JP2005190692A - 積層シート、プラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法、プラズマディスプレイパネル用背面基板、及びプラズマディスプレイパネル - Google Patents

積層シート、プラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法、プラズマディスプレイパネル用背面基板、及びプラズマディスプレイパネル Download PDF

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紀秀 馬場
Katsuya Kume
克也 久米
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誠 甲斐
Masahiko Ando
雅彦 安藤
Yasushi Musashijima
康 武蔵島
Toshihiro Hatanaka
逸大 畑中
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【課題】 誘電体層とバリアリブとを同時かつ一体的に形成するために用いられる積層シートを提供すること。また、該積層シートを用いることにより製造工程を大幅に削減した生産効率に優れるプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法を提供すること。さらには、前記方法により製造されるプラズマディスプレイパネル用背面基板、及び該背面基板を用いたプラズマディスプレイパネルを提供すること。
【解決手段】 無機粉体及びバインダ樹脂を含有するガラス樹脂組成物層の片面側に、無機粉体を含有する粘弾性層が積層されており、電極を有するガラス基板上に誘電体層とバリアリブとを一体形成するために用いられる積層シート。
【選択図】 図2

Description

本発明は、誘電体層とバリアリブとを一体形成するために用いられる積層シート、該積層シートを用いたプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法、プラズマディスプレイパネル用背面基板、及びプラズマディスプレイパネルに関する。
近年、薄型平板状の大型ディスプレイとしては、液晶ディスプレイと共にプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」ともいう)が注目されている。
図1に3電極面放電型PDPの一例を示す。図1において、表示面となる前面ガラス基板1には、透明導電膜からなるサステイン電極(表示電極)2が形成され、サステイン電極2上には導電性を補う幅の狭い金属膜からなるバス電極3が形成されている。更に、サステイン電極2、バス電極3を被覆するように誘電体層4が形成され、該誘電体層4を被覆するようにMgO膜(保護層)5が形成されている。
一方、背面ガラス基板6には、金属膜からなるアドレス電極(データ電極)7が形成され、該アドレス電極7上には誘電体層8が形成されている。アドレス電極7の間には前面ガラス基板1と背面ガラス基板6の間隔を一定に保ち、放電空間を保持するバリアリブ9が形成されている。更に、誘電体層8及びバリアリブ9を被覆するように赤、緑、及び青の3原色の蛍光体層10が形成されている。そして、放電空間内には希ガスが封入され、アドレス電極7とサステイン電極2との各交点が画素セルを構成している。
誘電体層8の形成方法としては、ガラス粉末、バインダ樹脂及び溶剤を含有するペースト状組成物を電極が固定されたガラス基板の表面に直接塗布して膜形成材料層を形成し、膜形成材料層を焼成することにより、前記ガラス基板の表面に誘電体層を形成する方法が挙げられる。また、ガラス粉末、アクリル酸エステル系樹脂及び溶剤を含有するペースト状組成物を支持フィルム上に塗布して膜形成材料層を形成し、支持フィルム上に形成された膜形成材料層を、電極が固定されたガラス基板の表面に転写し、転写された膜形成材料層を焼成することにより、前記ガラス基板の表面に誘電体層を形成する方法が開示されている(特許文献1〜4)。
放電空間を保持するバリアリブ9は、放電空間をできるだけ大きくして高輝度の発光を得るため高さの高い障壁であることが要求されており、通常100〜300μm程度の高さが必要である。従来、バリアリブ9は、ガラスペーストをリブパターン形成用印刷版を用いてスクリーン印刷により誘電体層8上に塗布し、乾燥する工程を十数回繰返すことによりガラス樹脂組成物層を形成し、該ガラス樹脂組成物層を焼結することにより形成されていた。ここで、スクリーン印刷による1回あたりの膜厚を厚くすると、塗膜の周辺部がダレて形状不良を起こすため、1回あたりの膜厚を10〜30μm程度としていた。そのため、前記バリアリブの形成方法は、ガラスペーストのスクリーン印刷、その後の乾燥を繰返し行う必要があり、バリアリブの形成精度が悪く、また生産性が悪いという問題を有していた。
上記問題を解決する方法として、ガラス基板上に未硬化状態の厚さ100〜300μmであるドライガラスペーストフィルムとドライフォトレジストフィルムとを積層し、リブパターン用マスクを介して前記ドライフォトレジストフィルムを露光・現像する。その後、露光・現像されたドライフォトレジストフィルムをマスクとしてドライガラスペーストフィルムをサンドブラスト処理して放電空間形成用の凹部を形成し、前記ドライフォトレジストフィルムを除去すると共にドライガラスペーストフィルムを焼成してリブを形成する方法が開示されている(特許文献5)。
また、ベースフィルム上に障壁形成層を備えた転写シートからその障壁形成層をガラス基板上に転写し、転写された障壁形成層の上面にレジストパターンを形成し、該レジストパターンの開口部の障壁形成材料をサンドブラスト加工により除去する。その後、障壁形成材料上の残ったレジストを剥離し、焼成により障壁形成材料を焼結して障壁を形成する方法が開示されている(特許文献6)。
また、バリアリブ用粘着シートを背面ガラス基板に貼着し、150〜350℃で予備焼成した後、サンドブラストによりバリアリブ形状を形成し、さらに400〜750℃で焼成するバリアリブの形成方法が開示されている(特許文献7)。
また、ベースフィルムと、該ベースフィルム上に剥離可能に設けられた転写層と、該転写層上に設けられた応力吸収層とを備え、障壁等の高精度な膜厚パターン形成が可能な転写シートが開示されている(特許文献8)。
また、基板上に結晶化ガラスを含む金属ペーストをアドレス電極のパターンに対応して形成し、該金属ペーストを含む基板上のほぼ全面に低融点ガラスペーストを形成し、さらに前記低融点ガラスペースト上の所定の位置に低融点ガラスの隔壁材料層を形成し、この後、前記金属ペーストと低融点ガラスペーストと低融点ガラス隔壁材料層を同時に焼成することにより、当該基板上にアドレス電極と誘電体層と隔壁の積層体を形成することを特徴とするプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法が開示されている(特許文献9)。
また、誘電体層形成層を基板上に形成する第1工程、該誘電体層形成層上に、障壁形成層を形成する第2工程、該障壁形成層上にレジストパターンを形成する第3工程、該レジストパターンの開口部の障壁形成層をサンドブラスト加工により除去する第4工程、障壁形成層上のレジストパターンを除去する第5工程、焼成により誘電体層形成層と障壁形成層を同時に焼結する第6工程からなるプラズマディスプレイパネルの形成方法が開示されている(特許文献10)。
しかしながら、特許文献5〜7に記載のリブの形成方法は、電極が固定された背面ガラス基板上にまず誘電体層を形成し、その後に誘電体層上にリブを形成する方法であり、誘電体層を形成する工程とリブを形成する工程の2つの工程が必須である。上記リブの形成方法によりある程度の生産性の向上は見込めるが、誘電体層を形成する工程とリブを形成する工程の2つの工程は、従来と同様に必須であるため十分な生産性の向上は見込めない。また、特許文献8に記載の転写シートは、電極パターン、誘電体層、又は障壁(バリアリブ)をそれぞれ独立に形成するために用いられるものであり、誘電体層とバリアリブとを同時かつ一体的に形成するために用いられるものではない。
