JP2005227656A - 熱現像感光材料及びそれを用いた画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 印刷製版用のスキャナー、イメージセッター用として、高感度、高Dmax、硬調、黒ポツの発生が少なく、かつ、熱現像後の平面性が良好で焼きボケ故障が発生しない熱現像感光材料及びその画像形成方法を提供する。
【解決手段】 支持体上に非感光性有機銀塩、該有機銀塩の還元剤、感光性ハロゲン化銀、硬調化剤およびバインダーを含有する画像形成層と該画像形成層を保護する非感光性層を各々少なくとも1層以上有する熱現像感光材料において、前記硬調化剤が下記一般式(1)〜(3)から選ばれる化合物のいずれかであり、且つ該熱現像感光材料の処理後の4辺の端部の各反り量がいずれも0mm/50cm〜4mm/50cmであることを特徴とする熱現像感光材料。
【化1】
Figure 2005227656

【化2】
Figure 2005227656

【化3】
Figure 2005227656

【選択図】 なし

Description

本発明は、熱現像感光材料及びその画像形成方法に関し、特に印刷製版用に適した熱現像感光材料及び画像形成方法に関するものである。更に詳しくは、感度、最大濃度(Dmax)、硬調性、黒ポツ及び熱現像後の平面性が良好で焼きボケ故障が発生しない熱現像感光材料及びその画像形成方法に関するものである。
従来、印刷製版や医療の分野では、画像形成材料の湿式処理に伴う廃液が作業性の上で問題となっており、近年では環境保全、省スペースの観点からも処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザー・イメージセッターやレーザー・イメージャー等を用い、効率的な露光が可能で、かつ高解像度で鮮明な黒色画像を形成することができる写真用途の光熱写真材料に関する技術が求められている。この技術としては、支持体上に有機銀塩、感光性ハロゲン化銀粒子、還元剤及びバインダーを含有する熱現像感光材料(例えば、特許文献1、2、非特許文献1参照。)が知られている。
これらの熱現像感光材料は、熱現像処理により写真画像を形成するもので、還元可能な銀源(有機銀塩)、感光性ハロゲン化銀、還元剤及び必要に応じて銀の色調を調整する色調剤等を、通常(有機)バインダーマトリックス中に分散した状態で含有している。該熱現像感光材料は常温で安定であるが、露光後高温(例えば、80℃〜140℃)に加熱することで現像される。すなわち、加熱することにより有機銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生成するものである。この酸化還元反応は、露光でハロゲン化銀に発生した潜像の触媒作用によって促進される。露光領域中の有機銀塩の反応により生成した銀は黒色画像を提供し、これは非露光領域と対照をなし、画像の形成がなされる。この反応過程は、外部から水等の処理液を供給することなく進行する。
このような熱現像感光材料は、マイクロフィルムやレントゲン用感光材料に多く用いられてきているが、印刷用感光材料としては、一部で使われているのみである。印刷用感光材料の分野で熱現像タイプの感光材料が普及していない理由の1つは、印刷用感光材料用としては得られる画像の最大濃度が低く、かつ階調が軟調なために、得られる画質が著しく低いことが大きな障害となっている。
一方、近年レーザーや発光ダイオードの急速な進歩により、700〜1000nmに発振波長を有するスキャナーに対する適性、あるいは感度、最大濃度(Dmax)が高く、かつ硬調な階調を有する感光材料の開発が強く望まれていた。また、それに加えて簡易処理、ドライ化への要望も一段と強まっている。
上記の状況に対し、ポリヒドロキシベンゼン類とヒドロキシルアミン類、レダクトン類又はヒドラジン類を併用した熱現像感光材料が、高い画質識別性と解像力を有すると開示されている(例えば、特許文献3参照。)が、これらの還元剤の組み合わせでは、カブリ上昇を引き起こし易いことが明らかとなった。
また、有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、ヒンダードフェノール類及びある種のヒドラジン誘導体を含む熱現像感光材料が開示されて(例えば、特許文献4、5参照。)いる。しかし、これらヒドラジン誘導体を用いた場合には、十分なDmax、あるいは印刷用感光材料に求められている硬調な階調を得ることができず、それに加えて黒ポツ故障が発生し、画質の悪化を招くという問題があることが判明した。
これに対し、黒ポツを改良したヒドラジン誘導体が多数開示されて(例えば、特許文献6〜10参照。)いる。さらに、画像の再現性を改善したヒドラジン誘導体が開示されている(例えば、特許文献11参照。)が、いずれも得られるDmax濃度、硬調な階調、黒ポツ故障耐性、高い画像再現性のすべてを満足するには至っていない。
