JP2005230968A - 溝付ローラおよびスリッタ - Google Patents

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Abstract

【課題】プラスチックフィルムなどの薄膜を安定してスリットする機能を有しつつ、薄膜にしわを防止しながら、錆の混入や錆による傷を防止する溝付ローラを提供する。
【解決手段】本発明の溝付ローラは、ローラ外周面に、周方向に連続した独立溝を有するローラであって、ローラ外周面において、軸方向に計測した溝幅B1[mm]が、0.5≦B1≦3であり、かつローラ外周面から計測した溝深さが1[mm]以上であって、ローラ外周面から溝深さ1[mm]の間で、軸方向に計測した溝の最小幅B2[mm]が0.5以上であり、かつローラ芯材上にあらかじめ耐食材料により形成されたローラ外周面に、上記溝を加工形成することで、溝表面およびローラ外周面から内層1mmの深さまでの主要な材料が耐食材料となっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラスチックフィルムなどの薄膜をスリットするための溝付ローラと、これを含むフィルム用スリッタおよびこれらを用いたフィルムロール体の製造方法に関する。
従来よりプラスチックフィルムなどの薄膜をスリットするために、スリッタなるものが用いられている。図1はこのスリッタの概略側面図である。繰り出されたフィルム1を溝付ローラ4上で刃5により所定の幅にスリットし、フィルムロール体6として巻取る。
図2は従来の溝付ローラの外周面を正面から見た場合の拡大断面図である。溝付ローラ4の外周面には、従来より周方向に連続した溝7を有しており、この溝上でフィルム1を刃5により押し切ることで、フィルムを直線的にスリットできることが知られている。
このスリット方法は下刃と上刃でフィルムを挟みながら切るシェアカットとは区別され、前記外周面はスリット点を安定させるための支えであり刃では無い。また、図2のように溝7がローラの軸方向に、あるピッチで細かくかつ多数設けられることで、様々な幅のフィルムをひとつの溝付ローラでスリットすることが可能となることも知られている。
また、周方向に連続した溝を多数配置したローラは、ガイドローラとして用いられることもあるが、これらはフィルムとローラ間に巻き込む空気を排除することが目的であり、前記溝付ローラよりも溝ピッチが大きくとられ、明確に区別できる。
前記溝付ローラの材料は、加工性および経済的観点から鉄鋼などの金属にて構成され、この表層に前記溝が加工される。ローラは大気中の酸素や除電装置などから発生するオゾンなどの酸化物質にさらされるため、図2のように加工した溝の上にめっき層8が設けられ耐食が図られる。
しかし、このようなめっきには種々の問題がある。例えば、工業用クロムめっきのような電気めっきでは、前記溝のように幅が小さいと、溝にめっき被膜が成形されにくいため、耐食性が不完全となる。このため、錆が溝表面で発生し、該ローラと接触するフィルムへの錆の混入や、錆による傷が発生するなどの品質上の問題が起こる。
また、無電解ニッケルめっきのような化学めっきでは、溝内部にも被膜を形成することが可能であるが、めっき内部に存在するポーラスなどが原因となり、下地金属の耐食が不完全となる。また、耐食性をあげるために多層構造とする必要があるなど高価なものとなる。
めっきに限らず、種種の皮膜コーティングやセラミック溶射においても同様の問題がある。
一方、上述の溝付ローラにおける溝の角でフィルムが折れ曲がることを防止しながらフィルムの横滑りを防止する技術として、特許文献1に金属もしくはゴムリング上でフィルムをスリットする方法が開示されている。図3は特許文献1の技術における溝付ローラを正面から見た場合の拡大断面図である。リング9は上述の溝付ローラにおけるローラ外周面8に相当し、フィルム1と接触する。リング9とリング9の間に形成される空間が溝7となり、ここに刃5を押し付けることでフィルム1をスリットする。
