JP2005232010A - 含フッ素エーテル化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 撥水、撥油剤、樹脂改質剤、液晶、界面活性剤等の合成中間体として有用な含フッ素エーテル化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】 含フッ素アルコールとアルキル化剤とを、第4級アンモニウム水酸化物の存在下で反応させることを特徴とする含フッ素エーテル化合物の製造方法である。
【選択図】 なし
【解決手段】 含フッ素アルコールとアルキル化剤とを、第4級アンモニウム水酸化物の存在下で反応させることを特徴とする含フッ素エーテル化合物の製造方法である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、含フッ素エーテル化合物の製造方法に関する。該含フッ素エーテル化合物は撥水、撥油剤、樹脂改質剤、液晶、界面活性剤等の合成中間体として有用である。
エーテル化合物の製造方法としては、金属ナトリウム、水素化ナトリウム、ブチルリチウム等を用いてアルコールを金属アルコキシドとした後、ハロゲン化アルキルなどのアルキル化剤と反応させるWilliamsonの合成法(例えば、非特許文献1および2参照);相間移動触媒を用いるFreedmanらの合成法(例えば、非特許文献3参照);及びSoulaの合成法(例えば、非特許文献4参照);などが知られている。また、含フッ素アルコールを原料とした含フッ素エーテル化合物の製造方法としては、含フッ素アルコールとアルキル化剤とを、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩等の相間移動触媒を用い、塩基性水溶液中で反応させる方法(例えば、非特許文献5参照)、及び光延反応における反応条件において、縮合剤により含フッ素アルコールと、他のアルコールとを縮合させる方法(例えば非特許文献6)が知られている。
従来のエーテル化合物の製造方法は、アリル、ベンジルあるいはα−カルボニル型などの活性アルキル化剤を用いた場合には良好な結果が得られるのに対し、通常の脂肪族ハロゲン化物およびスルホン酸エステルなどをアルキル化剤として用いた場合は、加熱還流などの高温条件を必要とする、あるいはアルコールまたはアルキル化剤のいずれか一方を大過剰に用いる必要がある。一方、含フッ素エーテル化合物の製造方法としては、含フッ素アルコールとアルキル化剤とを相間移動触媒存在下、有機溶媒と濃厚塩基性水溶液との2相系で反応させるのが一般的であるが、多くの含フッ素アルコールはフッ素の電子吸引性により、脂肪族アルコールと比較してアルコキシドとしての求核性が低いために高温条件を必要とする。
本発明者が前述の相間移動触媒を用い、塩基性水溶液中で反応させる方法でエーテル化反応を行った結果、しばしば目的生成物からHFが脱離した不純物(以下脱HF体)の混入が認められた。また、縮合剤によるエーテル化合物の合成においては、目的生成物とは他に多量の縮合剤反応物が生成するため、廃棄物の増加および精製操作が煩雑さの点で問題がある。
J.Am.Chem.Soc.,4,229(1852)
Chem.Ber.,114,477(1981)
Tetrahedron Lett.,16,3251(1975)
J.Org.Chem.,50,3717(1985)
J.Fluorine Chem.,35(2),399(1987)
Tetrahedron Lett.,35,5997(1994)
本発明は、上述した種々の問題点を解決することを目的とし、副生成物の生成を抑え、収率の高い、工業的実用化に適した含フッ素エーテル化合物を製造する方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段は、以下のとおりである。
[1] 含フッ素アルコールとアルキル化剤とを、第4級アンモニウム水酸化物の存在下で反応させることを特徴とする含フッ素エーテル化合物の製造方法。
[2] 反応系中に、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物を添加する[1]の方法。
[3] 含フッ素アルコールとアルキル化剤とを、第4級アンモニウム水酸化物の存在下で一定時間反応させ、さらに反応系中にアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物を追加して反応させる[1]または[2]の方法。
[4] 前記含フッ素アルコールが、下記一般式(I)で表される化合物である[1]〜[3]のいずれかの方法。
一般式(I)
R1(CF2)n(CH2)mOH
[式中、R1は水素原子またはフッ素原子を表し、nは1〜10の整数を表し、mは1〜6の整数を表す。]
[1] 含フッ素アルコールとアルキル化剤とを、第4級アンモニウム水酸化物の存在下で反応させることを特徴とする含フッ素エーテル化合物の製造方法。
[2] 反応系中に、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物を添加する[1]の方法。
