネート分散液を移送することができるようになっている。この流体移送流路7には、図示しないが、脱気手段としてデガッサー、スラリー送液ポンプ、流量計等が付設されていて、前記スラリー調製槽2から反応容器3にスラリー状のポリカーボネート分散液を移送する動作を調整することができる。同様に、コンプレッサーCompと反応容器3との間には圧搾気体を送出する配管8が接続される。この配管8には、図示しない逆流防止弁装置、圧力計等が付設される。前記反応容器3の底と前記冷却槽4とは配管9で接続される。この配管9には、図示しない開閉弁が設置され、開閉弁を開放状態にすると前記反応容器3内の反応生成液が冷却槽4に移送されるようになっている。
図1において10で示すのは固液分離装置であり、例えばフィルターを内蔵し、このフィルターに前記冷却槽4にて析出したビスフェノールAを濾過することができるようになっている。11で示すのは冷却槽4内の液を固液分離装置10に移送する例えば配管である。
図1に示されるビスフェノール回収装置1は、次のように動作する。
スラリー調製槽2に所定粒度にまで粉砕した所定量のポリカーボネート粉砕物と所定量の水とを装入する。スラリー調製槽2内を十分に攪拌する。スラリー調製槽2の内容物がスラリー状態になるように、水及びポリカーボネート粉砕物それぞれの量を調整しておくのが好ましい。また、ポリカーボネート粉砕物には、ポリカーボネート以外の樹脂、金属その他の不純物が混入しないように、あらかじめ選別しておくことが好ましい。スラリー調製槽2内で調製されたスラリー状のポリカーボネート分散液が配管7を通して反応容器3に移送される。反応容器3内を例えば高周波加熱手段で例えば200〜300℃に加熱するとともに、コンプレッサーCompで反応容器3内を20〜30MPaに加圧する。反応容器3内の水が亜臨界状態になる。加熱加圧を0.5〜90秒継続する。そうすると、反応容器3内ではポリカーボネートの分解反応が進行してビスフェノールAが生成して水に溶解する。またポリカーボネートに含まれている可塑剤が水中に溶出する。また、ポリカーボネートの分解により炭酸ガスが生成するが、この炭酸ガスは亜臨界状態の水中に溶解することもある。加熱加圧をする時間が前記短時間であることは、注目に値する。また、反応容器3内の水を超臨界状態にすると、ポリカーボネートの分解が過度に進行してしまって。ビスフェノールAを回収することができなくなることも注目に値する。
反応が終了後、反応容器3内で形成された反応生成液を冷却槽4に移送する。反応生成液はれ客層4内で常温にまで強制的に急速冷却される。そうすると、反応生成液中に溶解していたビスフェノールAが析出する。水に溶解していた二酸化炭素は炭酸ガスとなり、脱気装置から排出される。ポリカーボネート内に含まれていた可塑剤等は、水中に溶解したままである。
固体のビスフェノールAを含有する液が、冷却槽4から固液分離装置10に移送されて、ビスフェノールAが回収される。
以上、この発明に係るビスフェノールAの回収方法を実施する一例としてのビスフェノール回収装置について説明したが、この発明の方法を実施する装置は図1に示される装置に限られるものではない。
図1に示されるビスフェノール回収装置はバッチ方式の装置であるが、スラリー状のポリカーボネート含有ポリカーボネート分散液を連続的に加熱加圧することによりビスフェノールAを回収する連続方式の装置であってもよい。
図3にビスフェノール回収装置の他の例を示す。このビスフェノール回収装置1Aは、スラリー調製装置2と、純水貯留槽12と、加圧水貯留槽13と、高周波加熱装置14と、第1断熱用冷却装置15と、第2断熱用冷却装置16と、固液分離装置17とを、有する。
前記スラリー調製装置2は、図1に示されるスラリー調製装置2と同様の構成を有し、所定量の水と所定平均粒径に粉砕されてなる所定量のポリカーボーネート回収物とを混合してスラリー状のポリカーボネート分散液を調製することができるようになっている。
前記純水貯留槽12は、所定量の純水を貯留する槽である。加圧水貯留槽13にもまた、所定量の純水が貯留される。加圧水貯留槽13に貯留された純水は、スラリー調製装置2に圧送され、圧送された純水の量と同量のスラリー状ポリカーボネート分散液がスラリ−調製装置2から排出される。加圧水貯留槽13からスラリー調製装置2への送液は、ポンプ22により行われる。
前記高周波加熱装置14は、その内部に、所定直径及び所定長さの反応管18を備え、その反応管18の内部に高周波を照射することができるように形成される。
前記固液分離装置17は、高温度に加熱された反応生成液を一挙に常温に冷却することによって反応生成液中に溶解していたビスフェノールAを析出させることができるように、例えば冷却蛇管(図示せず。)を配設し、又、要すれば排気装置を備えて装置内を減圧にすることができるようになっている。
前記反応管18の入り口には配管19が延設され、その配管19は送液ポンプ20を介装しており、前記スラリー調製装置2で調製されたスラリー状のポリカーボネート分散液を配管19内に送り込むことができるようになっている。この配管19はまた、送液ポンプ21を介して純水貯留槽12に接続され、さらに送液ポンプ22を介して加圧水貯留槽13に接続される。
前記反応管18の出口には配管23が接続され、この配管23は固液分離装置17に接続される。この配管23の途中には、所定の圧力保持をする背圧弁24が設置される。
一方、反応管18の入り口に接続されている配管19の、反応管18の近傍位置には、第1断熱用冷却装置15が設置されていて、高周波加熱装置14により加熱された反応管18における熱が配管19の上流側に伝達しないように、配管19を冷却するようになっている。同様に、反応管18の出口に接続されている配管23の、反応管18の近傍位置にも、第2断熱用冷却装置16が設置されていて、高周波加熱装置14により加熱された反応管18における熱が配管23の下流側に伝達しないように、配管23を冷却するようになっている。なお、配管19及び配管23の必要個所には、適宜に開閉弁が介装されている。
図3に示すビスフェノール回収装置1Aは次のように作用する。スラリー調製装置2でポリカーボネート分散液が調製される。送液ポンプ22により、加圧水貯留槽13からスラリー調製装置2に純水が圧送される。また、純水貯留槽12内に貯留されている純水が送液ポンプ21によって配管19内を移送され、配管19内で、前記ポリカーボネート分散液と純水とが合流する。純水に押されて配管19内を移送されるポリカーボネート分散液は反応管18に到達する。この場合、背圧弁24は配管23を閉鎖状態にしている。
反応管18内にスラリー状のポリカーボネート分散液が到達すると、送液ポンプ21により純水が純水貯留槽12から反応管18に、スラリー状のポリカーボネート分散液とともに供給される。純水水貯留槽12から継続的に純水が加圧水として反応管18に供給されるので、反応管18内の圧力が上昇する。純水貯留槽12から反応管18へ加圧水が供給されることにより反応管18内の圧力が所定の値に達する。高周波加熱装置14が作動して反応管18内が高周波照射により瞬時に所定温度に加熱される。所定温度に加熱された反応管18内のポリカーボネート分散液は、所定時間の加熱後によりビスフェノールAを含有する反応生成液に変わる。前記所定時間の経過後に、背圧弁24を開放することにより、前記反応生成液が直ちに固液分離装置17に送液される。固液分離装置17に送液された反応生成液は冷却され、反応生成液に溶解していたビスフェノールAが析出する。析出したビスフェノールAは通常の分離手段により分離され、要すれば洗浄され、乾燥されて、単離される。
以下の実施例は、この発明の実験例である。
(実施例1)
内容量1000mlのスラリー調製槽に、平均粒径が200μmとなるように粉砕されたポリカーボネート粉砕物10gと水1000mlとを装入して十分に攪拌してスラリー状のポリカーボネート分散液を調製した。
このスラリー状のポリカーボネート分散液を耐圧製の高周波加熱式超臨界反応装置に移送し、高周波加熱式超臨界反応装置内のポリカーボネート含有ポリカーボネート分散液を25MPaに加圧するとともに268℃に加熱した。加熱後前記温度に到達してからその温度に30秒間、前記高周波加熱式超臨界反応装置内に滞留させた。
前記30秒間が経過した後に、高周波加熱式臨界反応装置内の液を、20℃に冷却されている冷却装置に、連続的に移送した。冷却装置内で固体結晶が析出した。この固体結晶を濾過により分離した。この固体結晶を、液体クロマトグラフ質量分析装置により、ビスフェノールAの標準サンプルと比較してビスフェノールAであると同定した。

