JP2005228788A - ウエーハとプローブカードとの位置合わせ方法、プローブ検査方法及びプローブ検査装置 - Google Patents

ウエーハとプローブカードとの位置合わせ方法、プローブ検査方法及びプローブ検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ウエーハや、ステージ、プローブカード等のその時々の温度状態に対して、好適な加熱時間を実現できるようにしたウエーハとプローブカードとの位置合わせ方法、プローブ検査方法及びプローブ検査装置を提供する。
【解決手段】 チャックステージ10と、プローブカード40と、ウエーハWを加熱するためのヒータ20とを備えたプローバ100を用いて、チャックステージ10上に載置されたウエーハWを加熱して所定温度に昇温させ、当該ウエーハWを高温検査する際に、当該ウエーハWとプローブカード40とを位置合わせする方法であって、チャックステージ10上に載置されたウエーハWをヒータ20で加熱しながら、このヒータ20による加熱の影響を受ける変温領域であってプローバ100の所定部位の温度を測定し、測定された所定部位の温度が安定していることを確認した後で、ウエーハWとプローブカード40とを位置合わせする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ウエーハとプローブカードとの位置合わせ方法、プローブ検査方法及びプローブ検査装置に関するものである。
従来から、ウエーハに作り込まれたICチップの電気的特性(抵抗値、耐圧、リーク電流、出力電流、出力電圧、閾値電圧、又は回路動作等)を検査する検査装置として、プローバが使用されている(例えば、特許文献1参照。)。この種のプローバは、所定の検査プログラムにしたがって、ウエーハに作り込まれたICチップのパッド電極にプローブカードのプローブピンを押し当てる。そして、このプローブカードを介して、ICチップに所定の試験信号を印加し、または出力信号を検出することで、当該ICチップの電気的特性を自動で検査する装置である。
近年では、ICチップの微細化、高集積化が進みつつあり、上記ICチップのパッド電極も小さくなりつつある。例えば、ICチップのパッド電極は、通常、平面視での形状が矩形であり、その大きさは例えば縦方向に20〜100[μm]、横方向に20〜100[μm]程度である。ICチップの微細化、高集積化が進展する中で、プローバを用いてプローブ検査を正しく行うためには、プローブカードのプローブピンをICチップのパッド電極に精度良く接触させることが重要である。このため、ICチップのパッド電極が小さくなるにつれて、ウエーハとプローブカードとの位置合わせ(以下、「アライメント」という。)に求められる精度は、より一層高くなってきている。
ところで、上記プローバを用いたICチップの検査では、25[℃]程度の常温状態における検査だけでなく、例えば125〜150[℃]程度の高温状態でICチップの電気的特性を検査する場合もある(例えば、特許文献2等参照。)。このとき、常温状態でアライメントを行い、その後に高温検査を実行すると、ウエーハや、このウエーハを載せたチャックステージ、プローブピンを含むプローブカード等の温度が上昇し、それぞれ異なる割合で熱膨張するので、ウエーハとプローブカードとの位置関係が変化してしまう。
従来の高温検査では、このような熱膨張によるアライメント不良を防止するため、その検査前に、ウエーハや、プローブピン、プローブカード等を予め加熱(以下、「プリヒート」という。)していた。そして、加熱開始から一定時間が経過した後で、高温状態を保ったままアライメントを行っていた。
特開平6−318622号公報 特開平9−257873号公報
しかしながら、従来の高温検査では、プローブカードの種類や、プローブカードが装着されるプローバの機種等によって、プローブカードの昇降温の速度が異なる。このため、プローブカードの種類や、プローバの機種毎に、プリヒートの処理時間(以下、「プリヒート時間」という。)を条件出しする必要があった。このようなプリヒート時間の条件出しでは、プリヒート時間の最適値を見つけるために、実際にプローバやプローブカード等を用いて何回も実験する必要があり、手間と時間がかかるという問題があった。
