JP2005231127A - バリアリブ−誘電体層一体形成用転写シート、及びプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法 - Google Patents

バリアリブ−誘電体層一体形成用転写シート、及びプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法 Download PDF

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Yasushi Musashijima
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Abstract

【課題】 切断や打ち抜き加工等を施した際に、ガラス樹脂組成物層の周端部に割れや欠けが発生することのなく、加工性、作業性、及び転写性に優れるバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シートを提供することを目的とする。また、前記転写シートを用いたPDP用背面基板の製造方法、該製造方法によって得られるPDP用背面基板、及びPDPを提供することを目的とする。
【解決手段】 無機粉体及びバインダ樹脂を含有するガラス樹脂組成物層の片面側に
無機粉体を含有しない粘弾性層Aが少なくとも積層されており、かつ前記ガラス樹脂組成物層の他面側にはベースフィルムが積層されており、前記ベースフィルムは、基材上に粘着剤層を有することを特徴とするバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シート。
【選択図】 図2

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)用背面基板のバリアリブと誘電体層とを一体形成するために用いられる転写シートに関する。また、本発明は、前記転写シートを用いたPDP用背面基板の製造方法、該方法によって製造されるPDP用背面基板、及びPDP用背面基板を用いたPDPに関する。
近年、薄型平板状の大型ディスプレイとしては、液晶ディスプレイと共にプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」ともいう)が注目されている。
図1に3電極面放電型PDPの一例を示す。図1において、表示面となる前面ガラス基板1には、透明導電膜からなるサステイン電極(表示電極)2が形成され、サステイン電極2上には導電性を補う幅の狭い金属膜からなるバス電極3が形成されている。更に、サステイン電極2、バス電極3を被覆するように誘電体層4が形成され、該誘電体層4を被覆するようにMgO膜(保護層)5が形成されている。
一方、背面ガラス基板6には、金属膜からなるアドレス電極(データ電極)7が形成され、該アドレス電極7上には誘電体層8が形成されている。アドレス電極7の間には前面ガラス基板1と背面ガラス基板6の間隔を一定に保ち、放電空間を保持するバリアリブ9が形成されている。更に、誘電体層8及びバリアリブ9を被覆するように赤、緑、及び青の3原色の蛍光体層10が形成されている。そして、放電空間内には希ガスが封入され、アドレス電極7とサステイン電極2との各交点が画素セルを構成している。
誘電体層8の形成方法としては、ガラス粉末、バインダ樹脂及び溶剤を含有するペースト状組成物を電極が固定されたガラス基板の表面に直接塗布して膜形成材料層を形成し、膜形成材料層を焼成することにより、前記ガラス基板の表面に誘電体層を形成する方法が挙げられる。また、ガラス粉末、アクリル酸エステル系樹脂及び溶剤を含有するペースト状組成物を支持フィルム上に塗布して膜形成材料層を形成し、支持フィルム上に形成された膜形成材料層を、電極が固定されたガラス基板の表面に転写し、転写された膜形成材料層を焼成することにより、前記ガラス基板の表面に誘電体層を形成する方法が開示されている(特許文献1〜4)。
放電空間を保持するバリアリブ9は、放電空間をできるだけ大きくして高輝度の発光を得るため高さの高い障壁であることが要求されており、通常100〜300μm程度の高さが必要である。従来、バリアリブ9は、ガラスペーストをリブパターン形成用印刷版を用いてスクリーン印刷により誘電体層8上に塗布し、乾燥する工程を十数回繰返すことによりガラス樹脂組成物層を形成し、該ガラス樹脂組成物層を焼結することにより形成されていた。ここで、スクリーン印刷による1回あたりの膜厚を厚くすると、塗膜の周辺部がダレて形状不良を起こすため、1回あたりの膜厚を10〜30μm程度としていた。そのため、前記バリアリブの形成方法は、ガラスペーストのスクリーン印刷、その後の乾燥を繰返し行う必要があり、バリアリブの形成精度が悪く、また生産性が悪いという問題を有していた。
上記問題を解決する方法として、ベースフィルム上に障壁形成層を備えた転写シートからその障壁形成層をガラス基板上に転写し、転写された障壁形成層の上面にレジストパターンを形成し、該レジストパターンの開口部の障壁形成材料をサンドブラスト加工により除去する。その後、障壁形成材料上の残ったレジストを剥離し、焼成により障壁形成材料を焼結して障壁を形成する方法が開示されている(特許文献5)。そして、ベースフィルムとしては、シリコン処理が施されたPETフィルムを用いることが記載されている。
また、バリアリブ用粘着シートを背面ガラス基板に貼着し、150〜350℃で予備焼成した後、サンドブラストによりバリアリブ形状を形成し、さらに400〜750℃で焼成するバリアリブの形成方法が開示されている(特許文献6)。そして、バリアリブ用粘着シートの片面に支持フィルムを積層し、他面に保護フィルムを積層することが好ましいことが記載されている。支持フィルムや保護フィルムとしては、シリコーン樹脂により剥離処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、及びポリエチレンフィルムが挙げられている。
また、ベースフィルムと、該ベースフィルム上に剥離可能に設けられた転写層と、該転写層上に設けられた応力吸収層とを備え、障壁等の高精度な膜厚パターン形成が可能な転写シートが開示されている(特許文献7)。そして、ベースフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルムなどの樹脂フィルムにシリコン処理やコロナ処理を施したものが挙げられている。
さらに、予めベースフィルム上に障壁形成層を形成した障壁形成層作製用転写シートを使用して、誘電体層形成層上に障壁形成層を形成する工程を含むPDPの形成方法が開示されている(特許文献8)。そして、ベースフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ナイロン等の各フィルムが挙げられている。また、前記フィルム上には剥離層を有してもよいことが記載されている。剥離層としては、ポリエチレンワックス、テフロンパウダー、シリコーンワックス、シリコーンオイル、及びシリコーン樹脂などが例示されている。
ここで、前記障壁形成層は、無機粉体とバインダ樹脂とを含有しているが、サンドブラスト処理による切削性をよくするため、また焼結後のバリアリブに有機物が残存しないように、通常バインダ樹脂の添加量は無機粉体に比べてかなり少量に調整されている。そのため、障壁形成層は、可とう性に乏しく、非常に脆いという欠点がある。
上記理由により、特許文献5〜8に記載されているようなベースフィルム上に障壁形成層を設けた転写シートは、特定の大きさに切断したり、打ち抜いたりした際に、障壁形成層表面の切断部に割れや欠けが発生して目的とする形状の障壁形成層が得られないという問題があった。また、切断時に切断面から発生する粉塵により作業環境が悪くなるという問題があった。さらに、ガラス基板上への障壁形成層の転写性が極めて悪く、作業性に劣るという問題もあった。
特開平9−102273号公報 特開平11−35780号公報 特開2001−185024号公報 国際公開第00/42622号パンフレット 特開平8−273536号公報 特開平11−185603号公報 特開平11−260250号公報 特開平10−144206号公報
本発明は、このような従来技術の課題を解決したものであって、切断や打ち抜き加工等を施した際に、ガラス樹脂組成物層の周端部に割れや欠けが発生することのなく、加工性、作業性、及び転写性に優れるバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シートを提供することを目的とする。また、前記転写シートを用いたPDP用背面基板の製造方法、該製造方法によって得られるPDP用背面基板、及びPDPを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下に示すバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シート(以下、転写シートともいう)により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、無機粉体及びバインダ樹脂を含有するガラス樹脂組成物層の片面側に無機粉体を含有しない粘弾性層Aが少なくとも積層されており、かつ前記ガラス樹脂組成物層の他面側にはベースフィルムが積層されており、前記ベースフィルムは、基材上に粘着剤層を有することを特徴とするバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シート、に関する。
また、本発明は、無機粉体及びバインダ樹脂を含有するガラス樹脂組成物層の片面側に無機粉体を含有する粘弾性層Bが少なくとも積層されており、かつ前記ガラス樹脂組成物層の他面側にはベースフィルムが積層されており、前記ベースフィルムは、基材上に粘着剤層を有することを特徴とするバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シート、に関する。
前記転写シートにおいては、ガラス樹脂組成物層と粘弾性層Bとの間にバリア層を有することが好ましい。
本発明者らは、転写シートに使用するベースフィルムとして、基材上に粘着剤層を有するベースフィルムを用いることにより、該転写シートを切断したり、打ち抜いた際に、ガラス樹脂組成物層表面の切断部における割れや欠けの発生を防止することができ、また切断時に切断面から発生する粉塵の飛散を抑制することができることを見出した。
従来のベースフィルムは、単なるプラスチックフィルムや、基材上に剥離処理を施したものであり、ベースフィルムとガラス樹脂組成物層(障壁形成層)との密着性が不十分であったため、切断時や打ち抜き時にガラス樹脂組成物層の表面を十分に固定し、保護することができなかったと考えられる。そのため、切断時や打ち抜き時にガラス樹脂組成物層表面に生じた小さなクラックが次第に大きく成長し、その結果割れや欠けになったと考えられる。
一方、本発明において用いられるベースフィルムは、粘着剤層を有するためベースフィルムとガラス樹脂組成物層との密着性に優れ、切断時や打ち抜き時にガラス樹脂組成物層の表面を十分に固定し、保護することができる。また、粘着剤層の粘弾性によって、切断時や打ち抜き時の切断刃のせん断応力が分散されるため、ガラス樹脂組成物層のクラックや割れや欠けを防止できると考えられる。
本発明の転写シートは、ガラス樹脂組成物層の片面側に無機粉体を含有しない粘弾性層A(以下、粘弾性層Aともいう)又は無機粉体を含有する粘弾性層B(以下、粘弾性層Bともいう)が積層されており、電極を有するガラス基板上にバリアリブと誘電体層とを一体形成するために用いられる。また、ガラス樹脂組成物層の片面側に粘弾性層A又は粘弾性層Bを設けることにより、バリアリブと誘電体層とを一体形成することができるだけでなく、粘弾性層A及び粘弾性層Bは粘弾性を有するため上記粘着剤層と同様の効果を発現し、さらにガラス樹脂組成物層の転写性を向上させることもできる。
本発明の別の転写シートは、ガラス樹脂組成物層と粘弾性層Bとの間にバリア層が設けられており、電極を有するガラス基板上にバリアリブと誘電体層とを一体形成するために好適に用いられる。また、ガラス樹脂組成物層と粘弾性層Bとの間にバリア層を設けることにより、バリアリブと誘電体層とを一体形成することができるだけでなく、バリア層は粘弾性を有するため上記粘着剤層と同様の効果を発現し、さらにガラス樹脂組成物層の転写性を向上させることもできる。
本発明の転写シートを用いると、ガラス樹脂組成物層に形状の欠陥が生じることがないため、形状精度の高いバリアリブを形成することができる。
