JP2005228657A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】放電の発生を抑制するとともに耐大気圧強度が向上した画像表示装置を提供することにある。
【解決手段】 蛍光面が形成された第1基板10と、複数の電子放出源18が設けられた第2基板12との間に、スペーサ構体22が設けられている。スペーサ構体の支持基板24は、第1基板に当接した第1表面24a、第2基板と対向した第2表面24b、および電子放出源に対向した複数の電子ビーム通過孔26を有し、絶縁層37で被覆されている。第2表面上に複数のスペーサ30が立設されている。支持基板は、それぞれスペーサに当接しているとともにスペーサの高さ方向に弾性変形可能に形成された複数の高さ緩和部54を有している。
【選択図】 図3
【解決手段】 蛍光面が形成された第1基板10と、複数の電子放出源18が設けられた第2基板12との間に、スペーサ構体22が設けられている。スペーサ構体の支持基板24は、第1基板に当接した第1表面24a、第2基板と対向した第2表面24b、および電子放出源に対向した複数の電子ビーム通過孔26を有し、絶縁層37で被覆されている。第2表面上に複数のスペーサ30が立設されている。支持基板は、それぞれスペーサに当接しているとともにスペーサの高さ方向に弾性変形可能に形成された複数の高さ緩和部54を有している。
【選択図】 図3
Description
この発明は、対向配置された基板と、基板間に配設されたスペーサとを備えた画像表示装置、およびその製造方法に関する。
近年、陰極線管(以下、CRTと称する)に代わる次世代の軽量、薄型の表示装置として様々な平面型の画像表示装置が注目されている。例えば、平面表示装置として機能するフィールド・エミッション・デバイス(以下、FEDと称する)の一種として、表面伝導型電子放出装置(以下、SEDと称する)の開発が進められている。
このSEDは、所定の間隔をおいて対向配置された第1基板および第2基板を備え、これらの基板は矩形状の側壁を介して周辺部を互いに接合することにより真空外囲器を構成している。第1基板の内面には3色の蛍光体層およびメタルバック層が形成され、第2基板の内面には、蛍光体を励起する電子源として、各画素に対応する多数の電子放出素子が配列されている。各電子放出素子は、電子放出部、この電子放出部に電圧を印加する一対の電極等で構成されている。
前記のようなSEDにおいて、第1基板および第2基板間の空間、すなわち真空外囲器内は、高い真空度に維持されることが重要となる。真空度が低い場合、電子放出素子の寿命、ひいては、装置の寿命が低下してしまう。また、第1基板と第2基板間は真空であるため、第1基板、第2基板に対し大気圧が作用する。そこで、これらの基板に作用する大気圧荷重を支持し基板間の隙間を維持するため、両基板間には、多数の板状あるいは柱状のスペーサが配置されている。
スペーサを第1基板および第2基板の全面に渡って配置するためには、第1基板の蛍光体、第2基板の電子放出素子に接触しないように、極めて薄い板状、あるいは極めて細い柱状のスペーサが必要となる。これらのスペーサは、電子放出素子の極めて近くに設置せざるを得ないため、スペーサとして絶縁体材料を使用しなければならない。同時に、第1基板および第2基板の薄板化を検討した場合、一層多くのスペーサが必要となる。
例えば、特許文献1には、支持基板上に多数の柱状スペーサを立設してスペーサ構体を構成し、このスペーサ構体を第1および第2基板間に配置した装置が開示されている。このような画像表示装置の真空外囲器を製造する方法として、予め第1基板、第2基板、スペーサ構体を真空内に設置し、封着後の真空度維持を目的として、第1基板のメタルバック層上にゲッターを塗布した後に、スペーサ構体を狭持するように第1基板と第2基板とを封着する製造方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2001−272927号公報
特開2001−229824号公報
前記のように構成されたSEDにおいて、画像を表示する場合、第1基板と第2基板との間には、電子ビームの加速電圧として例えば10KVの高電圧が印加される。高電圧下において、メタルバック層に重ねてゲッターが設けられている場合、メタルバック層と第1基板間で放電現状が発生し易くなる。そして、放電が発生した場合、蛍光体層、メタルバック層、および第2基板上の電子放出素子等が破壊する虞がある。
