JP2006086032A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スペーサと基板との隙間に起因する電界の発生を抑制し、信頼性および表示品位の向上した画像表示装置を提供する。
【解決手段】 外囲器15は、蛍光面16が形成された第1基板10と、複数の電子放出源18が設けられた第2基板12とを備えている。第1基板と第2基板との間に、複数の柱状のスペーサ30が立設され、第1および第2基板に作用する大気圧を支持している。複数のスペーサの第2基板側の端は連結部材60によって互いに電気的に繋がれているとともに、連結部材を介して第2基板に当接している。
【選択図】 図4
【解決手段】 外囲器15は、蛍光面16が形成された第1基板10と、複数の電子放出源18が設けられた第2基板12とを備えている。第1基板と第2基板との間に、複数の柱状のスペーサ30が立設され、第1および第2基板に作用する大気圧を支持している。複数のスペーサの第2基板側の端は連結部材60によって互いに電気的に繋がれているとともに、連結部材を介して第2基板に当接している。
【選択図】 図4
Description
この発明は、対向配置された基板と、基板間に配設されたスペーサとを備えた画像表示装置に関する。
近年、陰極線管(以下、CRTと称する)に代わる次世代の軽量、薄型の表示装置として様々な平面型の画像表示装置が注目されている。例えば、平面表示装置であるフィールド・エミッション・デバイス(以下、FEDと称する)の一種として、表面伝導型電子放出装置(以下、SEDと称する)の開発が進められている。
このSEDは、所定の間隔をおいて対向配置された第1基板および第2基板を備え、これらの基板は矩形状の側壁を介して周辺部を互いに接合することにより真空外囲器を構成している。第1基板の内面には3色の蛍光体層およびメタルバックが形成され、第2基板の内面には、蛍光体を励起する電子源として、各画素に対応した多数の電子放出素子が配列されている。
このようなSEDにおいて、第1基板および第2基板間の空間、すなわち真空外囲器内は、高い真空度に維持されることが重要となる。真空度が低い場合、電子放出素子の寿命、ひいては、装置の寿命が低下してしまう。また、第1基板と第2基板間は真空であるため、第1基板、第2基板に対し大気圧が作用する。そこで、これらの基板に作用する大気圧荷重を支持し基板間の隙間を維持するため、両基板間には、多数の板状あるいは柱状のスペーサが配置されている。
スペーサを第1基板および第2基板の全面に渡って配置するためには、第1基板の蛍光体、第2基板の電子放出素子に接触しないように、極めて薄い板状、あるいは極めて細い柱状のスペーサが必要となる。第1基板および第2基板の薄板化を検討した場合、一層多くのスペーサが必要となる。例えば、特許文献1には、支持基板上に多数の柱状スペーサを立設してスペーサ構体を構成し、このスペーサ構体を第1基板および第2基板間に配置した装置が開示されている。
特開2001−272927号公報
前記構成のSEDにおいて、第1基板および第2基板間に多数のスペーサを設ける場合、全てのスペーサを同一の高さで形成することは難しく、スペーサの高さにバラツキが生じる可能性がある。スペーサの高さにバラツキがある場合、高さの低いスペーサの先端と基板との間に隙間が形成される。このような隙間には、強電界が発生し、電子ビームの軌道変化を生じさせる虞がある。また、上記の隙間で放電が起こり易く、耐圧性の低下を招く。
この発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、スペーサと基板との隙間に起因する強電界の発生を抑制し、信頼性および表示品位の向上した画像表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、この発明の態様に係る画像表示装置は、蛍光面が形成された第1基板、および前記第1基板と隙間を置いて対向配置されているとともに、前記蛍光面に向けて電子を放出する複数の電子放出源が配置された第2基板を有した外囲器と、前記第1基板と第2基板との間に立設され、第1および第2基板に作用する大気圧を支持した複数の柱状のスペーサと、それぞれ前記複数のスペーサの内、少なくとも2本以上のスペーサの前記第1基板側あるいは第2基板側の少なくとも片側の端を互いに電気的に繋いでいるとともに、前記第1および第2基板の少なくとも一方と前記複数のスペーサと間に設けられた複数の連結部材と、を備えている。
