JP5783147B2 - 車両下部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両下部構造に関する。
下記特許文献1には、フロントタイヤと対向するロッカの前端部にフランジ部を形成した技術が開示されている。この構成によれば、フランジ部を設けたことにより、オフセット衝突時にはフロントタイヤの車両後方斜め内向きへの移動が抑制される。
特開平11−139349号公報
しかしながら、上記先行技術の場合、仮に衝突体が車両前面に対してフロントサイドメンバよりも車両幅方向の外側に衝突(以下、この衝突形態を「微小ラップ衝突」という)すると、フロントタイヤからロッカへの荷重入力が殆ど抑えられない。上記先行技術は、この点において改善の余地がある。
本発明は、上記事実を考慮して、微小ラップ衝突時にフロントタイヤからロッカへの荷重入力を抑えることができる車両下部構造を得ることが目的である。
請求項1に記載する本発明の車両下部構造は、車体側部の下端部に車両前後方向を長手方向として配置され、車両前後方向に沿った閉断面構造を形成すると共に、フロントタイヤに対して車両後方側に設けられたロッカと、前記ロッカの車両前方側の端部における閉断面内に配置され、前記ロッカに固定されると共に、前記フロントタイヤの側へ向けられた尖端部を備える補強部材と、を有する。
上記構成によれば、ロッカの車両前方側の端部における閉断面内には、補強部材が配置されてロッカに固定されると共に、補強部材には、フロントタイヤの側へ向けられた尖端部が設けられている。このため、微小ラップ衝突時にフロントタイヤが車両後方側に移動した場合、フロントタイヤは、補強部材の尖端部から局所的な反力を受ける。これによって、フロントタイヤが裂かれると、フロントタイヤからロッカへの荷重入力が抑えられる。
請求項2に記載する本発明の車両下部構造は、請求項1記載の構成において、前記補強部材は、車両前後方向の前部が車両平面視で車両前方へ向けて前記ロッカの幅方向中央側に傾斜しかつ車両側面視で車両前方へ向けて前記ロッカの上下方向中央側に傾斜すると共に、車両前後方向の後部が前記ロッカに対して車両幅方向両側及び車両上下方向両側で固定されている。
上記構成によれば、微小ラップ衝突時に補強部材の尖端部がフロントタイヤの側から車両後方側への荷重を受けた場合、当該荷重は、補強部材の前部の傾斜に沿って、車両後方側へ向けてロッカの閉断面内の中央側から外側に伝達される。そして、補強部材の後部に伝達された前記荷重は、ロッカの幅方向両側及び上下方向両側に支持される。このように、補強部材の尖端部に作用する荷重が分散されて支持されるので、補強部材の座屈が防止又は抑制される。これにより、補強部材の尖端部では、フロントタイヤの側からの荷重に応じた局所的な反力を安定的に発生させることができる。
請求項3に記載する本発明の車両下部構造は、請求項2記載の構成において、前記ロッカには車両前後方向に沿って延びる複数の第一稜線部が形成されており、前記補強部材は、前記尖端部から前記第一稜線部へ向けて直線状に延びて前記ロッカの内面に接する第二稜線部を備えている。
上記構成によれば、補強部材における第二稜線部は、尖端部からロッカの第一稜線部へ向けて直線状に延びてロッカの内面に接する。これにより、微小ラップ衝突時に補強部材の尖端部がフロントタイヤの側から車両後方側への荷重を受けた場合、当該荷重は、補強部材のロッカへの固定部で支持されると共に、補強部材の第二稜線部を経てロッカの第一稜線部に沿って伝達される。このため、補強部材の座屈が効果的に防止又は抑制される。
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載の車両下部構造によれば、微小ラップ衝突時にフロントタイヤからロッカへの荷重入力を抑えることができるという優れた効果を有する。