また、特許文献9に記載のPDP用背面基板の製造方法は、金属ペーストと低融点ガラスペーストと低融点ガラス隔壁材料層を同時に焼成することにより、基板上にアドレス電極と誘電体層と隔壁の積層体を形成することができるため、生産性の向上はある程度見込める。しかし、電極パターン形成後に低融点ガラスペーストを塗布して乾燥する工程、及び前記低融点ガラスペースト上にさらに低融点ガラス隔壁材料を形成する工程が必要になるため大幅な製造工程の短縮にはならない。
また、特許文献10に記載のプラズマディスプレイパネルの形成方法は、誘電体層形成層と障壁形成層を同時に焼結することにより、基板上に誘電体層と隔壁層とを同時に形成することができるため、生産性の向上はある程度見込める。しかし、誘電体層形成層を基板上に形成する第1工程、及び該誘電体層形成層上に障壁形成層を形成する第2工程が必要になるため大幅な製造工程の短縮にはならない。
特開平9−102273号公報 特開平11−35780号公報 特開2001−185024号公報 国際公開第00/42622号パンフレット 特開平8−222135号公報 特開平8−273536号公報 特開平11−185603号公報 特開平11−260250号公報 特開2003−223851号公報 特開平10−144206号公報
本発明は、このような従来技術の課題を解決したものであって、誘電体層とバリアリブとを同時かつ一体的に形成するために用いられる積層シートを提供することを目的とする。また、該積層シートを用いることにより製造工程を大幅に削減した生産効率に優れるプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法を提供することを目的とする。さらには、前記方法により製造されるプラズマディスプレイパネル用背面基板、及び該背面基板を用いたプラズマディスプレイパネルを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下に示す積層シートにより上記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、無機粉体及びバインダ樹脂を含有するガラス樹脂組成物層の片面側に、無機粉体を含有する粘弾性層が積層されており、電極を有するガラス基板上に誘電体層とバリアリブとを一体形成するために用いられる積層シートに関する。
前記積層シートは、ガラス樹脂組成物層の他面側にベースフィルムが積層されていることが好ましい。また前記積層シートは、ガラス樹脂組成物層とベースフィルムとの間にフォトレジスト層が積層されていることが好ましい。
本発明のPDP用背面基板の製造方法は、電極を有するガラス基板上に請求項1記載の積層シートの粘弾性層を貼り合わせる貼付け工程、該ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することによりバリアリブ形成隔壁と電極を被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、バリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層を焼結することによりバリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含むことを特徴とする。
本発明の別のPDP用背面基板の製造方法は、金属ペーストからなる電極パターンをガラス基板上に形成する電極パターン形成工程、電極パターンを有するガラス基板上に請求項1記載の積層シートの粘弾性層を貼り合わせる貼付け工程、該ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することによりバリアリブ形成隔壁と電極パターンを被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、電極パターン、バリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層を焼結することにより、電極を形成し、かつバリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含むことを特徴とする。
本発明の別のPDP用背面基板の製造方法は、電極を有するガラス基板上に請求項2記載の積層シートの粘弾性層を貼り合わせる貼付け工程、該積層シートからベースフィルムを剥離する剥離工程、ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することによりバリアリブ形成隔壁と電極を被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、バリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層を焼結することによりバリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含むことを特徴とする。
本発明の別のPDP用背面基板の製造方法は、金属ペーストからなる電極パターンをガラス基板上に形成する電極パターン形成工程、電極パターンを有するガラス基板上に請求項2記載の積層シートの粘弾性層を貼り合わせる貼付け工程、該積層シートからベースフィルムを剥離する剥離工程、ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することによりバリアリブ形成隔壁と電極パターンを被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、電極パターン、バリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層を焼結することにより、電極を形成し、かつバリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含むことを特徴とする。
前記製造方法において、パターン形成工程が、ガラス樹脂組成物層上にフォトレジスト層とパターン形成用マスクとを積層し、パターン形成用マスクを介してフォトレジスト層を露光・現像してレジストパターンを形成する工程であることが好ましい。
本発明の別のPDP用背面基板の製造方法は、電極を有するガラス基板上に請求項3記載の積層シートの粘弾性層を貼り合わせる貼付け工程、該積層シートからベースフィルムを剥離する剥離工程、ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することによりバリアリブ形成隔壁と電極を被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、バリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層を焼結することによりバリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含むことを特徴とする。
本発明の別のPDP用背面基板の製造方法は、金属ペーストからなる電極パターンをガラス基板上に形成する電極パターン形成工程、電極パターンを有するガラス基板上に請求項3記載の積層シートの粘弾性層を貼り合わせる貼付け工程、該積層シートからベースフィルムを剥離する剥離工程、ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することによりバリアリブ形成隔壁と電極パターンを被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、電極パターン、バリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層を焼結することにより、電極を形成し、かつバリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含むことを特徴とする。
