JP4702062B2 - 転写フィルムおよびディスプレイパネル部材の製造方法 - Google Patents

転写フィルムおよびディスプレイパネル部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ディスプレイパネル部材の製造に好適な転写フィルムおよび該転写フィルムを用いたディスプレイパネル部材の製造方法に関する。
近年、平板状の蛍光表示体としてプラズマディスプレイパネル(以下「PDP」ともいう)が注目されている。PDPは、透明電極を形成し、近接した2枚のガラス板の間にアルゴンまたはネオンなどの不活性ガスを封入し、プラズマ放電を起こしてガスを光らせることにより、蛍光体を発光させて情報を表示するディスプレイである。
図1は従来公知の交流型PDPの断面形状を示す模式図である。図1において、101および102は対抗配置されたガラス基板、103および111は隔壁であり、ガラス基板101、ガラス基板102、背面隔壁103および前面隔壁111によりセルが区画形成されている。104はガラス基板101に固定された透明電極であり、105は透明電極104の抵抗を下げる目的で該透明電極104上に形成されたバス電極であり、106はガラス基板102に固定されたアドレス電極である。107はセル内に保持された蛍光物質であり、108は透明電極104およびバス電極105を被覆するようガラス基板101の表面に形成された誘電体層であり、109はアドレス電極106を被覆するようガラス基板102の表面に形成された誘電体層であり、110は例えば酸化マグネシウムよりなる保護膜である。また、カラーPDPにおいては、コントラストの高い画像を得るため、ガラス基板と誘電体層との間に、カラーフィルター(赤色・緑色・青色)やブラックマトリックスなどを設けることがある。
このようなPDP用部材、例えば、誘電体層の製造方法としては、(1)ガラスペーストを基板上にスクリーン印刷して焼成するスクリーン印刷法、(2)支持フィルム上にガラスペーストを塗布して形成した部材形成材料層を、基板上に転写して焼成する転写法などが知られている。また、隔壁の製造方法としては、無機粒子を含有する感光性樹脂層を基板上に形成し、該樹脂層にフォトマスクを介して紫外線を照射して現像し、基板上に形成されたパターンを焼成する工程からなるフォトリソグラフィー法などが好適に用いられている(特許文献1〜3参照)。
無機粒子を含有する樹脂層(部材形成材料層)を基板上に形成する方法としては、該材料層を形成した転写フィルムを用いて、可撓性を有する支持フィルム上に、該材料層を転写して形成する方法が好適に用いられている。このように転写フィルムを用いることにより、厚みの均一性に優れた部材形成材料層が得られるとともに、作業効率の向上を図ることができる。
しかしながら、誘電体層の上に隔壁を形成しようとする場合、まず、基板上に誘電体層形成用転写フィルムを用いて誘電体形成材料層を転写した後、焼成を行って誘電体層を形成し、次いで、該誘電体層上に隔壁形成用転写フィルムを用いて隔壁形成材料層を転写し、パターンを形成した後、さらに焼成を行って隔壁を形成するという工程を経る必要がある。そのため、作業効率の面で煩雑であるとともに、誘電体層が複数回加熱されることになり、透明性や平滑性を維持する上で好ましくないという問題がある。
そこで、誘電体層および隔壁の両方の部材形成材料層の焼成処理を同時に行って、誘電体層および隔壁を基板上に形成しようという試みがなされている。しかしながら、焼成後に誘電体層の収縮や剥がれ、隔壁パターンの歪みや剥がれなどが起こってしまい、各部材
を各々焼成した場合と同じレベルの部材を形成する方法は、未だ確立されていない。
特開平6−321619号公報 特開平9−102273号公報 特開平11−162339号公報
本発明は、誘電体層と隔壁を同時に形成することが可能な転写フィルムおよびディスプレイパネル部材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の転写フィルムは、支持フィルムと、少なくとも無機粒子および樹脂を含有する感光性の部材形成材料層と、少なくとも無機粒子および樹脂を含有する非感光性の部材形成材料層とを有し、部材形成材料層に含有される樹脂の300℃における熱重量減少割合が、非感光性の部材形成材料層中の樹脂よりも感光性の部材形成材料層中の樹脂の方が大であることを特徴とする。
本発明のディスプレイパネル部材の第1の製造方法(以下「製造方法(I)」ともいう)は、基板上に、第一の層として、少なくとも無機粒子および樹脂を含有する非感光性の部材形成材料層を形成する工程と、前記第一の層上に、第二の層として、少なくとも無機粒子および樹脂を含有する感光性の部材形成材料層を形成する工程と、前記第二の層を露光処理してパターンの潜像を形成する工程と、前記第二の層を現像処理してパターンを顕在化させる工程と、前記パターンおよび前記第一の層を同時に焼成する工程とを含み、部材形成材料層に含有される樹脂の300℃における樹脂成分の熱重量減少割合が、第一の層中の樹脂よりも第二の層中の樹脂の方が大であることを特徴とする。
本発明のディスプレイパネル部材の第2の製造方法(以下「製造方法(II)」ともいう)は、上記本発明の転写フィルムを用いて、基板上に、非感光性の部材形成材料層が基板と接するように、部材形成材料層の積層を転写する工程と、感光性の部材形成材料層を露光処理してパターンの潜像を形成する工程と、前記感光性の部材形成材料層を現像処理してパターンを顕在化させる工程と、前記パターンおよび非感光性の部材形成材料層を同時に焼成する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の転写フィルムを用いることにより、誘電体層および隔壁の両方の部材形成材料層の焼成処理を同時に行っても、膜厚均一性と透明性に優れた誘電体層と、パターン形状と誘電体との密着性に優れた隔壁とを得ることが可能になる。
以下、本発明に係る転写フィルムおよびディスプレイパネル部材の製造方法について詳細に説明する。
〔転写フィルム〕
本発明の転写フィルムは、支持フィルムと、感光性の部材形成材料層と、非感光性の部材形成材料層とを有し、通常、支持フィルム/感光性の部材形成材料層/非感光性の部材形成材料層の順で積層された構造を有する。また、非感光性の部材形成材料層の上に、保護フィルム層が設けられていてもよい。
<支持フィルム>
本発明の転写フィルムを構成する支持フィルムは、耐熱性および耐溶剤性を有するとともに可撓性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。支持フィルムが可撓性を有する
ことにより、ロールコータによってペースト状組成物を塗布することができ、無機粒子含有樹脂層をロール状に巻回した状態で保存および供給することができる。なお、支持フィルムの厚さとしては、使用に適した範囲であればよく、例えば20〜100μmである。
支持フィルムを形成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリフロロエチレンなどの含フッ素樹脂、ナイロン、セルロースなどが挙げられる。
上記支持フィルムにおける部材形成材料層が形成される面には、離型処理が施されていることが好ましい。これにより、PDP構成部材形成の際に、支持フィルムの剥離操作を容易に行うことができる。
さらに、部材形成材料層の表面に設けられることのある保護フィルム層としては、上記支持フィルムと同様の可撓性を有する樹脂フィルムを用いることができ、その表面(部材形成材料層と接する面)には離型処理が施されていてもよい。
<部材形成材料層>