多少なりともばたつきのあるフィルム1を安定してスリットするためには、スリット刃5をある程度の深さまで溝に押し込みながらスリットする必要がある。しかし、図3のような構成では、刃5を溝7に押し込んだ場合、溝幅が極端に狭くなるため、刃5の位置をローラ軸方向に微調整ができないばかりか、刃5とリング9が接触し粉が出るといった問題が起こる。また、上記問題を防止するためにリング9の径を大きくとって、溝幅を確保した場合、ローラ外周面での溝幅も大きくなってしまい、フィルムの落ち込みにより精度よく所定の幅にスリットするという本来の機能を損ねてしまう。特許文献1の実施例では、芯材に複数の外周溝も形成されるとあるが、この芯材の材質には言及されておらず、上述のめっきローラと同様の問題があると考えられる。
また、磁気テープのスリット用溝付ローラとして、特許文献2の磁気テープの製造方法が開示されている。図4は特許文献2に開示されている溝付ローラを正面から見た場合の拡大断面図である。芯材に対して回転自在にかん合された狭幅の搬送ローラ部材18を支えにして、フィルム1は刃5によりスリットされる。これらの搬送ローラ部材18のフィルムと接触する外周面は摩擦特性に優れるゴムや樹脂からなり、中高に形成されることでフィルム1の搬送安定性を確保ようというものである。しかしながら、搬送ローラ部材の側面19およびストッパ16や芯材15、ベアリング17についての耐腐食性については言及されておらず、錆の発生という上述のめっきローラと同様の問題があると考えられる。
特許第3033890 号公報 特開2003−331418公報
本発明の目的は、プラスチックフィルムなどの薄膜を安定してスリットする機能を有しつつ、薄膜におけるしわの発生を防止しながら、錆の混入や錆による傷を防止する溝付ローラを提供するにある。
上記目的を達成するために、本発明は、ローラ外周面に、周方向に連続した独立溝を有するローラであって、ローラ外周面において、軸方向に計測した溝幅B1[mm]が、0.5≦B1≦3であり、かつローラ外周面から計測した溝深さが1[mm]以上であって、ローラ外周面から溝深さ1[mm]の間で、軸方向に計測した溝の最小幅B2[mm]が0.5以上であり、かつローラ芯材上にあらかじめ耐食材料により形成されたローラ外周面に、上記溝を加工形成することで、溝表面およびローラ外周面から内層1[mm]の深さまでの主要な材料が耐食材料となっている溝付ローラを提供する。
以下、用語の定義を図5〜8を用いて説明する。図5は本発明の溝付ローラの一例を正面からみた場合の拡大断面図である。ローラ外周面10とは、スリットされるフィルム1と実際に当接する面のことを言う。一方、溝表面20とは複数あるローラ外周面10の間に位置する溝7の外気と触れる面のことを言い、実際にはフィルムと当接しない。
図6は本発明の溝付ローラの別の一例を正面からみた場合の拡大断面図であり、溝幅B1,B2を計測する方法を示した模式図である。ローラ外周面10は多少の凹凸を有しているものであるが、面10の内0.1[mm]以下の凹凸は事実上フィルムと接触するため、同一面とみなして良い。従って、図6のように外周面10と溝表面20の境界が不明瞭な場合には、外周面と溝との境界部は外周面の頂点から0.1[mm]の深さにおける溝幅をB1とすればよく、そこから更に1[mm]の深さまでの間で最も狭い部分の軸方向の溝幅がB2となる。頂点は図中におけるスケール12のようなフラットな板を面10に当てることで特定することが可能である。溝幅B1は、大きすぎるとフィルムが落ち込んでしまい、小さすぎるとスリットに必要な幅の刃を押し入れることができなくなる。従って、発明者が鋭意検討した結果、B1は0.5〜3[mm]の間であることが必要となる。
また、溝幅B2を0.5[mm]以上とすることで、前記スリット刃を1[mm]以上の深さまで押し込んだ上でローラの軸方向に刃の位置を微調整できるため、溝表面に刃を接触させて傷を付けたりする問題が無くなる。また、これらの溝はローラ外周面にひとつであっても構わないし、複数あっても構わない。