また、前記のように構成されたスペーサ構体において、全てのスペーサを同一の高さで形成することが難しく、スペーサの高さにバラツキが生じる可能性がある。スペーサの高さにバラツキがある場合、第1基板および第2基板に作用する大気圧荷重をスペーサによって安定に支持することが困難となり、外囲器の耐大気圧強度が低下する。また、高さの高いスペーサには大きな負荷が作用し、このスペーサが損傷する恐れもあり、この場合、スペーサ構体自体の強度が低下する。更に、高さの低いスペーサの先端と基板との間に隙間が形成されると、この隙間は放電の発生要因となりえる。
この発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、放電の発生を抑制するとともに耐大気圧強度が向上した画像表示装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、この発明の態様に係る画像表示装置は、蛍光体層を含む蛍光面と、この蛍光面に重ねて設けられたメタルバック層と、を有した第1基板と、前記第1基板と隙間を置いて対向配置されているとともに、前記蛍光面に向けて電子を放出する複数の電子放出源が配置された第2基板と、前記第1および第2基板間に配設され、前記第1基板に当接した第1表面、前記第2基板と対向した第2表面、および前記電子放出源に対向した複数の電子ビーム通過孔を有しているとともに、絶縁性物質で被覆された支持基板と、前記支持基板の第2表面と前記第2基板との間に立設され、第1および第2基板に作用する大気圧を支持する複数のスペーサと、を備え、前記支持基板は、それぞれ前記スペーサに当接しているとともにスペーサの高さ方向に弾性変形可能に形成された複数の高さ緩和部を有している。
この発明の他の形態に係る画像表示装置は、蛍光体層を含む蛍光面と、この蛍光面に重ねて設けられたメタルバック層と、メタルバック層に重ねて形成されたゲッター膜とを有した第1基板と、前記第1基板と隙間を置いて対向配置されているとともに、前記蛍光面に向けて電子を放出する複数の電子放出源が配置された第2基板と、前記第1および第2基板間に配設され、前記第1基板に当接した第1表面、前記第2基板と対向した第2表面、前記電子放出源に対向した複数の電子ビーム通過孔、および前記第1表面に形成された複数の凹所を有しているとともに、絶縁性物質で被覆された支持基板と、前記支持基板の第2表面と前記第2基板との間に立設され、第1および第2基板に作用する大気圧を支持する複数のスペーサと、を備えている。
本発明によれば、スペーサの高さにバラツキがある場合でも、支持基板の高さ緩和部の弾性変形により高さのバラツキを吸収することができる。そのため、第2基板とスペーサとの隙間を無くし、この隙間に起因する放電を抑制することが可能となる。支持基板の第1表面に複数の凹所を設けることにより、支持基板とゲッター膜との接触面積を低減し、ゲッター膜の露出面積を増加することが可能となる。従って、放電の発生を抑制するとともに耐大気圧強度が向上した画像表示装置を提供することができる。
以下図面を参照しながら、この発明を、平面型の画像表示装置としてFEDの一種である表面伝導型電子放出装置(以下、SEDと称する)に適用した実施の形態について詳細に説明する。
図1ないし図3に示すように、SEDは、それぞれ矩形状のガラス板からなる第1基板10および第2基板12を備え、これらの基板は約1.0〜2.0mmの隙間をおいて対応配置されている。そして、第1基板10および第2基板12は、ガラスからなる矩形状の側壁14を介して周縁部同士が接合され、内部が真空に維持された扁平な矩形状の真空外囲器15を構成している。
図1ないし図3に示すように、SEDは、それぞれ矩形状のガラス板からなる第1基板10および第2基板12を備え、これらの基板は約1.0〜2.0mmの隙間をおいて対応配置されている。そして、第1基板10および第2基板12は、ガラスからなる矩形状の側壁14を介して周縁部同士が接合され、内部が真空に維持された扁平な矩形状の真空外囲器15を構成している。
第1基板10の内面には表示面として機能する蛍光体スクリーン16がほぼ全面に渡って形成されている。蛍光体スクリーン16は、赤、青、緑に発光する蛍光体層R、G、B、および遮光層11を並べて構成され、これらの蛍光体層はストライプ状あるいはドット状に形成されている。また、蛍光体スクリーン16上には、アルミニウム等からなるメタルバック層17およびゲッター膜19が順に形成されている。