本発明の転写フィルムを構成する感光性の部材形成材料層は、少なくとも無機粒子および樹脂を含有し、通常、さらに感光性成分として、多官能性(メタ)アクリレートおよび光重合開始剤を含有するものである。また、本発明の転写フィルムを構成する非感光性の部材形成材料層は、少なくとも無機粒子および樹脂を含有するものである。
上記部材形成材料層は、無機粒子、樹脂、必要に応じて感光性成分および溶剤を含有するペースト状の無機粒子含有樹脂組成物を用いて塗膜を形成し、これを乾燥させて溶剤を除去することにより得られるものである。
本発明の転写フィルムは、部材形成材料層に含有される樹脂の300℃における熱重量減少割合が、非感光性の部材形成層中の樹脂(以下「樹脂(i)」ともいう)よりも感光性の部材形成層中の樹脂(以下「樹脂(ii)」ともいう)の方が大であることを特徴とする。
このように、両層における樹脂の熱重量減少割合が異なることにより、非感光性の部材形成材料層から得られる膜状の部材(例えば誘電体層)と、感光性の部材形成材料層から得られるパターン状の部材(例えば隔壁)とを同時に焼成した場合にも、両部材の形状が良好なものとなるという効果を奏する。
上記熱重量減少割合は、示差熱熱重量同時測定装置TG/DTAを用いた測定により得られる値である。本発明の転写フィルムにおいて、樹脂(i)の300℃における熱重量減少割合は、通常、5〜80重量%、好ましくは5〜30重量%であり、樹脂(ii)の300℃における熱重量減少割合は、通常、5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%である。
上記熱重量減少割合は、結着樹脂に、後述する式(1)で表される(メタ)アクリレートのうち、R2が炭化水素基であるモノマー由来の構成単位を含むアクリル樹脂を用いると
、高くなる傾向にあり、結着樹脂にアミド基含有モノマー由来の構成単位を含むアクリル樹脂を用いると低くなる傾向にある。また、結着樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量が高い樹脂の方が、熱重量減少割合は低くなる傾向にある。
また、樹脂(i)と樹脂(ii)との300℃における熱重量減少割合の差は、好ましく
は5〜30重量%、特に好ましくは5〜20重量%である。樹脂(i)と樹脂(ii)との熱重量減少割合の差が前記範囲よりも低いと、本発明の効果が十分に発現されずに形状の優れた部材を得ることが難しくなる傾向にあり、前記範囲を超えると、形状は優れていても非感光性層中に隔壁が埋もれてしまう傾向にある。
本発明の転写フィルムは、上記感光性の部材形成材料層が隔壁形成材料層であり、上記非感光性の部材形成材料層が誘電体形成材料層であることが好ましい。このような転写フィルムを用いて、誘電体形成材料層上に隔壁パターンを形成し、これらを同時に焼成することにより、膜厚均一性および透明性に優れた誘電体層と、パターン形状および誘電体層との密着性に優れた隔壁とを得ることが可能になる。
以下、部材形成材料層の形成に用いられる無機粒子含有樹脂組成物(以下、単に「組成物」ともいう)の各成分について説明する。
(無機粒子)
上記無機粒子を構成する無機物質は、特に限定されず、上記組成物により形成される焼結体の用途(ディスプレイパネル部材の種類)に応じて適宜選択することができる。
ここで、PDPを構成する「誘電体層」または「隔壁」を形成するための組成物に含有される無機粒子としては、軟化点が350〜700℃、好ましくは400〜620℃の範囲内にあるガラス粉末を挙げることができる。ガラス粉末の軟化点が350℃未満であると、部材形成材料層の焼成工程において、樹脂などの有機物質が完全に分解除去されない段階でガラス粉末が溶融してしまうことがある。そのため、形成される部材中に有機物質の一部が残留し、その結果、誘電体層や隔壁が着色されて、その光透過率が低下するおそれがある。一方、ガラス粉末の軟化点が700℃を超えると、高温で焼成する必要があるために、ガラス基板に歪みなどが発生しやすい。
好適なガラス粉末の具体例としては、
1.酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素(PbO−B2O3−SiO2系)の混合物、
2.酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素(ZnO−B2O3−SiO2系)の混合物、
3.酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム(PbO−B2O3−SiO2−Al2O3系)の混合物、
4.酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素(PbO−ZnO−B2O3−SiO2系)の混合物、5.酸化ビスマス、酸化ホウ素、酸化ケイ素(Bi2O3-B2O3-SiO2系)の混合物、
6.酸化亜鉛、酸化リン、酸化ケイ素(ZnO−P2O5−SiO2系)の混合物、
7.酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化カリウム(ZnO−B2O3−K2O系)の混合物、
8.酸化リン、酸化ホウ素、酸化アルミニウム(P2O5−B2O3−Al2O3系)の混合物、
9.酸化亜鉛、酸化リン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム(ZnO−P2O5−SiO2−Al2O3系)の混合物、
10.酸化亜鉛、酸化リン、酸化チタン(ZnO−P2O5−TiO2系)の混合物、
11.酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化カリウム(ZnO−B2O3−SiO2系−K2O系)の混合物、
12.酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化カリウム、酸化カルシウム(ZnO−B2O3
−SiO2−K2O−CaO系)の混合物、
13.酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム(ZnO−B2O3−SiO2−K2O−CaO−Al2O3系)の混合物、
14.酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化バリウム、酸化ケイ素(PbO−ZnO−B2O3−BaO−SiO2系)の混合物、
15.酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ケイ素(BaO−CaO−SiO2系)の混合物
などを例示することができる。
上記ガラス粉末の粒径は特に限定されないが、ガラス粉末含有組成物の調製において良好な分散状態を達成するために、平均粒径が0.5〜5μmの範囲であることが望ましい。
上記ガラス粉末は、誘電体層および隔壁以外のディスプレイパネル部材(例えば、電極、抵抗体、蛍光体、カラーフィルター、ブラックマトリックス)を形成するための組成物中に含有(併用)されていてもよい。これらの部材を得るための組成物におけるガラス粉末の含有量は、無機粒子全量に対して、通常、90重量%以下、好ましくは50〜90重量%である。
PDPを構成する「電極」を形成するための組成物に含有される無機粒子としては、Ag、Au、Al、Ni、Ag−Pd合金、CuおよびCrなどからなる金属粒子を挙げることができる。
これらの金属粒子は、誘電体層を形成するための組成物中にガラス粉末と併用する形で含有されていてもよい。誘電体層形成用組成物における金属粒子の含有量は、無機粒子全量に対して、通常、10重量%以下、好ましくは0.1〜5重量%である。
PDPを構成する「抵抗体」を形成するための組成物に含有される無機粒子としてはRuO2などからなる粒子を挙げることができる。