また、プローバによる高温検査をプリヒート時間の条件出しと同一のコンディションで行う場合には、毎回最適なプリヒート時間を実現できるが、実際には、高温検査を条件出しとは異なるコンディションで行う場合もある。例えば、プリヒートの直前までプローブカードを冷暗所で保管していたような場合には、プリヒート開始直前のプローブカードの温度は常温よりも低い。また、プリヒートの途中でプローバにエラーが生じ、直ちにエラーを解除しプリヒートを最初からやり直すような場合には、プリヒート再開直前のプローブカードの温度は常温よりも高い。
このように、プリヒート開始直前のプローブカードの温度が常温でない場合には、プリヒート時間が過剰又は不足となってしまう可能性が高かった。プリヒート時間が過剰の場合には、高温検査の効率が低下するという問題があった。また、プリヒート時間が不足の場合には、アライメント精度が低下するという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ウエーハや、ステージ、プローブカード等のその時々の温度状態に対して、好適な加熱時間を実現できるようにしたウエーハとプローブカードとの位置合わせ方法、プローブ検査方法及びプローブ検査装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る第1のウエーハとプローブカードとの位置合わせ方法は、ウエーハを載置するためのステージと、前記ステージのウエーハ載置面に対して鉛直方向に離れた位置に設けられたプローブカードと、前記ステージ上に載置された前記ウエーハを加熱するための加熱手段と、を備えたプローブ検査装置を用いて、前記ステージ上に載置された前記ウエーハを加熱して所定温度に昇温させ、当該ウエーハに作り込まれた回路素子の電気的特性を検査する際に、当該ウエーハと前記プローブカードとを位置合わせする方法であって、前記ステージ上に載置された前記ウエーハを前記加熱手段で加熱しながら、前記加熱手段による加熱の影響を受ける変温領域であって前記プローブ検査装置の所定部位の温度を測定し、測定された前記所定部位の前記温度が安定していることを確認した後で、前記ウエーハと前記プローブカードとを位置合わせすることを特徴とするものである。
また、本発明に係る第2のウエーハとプローブカードとの位置合わせ方法は、上述した第1のウエーハとプローブカードとの位置合わせ方法において、前記プローブ検査装置は、前記ステージの前記ウエーハ載置面に対して鉛直方向に離れた位置に前記プローブカードを固定するカードホルダーを備えたことを特徴とするものである。
ここで、ステージは例えば熱伝導に優れた金属等で構成されることが多い。また、加熱手段は例えばステージの内部に設けられたヒータ等である。さらに、変温領域とは、加熱手段による加熱の影響を受けてその温度が変化する領域のことである。このような変温領域にあるプローブ検査装置の所定部位としては、例えば、プローブカードや、このプローブカードをステージのウエーハ載置面に対して鉛直方向に離れた位置に固定するカードホルダー等が挙げられる。
また、この所定部位の温度が安定しているか否かを見極める(判断する)方法としては、例えば、「温度勾配判断方式」と「指定温度到達判断方式」とがある。温度勾配判断方式とは、加熱手段による加熱を開始してから一定時間毎に上記所定部位の温度を測定し、この所定部位における温度変化の割合が一定レベル以下(即ち、変化勾配が緩やか)になったら当該所定部位の温度が安定したと判断する方法である。
一方、指定温度到達判断方式とは、加熱手段による加熱を開始してから一定時間毎に上記所定部位の温度を測定し、測定した温度が指定温度に到達したら、当該所定部位の温度が安定したと判断する方法である。指定温度は、加熱手段とプローブカードとの離隔距離等に応じて決める。
本発明に係る第1、第2のウエーハとプローブカードとの位置合わせ方法によれば、加熱手段による加熱によって生じるウエーハとプローブカードとの位置関係の変動を、変温領域にある上記所定部位の温度変化と捉え、この所定部位の温度が安定したことを確認した後で、ウエーハとプローブカードとを位置合わせする。
このような構成により、加熱手段による加熱を開始する直前のウエーハや、ステージ、プローブカード等のその時々の温度状態に対して、ウエーハの加熱時間を必要かつ最小限にすることができる。従って、加熱時間の過剰や不足を防ぐことができ、好適な加熱時間を実現することができる。また、従来行っていた加熱時間の条件出しを無くすことができる。
本発明に係るプローブ検査方法は、上述した第1又は第2のウエーハとプローブカードとの位置合わせ方法を行った後で、前記ウエーハに作り込まれた回路素子の電極部に前記プローブカードのプローブ端子を接触させ、当該回路素子の電気的特性を検査することを特徴とするものである。
