JP2005232159A - 化合物、電荷輸送材料および有機電界発光素子 - Google Patents

化合物、電荷輸送材料および有機電界発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】ホスト材料や電子阻止材料として使用される電荷輸送材料として有用な、耐熱性、電気的酸化還元耐久性、T1準位、バンドギャップ、電荷輸送性、膜安定性といった性質をバランス良く有する新規化合物と、この化合物を用いた電荷輸送材料および有機電界発光素子の提供。
【解決手段】一般式(I)で表されるような1分子中にピロリル基を2つ以上有し、化合物中のすべてのピロリル基の1,2,3,4,5−位が、すべて置換基を有していても良い芳香族炭化水素基或いは芳香族複素環基と結合している化合物。この化合物を含む電荷輸送材料。発光層または発光層の陽極側界面に接する層に、この化合物を含む有機電界発光素子。
Figure 2005232159

(式中、Ar〜Arは、各々独立に、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。nは、環Aの数を表す2〜8の整数である。)
【選択図】なし

Description

本発明は新規な化合物、電荷輸送材料および有機電界発光素子に関するものであり、詳しくは電気的な酸化や還元を繰返し受けても安定な新規化合物と、この化合物を含む電荷輸送材料、およびこれを用いた高効率かつ長寿命の有機電界発光素子に関するものである。
近年、薄膜型の電界発光(EL)素子としては、無機材料を使用したものに代わり、有機薄膜を用いた有機EL素子の開発が行われるようになっている。また、有機EL素子の発光効率を上げる試みとして、蛍光(一重項励起子による発光)ではなく燐光(三重項励起子による発光)を用いることが検討されている。即ち、燐光を用いると、蛍光を用いた素子と比べて、発光効率が3倍程度向上すると考えられており、この燐光材料としてユーロピウム錯体、白金錯体、イリジウム錯体を発光層に使用することが提案されている。
これまでに開発された燐光材料を用いた有機電界発光素子の多くは、非特許文献1に記載のように、発光層のホスト材料として、以下に示すようなカルバゾリル基を含む化合物(H−1)を用いることを特徴としている。
Figure 2005232159
しかし、上記(H−1)は非常に結晶化しやすく、膜安定性が悪いことが知られている。また、ガラス転移点も低く、耐熱性にも問題を有している。更には、膜状態での三重項励起準位(T1準位)の高さが十分でないため、高い発光効率が得られていなかった。
また、特許文献1には、ホスト材料として以下に示す化合物(H−2)が開示されている。
Figure 2005232159
しかし、上記(H−2)は、成膜性に優れ、T1準位も比較的高いが、耐熱性と電気的酸化還元耐久性の点で重大な課題を有する。
また、特許文献2には、一例として下記化合物(H−3)を有機EL素子に適用することが記載されている。
Figure 2005232159
上記(H−3)は、ピロール環上のすべての水素原子が、芳香族炭化水素基によって置換されているため、酸化還元耐久性が向上していると考えられる。しかしながら、分子内に存在するピロール環が1つであるため、例えば、酸化を受けた場合、ピロール環を構成する窒素原子上に電荷が集中しやすいと考えられる。電荷が集中すると、正孔移動度が低く、耐熱性も低くなり、電荷輸送材料として使用する場合に問題が生じる。
また、特許文献3には、下記化合物(H−7)が、主として樹脂成型物の黄色味を抑えて白色に見せるための青色蛍光色素として、提案されている。
Figure 2005232159
上記(H−4)は、ピロール環の2,5−位が芳香族炭化水素基によって置換されているため、酸化耐久性に優れていることが期待される。しかしながら、3,4−位に、置換されていない水素原子が存在するため、電気的還元耐久性が低く、有機電界発光素子に使用した場合、水素原子の脱離が起こる可能性が高いと考えられる。また、3,4−位が置換されていないため、2,5−位に置換された芳香族炭化水素基の回転自由度が比較的高いことから、ガラス転移点が比較的低く、耐熱性にも問題があった。
ところで、有機EL素子では、優れた電子輸送性を有する材料を使用した素子や、正孔輸送性の低い青色燐光色素を使用した系にあっては、素子中での正孔移動度と電子移動度とのバランスが逆転してしまうことが多くある。そして、このために、発光層中で電子が正孔とが再結合をせずに、正孔輸送層へ侵入し、還元(電子)に弱い正孔輸送材料を侵してしまったり、あるいは従来用いられてきたT1準位の低い正孔輸送材料近傍の発光層中で、三重項励起子が発生してしまうことがある。そのため、生成した三重項励起子から正孔輸送材料へのT1エネルギー移動の発生確率が増大し、発光効率が低下するという問題が生じる。
そこで、特許文献4では、以下に示す化合物(H−5)を正孔輸送材料として用いているが、高い発光効率は得られていなかった。
Figure 2005232159
また、非特許文献2には、下記化合物(H−6)を用いて発光層の陽極側界面に、電子阻止層を設けることが提案されており、効率向上に効果を上げている。
Figure 2005232159
しかしながら、上記(H−6)を用いた素子は、実用的な駆動寿命を示せていないという課題を有していた。
以上の様に、従来提案されているいずれの化合物も、例えばホスト材料や電子阻止材料として使用される電荷輸送材料に要求される、耐熱性、電気的酸化還元耐久性、T1準位、バンドギャップ、電荷輸送性、膜安定性といった性質をバランス良く有しているものではなかった。
Appl. Phys. Lett., 75巻,4頁,1999年 New J. Chem., 26巻, 1171頁,2002年 特表2003−515897号公報 米国特許第5,077,142号明細書 米国特許第3,225,061号明細書 特開平11−135261号公報
本発明は、ホスト材料や電子阻止材料として使用される電荷輸送材料として有用な、耐熱性、電気的酸化還元耐久性、T1準位、バンドギャップ、電荷輸送性、膜安定性といった性質をバランス良く有する新規化合物と、この化合物を用いた電荷輸送材料および有機電界発光素子を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、1分子中にピロリル基を2つ以上有する化合物で、化合物中のすべてのピロリル基の、1,2,3,4,5−位が、すべて置換基を有していても良い芳香族炭化水素基或いは芳香族複素環基と結合している化合物を使用することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、1分子中にピロリル基を2つ以上有することにより、1つの窒素原子に電荷が集中することがないため、従来の正孔輸送性や耐熱性の問題を解決することが可能となった。更に、ピロリル基の、1,2,3,4,5−位が、すべて置換基を有していても良い芳香族炭化水素基或いは芳香族複素環基と結合していることにより、水素原子の脱離が起こりにくくなるため、電気的酸化還元耐久性に優れたものとなる。また、該化合物は、T1準位が高く、バンドギャップが広く、更には、膜安定性(アモルファス性)に優れている。
本発明の化合物は、1分子中にピロリル基を2つ以上有する化合物において、化合物中のすべてのピロリル基は、1,2,3,4,5−位が、すべて置換基を有していても良い芳香族炭化水素基或いは芳香族複素環基と結合していることを特徴とする。
本発明の電荷輸送材料は、このような本発明の化合物を含むことを特徴とする。
本発明の有機電界発光素子は、陽極、陰極、およびこれら両極間に設けられた発光層を含む中間層を有する有機電界発光素子において、該中間層にこのような本発明の化合物を含む層を有することを特徴とする。
本発明の化合物は、耐熱性、電気的酸化還元耐久性、T1準位、バンドギャップ、電荷輸送性、膜安定性をバランス良く有する化合物である。従って、電荷輸送材料の他、様々な用途に有用である。
また、このような化合物を用いた本発明の有機電界発光素子によれば、高発光効率でかつ駆動安定性の高い素子が提供される。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明の化合物は、1分子中にピロリル基を2つ以上有する化合物において、化合物中のすべてのピロリル基の1,2,3,4,5−位が、すべて置換基を有していても良い芳香族炭化水素基或いは芳香族複素環基と結合している化合物であり、例えば、下記一般式(I)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2005232159
(式中、Ar〜Arは、各々独立に、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。Arは、任意の連結基であるが、ピロリル基と直接結合する部分は、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基または芳香族複素環基からなる。nは、環Aの数を表す2〜8の整数である。なお、式中にn個あるAr〜Arは各々同一であっても異なるものであっても良い。)
なお、上記一般式(I)は、本発明の化合物のうち、ピロリル基が、その窒素原子の位置(1位)で連結基Arを介して他のピロリル基と結合する化合物を示すものであるが、本発明の化合物は何らこれに限定されず、ピロリル基の任意の位置で連結基Arを介して他のピロリル基と結合していても良い。すなわち、一般式(I)において、1〜5位のいずれが連結位置であっても良く、任意の位置で他のピロリル基と連結したものであって良い。
このような本発明の化合物は、下記一般式(0)で表される。
Figure 2005232159
(式中、Ar〜Arは、各々独立に、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。Arは、任意の連結基であるが、ピロリル基と直接結合する部分は、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基または芳香族複素環基からなる。nは、環Aの数を表す2〜8の整数である。なお、式中にn個あるAr〜Arは各々同一であっても異なるものであっても良い。)
以下においては、本発明の化合物を一般式(I)を例示して説明するが、一般式(I)において、Ar〜ArのいずれかがArと入れ替ったものも本発明に包含される。また、一分子中に存在するピロリル基の連結位置は必ずしも同じである必要はなく、1位で連結するピロリル基、2位で連結するピロリル基、3位で連結するピロリル基、4位で連結するピロリル基、および5位で連結するピロリル基のいずれか2種以上が含まれていても良い。
このような本発明の化合物は、すべての位置に芳香族炭化水素基または芳香族複素環基が置換されているピロール環(環A)を持つことによって、高いT1準位、広い酸化還元電位差と、電気的酸化および還元に対して優れた耐久性を発揮し、さらに、分子内に複数の環Aが存在することによって、優れた正孔輸送性を発揮する。連結位置以外のすべての位置に芳香族炭化水素基または芳香族複素環基が置換されているピロール環(環A)は、例えば置換基であるAr〜ArおよびArが互いに動きを制限する(分子運動(振動・伸縮・回転)が抑制される)とともに、環A平面に対して、プロペラ状に立ち上がり、これにより、本発明の化合物分子全体は、平面性が適度に低下する。その結果、本発明の化合物は、膜状態での耐熱性、非晶質性、膜安定性、高いT1準位、広い酸化還元電位差において優れた特性を発揮しうる。
