JP4702062B2 - 転写フィルムおよびディスプレイパネル部材の製造方法 - Google Patents
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Description
を各々焼成した場合と同じレベルの部材を形成する方法は、未だ確立されていない。
〔転写フィルム〕
本発明の転写フィルムは、支持フィルムと、感光性の部材形成材料層と、非感光性の部材形成材料層とを有し、通常、支持フィルム/感光性の部材形成材料層/非感光性の部材形成材料層の順で積層された構造を有する。また、非感光性の部材形成材料層の上に、保護フィルム層が設けられていてもよい。
本発明の転写フィルムを構成する支持フィルムは、耐熱性および耐溶剤性を有するとともに可撓性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。支持フィルムが可撓性を有する
ことにより、ロールコータによってペースト状組成物を塗布することができ、無機粒子含有樹脂層をロール状に巻回した状態で保存および供給することができる。なお、支持フィルムの厚さとしては、使用に適した範囲であればよく、例えば20〜100μmである。
本発明の転写フィルムを構成する感光性の部材形成材料層は、少なくとも無機粒子および樹脂を含有し、通常、さらに感光性成分として、多官能性(メタ)アクリレートおよび光重合開始剤を含有するものである。また、本発明の転写フィルムを構成する非感光性の部材形成材料層は、少なくとも無機粒子および樹脂を含有するものである。
、高くなる傾向にあり、結着樹脂にアミド基含有モノマー由来の構成単位を含むアクリル樹脂を用いると低くなる傾向にある。また、結着樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量が高い樹脂の方が、熱重量減少割合は低くなる傾向にある。
は5〜30重量%、特に好ましくは5〜20重量%である。樹脂(i)と樹脂(ii)との熱重量減少割合の差が前記範囲よりも低いと、本発明の効果が十分に発現されずに形状の優れた部材を得ることが難しくなる傾向にあり、前記範囲を超えると、形状は優れていても非感光性層中に隔壁が埋もれてしまう傾向にある。
(無機粒子)
上記無機粒子を構成する無機物質は、特に限定されず、上記組成物により形成される焼結体の用途(ディスプレイパネル部材の種類)に応じて適宜選択することができる。
1.酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素(PbO−B2O3−SiO2系)の混合物、
2.酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素(ZnO−B2O3−SiO2系)の混合物、
3.酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム(PbO−B2O3−SiO2−Al2O3系)の混合物、
4.酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素(PbO−ZnO−B2O3−SiO2系)の混合物、5.酸化ビスマス、酸化ホウ素、酸化ケイ素(Bi2O3-B2O3-SiO2系)の混合物、
6.酸化亜鉛、酸化リン、酸化ケイ素(ZnO−P2O5−SiO2系)の混合物、
7.酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化カリウム(ZnO−B2O3−K2O系)の混合物、
8.酸化リン、酸化ホウ素、酸化アルミニウム(P2O5−B2O3−Al2O3系)の混合物、
9.酸化亜鉛、酸化リン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム(ZnO−P2O5−SiO2−Al2O3系)の混合物、
10.酸化亜鉛、酸化リン、酸化チタン(ZnO−P2O5−TiO2系)の混合物、
11.酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化カリウム(ZnO−B2O3−SiO2系−K2O系)の混合物、
12.酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化カリウム、酸化カルシウム(ZnO−B2O3
−SiO2−K2O−CaO系)の混合物、
13.酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム(ZnO−B2O3−SiO2−K2O−CaO−Al2O3系)の混合物、
14.酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化バリウム、酸化ケイ素(PbO−ZnO−B2O3−BaO−SiO2系)の混合物、
15.酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ケイ素(BaO−CaO−SiO2系)の混合物
などを例示することができる。