本発明のPDP用背面基板の製造方法は、電極を有するガラス基板上に請求項1記載のバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シートの粘弾性層Aを貼り合わせる貼付け工程、該転写シートからベースフィルムを剥離する剥離工程、ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することにより、バリアリブ形成隔壁と、電極を被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、バリアリブ形成隔壁と誘電体層形成膜とを焼結することにより、バリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含む。
本発明の別のPDP用背面基板の製造方法は、金属ペーストからなる電極パターンをガラス基板上に形成する電極パターン形成工程、電極パターンを有するガラス基板上に請求項1記載のバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シートの粘弾性層Aを貼り合わせる貼付け工程、該転写シートからベースフィルムを剥離する剥離工程、ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することにより、バリアリブ形成隔壁と、電極パターンを被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、電極パターン、バリアリブ形成隔壁、及び誘電体層形成膜を焼結することにより、電極を形成し、かつバリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含む。
本発明の別のPDP用背面基板の製造方法は、電極を有するガラス基板上に請求項2記載のバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シートの粘弾性層Bを貼り合わせる貼付け工程、該転写シートからベースフィルムを剥離する剥離工程、ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することにより、バリアリブ形成隔壁と、電極を被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、バリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層Bを焼結することにより、バリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含む。
本発明の別のPDP用背面基板の製造方法は、金属ペーストからなる電極パターンをガラス基板上に形成する電極パターン形成工程、電極パターンを有するガラス基板上に請求項2記載のバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シートの粘弾性層Bを貼り合わせる貼付け工程、該転写シートからベースフィルムを剥離する剥離工程、ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することにより、バリアリブ形成隔壁と、電極パターンを被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、電極パターン、バリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層Bを焼結することにより、電極を形成し、かつバリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含む。
本発明の別のPDP用背面基板の製造方法は、電極を有するガラス基板上に請求項3記載のバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シートの粘弾性層Bを貼り合わせる貼付け工程、該転写シートからベースフィルムを剥離する剥離工程、該ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することにより、バリアリブ形成隔壁と、電極を被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、バリア層を熱分解除去すると共に、バリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層Bを焼結することにより、バリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含む。
本発明の別のPDP用背面基板の製造方法は、金属ペーストからなる電極パターンをガラス基板上に形成する電極パターン形成工程、電極パターンを有するガラス基板上に請求項3記載のバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シートの粘弾性層Bを貼り合わせる貼付け工程、該転写シートからベースフィルムを剥離する剥離工程、該ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することにより、バリアリブ形成隔壁と、電極パターンを被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、バリア層を熱分解除去すると共に、電極パターン、バリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層Bを焼結することにより、電極を形成し、かつバリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含む。
前記製造方法において、パターン形成工程が、ガラス樹脂組成物層上にフォトレジスト層とパターン形成用マスクとを積層し、パターン形成用マスクを介してフォトレジスト層を露光・現像してレジストパターンを形成する工程であることが好ましい。
また、前記製造方法において、サンドブラスト工程と焼成工程との間に、ガラス樹脂組成物層上のレジストパターンを除去する工程を含むことが好ましい。
また本発明は、前記方法により製造されるPDP用背面基板に関する。
さらに本発明は、前記PDP用背面基板を用いたPDPに関する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シート16Aは、無機粉体及びバインダ樹脂を含有するガラス樹脂組成物層11の片面側に無機粉体を含有しない粘弾性層15A又は無機粉体を含有する粘弾性層15Bが少なくとも積層されており、他面側に、基材12上に粘着剤層13を有するベースフィルム14が積層されたものである。前記転写シート16Aは、図2に示すように、粘弾性層15A又は粘弾性層15B上に、保護フィルム17を有することが好ましい。粘弾性層上に保護フィルムを設けることにより、転写シートをロール状に巻き取った状態で保存し、供給することができる。さらに、転写するまでの間、粘弾性層の表面を埃等から保護することができる。
また、本発明のバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シート16Bは、無機粉体及びバインダ樹脂を含有するガラス樹脂組成物層11の片面側に、バリア層18と、無機粉体を含有する粘弾性層15Bとが少なくとも積層されており、他面側に、基材12上に粘着剤層13を有するベースフィルム14が積層されたものである。前記転写シート16Bは、図3に示すように、粘弾性層15B上に、保護フィルム17を有することが好ましい。その理由は上記と同様である。
ガラス樹脂組成物層11は、無機粉体及びバインダ樹脂を少なくとも含有する。
無機粉体は、公知のものを特に制限なく用いることができ、具体的には、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化亜鉛、ガラス粉末などが挙げられる。無機粉体の平均粒子径は0.1〜30μmであることが好ましい。
本発明においては、無機粉体としてガラスフリットを用いることが好ましい。ガラスフリットとしては公知のものを特に制限なく用いることができる。例えば、1)酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化珪素(ZnO−B23−SiO2系)の混合物、2)酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化珪素、酸化アルミニウム(ZnO−B23−SiO2−Al23系)の混合物、3)酸化鉛、酸化ホウ素、酸化珪素、酸化カルシウム(PbO−B23−SiO2−CaO系)の混合物、4)酸化鉛、酸化ホウ素、酸化珪素、酸化アルミニウム(PbO−B23−SiO2−Al23系)の混合物、5)酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化珪素(PbO−ZnO−B23−SiO2系)の混合物、6)酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化珪素、酸化アルミニウム(PbO−ZnO−B23−SiO2−Al23系)の混合物などを挙げることができる。また、必要に応じてこれらにNa2O、CaO、BaO、Bi23、SrO、TiO2、CuO、又はIn23などを添加したものであってもよい。使用するガラスフリットは、焼結時にガラス基板との熱膨張係数の違いによる歪みが生じにくく、ガラス基板に変形を生じない温度で焼結できる低融点のものが好ましい。焼結処理により誘電体層とバリアリブとを一体形成することを考慮すると、軟化点が400〜650℃であるガラスフリットが好ましい。
バインダ樹脂は特に制限されず公知のものを用いることができるが、無機粉体の分散性がよく、ガラス樹脂組成物層の凝集性を向上させることができ、焼成工程において熱分解により完全に除去されるものが好ましい。具体的には、(メタ)アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、セルロース系樹脂などが挙げられる。
前記(メタ)アクリル系樹脂は、アクリル系モノマー又はメタクリル系モノマーの1種モノマーの重合体、前記モノマーの共重合体、又はそれらの混合物である。前記モノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレ−ト、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレートなどのアリール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、水酸基やカルボキシル基などの極性基を有する(メタ)アクリル系モノマーを用いてもよい。該極性基を有する(メタ)アクリル系モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、イミノール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ビニル系樹脂としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルメチルエーテルなどのポリビニルアルキルエーテルなどが挙げられる。
セルロース系樹脂としては、酢酸セルロース、及び酪酸セルロールなどのセルロースエステル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。
バインダ樹脂は、無機粉体100重量部に対して10重量部以下添加することが好ましく、さらに好ましくは8重量部以下であり、特に好ましくは5重量部以下である。バインダ樹脂の添加量が10重量部を超える場合には、ガラス樹脂組成物層の硬度が低下するためサンドブラスト処理においてガラス樹脂組成物層を切削しにくくなり、それによりサンドブラスト処理の効率が悪くなったり、精度の高いバリアリブを形成することが困難になる傾向にある。また、バインダ樹脂は、無機粉体100重量部に対して0.3重量部以上添加することが好ましく、さらに好ましくは0.5重量部以上であり、特に好ましくは0.7重量部以上である。バインダ樹脂の添加量が0.3重量部未満の場合には、ガラスペースト組成物をシート状に形成することが困難になる傾向にある。