請求項2に記載の車両下部構造によれば、微小ラップ衝突時にフロントタイヤ側からロッカ側へ荷重が入力されても、補強部材の尖端部がフロントタイヤを安定的に裂くことでロッカへの荷重入力を安定的に抑えることができるという優れた効果を有する。
請求項3に記載の車両下部構造によれば、微小ラップ衝突時に補強部材の尖端部ではフロントタイヤの側からの荷重に応じた局所的な反力を一層安定的に発生させることができるという優れた効果を有する。
本発明の一実施形態に係る車両下部構造を示す側面図である。ロッカの前端部はロッカアウタパネルを切り欠いて示している。 図1の2−2線に沿った拡大断面図である。 図1の3−3線に沿った拡大断面図である。 図1のバルクヘッドを示す斜視図である。 微小ラップ衝突時の状態を示す概略平面図である。図5(A)は衝突直後の状態を示す。図5(B)は後退したフロントタイヤがバルクヘッドの尖端部で裂かれた状態を示す。
(実施形態の構成)
本発明の一実施形態に係る車両下部構造について図1〜図5を用いて説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。
図1には、本発明の一実施形態に係る車両下部構造が側面図で示されている。車体前部10の両サイドには、車両前後方向を長手方向として左右一対のフロントサイドメンバ12が配設されている。フロントサイドメンバ12は、車体前部10において車両前後方向に沿って直線状に延びる本体部12Aを備えている。また、フロントサイドメンバ12は、この本体部12Aの後端部から斜め下方へ屈曲するように形成されたキックアップ部12Bと、このキックアップ部12Bの下端部から図示しない車体フロア(フロアパネル)の下面側へ延出される後部12Cと、を備えている。なお、フロントサイドメンバ12は、アウタパネルとインナパネルとを結合させることで略筒状(閉断面構造)に形成されている。
左右一対のフロントサイドメンバ12の前端部同士は、車両幅方向を長手方向として配置された長尺状のフロントバンパリインフォース14によって連結されている。フロントバンパリインフォース14はフロントバンパの一部を構成する高強度部材であり、その前方側には図示しないアブソーバ及びフロントバンパカバーが配設されている。なお、左右一対のフロントサイドメンバ12の前端部に図示しないクラッシュボックスが取り付けられ、かつ前記クラッシュボックスの前端部同士がフロントバンパリインフォース14によって連結される構成としてもよい。
左右一対のフロントサイドメンバ12における本体部12Aの間には、図示しないフロントサスペンションメンバが架け渡されている。このフロントサスペンションメンバには図示しないフロントサスペンションアームが車両高さ方向に揺動可能に連結されている。そして、このフロントサスペンションアームにフロントタイヤ16のタイヤホイール(図示省略)が支持されている。なお、本実施形態でいうフロントタイヤ16は、車両前部に設けられた前記タイヤホイールと、前記タイヤホイールの外周側に装着されたタイヤと、を含んで構成される広義のフロントタイヤを指す。
左右一対のフロントサイドメンバ12におけるキックアップ部12Bの後端上部同士は、ダッシュクロスメンバ22によって連結されている。ダッシュクロスメンバ22は、車両幅方向を長手方向としてダッシュパネル(車体客室前壁)20の前端下部に配設されている。また、ダッシュパネル20は、車室18Bと、車室18Bの車両前方側に位置する空間18Aと、を仕切っている。ダッシュパネル20の車両幅方向の両サイドには、フロントピラー(「Aピラー」ともいう。)24が配設されている。
左右一対のフロントピラー24は、フロントドア用開口部31の前側の縁部に配置されて車両上下方向を長手方向とする車体骨格部材であり、ダッシュクロスメンバ22の上方側に配設されたカウル(図示省略)によって連結されている。フロントピラー24の上端部(図示省略)は、ルーフサイドレール部(図示省略)における車両前後方向の前端部に結合されている。また、フロントピラー24の下端部は、ロッカ(「サイドシル」ともいう。)34における車両前後方向の前端部に結合されており、フロントピラー24とロッカ34とで車両側方側から見た形状が略L字状になっている。
