JP2005231497A - サイドドア構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 側突初期の車体発生荷重を大きくする。
【解決手段】 ドアインナ16におけるピラー50の車幅方向外側壁部50Aに対向する部位16Cと車体後方側壁部50Bに対向する部位16Dとに跨って横リブ44が形成されており、横リブ44は車体前後方向に延設されている。また、側突時に、横リブ44は、ピラー50の車幅方向外側壁部50Aと車体後方側縦壁部50Bとに当接するようになっている。
【選択図】 図1

Description

本発明はサイドドア構造に係り、特に、自動車等の車両のサイドドア構造に関する。
従来、自動車等の車両のサイドドア構造においては、サイドドア内に車体前後方向に沿ってインパクトビーム(ドアビームともいう)を設け、側突時のサイドドアの車室内側への変形を低減し、乗員の保護を図った構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第3117840号公報
しかしながら、特許文献1においては、サイドドアとピラーとを連結するドアヒンジのドア側部とピラーとの間に、ドアヒンジのドア側部の車幅方向内側への揺動を阻止する部材がない。この結果、側突時に、ヒンジ軸を中心に、ドアヒンジのドア側部とともにサイドドアとインパクトビームとの車体前後方向中央部が車幅方向内側へ容易に回転変形する。この結果、側突初期の車体発生荷重を大きくすることができない。
本発明は上記事実を考慮し、側突初期の車体発生荷重を大きくできるサイドドア構造を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明は、サイドドアの車室側部を構成するドアインナと、
前記ドアインナにおけるピラーの車幅方向外側壁部とドア開口側壁部とに対向する部位に形成され、車体前後方向に延設された横リブと、
を有することを特徴とする。
従って、側突時に、サイドドアが車幅方向外側から車幅方向内側に向って押圧された場合には、サイドドアの車室側部を構成するドアインナが車幅方向内側へ移動する。この際、ドアインナにおけるピラーの車幅方向外側壁部とドア開口側壁部とに対向する部位に形成され、車体前後方向に延設された横リブが、ピラーの車幅方向外側壁部とドア開口側壁部とに当接し、サイドドアのピラーとの当接部の変形を抑制する。この結果、サイドドアの車体前後方向中央部が、ヒンジ軸を中心に車幅方向内側へ回転変形するのを抑制できる。このため、側突初期の車体発生荷重を大きくできる。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のサイドドア構造において、前記ドアインナにおけるピラーの車幅方向外側壁部と対向する部位に形成され、平面視において車幅方向に延設された直線に対してピラーの断面中央部方向に向って傾斜し、車体上下方向へ延設された縦リブを有することを特徴とする。
従って、請求項1に記載の内容に加えて、側突時にドアインナが車幅方向内側へ移動すると、ドアインナにおけるピラーの車幅方向外側壁部と対向する部位に形成され、平面視において車幅方向に延設された直線に対してピラーの断面中央部方向に向って傾斜し、車体上下方向へ延設された縦リブが、ピラーに引っ掛かる。この結果、サイドドアに発生する側突荷重をピラーに効率良く伝達できる。
請求項1記載の本発明は、サイドドアの車室側部を構成するドアインナと、ドアインナにおけるピラーの車幅方向外側壁部とドア開口側壁部とに対向する部位に形成され、車体前後方向に延設された横リブと、を有するため、側突初期の車体発生荷重を大きくできるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のサイドドア構造において、ドアインナにおけるピラーの車幅方向外側壁部と対向する部位に形成され、平面視において車幅方向に延設された直線に対してピラーの断面中央部方向に向って傾斜し、車体上下方向へ延設された縦リブを有するため、請求項1に記載の効果に加えて、サイドドアに発生する側突荷重をピラーに効率良く伝達できるという優れた効果を有する。
本発明のサイドドア構造の一実施形態を図1〜図3に従って説明する。
なお、図中矢印FRは車体前方方向を、矢印UPは車体上方方向を、矢印INは車幅方向内側を示す。
図1に示される如く、自動車車体10のサイドドア12は、サイドドア12のドア外側面を構成するドアアウタパネル14と、ドアアウタパネル14の車室側(ドアを閉じた状態で車幅方向内側)に配設され、サイドドア12の車室側部を構成するドアインナ16とを備えており、ドアインナ16はアルミやマグネシウム等の鋳造品で構成されている。