PDPを構成する「蛍光体」を形成するための組成物に含有される無機粒子としては、Y2O3:Eu3+ 、Y2SiO5:Eu3+、Y3Al5O12:Eu3+、YVO4:Eu3+、(Y,G
d)BO3:Eu3+、Zn3(PO4)2:Mnなどの赤色用蛍光物質;
Zn2SiO4:Mn、BaAl12O19:Mn、BaMgAl14O23:Mn、LaPO4:
(Ce,Tb)、Y3(Al,Ga)5O12:Tbなどの緑色用蛍光物質;
Y2SiO5:Ce、BaMgAl10O17:Eu2+、BaMgAl14O23:Eu2+、(Ca,Sr,Ba)10(PO4)6C12:Eu2+、(Zn,Cd)S:Agなどの青色用蛍光物質などからなる粒子を挙げることができる。
。
(樹脂(i))
非感光性の部材形成材料層において結着樹脂として用いられる樹脂(i)は、アクリル樹脂であることが好ましい。結着樹脂としてアクリル樹脂が含有されていることにより、形成される部材形成材料層には、基板に対する優れた(加熱)密着性が発揮される。従って、本発明の転写フィルムは、部材形成材料層の転写性(基板への加熱密着性)に優れたものとなる。
上記化合物(1)の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ウンデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート;
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−プロポキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシブチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート
、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート
などを挙げることができる。
る基はメチル基であることが特に好ましく、すなわち、アクリレートとメタクリレートとではメタクリレートを用いることが好ましい。
マー類などのビニル基含有ラジカル重合性化合物が挙げられる。
樹脂(i)としては、アミド基含有モノマーを共重合成分として用いる重合体が好ましく用いられ、上記好ましい化合物(i)とアミド基含有モノマー類との共重合体がより好ましく用いられる。特に好ましい樹脂(i)の組成としては、たとえば、n−ブチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレート/アクリロイルモルホリン共重合体などが挙げられる。
樹脂(ii)は、水溶性樹脂またはアルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。なお、本発明における「水溶性」および「アルカリ可溶性」とは、後述する水またはアルカリ性のエッチング液によって溶解し、目的とするエッチング処理が遂行される程度に溶解性を有する性質をいう。樹脂(ii)として特に好ましくは、下記式(2)で表される(メタ)アクリレート(以下「化合物(2)」ともいう)の単独重合体、2種類以上の化合物(2)の共重合体、および化合物(2)と化合物(2)以外の共重合性単量体との共重合体から選ばれる水溶性樹脂が挙げられる。
メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(m=2、b=0)、
メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート(m=3、b=0)、
メトキシポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(m=4、b=0)、
メトキシポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート(m=2、n=3)、および
メトキシポリ(プロピレングリコール−ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート(m=3、n=4)などが挙げられる。これらの中では、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
樹脂(i)の構成モノマーとして上述したアミド基含有モノマー類;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルフェニルアセテートなどが挙げられる。
アルカリ可溶性官能基を有するモノマーとしては、例えば、
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ケイ皮酸、コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなどのカルボキシル基含有モノマー類;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有モノマー類;