さらに、アクリロニトリル類を用いる例が開示されている(例えば、特許文献11、12参照。)が、これらの化合物では、硬調な階調が得られず、また、黒ポツの発生を抑制するには至っていない。
しかし、印刷用感光材料にこの方式の感光材料を用いると、熱現像中に発生する寸法変化のために、画像の歪みや4版(青、緑、赤、墨)の色ズレが発生してしまう。これを解決するために、支持体を低張力で熱処理する技術が開示されて(例えば、特許文献14参照。)いる。しかし、この方法では熱現像処理を行った後、熱現像感光材料を印刷刷版(PS版)にコンタクト露光した後、PS版に「焼きぼけ」とよばれる故障が発生するという問題があった。この焼きぼけ故障は、熱現像後の感光材料の平面性が悪化し、局所的に浮き上がった所で発生するピントボケ故障であり、特に外周部に発生しやすく、新聞用途のような大きな版(一辺が45cm以上)において顕著に発生していた。このため、改善が求められていた。
このような熱現像後の熱現像感光材料は、以下に説明する熱現像感光材料により改良できるが充分とはいえない。
熱現像感光材料の改良を行なう上でのポイントは熱現像中の寸法変化を小さくすることにある。即ち120℃30秒の熱寸法変化が長手方向(以下MDと表す)、幅方向(以下TDと表す)とも、−0.05%〜+0.05%であることが好ましく、−0.03%〜+0.04%であることがより好ましく、−0.02%〜+0.04%であることがさらに好ましい。熱現像感光材料は熱現像機内でシート搬送されるが、シートのニップ力が全幅に亘り均一ではないため、熱現像感光材料が部分的に伸ばされる。このようなニップ力の不均一性は熱現像感光材料の四辺の端部で特に顕著である。このため、端部が伸ばされ波打ち状に変形し易い。
熱現像中の寸法変化を小さくするためには熱現像感光材料、特に支持体が熱膨張する際に感材層(画像形成層が形成されている側の層)やバック層が均一に収縮して、熱現像感光材料も熱膨張量を小さくすることが大切である。熱現像中の感光材料の、特に支持体の熱膨張を制御する方法が述べられている(例えば、特許文献15参照。)が、支持体の熱緩和処理によって長手方向と幅方向の膨張を同じようにはできるものの、熱緩和処理によって支持体の熱膨張はむしろ大きくなってしまい、もっと熱膨張の少ない、平面性(反り量や浪打ち量の小さい)の良い熱現像感光材料の開発が望まれていた。感材層やバック層に有機溶媒を20質量%以上含有する塗布液を塗布してなる層を少なくとも1層以上有する熱現像感光材料は、熱現像中の支持体の熱膨張を等方的に抑制し、反り量を小さくするので好ましい。
熱現像感光材料の熱膨張を長手方向、幅方向に均一化させることは反り量を小さくして平面性を良くする上でのポイントである。これは、熱現像感光材料製造の際に、支持体を低張力で搬送しながら熱処理することで達成される。支持体の熱処理温度は、140℃〜200℃が好ましく、145℃〜180℃がより好ましく、150℃〜165℃がさらに好ましい。搬送張力は、0kg/m〜5kg/mが好ましく、0kg/m〜4kg/mがより好ましく、0.5kg/m〜3kg/mがさらに好ましい。熱処理時間は、20秒〜5分が好ましく、30秒〜3分がより好ましく、45秒〜2分がさらに好ましい。このような熱処理は支持体製膜後から感光層塗設前の間、どこで実施しても良いが、より好ましいのが、バック層塗布後から感光層塗布前の間である。
支持体はポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリカーボネイト(PC)、ポリアクリレート、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)等のビニル系ポリマー、三酢酸セルロース(TAC)等のセルロース系ポリマーが熱可塑性樹脂熱処理されたポリエチレンテレフタレート系フィルムを用いることができるが、好ましいのがPET、PEN、PC、SPSおよびこれらの複合体(積層体、ブレンド体)であり、特に好ましいのがPETである。これらの支持体の厚みは80μm〜200μmが好ましく、95μm〜180μmがより好ましく、100μm〜140μmがさらに好ましい。
米国特許第3,152,904号明細書 米国特許第3,487,075号明細書 D.Morgan:Dry Silver Photographic Materials(Handbook of Imaging Materials,Marcel Dekker,Inc.第48頁,1991) 米国特許第3,667,958号明細書 米国特許第5,464,738号明細書 米国特許第5,496,695号明細書 特開平9−292671号公報 特開平9−304870号公報 特開平9−304871号公報 特開平9−304872号公報 特開平10−31282号公報 特開平10−62898号公報 米国特許第5,545,515号明細書 米国特許第5,635,339号明細書 特開平8−211547号公報 特開2000−171940号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、特に印刷製版用のスキャナー、イメージセッター用として、高感度、高Dmax、硬調、黒ポツの発生が少なく、かつ、熱現像後の平面性が良好で焼きボケ故障が発生しない熱現像感光材料を提供すること及びその画像形成方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