なお、本発明の化合物を、例えば有機電界発光素子における電子阻止層兼正孔輸送層に使用する場合、その重要な特性の一つである電子阻止性は、分子内の電子輸送性骨格により損なわれる傾向があるので、電子阻止性の観点からは、このような骨格を含んでいないものが好ましい。この電子輸送性骨格としては、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環、フッ素置換芳香環、アントラセン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環などが例示できる。
但し、本発明の化合物が、電子輸送性、正孔輸送性の両方を要求されるような場合(例えば、ホスト材料やドーパントなどに適用される場合)、上記電子輸送性骨格を導入することも電界発光素子の駆動寿命を向上させる観点、駆動電圧を低減させる観点などから、有効な手段である。
また、本発明の化合物の分子量は、通常4000以下程度、好ましくは3000以下程度、更に好ましくは2000以下程度、通常300以上程度、好ましくは400以上程度、更に好ましくは500以上程度である。分子量が大きすぎると昇華性が低下し、例えば蒸着による薄膜形成が困難になる傾向があったり、あるいは合成の過程において、素子としての駆動寿命を損ない得る、除去が困難な不純物が生成しがちであるため、後述するように有機電界発光素子を構成する層に使用する場合に問題となるおそれがある。一方、分子量が小さすぎると、例えば昇華温度が低くなりすぎるため、やはり蒸着による薄膜形成が困難になったり、融点やガラス転移点が低下して、耐熱性が低下したり、あるいは容易に結晶化が起こって成膜性(アモルファス性)が低下するおそれがある。
上記一般式(I),(0)において、Ar〜Arは、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基であれば特に制限はなく、単独もしくは、複数の異なる芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を組み合わせて適用可能である。
また、Arに関しては、複数の異なる芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を組み合わせて適用する場合、必要に応じて、置換基を有していても良い窒素原子、酸素原子、置換基を有していても良い硫黄原子、置換基を有していても良い炭素原子の何れか(電気的酸化に対する安定性、正孔輸送性の観点から、好ましくは窒素原子または酸素原子、より好ましくは窒素原子)を、該芳香族炭化水素基または芳香族複素環基同士を連結するための第二の連結基として導入することも可能である。
該芳香族炭化水素基または芳香族複素環基として具体的には、次の(a),(b)が挙げられる。
(a) 置換基を有していても良い芳香族炭化水素基:好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、具体的にはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環などの、6員環の単環又は2〜5縮合環由来の基が挙げられる。
(b) 置換基を有していても良い、5または6員環の単環または2〜3縮合環からなる芳香族複素環基:芳香族複素環のへテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子などが挙げられ、芳香族複素環基としては好ましくは炭素数1〜19、より好ましくは炭素数3〜13の芳香族複素環基、具体的には、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの、5または6員環の単環または2〜4縮合環由来の基が挙げられる。
中でも、電気的酸化還元耐久性を向上させる観点および電気的酸化還元電位差を大きくする観点から、Ar〜Arとしては(a)芳香族炭化水素基、とりわけ置換されていても良いベンゼン環由来の基であるのが好ましい。また、Arとしては、置換基を有していても良いベンゼン環由来のn価の基、または置換基を有していても良いピリジン環由来のn価の基が好ましい。電気的還元を繰返し受けた場合における耐久性の観点から、Arとして、更に好ましくはピリジン環由来のn価の基である。
Ar〜Arの芳香族炭化水素基または芳香族複素環基が有し得る置換基としては、好ましくはアルキル基、芳香族炭化水素基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、アリールアミノ基、アルキルアミノ基、芳香族複素環基が挙げられ、より好ましくはアルキル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基であり、さらに好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、芳香族炭化水素基である。なお、これらの置換基のうち芳香族炭化水素基、芳香族複素環基の好ましい例示としては、上記、Ar〜ArおよびArの例示と同様である。
上記Ar〜ArおよびArの分子量は、さらに置換基が導入される場合はその置換基も含めて500以下であることが、蒸着成膜の際の蒸着温度を抑制する点、塗布成膜の際の溶媒への溶解性を損なわない点で好ましく、更に好ましくは300以下である。
Ar〜Arの具体例を以下に示すが、何ら以下のものに限定されるものではない。
なお、以下の構造中、Phはフェニル基を示す。また、L〜Lは、水素原子あるいは、Ar〜Arが有しうる置換基として挙げた基に代表される、任意の置換基を表し、好ましくは芳香環基(芳香族炭化水素基または芳香族複素環基)、より好ましくは芳香族炭化水素基、最も好ましくは置換されていても良いフェニル基である。
Figure 2005232159
Figure 2005232159
Figure 2005232159
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中でも、優れた酸化還元耐性の観点、広い酸化還元電位差の観点から、Ar〜Arとして好ましくは、R−1〜12、15,31〜43、46〜48、51〜53、55、59,72,77であり、より好ましくは、R−1〜6、10〜12、31〜41、43であり、更に好ましくは、R−1〜6、10〜12、46〜48であり、最も好ましくは、R−1〜4である。
また、Arの具体例を以下に示すが、何ら以下のものに限定されるものではない。
Figure 2005232159
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中でも、優れた酸化還元耐性の観点、広い酸化還元電位差の観点から、Arとして好ましくは、Z−2〜48、51、52,54,56〜75,90〜151、162、163,165〜167であり、より好ましくは、Z−2〜48、54であり、更に好ましくは、Z−2〜40、44、45であり、最も好ましくは、Z−2、3、22、34〜37である。
以下に、本発明の化合物として好ましい具体的な例を示すが、本発明の化合物は何ら以下の例示化合物に限定されるものではない。
[一般式(I)で表される本発明の化合物]
Figure 2005232159
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[一般式(I)で表される化合物以外の本発明の化合物]
Figure 2005232159
Figure 2005232159
このような本発明の化合物は、目的とする化合物の構造に応じて原料を選択し、公知の手法を用いて合成することができる。
例えば、
1)環A前駆体(1−位に水素原子、2,3,4,5−位に芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を有するピロール環)を合成し、この環A前駆体から本発明の化合物を合成する方法
2)連結基Ar前駆体を出発原料として本発明の化合物を合成する方法
が挙げられる。
1)環A前駆体(1−位に水素原子、2,3,4,5−位に芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を有するピロール環)を合成するする手法としては(以下、Arは同一または異なる任意の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す)、次の(1-1)〜(1-5)の方法が挙げられる。
(1-1) 原料1(式中、R,Rは、それぞれ独立に、水素原子または任意の置換基であり、好ましくは水素原子である)と原料2とを、アンモニアおよび/またはアンモニウム塩(酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウムなど)の大過剰量存在下、反応させることにより合成する方法(J. Chem. Soc. (C) (1971) 3260-3261, Tetrahedron (1973) 29, 3959-3971, J. Org. Chem. (1938) 3, 361-; Zhurnal Organicheskoj Khimii (1971) 7, 1264-1267; Science of Synthesis (2002) 9, 441-552)
Figure 2005232159
(1-2) 原料3(式中、R,Rは、水素原子または任意の置換基であり、好ましくは水素原子である)を、アンモニアおよび/またはアンモニウム塩(酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウムなど)の大過剰量存在下、反応させることにより合成する方法(J. Heterocyclic Chem. (1979) 16, 617-619)
Figure 2005232159
(1-3) 原料4または原料5にアンモニアおよび/またはアンモニウム塩(酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウムなど)を作用させることにより合成する方法(Tetrahedron Lett. (1965) 19, 1375-1380; Tetrahedron (1996) 52(26), 8707-8724;)
Figure 2005232159
(1-4) 原料6とAr−C≡C−Arとを反応させることにより合成する方法(Angew. Chem. 76 (1964) 4, 185-)
Figure 2005232159
(1-5) USP3,149,101、USP3,280,017、USP3,285,931などに記載の合成方法
このようにして合成された環A前駆体から本発明の化合物を合成する方法としては、次の(1-6),(1-7)の方法が挙げられる。