PDPを構成する「蛍光体」を形成するための組成物に含有される無機粒子としては、Y23:Eu3+ 、Y2SiO5:Eu3+、Y3Al512:Eu3+、YVO4:Eu3+、(Y,G
d)BO3:Eu3+、Zn3(PO4)2:Mnなどの赤色用蛍光物質;
Zn2SiO4:Mn、BaAl1219:Mn、BaMgAl1423:Mn、LaPO4
(Ce,Tb)、Y3(Al,Ga)512:Tbなどの緑色用蛍光物質;
2SiO5:Ce、BaMgAl1017:Eu2+、BaMgAl1423:Eu2+、(Ca,Sr,Ba)10(PO4612:Eu2+、(Zn,Cd)S:Agなどの青色用蛍光物質などからなる粒子を挙げることができる。
PDPを構成する「カラーフィルター」を形成するための組成物に含有される無機粒子としては、Fe23、Pb34などの赤色用物質、Cr23などの緑色用物質、2(Al2Na2Si310)・Na24などの青色用物質などからなる粒子を挙げることができる
PDPを構成する「ブラックマトリックス」を形成するための組成物に含有される無機粒子としては、Mn、Fe、Crなどからなる粒子を挙げることができる。
(樹脂(i))
非感光性の部材形成材料層において結着樹脂として用いられる樹脂(i)は、アクリル樹脂であることが好ましい。結着樹脂としてアクリル樹脂が含有されていることにより、形成される部材形成材料層には、基板に対する優れた(加熱)密着性が発揮される。従って、本発明の転写フィルムは、部材形成材料層の転写性(基板への加熱密着性)に優れたものとなる。
上記アクリル樹脂としては、適度な粘着性を有して無機粒子を結着させることができ、部材形成材料層の焼成処理(例えば400〜620℃)によって完全に酸化除去される(共)重合体の中から選択される。
上記アクリル樹脂としては、下記式(1)で表される(メタ)アクリレート(以下「化合物(1)」ともいう)の単独重合体、2種類以上の化合物(1)の共重合体、および化合物(1)と化合物(1)以外の共重合性単量体との共重合体が挙げられる。
Figure 0004702062
式(1)中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は1価の有機基を示す。
上記化合物(1)の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ウンデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート;
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−プロポキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシブチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート
、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート
などを挙げることができる。
これらの中では、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートが好ましく、特に好ましい(メタ)アクリレート化合物として、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートを挙げることができる。また、上記式(1)中、R1で示され
る基はメチル基であることが特に好ましく、すなわち、アクリレートとメタクリレートとではメタクリレートを用いることが好ましい。
上記化合物(1)以外の共重合性単量体としては、上記化合物(1)と共重合可能な化合物であれば特に制限されず、例えば、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリンなどのアミド基含有モノ
マー類などのビニル基含有ラジカル重合性化合物が挙げられる。
本発明の組成物を構成するアクリル樹脂において、上記化合物(1)由来の構成単位の含有量は、通常70重量%以上、好ましくは90重量%以上である。
樹脂(i)としては、アミド基含有モノマーを共重合成分として用いる重合体が好ましく用いられ、上記好ましい化合物(i)とアミド基含有モノマー類との共重合体がより好ましく用いられる。特に好ましい樹脂(i)の組成としては、たとえば、n−ブチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレート/アクリロイルモルホリン共重合体などが挙げられる。
樹脂(i)の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(以下「Mw」ともいう)として、好ましくは4,000〜300,000、さらに好ましくは10,000〜200,000である。
非感光性の部材形成材料層を形成する組成物における樹脂(i)の含有量は、無機粒子100重量部に対して、好ましくは5〜150重量部、さらに好ましくは10〜120重量部である。樹脂(i)の含有量が前記範囲より低いと、無機粒子を確実に結着保持することができない場合があり、一方、前記範囲を超えると、焼成工程に長い時間を要したり、形成される部材が十分な強度や膜厚を有するものとならなかったりする場合がある。
(樹脂(ii))
樹脂(ii)は、水溶性樹脂またはアルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。なお、本発明における「水溶性」および「アルカリ可溶性」とは、後述する水またはアルカリ性のエッチング液によって溶解し、目的とするエッチング処理が遂行される程度に溶解性を有する性質をいう。樹脂(ii)として特に好ましくは、下記式(2)で表される(メタ)アクリレート(以下「化合物(2)」ともいう)の単独重合体、2種類以上の化合物(2)の共重合体、および化合物(2)と化合物(2)以外の共重合性単量体との共重合体から選ばれる水溶性樹脂が挙げられる。
Figure 0004702062
式(2)中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2は炭素数1〜5のアルキル基であり、mおよびnは1〜5の整数、かつ、m≠nであり、aは1〜100の整数であり、bは0〜100の整数である。
上記化合物(2)としては、たとえば、
メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(m=2、b=0)、
メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート(m=3、b=0)、
メトキシポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(m=4、b=0)、
メトキシポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート(m=2、n=3)、および
メトキシポリ(プロピレングリコール−ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート(m=3、n=4)などが挙げられる。これらの中では、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
上記化合物の市販品としては、日本油脂(株)製「ブレンマー」シリーズが挙げられ、特に「ブレンマーPME−100」、「同PME−200」、「同PME−350」等が挙げられる。
上記水溶性樹脂(ii)における化合物(2)以外の共重合性単量体としては、例えば、樹脂(i)の構成モノマーとして上述したヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン等の水酸基含有モノマー類;