[3] 含フッ素アルコールとアルキル化剤とを、第4級アンモニウム水酸化物の存在下で一定時間反応させ、さらに反応系中にアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物を追加して反応させる[1]または[2]の方法。
[4] 前記含フッ素アルコールが、下記一般式(I)で表される化合物である[1]〜[3]のいずれかの方法。
一般式(I)
R1(CF2)n(CH2)mOH
[式中、R1は水素原子またはフッ素原子を表し、nは1〜10の整数を表し、mは1〜6の整数を表す。]
[5] 前記アルキル化剤が、下記一般式(V)で表される化合物である[1]〜[4]のいずれかの方法。
[6] 前記一般式(V)中のXで表される置換基が、下記一般式(IV)で表されるスルホニルオキシ基である[5]の方法。
一般式(IV)
−OSO2R4
[式中、R4は置換基を有していてもよいアルキル基又は芳香族基を表す。]
一般式(IV)
−OSO2R4
[式中、R4は置換基を有していてもよいアルキル基又は芳香族基を表す。]
本発明の製造方法を用いれば、含フッ素アルコール及びアルキル化剤のいずれか一方を、他方に対して大過剰に用いることなく、副生成物の生成を抑えながら、速やかなエーテル化合物の製造が可能となる。該含フッ素エーテル化合物は、撥水、撥油剤、樹脂改質剤、液晶、界面活性剤等の合成中間体として有用である。
本発明の方法では、含フッ素アルコールを原料として用いる。前記含フッ素アルコールについては、特に制限はないが、本発明の方法は、電解フッ素化又はテロメリゼーションによって工業的に製造されている炭素原子数10以下(特に4〜8)のパーフルオロアルキル基を有するアルコールから、エーテル化合物を得るのに特に有効な方法であり、下記一般式(I)で表される含フッ素アルコールのエーテル化反応に好ましく用いられる。
一般式(I)
R1(CF2)n(CH2)mOH
式中、R1は水素原子またはフッ素原子を表し、nは1〜10の整数を表し、mは1〜6の整数を表す。
R1(CF2)n(CH2)mOH
式中、R1は水素原子またはフッ素原子を表し、nは1〜10の整数を表し、mは1〜6の整数を表す。
また、本発明の製造方法は、前記一般式(I)で表される含フッ素アルコールの中でも、m=2で表される含フッ素アルコールのエーテル化反応において、脱HF体の生成を抑えられるため、極めて好適な手法である。
本発明の製造方法に用いられる含フッ素アルコールのより具体的な例を以下に挙げるが、本発明は以下の具体例によってなんら制限されるものではない。
(A−1):n−C8F17−(CH2)2−OH
(A−2):n−C6F13−(CH2)2−OH
(A−3):n−C4F9−(CH2)2−OH
(A−4):n−C8F17−(CH2)3−OH
(A−5):n−C6F13−(CH2)3−OH
(A−6):n−C4F9−(CH2)3−OH
(A−7):n−C7F15−CH2−OH
(A−8):n−C5F11−CH2−OH
(A−9):n−C3F7−CH2−OH
(A−10):H−(CF2)8−CH2−OH
(A−11):H−(CF2)6−CH2−OH
(A−12):H−(CF2)4−CH2−OH
(A−13):H−(CF2)2−CH2−OH
(A−14):(n−C4F9−CH2CH2−)2CHCH2−OH
(A−15):(CF3)2CH−OH
(A−1):n−C8F17−(CH2)2−OH
(A−2):n−C6F13−(CH2)2−OH
(A−3):n−C4F9−(CH2)2−OH
(A−4):n−C8F17−(CH2)3−OH
(A−5):n−C6F13−(CH2)3−OH
(A−6):n−C4F9−(CH2)3−OH
(A−7):n−C7F15−CH2−OH
(A−8):n−C5F11−CH2−OH
(A−9):n−C3F7−CH2−OH
(A−10):H−(CF2)8−CH2−OH
(A−11):H−(CF2)6−CH2−OH
(A−12):H−(CF2)4−CH2−OH
(A−13):H−(CF2)2−CH2−OH
(A−14):(n−C4F9−CH2CH2−)2CHCH2−OH
(A−15):(CF3)2CH−OH
本発明の製造方法に用いられるアルキル化剤についても特に制限はないが、下記一般式(III)で表されるアルキル化剤を用いるのが好ましい。
一般式(III)
A―CH2―X
式中、Aは置換基を表し、Xはハロゲン原子または下記一般式(IV)で表されるスルホニルオキシ基を表す。
一般式(IV)
−OSO2R4
式中、R4は置換基を有していてもよいアルキル基または芳香族基を表す。
A―CH2―X
式中、Aは置換基を表し、Xはハロゲン原子または下記一般式(IV)で表されるスルホニルオキシ基を表す。
一般式(IV)
−OSO2R4
式中、R4は置換基を有していてもよいアルキル基または芳香族基を表す。
前記一般式(III)中のXで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子などが挙げられる。
前記一般式(IV)中のR4の例には、メチル基、エチル基、プロピル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ノナフルオロブチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、フェニル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−フルオロフェニル基、p−ニトロフェニル基、2,4,6−トリニトロフェニル基及びペンタフルオロフェニル基が含まれる。