図7は本発明の溝付ローラの別の一例を正面からみた場合の拡大断面図である。ここでは、溝が深さ方向に進むにつれ、軸方向に傾いている場合の溝幅を定義する。本発明における溝幅B2は、スリット刃5の軸方向への可動範囲を示すものである。従って、図7において溝幅B2は、軸方向と直交する方向からみて、深さ1[mm]の位置までの、最も溝を狭くしている部分同士の間隔であるとする。
本発明では従来と異なり、ローラ外周面の材料をあらかじめ耐食材料により構成し、これに溝を形成する。このため、溝表面および外周面にめっきなどの皮膜を形成する必要がない。またこれにより、本発明の溝付ローラは、溝表面および外周面から内層1[mm]の深さまでが耐食材料となっている特徴を有する。例えば図5における外周面10の軸方向の幅Kが2[mm]以下の場合、この凸部全体が耐食材料からなるときには、上記条件が成り立つものとみなす。
アルミニウム合金やステンレス鋼などの耐食材料は錆とは異なる数[nm]の酸化皮膜層を有するものがあるが、実用上その直下の材料とは性質面で同一視することが可能である。
また、本発明のローラの溝は、軸方向の少なくとも一部に、ピッチPが1〜6[mm]で複数設けられていることが好ましい。これによりフィルムを前記溝付ローラの溝上で任意の幅でスリットすることができる。ここで、刃の可動範囲では等ピッチで溝を設けることで任意の位置でフィルムをスリットすることができる。また、多数の溝をめっきする必要が無いため安価にローラを製作することができる。
前記耐食材料とは、大気、オゾン雰囲気、結露などの水分や海岸地方での塩分に対して一定期間、防錆力があり、かつ芯金外周面に所定の厚みで形成した上で、上述の溝加工を施行可能な材料のことをいう。更に具体的には、上記雰囲気に対して自明な防錆力をもつアルミニウム合金やマグネシウム合金、チタン合金やこれらと同程度の耐食性を有するものが考えられるが、経済性や加工性からステンレス鋼や樹脂が好ましい。
更には経済性や加工性はさることながら、摩擦特性や帯電特性を制御することができるエラストマーが好ましい。ここで樹脂およびエラストマーとは、高分子有機化合物またはそれを基本成分とする固体材料のことであり、このうちゴム状弾性を有するものをエラストマー、有さないものが樹脂と定義される。エラストマーおよびゴム状弾性は、JIS K6200にて定義されている。これら高分子材料がオゾンに対しては硬化などの劣化を示す場合でも、鉄鋼のような錆を出すことがないため、フィルム用スリッタにおけるフィルムへの錆の混入や、錆による傷発生を起こさない。エラストマーの代表的なものに、ブダジエン・アクリロニトリル共重合体(NBR)やポリクロロプレン(CR)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)、やエチレン・プロピレン共重合体(EPT)などの工業用ゴム材料がある。また、エラストマーはそのゴム状弾性を利用して種々の摩擦係数を得ることが容易であり、本発明における溝付ローラには硬度(JIS A)が50度以上であることが好適である。これによりエラストマーの寸法安定性を確保できる他、摩耗に強いローラ外周面を得ることができる。また、ローラ表面を構成する物質の体積抵抗率が108[Ω・cm]以下であることが好ましい。これらの範囲とすることで、ローラ表面が帯電することがなくなり、ゴミの吸着などを抑えることができる。上記体積抵抗率の値は、100[V]の電圧をローラ最外周面と芯金との間に加えた場合の電流と体積から計算したものである。ただし、芯金が絶縁層を有する場合など、ローラそのものの測定が困難な場合は、ローラ表面と同質の材料サンプルを電極で挟みこみ、100[V]の電圧を加えた場合の電流を読みとって、計算してもさしつかえない。この場合のサンプル形状はJIS K6911に従う。
ローラ芯材の材料は、ローラとしての剛性を確保できるものであれば特に限定されない。鉄鋼や強化プラスチックなど種々の材料があるが、ステンレス鋼やアルミニウム合金のような耐食材料であれば、ローラ外周面と同じ材料で形成しても良い。
また、前記溝付ローラは、該ローラの溝上でフィルムをスリットするための刃と、所定の周速度で回転するガイドローラと、フィルムを所定の速度もしくは張力で巻き取るための巻取機からなるフィルム用スリッタに用いることが好適である。