樹脂(i)の構成モノマーとして上述したアミド基含有モノマー類;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルフェニルアセテートなどが挙げられる。
上記化合物(2)以外の共重合性単量体の中では、水酸基含有モノマー類およびアミド基含有モノマー類が好ましく、特に水酸基含有モノマー類とアミド基含有モノマー類とを併用することが好ましい。
上記水溶性樹脂(ii)において、上記化合物(2)以外の共重合性単量体由来の構成単位の含有量は、特に制限されないが、好ましくは0.1〜70モル%、より好ましくは5〜65モル%、特に好ましくは10〜60モル%である。このような範囲で上記化合物(2)以外の共重合性単量体由来の構成単位を含有することにより、転写フィルムにしたときのハンドリング性および基板への転写性に優れ、水現像性、パターン密着性およびフィルムの保存安定性が良好な転写フィルムを得ることができる。
上記化合物(2)以外の共重合性単量体として水酸基含有モノマー類を用いる場合、該モノマー由来の構成単位の含有量は、好ましくは40モル%以下、より好ましくは10〜30モル%である。このような範囲で水酸基含有モノマー由来の構成単位を含有することにより、水現像性およびパターン密着性に優れた組成物および転写フィルムを得ることができる。
また、上記化合物(2)以外の共重合性単量体としてアミド基含有モノマー類を用いる場合、該モノマー由来の構成単位の含有量は、好ましくは50モル%以下、より好ましくは10〜40モル%である。このような範囲でアミド基含有モノマー由来の構成単位を含有することにより、水現像性および解像性に優れた組成物および転写フィルムを得ることができる。
さらに、上記化合物(2)以外の共重合性単量体として水酸基含有モノマー類とアミド基含有モノマー類とを併用する場合、水酸基含有モノマー由来の構成単位の含有量と、アミド基含有モノマー由来の構成単位の含有量とのモル比(水酸基:アミド基)は、1:5〜5:1、好ましくは1:4〜4:1、特に好ましくは1:3〜3:1である。このようなモル比で水酸基含有モノマー類とアミド基含有モノマー類とを併用することにより、水現像性およびパターン密着性に優れた組成物および転写フィルムが得られ、さらに転写フィルムにしたときにハンドリング性に優れるという利点がある。
上記水溶性樹脂(ii)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5,000〜5,000,000、特に好ましくは10,000〜300,000である。Mwが前記範囲にあることにより、転写フィルムとしたときのフィルム形成性がよく、パターニング性にも優れる。なお、前記Mwは、GPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
上記樹脂(ii)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは0〜70℃であり、さらに好ましくは10〜50℃である。Tgがこのような範囲にあることにより、転写フィルムにしたときのハンドリング性、保存安定性および基板への転写性が良好となる。
樹脂(ii)としてアルカリ可溶性樹脂を用いる場合、該アルカリ可溶性樹脂の具体例としては、アクリル樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ノボラック樹脂、ポリエステル樹脂などを挙げることができる。これらのうち、アクリル樹脂が特に好ましく用いられる。
上記アクリル樹脂としては、下記のアルカリ可溶性官能基を有するモノマーと他の共重合性モノマーとの共重合体を挙げることができる。
アルカリ可溶性官能基を有するモノマーとしては、例えば、
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ケイ皮酸、コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなどのカルボキシル基含有モノマー類;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有モノマー類;
o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレンなどの水酸基含有モノマー類などが挙げられる。
また、他の共重合性モノマーとしては、樹脂(i)の構成モノマーとして上述した化合物(1)のうち、アルカリ可溶性官能基を有するモノマー以外のモノマーなどが挙げられる。
感光性の部材形成材料層を形成する組成物における樹脂(ii)の含有量は、無機粒子100重量部に対して、通常、1〜50重量部、好ましくは10〜45重量部、特に好ましくは20〜40重量部である。樹脂(ii)の含有量が上記範囲にあることにより、本発明の効果が充分に発現される。
(多官能性(メタ)アクリレート)
感光性の部材形成材料層を構成する多官能性(メタ)アクリレートは、露光により重合化されて、露光部分が現像液に不溶性または難溶性になる性質を有する。
本発明で用いられる多官能性(メタ)アクリレートとしては、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;両末端ヒドロキシポリブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプロラクトンなどの両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類;グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールアルカン、テトラメチロールアルカン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類;3価以上の多価アルコールのポリアルキレングリコール付加物のポリ(メタ)アクリレート類;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ベンゼンジオール類などの環式ポリオールのポリ(メタ)アクリレート類;ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、
ウレタン(メタ)アクリレート、アルキド樹脂(メタ)アクリレート、シリコーン樹脂(メタ)アクリレート、スピラン樹脂(メタ)アクリレート等のオリゴ(メタ)アクリレート類などが挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記多官能性(メタ)アクリレートの分子量は100〜2,000であることが好ましい。
上記多官能性(メタ)アクリレートの含有量は、上記無機粒子(A)100重量部に対して、通常、0.1〜50重量部、好ましくは1〜40重量部である。
(光重合開始剤)
感光性の部材形成材料層を構成する光重合開始剤としては、たとえば、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、カンファーキノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイドなどのカルボニル化合物;アゾイソブチロニトリル、4−アジドベンズアルデヒドなどのアゾ化合物あるいはアジド化合物;メルカプタンジスルフィドなどの有機硫黄化合物;ベンゾイルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、パラメタンハイドロパーオキシドなどの有機パーオキシド;1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−(2−フラニル)エチレニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどのトリハロメタン類;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テトラフェニル1,2’−ビイミダゾールなどのイミダゾール二量体などを挙げることができる。