o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレンなどの水酸基含有モノマー類などが挙げられる。
感光性の部材形成材料層を構成する多官能性(メタ)アクリレートは、露光により重合化されて、露光部分が現像液に不溶性または難溶性になる性質を有する。
ウレタン(メタ)アクリレート、アルキド樹脂(メタ)アクリレート、シリコーン樹脂(メタ)アクリレート、スピラン樹脂(メタ)アクリレート等のオリゴ(メタ)アクリレート類などが挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記多官能性(メタ)アクリレートの分子量は100〜2,000であることが好ましい。
(光重合開始剤)
感光性の部材形成材料層を構成する光重合開始剤としては、たとえば、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、カンファーキノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイドなどのカルボニル化合物;アゾイソブチロニトリル、4−アジドベンズアルデヒドなどのアゾ化合物あるいはアジド化合物;メルカプタンジスルフィドなどの有機硫黄化合物;ベンゾイルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、パラメタンハイドロパーオキシドなどの有機パーオキシド;1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−(2−フラニル)エチレニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどのトリハロメタン類;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テトラフェニル1,2’−ビイミダゾールなどのイミダゾール二量体などを挙げることができる。
感光性の部材形成材料層の形成に用いられる組成物は、現像液への十分な溶解性を発現させる目的で、溶解促進剤を含有することが好ましい。溶解促進剤としては、界面活性剤が好ましく用いられる。このような界面活性剤としては、たとえば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などが挙げられる。
製「KP341」、新秋田化成(株)社製「エフトップEF301」、「同EF303」、「同EF352」等の市販品を挙げることができる。
アクリル酸系共重合体ポリフローNo.57」、「同No.90」などを挙げることができる。
1〜5の整数であり、sは1〜5の整数、好ましくは2であり、tは1〜100の整数、好ましくは10〜20の整数である。
リノン化合物、フタロシアニン化合物などを使用できる。中でも、1−フェニルアゾ−2−ナフトール、1−フェニル−3−メチル−4−(4−メチルフェニルアゾ)−5−オキシピラゾール等に代表されるアゾ化合物、1,4−ジアミルアミノアントラキノンに代表されるキノン化合物、クルクミンに代表されるフェノール化合物が特に好ましい。
本発明に用いられる組成物には、適当な流動性または可塑性および良好な部材形成性を付与するために溶剤が含有される。本発明で用いられる溶剤としては、無機粒子との親和性および結着樹脂の溶解性が良好であり、組成物に適度な粘性を付与することができるとともに、乾燥により容易に蒸発除去できる溶剤であることが好ましい。
本発明の転写フィルムは、上記支持フィルム上に感光性の無機粒子含有樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて感光性の部材形成材料層を形成し、得られた感光性の部材形成材料層上に、非感光性の無機粒子含有樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて非感光性の部材形成材料層を形成することにより得られる。
きる方法であれば特に限定されない。例えば、ロールコータによる塗布方法、ドクターブレードによる塗布方法、カーテンコータによる塗布方法、ダイコータによる塗布方法、ワイヤーコータによる塗布方法などが挙げられる。
本発明のディスプレイパネル部材の製造方法(I)は、(1-1)基板上に、第一の層
として、非感光性の部材形成材料層を形成する工程、(1-2)第一の層上に、第二の層
として、感光性の部材形成材料層を形成する工程、(2)第二の層を露光処理してパターンの潜像を形成する工程、(3)第二の層を現像処理してパターンを顕在化させる工程、(4)得られたパターンと第一の層とを同時に焼成する工程を有するものである。
非感光性および感光性の部材形成材料層は、本発明の転写フィルムを用いて該転写フィルムの非感光性および感光性の部材形成材料層を一括転写することによって形成することができる。