フロントピラー24は、車室内側に配置されるピラーインナパネル26を備えると共に、ピラーインナパネル26の車室外側に配置されるピラーアウタ部28を備えている。なお、図1では、フロントピラー24の下端部の内部構造を示すために、ピラーアウタ部28の下端部を切り欠いた状態で示している。
ピラーインナパネル26は、車両幅方向外側へ開口を向けた断面略ハット形状に形成されている。また、ピラーアウタ部28は、車体外板部を構成するサイドメンバアウタパネル32の一部であり、ピラーインナパネル26の前後端フランジ部にスポット溶接で接合されている。すなわち、フロントピラー24は、ピラーインナパネル26とピラーアウタ部28とで車両上下方向に沿った閉断面構造を形成している。
また、ピラーインナパネル26とピラーアウタ部28とで形成する閉断面内には、図示しないピラーリインフォースが車両上下方向を長手方向として配置されている。このピラーリインフォースは、車両幅方向内側へ開口を向けた断面略ハット形状に形成されている。前記ピラーリインフォースの前後端フランジ部は、ピラーインナパネル26にスポット溶接で接合されている。これによって、前記ピラーリインフォースは、ピラーインナパネル26と共に車両上下方向に沿った閉断面構造を形成している。
フロントピラー24の下端部に結合されるロッカ34は、車体側部30の下端部に車両前後方向を長手方向として配置された車体骨格部材である。すなわち、ロッカ34は、車体下部40の両サイドに左右一対で配設されており、フロントタイヤ16に対して車両後方側に設けられている。このロッカ34は、車幅方向内側の部位を構成するロッカインナパネル36を備えると共に、ロッカインナパネル36の車幅方向外側に配置されるロッカアウタパネル38を備えている。なお、図1では、ロッカアウタパネル38に対して車両幅方向外側に配置される構成部の図示を省略すると共に、ロッカ34の前端部の内部構造を示すために、ロッカアウタパネル38の前端部を切り欠いた状態で示している。
図3には、図1の3−3線に沿った拡大断面図が示されている。図3に示されるように、ロッカインナパネル36は、車両幅方向外側へ開口を向けた断面略ハット形状に形成されており、上フランジ部36A、上壁部36B、側壁部36C、下壁部36D、及び下フランジ部36Eを備えている。上壁部36Bは、上フランジ部38Aの下端から屈曲されて車両幅方向内側へ向けて車両下方側に若干傾斜している。側壁部36Cは、上壁部36Bの下端から屈曲されて車両下方側に垂下されている。また、下壁部36Dは、側壁部36Cの下端から屈曲されて車両幅方向外側へ向けて車両下方側に若干傾斜しており、下フランジ部36Eの上端に連続している。また、上壁部36B、側壁部36C、及び下壁部36Dには、ボルト挿通孔36X、36Y、36Zが貫通形成されている。
これに対して、ロッカアウタパネル38は、車両幅方向内側へ開口を向けた断面略ハット形状に形成されており、上フランジ部38A、上壁部38B、側壁部38C、下壁部38D、及び下フランジ部38Eを備えている。上壁部38Bは、上フランジ部38Aの下端から屈曲されて車両幅方向外側へ向けて車両下方側に若干傾斜している。側壁部38Cは、上壁部38Bの下端から屈曲されて車両下方側に垂下されている。また、下壁部38Dは、側壁部38Cの下端から屈曲されて車両幅方向内側へ向けて車両下方側に若干傾斜しており、下フランジ部38Eの上端に連続している。
ロッカインナパネル36の上フランジ部36Aとロッカアウタパネル38の上フランジ部38Aとは、車両幅方向に重ね合わせられてスポット溶接で接合されている。また、ロッカインナパネル36の下フランジ部36Eとロッカアウタパネル38の下フランジ部38Eも、車両幅方向に重ね合わせられてスポット溶接で接合されている。