本発明に係るプローブ検査方法によれば、上述した第1、第2のウエーハとプローブカードとの位置合わせ方法が応用される。従って、ウエーハの加熱時間の過剰や不足を防ぐことができ、好適な加熱時間を実現することができる。また、従来行っていた加熱時間の条件出しを無くすことができる。
本発明に係る第1のプローブ検査装置は、ウエーハを載置するためのステージと、前記ステージのウエーハ載置面に対して鉛直方向に離れた位置に設けられたプローブカードと、前記ステージ上に載置された前記ウエーハを加熱するための加熱手段と、前記加熱手段による加熱の影響を受ける変温領域であって当該プローブ検査装置の所定部位の温度を測定する温度測定手段と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明に係る第1のプローブ検査装置によれば、ステージ上に載置されたウエーハを加熱して所定温度に昇温させ、当該ウエーハに作り込まれた回路素子の電気的特性を検査する際に、このウエーハを加熱手段で加熱しながら当該プローブ検査装置の所定部位の温度を温度測定手段で測定することができる。そして、測定された所定部位の温度が安定していることを確認した後で、ウエーハとプローブカードとの位置合わせを開始することができる。従って、加熱時間の過剰や不足を防ぐことができ、好適な加熱時間を実現することができる。また、従来行っていた加熱時間の条件出しを無くすことができる。
本発明に係る第2のプローブ検査装置は、上述した第1のプローブ検査装置において、前記温度測定手段によって測定された前記所定部位の前記温度が安定しているか否かを判断する温度判断手段、を備えたことを特徴とするものである。本発明に係る第2のプローブ検査装置によれば、所定部位の温度が安定したか否かを自動で判断することができ、便利である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(1)第1実施形態
図1は本発明の第1実施形態に係るプローバ100の構成例を示す要部断面図である。このプローバ100は、ウエーハWに作り込まれたICチップの電気的特性を検査するための検査装置である。図1に示すように、このプローバ100は、ウエーハWを載置するためのチャックステージ10と、このチャックステージ10の内部に設けられたヒータ20と、プローブカード30と、このプローブカード30を保持するためのカードホルダー40と、このプローブカード30に接続するテストヘッド50と、温度センサ60と、ステージ移動機構70と、筐体80と、コントローラ(図2参照)と、データ格納部(図2参照)等から構成されている。
図1に示すチャックステージ10は例えば金属製であり、そのウエーハ載置面12には吸着用の孔部が複数個設けられている。このチャックステージ10上にウエーハWを載せヒータ20を動作させることで、このウエーハWを例えば125〜150[℃]程度の高温度まで加熱し、かつこの高温状態を維持することが可能となっている。また、プローブカード30は、その基体がプリント基板からなるものである。図1に示すように、このプローブカード30は、複数本のプローブピン32を備えている。これらのプローブピン32の配置は、検査対象であるICチップのパッド電極の配置にそれぞれ対応している。このプローブピンは、例えばタングステン等の金属製である。
さらに、カードホルダー40はプローバ100の筐体80に固定されている。このカードホルダー40によって、上記のプローブカード30は、チャックステージ10のウエーハ載置面12に対して鉛直方向に離れた位置、即ち、この例ではチャックステージ10の上方に固定されている。また、この固定状態で、プローブピン32はチャックステージ10側に向けられている。
テストヘッド50は、所定の検査プログラムに従ってプローブカード30に所定の電気信号を出力し、又は戻りの電気信号を受けることによって、ウエーハWに作り込まれたICチップの電気的特性を測定するものである。図1に示すように、このテストヘッド50は、チャックステージ10の上方に設けられており、プローブカード30のプローブピン32が突出した面の反対側に接続している。また、温度センサ60は、例えば熱電対、又は白金測温抵抗体、或いはサーミスタ等の接触式の温度測定装置である。図1に示すように、この接触式の温度センサ60は、例えばプローブカード30のプローブピン32近傍の位置に取り付けられている。