第2基板12の内面には、蛍光体スクリーン16の蛍光体層R、G、Bを励起する電子放出源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の表面伝導型の電子放出素子18が設けられている。これらの電子放出素子18は、画素毎に対応して複数列および複数行に配列されている。各電子放出素子18は、図示しない電子放出部、この電子放出部に電圧を印加する一対の素子電極等で構成されている。また、第2基板12の内面上には、電子放出素子18に電位を供給する多数本の配線21がマトリックス状に設けられ、その端部は真空外囲器15の外部に引出されている。
接合部材として機能する側壁14は、例えば、低融点ガラス、低融点金属等の封着材20により、第1基板10の周縁部および第2基板12の周縁部に封着され、これらの基板同士を接合している。
図2および図3に示すように、SEDは、第1基板10および第2基板12の間に配設されたスペーサ構体22を備えている。スペーサ構体22は、金属板からなる支持基板24と、支持基板上に一体的に立設された多数の柱状のスペーサ30と、を備えている。支持基板24は、蛍光体スクリーン16に対応した寸法の矩形状に形成され、第1基板10の内面と対向した第1表面24aおよび第2基板12の内面と対向した第2表面24bを有し、これらの基板と平行に配置されている。
支持基板24は、例えば鉄−ニッケル系の金属板により厚さ0.1〜0.25mmに形成されている。支持基板24には、エッチング等により複数の電子ビーム通過孔26が形成されている。電子ビーム通過孔26は、例えば、0.15〜0.25mm×0.15〜0.25mmの矩形状に形成されている。図4に示すように、第1基板10および第2基板12の長手方向をX、幅方向をYとした場合、電子ビーム通過孔26は、X方向に沿って所定のピッチで配列され、Y方向については、X方向のピッチよりも大きなピッチで配列されている。第1基板10に形成された蛍光体スクリーン16の蛍光体層R、G、B、および第2基板12上の電子放出素子18は、X方向およびY方向についてそれぞれ電子ビーム通過孔26と同一のピッチで配列され、それぞれ電子ビーム通過孔と対向している。
支持基板24の第1および第2表面24a、24b、各電子ビーム通過孔26の内壁面は、ガラス等を主成分とした絶縁性物質、例えば、Li系のアルカリホウ珪酸ガラスからなる厚さ約40μmの絶縁層37により被覆されている。
支持基板24は、その第1表面24aが絶縁層37を介して第1基板10のゲッター膜19に接触して設けられている。支持基板24に設けられた電子ビーム通過孔26は、蛍光体スクリーン16の蛍光体層R、G、B、および第2基板12上の電子放出素子18と対向している。これにより、各電子放出素子18は、電子ビーム通過孔26を通して、対応する蛍光体層と対向している。
図2および図3に示すように、支持基板24の第2表面24b上には多数のスペーサ30が一体的に立設されている。各スペーサ30の延出端は、第2基板12の内面、ここでは、第2基板12の内面上に設けられた配線21上に当接している。スペーサ30の各々は、支持基板24側から延出端に向かって径が小さくなった先細テーパ状に形成されている。例えば、スペーサ30は高さ約1.8mmに形成されている。支持基板24表面と平行な方向に沿ったスペーサ30の断面は、ほぼ楕円形に形成されている。スペーサ30の各々は、主に、絶縁物質としてガラスを主成分とするスペーサ形成材料により形成されている。
図2ないし図4に示すように、支持基板24は、それぞれスペーサ30の立設位置に形成された複数の高さ緩和部54を有している。各高さ緩和部54は、支持基板24の第1表面24a側に形成された凹所56を有し、支持基板の他部分の板厚に対して1/2以下の板厚に形成されている。これにより、各高さ緩和部54は、第1表面24aに対してほぼ垂直な方向、つまり、スペーサ30の高さ方向に沿って弾性変形可能に形成されている。各第1スペーサ30aは支持基板24の第2表面24b上において高さ緩和部54に立設され、凹所56と対向している。
支持基板24の第1表面24aには、スペーサ30に対向した凹所56の他、複数の凹所56が形成されている。これらの凹所56は、いずれも電子ビーム通過孔26間で第1表面24aに形成されている。