Xがスルホニルオキシ基であるスルホン酸エステル系アルキル化剤は、例えば、常法に従って、ピリジン、トリエチルアミン等の塩基の存在下、対応するスルホニルクロリドまたはスルホン酸無水物と、アルコール化合物とを反応させることによって得られる。
また、一般式(III)で表されるアルキル化剤の中でも下記一般式(V)で表されるアルキル化剤を用いてエーテル化反応を行う場合に、本発明の製造方法が特に有効である。
式中、R2は各々独立にハロゲン原子、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基またはアシル基を表し、R3は水素原子を表し、pは2〜10の整数を表し、qは1〜3の整数を表し、rおよびsは各々0〜5の整数を表し、且つr+q+s=6を満足する。前記一般式(V)中、Xは前記一般式(III)中のXと同義である。
前記式(V)中、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子及び前記一般式(IV)で表されるスルホニルオキシ基であることが好ましい。Xは、スルホニルオキシ基であるのがより好ましく、さらに好ましい形態は、前記一般式(IV)で表されるスルホニルオキシ基である。pは2〜10であり、好ましくは2〜8であり、より好ましくは2〜5である。式中のベンゼン環が他の環と縮環していない場合は、qは1〜3であり、好ましくは1または2である。式中のベンゼン環が他の環と縮環している場合は、qは1〜6であり、好ましくは1〜3であり、より好ましくは1または2である。rおよびsは各々0〜5の整数を表し、且つr+q+s=6を満足する。また、式中のベンゼン環は他の環と縮環していてもよく、縮環している場合は、−R2、−R3及び−O(CH2)pXは、他の環に結合していてもよい。ベンゼン環が、他の環と縮環している場合は、qは1〜6の整数を表し、rおよびsは各々0〜N−1(Nは環全体の置換可能な個数)を表し、且つr+q+s=Nを満足する。
また、前記式(V)中、R2は、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、ニトロ基、シアノ基、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、又はアシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基であり、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニルなどが挙げられる)、を表す。中でも、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又はニトロ基が好ましい。rは0〜5の整数を表すが、0〜3であるのが好ましく、0〜2であるのがより好ましい。また、rが2以上の場合、複数のR2は同一でも、異なっていてもよい。
本発明の製造方法で用いられるアルキル化剤のより具体的な例を以下にあげるがこの限りではない。
本発明の製造方法においては、含フッ素アルコール及びアルキル化剤のうち、反応後の除去が容易な一方を他方に対して小過剰量用いるのが効率的であり、含フッ素アルコール及びアルキル化剤のうち、モル数の多い方がモル数の少ない方に対して、1当量以上1.5当量以下用いることが収率およびコストの面で好ましい。
本発明の方法に用いる第4級アンモニウム水酸化物については特に制限はない。水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリエチルアンモニウムなどが好ましく、水酸化テトラブチルアンモニウムまたは水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムがより好ましい。その使用量は1モルの含フッ素アルコールに対して1〜10モル、好ましくは1〜5モルの範囲が適している。この場合10モル以上でも差し支えないが、収率およびコストの面で第4級アンモニウム水酸化物を増量してもその利益がない。
第4級アンモニウム水酸化物は一般に水またはメタノール溶液として市販されているが、本発明においては反応速度を向上させるために、高濃度の水溶液で用いることが好ましく、その水溶液濃度は、好ましくは10〜50重量%であり、より好ましくは30〜50重量%である。
本発明の製造方法では、第4級アンモニウム水酸化物を塩基として用いることにより、円滑にエーテル化反応が進行するが、求核性の低い含フッ素アルコールまたは反応性の低いスルホン酸エステルに対して該手法を用いる場合には、反応性を向上させるために、必要に応じて、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムのようなアルカリ金属水酸化物;又は水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムのようなアルカリ土類金属水酸化物;を少量添加することができ、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが用いられる。添加量としては1モルの含フッ素アルコールに対して0.1〜10モル、好ましくは0.5〜2モルの範囲が適している。前記無機塩基の添加量が前記範囲未満であると反応性を向上させるには足らず、一方、前記範囲を越えると脱離反応等、副反応が進行しやすくなる。
アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物を添加するタイミングとしては格別な限定はないが、反応の初期段階に無機強塩基を添加すると、脱離反応などの副反応を誘起する可能性があるため、反応系において反応基質の濃度が減少する反応後期に追加することが好ましい。すなわち、含フッ素アルコールとスルホン酸エステルとを、第4級アンモニウム水酸化物の存在下で一定時間反応させ、さらに反応系中にアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物を追加して反応させることにより収率の向上、および副反応の抑制を両立させることができる。
本発明の製造方法では、有機溶媒を用いずに反応を行うことも可能であるが、収率の観点から、有機相と水相の2相系で反応させることが好ましい。2相系反応の際の溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、キシレン、ジエチルエーテル、シクロヘキサン等の非極性溶媒を挙げることができる。
反応温度は特に制限されないが、反応時間や反応液の着色を考慮すれば、通常は0〜100℃の範囲で反応させることが好ましい。
本発明の製造方法により生成したエーテル化合物は、反応終了後、常法に従って反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を適宜中和し、又、不溶物が存在する場合には濾過により除去した後、水と酢酸エチルのような混和しない有機溶媒を加え、水等で洗浄後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することによって得られる。
得られた目的化合物は、必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈殿、蒸留、又は、通常、有機化合物の分離精製に慣用されている方法、例えば、シリカゲル、アルミナ、マグネシウムーシリカゲル系のフロリジルのような担体を用いた吸着カラムクロマトグラフィー法;セファデックスLH−20(ファルマシア社製)、アンバーライトXAD−11(ローム・アンド・ハース社製)、ダイヤイオンHP−20(三菱化成社製)ような担体を用いた分配カラムクロマトグラフィー等の合成吸着剤を使用する方法、イオン交換クロマトを使用する方法、又は、シリカゲル若しくはアルキル化シリカゲルによる順相・逆相カラムクロマトグラフィー法(好適には、高速液体クロマトグラフィーである。)を適宜組合せ、適切な溶離剤で溶出することによって分離、精製することができる。
本発明に使用可能な含フッ素エーテル化合物の具体的例を以下に挙げるが、本発明は以下の具体例によってなんら制限されるものではない。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例に制限されるものではない。
p−トルエンスルホン酸 2−(2−ドデシルオキシフェノキシ)エチル57.2g(0.12mol)、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクタン−1−オール47.3g(0.13mol)をトルエン120mlに溶解させ、40%水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム水溶液240mlを滴下し、70℃で3時間攪拌した。室温まで冷却した後、2M塩酸で中和し、酢酸エチル500mlを加え、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で有機層を洗浄した後、有機層を回収した。有機溶媒を減圧蒸留し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル:10/1(体積比))で精製操作を行い、1−ドデシルオキシ−2−[2−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシ)エトキシ]ベンゼン65.0g(収率81%)を得た。
得られた化合物の1H NMRのデータを以下に示す。
1H NMR(CDCl3):δ0.9(t,3H),1.2−1.4(br,16H),1.5(quint,2H),1.8(quint,2H),2.4(tt,2H),3.8−3.9(m,4H),4.0(t,2H),4.2(t,2H),6.8−7.0(m,4H)。
得られた化合物の1H NMRのデータを以下に示す。
1H NMR(CDCl3):δ0.9(t,3H),1.2−1.4(br,16H),1.5(quint,2H),1.8(quint,2H),2.4(tt,2H),3.8−3.9(m,4H),4.0(t,2H),4.2(t,2H),6.8−7.0(m,4H)。
[比較例1]
