JP2005232108A - シリコーン誘導体及びゲル化剤 - Google Patents

シリコーン誘導体及びゲル化剤 Download PDF

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Katsunori Yoshida
克典 吉田
Kunihiko Yoshida
邦彦 吉田
Yuki Suzuki
由紀 鈴木
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勇 金田
Takashi Kato
隆史 加藤
Kenji Hanabusa
謙二 英
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Abstract

【課題】シリコーン油に対するゲル化能に優れ、比較的低温でゲル化が可能であるゲル化剤を提供する。
【解決手段】 下記一般式(I)で示されるシリコーン誘導体。
【化1】
Figure 2005232108

(式中、R,R,Rは少なくとも1つが下記一般式(II)で表され、その他はメチル基である。nは平均重合度を示し、0〜900の数である。)
【化2】
Figure 2005232108

(式中、Rは炭素数1〜30のアルキレン基又はアルケニレン基、Rは炭素数1〜30の炭化水素基、Rはメチル基又はエチル基である。)
前記誘導体において、Rがアルキレン基、Rがアルキル基であることが好適である。さらに、Rが炭素数10のアルキレン基であり、Rが炭素数18のアルキル基であることが好適である。
前記シリコーン誘導体を有効成分とするゲル化剤。

Description

本発明は、シリコーン誘導体及びゲル化剤、特にウレタン結合を有するシリコーン誘導体に関する。
ゲル化剤は、流動性の媒体の粘度を高め、ゲル状にできるものであり、組成物の性状・使用性・安定性の改善等に広く利用されている。
しかしながら、水溶性ゲル化剤は自然界に多く存在し、さらに各種合成品も開発され、様々な分野で実用化されているのに対し、油性成分、特にシリコーン油をゲル化できる油性ゲル化剤は少ない。
これまで、シリコーン油に対してゲル化能を示す物質としては、ある種のイソロイシン誘導体が報告されている(特許文献1)。
特開平10−226614号公報
しかしながら、上記特許文献1のイソロイシン誘導体を用いても、実際にはシリコーン油をゲル化できないことがあった。
また、ゲル化剤を用いたゲル化方法は、媒体中にゲル化剤を添加して加熱溶解し、これを冷却する方法であるが、上記特許文献1のゲル化剤はそれ自体の融点が高く、さらに媒体中での溶解温度も高いため、通常の工業生産設備での取り扱いが非常に難しかった。
さらに、特許文献1のゲル化剤は、多くの有機溶剤に対してゲル化能を有するという長所を持つがために、合成、特に精製が困難であった。すなわち、合成過程、特に抽出、洗浄、再結晶、カラム精製等の精製過程において、溶媒をゲル化して抱え込んでしまうため、溶媒のろ過に膨大な時間とエネルギーを必要とし、これが研究の妨げや、工業的なコスト引き上げの原因となっていた。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、シリコーン油に対するゲル化能に優れ、比較的低温でゲル化が可能であるゲル化剤を提供することにある。
前記目的を達成するために本発明者等が鋭意検討を行った結果、特定のゲル化駆動部位を有するシリコーン誘導体により、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の第一の主題はすなわち、下記一般式(I)で示されるシリコーン誘導体である。
Figure 2005232108
(式中、R,R,Rは少なくとも1つが下記一般式(II)で表され、その他はメチル基である。nは平均重合度を示し、0〜900の数である。)
Figure 2005232108
(式中、Rは炭素数1〜30のアルキレン基又はアルケニレン基、Rは炭素数1〜30の炭化水素基、Rはメチル基又はエチル基である。)
前記誘導体において、Rがアルキレン基であることが好適である。また、Rがアルキル基であることが好適である。
さらに、前記誘導体において、Rが炭素数10のアルキレン基であり、Rが炭素数18のアルキル基であることが好適である。