無機粉体及びバインダ樹脂を含有する組成物をベースフィルム上に塗布してガラス樹脂組成物層を形成する場合には、ベースフィルム上に均一に塗布できるように該組成物中に溶剤を加えることが好ましい。
溶剤としては、無機粉体との親和性がよく、且つ、バインダ樹脂との溶解性がよいものであれば特に制限されるものではない。例えば、テルピネオール、ジヒドロ−α−テルピネオール、ジヒドロ−α−テルピニルアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、テレビン油、ジエチルケトン、メチルブチルケトン、ジプロピルケトン、シクロへキサノン、n−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、シクロへキサノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコ−ルモノメチルエーテル、エチレングリコ−ルモノエチルエーテル、エチレングリコ−ルモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸−n−ブチル、酢酸アミル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール−1−イソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール−3−イソブチレートなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、任意の割合で2種類以上を併用してもよい。
溶剤の添加量は、無機粉体100重量部に対して、10〜100重量部であることが好ましい。
また、ガラス樹脂組成物層には、可塑剤を添加してもよい。可塑剤を添加することにより、無機粉体及びバインダ樹脂を含有する組成物をベースフィルム上に塗布してガラス樹脂組成物層を形成した転写シートの可とう性や柔軟性、ガラス樹脂組成物層の転写性などを調整することができる。
可塑剤としては、公知のものを特に制限なく使用することができる。例えば、ジイソノニルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジブチルジグリコールアジペ−トなどのアジピン酸誘導体、ジ−2−エチルヘキシルアゼレートなどのアゼライン酸誘導体、ジ−2−エチルヘキシルセバケートなどのセバシン酸誘導体、トリ(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリオクチルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテートなどのトリメリット酸誘導体、テトラ−(2−エチルヘキシル)ピロメリテートなどのピロメリット酸誘導体、プロピレングリコールモノオレートなどのオレイン酸誘導体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール系可塑剤などが挙げられる。
可塑剤の添加量は、無機粉体100重量部に対して、5重量部以下であることが好ましく、さらに好ましくは3重量部以下、特に好ましくは1重量部以下である。可塑剤の添加量が5重量部を超えると、得られるガラス樹脂組成物層の強度や硬度が低下してしまい、サンドブラスト処理においてガラス樹脂組成物層を切削しにくくなるため好ましくない。
ガラス樹脂組成物層には、上記の成分の他、分散剤、シランカップリング剤、粘着性付与剤、レベリング剤、安定剤、消泡剤などの各種添加剤を添加してもよい。また、形成されるバリアリブの外光反射を低減し、コントラストを向上させるために黒色顔料や白色顔料を添加してもよい。
粘弾性層15Aは、転写シートに柔軟性を付与してガラス樹脂組成物層11の転写性を向上させる機能と、ガラス樹脂組成物層11を電極又は電極パターンを有するガラス基板上に保持する機能と、ガラス樹脂組成物層11をサンドブラスト処理することにより、ガラス基板上の電極又は電極パターンを被覆する薄い誘電体層形成膜を形成する機能とを有する層である。また、粘弾性層15Aは粘着性を有するため、転写シートを切断したり、打ち抜いた際に、ガラス樹脂組成物層表面の切断部における割れや欠けの発生を防止することができ、さらに切断時に切断面から発生する粉塵の飛散も抑制することができる。
前記粘弾性層15Aは、無機粉体を含有しないものであり、その形成材料としては、例えば、アクリル系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の各種の粘着剤組成物(感圧性接着剤)や、常温では粘着性を示さないが加熱により粘着性を示す感熱性接着剤等が挙げられるがこれらに限定されない。
アクリル系粘着剤はアクリル系ポリマーをベースポリマーとしており、該アクリル系ポリマーに使用されるモノマーとしては、各種(メタ)アクリル酸アルキルを使用できる。例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、イソオクチルエステル、イソノニルエステル、イソデシルエステル、ドデシルエステル、ラウリルエステル、トリデシルエステル、ペンタデシルエステル、ヘキサデシルエステル、ヘプタデシルエステル、オクタデシルエステル、ノナデシルエステル、エイコシルエステル等の炭素数1〜20のアルキルエステル)を例示でき、これらを単独もしくは組合せて使用できる。
また、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとともに、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等のヒドロキシル基含有単量体;N−メチロールアクリルアミド等のアミド基含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有単量体;酢酸ビニル等のビニルエステル類;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体などを共重合モノマーとして用いることができる。なお、アクリル系ポリマーの重合法は特に制限されず、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、UV重合などの公知の重合法を採用できる。
ゴム系粘着剤のベースポリマーとしては、たとえば、天然ゴム、イソプレン系ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴム、再生ゴム、ポリイソブチレン系ゴム、さらにはスチレン−イソプレン−スチレン系ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン系ゴム等があげられる。
シリコーン系粘着剤のベースポリマーとしては、たとえば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等があげられる。
感熱性接着剤のベースポリマーとしては、たとえば、セルロース樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体等が挙げられる。
前記粘着剤には、架橋剤を添加することができる。架橋剤としては、ポリイソシアネート化合物、ポリアミン化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。さらに前記粘着剤には、必要に応じて、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤等を適宜に使用することもできる。
粘弾性層15Bは、前記粘弾性層15Aの各機能に加え、粘弾性層15Bは無機粉体を含有しているため、粘弾性層15Bを焼結することにより誘電体層となり、焼成後に電極を確実に被覆する機能を有する。
前記粘弾性層15Bは、無機粉体及び粘弾性樹脂成分を少なくとも含有する。無機粉体としては、電極を保護でき、誘電体層として所望の性能を発現させる公知のものを特に制限なく用いることができ、具体的には、上記ガラス樹脂組成物層に用いられる無機粉体が挙げられる。粘弾性層15Bを焼結して得られる誘電体層と、バリアリブ形成隔壁及び誘電体層形成膜を焼結して得られるバリアリブ及び誘電体層との密着性(親和性)を高めたり、焼結温度を同程度にして焼成工程を効率化するために、粘弾性層15Bに使用する無機粉体とガラス樹脂組成物層に使用する無機粉体は、同様の組成のものであることが好ましい。
粘弾性樹脂成分は、無機粉体を均一に分散保持でき、無機粉体を含有する粘弾性層15Bに十分な粘弾性を付与することのできる材料であれば特に制限されない。粘弾性樹脂成分としては、例えば、上記粘弾性層15Aの形成に用いられるアクリル系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の各種の粘着剤組成物(感圧性接着剤)や、常温では粘着性を示さないが加熱により粘着性を示す感熱性接着剤や、無機粉体用バインダーとして用いられる(メタ)アクリル系樹脂等を使用することができる。
粘弾性樹脂成分は、無機粉体100重量部に対して3〜100重量部添加することが好ましく、さらに好ましくは5〜80重量部であり、特に好ましくは10〜60重量部である。粘弾性樹脂成分の添加量が3重量部未満の場合には、無機粉体を均一に分散することができないため粘弾性層15Bをシート状に形成することが困難になるだけでなく、粘弾性層15Bの柔軟性が不十分になって転写シートの転写性が悪くなる傾向にある。
一方、粘弾性樹脂成分の添加量が100重量部を超える場合には、焼成後にガラス基板上に有機成分が残存し、PDP用背面基板の品質が低下する恐れがある。また、粘弾性層15Bの強度が低くなるため、転写シートをガラス基板上に貼り合わせる際に貼り合せ位置がずれやすくなる傾向にある。さらには、粘弾性層15Bの粘弾性が顕著になり、ガラス樹脂組成物層の切削効率が悪くなる傾向にある。
前記粘弾性樹脂成分には、架橋剤を添加することができる。架橋剤としては、ポリイソシアネート化合物、ポリアミン化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。さらに前記粘着剤には、必要に応じて、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤等を適宜に使用することもできる。
バリア層18は、転写シートに柔軟性を付与してガラス樹脂組成物層11の転写性を向上させる機能と、ガラス樹脂組成物層11をサンドブラスト処理することにより、バリア層18上に薄い誘電体層形成膜を形成する機能と、サンドブラスト処理により粘弾性層15Bが切削されることを防止する機能とを有する層である。また、バリア層18は粘着性を有するため、転写シートを切断したり、打ち抜いた際に、ガラス樹脂組成物層表面の切断部における割れや欠けの発生を防止することができ、さらに切断時に切断面から発生する粉塵の飛散も抑制することができる。
バリア層18を形成する材料は特に制限されず、例えば、前記粘弾性層15Aの形成材料と同様の材料を使用することができる。
ベースフィルム14は、基材12上に粘着剤層13が形成されたものである。
基材12としては、従来から使用されているプラスチックフィルムを特に制限なく使用することができる。例えば、セロハン、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ナイロンフィルム、アセテートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリビニルフルオライドフィルムなどの含フッ素樹脂などが挙げられる。これらの中で、耐溶剤性、可とう性、耐熱性、コスト、及び環境面の観点からポリエステルフィルムを用いることが好ましい。
基材12の厚さは特に制限されないが、ガラス樹脂組成物層の保持性、強度、及び可とう性等の観点から、25〜100μm程度であることが好ましく、さらに好ましくは38〜100μm程度である。
粘着剤層13の形成材料としては、例えば、天然ゴム、合成イソプレンゴム、再生ゴム、SBRゴム、スチレン−イソプレン−スチレンゴム、及びポリイソブチレンゴムなどのゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系等の各種粘着剤が挙げられる。なかでも、耐熱性や貼り付け後の経時変化が少なく、剥離性が良好なアクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ましい。