なお、ドアアウタパネル14の外周縁部14Aはドアインナ16の外周縁部16Aにヘミング加工で結合されており、ドアアウタパネル14の裏面14B側には、断面円形のパイプ材からなるインパクトビーム24がドア前後方向に延設されている。
図3に示される如く、インパクトビーム24の前端部24Aには、インパクトビームブラケット26が配設されている。
図1に示される如く、インパクトビームブラケット26はインパクトビーム24と同等の車幅方向位置またはインパクトビーム24より車幅方向外側に配設されている。
図2に示される如く、インパクトビーム24は、インパクトビームブラケット26を介してドアインナ16の前部16Bに固定されている。また、インパクトビームブラケット26は板材で構成されており、車幅方向外側に向って車体前後方向から見た断面形状が台形で車体前後方向へ延設された凸部28が複数本形成されている。
インパクトビームブラケット26の上下方向中間部には、車幅方向内側に向って車体前後方向から見た断面形状が横U字状で車体前後方向へ延設された凸部30が形成されており、凸部30の内周底部30Aにインパクトビーム24の前端部24Aが溶接や接着等によって結合されている。
ドアインナ16の前部16Bには、車幅方向内側に向って車体前後方向から見た断面形状が横U字状で車体前後方向へ延設された凸部32が形成されており、ドアインナ16の凸部32内には、インパクトビームブラケット26の凸部30が挿入されている。
ドアインナ16における凸部32の下方近傍には、ドアヒンジ34のピラー側部35が配設されており、ドアヒンジ34のヒンジ軸36は車体上下方向に延設されている。ヒンジ軸36の上端部36Aは、ドアインナ16における凸部32の上部に形成されたドアヒンジ34のドア側部38に軸支されており、ヒンジ軸36の下端部36Bは、ドアインナ16における凸部32の下方に形成されたドアヒンジ34のドア側部40に軸支されている。なお、ヒンジ軸36は、インパクトビームブラケット26の凸部30とインパクトビーム24を貫通しており、ヒンジ軸36の中間部はドアインナ16における凸部32の下部に形成されたドアヒンジ34のドア側部41に軸支されている。
また、ドアインナ16における凸部32には、横リブ44が車幅方向内側へ向って立設されている。
図1に示される如く、横リブ44は、ドアインナ16におけるピラー50の車幅方向外側壁部50Aの後部に対向する部位16Cと、ピラー50のドア開口側壁部となる車体後方側壁部50Bの車幅方向外側部と対向する部位16Dとに跨って形成されている。また、横リブ44は車体前後方向に沿ったドア中央部側(図1では車体後方側)の部位が車幅方向内側に向って傾斜した傾斜面44Aとなっている。即ち、サイドドア12の前部においては、横リブ44の傾斜面44Aは、車体前方側が車幅方向外側になり、ドア中央部側となる車体後方側が車幅方向内側になるように傾斜している。
図3に示される如く、上下の横リブ44は車体上下方向に所定の間隔を開けて並行に形成されており、車体前後方向に延設されている。
図1に示される如く、ドアヒンジ34のピラー側部35はボルト等の固定部材52によってピラー50の車幅方向外側壁部50Aに固定されており、ヒンジ軸36とインパクトビーム24の前端部24Aは、ピラー50の車幅方向外側壁部50Aの後部に対向する部位、即ち、車幅方向外側の部位に配設されている。この結果、ピラー50の車幅方向外側壁部50Aの後部とヒンジ軸36との間に、横リブ44の車体前方側の部位が配設されている。
図2に示される如く、ドアインナ16における凸32と軸受部38とに跨って縦リブ54が形成されている。
図1に示される如く、縦リブ54は平面視において、車幅方向に延設された直線L1に対して、ピラー50の断面中央部P1方向に向って、所定角度θ1傾斜して突出形成されている。また、ドアインナ16におけるピラー50の車幅方向外側部と対向する部位16Dの車幅方向外側部も、平面視において車幅方向に延設された直線L2に対して、ピラー50の断面中央部P1方向に向って、所定角度θ2傾斜した傾斜壁部16Fとなっている。
図3に示される如く、縦リブ54は車体上下方向へ延設されており、横リブ44と縦リブ54とは互いに交差している。
なお、ドアインナ16における軸受部38の上方の部位16Eにも横リブ44と縦リブ54が形成されている。
次に本実施形態の作用を説明する。