上記製造方法において、パターン形成工程が、フォトレジスト層上にパターン形成用マスクを積層し、パターン形成用マスクを介してフォトレジスト層を露光・現像してレジストパターンを形成する工程であることが好ましい。
本発明のPDP用背面基板の製造方法においては、サンドブラスト工程と焼成工程との間に、ガラス樹脂組成物層上のレジストパターンを除去する工程を含むことが好ましい。
また本発明は、前記の方法により製造されるPDP用背面基板に関する。
さらに本発明は、前記PDP用背面基板を用いたPDPに関する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の積層シートは、図2に示すように、無機粉体及びバインダ樹脂を含有するガラス樹脂組成物層11の片面側に、無機粉体を含有する粘弾性層12が積層されているものであり、電極を有するガラス基板上に誘電体層とバリアリブとを一体形成するために用いられる。本発明の積層シートは、ガラス樹脂組成物層11の他面側にベースフィルム13を有することが好ましい。ベースフィルム13を用いることによりガラス樹脂組成物層11の形成が容易になり、また積層シートを電極又は電極パターン(焼結することにより電極となるもの)を有するガラス基板表面上に一括転写することができるため好ましい。また、本発明の積層シートは、粘弾性層12の表面に保護フィルム14を有することが好ましい。保護フィルム14を設けることにより、積層シートをロール状に巻き取った状態で保存し、供給することができる。
さらに、本発明の積層シートは、図3に示すように、ガラス樹脂組成物層11とベースフィルム13との間にフォトレジスト層15が積層されていてもよい。フォトレジスト層15を予めガラス樹脂組成物層11の片面に設けておくことにより、ガラス樹脂組成物層11の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程を簡略化することができる。
ガラス樹脂組成物層11は、無機粉体及びバインダ樹脂を少なくとも含有する。
無機粉体は、公知のものを特に制限なく用いることができ、具体的には、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化亜鉛、ガラス粉末などが挙げられる。無機粉体の平均粒子径は0.1〜30μmであることが好ましい。
本発明においては、無機粉体としてガラスフリットを用いることが好ましい。ガラスフリットとしては公知のものを特に制限なく用いることができる。例えば、1)酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化珪素(ZnO−B2 3 −SiO2 系)の混合物、2)酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化珪素、酸化アルミニウム(ZnO−B2 3 −SiO2 −Al2 3 系)の混合物、3)酸化鉛、酸化ホウ素、酸化珪素、酸化カルシウム(PbO−B2 3 −SiO2 −CaO系)の混合物、4)酸化鉛、酸化ホウ素、酸化珪素、酸化アルミニウム(PbO−B2 3 −SiO2 −Al2 3 系)の混合物、5)酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化珪素(PbO−ZnO−B2 3 −SiO2 系)の混合物、6)酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化珪素、酸化アルミニウム(PbO−ZnO−B2 3 −SiO2 −Al2 3 系)の混合物などを挙げることができる。また、必要に応じてこれらにNa2 O、CaO、BaO、Bi2 3 、SrO、TiO2 、CuO、又はIn2 3 などを添加したものであってもよい。使用するガラスフリットは、焼結時にガラス基板との熱膨張係数の違いによる歪みが生じにくく、ガラス基板に変形を生じない温度で焼結できる低融点のものが好ましい。焼結処理により誘電体層とバリアリブとを一体形成することを考慮すると、軟化点が400〜650℃であるガラスフリットが好ましい。
バインダ樹脂は特に制限されず公知のものを用いることができるが、無機粉体の分散性がよく、ガラス樹脂組成物層の凝集性を向上させることができ、焼成工程において熱分解により完全に除去されるものが好ましい。具体的には、(メタ)アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、セルロース系樹脂などが挙げられる。
前記(メタ)アクリル系樹脂は、アクリル系モノマー又はメタクリル系モノマーの1種モノマーの重合体、前記モノマーの共重合体、又はそれらの混合物である。前記モノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレ−ト、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレートなどのアリール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、水酸基やカルボキシル基などの極性基を有する(メタ)アクリル系モノマーを用いてもよい。該極性基を有する(メタ)アクリル系モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、イミノール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ビニル系樹脂としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルメチルエーテルなどのポリビニルアルキルエーテルなどが挙げられる。
セルロース系樹脂としては、酢酸セルロース、及び酪酸セルロールなどのセルロースエステル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。
バインダ樹脂は、無機粉体100重量部に対して10重量部以下添加することが好ましく、さらに好ましくは8重量部以下であり、特に好ましくは5重量部以下である。バインダ樹脂の添加量が10重量部を超える場合には、ガラス樹脂組成物層の硬度が低下するためサンドブラスト処理においてガラス樹脂組成物層を切削しにくくなり、それによりサンドブラスト処理の効率が悪くなったり、精度の高いバリアリブを形成することが困難になる傾向にある。また、バインダ樹脂は、無機粉体100重量部に対して0.3重量部以上添加することが好ましく、さらに好ましくは0.5重量部以上であり、特に好ましくは0.7重量部以上である。バインダ樹脂の添加量が0.3重量部未満の場合には、ガラスペースト組成物をシート状に形成することが困難になる傾向にある。
無機粉体及びバインダ樹脂を含有する組成物をベースフィルム(支持フィルム)上に塗布してガラス樹脂組成物層を形成した転写シートを作製する場合には、ベースフィルム上に均一に塗布できるように該組成物中に溶剤を加えることが好ましい。
溶剤としては、無機粉体との親和性がよく、且つ、バインダ樹脂との溶解性がよいものであれば特に制限されるものではない。例えば、テルピネオール、ジヒドロ−α−テルピネオール、ジヒドロ−α−テルピニルアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、テレビン油、ジエチルケトン、メチルブチルケトン、ジプロピルケトン、シクロへキサノン、n−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、シクロへキサノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコ−ルモノメチルエーテル、エチレングリコ−ルモノエチルエーテル、エチレングリコ−ルモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸−n−ブチル、酢酸アミル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール−1−イソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール−3−イソブチレートなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、任意の割合で2種類以上を併用してもよい。