図2は、プローバ100の構成例を示すブロック図である。図2に示すステージ移動機構70は、チャックステージ10を水平方向(X,Y方向)、垂直方向(Z方向)に移動させる装置である。また、コントローラ90は例えばCPU(central processing unit)である。このコントローラ90は、ステージ移動機構70と、テストヘッド50と、温度センサ60と、データ格納部95等に接続し、プローバ100のステータスを管理すると共に、その動作全般を制御する機能を有している。
また、このコントローラ90は、温度センサ60によって測定された温度が安定しているか否かを判断する機能も有している。温度が安定しているか否かを判断する方法(即ち、温度安定の見極め方)については、後述する。また、データ格納部95は例えばRAM(random access memory)である。このデータ格納部95には、所定の検査プログラムのほかに、温度センサ60によって測定された温度に関する情報(以下、「温度情報」という。)等が格納される。
図3は、本発明に係るアライメント方法の一例を示すフローチャートである。次に、図1及び図2に示したプローバ100のチャックステージ10上にウエーハWを載せ、このウエーハWを例えば150[℃]程度の高温度まで加熱(プリヒート)し、プローブカード30の温度が安定したことを確認した後で、ウエーハWとプローブカード30との位置合わせ(アライメント)を実行する方法について説明する。
まず始めに、図3のステップ(S)1で、チャックステージ10のウエーハ載置面12にウエーハWを載せ、ヒータ20の電源を入れる。このとき、プローブピン32の先端は、ウエーハWの回路素子面から例えば400〜600[μm]程度離しておく。次に、ステップ(S)2で、ヒータ20の電源を入れたまま、かつ、プローブピン32をウエーハWから離した状態で一定時間(例えば10[秒]程度)待つ。
次に、ステップ(S)3で、プローブカード30におけるプローブピン32近傍の位置の温度を温度センサ60で測定する。そして、このS3で取得した温度情報(温度A)をデータ格納部95に格納する。次に、ステップ(S)4で、ヒータ20の電源を入れたまま、かつ、プローブピン32をウエーハWの回路素子面から離した状態で一定時間(例えば、10[秒]程度)待つ。そして、一定時間経過後に、ステップ(S)5で、プローブカード30におけるプローブピン32近傍の位置の温度を、温度センサ60で再度測定する。次に、このS5で取得した温度情報(温度B)をデータ格納部95に格納する。
次に、ステップ(S)6で、データ格納部95に格納された複数の温度情報(温度A、B)に基づいて、プローブピン32近傍の位置の温度が安定したか否かをコントローラ90で判断する。温度が安定したか否かの判断は、例えば、上述した「温度勾配判断方式」で行う。
具体的には、コントローラ90によって温度A、Bを比較して温度変化の割合を算出する。そして、この算出した温度変化の割合が一定レベル以下(即ち、変化勾配が緩やか)である場合に、コントローラ90はプローブピン32近傍の位置の温度が安定したと判断する。
なお、図1に示したように、温度センサ60が取り付けられたプローブピン32近傍の位置は、プローブピン32や、チャックステージ10のウエーハ載置面12、このチャックステージ10上に載置されたウエーハW等と比べて、ヒータ20からの離隔距離が大きい。従って、上記プローブピン32近傍の位置の温度が安定した場合には、プローブピン32や、チャックステージ10のウエーハ載置面12、ウエーハ載置面12に載置されたウエーハWの温度も安定したと考えて良い。
図3のS6で、温度が安定したと判断した場合にはステップ(S)7へ進み、アライメントを行う。このS7では、プローブピン32を含むプローブカード30や、チャックステージ10、ウエーハW等の温度が安定し、これらの体積がほぼ一定となっている。従って、高温状態で、アライメントを精度良く行うことができる。
また、図3のS6で、プローブピン32近傍の位置の温度が安定していないと判断した場合にはS4へ進み、ヒータ20の電源を入れたまま、かつ、プローブピン32をウエーハWから離した状態で一定時間(例えば、10[秒]程度)待つ。そして、S5で、プローブピン32近傍の位置の温度を温度センサ60で再度測定する。そして、このS5で取得した温度情報(温度C)をデータ格納部95に格納する。
次に、S6で、データ格納部95に格納された複数の温度情報(温度A、B、C)に基づいて、プローブピン32近傍の位置の温度が安定したか否かをコントローラ90で判断する。温度が安定したか否かの判断は、例えば、上述した「温度勾配判断方式」で行う。