(1-6) 前記環A前駆体を、Ar(−X(但し、XはCl,Br,I,−B(OH)またはトシル基であり、好ましくはCl,Br,Iまたは−B(OH)である。nは2〜8の整数)と、銅触媒(所謂、Ullman反応:Synlett (2002) 3, 427-430; J. Org. Chem. 67 (2002) 5, 1699-1702; Tetrahedron 55 (1999) 44, 12757-12770; J. Chem. Soc. (C), (1970) 85-91; J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1. (1978) 460-)あるいはPd触媒(所謂、Suzukiカップリング反応:Tetrahedron Lett. 41 (2000) 4, 481-483; J. Org. Chem. 64 (1999) 15, 5575-5580; J. Am. Chem. Soc. 120 (1998) 4, 827-828)存在下でカップリング反応させる方法
(1-7) 前記環A前駆体を、Ar(−X(但し、XはF,Clであり、好ましくはFである。nは2〜8の整数)と、塩基性条件下、反応させる方法(J. Heterocyclic Chem. (1977) 14, 1157; Synth. Commun. 24 (1994) 1, 123-129; Heterocycles (1993) 35, 415-426; J. Org. Chem. (1996) 61, 9012-9015)
2)連結基Ar前駆体として、Ar(−NH(但し、nは2〜8の整数)を出発原料とした本発明の化合物の合成例としては、次の(2-1)〜(2-10)の方法が挙げられる。
(2-1) 原料7または原料8にAr(−NHを作用させることにより合成する方法(Tetrahedron (2002) 58, 3467-3472; J. Med. Chem. 37 (2002) 3, 261-266; Heterocycles (2001) 55, 1019-1022; Chem. Heterocycl. Compd. (N.Y.) 35 (1999) 11, 1305-1312; Synthesis (1998) 11, 1599-1603; Tetrahedron Lett. 40 (1999) 20, 3957-3960; J. Chem. Soc., Perkin Trans. II (1991) 8, 1111-1118; Ser. Khim. (1993) 2, 416-417; Tetrahedron Lett. (1988) 29, 1425-; J. Heterocycl. Chem. (1974) 11, 89-; Tetrahedron (1974) 30, 2633-; Tetrahedron (1969) 25, 5357-)
Figure 2005232159
(2-2) 原料9(但し、XはCl,BrまたはI)にAr(−NHを作用させることにより合成する方法(Synlett (2002) 5, 829-831)
Figure 2005232159
(2-3) 原料10にAr(−NHを作用させることにより合成する方法(Khim. Khim. Tekhnol. 42 (1999) 4, 37-46; Tetrahedron Lett. 31 (1990) 21, 2991-2994)
Figure 2005232159
(2-4) 原料11(但し、Rは任意の炭化水素基)にAr(−NHを作用させることにより合成する方法(Tetrahedron 55 (1999) 17, 5593-5598; J. Heterocycl. Chem. 32 (1995) 6, 1703-1707; J. Heterocycl. Chem. 28 (1991) 1, 77-80; Synth. Commun. 25 (1995) 12, 1857-1861)
Figure 2005232159
(2-5) 原料12(但し、Rは任意の炭化水素基)にAr(−NHを作用させることにより合成する方法(Tetrahedron 55 (1999) 17, 5593-5598)
Figure 2005232159
(2-6) 原料13(但し、XはCl,BrまたはI)にAr(−NHを作用させることにより合成する方法(J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1 (1995) 20, 2663-2665)
Figure 2005232159
(2-7) 原料14(但し、XはH,Cl,Br,IまたはLiのいずれかであり、好ましくは、H,IまたはLiである)にAr(−NHを作用させることにより合成する方法(J. Chem. Soc., Chem. Commun. (1990) 16, 1127-1128; J. Am. Chem. Soc. (1961) 83, 4406-4413)
Figure 2005232159
(2-8) 原料15にAr(−NHを作用させた後(Arch. Pharm. Ber. Dtsch. Pharm. Ges. (1966) 299, 1-; J. Org. Chem. (1969) 34, 999; Tetrahedron Lett. (1978) 2821-)、更に、各ピロール環の3,4−位に公知の手法を用いてArおよびArに該当する置換基を導入する(Tetrahedron Lett. 32 (1991) 43, 6121-6124)ことにより合成する方法
Figure 2005232159
(2-9) 原料16にAr(−NHを作用させることにより合成する方法(Chem. Lett. (1974) 701-)
Figure 2005232159
(2-10) 原料17にAr(−NHを作用させることにより合成する方法(Ann. (1962) 657, 79-86)
Figure 2005232159
また、連結基Ar前駆体として、Ar(−NO(但し、nは2〜8の整数)を出発原料とした本発明の化合物の合成例としては、次の(2-11)の方法が挙げられる。
(2-11) 原料18にAr(−NOを作用させることにより合成する方法(Tetrahedron Lett. (1971) 21, 1855-1858)
Figure 2005232159
その他、置換基Ar〜Arがヘテロ環である場合、その前駆体を通常入手可能な試薬として、あるいは、「ヘテロ環の化学−医薬品の基礎」(2002年、國枝ら、化学同仁社)や「Heterocyclic Chemistry」(第4版、2000年、J.A.Joule and K.Mills、Blackwell Science社)に記載または引用されている合成方法を用いて合成するなどして入手し、得られた該前駆体らを、上述の合成方法や、あるいは「Palladium in Heterocyclic Chemistry : A guide for the Synthetic Chemist」(第二版(2002)、Jie Jack Li and Gordon W. Gribble、Pergamon社)や「遷移金属が拓く有機合成 その多彩な反応形式と最新の成果」(1997年、辻二郎、化学同仁社)などに記載または引用されている環同士の結合(カップリング)反応を行うことで、本発明の化合物を合成することも可能である。
また、ピロリル基と連結基Arとの結合形式が、C−N結合でなく、C−C結合である本発明の化合物(即ち、2〜5位で連結する化合物)の合成方法としては、次の(3-1),(3-2)の方法が挙げられる。
(3-1) 上述した各種合成方法を用いて、中間体1を合成した後、公知のカップリング手法(「Palladium in Heterocyclic Chemistry : A guide for the Synthetic Chemist」(第二版(2002)、Jie Jack Li and Gordon W. Gribble、Pergamon社)や「遷移金属が拓く有機合成 その多彩な反応形式と最新の成果」(1997年、辻二郎、化学同仁社)などに記載または引用されている環同士の結合(カップリング)反応)を用いて、本発明の化合物を容易に得る。
Figure 2005232159
(3-2) 上述したAr(−NHまたはAr(−NOを原料とした合成法において、Ar(−NHまたはAr(−NOの代わりにAr−NHを用い、原料1〜18が置換基Ar〜Arの何れかを介してn個(nは2〜8の整数)連結した構造を有する原料(例えば、原料10に対する原料19)を用い、上述した各種合成方法を用いて、本発明の化合物を得る。
Figure 2005232159
上記反応生成物は目的となる本発明の化合物を常法により、濾過又は抽出後、濃縮等することにより、溶媒から分離し適宜再結晶化、カラムクロマトグラフィー等により精製して得られる。
このような本発明の化合物は、耐熱性、電気的酸化還元耐久性、T1準位、バンドギャップ、電荷輸送性、膜安定性といった性質をバランス良く有する化合物であり、特に電荷輸送性に優れることから電荷輸送材料として有用である。
本発明の化合物を電荷輸送材料として用いる場合、本発明の化合物の1種のみを単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、他の電荷輸送性化合物と併用しても良い。
また、耐熱性、電気的酸化還元耐久性、T1準位、バンドギャップ、電荷輸送性、膜安定性といった性質をバランス良く有する本発明の化合物は、特に有機電界発光素子に有効であり、高発光効率で駆動安定性の高い有機電界発光素子を実現し得る。
次に本発明の有機電界発光素子について説明する。
本発明の有機電界発光素子は、陽極、陰極、およびこれら両極間に設けられた発光層を含む中間層を有する有機電界発光素子において、該中間層に本発明の化合物を含む層を有することを特徴とする。
以下、本発明の有機電界発光素子の具体的な構成について、図面を参照しながら説明する。
図1〜4は本発明に用いられる一般的な有機電界発光素子の構造例を模式的に示す断面図であり、1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は正孔輸送層、5は電子阻止層、6は発光層、7は正孔阻止層、8は電子輸送層、9は陰極を各々表わす。
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシートなどが用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
基板1上には陽極2が設けられるが、陽極2は正孔輸送層4への正孔注入の役割を果たすものである。この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウムおよび/またはスズの酸化物などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラック、あるいは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子などにより構成される。陽極2の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法などにより行われることが多い。また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末などの場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散し、基板1上に塗布することにより陽極2を形成することもできる。さらに、導電性高分子の場合は電解重合により直接基板1上に薄膜を形成したり、基板1上に導電性高分子を塗布して陽極2を形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711頁,1992年)。陽極2は異なる物質で積層して形成することも可能である。陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常、60%以上、好ましくは80%以上とすることが望ましく、この場合、陽極2の厚みは、通常5nm以上、好ましくは10nm以上程度で、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下程度である。不透明で良い場合、陽極2は基板1と同一でも良い。また、さらには上記の陽極2の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