p−トルエンスルホン酸 2−(2−ドデシルオキシフェノキシ)エチル36.2g(76mmol)、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクタン−1−オール30.4g(84mol)、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩2.6g(7.6mmol)をトルエン150mlに溶解させ、50%水酸化ナトリウム水溶液75mlを滴下し、70℃で3時間攪拌した。室温まで冷却した後、2M塩酸で中和し、酢酸エチル300mlを加え、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で有機層を洗浄した後、有機層を回収した。有機溶媒を減圧蒸留し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル:10/1(体積比))で精製操作を行い、淡黄色液体40.1gを得た。1H NMRで分析した結果、目的のエーテル化合物である1−ドデシルオキシ−2−[2−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシ)エトキシ]ベンゼンが74%の収率で生成しているのに加えて、下記化合物(VI)が5%生成していることが明らかとなった。シリカゲルクロマトグラフィーにより目的化合物との分離を試みたが不可能であった。
p−トルエンスルホン酸 2−(2−ドデシルオキシフェノキシ)エチル36.2g(76mmol)、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクタン−1−オール30.4g(84mol)、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩2.6g(7.6mmol)をトルエン150mlに溶解させ、50%水酸化ナトリウム水溶液75mlを滴下し、70℃で3時間攪拌した。室温まで冷却した後、2M塩酸で中和し、酢酸エチル300mlを加え、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で有機層を洗浄した後、有機層を回収した。有機溶媒を減圧蒸留し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル:10/1(体積比))で精製操作を行い、淡黄色液体40.1gを得た。1H NMRで分析した結果、目的のエーテル化合物である1−ドデシルオキシ−2−[2−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシ)エトキシ]ベンゼンが74%の収率で生成しているのに加えて、下記化合物(VI)が5%生成していることが明らかとなった。シリカゲルクロマトグラフィーにより目的化合物との分離を試みたが不可能であった。
ビス(p−トルエンスルホン酸) 2,2’−(1,2−フェニレンジオキシ)ジエチル40.5g(0.08mol)、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクタン−1−オール47.3g(0.18mol)をトルエン160mlに溶解させ、40%水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム水溶液320mlを滴下し、70℃で3時間攪拌した。反応系中に50%水酸化カリウム水溶液16mlを加え、さらに70℃で3時間攪拌した。室温まで冷却した後、2M塩酸で中和し、酢酸エチル400mlを加え、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で有機層を洗浄した後、有機層を回収した。有機溶媒を減圧蒸留し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル:10/1(体積比))で精製操作を行い、無色透明液体67.0gを得た。
1H NMRで分析した結果、目的のエーテル化合物である1,2−ビス[2−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシ)エトキシ]ベンゼンが92%の収率で生成しており、比較例2で7%生成した後述する式(VII)で示される不純物は2%以下であった。
1H NMRで分析した結果、目的のエーテル化合物である1,2−ビス[2−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシ)エトキシ]ベンゼンが92%の収率で生成しており、比較例2で7%生成した後述する式(VII)で示される不純物は2%以下であった。
[比較例2]