前記アクリル系ポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体または必要に応じ凝集力、耐熱性などの改質を目的として(メタ)アクリル酸アルキルエステルに共重合性モノマーを共重合した共重合体が用いられる。なお、(メタ)アクリル酸エステルとはアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルをいう。(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基としては、炭素数4〜12ものが好ましく、例えば、メチル、エチル、ブチル、2−エチルヘキシル、オクチル、及びイソノニルなどがあげられる。調製されるアクリル系ポリマーは、前記主モノマーを70重量%以上含有していることが好ましく、さらに好ましくは80重量%以上である。
共重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル(例えば、ヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシブチルエステル、ヒドロキシヘキシルエステル等)、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸N−ヒドロキシメチルアミド、(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルエステル(例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、t −ブチルアミノエチルメタクリレート等)、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。これら共重合性モノマーは、1種又は2種以上を使用できる。
さらに、前記アクリル系ポリマーは、架橋させるため、多官能性モノマーなども、必要に応じて共重合用モノマー成分として含むことができる。
前記アクリル系ポリマーは、単一モノマー又は2種以上のモノマー混合物を重合すことにより得られる。重合は、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合等の何れの方式で行うこともできる。
前記粘着剤には、凝集力を高めるために架橋剤を適宜加えることもできる。架橋剤としては、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、メラミン樹脂、エーテル化メラミン樹脂、尿素樹脂、酸無水物、エーテル化アミノ樹脂、ポリアミン、カルボキシル基含有ポリマーなどがあげられる。
架橋剤を使用する場合、その使用量は、ベースポリマー100重量部に対して、0.01〜20重量部程度配合するのが好ましい。また、粘着剤層を形成する粘着剤には、必要により、前記成分のほかに、従来公知の各種の粘着付与剤、老化防止剤、充填剤、老化防止剤、着色剤等の慣用の添加剤を含有させてもよい。
ガラス樹脂組成物層からの剥離性を向上させるため、粘着剤は、紫外線、電子線等により硬化する放射線硬化型粘着剤としてもよい。また、加熱発泡型粘着剤としてもよい。なお、粘着剤として放射線硬化型粘着剤を用いる場合には、転写シートをガラス基板に貼り合せた後にベースフィルムの粘着剤層に放射線を照射する必要があるため、ベースフィルムの基材は十分な放射線透過性を有するものであることが好ましい。
放射線硬化型粘着剤としては、炭素−炭素二重結合等の放射線硬化性の官能基を有し、かつ粘着性を示すものを特に制限なく使用することができる。放射線硬化型粘着剤としては、例えば、前述のアクリル系ポリマーに、放射線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分を配合した放射線硬化性粘着剤を例示できる。
配合する放射線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1 ,6 −へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化物;エステルアクリレートオリゴマー;2 −プロペニル−ジ−3 −ブテニルシアヌレート、トリス(2 −メタクリロキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌレート又はイソシアヌレート化合物等があげられる。
放射線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分の配合量は、特に制限されるものではないが、粘着力を高めることを考慮すると、粘着剤を構成するアクリル系ポリマー等のベースポリマー100重量部に対して、30〜150重量部であることが好ましく、さらに好ましくは50〜120重量部である。
また、放射線硬化型粘着剤としては、ベースポリマーとして、炭素−炭素二重結合をポリマー側鎖または主鎖中もしくは主鎖末端に有するものを用いることもできる。このようなベースポリマーとしては、アクリル系ポリマーを基本骨格とするものが好ましい。この場合においては、放射線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分を特に加えなくてもよく、その使用は任意である。
前記放射線硬化型粘着剤には、紫外線線等により硬化させる場合には光重合開始剤を含有させる。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン等の芳香族ケトン類;ベンジルジメチルケタール等の芳香族ケタール類;ポリビニルベンゾフェノン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン類等が挙げられる。光重合開始剤の配合量は、粘着剤を構成するアクリル系ポリマー等のベースポリマー100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。
粘着剤層13の厚さは特に制限されないが、ガラス樹脂組成物層の保持性やガラス樹脂組成物層との密着性を考慮すると、0.5〜50μmであることが好ましく、さらに好ましくは1〜30μmである。
ベースフィルム14は、基材上に前記粘着剤を塗布し、乾燥等することにより形成することができる。
保護フィルム17の形成材料としては、前記プラスチックフィルムを使用することができる。保護フィルム17の表面には離型処理が施されていることが好ましい。これにより、転写シート16A(16B)をガラス基板上に転写する際に、保護フィルム17の剥離操作を容易に行うことができる。
保護フィルム17の厚さは特に制限されないが、強度や柔軟性等の観点から25〜100μm程度であることが好ましい。
本発明のバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シート16Aの製造方法は特に制限されないが、例えば、まず無機粉体及びバインダ樹脂を含有するガラス樹脂組成物をベースフィルム14の粘着剤層13上に塗布し、溶剤を乾燥除去してガラス樹脂組成物層11を形成する。その後、形成したガラス樹脂組成物層11上に、直接、粘着剤(接着剤)組成物を塗布し、乾燥して粘弾性層15A(15B)を形成することにより転写シート16Aを製造することができる(直写法)。また、剥離ライナに粘着剤(接着剤)組成物を塗布し、乾燥して形成した粘弾性層15A(15B)を、ベースフィルム14上に形成したガラス樹脂組成物層11に転写して製造してもよい(転写法)。また、保護フィルム17に粘着剤(接着剤)組成物を塗布し、乾燥して形成した粘弾性層15A(15B)をガラス樹脂組成物層11上に貼り合せてもよい。
本発明のバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シート16Bの製造方法は特に制限されないが、例えば、まず無機粉体及びバインダ樹脂を含有するガラス樹脂組成物をベースフィルム14の粘着剤層13上に塗布し、溶剤を乾燥除去してガラス樹脂組成物層11を形成する。その後、ガラス樹脂組成物層11上に、直接、バリア層形成組成物を塗布し、溶剤を含有している場合には乾燥してバリア層18を形成する。さらに、形成したバリア層18上に粘弾性層形成組成物を塗布し、溶剤を含有している場合には乾燥して粘弾性層15Bを形成することにより転写シート16Bを製造することができる(直写法)。また、剥離ライナ上に粘弾性層15Bとバリア層18とをこの順で形成して積層体を製造し、該積層体をガラス樹脂組成物層11上に転写して転写シート16Bを製造してもよい(転写法)。また、保護フィルム17上に粘弾性層15Bとバリア層18とをこの順で形成して積層体を製造し、該積層体をガラス樹脂組成物層11上に貼り合せてもよい。
ガラス樹脂組成物層11の形成材料であるペースト状組成物をベースフィルム14上に塗布する方法としては、例えば、グラビア、キス、コンマなどのロ−ルコ−タ−、スロット、ファンテンなどのダイコータ−、スクイズコータ−、カーテンコータ−などの塗布方法を採用することができるが、フィルム上に均一な塗膜を形成できればいかなる方法でもよい。
ガラス樹脂組成物層11の厚さは、無機粉体の含有率、パネルの種類やサイズ、放電空間の大きさ(バリアリブの高さ)等によって異なるが、50〜400μmであることが好ましく、さらに好ましくは80〜300μmである。
粘弾性層15A(15B)やバリア層18の形成材料である粘着剤(接着剤)組成物をガラス樹脂組成物層11や保護フィルム17上等に塗布する方法としては、前記塗布方法を採用することができるが、均一な塗膜を形成できればいかなる方法でもよい。
粘弾性層15Aの厚さ(乾燥膜厚)は、ガラス樹脂組成物層との密着力や、ガラス樹脂組成物層をガラス基板上に保持するために必要とされる保持力(粘着力)や、電極又は電極パターンの被覆に要求される誘電体層形成膜の厚さに応じて適宜決定されるが、通常0.5〜20μmであることが好ましく、さらに好ましくは1〜10μm、特に好ましくは1〜5μmである。粘弾性層15Aの厚さが0.5μm未満の場合には、ガラス樹脂組成物層との密着性が十分に得られないため、転写シートを切断したり、打ち抜いた際に、ガラス樹脂組成物層表面の切断部に割れや欠けが発生しやすくなる傾向にある。また、粘着力が十分でないため、転写シートをガラス基板に貼り合わせた際に剥がれや浮きが発生する傾向にある。また、転写シートの可とう性が不十分となり、転写シートの転写性が低下する傾向にある。さらに、粘弾性層15Aが十分な粘弾性を有しないため、サンドブラスト処理において必要以上にガラス樹脂組成物層が切削されて誘電体層形成膜の厚さが薄くなり過ぎ、該誘電体層形成膜を焼結して得られる誘電体層の膜厚が不十分となって所望の誘電特性を確保することができない傾向にある。一方、粘弾性層15Aの厚さが20μmを超える場合には、焼成後にガラス基板上に有機成分が残存し、PDP用背面基板の品質が低下する傾向にある。また、粘弾性層15Aの強度が低くなるため、転写シートをガラス基板に貼り合わせる際に貼り合わせ位置がずれやすくなる傾向にある。さらには、粘弾性層15Aの粘弾性が大きくなるため、サンドブラスト処理においてガラス樹脂組成物層が切削されにくくなる傾向にある。そのため、高さの高いバリアリブを形成すること(放電空間を十分に確保すること)が困難になったり、ガラス樹脂組成物層の切削効率が悪くなる傾向にある。
粘弾性層15Bの厚さ(乾燥膜厚)は、ガラス樹脂組成物層との密着力や、ガラス樹脂組成物層をガラス基板上に保持するために必要とされる保持力(粘着力)や、電極又は電極パターンの被覆に要求される誘電体層形成膜の厚さや、粘弾性層15Bを焼結してなる誘電体層の厚さ等に応じて適宜決定されるが、5〜100μmであることが好ましく、さらに好ましくは10〜50μm、特に好ましくは15〜50μmである。粘弾性層15Bの厚さが5μm未満の場合には、電極を被覆する誘電体層の総膜厚が不十分となって所望の誘電特性を確保することができない傾向にある。一方、粘弾性層15Bの厚さが100μmを超える場合には、焼成後にガラス基板上に有機成分が残存し、PDP用背面基板の品質が低下する傾向にある。また、粘弾性層15Bの強度が低くなるため、転写シートをガラス基板に貼り合わせる際に貼り合わせ位置がずれやすくなる傾向にある。さらに、粘弾性層15Bの粘弾性が大きくなるため、サンドブラスト処理においてガラス樹脂組成物層が切削されにくくなる傾向にある。そのため、高さの高いバリアリブを形成すること(放電空間を十分に確保すること)が困難になったり、ガラス樹脂組成物層の切削効率が悪くなる傾向にある。特に、バリア層の粘弾性が十分大きい場合には、その相乗効果によりさらにガラス樹脂組成物層が切削されにくくなる傾向にある。