すなわち、ロッカ34は、ロッカインナパネル36とロッカアウタパネル38とで車両前後方向に沿った閉断面構造を形成している。また、ロッカ34には、車両前後方向に沿って延びる複数の第一稜線部L1が形成されている。第一稜線部L1は、ロッカ34においてその軸周り(周方向)に隣り合う壁部の境に形成されている。
なお、ロッカインナパネル36の側壁部36Cには、フロアパネル42の車両幅方向外側の端末部42Aがスポット溶接で接合されている。また、ロッカアウタパネル38に対して車両幅方向外側には、サイドメンバアウタパネル32の一部が配設されている。すなわち、サイドメンバアウタパネル32の下部には、ロッカアウタパネル38の車両幅方向外側で車両幅方向外側に膨出した膨出部44Aが形成されると共に、ロッカアウタパネル38の下フランジ部38Eに接合される下端フランジ部44Bが形成されている。
図2には、図1の2−2線に沿った拡大断面図が示されている。図2に示されるように、サイドメンバアウタパネル32の下部には、前述した膨出部44Aの車両前後方向の前端部から曲げられて車両幅方向内側へ向けて車両前方側へ若干傾斜する前壁部44Cが形成されている。前壁部44Cの車両幅方向内側の端部は、ロッカ34の車両幅方向中央部の車両前方側に位置している。また、サイドメンバアウタパネル32の下部には、前壁部44Cの車両幅方向内側の端部から曲げられて車両前方側へ延出された前フランジ部44Dが形成されている。サイドメンバアウタパネル32の前フランジ部44Dは、ダッシュパネル20の車両幅方向外側の端部で車両後方側へ曲げられた端末部20Aに接合されている。一方、ロッカインナパネル36には、側壁部36Cの車両前方側の端部から車両幅方向内側へ曲げられてダッシュパネル20の後面に接合される前フランジ部36Fが形成されている。
ロッカ34の車両前方側の端部における閉断面内には、補強部材としてのバルクヘッド50が配置されている。バルクヘッド50は、サイドメンバアウタパネル32の前壁部44C(広義には、バルクヘッド50の車両前方側に隣接するパネルの壁部)よりも車両前方側からの衝突荷重に対する剛性が高く設定されている。図4には、バルクヘッド50が斜視図にて示されている。このバルクヘッド50は、一枚の加工用板金(一例として高張力鋼板)をプレス加工することによって成形されている。図3及び図4に示されるように、バルクヘッド50の車両前後方向の後部50Bは、ロッカ34(図3参照)の内側に隙間なく納まる六角筒形状に形成されている。
図3に示されるように、バルクヘッド50の後部50Bには、ボルト挿通孔36X、36Y、36Zに対向してボルト挿通孔50X、50Y、50Zが貫通形成されている。また、バルクヘッド50の後部50Bの内面には、ボルト挿通孔50X、50Y、50Zの外周部にウエルドナット46(広義には「締結具」として把握される要素である。)が予め固着されている。ウエルドナット46には、ボルト48(広義には「締結具」として把握される要素である。)の軸部が螺合されている。ボルト48は、ボルト挿通孔36X、36Y、36Z及びボルト挿通孔50X、50Y、50Zをロッカ34の外側から貫通している。そして、ボルト48の頭部とウエルドナット46との間でロッカインナパネル36とバルクヘッド50が挟まれて締め付けられている。また、バルクヘッド50は、ロッカアウタパネル38の上壁部38B、側壁部38C、及び下壁部38Dとスポット溶接(打点を「×」印で示す。)で接合されている。これらにより、バルクヘッド50の車両前後方向の後部50Bは、ロッカ34に対して車両幅方向両側及び車両上下方向両側で固定されている。
また、図4に示されるように、バルクヘッド50は、車両前後方向の後部50Bよりも車両前方側の部位(車両前後方向の前部50Aを含む部位)が中空の六角錐状に形成されている。すなわち、バルクヘッド50は、図2に示されるように、車両前後方向の前部50Aが車両平面視で車両前方へ向けてロッカ34の幅方向中央側に傾斜しかつ図1に示されるように、車両側面視で車両前方へ向けてロッカ34の上下方向中央側に傾斜している。