本発明によれば、スペーサと基板との間に隙間が生じた場合でも、この隙間に起因する強電界の発生を抑制し、信頼性および表示品位の向上した画像表示装置を提供することができる。
以下図面を参照しながら、この発明を、平面型の画像表示装置としてSEDに適用した第1の実施形態について詳細に説明する。
図1および図2に示すように、SEDは、それぞれ矩形状のガラス板からなる第1基板10および第2基板12を備え、これらの基板は約1.0〜2.0mmの隙間をおいて対向配置されている。第1基板10および第2基板12は、ガラスからなる矩形状の側壁14を介して周縁部同士が接合され、内部が真空に維持された扁平な矩形状の真空外囲器15を構成している。接合部材として機能する側壁14は、例えば、低融点ガラス、低融点金属等の封着材20により、第1基板10の周縁部および第2基板12の周縁部に封着され、これらの基板同士を接合している。
図1および図2に示すように、SEDは、それぞれ矩形状のガラス板からなる第1基板10および第2基板12を備え、これらの基板は約1.0〜2.0mmの隙間をおいて対向配置されている。第1基板10および第2基板12は、ガラスからなる矩形状の側壁14を介して周縁部同士が接合され、内部が真空に維持された扁平な矩形状の真空外囲器15を構成している。接合部材として機能する側壁14は、例えば、低融点ガラス、低融点金属等の封着材20により、第1基板10の周縁部および第2基板12の周縁部に封着され、これらの基板同士を接合している。
第1基板10の内面には蛍光面として機能する蛍光体スクリーン16が第1基板のほぼ全面に渡って形成されている。蛍光体スクリーン16は、後述するように、赤、緑、青に発光する蛍光体層R、G、Bとマトリックス状の遮光層11とを有している。蛍光体スクリーン16上には、例えば、アルミニウムを主成分とするメタルバック17が形成され、更に、メタルバックに重ねてゲッター膜19が形成されている。
第2基板12の内面には、蛍光体スクリーン16の蛍光体層R、G、Bを励起する電子放出源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の表面伝導型の電子放出素子18が設けられている。これらの電子放出素子18は、複数列および複数行に配列され、それぞれ画素を構成している。各電子放出素子18は、図示しない電子放出部、この電子放出部に電圧を印加する一対の素子電極等で構成されている。第2基板12の内面上には、電子放出素子18を駆動する多数本の配線21がマトリック状に設けられ、その端部は真空外囲器15の外部に引出されている。
図3および図4に示すように、第1基板10の内面に設けられた蛍光体スクリーン16において、蛍光体層R、G、Bはそれぞれ矩形状に形成されている。第1基板10の長手方向を第1方向X、これと直交する幅方向を第2方向Yとした場合、蛍光体層R、G、Bは、第1方向Xに所定の隙間をおいて交互に配列され、第2方向に同一色の蛍光体層が所定の隙間をおいて配列されている。蛍光体層R、G、Bはそれぞれ対応する電子放出素子18と対向して位置している。黒色の遮光層11は、第1基板10の周縁部に沿って延びた矩形枠部、および矩形枠部の内側で蛍光体層R、G、Bの間をマトリックス状に延びたマトリックス部を有している。
図2ないし図5に示すように、第1基板10および第2基板12の間にはスペーサ構体22が配設されている。スペーサ構体22は、矩形状の金属板からなる支持基板24と、支持基板の一方の表面に一体的に立設された多数の柱状のスペーサ30と、を有している。支持基板24は第1基板10の内面と対向した第1表面24aおよび第2基板12の内面と対向した第2表面24bを有し、これらの基板と平行に配置されている。
支持基板24は、例えば鉄−ニッケル系の金属板により厚さ0.1〜0.25mm、例えば、0.12mmに形成されている。支持基板24には、エッチング等により複数の電子ビーム通過孔26が形成されている。電子ビーム通過孔26は、例えば、0.15〜0.25mm×0.15〜0.25mmの矩形状に形成されている。電子ビーム通過孔26は、第1方向Xに沿って所定のピッチで配列され、第2方向Yについては、第1方向Xのピッチよりも大きなピッチで配列されている。第1基板10に形成された蛍光体スクリーン16の蛍光体層R、G、B、および第2基板12上の電子放出素子18は、第1方向Xおよび第2方向Yについてそれぞれ電子ビーム通過孔26と同一のピッチで配列され、それぞれ電子ビーム通過孔と対向している。