凹所56は、大気圧が作用した場合に、スペーサ30の高さばらつきを吸収可能、かつ変形可能な強度となるような深さとしている。支持基板24に凹所56を加工する方法は種々考えられるが、例えば支持基板24の製作においてエッチングを用いる場合は、支持基板をハーフエッチングすることにより、凹所を容易に、かつ、同時に加工することができる。また、凹所は、プレス加工等の機械加工により形成してもよい。
本実施形態において、各凹所56は、スペーサ30の支持基板24側の端面、つまり、当接面と相似形状に形成されている。凹所56の面積は、スペーサ30の当接面の面積よりも大きく形成されている。支持基板50の表面は、凹所56の内面も含め、絶縁層37により被覆されている。
なお、真空外囲器15内において、凹所56が完全な閉塞空間とならないように、凹所に連通した溝、穴等を支持基板24に形成しておくことが望ましい。
なお、真空外囲器15内において、凹所56が完全な閉塞空間とならないように、凹所に連通した溝、穴等を支持基板24に形成しておくことが望ましい。
上記のように構成されたスペーサ構体22は、支持基板24が第1基板10に接触し、スペーサ30の延出端が第2基板12の内面に当接することにより、これらの基板に作用する大気圧荷重を支持し、基板間の間隔を所定値に維持している。
SEDは、支持基板24および第1基板10のメタルバック層17に電圧を印加する図示しない電圧供給部を備え、例えば、支持基板に8kV、メタルバック層に10kVの電圧が印加される。SEDにおいて、画像を表示する場合、電子放出素子18を駆動し、任意の電子放出素子から電子ビームを放出するとともに、蛍光体スクリーン16およびメタルバック層17にアノード電圧を印加する。電子放出素子18から放出された電子ビームは、アノード電圧により加速され、支持基板24の電子ビーム通過孔26を通った後、蛍光体スクリーン16に衝突する。これにより、蛍光体スクリーン16の蛍光体層が励起されて発光し、画像を表示する。
次に、以上のように構成されたSEDの製造方法について説明する。始めに、スペーサ構体22の製造方法について説明する。
まず、Fe−50%Niからなる板厚0.12mmの金属板を脱脂・洗浄・乾燥した後、両面にレジスト膜を形成する。続いて、金属板の両面を露光、現像、乾燥してレジストパターンを形成する。その後、エッチングにより金属板の所定位置に0.18×0.18mmの電子ビーム通過孔26を形成する。同時に、金属板の第1表面側、つまり、第1基板10と対向する表面の所定位置をハーフエッチングし、それぞれ長軸径3mm、短軸径0.4mmの凹所56を形成する。その後、支持基板24の全面にガラスフリットを厚さ40μmで塗布し、乾燥した後、焼成することにより、絶縁層37を形成する。
まず、Fe−50%Niからなる板厚0.12mmの金属板を脱脂・洗浄・乾燥した後、両面にレジスト膜を形成する。続いて、金属板の両面を露光、現像、乾燥してレジストパターンを形成する。その後、エッチングにより金属板の所定位置に0.18×0.18mmの電子ビーム通過孔26を形成する。同時に、金属板の第1表面側、つまり、第1基板10と対向する表面の所定位置をハーフエッチングし、それぞれ長軸径3mm、短軸径0.4mmの凹所56を形成する。その後、支持基板24の全面にガラスフリットを厚さ40μmで塗布し、乾燥した後、焼成することにより、絶縁層37を形成する。
続いて、支持基板24とほぼ同一の寸法を有した矩形板状の成形型を用意する。成形型は、紫外線を透過する透明な材料、例えば、透明ポリエチレンテレフタレートを主体とした透明シリコン等により平坦な板状に形成されている。成形型は、支持基板24に当接する平坦な当接面と、スペーサを成形するための多数の有底のスペーサ形成孔と、を有している。スペーサ形成孔はそれぞれ成形型の当接面に開口しているとともに、所定の間隔を置いて配列されている。各スペーサ形成孔は、スペーサに対応して、長さ1mm、幅0.35mm、高さ1.8mmに形成されている。その後、成形型のスペーサ形成孔にスペーサ形成材料を充填する。スペーサ形成材料としては、少なくとも紫外線硬化型のバインダ(有機成分)およびガラスフィラーを含有したガラスペーストを用いる。ガラスペーストの比重、粘度は適宜選択する。