これにより、バルクヘッド50には、フロントタイヤ16と対向する部位にフロントタイヤ16の側へ向けられた尖端部52が設けられている。バルクヘッド50の尖端部52側の成す角度は、車両平面視で鋭角に設定されると共に、車両側面視でも鋭角に設定されている。なお、尖端部52を備えたバルクヘッド50は、微小ラップ衝突時にフロントタイヤ16を切裂するためのタイヤ切裂手段を構成している。バルクヘッド50は、尖端部52から第一稜線部L1へ向けて直線状に延びてロッカ34の内面に接する第二稜線部L2を備えている。
また、本実施形態では、図2に示されるように、尖端部52は、サイドメンバアウタパネル32における前壁部44Cの車両幅方向内側の端部に対向する位置に設定されている。尖端部52と前壁部44Cとの間には若干の隙間が設定されている。
(実施形態の作用・効果)
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
図5には、衝突体であるバリア60が車両前面に対してフロントサイドメンバ12よりも車両幅方向の外側に衝突(微小ラップ衝突)した状態の概略平面図が示されている。図5(A)に示されるように、微小ラップ衝突時には、フロントバンパリインフォース14の車両幅方向外側の端部に衝突荷重Fが入力される。この衝突荷重Fは、図5(B)に示されるように、フロントバンパリインフォース14の車両幅方向外側の端部を車両後方側へ曲げ変形させる。その後、バリア60がフロントタイヤ16を押圧することで、フロントタイヤ16が車両後方側へ移動してロッカ34に衝突すると、衝突荷重Fは、フロントタイヤ16を介してロッカ34に伝達される。
ここで、本実施形態では、図1に示されるように、ロッカ34の車両前方側の端部における閉断面内には、バルクヘッド50が配置されてロッカ34に固定されると共に、バルクヘッド50には、フロントタイヤ16の側へ向けられた尖端部52が設けられている。このため、図5(B)に示されるように、微小ラップ衝突時にフロントタイヤ16が車両後方側に移動した場合、ロッカ34の前側(前壁部44C)が、フロントタイヤ16に押圧されてバルクヘッド50の前端形状に沿うように変形すると共に、バルクヘッド50が前壁部44Cを突き抜ける。このとき、フロントタイヤ16は、バルクヘッド50の尖端部52から局所的な反力を受ける。これによって、フロントタイヤ16が裂かれると共にタイヤホイール16Aが変形すると、フロントタイヤ16からロッカ34への荷重入力が抑えられる。
また、本実施形態では、バルクヘッド50の尖端部52がフロントタイヤ16の側から車両後方側への衝突荷重Fを受けた場合、衝突荷重Fは、バルクヘッド50の前部の傾斜に沿って、車両後方側へ向けてロッカ34の閉断面内の中央側から外側に伝達される。そして、バルクヘッド50の後部50Bに伝達された衝突荷重Fは、ロッカ34の幅方向両側及び上下方向両側に支持される。より具体的に説明すると、衝突荷重Fは、バルクヘッド50のロッカ34への固定部で支持されると共に、バルクヘッド50の第二稜線部L2を経てロッカ34の第一稜線部L1に沿って伝達される。
このように、バルクヘッド50の尖端部52に作用する衝突荷重Fが分散されて支持されるので、バルクヘッド50の座屈が効果的に防止又は抑制される。これにより、バルクヘッド50の尖端部52では、フロントタイヤ16の側からの衝突荷重Fに応じた局所的な反力を安定的に発生させることができる。その結果、フロントタイヤ16も安定的に裂かれる。
以上説明したように、本実施形態に係る車両下部構造によれば、微小ラップ衝突時にフロントタイヤ16からロッカ34への荷重入力を抑えることができる。その結果として、微小ラップ衝突時にロッカ34の変形が抑制される。
(実施形態の補足説明)