本実施形態のサイドドア構造では、図2に示される如く、側突時、例えば、他車のバンパ60がサイドドア12の下部に側突し、サイドドア12の下部が車幅方向外側から車幅方向内側に向って押圧された場合には、サイドドア12の車室側部を構成するドアインナ16が車幅方向内側方向(図1の矢印A方向)へ移動する。
この際、ドアインナ16におけるピラー50の車幅方向外側壁部50Aに対向する部位16Cとピラー50の車体後方側壁部50Bに対向する部位16Dとに跨って形成され、車体前後方向に延設された横リブ44が、ピラー50の車幅方向外側壁部50Aと車体後方側壁部50Bとに当接し、ドアインナ16の前部16Bの変形を抑制する。
この結果、サイドドア12とインパクトビーム24との車体前後方向中央部が、ヒンジ軸36を中心に車幅方向内方(図1の矢印B方向)へ回転変形するのを抑制できる。このため、側突初期の車体発生荷重を大きくできる。
なお、本実施形態では、横リブ44の前後方向におけるドア中央部側の部位が車幅方向内側に向って傾斜した傾斜面44Aとなっている。この結果、側突時に横リブ44の傾斜面44Aがピラー50に当接する。このため、サイドドア12とインパクトビーム24との車体前後方向中央部がヒンジ軸36を中心に車幅内側方向(図1の矢印B方向)へ回転するの効果的に抑制できる。
また、本実施形態では、ドアインナ16が車幅方向内側へ移動すると、ドアインナ16に平面視において、車幅方向に延設された直線L1に対して、ピラー50の断面中央部P1方向に向って、所定角度θ1傾斜して突出形成され、車体上下方向へ延設された縦リブ54が、ピラー50における車幅方向外側壁部50Aの後部50Cに引っ掛かる。この結果、サイドドア12に発生する側突荷重をピラー50に効率良く伝達できる。このため、側突時の車体発生荷重を更に大きくできる。
また、本実施形態では、ドアインナ16が車幅方向内側へ移動すると、平面視において、車幅方向に延設された直線L2に対して、ピラー50の断面中央部P1方向に向って、所定角度θ2傾斜したドアインナ16の傾斜壁部16Fが、ピラー50における車体後方側壁部50Bに当接する。この結果、サイドドア12に発生する側突荷重をピラー50に効率良く伝達できる。このため、側突時の車体発生荷重を更に大きくできる。
また、本実施形態では、インパクトビームブラケット26がインパクトビーム24と同等の車幅方向位置またはインパクトビーム24より車幅方向外側に配設されているため、インパクトビームブラケット26によって、ドアアウタパネル14の車幅方向内側への移動を抑制できる。このため、側突初期の車体発生荷重を更に大きくできる。
また、本実施形態では、ドアインナ16に形成した横リブ44と縦リブ54とによって、側突時に他車のバンパ60が当接し易い部位に、ドアアウタパネル14を抑える部位とピラー50に荷重を伝達する部位が形成される。この結果、サイドドア12の断面が崩れ難くなり、側突初期における車体発生荷重を更に大きくできる。また、ドアヒンジ34の廻りのドア剛性も大きくできる。
また、本実施形態では、鋳造によりドアインナ16に横リブ44と縦リブ54を一体成形したため、別部材のスペーサ等を使用しないで、ドアインナ16とピラー50との隙間を詰めることができる。
また、本実施形態では、ヒンジ軸36をインパクトビーム24に貫通し、ヒンジ軸36をインパクトビーム24に直接連結したため、側突時にインパクトビーム24に作用した荷重がヒンジ軸36を介してピラー50に直接伝達される。このため、側突初期における車体発生荷重を更に大きくできる。また、インパクトビーム24に発生する側突中期及び側突後半の引張り荷重も、ヒンジ軸36を介してピラー50に直接伝達できるため、側突中期及び側突後半における車体発生荷重も大きくできる。
また、本実施形態では、ヒンジ軸36をインパクトビームブラケット26の凸部28に貫通し、ヒンジ軸36をインパクトビームブラケット26に直接連結したため、側突時にインパクトビーム24に作用した荷重をインパクトビームブラケット26とヒンジ軸36を介してピラー50に伝達できる。このため、側突初期における車体発生荷重を更に大きくできる。また、インパクトビーム24に発生する側突中期及び側突後半の引張り荷重も、インパクトビームブラケット26とヒンジ軸36を介してピラー50に伝達できるため、側突中期及び側突後半における車体発生荷重を更に大きくできる。
また、本実施形態では、インパクトビームブラケット26に、車幅方向外側に向って車体前後方向から見た断面形状が台形で車体前後方向へ延設された凸部28が複数本形成されている。この結果、インパクトビームブラケット26によって、側突時に他車のバンパ60が当接し易い部位に、ドアアウタパネル14を抑える部位とピラー50に荷重を伝達する部位が形成される。この結果、サイドドア12の断面が崩れ難くなり、側突初期における車体発生荷重を大きくできる。また、ドアヒンジ34廻りのドア剛性も大きくできる。