本発明の第二の主題は、前記シリコーン誘導体を有効成分とするゲル化剤である。
本発明のシリコーン誘導体は、シリコーン油に対して優れたゲル化能を有し、外観、性状も良好なゲルを形成する。また、溶媒への溶解温度が低いため、取り扱いが容易である。さらに、ゲル化能に溶媒選択性があるため、合成が容易である。
上記一般式(I)において、R,R,Rは少なくとも1つが上記一般式(II)で表され、その他はメチル基である。R,R,Rは全部が上記一般式(II)であっても良いが、全部がメチル基であることはない。
nは平均重合度を示し、0〜900の数であるが、好ましくは2〜300である。
一般式(II)において、Rは2価のアルキレン基又はアルケニレン基であり、炭素数1〜30の直鎖状又は分岐鎖状であることができる。また、Rは環状構造を有していてもよい。Rとして好ましくはアルキレン基であり、より好ましくは炭素数8〜18のアルキレン基、特に好ましくは炭素数10のアルキレン基である。
前記アルキレン基とは、対応する1価アルキル基、例えば、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘプタデシル基、イコシル基、ヘニコシル基、ドコシル基等から一つの水素原子を除いた2価の飽和炭化水素基を意味する。
また、アルケニレン基とは、対応するアルキレン基の任意の炭素炭素結合の少なくとも一つが2重結合である2価の脂肪族不飽和炭化水素基を意味する。
は炭素数1〜30の炭化水素基であり、直鎖状又は分岐鎖状であることができ、環状構造を有していてもよい。例えば、直鎖、分岐又は環状アルキル基;シクロアルキル基;シクロアルケニル基;アリール基例えばフェニル基、ナフチル基;アリール置換アルキル基例えばフェニルメチル基、フェニルエチル基;アルキル置換アリール基例えばメチルフェニル基等が挙げられる。Rとして好ましくはアルキル基であり、より好ましくは炭素数6〜20のアルキル基、特に好ましくは炭素数18のアルキル基である。
はメチル基又はエチル基である。
本発明のシリコーン誘導体には、Rがメチル基の場合には1つ、Rがエチル基の場合には2つの不斉炭素が存在するため、Rがメチル基の場合には2つ、Rがエチル基の場合には4つの立体異性体が存在する。また、Rによってはその他の異性体が存在する場合もある。本発明のシリコーン誘導体としては、これら存在する異性体を包含するものであり、本発明のゲル化能が発揮される範囲においてはこれら異性体の混合物をゲル化剤として用いることができるが、D,L−当量混合物であるラセミ体にはシリコーン油に対するゲル可能は認められない。
本発明のシリコーン誘導体の好ましい例として、下記化合物1〜4が挙げられる。
化合物1:
Figure 2005232108
化合物2:
Figure 2005232108
化合物3:
Figure 2005232108
化合物4:
Figure 2005232108
本発明のシリコーン誘導体は、シリコーン油のゲル化能に優れ、透明でクリームのようなゲルを形成することができる。シリコーン油としては特に限定されず、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状シリコーン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーン;ポリエーテル変性シリコーン等の変性シリコーン等が挙げられる。また、本発明のシリコーン誘導体は、ヘキサン等もゲル化可能である。
本発明のシリコーン誘導体によるゲル化のメカニズムについては明らかでないが、次のように推察できる。すなわち、シリコーン誘導体の加熱溶液を冷却した場合、ウレタン基の存在により、シリコーン誘導体分子間に水素結合力等の分子間力が働き、シリコーン誘導体が連続して連なった巨大な繊維状の会合体を形成する。さらにこの会合体が3次元網目状に絡まり、その中にシリコーン油を抱き込むことによりゲル化が起こるものと考えられる。
以下、具体例を挙げてさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。まず、本発明で用いた試験方法を説明する。
<ゲルの調製・最小ゲル化濃度>
サンプルを対象溶媒に添加後、加熱攪拌して溶解させ、これを25℃まで放冷し、目視にてゲル化しているか否かを判定した。なお、最小ゲル化濃度は、対象溶媒に対してゲル化し得るサンプルの最小濃度(g/l)で示した。