ここで、対比構造と比較しながら他の観点より補足説明する。例えば、ロッカの前端部に車両前方側へ向けて突出した突起部を形成するような対比構造では、微小ラップ衝突時に突起部がフロントタイヤを変形させることで、衝突時のエネルギーを吸収し、ロッカの変形を抑制することができる。しかしながら、フロントタイヤとロッカの前端部との間隔は小さく、前記突起部を形成するためには、ロッカ本体(ロッカから前記突起部を除いた部分)の前端部を従来よりも車両後方側に設定しなければならない。その結果、前記対比構造では、車両の前後方向の長さを一定とした場合に客室空間を狭くせざるを得ない。これに対して、本実施形態では、尖端部52を備えたバルクヘッド50がロッカ34の閉断面内に配置されているので、前記対比構造のような不具合は生じない。
なお、上記実施形態の変形例として、図3に示されるバルクヘッド50の後部50Bは、ロッカインナパネル36に対して、接着、スポット溶接等のような他の固定手段で固定されてもよい。また、バルクヘッド50の後部50Bは、ロッカアウタパネル38に対して、ボルト締結、接着等のような他の固定手段で固定されてもよい。
また、上記実施形態の変形例として、図4に示されるバルクヘッド40を加工するための加工用板金は、高張力鋼板に代えて他の板金が適用されてもよい。また、図4に示されるバルクヘッド50の車両前方側の部位(車両前後方向の前部50Aを含む部位)は、中実の六角錐状に形成されてもよい。なお、バルクヘッド(補強部材)は、鋳造品であってもよいし、高強度の樹脂部品であってもよい。
また、補強部材は、例えば、車両前後方向の後部がロッカの内側に隙間なく納まる形状に形成されると共に、この後部における車両正面視の中央部から車両前方側に突出する凸部が形成され、前記凸部がフロントタイヤの側へ向けられた尖端部を備えるような他の補強部材としてもよい。
また、他の変形例として、補強部材は、例えば、車両前後方向の後部が四角筒形状に形成されると共に、ロッカに対して車両幅方向両側のみで固定されるような他の補強部材であってもよい。
さらに、他の変形例として、補強部材の車両前後方向の前部は、車両前方側へ向けて縮径された中空の又は中実の円錐形状に形成されてもよい。
また、請求項1に記載の「フロントタイヤ」は、上記実施形態と同様に、車両前部に設けられたタイヤホイールと、前記タイヤホイールの外周側に装着されたタイヤと、を含んで構成される広義のフロントタイヤを意味する。
なお、上記実施形態及び上述の複数の変形例は、適宜組み合わされて実施可能である。
以上、本発明の一例について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
16 フロントタイヤ
30 車体側部
34 ロッカ
50 バルクヘッド(補強部材)
52 尖端部
L1 第一稜線部
L2 第二稜線部

Claims (3)

  1. 車体側部の下端部に車両前後方向を長手方向として配置され、車両前後方向に沿った閉断面構造を形成すると共に、フロントタイヤに対して車両後方側に設けられたロッカと、
    前記ロッカの車両前方側の端部における閉断面内に配置され、前記ロッカに固定されると共に、前記フロントタイヤの側へ向けられた尖端部を備える補強部材と、
    を有する車両下部構造。
  2. 前記補強部材は、車両前後方向の前部が車両平面視で車両前方へ向けて前記ロッカの幅方向中央側に傾斜しかつ車両側面視で車両前方へ向けて前記ロッカの上下方向中央側に傾斜すると共に、車両前後方向の後部が前記ロッカに対して車両幅方向両側及び車両上下方向両側で固定されている、請求項1記載の車両下部構造。
  3. 前記ロッカには車両前後方向に沿って延びる複数の第一稜線部が形成されており、
    前記補強部材は、前記尖端部から前記第一稜線部へ向けて直線状に延びて前記ロッカの内面に接する第二稜線部を備えている、請求項2に記載の車両下部構造。
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