上記光重合開始剤は1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明の組成物における上記光重合開始剤の含有量は、上記多官能性(メタ)アクリレート100重量部に対して、通常0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜50重量部である。
(その他の成分)
感光性の部材形成材料層の形成に用いられる組成物は、現像液への十分な溶解性を発現させる目的で、溶解促進剤を含有することが好ましい。溶解促進剤としては、界面活性剤が好ましく用いられる。このような界面活性剤としては、たとえば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などが挙げられる。
上記フッ素系界面活性剤としては、たとえば、BM CHIMIE社製「BM−1000」、「BM−1100」、大日本インキ化学工業(株)社製「メガファックF142D」、「同F172」、「同F173」、「同F183」、住友スリーエム(株)社製「フロラードFC−135」、「同FC−170C」、「同FC−430」、「同FC−431」、旭硝子(株)社製「サーフロンS−112」、「同S−113」、「同S−131」、「同S−141」、「同S−145」、「同S−382」、「同SC−101」、「同SC−102」、「同SC−103」、「同SC−104」、「同SC−105」、「同SC−106」等の市販品を挙げることができる。
上記シリコーン系界面活性剤としては、たとえば、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製「SH−28PA」、「SH−190」、「SH−193」、「SZ−6032」、「SF−8428」、「DC−57」、「DC−190」、信越化学工業(株)社
製「KP341」、新秋田化成(株)社製「エフトップEF301」、「同EF303」、「同EF352」等の市販品を挙げることができる。
上記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシエチレンジアルキルエステル類などが挙げられる。
上記ノニオン系界面活性剤の市販品としては、例えば、花王(株)社製「エマルゲンA-60」、「A-90」、「A-500」、「B-66」、「PP-290」、共栄社化学(株)社製「(メタ)
アクリル酸系共重合体ポリフローNo.57」、「同No.90」などを挙げることができる。
上記界面活性剤の中では、現像時に未露光部の無機粒子含有樹脂層の除去が容易であることから、ノニオン系界面活性剤、具体的にはポリオキシエチレンアリールエーテル類が好ましく、特に下記式(3)で表される化合物が好ましい。
Figure 0004702062
上記式(3)中、R3は炭素数1〜5のアルキル基、好ましくはメチル基であり、pは
1〜5の整数であり、sは1〜5の整数、好ましくは2であり、tは1〜100の整数、好ましくは10〜20の整数である。
溶解促進剤の含有量は、樹脂(ii)100重量部に対して、好ましくは0.001〜20重量部、より好ましくは0.01〜15重量部、特に好ましくは0.1〜10重量部である。溶解促進剤の含有量が前記範囲にあることにより、現像液への溶解性に優れた部材形成材料層が得られる。
感光性の部材形成材料層を形成する組成物には、さらに、紫外線吸収剤が含有されていることが好ましい。紫外線吸収剤としては、焼成後の部材中に残存せず部材特性を低下させないことから、有機系染料からなるものが好ましく、中でも400〜500nmの波長範囲で高UV吸収係数を有する有機系染料が好ましく用いられる。
具体的には、アゾ化合物、トリアジン化合物、アミノケトン化合物、キサンテン化合物、キノリン化合物、キノン化合物、ベンゾフェノン化合物、安息香酸化合物、シアノアクリレート化合物、スピロ化合物、フルオレノン化合物、フルギド化合物、イミダゾール化合物、ペリレン化合物、フェナジン化合物、フェノチアジン化合物、ポリエン化合物、ジフェニルメタン化合物、トリフェニルメタン化合物、ポリメチン化合物、アクリジン化合物、アクリジンノン化合物、カルボオスチリル化合物、クマリン化合物、ジフェニルアミン化合物、キナクリドン化合物、キノフタロン化合物、フェノキサジン化合物、フタロペ
リノン化合物、フタロシアニン化合物などを使用できる。中でも、1−フェニルアゾ−2−ナフトール、1−フェニル−3−メチル−4−(4−メチルフェニルアゾ)−5−オキシピラゾール等に代表されるアゾ化合物、1,4−ジアミルアミノアントラキノンに代表されるキノン化合物、クルクミンに代表されるフェノール化合物が特に好ましい。
有機系染料を使用する場合、その添加量は、樹脂(ii)、多官能性(メタ)アクリレートおよび光重合開始剤の合計含有量に対して、0.05〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%程度である。添加量が前記範囲よりも少ないと、紫外線吸収剤の添加効果があまりなく、前記範囲を越えると、得られるディスプレイパネル部材の特性を低下させる場合がある。
本発明に用いられる組成物には、さらに任意成分として、分散剤、可塑剤、現像促進剤、接着助剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、フィラー等の各種添加剤が含有されていてもよい。
(溶剤)
本発明に用いられる組成物には、適当な流動性または可塑性および良好な部材形成性を付与するために溶剤が含有される。本発明で用いられる溶剤としては、無機粒子との親和性および結着樹脂の溶解性が良好であり、組成物に適度な粘性を付与することができるとともに、乾燥により容易に蒸発除去できる溶剤であることが好ましい。
本発明で用いられる溶剤としては、上記特性を有する溶剤であれば特に制限されないが、例えば、エーテル類、エステル類、エーテルエステル類、ケトン類、ケトンエステル類、アミド類、アミドエステル類、ラクタム類、ラクトン類、スルホキシド類、スルホン類、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。
より具体的には、テトラヒドロフラン、アニソール、ジオキサン、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、酢酸エステル類、ヒドロキシ酢酸エステル類、アルコキシ酢酸エステル類、プロピオン酸エステル類、ヒドロキシプロピオン酸エステル類、アルコキシプロピオン酸エステル類、乳酸エステル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、アルコキシ酢酸エステル類、環式ケトン類、非環式ケトン類、アセト酢酸エステル類、ピルビン酸エステル類、N,N−ジアルキルホルムアミド類、N,N−ジアルキルアセトアミド類、N−アルキルピロリドン類、γ−ラクトン類、ジアルキルスルホキシド類、ジアルキルスルホン類、ターピネオール、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
上記溶剤は1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明に用いられる組成物における上記溶剤の含有量は、良好な部材形成性(流動性または可塑性)が得られる範囲内において適宜選択すればよい。