転写フィルムを用いた転写工程の一例を示せば以下のとおりである。必要に応じて用いられる転写フィルムの保護フィルム層を剥離した後、基板の表面に非感光性の部材形成材料層の表面が当接するように転写フィルムを重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ローラなどにより熱圧着した後、感光性の部材形成材料層の表面から支持フィルムを剥離除去する。これにより、基板の表面に非感光性および感光性の部材形成材料層の積層が転写されて密着した状態となる。
ある。また、基板は予熱されていてもよく、予熱温度は、例えば40〜140℃である。
、流延塗布法など種々の方法が挙げられる。このような方法により組成物を塗布した後、塗膜を乾燥することにより、部材形成材料層を形成することができる。
感光性の部材形成材料層の表面に、露光用マスクを介して、紫外線などの放射線を選択的に照射(露光)して、パターンの潜像を形成する。露光の際に用いられる放射線照射装置としては、特に限定されないが、フォトリソグラフィー法で一般的に使用されている紫外線照射装置、半導体または液晶表示装置を製造する際に使用されている露光装置などが挙げられる。
露光された感光性の部材形成材料層を現像して、部材形成材料層のパターンを形成する。現像方法(例えば浸漬法、揺動法、シャワー法、スプレー法、パドル法など)および現像処理条件(例えば、現像液の種類・組成・濃度、現像時間、現像温度など)などは、部材形成材料層の種類に応じて適宜選択、設定すればよい。
現像後のパターンおよび非感光性の部材形成材料層における有機物質を焼失させるために、焼成処理を行う。焼成処理条件は、部材形成材料層中の有機物質が焼失されることが必要であり、通常、焼成温度が400〜600℃、焼成時間が10〜90分間である。
(基板)
本発明で用いられる基板材料としては、例えば、ガラス、シリコーン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族アミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどの絶縁性材料からなる板状部材が挙げられる。この板状部材の表面には、必要に応じて、シランカップリング剤などによる薬品処理;プラズマ処理;イオンプレーティング法、スパッタリング法、気相反応法、真空蒸着法などによる薄膜形成処理などの前処理が施されていてもよい。
本発明の製造方法における露光工程で用いられる露光用マスクの露光パターンとしては、材料によって異なるが、一般的に10〜500μm幅のストライプである。
本発明の製造方法における現像工程で用いられる現像液は、樹脂(ii)の種類によって異なるが、水またはアルカリ現像液が用いられる。また、無機粒子含有樹脂層に含まれる
無機粒子は、樹脂(ii)により均一に分散されているため、樹脂(ii)を上記現像液で溶解させて洗浄することにより、無機粒子も同時に除去される。
アルカリ現像液としては、含まれる有効成分として、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニアなどの無機アルカリ性化合物;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミンなどの有機アルカリ性化合物などが挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」は「重量部」を示し、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量であり、熱重量減少割合は示差熱熱重量同時測定装置TG/DTAを用いた測定により得られた値である。
GPC測定装置:東ソー株式会社製HLC−8220GPC
GPCカラム:東ソー株式会社製TSKgelSuperHZN−M
測定溶媒:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃。
測定装置:セイコー電子工業株式会社製示差熱熱重量同時測定装置TG/DTA300
測定温度:30℃から600℃まで(Air雰囲気下)
昇温レート:10℃/min。
ブチルメタクリレート50部、N−イソプロピルアクリルアミド30部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート20部およびN,N’−アゾビスイソブチロニトリル0.75部を、攪拌機付きオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気下において室温で均一になるまで攪拌した。攪拌後、80℃で3時間重合させ、さらにN,N’−アゾビスイソブチロニトリル0.25部を加えて1時間重合し、100℃で1時間重合反応を継続させた後、室温まで冷却してポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液は、重合率が98%であり、このポリマー溶液から析出した共重合体(以下「樹脂(1)」ともいう)のMwは100,000であり、得られた樹脂(1)の300℃での熱重量減少率は5重量%であった。
合成例1におけるモノマー組成を、ブチルメタクリレート65部、アクリロイルモルホリン15部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート20部に変更したこと以外は合成例