このように、本発明に係るウエーハWとプローブカード30との位置合わせ(アライメント)方法によれば、ヒータ20によるプリヒートによって生じるウエーハWとプローブカード30との位置関係の変動を、プローブピン32近傍の位置の温度変化と捉え、この位置での温度の変化が収束した(即ち、温度が安定した)ことを確認した後で、アライメントを行う。
このような構成により、プリヒートを開始する直前のウエーハWや、チャックステージ10、プローブカード30等のその時々の温度状態に対して、ウエーハWのプリヒート時間を必要かつ最小限にすることができる。従って、プリヒート時間の過剰や不足を防ぐことができ、好適なプリヒート時間を実現することができる。また、従来行っていたプリヒート時間の条件出しを無くすことができる。
また、本発明に係るプローブ検査方法によれば、上記のアライメントを行った後で、ウエーハWに作り込まれたICチップのパッド電極にプローブカード30のプローブ端子32を接触させ、当該ICチップの電気的特性を検査する。このような構成によれば、上述したアライメント方法が応用されるので、プリヒート時間の過剰や不足を防ぐことができ、好適なプリヒート時間を実現することができる。また、従来行っていたプリヒート時間の条件出しを無くすことができる。
さらに、本発明に係るプローバ100によれば、チャックステージ10上に載置されたウエーハWをプリヒートして所定温度に昇温させ、当該ウエーハWに作り込まれたICチップの電気的特性を検査する際に、このウエーハWをヒータ20でプリヒートしながら、プローブカード30におけるプローブピン32近傍の位置の温度を温度センサ60で測定することができる。そして、測定されたプローブピン32近傍の位置の温度が安定していることを確認した後で、アライメントを開始することができる。
従って、プリヒート時間の過剰や不足を防ぐことができ、好適なプリヒート時間を実現することができる。また、従来行っていたプリヒート時間の条件出しを無くすことができる。さらに、上記のプローバ100は、温度センサ60によって測定されたプローブピン32近傍の位置の温度が安定しているか否かを判断するコントローラ90等を備えている。従って、温度が安定したか否かを自動で判断することができ、便利である。
この第1実施形態では、ウエーハWが本発明のウエーハに対応し、チャックステージ10が本発明のステージに対応している。また、ウエーハ載置面12が本発明のウエーハ載置面に対応し、プローブカード30が本発明のプローブカードに対応している。さらに、ヒータ20が本発明の加熱手段に対応し、プローブカード30におけるプローブピン32近傍の位置が本発明の変温領域であって当該プローブ検査装置の所定部位に対応している。また、接触式の温度センサ60が本発明の温度測定手段に対応し、コントローラ90及びデータ格納部95が本発明の温度判断手段に対応している。また、プローバ100が本発明のプローブ検査装置に対応している。
なお、この第1実施形態では、「本発明の変温領域であって当該プローブ検査装置の所定部位」の一例として、プローブカード30におけるプローブピン32近傍の位置を説明した。しかしながら、本発明の所定部位はこれに限られることはない。
例えば、プローブカード30全体が本発明の変温領域に含まれるような場合には、図4の実線矢印で示すように、チャックステージに向いた面(即ち、下面)のプローブピン32近傍の位置aだけでなく、この下面のプローブピン32から遠く離れた位置bも本発明の所定部位に含まれる。従って、位置aだけでなく、位置bに温度センサ60を取り付けても良い。また、図4に示すように、プローブカード30の下面だけでなく、プローブカード30上面のプローブピン32に最も近い位置cや、最も遠い位置(即ち、周縁部)d、或いはその中間の位置eに、温度センサ60を取り付けても良い。
さらに、プローブカード30に取り付ける温度センサ60は1個に限られることはなく複数個でも良い。例えば、温度センサ60を3個用意する。そして、図4において、位置aと、位置bと、位置dとにそれぞれ温度センサ60を1個ずつ設けても良い。このような構成によれば、位置aの温度と、位置bの温度と、位置dの温度の全てが安定したことを確認した後で、アライメントを開始することができる。従って、より好適なプリヒート時間を実現することができ、アライメント精度のさらなる向上に貢献することができる。