<転写フィルムの形成方法>
本発明の転写フィルムは、上記支持フィルム上に感光性の無機粒子含有樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて感光性の部材形成材料層を形成し、得られた感光性の部材形成材料層上に、非感光性の無機粒子含有樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて非感光性の部材形成材料層を形成することにより得られる。
組成物を支持フィルム上(または部材形成材料層上)に塗布する方法としては、膜厚が大きく(例えば10μm以上)、かつ、均一性に優れた塗膜を効率よく形成することがで
きる方法であれば特に限定されない。例えば、ロールコータによる塗布方法、ドクターブレードによる塗布方法、カーテンコータによる塗布方法、ダイコータによる塗布方法、ワイヤーコータによる塗布方法などが挙げられる。
塗膜の乾燥条件は、乾燥後における溶剤の残存割合(材料層中の溶剤含有率)が2重量%以内となるように適宜調整すればよく、例えば、50〜150℃の乾燥温度で、0.5〜30分間程度である。
上記のようにして形成される部材形成材料層の厚さは、無機粒子の含有率やサイズなどによっても異なるが、例えば5〜500μmである。特に、非感光性の部材形成材料層が誘電体形成材料層である場合には、その厚さは10〜300μm、感光性の部材形成材料層が隔壁形成材料層である場合には、その厚さは5〜200μmである。
〔ディスプレイパネル部材の製造方法〕
本発明のディスプレイパネル部材の製造方法(I)は、(1-1)基板上に、第一の層
として、非感光性の部材形成材料層を形成する工程、(1-2)第一の層上に、第二の層
として、感光性の部材形成材料層を形成する工程、(2)第二の層を露光処理してパターンの潜像を形成する工程、(3)第二の層を現像処理してパターンを顕在化させる工程、(4)得られたパターンと第一の層とを同時に焼成する工程を有するものである。
本発明のディスプレイパネル部材の製造方法(II)は、上述した本発明の転写フィルムを用いて、(1)基板上に、非感光性の部材形成材料層が基板と接するように、部材形成材料層の積層を転写する工程および上記工程(2)〜(4)を有し、該工程(1)は、上記工程(1-1)と(1-2)を一工程として行うものである。工程簡略化と部材形成材料層の形成の精度の点で、製造方法(II)がより好ましい。以下に、製造方法(II)における各工程について詳細に説明する。
<(1)部材形成材料層の形成工程>
非感光性および感光性の部材形成材料層は、本発明の転写フィルムを用いて該転写フィルムの非感光性および感光性の部材形成材料層を一括転写することによって形成することができる。
本発明の転写フィルムを用いる方法によれば、膜厚均一性に優れた部材形成材料層を容易に形成することができ、形成される部材の膜厚均一化を図ることができる。
転写フィルムを用いた転写工程の一例を示せば以下のとおりである。必要に応じて用いられる転写フィルムの保護フィルム層を剥離した後、基板の表面に非感光性の部材形成材料層の表面が当接するように転写フィルムを重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ローラなどにより熱圧着した後、感光性の部材形成材料層の表面から支持フィルムを剥離除去する。これにより、基板の表面に非感光性および感光性の部材形成材料層の積層が転写されて密着した状態となる。
転写条件としては、例えば、加熱ローラの表面温度が40〜140℃、加熱ローラによるロール圧が0.1〜10kg/cm2、加熱ローラの移動速度が0.1〜10m/分で
ある。また、基板は予熱されていてもよく、予熱温度は、例えば40〜140℃である。
なお、製造方法(I)においては、非感光性の部材形成材料層と感光性の部材形成材料層とを、それぞれ別々に形成してもよい。このような形成方法としては、上述した各部材形成材料層を形成する組成物を基板上に塗布する方法、各部材形成材料層を支持フィルム上に形成してなる単層の転写フィルムを用いてそれぞれ転写する方法などが挙げられる。組成物を基板上に塗布する方法としては、スクリーン印刷法、ロール塗布法、回転塗布法
、流延塗布法など種々の方法が挙げられる。このような方法により組成物を塗布した後、塗膜を乾燥することにより、部材形成材料層を形成することができる。
<(2)露光工程>
感光性の部材形成材料層の表面に、露光用マスクを介して、紫外線などの放射線を選択的に照射(露光)して、パターンの潜像を形成する。露光の際に用いられる放射線照射装置としては、特に限定されないが、フォトリソグラフィー法で一般的に使用されている紫外線照射装置、半導体または液晶表示装置を製造する際に使用されている露光装置などが挙げられる。
なお、部材形成材料層を転写により形成した場合には、感光性の部材形成材料層上に被覆されている支持フィルムを剥離しない状態で露光を行うことが、酸素による阻害を防止するため好ましい。
<(3)現像工程>
露光された感光性の部材形成材料層を現像して、部材形成材料層のパターンを形成する。現像方法(例えば浸漬法、揺動法、シャワー法、スプレー法、パドル法など)および現像処理条件(例えば、現像液の種類・組成・濃度、現像時間、現像温度など)などは、部材形成材料層の種類に応じて適宜選択、設定すればよい。
<(4)焼成工程>
現像後のパターンおよび非感光性の部材形成材料層における有機物質を焼失させるために、焼成処理を行う。焼成処理条件は、部材形成材料層中の有機物質が焼失されることが必要であり、通常、焼成温度が400〜600℃、焼成時間が10〜90分間である。
以上の工程を含む本発明の製造方法により、例えば、誘電体層の上に隔壁が1度の焼成で形成されたPDP用部材を形成することができる。本発明により得られるパターンの膜厚としては、用途や無機粒子の含有率などによっても異なるが、例えば1〜200μmである。
次に、上記各工程で用いられる材料、各種条件などについて説明する。
(基板)
本発明で用いられる基板材料としては、例えば、ガラス、シリコーン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族アミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどの絶縁性材料からなる板状部材が挙げられる。この板状部材の表面には、必要に応じて、シランカップリング剤などによる薬品処理;プラズマ処理;イオンプレーティング法、スパッタリング法、気相反応法、真空蒸着法などによる薄膜形成処理などの前処理が施されていてもよい。
なお、本発明においては、基板として、耐熱性を有するガラス基板を用いることが好ましい。このようなガラス基板としては、例えば、旭硝子(株)製「PD200」などが挙げられる。
(露光用マスク)
本発明の製造方法における露光工程で用いられる露光用マスクの露光パターンとしては、材料によって異なるが、一般的に10〜500μm幅のストライプである。
(現像液)
本発明の製造方法における現像工程で用いられる現像液は、樹脂(ii)の種類によって異なるが、水またはアルカリ現像液が用いられる。また、無機粒子含有樹脂層に含まれる
無機粒子は、樹脂(ii)により均一に分散されているため、樹脂(ii)を上記現像液で溶解させて洗浄することにより、無機粒子も同時に除去される。
上述した水溶性の樹脂(ii)を用いる場合には、水、特に超純水が好適に用いられる。