図1の有機電界発光素子において、陽極2の上には正孔輸送層4が設けられる。正孔輸送層4の材料としては、陽極2からの正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することができる材料であることが必要である。そのためには、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対して透明性が高く、しかも正孔移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが要求される。また、発光層6に接するために発光層6からの発光を消光したり、発光層6との間でエキサイプレックスを形成して効率を低下させないことが求められる。上記の一般的要求以外に、車載表示用の応用を考えた場合、素子にはさらに耐熱性が要求される。従って、ガラス転移点Tgとして85℃以上の値を有する材料が望ましい。
このような正孔輸送材料としては、例えば、4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4',4”−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(J. Lumin., 72-74巻、985頁、1997年)、トリフェニルアミンの四量体からなる芳香族アミン化合物(Chem. Commun., 2175頁、1996年)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synth.Metals,91巻、209頁、1997年)等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いても良いし、必要に応じて、各々、混合して用いても良い。
上記の化合物以外に、正孔輸送層4の材料として、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルトリフェニルアミン(特開平7−53953号公報)、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン(Polym.Adv.Tech.,7巻、33頁、1996年)等の高分子材料が挙げられる。
正孔輸送層4は、スプレー法、印刷法、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法などの通常の塗布法や、インクジェット法、スクリーン印刷法など各種印刷法等の湿式成膜法や、真空蒸着法などの乾式成膜法で形成することができる。
正孔輸送層4を塗布法により形成する場合は、正孔輸送材料の1種または2種以上に、必要により正孔のトラップにならないバインダー樹脂や塗布性改良剤などの添加剤を添加し、適当な溶剤に溶解して塗布溶液を調製し、スピンコート法などの方法により陽極2上に塗布し、乾燥して正孔輸送層4を形成する。使用されるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等が挙げられる。バインダー樹脂は添加量が多いと正孔移動度を低下させるので、少ない方が望ましく、通常、正孔輸送層4中の含有量で50重量%以下が好ましい。
正孔輸送層4を真空蒸着法により形成する場合には、正孔輸送材料を真空容器内に設置されたルツボに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10-4Pa程度にまで排気した後、ルツボを加熱して、正孔輸送材料を蒸発させ、ルツボと向かい合って置かれた、陽極2が形成された基板1上に正孔輸送層4を形成させる。
正孔輸送層4の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常300nm以下、好ましくは100nm以下である。この様に薄い膜を一様に形成するためには、一般に真空蒸着法がよく用いられる。
素子駆動電圧を低く抑える観点、素子駆動寿命を大きくする観点、最大輝度を大きくする観点、発光効率を高める観点で、陽極2と発光層6との間には、このような正孔輸送層4を形成することが好ましい。
図1において、正孔輸送層4の上には発光層6が設けられる。発光層6は、発光材料として好ましくは燐光分子と、ホスト材料を含有し、電界を与えられた電極間において、陽極2から注入されて正孔輸送層4を経由して移動する正孔と、陰極9から注入されて後述の正孔阻止層7を移動する電子との再結合により励起されて、強い発光を示す。
本発明の化合物は、この発光層6のホスト材料として用いることができるが、発光層6のホスト材料としては、本発明の化合物以外にも、他のホスト材料を用いることができ、特に、上記観点から、下記一般式(II)で表される化合物が好ましく用いられる。
(Ar10−Z (II)
(式中、Ar10は、任意の(置換基を有していても良い)芳香環基を表す(なお、ここで芳香環基とは芳香族炭化水素基と芳香族複素環基との総称である。)。Arの数を表すmは1〜10の整数であり、Zは直接結合またはm価の連結基を表す。但し、m=1の場合、ZはAr10の芳香環に結合する任意の置換基に相当する。また、m≧2の場合、1分子中に含まれる複数のAr10は、各々同一であっても異なっていても良い。)
上記一般式(II)において、Zには、任意の基を適用可能であり、単独で、もしくは同一あるいは異なる基同士を組み合わせて使用することができる。Zの具体例としては、次のようなものが挙げられる。
ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、
置換基を有していても良いアルキル基(好ましくは炭素数1から8の直鎖または分岐のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル基などが挙げられる。)、
置換基を有していても良いアルケニル基(好ましくは、炭素数1から8のアルケニル基であり、例えばビニル、アリル、1−ブテニル基などが挙げられる。)、
置換基を有していても良いアルキニル基(好ましくは、炭素数1から8のアルキニル基であり、例えばエチニル、プロパルギル基などが挙げられる。)、
置換基を有していても良いアラルキル基(好ましくは、炭素数1から8のアラルキル基であり、例えばベンジル基などが挙げられる。)、
置換基を有していても良いアミノ基(好ましくは炭素数0〜36、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12のアミノ基であり、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基、チエニルアミノ基、ジチエニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ジピリジルアミノ基等が挙げられる。)、
置換基を有していても良いアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。)、
置換基を有していても良いアリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜10、特に好ましくは炭素数6のアリールオキシ基であり、例えばフェノキシ基等が挙げられる。)、
ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数2〜8、特に好ましくは炭素数4〜5のヘテロ環オキシ基であり、例えばチエニルオキシ基、ピリジルオキシ基等が挙げられる。)、
置換基を有していても良いアシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のアシル基であり、例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基、テノイル基、ニコチノイル基等が挙げられる。)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられる。)、
アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7のアリールオキシカルボニル基であり、例えばフェノキシカルボニル基などが挙げられる。)、
ヘテロ環オキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数5〜6のヘテロ環オキシカルボニル基であり、例えばチエニルオキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基等が挙げられる。)、
アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアシルオキシ基であり、例えばアセトキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ピバロイルオキシ基、テノイルオキシ基、ニコチノイルオキシ基等が挙げられる。)、
アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。)、
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えばフェノキシカルボニル基等が挙げられる。)、
ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜21、より好ましくは炭素数2〜15、特に好ましくは炭素数5〜11のヘテロ環オキシカルボニルアミノ基であり、例えばチエニルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。)、
スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニルアミノ基であり、例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基、チオフェンスルホニルアミノ基等が挙げられる。)、
スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えばスルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基、チエニルスルファモイル基等が挙げられる。)、
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えばカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基等が挙げられる。)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ブチルチオ基等が挙げられる。)、
アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜26、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えばフェニルチオ基等が挙げられる。)、
ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜25、より好ましくは炭素数2〜19、特に好ましくは炭素数5〜11のヘテロ環チオ基であり、例えばチエニルチオ基、ピリジルチオ基等が挙げられる。)、
スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニル基であり、例えばトシル基、メシル基などが挙げられる。)、
スルフェニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルフェニル基であり、例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基等が挙げられる。)、
ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えばウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基等が挙げられる。)、
リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えばジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基等が挙げられる。)、
ヒドロキシル基、
メルカプト基、
シアノ基、
スルホ基、
カルボキシル基、
ニトロ基、
ヒドロキサム酸基、
スルフィノ基、
ヒドラジノ基、
イミノ基、
Figure 2005232159
(Raは任意の置換基であり、好ましくは置換基を有していても良い炭素数1〜8のアルキル基、アラルキル基、アリール基の何れかである。Rbは水素原子または任意の置換基であり、好ましくは置換基を有していても良い炭素数1〜8のアルキル基、アラルキル基、アリール基の何れかである。)、
Figure 2005232159
(Rc、Rdは水素原子または任意の置換基であり、好ましくは置換基を有していても良い炭素数1〜8のアルキル基、アラルキル基、アリール基の何れかである。)、
置換基を有していても良いシリル基(例えばトリメチルシリル基、トリフェニルシリル基が挙げられる。)、
置換基を有していても良いボリル基(例えばジメシチルボリル基等が挙げられる。)、
置換基を有していても良いホスフィノ基(例えばジフェニルホスフィノ基等が挙げられる。)、
置換基を有していても良い、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環等、の6員環の単環又は2〜5縮合環由来の基が挙げられる。)、
置換基を有していても良い、5または6員環の単環または2〜3縮合環からなる芳香族複素環基(へテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子などが挙げられ、具体的には例えばフラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環等、の5または6員環の単環または2〜4縮合環由来の基が挙げられる。)。
上記例示の中でも、Zは、電気的酸化還元耐久性を向上させる観点および耐熱性を向上させる観点から、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基であるのが好ましい。
なお、これらの置換基はさらに置換されていても、また他の環と縮合していても良い。また、置換基が2つ以上ある場合に、これらの置換基は同じでも異なっていても良く、また可能な場合には連結して環を形成しても良い。この置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、アリールアミノ基、アルキルアミノ基、ヘテロ環基であり、より好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基が挙げられ、さらに好ましくはアルキル基、アリール基が挙げられる。
前記一般式(II)において、Ar10は芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。
Ar10で表される芳香族炭化水素基としては例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環等の、6員環の単環または2〜5縮合環由来の基が挙げられる。
Ar10で表される芳香族複素環基としては、例えばフラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環、テトラゾール環、イミダゾピリジン環等の、5または6員環または2〜4縮合環由来の基が挙げられる。
Ar10として好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、チアゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、インドール環、ベンゾイミダゾール環、イミダゾピリジン環、カルバゾール環由来の基であり、より好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、トリアジン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、キノリン環、イソキノリン環、ベンゾイミダゾール環、イミダゾピリジン環、カルバゾール環由来の基であり、さらに好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ベンゾイミダゾール環、イミダゾピリジン環、カルバゾール環由来の基であり、最も好ましくはピリジン環(とりわけ、2,4,6−位が任意の置換基(好ましくは芳香環基)によって置換されているのが好ましい)、カルバゾール環(とりわけ、置換基として電子供与性基(アルキル基、アミノ基、アルコキシ基など)を持たないことが好ましい)由来の基である。
一般式(II)において、Ar10で表される芳香族炭化水素基または芳香族複素環基は置換基を有していても良く、この置換基としてはZの置換基として挙げたものを同様に適用できる。
一般式(II)において、Ar10および(mが1のときの)Zの具体例は前記一般式(I)におけるAr〜Arの具体例と同様であり、mが2以上のときのZの具体例は前記一般式(I)におけるArの具体例と同様である。
一般式(II)で表されるホスト材料として例示するならば、
カルバゾール系化合物(トリアリールアミン系化合物を含む)としては、特開S63-235946,特開H02-285357,特開H02-261889,特開H03-230584,特開03-232856,特開H05-263073,特開H06-312979,特開H07-053950,特開H08-003547,特開H09-157643,特開H09-268283,特開H09-165573,特開H09-249876,特開H09-310066,特開H10-041069,特開H10-168447,EP-0847228,特開H10-208880,特開H10-226785,特開H10-312073,特開H10-316658,特開H10-330361,特開H11-144866,特開H11-144867,H11-144873,特開H11-149987,特開H11-167990,特開H11-233260,特開H11-241062,WO-00/70655,USP-6562982,特開2003-040844,特開2001-313179,特開2001-257076,特願2003-202925,特願2003-204940,特願2003-299512などに記載のホスト材料、
フェニルアントラセン誘導体としては、特開2000-344691などに記載のホスト材料、
縮環アリーレンのスターバースト型化合物としては、特開2001-192651,特開2002-324677などに記載のホスト材料、
縮環型イミダゾール系化合物としては、Appl. Phys. Lett., 78巻, 1622項, 2001,特開2001-335776,特開2002-338579,特開2002-319491,特開2002-367785,特開2002-367786などに記載のホスト材料、
アゼピン系化合物としては、特開2002-235075などに記載のホスト材料、
縮環型トリアゾール系化合物としては、特開2002-356489などに記載のホスト材料、
プロペラ型アリーレン系化合物としては、特開2003-027048などに記載のホスト材料、
モノトリアリールアミン型化合物としては、特開2002-175883,特開2002-249765,特開2002-324676などに記載のホスト材料、
アリールベンジジン系化合物としては、特開2002-329577などに記載のホスト材料、
トリアリール硼素化合物としては、特開2003-031367,特開2003-031368などに記載のホスト材料、
インドール系化合物としては、特開2002-305084,特開2003-008866,特開2002-015871などに記載のホスト材料、
インドリジン系化合物としては、特開2000-311787などに記載のホスト材料、
ピレン系化合物としては、特開2001-118682などに記載のホスト材料、
ジベンゾオキサゾール(またはジベンゾチアゾール)系化合物としては、特開2002-231453などに記載のホスト材料、
ビピリジル系化合物としては、特開2003-123983などに記載のホスト材料、
ピリジン系化合物としては、特願2003-347307,特願2003-374430などに記載のホスト材料
などが挙げられ、素子としての優れた発光特性の点から好ましくは、カルバゾール系化合物(トリアリールアミン系化合物を含む)、縮環アリーレンのスターバースト型化合物、縮環型イミダゾール系化合物、プロペラ型アリーレン系化合物、モノトリアリールアミン型化合物、インドール系化合物、インドリジン系化合物、ビピリジル系化合物、ピリジン系化合物である。
一般式(II)で表されるホスト材料としては、更に、素子としての駆動寿命の点から、カルバゾール系化合物或いはピリジン系化合物が好ましい。とりわけ好ましい化合物の具体例を以下に示すが、下記の化合物に限定されるわけではない。
Figure 2005232159
Figure 2005232159
Figure 2005232159
Figure 2005232159
Figure 2005232159
上記例示化合物の中でも、H−A1〜A6,A8〜A11,A14〜A18,A20〜A25が好ましく、H−A1,A3,A4,A6,A8〜A10,A15〜A18,A20〜A25が特に好ましい。
発光層6に用いられる発光材料としての燐光分子として、周期表7ないし11族から選ばれる金属を含む燐光性有機金属錯体が挙げられる。該金属として好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、および金が挙げられる。これらの有機金属錯体として、好ましくは下記一般式(Va)、(Vb)、(VI)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2005232159