溶剤の添加量は、無機粉体100重量部に対して、10〜100重量部であることが好ましい。
また、ガラス樹脂組成物層には、可塑剤を添加してもよい。可塑剤を添加することにより、無機粉体及びバインダ樹脂を含有する組成物をベースフィルム上に塗布してガラス樹脂組成物層を形成した転写シートの可とう性や柔軟性、ガラス樹脂組成物層のガラス基板への転写性などを調整することができる。
可塑剤としては、公知のものを特に制限なく使用することができる。例えば、ジイソノニルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジブチルジグリコールアジペ−トなどのアジピン酸誘導体、ジ−2−エチルヘキシルアゼレートなどのアゼライン酸誘導体、ジ−2−エチルヘキシルセバケートなどのセバシン酸誘導体、トリ(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリオクチルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテートなどのトリメリット酸誘導体、テトラ−(2−エチルヘキシル)ピロメリテートなどのピロメリット酸誘導体、プロピレングリコールモノオレートなどのオレイン酸誘導体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール系可塑剤などが挙げられる。
可塑剤の添加量は、無機粉体100重量部に対して、5重量部以下であることが好ましく、さらに好ましくは3重量部以下、特に好ましくは1重量部以下である。可塑剤の添加量が5重量部を超えると、得られるガラス樹脂組成物層の強度や硬度が低下してしまい、サンドブラスト処理においてガラス樹脂組成物層を切削しにくくなるため好ましくない。
ガラス樹脂組成物層には、上記の成分の他、分散剤、シランカップリング剤、粘着性付与剤、レベリング剤、安定剤、消泡剤などの各種添加剤を添加してもよい。また、形成されるバリアリブの外光反射を低減し、コントラストを向上させるために黒色顔料や白色顔料を添加してもよい。
粘弾性層12は、ガラス樹脂組成物層11を電極又は電極パターンを有するガラス基板上に保持する機能と、電極又は電極パターンを被覆する機能と、ガラス樹脂組成物層11をサンドブラスト処理した際に薄い誘電体層形成膜を形成する機能と、及び焼成により粘弾性層自身が誘電体層となるため、サンドブラスト処理した際にたとえ誘電体層形成膜が薄くなりすぎた場合であっても、焼成後に電極又は電極パターンを確実に被覆する機能とを有する層である。
粘弾性層は、無機粉体及び粘弾性樹脂成分を少なくとも含有する。無機粉体としては公知のものを特に制限なく用いることができ、具体的には、上記ガラス樹脂組成物層に用いられる無機粉体が挙げられる。粘弾性層を焼結して得られる誘電体層と、バリアリブ形成隔壁及び誘電体層形成膜を焼結して得られるバリアリブ及び誘電体層との密着性(親和性)を高めたり、焼結温度を同程度にして焼成工程を効率化するために、粘弾性層に使用する無機粉体とガラス樹脂組成物層に使用する無機粉体は、同様の組成のものであることが好ましい。
粘弾性樹脂成分は、無機粉体を均一に分散保持でき、無機粉体を含有する粘弾性層に十分な粘弾性を付与することのできる材料であれば特に制限されない。粘弾性樹脂成分としては、例えば、アクリル系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の各種の粘着剤組成物(感圧性接着剤)や、常温では粘着性を示さないが加熱により粘着性を示す感熱性接着剤や、無機粉体用バインダーとして用いられる(メタ)アクリル系樹脂などを使用することができる。
アクリル系粘着剤や(メタ)アクリル系樹脂は、アクリル系ポリマーをベースポリマーとしており、該アクリル系ポリマーに使用されるモノマーとしては、各種(メタ)アクリル酸アルキルを使用できる。例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、イソオクチルエステル、イソノニルエステル、イソデシルエステル、ドデシルエステル、ラウリルエステル、トリデシルエステル、ペンタデシルエステル、ヘキサデシルエステル、ヘプタデシルエステル、オクタデシルエステル、ノナデシルエステル、エイコシルエステル等の炭素数1〜20アルキルエステル)を例示でき、これらを単独もしくは組合せて使用できる。
また、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとともに、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等のヒドロキシル基含有単量体;N−メチロールアクリルアミド等のアミド基含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有単量体;酢酸ビニル等のビニルエステル類;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体などを共重合モノマーとして用いることができる。なお、アクリル系ポリマーの重合法は特に制限されず、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、UV重合などの公知の重合法を採用できる。
ゴム系粘着剤のベースポリマーとしては、たとえば、天然ゴム、イソプレン系ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴム、再生ゴム、ポリイソブチレン系ゴム、さらにはスチレン−イソプレン−スチレン系ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン系ゴム等があげられる。
シリコーン系粘着剤のベースポリマーとしては、たとえば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等があげられる。
感熱性接着剤のベースポリマーとしては、たとえば、セルロース樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体等が挙げられる。
粘弾性樹脂成分は、無機粉体100重量部に対して3〜100重量部添加することが好ましく、さらに好ましくは5〜80重量部であり、特に好ましくは10〜60重量部である。粘弾性樹脂成分の添加量が3重量部未満の場合には、無機粉体を均一に分散することができず、シート状に形成することが困難になるだけでなく、粘弾性層が十分な弾性を有さなくなるためサンドブラスト処理において必要以上にガラス樹脂組成物層が切削されて誘電体層形成膜の厚さが薄くなり過ぎたり、誘電体層形成膜が形成されない場合がある。さらに、シート状の粘弾性層をガラス基板上に転写することが困難になる傾向にある。
一方、粘弾性樹脂成分の添加量が100重量部を超える場合には、焼成後にガラス基板上に有機成分が残存し、PDP用背面基板の品質が低下する恐れがある。また、粘弾性層の強度が低くなるためガラス基板に貼り合わせる際にガラス樹脂組成物層の位置がずれやすくなる傾向にある。さらには、粘弾性層の弾性が顕著になり、サンドブラスト処理においてガラス樹脂組成物層が切削されにくくなる傾向にある。そのため、高さの高いバリアリブを形成すること(放電空間を十分に確保すること)が困難になったり、ガラス樹脂組成物層の切削効率が悪くなる傾向にある。
前記粘弾性樹脂成分には、架橋剤を添加することができる。架橋剤としては、ポリイソシアネート化合物、ポリアミン化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。さらに前記粘着剤には、必要に応じて、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤を等を適宜に使用することもできる。