また、本発明はフィルムを供給源から送り出し、前記スリッタにて、前記溝付ローラに巻き付けながら、該ローラの溝上でフィルムを刃により所定の幅にスリットし、フィルムを所定の張力と速度でロール状に巻き取るフィルムロール体の製造方法を提供する。ここでフィルム供給源とは、フィルム原反を所定の速度もしくは張力で繰り出す巻出機や、口金から溶融したポリマを吐出固化してから、必要により延伸などの工程を経てフィルムを送り出す製膜装置などを指す。
また、前記プラスチックフィルムと前記溝付ローラの静摩擦係数が0.6以下であることが好適である。摩擦係数を上記数値にすることによって、溝付ローラ上で発生するしわを防止しつつ、ゴミの付着を抑えることができる。
ここで前記プラスチックフィルムと前記溝付ローラとの静摩擦係数を定義する。図8は本発明の溝付ローラの概略側面図であり、該溝付ローラとフィルム1との摩擦係数を計測する方法を示した模式図である。前記溝付ローラを回転不能に固定支持し、錘13を吊したフィルム1を角度θ[rad]でローラ4に巻き付けながら、バネばかりなどの荷重計14で引っ張る。このとき、錘の重さをW[N]、フィルム1とローラ4が滑りはじめるときの荷重計の指示値をT[N]とした場合、静摩擦係数μは、
μ=(1/θ)×log(T/W)
によって求められる。ここでlogはe=2.71828...を底とする自然対数である。
本発明によれば、ステンレス鋼や樹脂、好ましくはエラストマーなどの耐食材料により溝と外周面およびその内層を構成していることで、狭い幅の溝を細かいピッチで多数設けることができ、防錆力に優れたフィルムスリッタ用溝付ローラを安価に実現することができる。また、外周面を構成する樹脂やエラストマーの体積抵抗率や摩擦係数を制御することで、錆ばかりか、ゴミの付着を抑えることができる。この溝付ローラを用いたフィルム用スリッタにて、安定したスリットを実現しつつ、錆やゴミの混入とそれらによるフィルムへの傷発生を防止し、かつしわを防止しながら、品質の良いフィルムロール体を製造することができる。
以下、本発明の最良の実施形態をプラスチックフィルムのスリッタに適用した場合を例にとって、図面を参照しながら説明する。
図1は一度巻き取った広幅のプラスチックフィルムを原反として用いて、狭幅のフィルムロール体としてスリットして巻き取るスリッタの概略側面図である。
原反2は軸によって支持され、モータやブレーキなどにより所定の速度、もしくは張力で繰り出される。溝付ローラ上でフィルムがスリットされる前後には、必要に応じ周速制御されたガイドローラ3が付設され、フィルムを巻取部へ向かって所定の速度で搬送することになる。ここで、フィルムが巻出部や巻取部により所定の速度で運ばれている場合は、ガイドローラ3はフィルム速度に同調して回転すればよく、必ずしもフィルムを送る機能が無くても良い。
溝付ローラ4は、ローラ芯材上にあらかじめステンレス鋼や樹脂、好ましくはエラストマーなどの耐食材料からなる外周面を所定の厚みで設けられ、その外周面に図5のような溝が所定のピッチで複数設けられている。該外周面の材料が樹脂やエラストマーの場合には、芯材にコーティングやライニングなどの方法で形成することができる。ここで樹脂もしくはエラストマーにフッ素やシリコーンなどの離型性材料を配合することで、よりゴミの付着を抑制することができる。また帯電によるゴミの付着を抑制するために、カーボンなどの導電性材料を配合してもよい。また、樹脂またはエラストマーの配合により摩擦係数を低くすることで、フィルムへのしわの発生を抑えることができる。摩擦係数を下げるための手段としては、ゴムそのものの配合を調整する他に、化学処理や紫外線照射などの表面処理が好適である。これらの表面処理によって改質されたローラ外周面は、その面から数[nm]の深さまでであり、主要な材料は内層1[mm]までは同一とみることができる。
該ローラの芯金には鉄鋼、ステンレス鋼かアルミニウム合金、強化プラスチックなどが用いられるが、剛性を有する円筒体もしくは軸材であればこれらに限らない。