(請求項1)
支持体上に非感光性有機銀塩、該有機銀塩の還元剤、感光性ハロゲン化銀、硬調化剤およびバインダーを含有する画像形成層と該画像形成層を保護する非感光性層を各々少なくとも1層以上有する熱現像感光材料において、前記硬調化剤が下記一般式(1)〜(3)から選ばれる化合物のいずれかであり、且つ該熱現像感光材料の処理後の4辺の端部の各反り量がいずれも0mm/50cm〜4mm/50cmであることを特徴とする熱現像感光材料。
Figure 2005227656
〔式中、R11、R12及びR13は各々水素原子又は一価の置換基を表し、X11は電子供与性のヘテロ環基、シクロアルキルオキシ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルキルアミノ基又はシクロアルケニル基を表す。〕
Figure 2005227656
〔式中、R21はアルキル基を表し、R22及びR23は各々水素原子又は一価の置換基を表し、X21は電子吸引性基を表し、L21は芳香族炭素環基を表し、n2は0又は1を表す。〕
Figure 2005227656
〔式中、X31は電子吸引性のヘテロ環基、ハロゲン原子又はハロアルキル基を表し、R31又はR32のいずれか一方が水素原子であり、他方がヒドロキシル基を表す。〕
(請求項2)
請求項1に記載の熱現像感光材料を、熱現像自現機の熱現像部の前にプレヒート部を有し、該プレヒート部の温度が80〜120℃である熱現像自現機を用いて処理することを特徴とする画像形成方法。
印刷製版用のスキャナー、イメージセッター用として、高感度、高Dmax、硬調、黒ポツの発生が少なく、かつ、熱現像後の平面性が良好で焼きボケ故障が発生しない熱現像感光材料及びその画像形成方法を提供することが出来た。
本発明を更に詳しく説明する。尚、本明細書において、「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明における写真感光材料とは、印刷用感光材料、レントゲン用感光材料、マイクロフィルム、一般用黒白フィルム等で代表される黒白感光材料やカラーネガフィルム、カラーリバーサルフィルム、カラーペーパー等で代表されるカラー感光材料のいずれでも良いが、好ましくは印刷製版用感光材料であり、特に好ましくは印刷製版用の熱現像感光材料である。
本発明の熱現像感光材料は、前記一般式(1)〜(3)で表される化合物の少なくとも1種を含有する。本発明に係る化合物を含有せしめることにより、高感度、高Dmaxで、かつ硬調な階調を実現すると共に、黒ポツ耐性を有し保存安定性に優れた熱現像感光材料を得ることができる。
一般式(1)〜(3)で表される化合物について以下詳細に述べるが、まず本発明でいう電子供与性基及び電子吸引性基について説明をする。本発明でいう電子供与性基とは、ハメットの置換基定数σpが負の値を取る置換基のことであり、電子供与性基としては、例えば、ヒドロキシル基(又はその塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、σpが負の値を取るヘテロ環基又はこれらの電子供与性基で置換されたフェニル基等が挙げられる。本発明でいう電子吸引性基とは、ハメットの置換基定数σpが正の値を取る置換基のことであり、電子吸引性基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、スルファモイル基、スルホンアミド基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ホスホリル基、カルボキシ基(又はその塩)、スルホ基(又はその塩)、イミノ基、σpが正の値を取るヘテロ環基又はこれらの電子吸引性基で置換されたフェニル基等が挙げられる。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論じるために1935年に、L.P.Hammetにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則により求められた置換基定数にはσp値とσm値とがあり、これらの値は多くの一般的な成書に記載があり、「Lange’s Handbook of Chemistry (J.A.Dean著)」第12販、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域増刊」、第122号、第96〜103頁、1979年(南光堂)、Chemical Reviews、第91巻、第165〜195頁、1991年に詳しく述べられている。本発明における電子吸引性基及び電子供与性基は、σp値により規定しているが、上記の成書に記載の文献既知の値がある置換基にのみ限定されるものではない。