また、この第1実施形態では、本発明の温度測定手段として接触式の温度センサ60を用いる場合について説明したが、この温度測定手段は例えば非接触式の温度センサ60´でも良い。
図5は非接触式の温度センサ60´を備えたプローバ100´の構成例を示す概念図である。図5において、図1及び図2と対応する部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。図5において、ステージ移動機構70は、チャックステージ10をZ方向に移動させるZ方向駆動軸72と、Z軸を含むチャックステージ10をX方向に移動させるX方向移動ステージ74と、このX方向移動ステージと、Z方向駆動軸と、チャックステージ10とをY方向に移動させるY方向移動ステージ76等、から構成されている。
非接触式の温度センサ60´は、例えば放射エネルギー検出方式を用いたものであり、その温度検出面が上方を向いた状態でX方向移動ステージ74上に取り付けられている。このプローバ100´では、プリヒートを開始してから一定時間間隔で、温度センサ60´を例えばプローブピン32直下の位置に移動させ、温度測定を行う。この温度センサ60のプローブピン32直下への移動は、X方向移動ステージ74によるX方向への移動と、Y方向移動ステージ76によるY方向への移動とを組み合わせて行う。
さらに、この第1実施形態では、温度の安定を見極める方法として、一定時間間隔で温度を複数回測定し、温度変化が一定のレベル以下(即ち、温度変化の勾配が緩やか)になったら温度が安定したと判断する方式(即ち、温度勾配判断方式)について説明した。しかしながら、温度の安定を見極める方法はこれに限られることはなく、例えば「指定温度到達判断方式」でも良い。以下では、「指定温度到達判断方式」を用いたアライメント方法について説明する。
図6は、本発明に係るアライメント方法のその他の例を示すフローチャートである。ここでは、図1及び図2に示したプローバ100のチャックステージ10上にウエーハWを載せ、このウエーハWを例えば150[℃]程度までプリヒートする。そして、プローブカード30の温度が安定したことを「指定温度到達判断方式」により確認した後で、アライメントを実行する方法について説明する。
まず始めに、図6のステップ(S´)1で、チャックステージ10のウエーハ載置面12にウエーハWを載せ、ヒータ20の電源を入れる。このとき、プローブカード30のプローブピン32は、ウエーハWの回路素子面から例えば400〜600[μm]程度離しておく。次に、ステップ(S´)2で、ヒータ20の電源を入れたまま、かつ、プローブピン32をウエーハWから離した状態で一定時間(例えば10[秒]程度)待つ。
次に、ステップ(S´)3で、プローブカード30におけるプローブピン32近傍の位置の温度を接触式の温度センサ60で測定する。そして、このS´3で取得した温度情報(温度A´)をデータ格納部95に格納する。次に、ステップ(S´)4で、データ格納部95に格納された温度情報(温度A´)に基づいて、プローブピン32近傍の位置の温度が安定したか否かを判断する。
ここで、温度が安定したか否かの判断は、温度A´が指定温度に到達したか否かで判断する。指定温度とは、チャックステージ10とプローブカード30との離隔距離等によって決まる温度であり、例えば高温状態にあるチャックステージ10の温度の2/3程度である。この例では、高温検査を150[℃]で行うので、指定温度は150[℃]×2/3=100[℃]である。
図6のS´4で温度が安定したと判断した場合にはステップ(S´)5へ進み、アライメントを行う。また、図6のS´4で温度が安定していないと判断した場合には、S´2へ進み、ヒータ20の電源を入れたまま、かつ、プローブピン32をウエーハWから離した状態で一定時間(例えば10[秒]程度)待つ。
そして、ステップ(S´)3で、プローブピン32近傍の位置の温度を再び温度センサ60で測定し、このS´3で再取得した温度情報(温度B´)をデータ格納部95に格納する。そして、ステップ(S´)4で、データ格納部95に格納された温度情報(温度B´)に基づいて、プローブピン32近傍の位置の温度が安定したか否かを判断する。ここでも、温度が安定したか否かの判断は、温度B´が指定温度に到達したか否かで判断する。
このような構成によれば、上記の「温度勾配判断方式」を用いたアライメント方法と同様に、プリヒート時間の過剰や不足を防ぐことができ、好適なプリヒート時間を実現することができる。また、従来行っていたプリヒート時間の条件出しを無くすことができる。
(2)第2実施形態