支持基板24の第1および第2表面24a、24b、各電子ビーム通過孔26の内壁面は、絶縁層として、ガラス、セラミック等を主成分とした絶縁性物質、例えば、Li系のアルカリホウ珪酸ガラスからなる高抵抗膜43により被覆されている。そして、支持基板24は、その第1表面24aが、ゲッター膜19、メタルバック17、蛍光体スクリーン16を介して、第1基板10の内面に接触した状態で設けられている。支持基板24に設けられた電子ビーム通過孔26は、蛍光体スクリーン16の蛍光体層R、G、B、および第2基板12上の電子放出素子18と対向している。これにより、各電子放出素子18は、電子ビーム通過孔26を通して、対応する蛍光体層と対向している。支持基板24の第2表面24bには、二次電子放出係数が0.4〜2.0の材料を含有した酸化クロム、酸化銅、酸化鉄等の金属酸化物、および、窒化アルミニウム、窒化チタン等の金属窒化物からなる被膜が所望の厚さに形成されている。
支持基板24の第2表面24b上には多数のスペーサ30が一体的に立設され、支持基板と第2基板12との間を延びている。スペーサ30は、それぞれ第2方向Yに並んだ電子ビーム通過孔26間に位置している。複数のスペーサ30は、第2方向Yに所定のピッチで並んで設けられているとともに、第1方向Xに上記所定のピッチよりも大きなピッチで並んで設けられている。
スペーサ30の各々は、支持基板24側から延出端に向かって径が小さくなった先細テーパ状に形成されている。例えば、スペーサ30は高さ約1.8mmに形成されている。支持基板24表面と平行な方向に沿ったスペーサ30の断面は、ほぼ楕円形に形成されている。スペーサ30の各々は、主に、絶縁物質としてガラスを主成分とするスペーサ形成材料により形成されている。スペーサ30の少なくとも一部は、スペーサ形成材料とは異なる物質、例えば、酸化クロム、酸化銅、酸化鉄等の金属酸化物、および、窒化アルミニウム、窒化チタン等の金属窒化物により被着されている。
複数のスペーサ30の延出端は細長い連結部材60により繋がれ、電気的に接続されている。例えば、第2方向Yに延びた各列を構成している複数のスペーサ30は、1本の連結部材60により互いに繋がれている。図6に示すように、各連結部材60は、スペーサ30の延出端の寸法に合わせた太さの芯材62a、および芯材の外面を覆った被覆62bにより構成されている。芯材62aは導電材料、例えば、金属ワイヤにより形成され、被覆62bはシート抵抗が104Ω/□以上に形成され、例えば、スペーサ30と同一材料のガラスにより形成されている。
スペーサ構体22は、第1基板10および第2基板12間に配設され、支持基板24は第1表面24aが第1基板10に接触している。スペーサ30の延出端に固定された各連結部材60は、第2方向Yに延びた配線21上に載置され、スペーサ30の延出端と第2基板12との間に位置している。スペーサ30は、連結部材60、配線21を介して第2基板に当接している。これにより、スペーサ構体22は、第1基板10および第2基板12に作用する大気圧荷重を支持し、基板間の間隔を所定値に維持している。
SEDは、支持基板24および第1基板10のメタルバック17に電圧を印加する図示しない電圧供給部を備えている。この電圧供給部は、支持基板24およびメタルバック17にそれぞれ接続されている。SEDにおいて、画像を表示する場合、蛍光体スクリーン16およびメタルバック17にアノード電圧が印加され、電子放出素子18から放出された電子ビームをアノード電圧により加速して蛍光体スクリーン16へ衝突させる。これにより、蛍光体スクリーン16の蛍光体層が励起されて発光し、画像を表示する。
次に、以上のように構成されたSEDの製造方法について説明する。始めに、スペーサ構体22の製造方法について説明する。
まず、Fe−50%Niからなる板厚0.15mmの金属板を脱脂、洗浄、乾燥した後、エッチングにより電子ビーム通過孔26を形成し支持基板24とする。この場合、支持基板24全体を酸化処理した後、電子ビーム通過孔26の内面を含め支持基板表面に絶縁膜を形成する。更に、絶縁膜の上に、ガラスを主成分としたコート液を塗布し、乾燥した後、焼成することにより、高抵抗膜43を形成する。
まず、Fe−50%Niからなる板厚0.15mmの金属板を脱脂、洗浄、乾燥した後、エッチングにより電子ビーム通過孔26を形成し支持基板24とする。この場合、支持基板24全体を酸化処理した後、電子ビーム通過孔26の内面を含め支持基板表面に絶縁膜を形成する。更に、絶縁膜の上に、ガラスを主成分としたコート液を塗布し、乾燥した後、焼成することにより、高抵抗膜43を形成する。