一般式(1)で表される化合物について説明する。式中、X11は電子供与性のヘテロ環基、シクロアルキルオキシ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルキルアミノ基又はシクロアルケニル基を表す。電子供与性のヘテロ環の代表例としては、「Substituent Constants for Correlation Analysis in Chemistry and Biology(Corwin Hansch and Albert Leo著)」の第66〜339頁に記載のσpが負のヘテロ環であり、ヘテロ環の具体的な例としてはピペリジニル基、ピロリジニル基、モルフォリノ基、ピペラジニル基、3−チエニル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ピロロ基等が挙げられる。好ましくは3−チエニル基、2−フリル基又は3−フリル基である。これらのヘテロ環は、σpが0又は正にならない範囲で任意の置換基を有しても良い。
また、シクロアルキルオキシ基、シクロアルキルチオ基又はシクロアルキルアミノ基の具体的な例としては、シクロプロピルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロプロピルチオ基、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、シクロヘプチルチオ基、シクロプロピルメチルアミノ基、シクロペンチルメチルアミノ基、シクロヘキシルメチルアミノ基、シクロヘプチルメチルアミノ基等が挙げられる。好ましくはシクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロペンチルチオ基及びシクロヘキシルチオ基である。シクロアルケニル基の具体的な例としては、シクロプロぺニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基及びシクロヘプテニル基等が挙げられる。好ましくは、シクロペンテニル基又はシクロヘキセニル基である。
11、R12及びR13は、各々水素原子又は一価の置換基を表す。一価の置換基としては、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニウム基)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(例えばエチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ウレタン基、カルボキシル基、イミド基、アミノ基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、4級のアンモニオ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)チオ基、メルカプト基、(アルキル又はアリール)スルホニル基、(アルキル又はアリール)スルフィニル基、スルホ基、スルファモイル基、アシルスルファモイル基、(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、(アルキルもしくはアリール)スルホニルカルバモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、リン酸アミド基などが挙げられる。
11は好ましくは電子吸引性基であり、さらに好ましくはシアノ基である。また、R12が水素原子、R13が電子供与性基であることが好ましい。最も好ましくは、R11がシアノ基、R12が水素原子、R13がヒドロキシル基である。
以下、一般式(1)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下に列挙する化合物において、ケト−エノール型互変異性体又はシス−トランス型幾何異性体が存在する場合には、その両方を表すものとする。
Figure 2005227656
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Figure 2005227656