本発明の積層シートの製造方法は特に制限されないが、例えば、まず無機粉体及びバインダ樹脂を含有する組成物をベースフィルム13上に塗布し、溶剤を乾燥除去してガラス樹脂組成物層11を形成する。その後、ガラス樹脂組成物層11に、直接、粘弾性層形成組成物を塗布し、溶剤を含有している場合には乾燥して粘弾性層を形成することにより積層シートを製造することができる(直写法)。また、剥離ライナに粘弾性層形成組成物を塗布し、溶剤を含有している場合には乾燥して形成した粘弾性層12をガラス樹脂組成物層11に転写して積層してもよい(転写法)。また、保護フィルム14に粘弾性層形成組成物を塗布し、溶剤を含有している場合には乾燥して形成した粘弾性層12をガラス樹脂組成物層11に貼り合せてもよい。
さらに、剥離ライナ上にガラス樹脂組成物層11を形成し、その後剥離ライナを剥離する。保護フィルム上に形成した粘弾性層12を、該ガラス樹脂組成物層11の剥離ライナを剥離した面側に貼り合わせ、該ガラス樹脂組成物層11の他面側にベースフィルム13を貼り合わせて積層シートを製造してもよい。該製造方法は、ガラス樹脂組成物層11の表面にドライフィルムレジストを貼り合わせるなどしてフォトレジスト層を形成する場合に有効である。
ベースフィルム13は、耐熱性及び耐溶剤性を有すると共に可とう性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。ベースフィルムが可とう性を有することにより、ロールコーターなどによってガラス樹脂組成物層の形成材料であるペースト状組成物を塗布することができ、積層シートをロール状に巻き取った状態で保存し、供給することができる。
ベースフィルム13を形成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリフルオロエチレンなどの含フッ素樹脂、ナイロン、セルロースなどを挙げることができる。
ベースフィルム13の厚さは特に制限されないが、25〜100μm程度であることが好ましい。
なお、ベースフィルム13の表面には離型処理が施されていてもよい。これにより、積層シートをガラス基板上に転写する工程において、ベースフィルムの剥離操作を容易に行うことができる。
ガラス樹脂組成物層の形成材料であるペースト状組成物をベースフィルム上に塗布する方法としては、例えば、グラビア、キス、コンマなどのロ−ルコ−タ−、スロット、ファンテンなどのダイコータ−、スクイズコータ−、カーテンコータ−などの塗布方法を採用することができるが、ベースフィルム上に均一な塗膜を形成できればいかなる方法でもよい。
ガラス樹脂組成物層の厚さは、無機粉体の含有率、パネルの種類やサイズ、放電空間の大きさ(バリアリブの高さ)等によって異なるが、50〜400μmであることが好ましく、さらに好ましくは80〜300μmである。
粘弾性層12の表面には保護フィルム14を設けてもよい。保護フィルムの形成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。保護フィルムでカバーされた積層シートは、ロール状に巻き取った状態で保存し、供給することができる。なお、保護フィルムの表面は離型処理が施されていてもよい。
保護フィルム14の厚さは特に制限されないが、25〜100μm程度であることが好ましい。
粘弾性層の形成材料である粘弾性層形成組成物をガラス樹脂組成物層、剥離ライナ、又は保護フィルム上に塗布する方法としては、前記塗布方法を採用することができるが、均一な塗膜を形成できればいかなる方法でもよい。
粘弾性層12の厚さ(乾燥膜厚)は、ガラス樹脂組成物層を電極又は電極パターンを有するガラス基板上に保持するために必要とされる保持力(粘着力)や、電極又は電極パターンの被覆に要求される誘電体層形成膜の厚さや、粘弾性層を焼結してなる誘電体層の厚さ等に応じて適宜決定されるが、5〜100μmであることが好ましく、さらに好ましくは10〜50μmである。粘弾性層の厚さが5μm未満の場合には、電極を被覆する誘電体層の総膜厚が不十分となって所望の誘電特性を確保することができない傾向にある。一方、粘弾性層の厚さが100μmを超える場合には、焼成後にガラス基板上に有機成分が残存し、PDP用背面基板の品質が低下する傾向にある。また、粘弾性層の強度が低くなるためガラス基板に貼り合わせる際にガラス樹脂組成物層の位置がずれやすくなる傾向にある。さらには、粘弾性層の粘弾性が顕著になり、サンドブラスト処理においてガラス樹脂組成物層が切削されにくくなる傾向にある。そのため、高さの高いバリアリブを形成すること(放電空間を十分に確保すること)が困難になったり、ガラス樹脂組成物層の切削効率が悪くなる傾向にある。
本発明の積層シートは、ガラス樹脂組成物層11とベースフィルム13との間にフォトレジスト層15が積層されていてもよい。フォトレジスト層は、ガラス樹脂組成物層上にサンドブラスト処理では削れないレジストパターンをフォトリソグラフィにより形成するために用いられる。フォトレジスト層15は、ベースフィルム13やガラス樹脂組成物層11上に感光性樹脂を含有するペースト組成物を塗布・乾燥して成膜したり、シート状の感光性樹脂であるドライフィルムを貼り合わせることにより形成することができる。
以下に前記積層シートを用いたPDP用背面基板の製造方法を示す。図4は、本発明のPDP用背面基板の製造方法の一例を示す製造工程図である。
図4中の(1)は、ガラス基板17上に電極16a又は電極パターン16bが形成された電極付きガラス基板の構造を示す図である。ガラス基板17上に電極パターン16bを形成する方法は特に制限されず、公知の方法を採用することができる。例えば、電極の形成材料である金属ペーストをスクリーン印刷法によりガラス基板上に塗布して電極パターンを形成する方法、公知のコーティング法により金属ペーストをガラス基板上に塗布してフォトリソグラフィー法により電極パターンを形成する方法などが挙げられる。金属ペーストは、従来使用されている材料を特に制限なく使用可能であり、例えば、電極となる金属、有機バインダ、有機溶剤、低融点ガラス粉末などを混合したもの挙げられる。金属としては、例えば、銀、銅、アルミニウム、クロムなどが挙げられる。有機バインダとしては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、セルロース系樹脂などが挙げられる。
ガラス基板17上に電極16aを形成する方法は特に制限されず、公知の方法を採用することができる。例えば、上記方法でガラス基板上に電極パターンを形成した後に、電極パターンを焼結して電極を形成する方法、CVDやスパッタなどの成膜法により金属膜を成膜し、エッチング法やリフトオフ法によりパターンニングして電極を形成する方法が挙げられる。
工程(a)は、電極16a又は電極パターン16bを有するガラス基板17上に前記積層シートの粘弾性層12を貼り合わせる貼付け工程である。透過型PDPの場合には電極は表示電極となり、反射型PDPの場合には電極はアドレス電極となる。前記積層シートが保護フィルムを有する場合には、保護フィルムを剥離した後に粘弾性層を貼り合わせる。粘弾性層を貼り合わせた後、積層シートがベースフィルムを有する場合には、該積層シートからベースフィルムを剥離して転写する。転写条件としては、例えば、ラミネーターの表面温度25〜100℃、ロール線圧0.5〜15kg/cm、移動速度0.1〜5m/分であるが、これら条件に限定されるものではない。また、ガラス基板は予熱されていてもよく、予熱温度は50〜150℃程度である。