バリア層18の厚さ(乾燥膜厚)は、電極の被覆に要求される誘電体層形成膜の厚さに応じて適宜決定されるが、0.1〜30μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜20μmであり、特に好ましくは1〜15μmである。バリア層の厚さが0.1μm未満の場合には、ガラス樹脂組成物層との密着性が十分に得られないため、転写シートを切断したり、打ち抜いた際に、ガラス樹脂組成物層表面の切断部に割れや欠けが発生しやすくなる傾向にある。また、バリア層が十分な粘弾性を有しないため、サンドブラスト処理において必要以上にガラス樹脂組成物層及び粘弾性層15Bが切削されて、電極を被覆するための誘電体層の膜厚が不十分となって所望の誘電特性を確保することができない場合がある。一方、バリア層の厚さが30μmを超える場合には、焼成後にガラス基板上に有機成分が残存し、PDP用背面基板の品質が低下する傾向にある。また、バリア層の粘弾性が顕著になり、サンドブラスト処理においてガラス樹脂組成物層が切削されにくくなる傾向にある。そのため、高さの高いバリアリブを形成すること(放電空間を十分に確保すること)が困難になったり、ガラス樹脂組成物層の切削効率が悪くなる傾向にある。
以下に、前記転写シート16A又は16Bを用いたPDP用背面基板の製造方法を示す。図4は、転写シート16Aを用いたPDP用背面基板の製造方法の一例を示す製造工程図である。
図4中の(1)は、ガラス基板20上に電極19a又は電極パターン19bが形成された電極付きガラス基板の構造を示す図である。ガラス基板20上に電極パターン19bを形成する方法は特に制限されず、公知の方法を採用することができる。例えば、電極の形成材料である金属ペーストをスクリーン印刷法によりガラス基板上に塗布して電極パターンを形成する方法、公知のコーティング法により金属ペーストをガラス基板上に塗布してフォトリソグラフィー法により電極パターンを形成する方法などが挙げられる。金属ペーストは、従来使用されている材料を特に制限なく使用可能であり、例えば、電極となる金属、有機バインダ、有機溶剤、低融点ガラス粉末などを混合したものが挙げられる。金属としては、例えば、銀、銅、アルミニウム、及びクロムなどが挙げられる。有機バインダとしては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、及びセルロース系樹脂などが挙げられる。
ガラス基板20上に電極19aを形成する方法は特に制限されず、公知の方法を採用することができる。例えば、上記方法でガラス基板上に電極パターンを形成した後に、電極パターンを焼結して電極を形成する方法、CVDやスパッタなどの成膜法により金属膜を成膜し、エッチング法やリフトオフ法によりパターンニングして電極を形成する方法が挙げられる。
一方、例えば、前記ロール状転写シート16Aを巻き戻し、該シートを切断又は打ち抜く等して、所定の大きさの転写シート16Aを得る。本発明の転写シート16Aは、粘着剤層を有するベースフィルムや粘弾性層15A(15B)を使用しているため、前記切断や打ち抜き時にガラス樹脂組成物層表面の切断部に割れや欠けが発生することがない。
工程(a)は、電極19a又は電極パターン19bを有するガラス基板20上に前記転写シート16Aの粘弾性層15A(15B)を貼り合わせる貼付け工程である。前記転写シート16Aが保護フィルム17を有する場合には、保護フィルム17を剥離した後に粘弾性層15A(15B)を貼り合わせる。粘弾性層15A(15B)を貼り合わせた後、該転写シート16Aからベースフィルム14を剥離して転写する。転写条件としては、例えば、ラミネーターの表面温度25〜100℃、ロール線圧0.5〜15kg/cm、移動速度0.1〜5m/分であるが、これら条件に限定されるものではない。また、ガラス基板は予熱されていてもよく、予熱温度は50〜150℃程度である。ベースフィルム14の粘着剤層13が放射線硬化型粘着剤により形成されている場合には、剥離する前に紫外線や電子線等を照射して粘着剤を硬化させる。それにより、ガラス樹脂組成物層11からのベースフィルム14の剥離性を向上させることができる。
工程(b)〜(d)は、ガラス樹脂組成物層11の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程である。工程(b)は、ガラス樹脂組成物層11の面上にフォトレジスト層21を積層する工程である。フォトレジスト層は感光性樹脂を含有するペースト組成物をガラス樹脂組成物層の面上に塗布し、乾燥することにより成膜したり、ドライフィルムレジストを貼り合わせることにより形成することができる。フォトレジスト層は、ポジ型であってもよく、ネガ型であってもよい。ポジ型の場合には、露光部が現像によって除去される。ネガ型の場合には、未露光部が現像によって除去される。図4のPDP用背面基板の製造工程図は、ネガ型のフォトレジストを用いた場合を例示している。レジスト現像時にガラス樹脂組成物層が悪影響を受けないようにするため、水現像型かアルカリ水溶液現像型のフォトレジストを用いることが好ましい。
工程(c)は、フォトレジスト層21上にパターン形成用マスク22を重ね、パターン形成用マスク22を介してフォトレジスト層21を露光する工程である。
工程(d)は、フォトレジスト層21を現像してレジストパターンを形成する工程である。現像することにより、未露光部分は除去され、露光部分は残る。このように工程(b)〜(d)によりガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成することができるが、スクリーン印刷によりガラス樹脂組成物層の面上に直接パターニングすることも可能であり、その場合には工程(b)〜(d)は不要である。ただし、大面積で高精度のパターニングを行う場合には、フォトリソグラフィ法により形成することが好ましい。
工程(e)は、レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することにより、バリアリブ形成隔壁23と、電極又は電極パターンを被覆する誘電体層形成膜24とを一体形成するサンドブラスト工程である。サンドブラスト処理とは、一般的にバリアリブを形成するための方法であり、詳しくは、サンドブラストでは削れないレジストパターンをガラス樹脂組成物層上に形成して、ガラス樹脂組成物層全面にアルミナ、ガラスビーズ、炭酸カルシウムなどの微小粉体(研磨材)を吹き付けることにより、レジストパターンで覆われていないガラス樹脂組成物層を切削してバリアリブ隔壁を形成する方法である。
本発明のPDP用背面基板の製造方法では、ガラス樹脂組成物層11と、電極又は電極パターンを有するガラス基板との間に粘弾性層15A(15B)を設けており、この粘弾性層15A(15B)の特性によりバリアリブ形成隔壁23と、電極又は電極パターンを被覆する誘電体層形成膜24とを一体形成することができる。従来のPDP用背面基板の製造は、ガラス基板上の電極を誘電体層でまず被覆し、その後、誘電体層上にバリアリブを形成していた。つまり誘電体層の形成とバリアリブの形成を別途独立に行っていたため、製造工程が長く、生産効率が非常に悪かった。本発明の製造方法によると、バリアリブ形成隔壁23と誘電体層形成膜24とを同時に一体的に形成することができるため、製造工程を大幅に削減することができ、生産効率を向上させることが可能である。このような顕著な効果が発現する理由は明らかではないが、以下のような理由が考えられる。
つまり、サンドブラスト処理の初期段階では、切削されるガラス樹脂組成物層の表面は硬く、脆く、また弾性をほとんど有さない(クッション性がない)ため、研磨材の有する衝撃エネルギーをガラス樹脂組成物層全体で吸収することができず、その衝撃エネルギーはガラス樹脂組成物層表面の研磨剤との接触部分に集中的に与えられることになる。そのためサンドブラスト処理の初期段階では、ガラス樹脂組成物層がよく切削されると考えられる。しかし、サンドブラスト処理の最終段階に近づいてくると、薄くなったガラス樹脂組成物層の下にある粘弾性を有する(クッション性を有する)粘弾性層の影響により研磨材の有する衝撃エネルギーが分散され、ガラス樹脂組成物層表面の研磨剤との接触部分の衝撃エネルギーが緩和されることになる。そのためガラス樹脂組成物層が切削されにくくなり、誘電体層形成膜となる薄膜が形成されると考えられる。
前記サンドブラスト処理における研磨材の噴射圧力は特に制限されないが、切削効率と高精度のバリアリブ形成隔壁と好適な厚さの誘電体層形成膜とを形成する観点から、0.02〜0.2MPaであることが好ましく、さらに好ましくは0.04〜0.15MPaである。
バリアリブ形成隔壁23の高さは特に制限されないが、通常50〜400μmであり、好ましくは80〜300μmである。また、バリアリブ形成隔壁の上部の線幅も特に制限されないが、通常30〜100μmであり、好ましくは30〜70μmである。
電極又は電極パターンを被覆する誘電体層形成膜24の厚さは特に制限されないが、焼結後の誘電体層の厚さを考慮すると、粘弾性層Aを用いた場合には、1〜30μmであることが好ましく、さらに好ましくは5〜20μmである。一方、粘弾性層Bを用いた場合には、0.1〜30μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜20μmである。
工程(f)は、バリアリブ形成隔壁23上のレジストパターン21を除去する工程である。レジストパターンの除去方法は特に制限されず、公知の方法を採用することができる。例えば、剥離液を用いて剥離する方法や引き剥がす方法が挙げられる。本発明においては、バリアリブ形成隔壁23と誘電体層形成膜24とを焼結する時にレジストパターン21を熱分解除去してもよいが、焼成工程前に予め除去しておくことが好ましい。
工程(g)は、上記方法により形成したバリアリブ形成隔壁23と誘電体層形成膜24とを焼結することにより、バリアリブ25と誘電体層26とを一体形成する焼成工程である。無機粉体を含有する粘弾性層15Bを用いた場合には、粘弾性層15Bも前記焼成工程で同時に焼結されることにより誘電体層26となる。ガラス基板上に電極パターン19bが形成されている場合には、前記焼成工程で電極パターン19bも同時に焼結して電極19aを形成する。本発明の製造方法によると、電極、バリアリブ、及び誘電体層を1回の焼成工程で形成することができるため、生産効率に極めて優れる。
バリアリブと、電極を被覆する誘電体層とを一体形成することができれば焼結の方法は特に制限されず、公知の方法を採用することができる。例えば、上記方法で作成したバリアリブ形成隔壁と誘電体層形成膜と粘弾性層15Aと電極又は電極パターンを有するガラス基板を、200〜450℃、好ましくは300〜420℃の雰囲気下に配置することにより、バリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び電極パターン中の有機物質(バインダ樹脂、残存溶剤、各種の添加剤など)、粘弾性層15A、及びレジストパターンを有する場合にはレジストを熱分解除去する。その後、バリアリブ形成隔壁及び誘電体層形成膜中の無機粉体を450〜600℃、好ましくは540〜585℃で溶融して焼結する。無機粉体を含有する粘弾性層15Bを用いた場合や、電極パターンが低融点ガラス粉末等の無機粉体を含有する場合には、同時に無機粉体を溶融して焼結する。
これにより、電極を有するガラス基板上には、無機焼結体からなるバリアリブと誘電体層とが同一工程で一体的に形成される。該誘電体層は、ガラス基板上の電極を完全に被覆する。特に、無機粉体を含有する粘弾性層15Bを用いた場合には、誘電体層形成膜を焼結して得られる誘電体層が極めて薄くても、粘弾性層15Bを焼結して得られる誘電体層によりガラス基板上の電極を十分に被覆することができる。
電極を被覆する誘電体層26の厚さは特に制限されないが、1〜30μmであることが好ましく、さらに好ましくは5〜20μmである。電極を被覆する誘電体層の厚さが1μm未満の場合には、所望の誘電特性を確保することができない傾向にある。一方、30μmを超える場合には、放電空間が小さくなるため輝度が低下する傾向にある。
焼成後のバリアリブ25の高さは特に制限されないが、通常50〜300μmであり、好ましくは80〜200μmである。
一方、以下に、本発明の転写シート16Bを用いたPDP用背面基板の製造方法を示す。図5は、PDP用背面基板の製造方法の一例を示す製造工程図である。