また、本実施形態では、インパクトビームブラケット26に車体前後方向へ延設された凸部28が複数本形成されているため、これらの凸部28によって、側突時のサイドドア12の屈曲を抑制できる。この結果、側突時の車体発生荷重を更に大きくできる。
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、ドアインナ16における横リブ44と縦リブ54の形成位置は、上記実施形態の形成位置に限定されず、図4に示される如く、ドアインナ16における3箇所以上の部位に横リブ44と縦リブ54を形成した構成としても良い。
また、ドアインナ16における縦リブ54の数及び形状は、上記実施形態の数及び形状に限定されず、図5に示される如く、上下の横リブ44の間に2枚の交差した縦リブ54を2組形成した構成等の他の構成としても良い。
また、図6に示される如く、縦リブ54をインパクトビーム24の下方に形成し、縦リブ54を車幅方向外側に延設した構成としても良い。
また、図7に示される如く、インパクトビームブラケット26に、平面視において、車幅方向に延設された直線L3に対して、ピラー50の断面中央部P1方向に向って、所定角度θ3傾斜した傾斜壁部26Aを形成した構成としても良い。
また、図8に示される如く、インパクトビームブラケット26の凸部28を別部材のリインフォースメント64をインパクトビームブラケット26に固定することによって形成した構成としても良い。
また、図9に示される如く、インパクトビームブラケット26の凸部28は、ドア前後方向中央側の端部28Aが、インパクトビームブラケット26の凸部30に連結された構成としても良い。
また、上記実施形態では、ドアインナ16をアルミやマグネシウム等で構成したが、ドアインナ16の材質は他の材質としても良い。
また、上記実施形態では、インパクトビーム24を断面円形のパイプ材で構成したが、インパクトビーム24の断面形状及び材質は他の断面形状及び材質としても良い。
また、上記実施形態では、ヒンジ軸36をドアインナ16に軸支したが、これに代えて、ヒンジ軸36をインパクトビームブラケット26または他の部材に軸支した構成としても良い。
また、上記実施形態では、本発明のサイドドア構造をサイドドア12の前部に適用した構成について説明したが、本発明のサイドドア構造はサイドドア12の後部にも適用可能であり、この場合には、ピラーのドア開口側壁部は車体前方側壁部となる。
本発明の一実施形態に係るサイドドア構造を示す車体上方から見た平面視断面図である。 本発明の一実施形態に係るサイドドア構造を示す車体前方から見た断面図である。 本発明の一実施形態に係るサイドドア構造のドアインナの前側下部を示す車体斜め内側前方から見た斜視図である。 本発明の他の実施形態に係るサイドドア構造を示す図2に対応する断面図である。 本発明の他の実施形態に係るサイドドア構造のドアインナの前側下部を示す車体斜め内側前方から見た斜視図である。 本発明の他の実施形態に係るサイドドア構造を示す図1に対応する断面図である。 本発明の他の実施形態に係るサイドドア構造を示す図1に対応する断面図である。 本発明の他の実施形態に係るサイドドア構造を示す図2に対応する断面図である。 本発明の他の実施形態に係るサイドドア構造のインパクトビームブラケットを示す車体斜め内側前方から見た斜視図である。
符号の説明
12 サイドドア
14 ドアアウタパネル
16 ドアインナ
24 インパクトビーム
26 インパクトビームブラケット
32 ドアインナの凸部
34 ドアヒンジ
36 ヒンジ軸
44 ドアインナの横リブ
44A 横リブの傾斜面
50 ピラー
50A ピラーの車幅方向外側壁部
50B ピラーの車体後方側壁部(ドア開口側壁部)
54 縦リブ

Claims (2)

  1. サイドドアの車室側部を構成するドアインナと、
    前記ドアインナにおけるピラーの車幅方向外側壁部とドア開口側壁部とに対向する部位に形成され、車体前後方向に延設された横リブと、
    を有することを特徴とするサイドドア構造。
  2. 前記ドアインナにおけるピラーの車幅方向外側壁部と対向する部位に形成され、平面視において車幅方向に延設された直線に対してピラーの断面中央部方向に向って傾斜し、車体上下方向へ延設された縦リブを有することを特徴とする請求項1に記載のサイドドア構造。
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