<ゲルの外観・性状>
最小ゲル化濃度で調製したゲルに対し、外観を目視で判定した。また、手で少量を皮膚に塗布し、性状を調べた。
<溶解温度>
サンプルを最小ゲル化濃度となるように対象溶媒に添加後、加熱攪拌して均一溶解させ、これを一旦室温まで冷却して均一なゲルとした。このゲルを再度加温し、目視にてゲルの溶解を確認したときの温度を溶解温度とした。溶解温度は、ゲル調製に必要な加熱温度の目安とすることができる。
表1に、化合物1〜4と比較化合物1のシリコーン油(デカメチルシクロペンタシロキサン)に対する最小ゲル化濃度、ゲルの外観、性状を示す。
(表1)
―――――――――――――――――――――――――――――――――
化合物1 化合物2 化合物3 化合物4 比較化合物1
―――――――――――――――――――――――――――――――――
最小ゲル化濃度(g/l)
7 6 6 8 ――――
外観
無色透明 無色透明 無色透明 無色透明 白色
性状
クリーム様 クリーム様 クリーム様 クリーム様 結晶析出
―――――――――――――――――――――――――――――――――
*比較化合物1:
Figure 2005232108
本発明化合物1〜4は何れもほぼ透明〜透明のゲルを形成し、その性状はクリーム状で、使用感が柔らかく非常に良好なものであった。これに対して比較化合物1はシリコーン油中で結晶化してしまい、ゲル化しなかった。
表2に、各化合物のシリコーン油(デカメチルシクロペンタシロキサン)に対する溶解温度を示す。
(表2)
―――――――――――――――――――――――――――――――――
化合物1 化合物2 化合物3 化合物4 比較化合物1
―――――――――――――――――――――――――――――――――
溶解温度(℃) 40 64 47 68 −(不溶)
―――――――――――――――――――――――――――――――――
表2のように、本発明化合物は、溶解温度が40〜68℃と低かった。比較化合物1は、シリコーン油に不溶であった。従って、本発明化合物は、ゲル化剤やゲル組成物の製造において取り扱いが容易であることが理解される。
表3に各有機溶剤に対するゲル化能の有無を示す。なお表示は以下のとおりとする。
ゲル化するもの:ゲル
ゲル化しないもの:(S:溶解、I:不溶、P:沈殿析出、C:結晶化)
(表3)
――――――――――――――――――――――――――――――――――
溶媒 化合物1 化合物2 化合物3 化合物4 比較化合物1
――――――――――――――――――――――――――――――――――
アセトン S S S S ゲル
メタノール S S S S ゲル
エタノール S S S S ゲル
イソプロパノール S S S S ゲル
ジメチルポリシロキサン(6cs)
ゲル ゲル ゲル ゲル I
ジメチルポリシロキサン(20cs)
ゲル ゲル ゲル ゲル I
――――――――――――――――――――――――――――――――――
表3に示すように、比較化合物1は多くの有機溶剤に対してゲル化能を有するが、本発明にかかるシリコーン誘導体は、シリコーン油に対してのみゲル化能を発揮する。
このように、ポリシロキサン部分を構造中に導入することによって、ゲル化における溶媒選択性を付与できることは、本発明者等によって新規に見出されたことである。このような構造により、本発明のシリコーン誘導体は選択的ゲル化剤として機能することができ、また、ゲル化しない溶媒を用いることで合成や精製も容易となる。例えば、ゲル化剤の溶解度が低く、且つゲル化もしない溶媒(例えばアセトニトリル、DMF等)を貧溶媒として用いれば、洗浄や再結晶等の精製操作を容易に行うことができる。また、ゲル化剤が溶解し、且つゲル化しない溶媒は、抽出溶媒やカラム溶媒として好適に使用できる。
合成例1 化合物1の合成