1と同様にして、Mwが90,000の共重合体(以下「樹脂(2)」ともいう)を得た。得られた樹脂(2)の300℃での熱重量減少率は30重量%であった。
合成例1におけるモノマー組成を、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート60部、メチルメタクリレート30部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート10部に変更したこと以外は合成例1と同様にして、Mwが80,000の共重合体(以下「樹脂(3)」ともいう)を得た。得られた樹脂(3)の300℃での熱重量減少率は90重量%であった。
合成例1におけるモノマー組成を、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート50部、アクリロイルモルホリン20部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート30部に変更したこと以外は合成例1と同様にして、Mwが80,000の共重合体(以下「樹脂(4)」ともいう)を得た。得られた樹脂(4)の300℃での熱重量減少率は10重量%であった。
(1)非感光性無機粒子含有樹脂組成物の調製
無機粒子として、ZnO−B2O3−SiO2系低融点ガラスフリット(不定形、軟化点
600℃)100部、樹脂(i)として、合成例1で得られた樹脂(1)40部、多官能性(メタ)アクリレート化合物として、トリメチロールプロパントリアリレート1部、溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40部、分散剤として、ノルマルデシルトリメトキシシラン1.2部をビーズミルで混練りした後、ステンレスメッシュ(400メッシュ、38μm径)でフィルタリングすることにより、非感光性無機粒子含有樹脂組成物(A)を調製した。
無機粒子として、ZnO−B2O3−SiO2系低融点ガラスフリット(不定形、軟化点
600℃)100部、樹脂(ii)として、合成例4で得られた樹脂(4)30部、多官能性(メタ)アクリレート化合物として、トリメチロールプロパントリアリレート6部、光重合開始剤として、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン1.5部、溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20部、分散剤として、ノルマルデシルトリメトキシシラン1.2部、溶解促進剤(界面活性剤)として、花王(株)製「エマルゲンA-60」3.75部、紫外線吸収剤として、1−フェニル−3−メチル−4−(4−メチルフェニルアゾ)−5−オキシピラゾール0.09部をビーズミルで混練りした後、ステンレスメッシュ(400メッシュ、38μm径)でフィルタリングすることにより、感光性無機粒子含有樹脂組成物(B)を調製した。
得られた非感光性無機粒子含有樹脂組成物(A)を、PETフィルムよりなる支持フィルム(幅200mm、長さ30m、厚さ38μm)上に、ブレードコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で5分間乾燥して溶剤を完全に除去することにより、平均膜厚56μmの非感光性の部材形成材料層を形成した。次いで、前記材料層上に、予め離型処理したPETフィルムよりなる保護フィルムを熱圧着し、支持フィルム、非感光性の部材形成材料層および保護フィルムがこの順に積層された転写フィルム(a)を作製した。
得られた感光性無機粒子含有樹脂組成物(B)を、PETフィルムよりなる支持フィル
ム(幅200mm、長さ30m、厚さ38μm)上に、ブレードコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で5分間乾燥して溶剤を完全に除去することにより、平均膜厚26μmの感光性の部材形成材料層を形成した。次いで、前記材料層上に、予め離型処理したPETフィルムよりなる保護フィルムを熱圧着し、支持フィルム、感光性の部材形成材料層および保護フィルムがこの順に積層された転写フィルム(b)を作製した。
(i)部材形成材料層の転写工程
得られた転写フィルム(a)の保護フィルムを剥離除去した後、6インチパネル用ガラス基板の表面に、転写フィルム(a)を、部材形成材料層表面が当接するように重ね合わせた後、加熱ローラにより熱圧着した。このときの圧着条件は、加熱ローラの表面温度を90℃、ロール圧を2kg/cm2、加熱ローラの移動速度を0.5m/分とした。これ
により、ガラス基板の表面に非感光性の部材形成材料層が転写されて密着した状態となった。
形成された二層のうち感光性の部材形成材料層に対して、露光用マスク(400μm幅のストライプパターン)を介して、超高圧水銀灯により、i線(波長365nmの紫外線)を照射量400mJ/cm2で照射した。