続いて、スペーサ形成材料の充填されたスペーサ形成孔が電子ビーム通過孔間に位置するように、成形型を位置決めし当接面を支持基板の第2表面24bに密着させる。これにより、支持基板24および成形型からなる組立体を構成する。
次に、充填されたスペーサ形成材料に対し、例えば、紫外線ランプ等を用いて支持基板24および成形型の外面側から紫外線(UV)を照射し、スペーサ形成材料をUV硬化させる。その際、成形型は、紫外線透過材料としての透明なシリコンで形成されている。そのため、紫外線は、スペーサ形成材料に直接、および成形型を透過して照射される。従って、充填されたスペーサ形成材料をその内部まで確実に硬化させることができる。
その後、硬化したスペーサ形成材料を支持基板24上に残すように、成形型を支持基板24から剥離する。次に、スペーサ形成材料が設けられた支持基板24を加熱炉内で熱処理し、スペーサ形成材料内からバインダを飛ばした後、約500〜550℃で30分〜1時間、スペーサ形成材料を本焼成しガラス化する。これにより、支持基板24の第2表面24b上にスペーサ30が一体的に作り込まれたスペーサ構体22が得られる。
一方、SEDの製造においては、予め、蛍光体スクリーン16およびメタルバック層17の設けられた第1基板10と、電子放出素子18および配線21が設けられているとともに側壁14が接合された第2基板12と、を用意しておく。続いて、上記のようにして得られたスペーサ構体22を第2基板12上に位置決めした後、支持基板24の4隅を第2基板の4つのコーナー部に立設された金属製の支柱に溶接する。これにより、スペーサ構体22を第2基板12に固定する。なお、支持基板24の固定箇所は、少なくとも2箇所あればよい。
その後、第1基板10、およびスペーサ構体22が固定された第2基板12を真空チャンバ内に配置し、真空チャンバ内を真空排気した後、第1基板のメタルバック層17上にゲッター膜19を形成する。続いて、側壁14を介して第1基板を第2基板に接合するとともに、これらの基板間にスペーサ構体22を挟み込む。これにより、スペーサ構体22を備えたSEDが製造される。
以上のように構成されたSEDによれば、支持基板24の第2基板12側のみにスペーサ30を設けることにより、各スペーサの長さを長くし、支持基板24と第2基板12との距離を離すことができる。それにより、支持基板と第2基板との間の耐圧性が向上し、これらの間における放電の発生を抑制することが可能となる。
支持基板24は高さ緩和部54を有し、各スペーサ30はこの高さ緩和部上に設けられている。高さ緩和部54は板バネ、または皿バネとして作用し、スペーサ30に高さ等にバラツキがある場合でも、高さ緩和部の弾性変形により高さのバラツキを吸収することが可能となる。従って、第1基板10および第2基板12に作用する大気圧荷重をスペーサ30により安定して支持することができ、真空外囲器15の耐大気圧強度を向上することができる。同時に、高さのバラツキに起因したスペーサの損傷を防止することができる。
更に、スペーサ30の高さにバラツキがある場合でも、スペーサの先端と第2基板10との間における隙間の発生を防止でき、この隙間に起因する放電を抑制することが可能となる。支持基板24は絶縁層37により被覆されているため、支持基板自身も放電を抑制するシールドして機能する。従って、放電の発生を抑制するとともに耐大気圧強度が向上したSEDが得られる。
また、支持基板24の第1表面24aはゲッター膜19を介して第1基板10に当接している。そのため、メタルバック層17と支持基板24とが同電位となり、また、第1基板と支持基板との間にメタルバック層およびゲッター膜が挟み込まれた構成となっている。この場合、メタルバック層17およびゲッター膜19の剥がれ、並びに、メタルバック層および蛍光面の損傷を防止することができる。これにより、長期間に渡って良好な画像品位を維持することができる。同時に、剥がれたメタルバック層、ゲッター膜に起因する放電の発生を抑制し、信頼性の向上したSEDが得られる。
ゲッター膜19に当接している支持基板24の第1表面24aには複数の凹所56が形成され、各凹所は図示しない溝、孔等を通して真空外囲器内部に連通している。そのため、支持基板24によりゲッター膜19を覆った場合でも、支持基板とゲッター膜19との接触面積を削減し、ゲッター膜の露出面積を増加することができる。これにより、ゲッター効率の低下を低減し、高真空を維持することが可能となる。