続いて、支持基板24とほぼ同一の寸法を有した矩形板状の成形型を用意する。成形型は、紫外線を透過する透明な材料、例えば、透明ポリエチレンテレフタレートを主体とした透明シリコン等により平坦な板状に形成されている。成形型は、支持基板24に当接する平坦な当接面と、スペーサを成形するための多数の有底のスペーサ形成孔と、を有している。スペーサ形成孔はそれぞれ成形型の当接面に開口しているとともに、所定の間隔を置いて配列されている。各スペーサ形成孔は、スペーサに対応した寸法に形成されている。その後、成形型のスペーサ形成孔にスペーサ形成材料を充填する。スペーサ形成材料としては、少なくとも紫外線硬化型のバインダ(有機成分)およびガラスフィラーを含有したガラスペーストを用いる。ガラスペーストの比重、粘度は適宜選択する。
次いで、スペーサ形成材料の充填されたスペーサ形成孔が電子ビーム通過孔間に位置するように成形型を位置決めし、当接面を支持基板の第2表面24bに密着させる。充填されたスペーサ形成材料に対し、例えば、紫外線ランプ等を用いて支持基板24および成形型の外面側から紫外線(UV)を照射し、スペーサ形成材料をUV硬化させる。その際、成形型は、紫外線透過材料としての透明なシリコンで形成されている。そのため、紫外線は、スペーサ形成材料に直接、および成形型を透過して照射される。従って、充填されたスペーサ形成材料をその内部まで確実に硬化させることができる。
その後、硬化したスペーサ形成材料を支持基板24上に残すように、成形型を支持基板24から剥離する。次に、スペーサ形成材料が設けられた支持基板24を加熱炉内で熱処理し、スペーサ形成材料内からバインダを飛ばした後、約500〜550℃で30分〜1時間、スペーサ形成材料を本焼成しガラス化する。これにより、図7に示すように、支持基板24の第2表面24b上にスペーサ30が一体的に作り込まれたスペーサ構体22が得られる。
続いて、スペーサ30の延出端の寸法に合わせた太さの金属ワイヤ62aを用意した後、スペーサ30と同一材料のガラスを用いた紫外線硬化性のガラスペーストを金属ワイヤの外面に塗布し被覆62bを形成する。これにより、複数本の連結部材60を得る。金属ワイヤ62aは、支持基板24と熱膨張率を合わせた材料で形成し、可能であれば、支持基板と同材料を用いることが望ましい。金属ワイヤ62aと支持基板24との熱膨張差は、金属ワイヤ62a長をLμmとした場合、少なくとも、100/L以下にすることが望ましい。
その後、図8に示すように、スペーサ構体22のスペーサ30先端と連結部材60とを位置合わせする。ここでは、第2方向Yに並んだ1列のスペーサ30に対して1本の連結部材60を位置決めする。そして、支持基板24側から磁石64により連結部材60を吸引し、スペーサ30の延出端に接触させる。この状態で、連結部材60に紫外線を照射して被覆62bを紫外線硬化させることにより、連結部材60をスペーサ30に仮止めする。多数のスペーサ30を処理する場合、連結部材60を並べる治具を用いることにより、複数本の連結部材を一括してスペーサに位置決めおよび仮止めすることができる。
次いで、大気雰囲気中でスペーサ構体22および連結部材60をガラス化温度(570℃)で焼成することにより、スペーサ30と連結部材60とを固定する。これにより、複数のスペーサ30先端が連結部材60によって連結されたスペーサ構体22が得られる。
一方、SEDの製造においては、予め、蛍光体スクリーン16およびメタルバック17の設けられた第1基板10と、電子放出素子18および配線21が設けられているとともに側壁14が接合された第2基板12と、を用意しておく。続いて、上記のようにして得られたスペーサ構体22を第2基板12上に位置決めした後、支持基板24の4隅を第2基板の4つのコーナー部に立設された金属製の支柱に溶接する。これにより、スペーサ構体22を第2基板12に固定する。なお、支持基板24の固定箇所は、少なくとも2箇所あればよい。
その後、第1基板10と、スペーサ構体22が固定された第2基板12とを真空チャンバ内に配置し、真空チャンバ内を真空排気した後、第1基板のメタルバック17上にゲッター膜19を形成する。続いて、側壁14を介して第1基板を第2基板に接合するとともに、これらの基板間にスペーサ構体22を挟み込む。これにより、スペーサ構体22を備えたSEDが製造される。