図5中の(1)は、ガラス基板20上に電極19a又は電極パターン19bが形成された電極付きガラス基板の構造を示す図である。ガラス基板20上に電極19a又は電極パターン19bを形成する方法は前記と同様である。
工程(a)は、電極19a又は電極パターン19bを有するガラス基板20上に前記転写シート16Bの粘弾性層15Bを貼り合わせる貼付け工程である。透過型PDPの場合には電極は表示電極となり、反射型PDPの場合には電極はアドレス電極となる。前記転写シート16Bが保護フィルム17を有する場合には、保護フィルム17を剥離した後に粘弾性層15Bを貼り合わせる。粘弾性層15Bを貼り合わせた後、転写シート16Bからベースフィルム14を剥離して転写する。転写条件は、前記と同様である。
工程(b)〜(d)は、ガラス樹脂組成物層11の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程であり、その方法等は前記と同様である。
工程(e)は、レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することによりバリアリブ形成隔壁23と、電極又は電極パターンを被覆する誘電体層形成膜24とを一体形成するサンドブラスト工程である。
本発明のPDP用背面基板の製造方法においては、ガラス樹脂組成物層11と、電極又は電極パターンを有するガラス基板との間にバリア層18と粘弾性層15Bを設けており、このバリア層18と粘弾性層15Bの特性によりバリアリブ形成隔壁23と、電極又は電極パターンを被覆する誘電体層形成膜24とを一体形成することができる。本発明の製造方法によると、バリアリブ形成隔壁23と、電極又は電極パターンを被覆する誘電体層形成膜24とを同時に一体的に形成することができるため、製造工程を大幅に削減することができ、生産効率を向上させることが可能である。このような顕著な効果が発現する理由は明らかではないが、上記と同様の理由によるものと考えられる。
前記サンドブラスト処理における研磨材の噴射圧力は特に制限されないが、切削効率と高精度のバリアリブ形成隔壁と好適な厚さの誘電体層形成膜とを形成する観点から、0.02〜0.2MPaであることが好ましく、さらに好ましくは0.04〜0.15MPaである。
バリアリブ形成隔壁23の高さは特に制限されないが、通常50〜400μmであり、好ましくは80〜300μmである。また、バリアリブ形成隔壁23の上部の線幅も特に制限されないが、通常30〜100μmであり、好ましくは30〜70μmである。
電極又は電極パターンを被覆する誘電体層形成膜24の厚さは特に制限されないが、焼結後の誘電体層の厚さを考慮すると0.1〜30μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜20μmである。
工程(f)は、ガラス樹脂組成物層上のレジストパターンを除去する工程である。レジストパターンの除去方法は前記と同様である。
工程(g)は、上記方法により形成したバリアリブ形成隔壁23と誘電体層形成膜24とを焼結することによりバリアリブ25と誘電体層26とを一体形成する焼成工程である。無機粉体を含有する粘弾性層15Bも前記焼成工程で焼結されることにより誘電体層26となる。また、バリア層18は前記焼成工程で完全に熱分解除去される。
ガラス基板上に電極パターン19bが形成されている場合には、バリアリブ形成隔壁23と誘電体層形成膜24と粘弾性層15Bとを焼結する際に、電極パターン19bも同時に焼結して電極19aを形成する。本発明の製造方法によると、電極、バリアリブ、及び誘電体層を1回の焼成工程で形成することができるため生産効率に極めて優れる。
バリアリブと、電極を被覆する誘電体層とを一体形成することができれば焼結の方法は特に制限されず、公知の方法を採用することができる。例えば、上記方法で作成したバリアリブ形成隔壁23と誘電体層形成膜24とバリア層18と粘弾性層15Bと電極又は電極パターンとを有するガラス基板を、200〜450℃、好ましくは300〜420℃の雰囲気下に配置することにより、バリアリブ形成隔壁23、誘電体層形成膜24、電極パターン19b、及び粘弾性層15B中の有機物質(樹脂成分、残存溶剤、各種の添加剤など)、バリア層18、並びにレジストパターンを有する場合にはレジストを熱分解除去する。その後、バリアリブ形成隔壁23、誘電体層形成膜24、及び粘弾性層15B中の無機粉体を450〜600℃、好ましくは540〜585℃で溶融して焼結する。電極パターン19bが低融点ガラス粉末等の無機粉体を含有する場合には同時に溶融して焼結する。これにより、電極を有するガラス基板上には、無機焼結体からなるバリアリブ25と誘電体層26とが同一工程で一体的に形成される。なお、粘弾性層15B中の無機粉体は、溶融により誘電体層形成膜中の無機粉体と融着し、誘電体層形成膜中の無機粉体と共に誘電体層26を形成する。
本発明では、誘電体層形成膜を焼結して得られる誘電体層が極めて薄い場合であっても、無機粉体を含有する粘弾性層15Bを使用しているため、粘弾性層15Bを焼結して得られる誘電体層によりガラス基板上の電極を十分に被覆することができる。
焼成後の電極を被覆する誘電体層の総厚さは特に制限されないが、1〜30μmであることが好ましく、さらに好ましくは5〜20μmである。電極を被覆する誘電体層の総厚さが1μm未満の場合には、所望の誘電特性を確保することができない傾向にある。一方、30μmを超える場合には、放電空間が小さくなるため輝度が低下する傾向にある。
焼成後のバリアリブの高さは特に制限されないが、通常50〜300μmであり、好ましくは80〜200μmである。
前記PDP用背面基板の製造方法は、バリアリブと誘電体層とが設けられるすべての種類のPDP用背面基板の製造に適用することができる。
本発明のPDP用背面基板の製造方法では、転写シート16A又は16Bを用いているため、ガラス基板に転写後のガラス樹脂組成物層11に形状的な欠陥が生じない。そのため、該ガラス樹脂組成物層を焼結して得られるバリアリブは、従来の方法で得られるバリアリブと比べて形状精度が非常に高い。
本発明のPDP用背面基板は、その後、バリアリブ及び誘電体層上に蛍光体層を形成することなどにより製造される。また、前記PDP用背面基板は、面放電型や対向放電型の交流型PDPに好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
〔ベースフィルムの作製〕
2−エチルヘキシルアクリレート100重量部、及びアクリル酸6重量部をトルエン 200重量部中で重合してアクリル系ポリマー(重量平均分子量50万)溶液を得た。固形分100重量部の該アクリル系ポリマー溶液に、エポキシ系架橋剤(三菱ガス化学(株)製、TETRAD−C)4重量部を加えてアクリル系粘着剤を得た。得られたアクリル系粘着剤をコロナ処理を施したPETフィルム(厚さ38μm)上に塗布し、90℃で5分間加熱乾燥し、さらに室温で5日間エージングして粘着剤層(厚さ10μm)を形成してベースフィルムを作製した。
〔積層シート(1a)の作製〕
ガラスフリット(RFW−401C、旭硝子(株)製)100重量部、ポリビニルブチラール(電気化学工業社製、デンカブチラール3000−V)3重量部、及び可塑剤としてトリメリット酸トリオクチル(TOTM)0.5重量部を溶媒(α−テルピネオール/酢酸n−ブチルカルビトール=9/1(重量比)の混合溶媒)35重量部中に加え、ディスパー(回転プロペラ式撹拌機)で予備分散した後、3本ロール分散機を用いて本分散を行い、均一に混合されたガラスペースト組成物を調製した。前記作製したベースフィルムの粘着剤層上に、前記調製したガラスペースト組成物をロールコータを用いて塗布し、塗膜を140℃で5分間乾燥することにより溶剤を除去してガラス樹脂組成物層(厚さ:150μm)を形成して積層シート(1a)を作製した。
〔積層シート(2a)の作製〕
モノマー重量組成比がブチルアクリレート/アクリル酸=100/5であり、重量平均分子量50万のアクリル系共重合体を40重量%含むトルエン溶液にエポキシ系架橋剤(三菱ガス化学(株)製、TETRAD−C)0.05重量部を添加してアクリル系粘着剤組成物を調製した。ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに剥離剤処理を施した保護フィルム上に、前記調製したアクリル系粘着剤組成物をロールコータを用いて塗布した。そして、塗膜を80℃で3分間乾燥することにより溶剤を除去してアクリル系粘着剤からなる粘弾性層A(厚さ:5μm)を形成し、積層フィルム(2a)を作製した。
〔転写シート16Aの作製〕
前記積層フィルム(1a)のガラス樹脂組成物層と、前記積層フィルム(2a)の粘弾性層Aとを当接するように重ね合わせ、ロール式ラミネータを用いて圧着して転写シート16Aを作製した。
〔PDP用背面基板の作製〕
前記転写シート16AをNTカッターを用いて所定サイズに切断し、保護フィルムを剥離した。そして、電極を有するガラス基板上に、該転写シートの粘弾性層Aを重ね合わせ、ロール式ラミネータを用いて圧着した。その後、ベースフィルムを剥離することによりガラス樹脂組成物層及び粘弾性層Aからなる積層シートを転写して積層ガラス基板を作製した。目視にて観察すると、ガラス樹脂組成物層の表面は平坦であり、切断面に割れや欠けはなかった。
そして、フォトレジスト層としてドライフィルムレジスト(東京応化製、オーディルシリーズ)を熱ロールを用いて積層ガラス基板のガラス樹脂組成物層上にラミネートした。次に、線幅100μm、ピッチ300μmのパターン形成用マスクを位置合わせをしてフォトレジスト層上にラミネートし、パターン形成用マスクを介してフォトレジスト層を紫外線により露光した。
露光後、炭酸ナトリウム現像液にて現像を行い、未露光部のレジストを除去した。次に、レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理(研磨材:アルミナ粒子♯1000、噴射圧力:0.04MPa)して、バリアリブ形成隔壁と誘電体層形成膜(厚さ:約10μm)とを一体形成した。その後、ガラス樹脂組成物層上のレジストを端部からピールして剥離した。レジストにはガラスフリットは付着しておらず、ガラス樹脂組成物層の表面は平坦であった。バリアリブ形成隔壁の上部における線幅は100μmであり、高さは150μmであった。顕微鏡で断面を観察すると、粘弾性層A上にバリアリブ形成隔壁と誘電体層形成膜とが一体形成されていた。
次に、バリアリブ形成隔壁及び誘電体層形成膜が形成されたガラス基板を焼成炉内に配置し、炉内温度400℃で30分間焼成してバリアリブ形成隔壁や誘電体層形成膜中の有機物質(バインダ樹脂、残存溶剤、各種の添加剤など)及び粘弾性層Aを熱分解除去した。その後、540℃で30分間焼成してガラスフリットを溶融・焼結させた。その結果、ガラス基板上にバリアリブ(上部における線幅:約80μm、高さ:約110μm)と電極を被覆する誘電体層(厚さ:約7μm)とが形成されていた。顕微鏡で断面を観察すると、粘弾性層Aは存在せず、ガラス基板上に形状精度の高いバリアリブと誘電体層とが一体的に形成されていた。
実施例2
〔ベースフィルムの作製〕
イソノニルアクリレート100重量部、及びアクリル酸4重量部をトルエン200重量部中で重合してアクリル系ポリマー(重量平均分子量50万)溶液を得た。固形分100重量部の該アクリル系ポリマー溶液に、エポキシ系架橋剤(三菱ガス化学(株)製、TETRAD−C)4重量部を加えてアクリル系粘着剤を得た。得られたアクリル系粘着剤をコロナ処理を施したPETフィルム(厚さ38μm)上に塗布し、90℃で5分間加熱乾燥し、さらに室温で5日間エージングして粘着剤層(厚さ10μm)を形成してベースフィルムを作製した。
〔積層シート(1b)の作製〕
実施例1において、前記ベースフィルムを用いた以外は実施例1と同様の方法により積層シート(1b)を作製した。
〔積層シート(2a)の作製〕
実施例1と同様の方法により積層シート(2a)を作製した。
〔転写シート16Aの作製〕
前記積層フィルム(1b)のガラス樹脂組成物層と、前記積層フィルム(2a)の粘弾性層Aとを当接するように重ね合わせ、ロール式ラミネータを用いて圧着して転写シート16Aを作製した。
〔電極パターンの作製〕
PDP用ガラス基板(旭硝子社製、PD200)上に電極形成用銀ペースト(デュポン社製、フォーデルDCシリーズ)をスクリーン印刷法により塗布し乾燥して、高さ5μm、線幅30μm、ピッチ300μmの電極パターン(未焼結)を形成した。