工程(b)〜(d)は、ガラス樹脂組成物層11の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程である。工程(b)は、ガラス樹脂組成物層11の面上にフォトレジスト層15を積層する工程である。フォトレジスト層は感光性樹脂を含有するペースト組成物をガラス樹脂組成物層の面上に塗布し、乾燥することにより成膜したり、ドライフィルムレジストを貼り合わせることにより形成することができる。ただし、ガラス樹脂組成物層上に予めフォトレジスト層が積層されている積層シートを用いた場合には、工程(b)は不要である。フォトレジスト層は、ポジ型であってもよく、ネガ型であってもよい。ポジ型の場合には、露光部が現像によって除去される。ネガ型の場合には、未露光部が現像によって除去される。図4のPDP用背面基板の製造工程図は、ネガ型のフォトレジストを用いた場合を例示している。レジスト現像時にガラス樹脂組成物層が悪影響を受けないようにするため、水現像型かアルカリ水溶液現像型のフォトレジストを用いることが好ましい。
工程(c)は、フォトレジスト層15上にパターン形成用マスク18を重ね、パターン形成用マスク18を介してフォトレジスト層15を露光する工程である。
工程(d)は、フォトレジスト層15を現像してレジストパターンを形成する工程である。現像することにより、未露光部分は除去され、露光部分は残る。このように工程(b)〜(d)によりガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成することができるが、スクリーン印刷によりガラス樹脂組成物層の面上に直接パターニングすることも可能であり、その場合には工程(b)〜(d)は不要である。ただし、大面積で高精度のパターニングを行う場合には、フォトリソグラフィ法により形成することが好ましい。
工程(e)は、レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することによりバリアリブ形成隔壁19と電極又は電極パターンを被覆する誘電体層形成膜20とを一体形成するサンドブラスト工程である。サンドブラスト処理とは、一般的にバリアリブを形成するための方法であり、詳しくは、サンドブラストでは削れないレジストパターンをガラス樹脂組成物層上に形成して、ガラス樹脂組成物層全面にアルミナ、ガラスビーズ、炭酸カルシウムなどの微小粉体(研磨材)を吹き付けることにより、レジストパターンで覆われていないガラス樹脂組成物層を切削してバリアリブ隔壁を形成する方法である。
本発明においては、ガラス樹脂組成物層と電極又は電極パターンを有するガラス基板との間に粘弾性層を設けており、この粘弾性層の特性によりバリアリブ形成隔壁と電極又は電極パターンを被覆する誘電体層形成膜とを一体形成することができる。上記で述べたように、従来のPDP用背面基板の製造は、ガラス基板上の電極を誘電体層でまず被覆し、その後、誘電体層上にバリアリブを形成していた。つまり誘電体層の形成とバリアリブの形成を別途独立に行っていたため、製造工程が長く、生産効率が非常に悪かった。本発明の製造方法によると、バリアリブ形成隔壁と電極又は電極パターンを被覆する誘電体層形成膜とを同時に一体的に形成することができるため、製造工程を大幅に削減することができ、生産効率を向上させることが可能である。このような顕著な効果が発現する理由は明らかではないが、以下のような理由が考えられる。
つまり、サンドブラスト処理の初期段階では、切削されるガラス樹脂組成物層の表面は硬く、脆く、また弾性をほとんど有さない(クッション性がない)ため、研磨材の有する衝撃エネルギーをガラス樹脂組成物層全体で吸収することができず、その衝撃エネルギーはガラス樹脂組成物層表面の研磨剤との接触部分に集中的に与えられることになる。そのためサンドブラスト処理の初期段階では、ガラス樹脂組成物層がよく切削されると考えられる。しかし、サンドブラスト処理の最終段階に近づいてくると、薄くなったガラス樹脂組成物層の下にある弾性を有する(クッション性を有する)粘弾性層の影響により研磨材の有する衝撃エネルギーが分散され、ガラス樹脂組成物層表面の研磨剤との接触部分の衝撃エネルギーが緩和されることになる。そのためガラス樹脂組成物層が切削されにくくなり、誘電体層形成膜となる薄膜が形成されると考えられる。
前記サンドブラスト処理における研磨材の噴射圧力は特に制限されないが、切削効率と高精度のバリアリブ形成隔壁と好適な厚さの誘電体層形成膜とを形成する観点から、0.02〜0.2MPaであることが好ましく、さらに好ましくは0.04〜0.15MPaである。
バリアリブ形成隔壁の高さは特に制限されないが、通常50〜400μmであり、好ましくは80〜300μmである。また、バリアリブ形成隔壁の上部の線幅も特に制限されないが、通常30〜100μmであり、好ましくは30〜70μmである。
電極を被覆する誘電体層形成膜の厚さは特に制限されないが、焼結後の誘電体層の厚さを考慮すると0.5〜30μmであることが好ましく、さらに好ましくは1〜20μmである。
工程(f)は、ガラス樹脂組成物層上のレジストパターンを除去する工程である。レジストパターンの除去方法は特に制限されず、公知の方法を採用することができる。例えば、剥離液を用いて剥離する方法や引き剥がす方法が挙げられる。本発明においては、バリアリブ形成隔壁と誘電体層形成膜とを焼結する時にレジストパターンを熱分解除去してもよいが、焼成工程前に予め除去しておくことが好ましい。
工程(g)は、上記方法により形成したバリアリブ形成隔壁19と誘電体層形成膜20とを焼結することによりバリアリブ21と誘電体層22とを一体形成する焼成工程である。また、粘弾性層12も前記焼成工程で同時に焼結されることにより誘電体層22となる。ガラス基板上に電極パターン16bが形成されている場合には、バリアリブ形成隔壁19と誘電体層形成膜20と粘弾性層12とを焼結する際に、電極パターン16bも同時に焼結して電極16aを形成する。本発明の製造方法によると、電極、バリアリブ、及び誘電体層を1回の焼成工程で形成することができるため、生産効率に極めて優れる。
バリアリブと、電極を被覆する誘電体層とを一体形成することができれば焼結の方法は特に制限されず、公知の方法を採用することができる。例えば、上記方法で作成したバリアリブ形成隔壁と誘電体層形成膜と粘弾性層と電極又は電極パターンとを有するガラス基板を、200〜450℃、好ましくは300〜420℃の雰囲気下に配置することにより、バリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、電極パターン、及び粘弾性層中の有機物質(樹脂成分、残存溶剤、各種の添加剤など)、並びにレジストパターンを有する場合にはレジストを熱分解除去する。その後、バリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層中の無機粉体を450〜600℃、好ましくは550〜585℃で溶融して焼結する。電極パターンが低融点ガラス粉末等の無機粉体を含有する場合には同時に溶融して焼結する。
これにより、電極を有するガラス基板上には、無機焼結体からなるバリアリブと誘電体層とが同一工程で一体的に形成される。本発明では、誘電体層形成膜を焼結して得られる誘電体層が極めて薄い場合であっても、無機粉体を含有する粘弾性層を使用しているため、粘弾性層を焼結して得られる誘電体層によりガラス基板上の電極を十分に被覆することができる。
電極を被覆する誘電体層の総厚さは特に制限されないが、1〜30μmであることが好ましく、さらに好ましくは5〜20μmである。電極を被覆する誘電体層の総厚さが1μm未満の場合には、所望の誘電特性を確保することができない傾向にある。一方、30μmを超える場合には、放電空間が小さくなるため輝度が低下する傾向にある。
焼成後のバリアリブの高さは特に制限されないが、通常50〜300μmであり、好ましくは80〜200μmである。
本発明のPDP用背面基板は、その後、バリアリブ及び誘電体層上に蛍光体層を形成することなどにより製造される。前記PDP用背面基板の製造方法は、バリアリブと誘電体層とが設けられるすべての種類のPDP用背面基板の製造に適用することができる。
また、前記PDP用背面基板は、面放電型や対向放電型の交流型PDPに好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
〔ガラス樹脂組成物層の作成〕