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次に、一般式(2)で表される化合物について説明する。式中、R21はアルキル基を表し、R22及びR23は水素原子または一価の置換基を表し、X21は電子吸引性基を表し、L21は炭素芳香族環基を表し、n2は0又は1を表す。R21で表されるアルキル基の具体的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基等が挙げられる。好ましくはメチル基、エチル基又はプロピル基である。R22及びR23が一価の置換基のとき、具体的な例としては一般式(1)におけるR11、R12、R13と同様の置換基が挙げられる。X21で表される電子吸引性基としては一般式(1)におけるX11と同様の電子吸引性基が挙げられ、好ましくはシアノ基である。L21で表される炭素芳香族環残基の具体的な例としては、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。フェニレン基、ナフチレン基はさらにアルキル基が置換してもよい。さらには、R22が水素原子、R23が電子供与性基であることが好ましい。最も好ましくは、X21がシアノ基、R22が水素原子、R23がヒドロキシル基である。
以下に、一般式(2)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下に列挙する化合物において、ケト−エノール型互変異性体又はシス−トランス型幾何異性体が存在する場合には、その両方を表すものとする。
Figure 2005227656
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次に、一般式(3)で表される化合物について説明する。式中、X31は電子吸引性のヘテロ環基、ハロゲン原子又はハロアルキル基を表す。電子吸引性のヘテロ環基の代表例としては、「Substituent Constants for Correlation Analysis in Chemistry and Biology(Corwin Hansch and Albert Leo著)」の第66〜339頁に記載のσpが正のヘテロ環基であり、具体的な例としては、2−ピリジル基、2−ピリミジル基、2−ピラジル基、2−キナゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基等が挙げられる。これらの電子吸引性のヘテロ環基は、σpが0又は負にならない範囲で任意の置換基を有しても良い。電子吸引性のヘテロ環基の好ましい例は、2−ピリジル基、2−ピリミジル基又は2−ピラジル基である。ハロゲン原子としては、具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子等が挙げられる。ハロゲン原子の好ましい例は、塩素原子又は臭素原子である。ハロアルキル基としては、モノクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、トリフルオロメチル基、1,2−ジクロロエチル基、ペンタフルオロエチル基等が挙げられる。ハロアルキル基として好ましくは、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基又はトリフルオロメチル基である。
以下に、一般式(3)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下に列挙する化合物において、ケト−エノール型互変異性体又はシス−トランス型幾何異性体が存在する場合には、その両方を表すものとする。
Figure 2005227656
熱現像後の熱現像感光材料の外周の1辺を1cm幅でスリットし、このスリットした反対側の辺をまっすぐな定規に沿って置いたとき、スリットの一端を定規に合わせると定規との間に隙間ができる。この隙間の間隔をスリット辺の長さで規格化した値を本明細書でいう「反り量」と定義する。反り量が大きいと、熱現像感光材料の外周部が円弧のようになり周長が長くなる分たわみが発生し、そこが焼きボケの原因となる。本発明の熱現像感光材料の四辺の端部の各反り量は、好ましくは0mm/50cm〜4mm/50cm、より好ましくは0mm/50cm〜3mm/50cm、さらに好ましくは0mm/50cm〜2mm/50cmの範囲内になる。
これにより熱現像後の四辺の端部の各波打ち量を、いずれも0mm2/50cm〜500mm2/50cm、より好ましくは0mm2/50cm〜400mm2/50cm、さらに好ましくは0mm2/50cm〜300mm2/50cmにすることができる。本明細書でいう「波打ち量」とは熱現像後の熱現像感光材料を平坦な台に置いた時に発生する波打ち状の浮き上がった部分を測定したもので、各波打ち毎に高さ(mm)と幅(mm)を掛け合わせ、これを各辺毎に足し合わせ、各辺の長さで規格化したものである。このような反り量、波打ち量に制御することで、焼きボケを発生することなく、PS版へのコンタクト露光を良好に行なうことができる。
本発明に係る一般式(1)〜(3)で表される化合物は、公知の方法により容易に合成することができ、また薬品メーカーから直接購入することが可能な化合物も存在する。