前記溝7は、スリット刃5が対向設置されている範囲もしくは刃5が軸方向に移動可能な範囲内であれば、ローラ外周面の軸方向の一部に複数設けられても良いし、全面に設けられても良い。刃5はスリットするフィルムに応じて種々の形状や材料を選択すればよく、図1のようなかみそり刃の他に、回転自在に支持された丸刃などを用いることができる。
刃5を溝7に押し込むことでフィルム1をスリットすることができる。この場合、押し込む深さは、外周面10の頂点に対して、軸方向と直角な方向に1[mm]以上あれば良いが、フィルム1のばたつきや切れ味に応じて、適宜深さを調節する。従って、溝7の深さは刃5を押し込む深さ以上に確保しておけば良い。一方、ゴミの堆積を抑える意味で溝の深さは5[mm]までに抑えるのが良い。
また、ここでスリットされるプラスチックフィルムは、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどに代表されるポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどに代表されるポリオレフィン、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化ビニリデンなどに代表されるポリビニール、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリフェニレンサルファイドなどからなるフィルムが挙げられ、その用途としては錆の混入やこれによる傷を嫌う光学用途や離型工程膜、磁気材料や食品包装用などが好適である。また、前記方法で製造されたフィルムは、表面に溝付ローラに起因する異物や傷が非常に少ないという特徴を有する。
以上の溝付ローラおよびこれを用いたフィルム用スリッタを用いて、プラスチックフィルムを製造した結果を説明する。溝付ローラをオゾン雰囲気に1ヶ月暴露した後、図1のスリッタに設置した。溝付ローラおよびガイドローラの軸方向の長さは2500[mm]、ローラ外周直径はいずれも300[mm]であり、図5のような溝形状を表1の寸法の該ローラ表面に加工した。ここで、該ローラの溝の角は図6のように曲面加工しており、曲面の曲率半径は0.1[mm]である。プラスチックフィルムは幅2000[mm]で、厚さ15[μm]の2軸延伸したポリエステルフィルムである。フィルムは巻出、搬送、巻取を通して張力13[kN/m2]に保たれ、速度50[m/分]で巻長2000[m]をスリットした。スリット刃5は、溝の底に対してローラが静止している状態で0.3[mm]の隙間を有するように設置した。この結果、フィルム表面において1[m2]あたり50[μm]以上の大きさの錆などの異物および傷は皆無であった。また、ローラ上でのしわも観察されず、フィルムのスリット面は破断屑などが無く、ほぼ直線的にスリットされた。この結果、フィルムロール体の端面が盛り上がることなく製造できたので、フィルムロール体端部と中央の外径差は0.3[mm]以下と円筒度の良いフィルムロール体を製造することができた。
比較例1
表1のような溝付ローラを、実施例1と同じ条件で用いてプラスチックフィルムを製造した結果を説明する。結果は、刃の押し込む深さが足らず、わずか巻長100[m]の時点でフィルムが刃によってせん断されず、スリットし損じる結果となり、フィルムロール体を製造することができなかった。
比較例2
表1のようなローラを、実施例1と同じ条件でプラスチックフィルムを製造した結果を説明する。ここで、ローラの溝形状は、図3に示したゴムリングからなる。この場合、溝深さはリングとリングが接触する部分とローラ外周面との間の軸方向と直角方向の距離である。結果は、溝幅B2が小さすぎるため、スリット刃が溝表面と度々接触し、ゴムの削り粉が多数発生した。その結果、フィルム表面において1[m2]あたり50[μm]以上の大きさの異物および傷が10[個]観察された。また、溝幅B1が大きいために、フィルムのスリット面が直線的にならずフィルムロール端部が盛り上がり、フィルムロール体の端部と中央の外径差は0.8[mm]と大きくなり、円筒度が悪く、傷や異物が多いフィルムロール体となった。
比較例3