また、前記高周波過熱式長臨界反応装置内を図2に示されるような加熱温度に加熱し、各加熱温度で回収されたビスフェノールAの転換率を求めた。
転換率は、ビスフェノールAの回収に使用されたポリカーボネートの質量に対する、回収されたビスフェノールAの質量の割合である。
図1は、本発明の方法を実施することのできる一例としての回収装置を示す概略説明図である。 図2は、本発明の一実施例の結果を示すグラフである。 図3は、本発明の方法を実施することのできる他の例としての回収装置を示す概略説明図である。
符号の説明
1 ビスフェノール回収装置
1A ビスフェノール回収装置
2 スラリー調製装置
3 反応容器
4 冷却槽
5 高周波加熱装置
6 攪拌機
7 配管
8 配管
9 配管
10 固液分離装置
11 配管
12 純水貯留槽
13 加圧水貯留槽
14 高周波加熱装置
15 第1断熱用冷却装置
16 第2断熱用冷却装置
17 固液分離装置
18 反応管
19 配管
21 送液ポンプ
22 送液ポンプ
23 配管
24 背圧弁

Claims (3)

  1. 水にポリカーボネート回収物を分散してなるポリカーボネート分散液を、前記ポリカーボネート分散液中の水が亜臨界状態となるように260〜374℃に高周波加熱するとともに20〜30MPaに加圧し、加熱加圧を0.5〜90秒継続し、次いで冷却することを特徴とするビスフェノールAの回収方法。
  2. 前記ポリカーボネート回収物が粉粒状態である前記請求項1に記載のビスフェノールAの回収方法。
  3. 前記ポリカーボネート回収物は、その平均粒径が100〜600μmである粉粒体の集合物である前記請求項1に記載のビスフェノールAの回収方法。
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