一般式(1)〜(3)で表される化合物の添加層は、ハロゲン化銀乳剤を含む感光層及び/又は感光層に隣接した層であることが好ましい。また、本発明に係る化合物の添加量は、ハロゲン化銀粒子の粒径、ハロゲン組成、化学増感の程度、抑制剤の種類等により最適量が異なり、一様ではないが、概ねハロゲン化銀1モル当たり10-6モル〜10-1モル程度、特には10-5モル〜10-2モルの範囲が好ましい。
本発明に係る一般式(1)〜(3)で表される化合物は、適当な有機溶媒、例えばアルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブなどに溶解して用いることができる。また、既に良く知られている乳化分散法によっても組み入れることができる。例えば、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどの高沸点有機溶媒及び酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化して乳化分散物を作製し、所望の構成層に添加することができる。また、固体分散法として知られている方法、例えば、本発明の一般式(1)〜(3)で表される化合物の粉末を、例えばボールミル、コロイドミル、あるいは超音波分散機等の分散手段を用いて水系微粒子分散物として、任意に添加することもできる。
本発明の熱現像感光材料には、上記化合物の他に米国特許第5,545,505号に記載のヒドロキシルアミン化合物、アルカノールアミン化合物やフタル酸アンモニウム化合物、米国特許第5,545,507号に記載のヒドロキサム酸化合物、米国特許第5,558,983号に記載のN−アシル−ヒドラジン化合物、米国特許第5,937,449号に記載のベンズヒドロールやジフェニルフォスフィンやジアルキルピペリジンやアルキル−β−ケトエステルなどの水素原子ドナー化合物を適宜添加することができる。これらの化合物を含有させることにより、Dmaxをさらに向上できると共に、ヒドラジン誘導体を用いて形成した画像において生じやすい黒ポツの発生を抑制することができ、この結果として著しい画質の改良を果たすことができる。
また、本発明の熱現像感光材料には、カブリを低減する目的で、例えば米国特許第3,874,946号、同第4,756,999号、同第5,340,712号、欧州特許第605,981A1号、同第622,666A1号、同第631,176A1号、特公昭54−165号、特開平7−2781号、同9−160164号、同9−244178号、同9−258367号、同9−265150号、同9−281640号、同9−319022号公報等に記載のポリハロゲン化合物を好ましく用いることができる。これらの中でも、下記一般式(B)で示される化合物を本発明に係る化合物と共に用いることが、特に好ましい。
Figure 2005227656
式中、Qは脂肪族炭化水素基、芳香族炭素環基またはヘテロ環基を表す。X1及びX2は、それぞれハロゲン原子を表す。Yは、カルボニル基またはスルホニル基を表す。Aは水素原子、ハロゲン原子又は電子吸引性基を表す。nは、0又は1を表す。
以下に一般式(B)で示される化合物の具体例をあげるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005227656
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Figure 2005227656
Figure 2005227656
Figure 2005227656
Figure 2005227656
一般式(B)で表される化合物は、当業者に周知の通常の方法により合成することができる。
これらの一般式(B)で表される化合物の添加量に特に制限はないが、10-4〜1モル/Agモルが好ましく、特に10-3〜0.3モル/Agモルが好ましい。
続いて、本発明の熱現像感光材料について説明する。
本発明の熱現像感光材料に用いられる有機銀塩は、還元可能な銀源であり、還元可能な銀イオン源を含有する有機酸及びヘテロ有機酸の銀塩、その中でも特に長鎖(炭素原子数10〜30、好ましくは15〜25)の脂肪族カルボン酸及び含窒素複素環が好ましい。配位子が、銀イオンに対する総安定定数として4.0〜10.0の値を有する有機又は無機の銀錯体も本発明においては有用である。好適な銀塩の例は、リサーチ・ディスクロージャー(以降、単にRDとも言う)No.17029及び同29963に記載されており、以下のものを挙げることができる:有機酸の銀塩(例えば、没食子酸、シュウ酸、ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の銀塩);銀のカルボキシアルキルチオ尿素塩(例えば、1−(3−カルボキシプロピル)チオ尿素、1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジメチルチオ尿素等);アルデヒドとヒドロキシ置換芳香族カルボン酸とのポリマー反応生成物の銀錯体(例えば、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