上述した実施形態において、支持基板24の凹所56はスペーサ30の端面と相似形状に形成したが、この端面よりも大きな面積を有していればよく、その形状は必要に応じて変更可能である。図6に示すように、凹所56は、支持基板24の電子ビーム通過孔26の間を延びた溝にいより形成され、長軸X方向に並んだ複数の高さ緩和部54に渡って連続して延びていてもよい。凹所56の形成数は必要に応じて増減可能である。
本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
スペーサの径や高さ、その他の構成要素の寸法、材質等は上述した実施形態に限定されることなく、必要に応じて適宜選択可能である。また、この発明は、電子源として表面伝導型電子放出素子を用いたものに限らず、電界放出型、カーボンナノチューブ等の他の電子源を用いた画像表示装置にも適用可能である。
10…第1基板、 12…第2基板、 14…側壁、 15…真空外囲器、
16…蛍光体スクリーン、 17…メタルバック層、 19…ゲッター膜、
18…電子放出素子、 22…スペーサ構体、 24…支持基板、
24a…第1表面、 24b…第2表面、 26…電子ビーム通過孔、
30…スペーサ、 54…高さ緩和部、 56…凹所
16…蛍光体スクリーン、 17…メタルバック層、 19…ゲッター膜、
18…電子放出素子、 22…スペーサ構体、 24…支持基板、
24a…第1表面、 24b…第2表面、 26…電子ビーム通過孔、
30…スペーサ、 54…高さ緩和部、 56…凹所
Claims (8)
- 蛍光体層を含む蛍光面と、この蛍光面に重ねて設けられたメタルバック層と、を有した第1基板と、
前記第1基板と隙間を置いて対向配置されているとともに、前記蛍光面に向けて電子を放出する複数の電子放出源が配置された第2基板と、
前記第1および第2基板間に配設され、前記第1基板に当接した第1表面、前記第2基板と対向した第2表面、および前記電子放出源に対向した複数の電子ビーム通過孔を有しているとともに、絶縁性物質で被覆された支持基板と、
前記支持基板の第2表面と前記第2基板との間に立設され、第1および第2基板に作用する大気圧を支持する複数のスペーサと、を備え、
前記支持基板は、それぞれ前記スペーサに当接しているとともにスペーサの高さ方向に弾性変形可能に形成された複数の高さ緩和部を有している画像表示装置。 - 前記各高さ緩和部は、前記支持基板の第1表面に形成された凹所を有していることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
- 蛍光体層を含む蛍光面と、この蛍光面に重ねて設けられたメタルバック層と、メタルバック層に重ねて形成されたゲッター膜とを有した第1基板と、
前記第1基板と隙間を置いて対向配置されているとともに、前記蛍光面に向けて電子を放出する複数の電子放出源が配置された第2基板と、
前記第1および第2基板間に配設され、前記第1基板に当接した第1表面、前記第2基板と対向した第2表面、前記電子放出源に対向した複数の電子ビーム通過孔、および前記第1表面に形成された複数の凹所を有しているとともに、絶縁性物質で被覆された支持基板と、
前記支持基板の第2表面と前記第2基板との間に立設され、第1および第2基板に作用する大気圧を支持する複数のスペーサと、を備えた画像表示装置。 - 前記凹所は、前記支持基板の第1表面において、前記スペーサと対向した位置を含み、前記電子ビーム通過孔間に形成されている請求項3に記載の画像表示装置。
- 前記凹所は、前記スペーサの前記支持基板に当接した当接面の面積よりも大きな面積を有していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
- 前記凹所は、前記スペーサの前記支持基板に当接した当接面と相似形状を有していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像表示装置。
- 前記凹所は、前記電子ビーム通過孔の間を延びた溝により形成されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像表示装置。
- 前記各凹所はハーフエッチングにより形成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像表示装置。
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