表1のような溝付ローラを、実施例1と同じ条件でプラスチックフィルムを製造した結果を説明する。硬質クロムメッキが十分被覆されていない溝表面には、1ヶ月のオゾン暴露で錆が発生していた。この結果、フィルム表面において1[m2]あたり50[μm]以上の大きさの混入した錆が観察され、また擦り傷が4[個]観察された。
Figure 2005230968
本発明は、フィルム用スリッタやフィルムロール体の製造工程に限らず、各種の薄膜のスリット工程などにも応用することができるが、その応用範囲がこれらに限られるものではない。
フィルム用スリッタの概略側面図である。 従来の溝付ローラ外周面を正面からみた拡大断面図である。 別の従来の溝付ローラ外周面を正面からみた拡大断面図である。 別の従来の溝付ローラ外周面を正面からみた拡大断面図である。 本発明の一実施形態における溝付ローラ外周面を正面からみた拡大断面図の例である。 本発明の一実施形態における溝付ローラ外周面を正面からみた拡大断面図の例である。 本発明の別の実施形態における溝付ローラ外周面を正面からみた拡大断面図の例である。 溝付ローラの概略側面図であり、ローラとフィルムの静摩擦係数の測定方法の説明図である。
符号の説明
1 フィルム
2 原反
3 ガイドローラ
4 溝付ローラ
5 スリット刃
6 フィルムロール体
7 溝
8 めっき層
9 リング
10 溝付ローラ外周面
11 溝付ローラ外周面
12 スケール
13 錘
14 荷重計
15 芯材
16 ストッパ
17 ベアリング
18 搬送ローラ部材
19 搬送ローラ部材側面
20 溝表面

Claims (10)

  1. ローラ外周面に、周方向に連続した独立溝を有するローラであって、以下の特徴を備える溝付きローラ。
    (1)ローラ外周面において、軸方向に計測した溝幅B1[mm]が、
    0.5≦B1≦3
    である。
    (2)ローラ外周面から計測した溝深さが1[mm]以上であって、ローラ外周面から 溝深さ1[mm]の間で、軸方向に計測した溝の最小幅B2[mm]が0.5以上で ある。
    (3)ローラ芯材上にあらかじめ耐食材料により形成されたローラ外周面に、上記溝を 加工形成することで、溝表面およびローラ外周面から内層1[mm]の深さまでの 主要な材料が耐食材料となっている。
  2. 前記ローラの溝が、軸方向の少なくとも一部にピッチPが1〜6[mm]で複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の溝付ローラ。
  3. 前記耐食材料がステンレス鋼である請求項1〜2のいずれかに記載の溝付ローラ。
  4. 前記耐食材料が樹脂であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の溝付ローラ。
  5. 前記耐食材料がエラストマーであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の溝付ローラ。
  6. 請求項5に記載のエラストマーの硬度(JIS A)が50度以上であることを特徴とする溝付ローラ。
  7. 前記耐食材料の体積抵抗率が108[Ω・cm]以下であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の溝付ローラ。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の溝付きローラと該ローラの溝上でフィルムをスリットするための刃と、フィルムを所定の速度もしくは張力で巻き取るための巻取機からなるフィルム用スリッタ。
  9. フィルムを供給源から送り出し、請求項8に記載のスリッタにて、前記溝付きローラに巻き付けながら、該ローラの溝上でフィルムを刃により所定の幅にスリットし、フィルムを所定の張力と速度でロール状に巻き取るフィルムロール体の製造方法。
  10. プラスチックフィルムと前記溝付ローラの静摩擦係数が0.6以下であることを特徴とする請求項9に記載のフィルムロール体の製造方法。
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