アルカリ現像液としては、含まれる有効成分として、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニアなどの無機アルカリ性化合物;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミンなどの有機アルカリ性化合物などが挙げられる。
上記アルカリ現像液には、ノニオン系界面活性剤や有機溶剤などの添加剤が含有されていてもよい。なお、アルカリ現像液による現像処理がなされた後は、通常、水洗処理が施される。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」は「重量部」を示し、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量であり、熱重量減少割合は示差熱熱重量同時測定装置TG/DTAを用いた測定により得られた値である。
(GPC測定条件)
GPC測定装置:東ソー株式会社製HLC−8220GPC
GPCカラム:東ソー株式会社製TSKgelSuperHZN−M
測定溶媒:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃。
(熱重量減少測定条件)
測定装置:セイコー電子工業株式会社製示差熱熱重量同時測定装置TG/DTA300
測定温度:30℃から600℃まで(Air雰囲気下)
昇温レート:10℃/min。
<合成例1>
ブチルメタクリレート50部、N−イソプロピルアクリルアミド30部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート20部およびN,N’−アゾビスイソブチロニトリル0.75部を、攪拌機付きオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気下において室温で均一になるまで攪拌した。攪拌後、80℃で3時間重合させ、さらにN,N’−アゾビスイソブチロニトリル0.25部を加えて1時間重合し、100℃で1時間重合反応を継続させた後、室温まで冷却してポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液は、重合率が98%であり、このポリマー溶液から析出した共重合体(以下「樹脂(1)」ともいう)のMwは100,000であり、得られた樹脂(1)の300℃での熱重量減少率は5重量%であった。
<合成例2>
合成例1におけるモノマー組成を、ブチルメタクリレート65部、アクリロイルモルホリン15部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート20部に変更したこと以外は合成例
1と同様にして、Mwが90,000の共重合体(以下「樹脂(2)」ともいう)を得た。得られた樹脂(2)の300℃での熱重量減少率は30重量%であった。
<合成例3>
合成例1におけるモノマー組成を、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート60部、メチルメタクリレート30部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート10部に変更したこと以外は合成例1と同様にして、Mwが80,000の共重合体(以下「樹脂(3)」ともいう)を得た。得られた樹脂(3)の300℃での熱重量減少率は90重量%であった。
<合成例4>
合成例1におけるモノマー組成を、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート50部、アクリロイルモルホリン20部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート30部に変更したこと以外は合成例1と同様にして、Mwが80,000の共重合体(以下「樹脂(4)」ともいう)を得た。得られた樹脂(4)の300℃での熱重量減少率は10重量%であった。
〔実施例1〕
(1)非感光性無機粒子含有樹脂組成物の調製
無機粒子として、ZnO−B23−SiO2系低融点ガラスフリット(不定形、軟化点
600℃)100部、樹脂(i)として、合成例1で得られた樹脂(1)40部、多官能性(メタ)アクリレート化合物として、トリメチロールプロパントリアリレート1部、溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40部、分散剤として、ノルマルデシルトリメトキシシラン1.2部をビーズミルで混練りした後、ステンレスメッシュ(400メッシュ、38μm径)でフィルタリングすることにより、非感光性無機粒子含有樹脂組成物(A)を調製した。
(2)感光性無機粒子含有樹脂組成物の調製
無機粒子として、ZnO−B23−SiO2系低融点ガラスフリット(不定形、軟化点
600℃)100部、樹脂(ii)として、合成例4で得られた樹脂(4)30部、多官能性(メタ)アクリレート化合物として、トリメチロールプロパントリアリレート6部、光重合開始剤として、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン1.5部、溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20部、分散剤として、ノルマルデシルトリメトキシシラン1.2部、溶解促進剤(界面活性剤)として、花王(株)製「エマルゲンA-60」3.75部、紫外線吸収剤として、1−フェニル−3−メチル−4−(4−メチルフェニルアゾ)−5−オキシピラゾール0.09部をビーズミルで混練りした後、ステンレスメッシュ(400メッシュ、38μm径)でフィルタリングすることにより、感光性無機粒子含有樹脂組成物(B)を調製した。
(3)転写フィルムの作製I
得られた非感光性無機粒子含有樹脂組成物(A)を、PETフィルムよりなる支持フィルム(幅200mm、長さ30m、厚さ38μm)上に、ブレードコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で5分間乾燥して溶剤を完全に除去することにより、平均膜厚56μmの非感光性の部材形成材料層を形成した。次いで、前記材料層上に、予め離型処理したPETフィルムよりなる保護フィルムを熱圧着し、支持フィルム、非感光性の部材形成材料層および保護フィルムがこの順に積層された転写フィルム(a)を作製した。
(4)転写フィルムの作製II
得られた感光性無機粒子含有樹脂組成物(B)を、PETフィルムよりなる支持フィル
ム(幅200mm、長さ30m、厚さ38μm)上に、ブレードコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で5分間乾燥して溶剤を完全に除去することにより、平均膜厚26μmの感光性の部材形成材料層を形成した。次いで、前記材料層上に、予め離型処理したPETフィルムよりなる保護フィルムを熱圧着し、支持フィルム、感光性の部材形成材料層および保護フィルムがこの順に積層された転写フィルム(b)を作製した。
(5)部材の形成
(i)部材形成材料層の転写工程
得られた転写フィルム(a)の保護フィルムを剥離除去した後、6インチパネル用ガラス基板の表面に、転写フィルム(a)を、部材形成材料層表面が当接するように重ね合わせた後、加熱ローラにより熱圧着した。このときの圧着条件は、加熱ローラの表面温度を90℃、ロール圧を2kg/cm2、加熱ローラの移動速度を0.5m/分とした。これ
により、ガラス基板の表面に非感光性の部材形成材料層が転写されて密着した状態となった。
次いで、転写フィルム(b)の保護フィルムを剥離除去した後、上記非感光性の部材形成材料層(膜厚56μm)の表面に、転写フィルム(b)を、部材形成材料層表面が当接するように重ね合わせた後、加熱ローラにより熱圧着した。このときの圧着条件は、加熱ローラの表面温度を90℃、ロール圧を2kg/cm2 、加熱ローラの移動速度を0.5m/分とした。これにより、ガラス基板の表面に非感光性の部材形成材料層と感光性の部材形成材料層とが積層されて密着した状態となった。