ガラスフリット(RFW−401C、旭硝子(株)製)100重量部、ポリビニルブチラール(電気化学工業社製、デンカブチラール3000−V)2.5重量部、及び可塑剤としてトリメリット酸トリオクチル(TOTM)0.3重量部を溶媒(α−テルピネオール/酢酸n−ブチルカルビトール=9/1(重量比)の混合溶媒)35重量部中に加え、ディスパー(回転プロペラ式撹拌機)で予備分散した後、3本ロール分散機を用いて本分散を行い、均一に混合されたガラスペースト組成物を調製した。ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに剥離剤処理を施したベースフィルム上に、前記調製したガラスペースト組成物をロールコータを用いて塗布し、塗膜を140℃で5分間乾燥することにより溶剤を除去してガラス樹脂組成物層(厚さ:160μm)を形成した。その後、ガラス樹脂組成物層上に保護フィルム(PET)をカバーしてフィルム付きガラス樹脂組成物層を作成し、それをロール状に巻き取った。
〔粘弾性層の作成〕
撹拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに2−エチルヘキシルメタクリレート99重量部、ヒドロキシプロピルメタクリレート(共栄社化学社製、ライトエステルHOP)1重量部、及び重合開始剤をトルエン中に添加し、穏やかに撹拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を75℃程度に保って約8時間重合反応を行い、メタクリル系ポリマーを調製した。得られたメタクリル系ポリマーの重量平均分子量は約10万であった。
ガラスフリット(RFW−401C、旭硝子(株)製)100重量部、前記メタクリル系ポリマー17重量部、溶剤としてα−テルピネオール40重量部、及び可塑剤としてトリメリット酸トリオクチル3重量部を分散機を用いて混合して粘弾性層樹脂組成物を調製した。
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに剥離剤処理を施した剥離ライナ(保護フィルム)上に、前記調製した粘弾性層樹脂組成物をロールコータを用いて塗布し、塗膜を150℃で5分間乾燥することにより溶剤を除去して粘弾性層(厚さ:20μm)を形成した。その後、粘弾性層上に保護フィルム(PET)をカバーしてフィルム付き粘弾性層を作成し、それをロール状に巻き取った。
〔積層シートの作成〕
前記フィルム付きガラス樹脂組成物層から保護フィルムを剥離した。また、前記フィルム付き粘弾性層から保護フィルムを剥離した。そして、剥離面のガラス樹脂組成物層と粘弾性層とを当接するように重ね合わせ、ロール式ラミネータを用いて圧着し、ベースフィルム、ガラス樹脂組成物層、粘弾性層、及び保護フィルムからなる積層シートを作成した。
〔PDP用背面基板の作成〕
前記積層シートを所定サイズに切断し、保護フィルムを剥離した。そして、電極を有するガラス基板上に、該積層シートの粘弾性層を重ね合わせ、ロール式ラミネータを用いて圧着した。その後、ベースフィルムを剥離することによりガラス樹脂組成物層及び粘弾性層からなる積層シートを転写して積層シート付きガラス基板を作成した。
そして、フォトレジスト層としてドライフィルムレジスト(東京応化製、オーディルシリーズ)を熱ロールを用いて積層シート付きガラス基板のガラス樹脂組成物層上にラミネートした。次に、線幅50μm、ピッチ300μmのパターン形成用マスクを位置合わせをしてガラス樹脂組成物層上にラミネートし、パターン形成用マスクを介してフォトレジスト層を紫外線により露光した。
露光後、炭酸ナトリウム現像液にて現像を行い、未露光部のレジストを除去した。次に、レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理(研磨材:炭酸カルシウム粒子♯800、噴射圧力:0.045MPa)して、バリアリブ形成隔壁と誘電体層形成膜(厚さ:約5μm)とを一体形成した。その後、ガラス樹脂組成物層上のレジストを端部からピールして剥離した。バリアリブ形成隔壁の上部における線幅は約50μmであり、高さは約160μmであった。図5は、バリアリブ形成隔壁及び誘電体層形成膜が一体形成されたガラス基板の断面の顕微鏡写真(SEM写真、倍率:200倍)である。該写真から、粘弾性層上にバリアリブ形成隔壁と誘電体層形成膜とが一体形成されていることがわかる。
次に、バリアリブ形成隔壁及び誘電体層形成膜が形成されたガラス基板を焼成炉内に配置し、炉内温度400℃で30分間予備焼成してバリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層中の有機物質(樹脂成分、残存溶剤、各種の添加剤など)を熱分解除去した。その後、560℃で30分間焼成してバリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層中のガラスフリットを溶融・焼結させた。その結果、ガラス基板上にバリアリブ(上部における線幅:約40μm、高さ:約110μm)と電極を被覆する誘電体層(厚さ:約10μm)とが一体形成されていた。図6は、バリアリブ及び誘電体層が一体形成されたガラス基板の断面の顕微鏡写真(SEM写真、倍率:200倍)である。該写真から、ガラス基板上にバリアリブと誘電体層とが一体的に形成されていることがわかる。
実施例2
〔電極パターンの作成〕
PDP用ガラス基板(旭硝子社製、PD200)上に電極形成用銀ペースト(デュポン社製、フォーデルDCシリーズ)をスクリーン印刷法により塗布し乾燥して、高さ5μm、線幅30μm、ピッチ300μmの電極パターン(未焼結)を形成した。
〔積層シートの作成〕
実施例1と同様の方法で積層シートを作製した。
〔PDP用背面基板の作成〕
前記積層シートを所定サイズに切断し、保護フィルムを剥離した。そして、前記電極パターンを有するガラス基板上に、該積層シートの粘弾性層を重ね合わせ、ロール式ラミネータを用いて圧着した。その後、ベースフィルムを剥離することによりガラス樹脂組成物層及び粘弾性層からなる積層シートを転写して積層シート付きガラス基板を作成した。
そして、フォトレジスト層としてドライフィルムレジスト(東京応化製、オーディルシリーズ)を熱ロールを用いて積層シート付きガラス基板のガラス樹脂組成物層上にラミネートした。次に、線幅50μm、ピッチ300μmのパターン形成用マスクを位置合わせをしてガラス樹脂組成物層上にラミネートし、パターン形成用マスクを介してフォトレジスト層を紫外線により露光した。
露光後、炭酸ナトリウム現像液にて現像を行い、未露光部のレジストを除去した。次に、レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理(研磨材:炭酸カルシウム粒子♯800、噴射圧力:0.045MPa)して、バリアリブ形成隔壁と誘電体層形成膜(厚さ:約5μm)とを一体形成した。その後、ガラス樹脂組成物層上のレジストを端部からピールして剥離した。バリアリブ形成隔壁の上部における線幅は約50μmであり、高さは約160μmであった。顕微鏡で断面を観察すると、粘弾性層上にバリアリブ形成隔壁と誘電体層形成膜とが一体形成されていた。
次に、バリアリブ形成隔壁及び誘電体層形成膜が形成されたガラス基板を焼成炉内に配置し、炉内温度400℃で30分間予備焼成してバリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、粘弾性層、及び電極パターン中の有機物質(樹脂成分、残存溶剤、各種の添加剤など)を熱分解除去した。その後、560℃で30分間焼成してバリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層中のガラスフリット、並びに電極パターンを溶融・焼結させた。顕微鏡で断面を観察すると、ガラス基板上にバリアリブ(上部における線幅:約40μm、高さ:約110μm)と焼成された電極を被覆する誘電体層(厚さ:約10μm)とが一体形成されていた。