(式中、Mは金属、pは該金属の価数を表す。環A1は芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表わし、置換基を有していても良い。環A2は窒素を複素環を形成する原子として含有する芳香族複素環基を表し、置換基を有していても良い。)
Figure 2005232159
(式中、Mは金属、pは該金属の価数を表す。環A1は芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表し、置換基を有していても良い。環A2は窒素を複素環を形成する原子として含有する芳香族複素環基を表し、置換基を有していても良い。)
Figure 2005232159
(式中、Mは金属、Tは炭素または窒素を表す。Tが窒素の場合はR14、R15は無く、Tが炭素の場合はR14、R15は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、ハロアルキル基、水酸基、アリールオキシ基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。
12、R13は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、ハロアルキル基、水酸基、アリールオキシ基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表わし、互いに連結して環を形成しても良い。)
一般式(Va)、(Vb)で表される化合物の環A1として、好ましくは、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、チエニル基、フリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、ピリジル基、キノリル基、またはイソキノリル基が挙げられる。また、環A2として、好ましくは、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイミダゾール基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリン基、またはフェナントリジン基が挙げられる。
一般式(Va)、(Vb)で表される化合物が有していても良い置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;アセチル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;シアノ基等が挙げられ、これらは互いに連結して環を形成しても良い。
なお、環A1が有する置換基と環A2が有する置換基が結合して、一つの縮合環を形成しても良く、このようなものとしては7,8−ベンゾキノリン基等が挙げられる。
環A1および環A2の置換基として、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、シアノ基、ハロゲン原子、またはハロアルキル基が挙げられる。
一般式(Va)、(Vb)におけるMないしMとして好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金または金が挙げられる。
また、一般式(VI)におけるMとして好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金または金が挙げられ、特に好ましくは、白金、パラジウム等の2価の金属が挙げられる。
前記一般式(Va)、(Vb)で示される有機金属錯体の具体例を以下に示すが、下記の化合物に限定されるわけではない。
Figure 2005232159
前記一般式(VI)で表される有機金属錯体の具体例を以下に示すが、下記の化合物に限定されるわけではない。
Figure 2005232159
本発明の有機電界発光素子は、発光層6における副成分の1つとして、蛍光色素を含有しても良い。ここで言う蛍光色素とは、クマリン等のレーザー用蛍光色素などであり、例えば青色発光を与える蛍光色素としては、ペリレン、ピレン、アントラセンおよびそれらの誘導体等、緑色蛍光色素としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体等、黄色蛍光色素としては、ルブレン、ペリミドン誘導体等、赤色蛍光色素としては、クマリン誘導体、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、フェノキサゾン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、アザベンゾチオキサンテン等が挙げられる。
上記のドープ用蛍光色素以外にも、ホスト材料、有機金属錯体に応じて、レーザー研究,8巻,694頁,803頁,958頁(1980年);同9巻,85頁(1981年)、に列挙されている蛍光色素が発光層用のドープ材料として使用することができる。
発光層6中に副成分として含有される有機金属錯体の量は、0.1重量%以上、30重量%以下の範囲にあることが好ましい。0.1重量%未満では素子の発光効率向上に寄与できず、30重量%を超えると有機金属錯体同士が2量体を形成する等の理由で濃度消光が起き、発光効率の低下に至る。従来の蛍光(1重項)を用いた素子において、発光層に含有される蛍光性色素(ドーパント)の量より、若干多い方が好ましい傾向がある。また蛍光色素が発光層中に含有される場合その量は、0.05重量%以上が好ましく、10重量%以下が好ましく、2重量%以下が更に好ましい。これら有機金属錯体や蛍光色素は、発光層中に膜厚方向に対して部分的に含まれたり、不均一に分布しても良い。
発光層6の膜厚は、通常10nm以上、好ましくは20nm以上、通常200nm以下、好ましくは100nm以下である。
発光層6は正孔輸送層4と同様の方法にて薄膜形成される。
図1において、正孔阻止層7が発光層6の上に積層される。正孔阻止層7は、正孔輸送層4から移動してくる正孔を陰極9に到達するのを阻止する役割と、陰極9から注入された電子を効率よく発光層6の方向に輸送することができる化合物より形成される。正孔阻止層7を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低いことが必要とされる。正孔阻止層7は正孔と電子、さらには発光性励起子エネルギー(励起三重項状態にある発光材料が持つエネルギー)を発光層内に閉じこめて、発光効率を向上させる機能を有する。
このような条件を満たす正孔阻止材料として、好ましくは、下記一般式(VII)で表される混合配位子錯体が挙げられる。
Figure 2005232159
(式中、R16〜R21は、各々独立に、水素原子または任意の置換基を表す。Mはアルミニウム、ガリウム、インジウムから選ばれる金属原子を表す。Lは以下に示す一般式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)のいずれかで表される。
Figure 2005232159
(式中、Ar11〜Ar15は、各々独立に、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基または置換基を有していても良い芳香族複素環基を表し、Zはシリコンまたはゲルマニウムを表す。))
前記一般式(VII)において、R16〜R21は、各々独立に、水素原子または任意の置換基を表すが、好ましくは水素原子;塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ベンジル基等のアラルキル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;シアノ基;アミノ基;アシル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基;カルボキシル基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基などのジアラルキルアミノ基;トリフルオロメチル基等のα−ハロアルキル基;水酸基;置換基を有していても良いフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基;置換基を有していても良いチエニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基である。
前記芳香族炭化水素基および芳香族複素環基が有しうる置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;アセチル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;シアノ基等が挙げられる。
16〜R21としてより好ましくは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子またはシアノ基が挙げられる。また、R19としては、シアノ基が特に好ましい。
上記一般式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)中、Ar11〜Ar15として、具体的には、置換基を有していても良いフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基、またはチエニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基が挙げられる。
前記一般式(VII)で表される化合物の好ましい具体例を以下に示すが、これらに限定するものではない。
Figure 2005232159
Figure 2005232159
なお、これらの化合物は正孔阻止層中7に、単独で用いても良いし、必要に応じて、各々混合して用いても良い。
正孔阻止材料としては、前記一般式(VII)の混合配位子錯体の他に、以下の構造式で示される1,2,4−トリアゾール環残基を少なくとも1個有する化合物を用いることができる。
Figure 2005232159
前記構造式で表される1,2,4−トリアゾール環残基を少なくとも1個有する化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定するものではない。
Figure 2005232159
正孔阻止材料として、さらに、以下の構造式で示されるフェナントロリン環を少なくとも1個有する化合物を用いることもできる。
Figure 2005232159
前記構造式で表されるフェナントロリン環を少なくとも1個有する化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定するものではない。
Figure 2005232159
さらに正孔阻止材料として、以下の構造式で示される2,4,6−位が置換されたピリジン環を少なくとも1個有する化合物も用いることができる。
Figure 2005232159
(式中、R41、R42およびR43は、各々独立に、水素原子または任意の置換基を表す。連結基Qはq価の連結基を表し、ピリジン環と連結基Qはピリジン環の2〜6位のいずれか1つと直接結合している。qは1〜8の整数である。)