150mlの無水トルエンに10.00g(18.15mmol)の9−デセニロキシカルボニル−L−バニルアミノオクタデカン(Mw=550.88)を加熱溶解させた。これを窒素気流下、55℃のオイルバスで10分間撹拌した。ここに、0.81mlのKarstedt's catalyst溶液[ジビニルテトラメチルジシロキサンプラチナ(0)錯体のキシレン溶液]を加え、15分間撹拌した。その後、47.34g(7.89mmol)のDMS-H21(H末端ポリシロキサン)(Mw=Ca.6000)と100mlの無水トルエンとの混合溶液を調製し、これをゆっくりと加えた。そのまま一晩撹拌した後、FT-IR スペクトルでCH2=CH-(910付近)Si-H(2150付近)の吸収が消滅したのを確認して反応を終了した。しばらく放置したら不純物があらわれたのでこれを自然ろ過によって取り除いた。ろ液のトルエンを減圧濃縮し、これに300mlのメタノールを加え加熱溶解させた。この際、メタノール溶液は茶色を帯びていた。この溶液を冷凍庫で数時間放置し、ゲル化物を吸引ろ取し真空ポンプを用いて減圧乾燥した。FT-IR(KBr)及び1H-NMRにより、目的化合物1であることが確認された。収量は52.42g(収率:94%)であった。
FT-IR(KBr)
3294cm-1(νN-H)、2850cm-1(ν-CH2-)、1690cm-1(νO-CO)、1644cm-1(νC=O)、1257cm-1(νSi-C,Si-CH3)、1022 cm-1(νSi-O-Si)
H1-NMR
δ=5.76(d,2H,OCONH)、5.15(t,2H,CONH)、4.05(t,4H,OCH2)、3.86(t,2H,COCHNH)、3.24(q,4H,NHCH 2 )、2.12(m,2H,CH-valyl)、1.62(m,4H,OCH2CH 2 )、1.58(m,4H,SiCH2CH 2 )、1.50(m,4H,NHCH2CH 2 )、1.30(m,4H,CH3CH2-octadecyl)、1.25(s,80H,-CH2-)、0.94(d,12H,CH3-valyl)、0.88(t,6H,CH3-octadecyl)、0.53(t,4H,SiCH2)、0.071(s,6(n+2) H,Si(CH3)2)
Figure 2005232108
合成例2 化合物2の合成
150mlの無水トルエンに4.00g(7.28mmol)の9−デセニロキシカルボニル−L−バニルアミノオクタデカン(Mw=550.88)を加熱溶解させた。これを窒素気流下、55℃のオイルバスで10分間撹拌した。ここに、80μlのKarstedt’s catalyst 溶液 [ジビニルテトラメチルジシロキサンプラチナ(0)錯体のキシレン溶液]を加え、15分間撹拌した。その後、2.10g(9.46mmol)の1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルシロキサン(Mw=222.51)を加えて、無水トルエンでよく洗い流した。そのまま一晩撹拌した後、FT-IRスペクトルで CH2=CH-(910付近)Si-H (2150付近)の吸収が消滅したのを確認して反応を終了した。しばらく放置したら不純物があらわれたのでこれを自然ろ過によって取り除いた。ろ液のトルエンを減圧濃縮し、これに150mlのメタノールを加え加熱溶解させた。この際、メタノール溶液は黄色を帯びていた。ろ液を室温でゲル化させると黒色の不純物が析出したので、これを熱ろ過によって除去した。このろ液を室温に放置しゲル化した後吸引濾取した。得られたものは、真空ポンプを用いて乾燥させた。FT-IR(KBr)及び1H-NMRにより、目的化合物2であることが確認された。収量は3.67g(収率: 68%)であった。
FT-IR (KBr)
3295cm-1(νN-H)、2850cm-1(ν-CH2-)、1691cm-1(νO-CO)、1646cm-1(νC=O)、1251cm-1(νSi-C,Si-CH3)、1050cm-1(νSi-O-Si)
H1-NMR (400MHz,CDCl3)
δ=5.86(d,1H,OCONH)、5.20(t,1H,CONH)、4.05(t,2H,OCH2)、3.86(t,1H,COCHNH)、3.25(q,2H,NHCH 2 )、2.12(m,1H,CH-valyl)、1.61(m,2H,OCH2CH 2 )、1.58(m,2H,SiCH2CH 2 )、1.48(m,2H,NHCH2CH 2 )、1.26(s,40H,-CH2-andCH3-CH2-octadecyl)、0.94(q,6H,CH3-valyl)、0.88(t,3H,CH3-octadecyl)、0.45(t,2H,SiCH2)、0.11(s,3H,SiCH3)、0.084(s,18H,Si(CH3)3)
Figure 2005232108
合成例3 化合物3の合成