3電極面放電型PDPの構造を示す斜視図。 本発明の積層シートの一例を示す断面図。 本発明の積層シートの他の一例を示す断面図。 本発明のPDP用背面基板の製造方法の一例を示す工程図。 焼成工程前のバリアリブ形成隔壁及び誘電体層形成膜が一体形成されたガラス基板の断面の顕微鏡写真(SEM写真、倍率:200倍)。 焼成工程後のバリアリブ及び誘電体層が一体形成されたガラス基板の断面の顕微鏡写真(SEM写真、倍率:200倍)。
符号の説明
1:前面ガラス基板
2:サステイン電極(表示電極)
3:バス電極
4、8、22:誘電体層
5:MgO膜(保護層)
6:背面ガラス基板
7:アドレス電極(データ電極)
9、21:バリアリブ
10:蛍光体層
11:ガラス樹脂組成物層
12:粘弾性層
13:ベースフィルム
14:保護フィルム
15:フォトレジスト層
16a:電極
16b:電極パターン
17:ガラス基板
18:パターン形成用マスク
19:バリアリブ形成隔壁
20:誘電体層形成膜

Claims (14)

  1. 無機粉体及びバインダ樹脂を含有するガラス樹脂組成物層の片面側に、無機粉体を含有する粘弾性層が積層されており、電極を有するガラス基板上に誘電体層とバリアリブとを一体形成するために用いられる積層シート。
  2. ガラス樹脂組成物層の他面側にベースフィルムが積層されている請求項1記載の積層シート。
  3. ガラス樹脂組成物層とベースフィルムとの間にフォトレジスト層が積層されている請求項2記載の積層シート。
  4. 電極を有するガラス基板上に請求項1記載の積層シートの粘弾性層を貼り合わせる貼付け工程、該ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することによりバリアリブ形成隔壁と電極を被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、バリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層を焼結することによりバリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含むプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法。
  5. 金属ペーストからなる電極パターンをガラス基板上に形成する電極パターン形成工程、電極パターンを有するガラス基板上に請求項1記載の積層シートの粘弾性層を貼り合わせる貼付け工程、該ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することによりバリアリブ形成隔壁と電極パターンを被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、電極パターン、バリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層を焼結することにより、電極を形成し、かつバリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含むプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法。
  6. 電極を有するガラス基板上に請求項2記載の積層シートの粘弾性層を貼り合わせる貼付け工程、該積層シートからベースフィルムを剥離する剥離工程、ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することによりバリアリブ形成隔壁と電極を被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、バリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層を焼結することによりバリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含むプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法。
  7. 金属ペーストからなる電極パターンをガラス基板上に形成する電極パターン形成工程、電極パターンを有するガラス基板上に請求項2記載の積層シートの粘弾性層を貼り合わせる貼付け工程、該積層シートからベースフィルムを剥離する剥離工程、ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することによりバリアリブ形成隔壁と電極パターンを被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、電極パターン、バリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層を焼結することにより、電極を形成し、かつバリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含むプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法。
  8. パターン形成工程が、ガラス樹脂組成物層上にフォトレジスト層とパターン形成用マスクとを積層し、パターン形成用マスクを介してフォトレジスト層を露光・現像してレジストパターンを形成する工程である請求項4〜7のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法。
  9. 電極を有するガラス基板上に請求項3記載の積層シートの粘弾性層を貼り合わせる貼付け工程、該積層シートからベースフィルムを剥離する剥離工程、ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することによりバリアリブ形成隔壁と電極を被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、バリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層を焼結することによりバリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含むプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法。
  10. 金属ペーストからなる電極パターンをガラス基板上に形成する電極パターン形成工程、電極パターンを有するガラス基板上に請求項3記載の積層シートの粘弾性層を貼り合わせる貼付け工程、該積層シートからベースフィルムを剥離する剥離工程、ガラス樹脂組成物層の面上にレジストパターンを形成するパターン形成工程、該レジストパターンの開口部のガラス樹脂組成物層をサンドブラスト処理することによりバリアリブ形成隔壁と電極パターンを被覆する誘電体層形成膜とを一体形成するサンドブラスト工程、電極パターン、バリアリブ形成隔壁、誘電体層形成膜、及び粘弾性層を焼結することにより、電極を形成し、かつバリアリブと誘電体層とを一体形成する焼成工程、を含むプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法。
  11. パターン形成工程が、フォトレジスト層上にパターン形成用マスクを積層し、パターン形成用マスクを介してフォトレジスト層を露光・現像してレジストパターンを形成する工程である請求項9又は10記載のプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法。
  12. サンドブラスト工程と焼成工程との間に、ガラス樹脂組成物層上のレジストパターンを除去する工程を含む請求項4〜11のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法。
  13. 請求項4〜12のいずれかに記載の方法により製造されるプラズマディスプレイパネル用背面基板。
  14. 請求項13記載のプラズマディスプレイパネル用背面基板を用いたプラズマディスプレイパネル。
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