上記構造式で表される2,4,6−位が置換されたピリジン環を少なくとも1個有する化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2005232159
正孔阻止層7の膜厚は、通常0.3nm以上、好ましくは0.5nm以上であり、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。正孔阻止層7も正孔輸送層4と同様の方法で形成することができるが、通常は真空蒸着法が用いられる。
陰極9は、正孔阻止層7を介して発光層6に電子を注入する役割を果たす。陰極9として用いられる材料は、前記陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、効率良く電子注入を行うには、仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属またはそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。
陰極9の膜厚は通常、陽極2と同様である。
素子の発光効率をさらに向上させることを目的として、図2に示す如く、正孔阻止層7と陰極9との間に電子輸送層8を設けることが考えられる。電子輸送層8は、電界を与えられた電極間において陰極9から注入された電子を効率よく正孔阻止層7の方向に輸送することができる化合物より形成される。
電子輸送層8に用いられる電子輸送性化合物としては、陰極9からの電子注入効率が高く、かつ、高い電子移動度を有し注入された電子を効率よく輸送することができる化合物であることが必要である。
このような条件を満たす材料としては、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−または5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第5,645,948号)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。
また、フェナントロリン誘導体や金属錯体にアルカリ金属をドープしたり、オキサジアゾール誘導体、キノキサリン化合物、フェナントロリン誘導体等の電子輸送性が高く分子量の小さい有機物をドープする等して電子輸送能を高めた電子輸送層8を形成することもできる。
電子輸送層8の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常200nm以下、好ましくは100nm以下である。
電子輸送層8は、正孔輸送層4と同様にして塗布法あるいは真空蒸着法により正孔阻止層7上に積層することにより形成されるが、通常は、真空蒸着法が用いられる。
本発明の有機電界発光素子において、駆動電圧の低減、駆動寿命の向上、あるいは素子発光効率の向上の点で、陰極9と発光層6との間に、このように正孔阻止層7および/または電子輸送層8を有することが好ましい。
正孔注入の効率をさらに向上させ、かつ、有機層全体の陽極2への付着力を改善させる目的で、図3に示す如く、正孔輸送層4と陽極2との間に正孔注入層3を挿入することも行われている。正孔注入層3を挿入することで、初期の素子の駆動電圧が下がると同時に、素子を定電流で連続駆動した時の電圧上昇も抑制される効果がある。正孔注入層3に用いられる材料には、陽極2とのコンタクトがよく均一な薄膜が形成でき、熱的に安定、すなわち、融点およびガラス転移点が高く、融点としては300℃以上、ガラス転移点としては100℃以上が要求される。さらに、イオン化ポテンシャルが低く陽極2からの正孔注入が容易なこと、正孔移動度が大きいことが要求される。
この目的のために、正孔注入層3の材料としては、これまでに銅フタロシアニン等のタロシアニン化合物(特開昭63−295695号公報)、ポリアニリン(Appl. Phys. Lett., 64巻、1245頁,1994年)、ポリチオフェン(Optical Materials, 9巻、125頁、1998年)等の有機化合物や、スパッタ・カーボン膜(Synth. Met., 91巻、73頁、1997年)や、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、モリブデン酸化物等の金属酸化物(J.Phys. D, 29巻、2750頁、1996年)が報告されている。また、芳香族ジアミン含有ポリエーテルにDDQ(2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン)等の電子受容性基をドーピングする等して正孔注入を容易にすることもできる。
正孔注入層3も、正孔輸送層4と同様にして薄膜形成可能であるが、無機物の場合には、さらに、スパッタ法や電子ビーム蒸着法、プラズマCVD法が用いられる。
以上の様にして形成される正孔注入層3の膜厚は、通常、3nm以上、好ましくは5nm以上であり、また、通常、100nm以上、好ましくは50nm以下である。
駆動電圧の低減、駆動寿命の向上、あるいは素子発光効率を改善させる目的で、図4に示す如く、正孔輸送層4と発光層6との間に電子阻止層5を挿入することも行われている。電子阻止層5は、電子輸送層8から移動してくる電子を発光層6を通過して正孔輸送層4に抜けるのを阻止する役割と、陽極2から注入された正孔を効率よく発光層6の方向に輸送することができる化合物より形成される。電子阻止層5を構成する材料に求められる物性としては、正孔移動度が高く電子移動度が低いことが必要とされる。電子阻止層5は正孔と電子、さらには発光性励起子エネルギー(励起三重項状態にある発光材料が持つエネルギー)を発光層6内に閉じこめて、発光効率を向上させる機能を有する。
このような条件を満たす電子阻止材料として、好ましくは、本発明による有機化合物であるが、そのほかにも、前述の正孔輸送性材料および/またはホスト材料を適用可能である。
電子阻止層5の膜厚は、通常1nm以上、好ましくは2nm以上であり、通常50nm以下、好ましくは30nm以下である。電子阻止層5も、正孔輸送層4と同様にして薄膜形成可能である。
本発明の有機電界発光素子において、駆動電圧の低減、駆動寿命の向上、あるいは素子発光効率の向上の点で、陽極2と発光層6との間に、このように電子阻止層5および/または正孔輸送層4を有することが好ましい。
本発明の有機電界発光素子において、本発明の化合物を発光層に含む場合、発光層中の本発明の化合物の含有量は特に制限はないが、通常1重量%以上、好ましくは10重量%以上で、通常99重量%以下、特に96重量%以下であることが好ましい。
この場合、発光層中には、本発明の化合物の1種を単独で含んでいても良く、また、2種以上を含んでいても良い。
また、本発明の有機電界発光素子が本発明の化合物を発光層の陽極側界面に接する層である正孔輸送層または電子阻止層に含む場合、発光層中の本発明の化合物の含有量は特に制限はないが、通常50重量%以上、好ましくは90重量%以上で、通常100重量%以下であることが好ましい。
この場合、正孔輸送層又は電子阻止層中には、本発明の化合物の1種を単独で含んでいても良く、また、2種以上を含んでいても良い。
本発明の有機電界発光素子はまた、本発明の化合物を発光層と正孔輸送層又は電子阻止層との両方に含んでいても良く、この場合、発光層に含まれる本発明の化合物と正孔輸送層又は電子阻止層に含まれる本発明の化合物とは同一のものであっても良く、異なるものであっても良い。
本発明の有機電界発光素子は、図1〜4に示す層構成に何ら限定されず、本発明の目的を損わない範囲で陽極2と陰極9との間に更に他の層が形成されていても良い。
例えば、陰極9と正孔阻止層7または電子輸送層8との界面にLiF、MgF、LiOなどの極薄絶縁膜(0.1〜5nm)を挿入することは、素子の効率を向上させる有効な方法である(Appl. Phys. Lett., 70巻,152頁,1997年;特開平10−74586号公報;IEEETrans. Electron. Devices,44巻,1245頁,1997年)。
また、低仕事関数金属からなる陰極を保護する目的で、陰極9の上にさらに、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層することは素子の安定性を増大させる。この目的のために、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。
なお、図1とは逆の構造、すなわち、基板上に陰極9、正孔阻止層7、発光層6、正孔輸送層4、陽極2の順に積層することも可能であり、既述したように少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に本発明の有機電界発光素子を設けることも可能である。同様に、図2〜4に示した前記各層構成とは逆の構造に積層することも可能である。
本発明は、有機電界発光素子が、単一の素子、アレイ状に配置された構造からなる素子、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構造のいずれにおいても適用することができる。
次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
<本発明の化合物の合成>
Figure 2005232159
空気存在下、ベンゾイン(4.024g)、酢酸アンモニウム(38.5g)、酢酸(45ml)、N,N−ジメチルホルムアミド(50ml)の混合物を、加熱還流条件で5.5時間攪拌した後、メタノール(50ml)−水(80ml)を加え、よく混合した。析出した沈殿を濾過、メタノールで洗浄後、濾紙上の残留固形物と、濾液に多量の水を加えて析出した固形分を合わせ、メタノール(200ml)中で加熱環流下、懸濁洗浄した。得られた固形分を濾別後、トルエン−エタノール−ノルマルヘキサンからの再結晶にて精製し、目的物1(3.06g)を得た。EI−MS(m/z=371(M+))から目的物1であることを確認した。
次に、窒素気流中、目的物1(1.72g)、4,4’−ジヨードビフェニル(0.90g)、銅粉(0.29g)、炭酸カリウム(0.92g)、テトラグライム(1.77ml)を200℃の油浴中、8時間撹拌した後、塩化メチレンで抽出後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製後、その一部をGPCおよび昇華精製にて更に精製し、目的物2(0.32g)を得た。DEI−MS(m/z=892(M+))から目的物2であることを確認した。このもののガラス転移点は189℃、融点は402℃、気化温度は480℃であった。
<評価>
合成された目的物2と、非特許文献1に記載される前記ホスト材料(H−1)および特許文献4に記載される前記正孔輸送材料(H−5)を用いて、各々、厚さ100nmの単層膜を、真空蒸着法によりガラス基板上に作成した。得られたアモルファス膜について、AC−1(大気中光電子分光装置、理研計器社製)を用いてイオン化ポテンシャル(=Ip)を測定した。また、蛍光光度計を用いて、膜の極大吸光波長、極大発光波長を測定し、バンドギャップ(=中性分子における最低空軌道と最高被占軌道とのエネルギー差:Eg−opt)と電子親和力(=Ea)を算出した。また、ガラス基板上に作成した薄膜を室温、窒素雰囲気下で1週間保存後、白化(結晶化)の有無を調べ、透明なアモルファス膜を維持していれば膜安定性良(○)、白化を起こしていれば膜安定性不良(×)と評価した。