〔PDP用背面基板の作製〕
前記転写シート16AをNTカッターを用いて所定サイズに切断し、保護フィルムを剥離した。そして、前記電極パターンを有するガラス基板上に、該転写シートの粘弾性層Aを重ね合わせ、ロール式ラミネータを用いて圧着した。その後、ベースフィルムを剥離することによりガラス樹脂組成物層及び粘弾性層Aからなる積層シートを転写して積層ガラス基板を作製した。目視にて観察すると、ガラス樹脂組成物層の表面は平坦であり、切断面に割れや欠けはなかった。
そして、フォトレジスト層としてドライフィルムレジスト(東京応化製、オーディルシリーズ)を熱ロールを用いて積層ガラス基板のガラス樹脂組成物層上にラミネートした。次に、線幅100μm、ピッチ300μmのパターン形成用マスクを位置合わせをしてフォトレジスト層上にラミネートし、パターン形成用マスクを介してフォトレジスト層を紫外線により露光した。
露光後、炭酸ナトリウム現像液にて現像を行い、未露光部のレジストを除去した。その後、実施例2と同様の方法によりサンドブラスト処理して、バリアリブ形成隔壁と誘電体層形成膜(厚さ:約10μm)とを一体形成した。その後、ガラス樹脂組成物層上のレジストを端部からピールして剥離した。バリアリブ形成隔壁の上部における線幅は約100μmであり、高さは約150μmであった。顕微鏡で断面を観察すると、粘弾性層A上にバリアリブ形成隔壁と誘電体層形成膜とが一体形成されていた。
次に、バリアリブ形成隔壁及び誘電体層形成膜が形成されたガラス基板を焼成炉内に配置し、炉内温度400℃で30分間焼成してバリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び電極パターン中の有機物質、並びに粘弾性層Aを熱分解除去した。その後、540℃で30分間焼成してバリアリブ形成隔壁及び誘電体層形成膜中のガラスフリット、並びに電極パターンを溶融・焼結させた。顕微鏡で断面を観察すると、粘弾性層Aは存在せず、ガラス基板上に形状精度の高いバリアリブ(上部における線幅:約80μm、高さ:約110μm)と、焼成された電極を被覆する誘電体層(厚さ:約7μm)とが一体形成されていた。
実施例3
〔ベースフィルムの作製〕
実施例1と同様の方法によりベースフィルムを作製した。
〔積層シート(1c)の作製〕
ガラスフリット(RFW−401C、旭硝子(株)製)100重量部、ポリビニルブチラール(電気化学工業社製、デンカブチラール3000−V)2.5重量部、及び可塑剤としてトリメリット酸トリオクチル(TOTM)0.3重量部を溶媒(α−テルピネオール/酢酸n−ブチルカルビトール=9/1(重量比)の混合溶媒)35重量部中に加え、ディスパー(回転プロペラ式撹拌機)で予備分散した後、3本ロール分散機を用いて本分散を行い、均一に混合されたガラスペースト組成物を調製した。前記作製したベースフィルムの粘着剤層上に、前記調製したガラスペースト組成物をロールコータを用いて塗布し、塗膜を140℃で5分間乾燥することにより溶剤を除去してガラス樹脂組成物層(厚さ:約160μm)を形成して積層シート(1c)を作製した。
〔積層シート(2b)の作製〕
2−エチルヘキシルメタクリレート99重量部、ヒドロキシプロピルメタクリレート(共栄社化学社製、ライトエステルHOP)1重量部、及び重合開始剤をトルエン中に添加し、穏やかに撹拌しながら窒素ガスを導入し、液温を75℃程度に保って約8時間重合反応を行い、メタクリル系ポリマーを調製した。得られたメタクリル系ポリマーの重量平均分子量は約10万であった。そして、ガラスフリット(RFW−401C、旭硝子(株)製)100重量部、前記メタクリル系ポリマー17重量部、溶剤としてα−テルピネオール40重量部、及び可塑剤としてトリメリット酸トリオクチル3重量部を分散機を用いて混合して粘弾性層樹脂組成物を調製した。ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに剥離剤処理を施した保護フィルム上に、前記調製した粘弾性層樹脂組成物をロールコータを用いて塗布し、塗膜を150℃で5分間乾燥することにより溶剤を除去して粘弾性層B(厚さ:20μm)を形成し、積層シート(2b)を作製した。
〔転写シート16Aの作製〕
前記積層フィルム(1c)のガラス樹脂組成物層と、前記積層フィルム(2b)の粘弾性層Bとを当接するように重ね合わせ、ロール式ラミネータを用いて圧着して転写シート16Aを作製した。
〔PDP用背面基板の作製〕
前記転写シート16AをNTカッターを用いて所定サイズに切断し、保護フィルムを剥離した。そして、電極を有するガラス基板上に、該転写シートの粘弾性層Bを重ね合わせ、ロール式ラミネータを用いて圧着した。その後、ベースフィルムを剥離することによりガラス樹脂組成物層及び粘弾性層Bからなる積層シートを転写して積層ガラス基板を作製した。目視にて観察すると、ガラス樹脂組成物層の表面は平坦であり、切断面に割れや欠けはなかった。
そして、フォトレジスト層としてドライフィルムレジスト(東京応化製、オーディルシリーズ)を熱ロールを用いて積層ガラス基板のガラス樹脂組成物層上にラミネートした。次に、線幅50μm、ピッチ300μmのパターン形成用マスクを位置合わせをしてガラス樹脂組成物層上にラミネートし、パターン形成用マスクを介してフォトレジスト層を紫外線により露光した。
露光後、炭酸ナトリウム現像液にて現像を行い、未露光部のレジストを除去した。次に、レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理(研磨材:炭酸カルシウム粒子♯800、噴射圧力:0.045MPa)して、バリアリブ形成隔壁と誘電体層形成膜(厚さ:約5μm)とを一体形成した。その後、ガラス樹脂組成物層上のレジストを端部からピールして剥離した。バリアリブ形成隔壁の上部における線幅は約50μmであり、高さは約150μmであった。顕微鏡で断面を観察すると、粘弾性層B上にバリアリブ形成隔壁と誘電体層形成膜とが一体形成されていた。
次に、バリアリブ形成隔壁及び誘電体層形成膜が形成されたガラス基板を焼成炉内に配置し、炉内温度400℃で30分間予備焼成してバリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層B中の有機物質(樹脂成分、残存溶剤、各種の添加剤など)を熱分解除去した。その後、560℃で30分間焼成してバリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層B中のガラスフリットを溶融・焼結させた。その結果、ガラス基板上にバリアリブ(上部における線幅:約40μm、高さ:約110μm)と電極を被覆する誘電体層(厚さ:約10μm)とが形成されていた。顕微鏡で断面を観察すると、粘弾性層Bは存在せず、ガラス基板上に形状精度の高いバリアリブと誘電体層とが一体的に形成されていた。
実施例4
〔転写シート16Aの作製〕
実施例3と同様の方法により転写シート16Aを作製した。
〔電極パターンの作製〕
実施例2と同様の方法によりPDP用ガラス基板(旭硝子社製、PD200)上に、高さ5μm、線幅30μm、ピッチ300μmの電極パターン(未焼結)を形成した。
〔PDP用背面基板の作製〕
実施例3と同様の方法によりPDP用背面基板を作製した。その後、顕微鏡で断面を観察すると、粘弾性層Bは存在せず、ガラス基板上に形状精度の高いバリアリブと誘電体層とが一体的に形成されていた。
実施例5
〔積層シート(1a)の作製〕
実施例1と同様の方法により積層シート(1a)を作製した。
〔バリア層の形成〕
ブチルアクリレート/アクリル酸(モノマー重量比:100/5)からなる重量平均分子量50万のアクリル系ポリマー40重量部、エポキシ系架橋剤(三菱ガス化学(株)製、TETRAD−C)0.05重量部、及びトルエン60重量部を混合してバリア層形成組成物を調製した。ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに剥離剤処理を施した剥離ライナ上に、前記調製したバリア層形成組成物をロールコータを用いて塗布し、塗膜を80℃で3分間乾燥及び硬化することにより溶剤を除去してバリア層(厚さ:約10μm)を形成し、バリア層転写シートを得た。バリア層転写シートのバリア層を前記積層シート(1a)のガラス樹脂組成物層上に重ね合わせ、ロール式ラミネータを用いて圧着し、ガラス樹脂組成物層上にバリア層を転写して3層構造シートを得た。
〔粘弾性層の作成〕
2−エチルヘキシルメタクリレート99重量部、ヒドロキシプロピルメタクリレート(共栄社化学社製、ライトエステルHOP)1重量部、及び重合開始剤をトルエン中に添加し、穏やかに撹拌しながら窒素ガスを導入し、液温を75℃程度に保って約8時間重合反応を行い、メタクリル系ポリマーを調製した。得られたメタクリル系ポリマーの重量平均分子量は約10万であった。
ガラスフリット(RFW−401C、旭硝子(株)製)100重量部、前記メタクリル系ポリマー16重量部、溶剤としてα−テルピネオール40重量部、及び可塑剤としてトリメリット酸トリオクチル3重量部を分散機を用いて混合して粘弾性層樹脂組成物を調製した。
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに剥離剤処理を施した保護フィルム上に、前記調製した粘弾性層樹脂組成物をロールコータを用いて塗布し、塗膜を150℃で5分間乾燥することにより溶剤を除去して粘弾性層B(厚さ:約20μm)を形成し、2層構造シートを得た。
〔転写シート16Bの作成〕
前記3層構造シートのバリア層と前記2層構造シートの粘弾性層Bとを重ね合わせ、ロール式ラミネータを用いて圧着し、ベースフィルム、ガラス樹脂組成物層、バリア層、粘弾性層B、及び保護フィルムからなる転写シート16Bを作製した。
〔PDP用背面基板の作成〕
前記転写シート16BをNTカッターを用いて所定サイズに切断し、保護フィルムを剥離した。そして、電極を有するガラス基板上に、該転写シートの粘弾性層Bを重ね合わせ、ロール式ラミネータを用いて圧着した。その後、ベースフィルムを剥離することによりガラス樹脂組成物層、バリア層、及び粘弾性層Bからなる積層シートを転写して積層ガラス基板を作製した。目視にて観察すると、ガラス樹脂組成物層の表面は平坦であり、切断面に割れや欠けはなかった。
そして、フォトレジスト層としてドライフィルムレジスト(東京応化製、オーディルシリーズ)を熱ロールを用いて積層シート付きガラス基板のガラス樹脂組成物層上にラミネートした。次に、線幅50μm、ピッチ300μmのパターン形成用マスクを位置合わせをしてガラス樹脂組成物層上にラミネートし、パターン形成用マスクを介してフォトレジスト層を紫外線により露光した。
露光後、炭酸ナトリウム現像液にて現像を行い、未露光部のレジストを除去した。次に、レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理(研磨材:炭酸カルシウム粒子♯800、噴射圧力:0.06MPa)して、バリアリブ形成隔壁と誘電体層形成膜(厚さ:約2μm)とを一体形成した。その後、ガラス樹脂組成物層上のレジストを端部からピールして剥離した。バリアリブ形成隔壁の上部における線幅は約50μmであり、高さは約150μmであった。顕微鏡で断面を観察すると、バリア層上にバリアリブ形成隔壁と誘電体層形成膜とが一体形成されており、粘弾性層Bはバリア層により保護されているためサンドブラスト処理の影響を全く受けていなかった。
次に、バリアリブ形成隔壁及び誘電体層形成膜が形成されたガラス基板を焼成炉内に配置し、炉内温度400℃で30分間焼成してバリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層B中の有機物質(樹脂成分、残存溶剤、各種の添加剤など)、並びにバリア層を熱分解除去した。その後、560℃で30分間焼成してバリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層B中のガラスフリットを溶融・焼結させた。その結果、ガラス基板上にバリアリブ(上部における線幅:約35μm、高さ:約110μm)と電極を被覆する誘電体層(厚さ:約10μm)とが一体形成されていた。顕微鏡で断面を観察すると、ガラス基板上に形状精度の高いバリアリブと誘電体層とが一体的に形成されていた。また、バリア層は熱分解により完全に消失していた。
実施例6
〔積層シート(1b)の作製〕
実施例2と同様の方法により積層シート(1b)を作製した。
〔転写シート16Bの作成〕