各連結部材60は、第2基板12上に形成されている配線21に影響しないように、スペーサ30が当接する配線と平行な方向に配列されていることが望ましい。連結部材60が配線21間を跨って延びる場合、あるいは、連結部材を構成している導電性物質が電子ビームに悪影響を及ぼす場合、連結部材の外面を高抵抗物質で被覆してもよい。
以上のように構成されたSEDによれば、スペーサ構体22を構成している複数のスペーサ30の先端、ここでは、第2基板12側の先端は、連結部材60により繋がれ、電気的に接続されている。そして、スペーサ30は連結部材60を介して第2基板12に当接している。そのため、スペーサの高さにバラツキがあり、高さの低いスペーサの先端と第2基板との間に隙間が形成された場合でも、このスペーサと連結部材60を介して繋がれている少なくとも1本の他のスペーサ30が連結部材を介して第2基板12に接触していれば、未接触のスペーサ先端も第2基板12側の電位、すなわち、カソード側の電位に規定される。従って、スペーサ30と第2基板12との隙間に強電界が発生することを防止できる。その結果、スペーサの高さにバラツキがある場合でも、電子ビームの軌道変化を防止し、同時に、スペーサと基板との隙間に起因した放電の発生を抑制することができる。これにより、信頼性および表示品位の向上したSEDが得られる。
前述した第1の実施形態において、スペーサ30は、支持基板24の一方の表面に一体的に立設された構成としたが、図10に示す第2の実施形態のように、スペーサ構体22は、支持基板24と支持基板の両面にそれぞれ一体的に立設された第1および第2スペーサとを備えた構成としてもよい。すなわち、スペーサ構体22は、第1基板10および第2基板12の間に配設されている。支持基板24は第1基板10の内面と対向した第1表面24aおよび第2基板12の内面と対向した第2表面24bを有し、これらの基板と平行に配置されている。支持基板24には、エッチング等により多数の電子ビーム通過孔26が形成されている。電子ビーム通過孔26は、それぞれ電子放出素子18と対向して配列され、電子放出素子から放出された電子ビームを透過する。
支持基板24は、例えば鉄−ニッケル系の金属板により厚さ0.1〜0.3mmに形成されている。支持基板24の表面は、金属板を構成する元素からなる酸化膜、例えば、Fe3O4、NiFe2O4からなる酸化膜によって被覆されている。また、支持基板24の表面24a、24b、並びに、各電子ビーム通過孔26の壁面は、放電電流制限効果を有する高抵抗膜43により被覆されている。
支持基板24の第1表面24a上には、第1スペーサ30aが一体的に立設され、隣合う電子ビーム通過孔26間に位置している。第1スペーサ30aの先端は、ゲッター膜19、メタルバック17、および蛍光体スクリーン16の遮光層11を介して第1基板10の内面に当接している。支持基板24の第2表面24b上には、第2スペーサ30bが一体的に立設され、隣合う電子ビーム通過孔26間に位置している。各第1および第2スペーサ30a、30bは互いに整列して位置し、支持基板24を両面から挟み込んだ状態で支持基板24と一体に形成されている。
各第1スペーサ30aは、支持基板24側から延出端に向かって径が小さくなった先細テーパ状に形成され、また、ほぼ楕円状の横断面形状を有している。各第2スペーサ30bは、支持基板24側から延出端に向かって径が小さくなった先細テーパ状に形成され、また、ほぼ楕円状の横断面形状を有している。
複数の第2スペーサ30bの延出端は細長い連結部材60により繋がれ、電気的に接続されている。例えば、第2方向Yに延びた各列を構成している複数の第2スペーサ30bは、1本の連結部材60により互いに繋がれている。各連結部材60は、第2スペーサ30bの延出端の寸法に合わせた太さの芯材および芯材の外面を覆った被覆により構成されている。芯材は導電材料、例えば、金属ワイヤにより形成され、被覆は、第2スペーサ30bと同一材料のガラスにより形成されている。
スペーサ構体22は、第1基板10および第2基板12間に配設され、複数の第1スペーサ30aは第1基板10に当接している。第2スペーサ30bの延出端に固定された各連結部材60は、第2方向Yに延びた配線21上に載置され、第2スペーサ30bの延出端と第2基板12との間に位置している。第2スペーサ30bは、連結部材60、配線21を介して第2基板12に当接している。これにより、スペーサ構体22は、第1基板10および第2基板12に作用する大気圧荷重を支持し、基板間の間隔を所定値に維持している。