(ii)露光工程および現像工程
形成された二層のうち感光性の部材形成材料層に対して、露光用マスク(400μm幅のストライプパターン)を介して、超高圧水銀灯により、i線(波長365nmの紫外線)を照射量400mJ/cm2で照射した。
次いで、感光性の部材形成材料層表面から支持フィルムを剥離除去し、露光処理された感光性の部材形成材料層に対して、超純水(30℃)を現像液として用いたシャワー法による現像処理を30秒間行った。これにより、紫外線が照射されていない未硬化の部材形成材料層が除去され、非感光性の部材形成材料層上に感光性の部材形成材料層のパターンが形成された。
(iii)焼成工程
非感光性の部材形成材料層上に感光性の部材形成材料層のパターンが形成されたガラス基板に対し、焼成炉内で580℃の温度雰囲気下で30分間にわたり焼成処理を行った。これにより、誘電体層上に隔壁が形成された。得られた誘電体層および隔壁について、下記基準で評価を行った。評価結果を表1に示す。
(パターン形状)
評価方法:電子顕微鏡を用いてパターンの形状を観察した。
評価基準:台形状で良好なのを「AA」、一部形状に不具合が見られるものを「BB」、形状が保持できなかったものを「CC」とした。
(パターン剥がれ)
評価方法:目視にてパターンの剥がれを観察した。
評価基準:パターンと誘電体層に剥がれが全く見られないものを「AA」、一部に剥がれが見られたものを「BB」、完全に剥がれたものを「CC」とした。
〔実施例2〕
実施例1(2)で得られた感光性無機粒子含有樹脂組成物(B)を、PETフィルムよりなる支持フィルム(幅200mm、長さ30m、厚さ38μm)上に、ブレードコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で5分間乾燥して溶剤を完全に除去することにより、平均膜厚26μmの感光性の部材形成材料層を形成した。
次いで、実施例1(1)で得られた非感光性無機粒子含有樹脂組成物(A)を、得られた感光性の部材形成材料層上に、ブレードコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で5分間乾燥して溶剤を完全に除去することにより、平均膜厚56μmの非感光性の部材形成材料層を形成した。
次いで、得られた非感光性の部材形成材料層の表面に、予め離型処理したPETフィルムよりなる保護フィルムを熱圧着することにより、支持フィルム、感光性の部材形成材料層、非感光性の部材形成材料層および保護フィルムがこの順に積層された転写フィルム(c)を作製した。
得られた転写フィルム(c)の保護フィルムを剥離除去した後、6インチパネル用ガラス基板の表面に、転写フィルム(c)を、非感光性の部材形成材料層表面が当接するように重ね合わせた後、加熱ローラにより熱圧着した。このときの圧着条件は、加熱ローラの表面温度を90℃、ロール圧を2kg/cm2、加熱ローラの移動速度を0.5m/分と
した。これにより、ガラス基板の表面に非感光性の部材形成材料層と感光性の部材形成材料層の積層が転写されて密着した状態となった。
形成された積層について、実施例1(5)の(ii)および(iii)と同様の処理を行い
、誘電体層および隔壁を形成した。得られた誘電体層および隔壁について、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
〔比較例1〕
実施例1(1)における樹脂(1)を合成例2で得られた樹脂(2)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、感光性および非感光性無機粒子含有樹脂組成物を調製し、転写フィルム(d)を形成し、該転写フィルム(d)を用いて誘電体層および隔壁を形成した。得られた誘電体層および隔壁について、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
〔比較例1〕
実施例1(1)における樹脂(1)を合成例3で得られた樹脂(3)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、感光性および非感光性無機粒子含有樹脂組成物を調製し、転写フィルム(e)を形成し、該転写フィルム(e)を用いて誘電体層および隔壁を形成した。得られた誘電体層および隔壁について、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
Figure 0004702062
交流型プラズマディスプレイパネルの断面形状を示す模式図である。 (イ)は本発明の転写フィルムを示す概略断面図であり、(ロ)は該転写フィルムの層構成を示す断面図である。
符号の説明
101 ガラス基板
102 ガラス基板
103 背面隔壁
104 透明電極
105 バス電極
106 アドレス電極
107 蛍光物質
108 誘電体層
109 誘電体層
110 保護層
111 前面隔壁
F1 支持フィルム
F2 部材形成材料層
F3 カバーフィルム

Claims (5)

  1. 支持フィルムと、少なくとも無機粒子および樹脂を含有する感光性の部材形成材料層と、少なくとも無機粒子および樹脂を含有する非感光性の部材形成材料層とを有し、
    部材形成材料層に含有される樹脂の300℃における熱重量減少割合が、非感光性の部材形成材料層中の樹脂よりも感光性の部材形成材料層中の樹脂の方が大であり、
    前記非感光性の部材形成材料層に含有される樹脂が、アミド基含有モノマー由来の構成単位を含むアクリル樹脂であること
    を特徴とする転写フィルム。
  2. 前記非感光性の部材形成材料層が誘電体形成材料層であり、かつ、前記感光性の部材形成材料層が隔壁形成材料層であることを特徴とする請求項1に記載の転写フィルム。
  3. 基板上に、第一の層として、少なくとも無機粒子および樹脂を含有する非感光性の部材形成材料層を形成する工程と、
    前記第一の層上に、第二の層として、少なくとも無機粒子および樹脂を含有する感光性の部材形成材料層を形成する工程と、
    前記第二の層を露光処理してパターンの潜像を形成する工程と、
    前記第二の層を現像処理してパターンを顕在化させる工程と、
    前記パターンおよび前記第一の層を同時に焼成する工程と
    を含み、
    部材形成材料層に含有される樹脂の300℃における熱重量減少割合が、第一の層中の樹脂よりも第二の層中の樹脂の方が大であり、
    前記非感光性の部材形成材料層に含有される樹脂が、アミド基含有モノマー由来の構成単位を含むアクリル樹脂であること
    を特徴とするディスプレイパネル部材の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の転写フィルムを用いて、基板上に、非感光性の部材形成材料層が基板と接するように、部材形成材料層の積層を転写する工程と、
    感光性の部材形成材料層を露光処理してパターンの潜像を形成する工程と、
    前記感光性の部材形成材料層を現像処理してパターンを顕在化させる工程と、
    前記パターンおよび前記非感光性の部材形成材料層を同時に焼成する工程と
    を含むことを特徴とするディスプレイパネル部材の製造方法。
  5. プラズマディスプレイパネルの誘電体および隔壁を同時に形成する方法であることを特徴とする請求項またはに記載のディスプレイパネル部材の製造方法。
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