前記積層シート(1b)を用いた以外は実施例5と同様の方法により転写シート16Bを作製した。
〔電極パターンの作製〕
PDP用ガラス基板(旭硝子社製、PD200)上に電極形成用銀ペースト(デュポン社製、フォーデルDCシリーズ)をスクリーン印刷法により塗布し乾燥して、高さ5μm、線幅30μm、ピッチ300μmの電極パターン(未焼結)を形成した。
〔PDP用背面基板の作製〕
前記転写シート16BをNTカッターを用いて所定サイズに切断し、保護フィルムを剥離した。そして、前記電極パターンを有するガラス基板上に、該転写シートの粘弾性層Bを重ね合わせ、ロール式ラミネータを用いて圧着した。その後、ベースフィルムを剥離することによりガラス樹脂組成物層、バリア層、及び粘弾性層Bからなる積層シートを転写して積層ガラス基板を作製した。目視にて観察すると、ガラス樹脂組成物層の表面は平坦であり、切断面に割れや欠けはなかった。
そして、実施例3と同様の方法により、バリアリブ形成隔壁と誘電体層形成膜(厚さ:約2μm)とを一体形成した。顕微鏡で断面を観察すると、バリア層上にバリアリブ形成隔壁と誘電体層形成膜とが一体形成されており、粘弾性層はバリア層により保護されているためサンドブラスト処理の影響を全く受けていなかった。
次に、バリアリブ形成隔壁及び誘電体層形成膜が形成されたガラス基板を焼成炉内に配置し、炉内温度400℃で30分間焼成してバリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、粘弾性層B、及び電極パターン中の有機物質(樹脂成分、残存溶剤、各種の添加剤など)、並びにバリア層を熱分解除去した。その後、560℃で30分間焼成してバリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層B中のガラスフリット、並びに電極パターンを溶融・焼結させた。その結果、ガラス基板上にバリアリブ(上部における線幅:約35μm、高さ:約110μm)と電極を被覆する誘電体層(厚さ:約10μm)とが一体形成されていた。顕微鏡で断面を観察すると、ガラス基板上に形状精度の高いバリアリブと誘電体層とが一体的に形成されていた。また、バリア層は熱分解により完全に消失していた。
比較例1
〔転写シートの作製〕
実施例1と同様の方法によりガラスペースト組成物を調製した。PETフィルムに剥離剤処理を施したベースフィルム上に、前記調製したガラスペースト組成物をロールコータを用いて塗布し、塗膜を140℃で5分間乾燥することにより溶剤を除去してガラス樹脂組成物層(厚さ:150μm)を形成した。そして、PETフィルムに剥離剤処理を施した保護フィルムを前記ガラス樹脂組成物層上に積層して転写シートを作製した。
〔PDP用背面基板の作製〕
前記転写シートをNTカッターを用いて所定サイズに切断した。切断後の転写シートから保護フィルムを剥離し、電極及び誘電体層を有するガラス基板上に、該転写シートのガラス樹脂組成物層を重ね合わせ、ロール式ラミネータを用いて圧着した。圧着の際の圧力によりベースフィルムの端部がガラス樹脂組成物層から剥がれ、ガラス樹脂組成物層の端部に大きな割れや欠けが生じていたため、PDP用背面基板を作製することができなかった。
3電極面放電型PDPの構造を示す斜視図。 本発明の転写シートの断面図。 本発明の他の転写シートの断面図。 本発明のPDP用背面基板の製造方法の一例を示す工程図。 本発明のPDP用背面基板の製造方法の他の一例を示す工程図。
符号の説明
1:前面ガラス基板
2:サステイン電極(表示電極)
3:バス電極
4、8、26:誘電体層
5:MgO膜(保護層)
6:背面ガラス基板
7:アドレス電極(データ電極)
9、21、25:バリアリブ
10:蛍光体層
11:ガラス樹脂組成物層
12:基材
13:粘着剤層
14:ベースフィルム
15A:無機粉体を含有しない粘弾性層
15B:無機粉体を含有する粘弾性層
16A、16B:バリアリブ−誘電体層一体形成用転写シート
17:保護フィルム
18:バリア層
19a:電極
19b:電極パターン
20:ガラス基板
21:フォトレジスト層
22:パターン形成用マスク
23:バリアリブ形成隔壁
24:誘電体層形成膜

Claims (13)

  1. 無機粉体及びバインダ樹脂を含有するガラス樹脂組成物層の片面側に無機粉体を含有しない粘弾性層Aが少なくとも積層されており、かつ前記ガラス樹脂組成物層の他面側にはベースフィルムが積層されており、前記ベースフィルムは、基材上に粘着剤層を有することを特徴とするバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シート。
  2. 無機粉体及びバインダ樹脂を含有するガラス樹脂組成物層の片面側に無機粉体を含有する粘弾性層Bが少なくとも積層されており、かつ前記ガラス樹脂組成物層の他面側にはベースフィルムが積層されており、前記ベースフィルムは、基材上に粘着剤層を有することを特徴とするバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シート。
  3. ガラス樹脂組成物層と粘弾性層Bとの間にバリア層を有する請求項2記載のバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シート。
  4. 電極を有するガラス基板上に請求項1記載のバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シートの粘弾性層Aを貼り合わせる貼付け工程、該転写シートからベースフィルムを剥離する剥離工程、ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することにより、バリアリブ形成隔壁と、電極を被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、バリアリブ形成隔壁と誘電体層形成膜とを焼結することにより、バリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含むプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法。
  5. 金属ペーストからなる電極パターンをガラス基板上に形成する電極パターン形成工程、電極パターンを有するガラス基板上に請求項1記載のバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シートの粘弾性層Aを貼り合わせる貼付け工程、該転写シートからベースフィルムを剥離する剥離工程、ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することにより、バリアリブ形成隔壁と、電極パターンを被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、電極パターン、バリアリブ形成隔壁、及び誘電体層形成膜を焼結することにより、電極を形成し、かつバリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含むプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法。
  6. 電極を有するガラス基板上に請求項2記載のバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シートの粘弾性層Bを貼り合わせる貼付け工程、該転写シートからベースフィルムを剥離する剥離工程、ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することにより、バリアリブ形成隔壁と、電極を被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、バリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層Bを焼結することにより、バリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含むプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法。
  7. 金属ペーストからなる電極パターンをガラス基板上に形成する電極パターン形成工程、電極パターンを有するガラス基板上に請求項2記載のバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シートの粘弾性層Bを貼り合わせる貼付け工程、該転写シートからベースフィルムを剥離する剥離工程、ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することにより、バリアリブ形成隔壁と、電極パターンを被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、電極パターン、バリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層Bを焼結することにより、電極を形成し、かつバリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含むプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法。
  8. 電極を有するガラス基板上に請求項3記載のバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シートの粘弾性層Bを貼り合わせる貼付け工程、該転写シートからベースフィルムを剥離する剥離工程、該ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することにより、バリアリブ形成隔壁と、電極を被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、バリア層を熱分解除去すると共に、バリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層Bを焼結することにより、バリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含むプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法。
  9. 金属ペーストからなる電極パターンをガラス基板上に形成する電極パターン形成工程、電極パターンを有するガラス基板上に請求項3記載のバリアリブ−誘電体層一体形成用転写シートの粘弾性層Bを貼り合わせる貼付け工程、該転写シートからベースフィルムを剥離する剥離工程、該ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することにより、バリアリブ形成隔壁と、電極パターンを被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、バリア層を熱分解除去すると共に、電極パターン、バリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層Bを焼結することにより、電極を形成し、かつバリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含むプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法。
  10. パターン形成工程が、ガラス樹脂組成物層上にフォトレジスト層とパターン形成用マスクとを積層し、パターン形成用マスクを介してフォトレジスト層を露光・現像してレジストパターンを形成する工程である請求項4〜9のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法。
  11. サンドブラスト工程と焼成工程との間に、ガラス樹脂組成物層上のレジストパターンを除去する工程を含む請求項4〜10のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法。
  12. 請求項4〜11のいずれかに記載の方法により製造されるプラズマディスプレイパネル用背面基板。
  13. 請求項12記載のプラズマディスプレイパネル用背面基板を用いたプラズマディスプレイパネル。
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