ビス(p−トルエンスルホン酸) 2,2’−(1,2−フェニレンジオキシ)ジエチル25.3g(50mmol)、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクタン−1−オール30.4g(110mol)、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩1.7g(5.0mmol)をトルエン100mlに溶解させ、50%水酸化ナトリウム水溶液50mlを滴下し、70℃で3時間攪拌した。室温まで冷却した後、2M塩酸で中和し、酢酸エチル300mlを加え、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で有機層を洗浄した後、有機層を回収した。有機溶媒を減圧蒸留し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル:10/1(体積比))で精製操作を行い、淡黄色液体34.0gを得た。1H NMRで分析した結果、目的のエーテル化合物である1,2−ビス[2−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシ)エトキシ]ベンゼンが68%の収率で生成しているのに加えて、下記化合物(VII)が7%生成していることが明らかとなった。シリカゲルクロマトグラフィーにより目的化合物との分離を試みたが不可能であった。
ビス(p−トルエンスルホン酸) 2,2’−(1,2−フェニレンジオキシ)ジエチル25.3g(50mmol)、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクタン−1−オール30.4g(110mol)、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩1.7g(5.0mmol)をトルエン100mlに溶解させ、50%水酸化ナトリウム水溶液50mlを滴下し、70℃で3時間攪拌した。室温まで冷却した後、2M塩酸で中和し、酢酸エチル300mlを加え、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で有機層を洗浄した後、有機層を回収した。有機溶媒を減圧蒸留し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル:10/1(体積比))で精製操作を行い、淡黄色液体34.0gを得た。1H NMRで分析した結果、目的のエーテル化合物である1,2−ビス[2−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシ)エトキシ]ベンゼンが68%の収率で生成しているのに加えて、下記化合物(VII)が7%生成していることが明らかとなった。シリカゲルクロマトグラフィーにより目的化合物との分離を試みたが不可能であった。
ビス(p−クロロベンゼンスルホン酸) 2,2’−(1,2−フェニレンジオキシ)ジエチル27.4g(50mmol)、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクタン−1−オール40.1g(110mol)をトルエン100mlに溶解させ、40%水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム水溶液200mlを滴下し、70℃で3時間攪拌した。反応系中に50%水酸化カリウム水溶液10mlを加え、さらに70℃で3時間攪拌した。室温まで冷却した後、2M塩酸で中和し、酢酸エチル300mlを加え、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で有機層を洗浄した後、有機層を回収した。有機溶媒を減圧蒸留し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル:10/1(体積比))で精製操作を行い、無色透明液体43.2gを得た。1H NMRで分析した結果、目的のエーテル化合物である1,2−ビス[2−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシ)エトキシ]ベンゼンが95%の収率で生成しており、上記化合物(VII)の生成は2%以下であった。
Claims (6)
- 含フッ素アルコールとアルキル化剤とを、第4級アンモニウム水酸化物の存在下で反応させることを特徴とする含フッ素エーテル化合物の製造方法。
- 反応系中に、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物を添加する請求項1に記載の方法。
- 含フッ素アルコールとアルキル化剤とを、第4級アンモニウム水酸化物の存在下で一定時間反応させ、さらに反応系中にアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物を追加して反応させる請求項1または2に記載の方法。
- 前記含フッ素アルコールが、下記一般式(I)で表される化合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
一般式(I)
R1(CF2)n(CH2)mOH
[式中、R1は水素原子またはフッ素原子を表し、nは1〜10の整数を表し、mは1〜6の整数を表す。] - 前記アルキル化剤が、下記一般式(V)で表される化合物である請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
一般式(V)
- 前記一般式(V)中のXで表される置換基が、下記一般式(IV)で表されるスルホニルオキシ基である請求項5に記載の方法。
一般式(IV)
−OSO2R4
[式中、R4は置換基を有していてもよいアルキル基又は芳香族基を表す。]
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