非感光性の部材形成材料層上に感光性の部材形成材料層のパターンが形成されたガラス基板に対し、焼成炉内で580℃の温度雰囲気下で30分間にわたり焼成処理を行った。これにより、誘電体層上に隔壁が形成された。得られた誘電体層および隔壁について、下記基準で評価を行った。評価結果を表1に示す。
評価方法:電子顕微鏡を用いてパターンの形状を観察した。
評価基準:台形状で良好なのを「AA」、一部形状に不具合が見られるものを「BB」、形状が保持できなかったものを「CC」とした。
評価方法:目視にてパターンの剥がれを観察した。
評価基準:パターンと誘電体層に剥がれが全く見られないものを「AA」、一部に剥がれが見られたものを「BB」、完全に剥がれたものを「CC」とした。
実施例1(2)で得られた感光性無機粒子含有樹脂組成物(B)を、PETフィルムよりなる支持フィルム(幅200mm、長さ30m、厚さ38μm)上に、ブレードコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で5分間乾燥して溶剤を完全に除去することにより、平均膜厚26μmの感光性の部材形成材料層を形成した。
した。これにより、ガラス基板の表面に非感光性の部材形成材料層と感光性の部材形成材料層の積層が転写されて密着した状態となった。
、誘電体層および隔壁を形成した。得られた誘電体層および隔壁について、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
実施例1(1)における樹脂(1)を合成例2で得られた樹脂(2)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、感光性および非感光性無機粒子含有樹脂組成物を調製し、転写フィルム(d)を形成し、該転写フィルム(d)を用いて誘電体層および隔壁を形成した。得られた誘電体層および隔壁について、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
実施例1(1)における樹脂(1)を合成例3で得られた樹脂(3)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、感光性および非感光性無機粒子含有樹脂組成物を調製し、転写フィルム(e)を形成し、該転写フィルム(e)を用いて誘電体層および隔壁を形成した。得られた誘電体層および隔壁について、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
102 ガラス基板
103 背面隔壁
104 透明電極
105 バス電極
106 アドレス電極
107 蛍光物質
108 誘電体層
109 誘電体層
110 保護層
111 前面隔壁
F1 支持フィルム
F2 部材形成材料層
F3 カバーフィルム
Claims (5)
- 支持フィルムと、少なくとも無機粒子および樹脂を含有する感光性の部材形成材料層と、少なくとも無機粒子および樹脂を含有する非感光性の部材形成材料層とを有し、
部材形成材料層に含有される樹脂の300℃における熱重量減少割合が、非感光性の部材形成材料層中の樹脂よりも感光性の部材形成材料層中の樹脂の方が大であり、
前記非感光性の部材形成材料層に含有される樹脂が、アミド基含有モノマー由来の構成単位を含むアクリル樹脂であること
を特徴とする転写フィルム。 - 前記非感光性の部材形成材料層が誘電体形成材料層であり、かつ、前記感光性の部材形成材料層が隔壁形成材料層であることを特徴とする請求項1に記載の転写フィルム。
- 基板上に、第一の層として、少なくとも無機粒子および樹脂を含有する非感光性の部材形成材料層を形成する工程と、
前記第一の層上に、第二の層として、少なくとも無機粒子および樹脂を含有する感光性の部材形成材料層を形成する工程と、
前記第二の層を露光処理してパターンの潜像を形成する工程と、
前記第二の層を現像処理してパターンを顕在化させる工程と、
前記パターンおよび前記第一の層を同時に焼成する工程と
を含み、
部材形成材料層に含有される樹脂の300℃における熱重量減少割合が、第一の層中の樹脂よりも第二の層中の樹脂の方が大であり、
前記非感光性の部材形成材料層に含有される樹脂が、アミド基含有モノマー由来の構成単位を含むアクリル樹脂であること
を特徴とするディスプレイパネル部材の製造方法。 - 請求項1または2に記載の転写フィルムを用いて、基板上に、非感光性の部材形成材料層が基板と接するように、部材形成材料層の積層を転写する工程と、
感光性の部材形成材料層を露光処理してパターンの潜像を形成する工程と、
前記感光性の部材形成材料層を現像処理してパターンを顕在化させる工程と、
前記パターンおよび前記非感光性の部材形成材料層を同時に焼成する工程と
を含むことを特徴とするディスプレイパネル部材の製造方法。 - プラズマディスプレイパネルの誘電体および隔壁を同時に形成する方法であることを特徴とする請求項3または4に記載のディスプレイパネル部材の製造方法。
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