第2の実施形態において、他の構成は前述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明は省略する。第2の実施形態に係るSEDおよびそのスペーサ構体22は前述した第1の実施形態に係る製造方法と同様の製造方法によって製造することができる。そして、第2の実施形態においても、前述した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
上述した実施形態によれば、連結部材によりスペーサの第2基板側端同士を電気的に繋ぐ構成としたが、スペーサの第1基板側の端同士を繋いでもよく、更に、スペーサの第1基板側の端同士および第2基板側の端同士の両方を連結部材で繋いだ構成としてもよい。連結部材により繋ぐスペーサの本数は少なくも2本以上であればよく、必要に応じて増加可能である。
また、スペーサは支持基板上に立設する構成としたが、支持基板を省略し、第1基板あるいは第2基板上に直接スペーサを立設する構成としてもよい。スペーサの径や高さ、その他の構成要素の寸法、材質等は上述した実施形態に限定されることなく、必要に応じて適宜選択可能である。連結部材の芯材は、金属ワイヤに限らず、金属ペースト、金属板等を用いてもよい。この発明は、電子源として表面伝導型電子放出素子を用いたものに限らず、電界放出型、カーボンナノチューブ等の他の電子源を用いた画像表示装置にも適用可能である。
10…第1基板、 12…第2基板、 14…側壁、 15…真空外囲器、
16…蛍光体スクリーン、 18…電子放出素子、 22…スペーサ構体、
24…支持基板、 26…電子ビーム通過孔、 30…スペーサ、
30a…第1スペーサ、 30b…第2スペーサ、 60…連結部材、
62a…芯材、 62b…被覆
16…蛍光体スクリーン、 18…電子放出素子、 22…スペーサ構体、
24…支持基板、 26…電子ビーム通過孔、 30…スペーサ、
30a…第1スペーサ、 30b…第2スペーサ、 60…連結部材、
62a…芯材、 62b…被覆
Claims (6)
- 蛍光面が形成された第1基板、および前記第1基板と隙間を置いて対向配置されているとともに、前記蛍光面に向けて電子を放出する複数の電子放出源が配置された第2基板を有した外囲器と、
前記第1基板と第2基板との間に立設され、第1および第2基板に作用する大気圧を支持した複数の柱状のスペーサと、
それぞれ前記複数のスペーサの内、少なくとも2本以上のスペーサの前記第1基板側あるいは第2基板側の少なくとも片側の端を互いに電気的に繋いでいるとともに、前記第1および第2基板の少なくとも一方と前記複数のスペーサと間に設けられた複数の連結部材と、
を備えた画像表示装置。 - 前記各連結部材は、前記複数のスペーサの第2基板側の端に固定され、これらスペーサを電気的に連結している請求項1に記載の画像表示装置。
- 前記連結部材は、金属で形成された芯材と、芯材の外面を覆ったシート抵抗104Ω/□以上の被覆とを有している請求項2に記載の画像表示装置。
- 前記第1基板および第2基板間に配設され、前記第1基板に対向した第1表面、前記第2基板と対向した第2表面、および前記電子放出源に対向した複数の電子ビーム通過孔を有した支持基板を備え、
前記スペーサは、前記支持基板の第2表面上に立設されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像表示装置。 - 前記支持基板は、前記第1表面が前記第1基板の内面に接触して設けられている請求項4に記載の画像表示装置。
- 前記第1基板および第2基板間に配設され、前記第1基板に対向した第1表面、前記第2基板と対向した第2表面、および前記電子放出源に対向した複数の電子ビーム通過孔を有した支持基板を備え、
前記スペーサは、前記支持基板の第1表面上に立設され前記第1基板に当接した複数の第1スペーサと、前記支持基板の第2表面上に立設され、前記支持基板と第2基板との間に位置した複数の第2スペーサとを含み、
前記複数の第2スペーサの先端は前記連結部材により電気的に繋がれている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像表示装置。
Priority Applications (1)
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JP2004269898A JP2006086032A (ja) | 2004-09-16 | 2004-09-16 | 画像表示装置 |
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