150mlの無水トルエンに4.00g(7.08mmol)の9−デセニロキシカルボニル−L−イソロイシルアミノオクタデカン(Mw=564.93)を加熱溶解させた。これを窒素気流下、55℃のオイルバスで10分間撹拌した。ここに、0.64mlのKarstedt's catalyst 溶液 [ジビニルテトラメチルジシロキサンプラチナ(0)錯体のキシレン溶液]を加え、15分間撹拌した。その後、18.61g(3.10mmol)のDMS-H21(H末端ポリシロキサン)(Mw=Ca.6000)と50mlの無水トルエンとの混合溶液を調製し、これをゆっくりと加えた。そのまま一晩撹拌した後、FT-IRスペクトルでCH2=CH-(910付近) Si-H(2150付近)の吸収が消滅したのを確認して反応を終了した。しばらく放置したら不純物があらわれたのでこれを自然ろ過によって取り除いた。ろ液のトルエンを減圧濃縮し、これに300mlのメタノールを加え加熱溶解させた。この際、メタノール溶液は茶色を帯びていた。この溶液を冷凍庫で数時間放置し、ゲル化物を吸引ろ取し、真空ポンプを用いて減圧乾燥した。FT-IR(KBr)及び1H-NMRにより、目的化合物3であることが確認された。収量は20.75g(収率: 95%)であった。
FT-IR (KBr)
3295cm-1(νN-H)、2851cm-1(ν-CH2-)、1691cm-1(νO-CO)、1646cm-1(νC=O)、1261cm-1(νSi-C,Si-CH3)、1022cm-1(νSi-O-Si)
H1-NMR
δ=5.76(d,2H,OCONH)、5.15(t,2H,CONH)、4.05(t,4H,OCH2)、3.89(t,2H,COCHNH)、3.25(q,4H,NHCH 2 )、1.88(m,2H,CH3CH2CH-isoleucyl)、1.61(m,4H,OCH2CH 2 )、1.57(m,4H,SiCH2CH 2 )、1.50(m,4H,NHCH2CH 2 )、1.30(m,4H,CH3CH2-octadecyl)、1.26(s,84H,-CH2- and CH3-CH2-isoleucyl)、0.92(q,12H,CH3-isoleucyl)、0.88(t,6H,CH3-octadecyl)、0.53(t,4H,SiCH2)、0.071(s,6(n+2)H,Si(CH3)2)
Figure 2005232108
合成例4 化合物4の合成
150mlの無水トルエンに4.00g(7.08mmol)の9−デセニロキシカルボニル−L−イソロイシルアミノオクタデカン(Mw=564.93)を加熱溶解させた。これを窒素気流下、55℃のオイルバスで10分間撹拌した。ここに、80μlのKarstedt's catalyst 溶液[ジビニルテトラメチルジシロキサンプラチナ(0)錯体のキシレン溶液]を加え、15分間撹拌した。その後、2.05g(9.22mmol)の1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルシロキサン(Mw=222.51)を加えて、無水トルエンでよく洗い流した。そのまま一晩撹拌した後、FT-IRスペクトルで CH2=CH-(910付近)Si-H(2150付近)の吸収が消滅したのを確認して反応を終了した。しばらく放置したら不純物があらわれたのでこれを自然ろ過によって取り除いた。ろ液のトルエンを減圧濃縮し、これに150mlのメタノールを加え加熱溶解させた。この際、メタノール溶液は黄色を帯びていた。ろ液を室温でゲル化させると黒色の不純物が析出したので、これを熱ろ過によって除去した。このろ液を室温に放置しゲル化した後吸引濾取した。得られたものは、真空ポンプを用いて乾燥させた。FT-IR(KBr)及び1H-NMRにより、目的化合物4であることが確認された。収量は3.93g(収率:72%)であった。
FT-IR (KBr)
3294cm-1(νN-H)、2850cm-1(ν-CH2-)、1691cm-1(νO-CO)、1647cm-1(νC=O)、1251cm-1(νSi-C,Si-CH3)、1050cm-1(νSi-O-Si)
H1-NMR