上述の第1実施形態では、図4の実線矢印で示したように、プローブカード30の位置a〜eの一部又はその全ての温度を温度センサ60、又は60´で測定し、これら被測定位置の温度が安定したことを確認した後で、アライメントを行っていた。しかしながら、温度センサ60、又は60´による温度の測定対象はプローブカード30に限られることはない。
例えば、カードホルダー40が本発明の変温領域に含まれるような場合には、図4の破線矢印で示すように、カードホルダー40のチャックステージ(熱源)に最も近い位置fや、カードホルダー40のチャックステージに最も遠い位置gを、温度センサ60、又は60´による温度の被測定位置としても良い。
特に、カードホルダーの位置gは、プローブカード30と比べて、チャックステージ(熱源)から遠く離れているので、この位置gの温度が安定した場合には、プローブカード30全体やカードホルダー40全体の温度が十分に安定したと考えて良い。従って、カードホルダー40の位置gに例えば接触式の温度センサ60を取り付けることで、十分なプリヒート時間を確保することができる。
この第2実施形態では、カードホルダーの位置f、位置gのいずれか一方、又はその両方が、本発明の「変温領域であって当該プローブ検査装置の所定部位」に対応している。
第1実施形態に係るプローバ100の構成例を示す要部断面図。 プローバ100の構成例を示すブロック図。 アライメント方法の一例を示すフローチャート。 温度センサ60又は60´による温度の被測定位置の例を示す図。 非接触式の温度センサ60´を備えたプローバ100´の構成例を示す図。 アライメント方法のその他の例を示すフローチャート
符号の説明
10 チャックステージ、20 ヒータ、30 プローブカード、32 プローブピン、40 カードホルダー、50 テストヘッド、60、60´ 温度センサ、70 ステージ移動機構、72 Z方向駆動軸、74 X方向移動ステージ、76 Y方向移動ステージ、80 筐体と、90 コントローラ、95 データ格納部、100、100´ プローバ、a、b、c、d、e、f、g 位置(温度センサ60又は60´による温度の被測定位置)、W ウエーハ

Claims (5)

  1. ウエーハを載置するためのステージと、
    前記ステージのウエーハ載置面に対して鉛直方向に離れた位置に設けられたプローブカードと、
    前記ステージ上に載置された前記ウエーハを加熱するための加熱手段と、を備えたプローブ検査装置を用いて、
    前記ステージ上に載置された前記ウエーハを加熱して所定温度に昇温させ、当該ウエーハに作り込まれた回路素子の電気的特性を検査する際に、当該ウエーハと前記プローブカードとを位置合わせする方法であって、
    前記ステージ上に載置された前記ウエーハを前記加熱手段で加熱しながら、
    前記加熱手段による加熱の影響を受ける変温領域であって前記プローブ検査装置の所定部位の温度を測定し、
    測定された前記所定部位の前記温度が安定していることを確認した後で、
    前記ウエーハと前記プローブカードとを位置合わせすることを特徴とするウエーハとプローブカードとの位置合わせ方法。
  2. 前記プローブ検査装置は、前記ステージの前記ウエーハ載置面に対して鉛直方向に離れた位置に前記プローブカードを固定するカードホルダーを備えたことを特徴とする請求項1に記載のウエーハとプローブカードとの位置合わせ方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のウエーハとプローブカードとの位置合わせ方法を行った後で、前記ウエーハに作り込まれた回路素子の電極部に前記プローブカードのプローブ端子を接触させ、当該回路素子の電気的特性を検査することを特徴とするプローブ検査方法。
  4. ウエーハを載置するためのステージと、
    前記ステージのウエーハ載置面に対して鉛直方向に離れた位置に設けられたプローブカードと、
    前記ステージ上に載置された前記ウエーハを加熱するための加熱手段と、
    前記加熱手段による加熱の影響を受ける変温領域であって当該プローブ検査装置の所定部位の温度を測定する温度測定手段と、を備えたことを特徴とするプローブ検査装置。
  5. 前記温度測定手段によって測定された前記所定部位の前記温度が安定しているか否かを判断する温度判断手段、を備えたことを特徴とする請求項4に記載のプローブ検査装置。
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