これらの結果を表1に示した。
Figure 2005232159
表1より次のことが分かる。
1) 目的物2は、正孔輸送材料(H−5)とホスト材料(H−1)との中間的な、適度な正孔注入性を有し、本発明の化合物は、正孔輸送材料あるいはホスト材料として好ましいことがわかる。
2) 目的物2は、既存の正孔輸送材料(H−5)やホスト材料(H−1)よりも、広いバンドギャップを有し、励起分子エネルギーが極めて高いことがわかる。この結果は、ピロリル基の1,2,3,4,5−すべてに芳香族炭化水素基が置換されていることで、分子間相互作用が抑制され、かつ、分子の剛性が向上しているためと思われる。
3) 目的物2は、既存の正孔輸送材料(H−5)やホスト材料(H−1)よりも、電子との親和性が低いことがわかる。このことは、本発明の化合物が、優れた電子阻止性を有していることを示している。
4) 目的物2は膜安定性に優れ、従って、本発明の化合物は、有機電界発光素子の材料として好適であることが分かる。
なお、目的物2が耐熱性に優れていることは明白であるが、更に、その優れた構造的特徴から、電気的酸化還元耐久性にも優れており、高いT1準位を有し、膜安定性にも優れていることが予想できる。
(実施例2)
Figure 2005232159
窒素気流中、実施例1と同様にして製造した目的物1(780mg)、4,4’−ジブロモトリフェニルアミン(403mg)、酢酸パラジウム(23mg)、tert-ブトキシナトリウム(288mg)、p−キシレン(20ml)の混合溶液に、トリ(tert-ブチル)フォスフィン(83μl)を加え、加熱還流下、7時間撹拌した。得られた溶液を濃縮後、GPCおよびシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物3(79mg)を得た。DEI−MS(m/z=983(M+))から目的物3であることを確認した。このもののガラス転移点は158℃、融点は357℃、気化温度は501℃であった。
(実施例3)
図3に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
ガラス基板1の上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(スパッター成膜品;シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成した。パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
正孔注入層3の材料として、下記に示す構造式の芳香族アミノ基を有する非共役系高分子化合物(PB−1)を電子受容性化合物(A−1)と共に以下の条件でスピンコートした。
Figure 2005232159
溶媒:安息香酸エチル
塗布液濃度:2[wt%]
PB−1:A−1:10:1(重量比)
スピナ回転数:1500[rpm]
スピナ回転時間:30[秒]
乾燥条件:100℃×1時間
上記のスピンコートにより膜厚30nmの均一な薄膜が形成された。
次に正孔注入層3を成膜した基板を真空蒸着装置内に設置した。上記装置の粗排気を油回転ポンプにより行った後、装置内の真空度が約1.3×10-4Pa以下になるまで油拡散ポンプを用いて排気した。上記装置内に配置されたセラミックるつぼに入れた、下記に示すアリールアミン化合物(PPD)をるつぼの周囲のタンタル線ヒーターで加熱して蒸着を行った。この時のるつぼの温度は、251〜267℃の範囲で制御した。蒸着時の真空度1.5×10-4Pa、蒸着速度は0.12nm/秒で膜厚60nmの正孔輸送層4を得た。
Figure 2005232159
引続き、発光層6の主成分(ホスト材料)として下記に示す実施例1で合成された目的物2を、副成分(ドーパント)として有機イリジウム錯体(D−1)を、別々のセラミックるつぼに設置し、2元同時蒸着法により成膜を行った。
Figure 2005232159
目的物2のるつぼ温度は358〜359℃、蒸着速度は0.1nm/秒に、化合物(D−1)のるつぼ温度は253〜254℃にそれぞれ制御し、膜厚30nmで化合物(D−1)が5重量%含有された発光層6を正孔輸送層4の上に積層した。蒸着時の真空度は2.0×10-5Paであった。
さらに、正孔阻止層7として下記に示す化合物(HB−1)をるつぼ温度を214〜218℃として、蒸着速度0.1nm/秒で10nmの膜厚で積層した。蒸着時の真空度は1.8×10-5Paであった。
Figure 2005232159
正孔阻止層7の上に、電子輸送層8として下記に示すアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体(ET−1)を同様にして蒸着した。この時のアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体のるつぼ温度は193〜196℃の範囲で制御し、蒸着時の真空度は7.6×10-5Pa、蒸着速度は0.1nm/秒で膜厚は35nmとした。
Figure 2005232159
上記の正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層6、正孔阻止層7および電子輸送層8を真空蒸着する時の基板温度は室温に保持した。
ここで、電子輸送層8までの蒸着を行った素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプとは直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置して有機層成膜時と同様にして装置内の真空度が3.3×10-4Pa以下になるまで排気した。陰極9として、先ず、フッ化リチウム(LiF)をモリブデンボートを用いて、蒸着速度0.01nm/秒、真空度5.7×10-4Paで、0.5nmの膜厚で電子輸送層7の上に成膜した。次に、アルミニウムを同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度0.47nm/秒、真空度1.2×10-3Paで膜厚80nmのアルミニウム層を形成して陰極9を完成させた。以上の2層型陰極9の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
以上の様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。この素子の発光特性を表2に示す。
表2において、最大発光輝度は電流密度0.25A/cm2での値、発光効率・輝度/電流は輝度100cd/m2での値を各々示す。
素子の発光スペクトルの極大波長は509nmであり、有機イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.28,0.62)であった。
Figure 2005232159
上記結果から、本発明の化合物は、有機電界発光素子用材料としても優れた特性を有していることが明らかである。
本発明の化合物は、耐熱性、電気的酸化還元耐久性、T1準位、バンドギャップ、電荷輸送性、膜安定性といった性質をバランス良く有する化合物であり、様々な用途に有用である。
特に、本発明の化合物は、本質的に優れた酸化還元安定性を有することから、このような本発明の化合物を含む本発明の電荷輸送材料は、有機電界発光素子のホスト材料や正孔輸送材料として有用であり、また、有機電界発光素子のみならず、電子写真感光体に利用することも有用である。
更に、本発明の化合物は、電荷輸送材料としてだけでなく、発光材料用、太陽電池材料用、バッテリー材料(電解液、電極、分離膜、安定剤など)用、医療用、塗料材料用、コーティング材料用、有機半導体材料用、トイレタリー材料用、帯電防止材料用、熱電素子材料用などにおいても有用である。
また、このような本発明の化合物を用いることにより、発光効率、駆動安定性が改善された本発明の有機電界発光素子は、フラットパネル・ディスプレイ(例えばOAコンピュータ用や壁掛けテレビ)、車載表示素子、携帯電話表示や面発光体としての特徴を生かした光源(例えば、複写機の光源、液晶ディスプレイや計器類のバックライト光源)、表示板、標識灯への応用が考えられ、その技術的価値は大きいものである。
本発明の有機電界発光素子の実施の形態の一例を示した模式的断面図である。 本発明の有機電界発光素子の実施の形態の別の例を示した模式的断面図である。 本発明の有機電界発光素子の実施の形態の別の例を示した模式的断面図である。 本発明の有機電界発光素子の実施の形態の別の例を示した模式的断面図である。
符号の説明
1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 電子阻止層
6 発光層
7 正孔阻止層
8 電子輸送層
9 陰極

Claims (9)

  1. 1分子中にピロリル基を2つ以上有する化合物において、化合物中のすべてのピロリル基は、1,2,3,4,5−位が、すべて置換基を有していても良い芳香族炭化水素基或いは芳香族複素環基と結合していることを特徴とする化合物。
  2. 下記一般式(I)で表されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
    Figure 2005232159
    (式中、Ar〜Arは、各々独立に、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。Arは、任意の連結基であるが、ピロリル基と直接結合する部分は、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基または芳香族複素環基からなる。nは、環Aの数を表す2〜8の整数である。なお、式中にn個あるAr〜Arは各々同一であっても異なるものであっても良い。)
  3. 一般式(I)におけるAr〜Arが、各々独立に、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基である、請求項2に記載の化合物。
  4. 一般式(I)において、Arが置換基を有していても良いベンゼン環由来のn価の基、または置換基を有していても良いピリジン環由来のn価の基である、請求項2または3に記載の化合物。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の化合物を含むことを特徴とする、電荷輸送材料。
  6. 陽極、陰極、およびこれら両極間に設けられた発光層を含む中間層を有する有機電界発光素子において、該中間層に請求項1ないし4のいずれかに記載の化合物を含む層を有することを特徴とする、有機電界発光素子。
  7. 請求項1ないし4のいずれかに記載の化合物を含む層が、発光層である、請求項6に記載の有機電界発光素子。
  8. 請求項1ないし4のいずれかに記載の化合物を含む層が、発光層の陽極側界面に接する層である、請求項6または7に記載の有機電界発光素子。
  9. 発光層が、Ir、Pt、AuまたはPdを中心金属とする有機金属錯体を含有する、請求項6ないし8のいずれかに記載の有機電界発光素子。
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