δ=5.87(d,1H,OCONH)、5.19(t,1H,CONH)、4.04(t,2H,OCH2)、3.89(t,1H,COCHNH)、3.25(q,2H,NHCH 2 )、1.87(m,1H,CH3CH2CH-isoleucyl)、1.66(m,2H,OCH2CH 2 )、1.59(m,2H,SiCH2CH 2 )、1.48(m,2H,NHCH2CH 2 )、1.25(s,44H,-CH2-andCH3-CH2-isoleucyl)、0.92(q,6H,CH3-isoleucyl)、0.88(t,3H,CH3-octadecyl)、0.45(t,2H,SiCH2)、0.15(s,3H,SiCH3)、0.083(s,18H,Si(CH3)3)
Figure 2005232108
合成例5 化合物3−2の合成
150mlの無水トルエンに4.00g(7.08mmol)の9−デセニロキシカルボニル−L−イソロイシルアミノオクタデカン(Mw=564.93)を加熱溶解させた。これを窒素気流下、55℃のオイルバスで10分間撹拌した。ここに、80μlのKarstedt’s catalyst 溶液[ジビニルテトラメチルジシロキサンプラチナ(0)錯体のキシレン溶液]を加え、15分間撹拌した。その後、1.78g (3.54mmol)のDMS-H03 (H末端ポリジメチルシロキサン)(Mw=400〜500)をゆっくりと加え、無水トルエンでよく洗い流した。そのまま一晩撹拌した後、FT-IRスペクトルでCH2=CH- (910付近)Si-H(2150付近) の吸収が残っていたので、さらに80μlのKarstedt’s catalyst 溶液を加え一晩撹拌した。翌日、FT-IRスペクトルでCH2=CH-(910付近)Si-H(2150付近)の吸収が消滅したのを確認して反応を終了した。しばらく放置したら不純物があらわれたのでこれを自然ろ過によって取り除いた。ろ液のトルエンを減圧濃縮し、これに150mlのメタノールを加え加熱溶解させた。この際、メタノール溶液は茶色を帯びていた。この溶液を冷凍庫で数時間放置し、ゲル化物を一緒に吸引ろ取し真空ポンプを用いて真空乾燥した。FT-IR(KBr)及び1H-NMRにより、目的化合物3−2であることが確認された。収量は4.81g(収率:83%)であった。
FT-IR (KBr)
3296cm-1(νN-H)、2850cm-1(ν-CH2-)、1691cm-1(νO-CO)、1647cm-1(νC=O)、1260cm-1(νSi-C,Si-CH3)、1025cm-1(νSi-O-Si)
H1-NMR
δ=5.84(d,2H,OCONH)、5.81(t,2H,CONH)、4.04(t,4H,OCH2)、3.90(t,2H,COCHNH)、3.25(q,4H,NHCH 2 )、1.87(m,2H,CH3CH2CH-isoleucyl)、1.62(m,4H,OCH2CH 2 )、1.57(m,4H,SiCH2CH 2 )、1.49(m,4H,NHCH2CH 2 )、1.30(m,4H,CH3CH2-octadecyl)、1.25(s,84H,-CH2-andCH3CH2-isoleucyl)、0.92(q,12H,CH3-isoleucyl)、0.85(t,6H,CH3-octadecyl)、0.53(t,4H,SiCH2)、0.070(s,6(n+2)H,Si(CH3)2)
Figure 2005232108

Claims (5)

  1. 下記一般式(I)で示されるシリコーン誘導体。
    Figure 2005232108
    (式中、R,R,Rは少なくとも1つが下記一般式(II)で表され、その他はメチル基である。nは平均重合度を示し、0〜900の数である。)
    Figure 2005232108
    (式中、Rは炭素数1〜30のアルキレン基又はアルケニレン基、Rは炭素数1〜30の炭化水素基、Rはメチル基又はエチル基である。)
  2. 請求項1記載のシリコーン誘導体において、Rがアルキレン基であることを特徴とするシリコーン誘導体。
  3. 請求項1又は2記載のシリコーン誘導体において、Rがアルキル基であることを特徴とするシリコーン誘導体。
  4. 請求項1に記載のシリコーン誘導体において、Rが炭素数10のアルキレン基であり、Rが炭素数18のアルキル基であることを特徴とするシリコーン誘導体。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のシリコーン誘導体を有効成分とするゲル化剤。
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