等)とヒドロキシ置換酸類(例えば、サリチル酸、安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5,5−チオジサリチル酸)とのポリマー反応生成物の銀錯体);チオン類の銀塩又は錯体(例えば、3−(2−カルボキシエチル)−4−ヒドロキシメチル−4−(チアゾリン−2−チオン、及び3−カルボキシメチル−4−チアゾリン−2−チオン));イミダゾール、ピラゾール、ウラゾール、1,2,4−チアゾール及び1H−テトラゾール、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−トリアゾール及びベンゾトリアゾールから選択される窒素酸と銀との錯体又は塩;サッカリン、5−クロロサリチルアルドキシム等の銀塩;及びメルカプチド類の銀塩等である。好ましい銀源は、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀及びそれらの混合物である。
有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物と銀と錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−127643号に記載されている様なコントロールドダブルジェット法等が好ましく用いられる。例えば、有機酸にアルカリ金属塩(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)を加えて、有機酸アルカリ金属塩ソープ(例えば、ベヘン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウムなど)を作製した後に、コントロールドダブルジェット法により、前記ソープと硝酸銀などを添加して有機銀塩の結晶を作製する。その際には、以下に述べる感光性ハロゲン化銀粒子(以降、単にハロゲン化銀粒子という)を混在させてもよい。
本発明におけるハロゲン化銀粒子は、光センサーとして機能するものである。本発明においては、画像形成後の感光材料の白濁化の抑制、及び良好な画質を得るため平均粒子サイズは小さい方が好ましく、平均粒子サイズが0.1μm以下、より好ましくは0.01μm〜0.1μm、特に好ましくは0.02μm〜0.08μmである。ここでいう粒子サイズ(粒径)とは、ハロゲン化銀粒子が立方体或いは八面体のいわゆる正常晶である場合には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。又、正常晶でない場合、例えば球状、棒状、或いは平板状の粒子の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を想定したときの球の直径をいう。また、ハロゲン化銀粒子は単分散であることが好ましい。ここでいう単分散とは、下記式で求められる単分散度が40%以下をいう。更に好ましくは30%以下であり、特に好ましくは0.1%以上20%以下となる粒子である。
単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100
本発明においては、ハロゲン化銀粒子が平均粒径0.1μm以下でかつ単分散粒子であることが好ましく、この範囲にすることで画像の粒状度も向上する。
ハロゲン化銀粒子の形状については、特に制限はないが、ミラー指数〔100〕面の占める割合が高いことが好ましく、この割合が50%以上、更には70%以上、特には80%以上であることが好ましい。ミラー指数〔100〕面の比率は、増感色素の吸着における〔111〕面と〔100〕面との吸着依存性を利用したT.Tani,J.Imaging Sci.,29,165(1985)に記載の方法により求めることができる。
また、本発明における好ましい他のハロゲン化銀粒子の形状は、平板粒子である。ここでいう平板粒子とは、投影面積の平方根を粒径rμmとし、垂直方向の厚みをhμmとした場合のアスペクト比=r/hが3以上のものをいう。その中でも好ましくは、アスペクト比が3〜50である。また平板粒子における粒径は、0.1μm以下であることが好ましく、さらに0.01μm〜0.08μmが好ましい。これら平板粒子は、米国特許第5,264,337号、同第5,314,798号、同第5,320,958号等に記載の方法により、容易に得ることができる。本発明においては、該平板状粒子を用いることにより、さらに画像の鮮鋭度も向上することができる。
ハロゲン化銀粒子のハロゲン組成は、特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀のいずれであってもよい。本発明に用いられる写真乳剤は、P.Glafkides著Chimie et Physique Photographique(Paul Montel社刊、1967年)、G.F.Duffin著 Photographic Emulsion Chemistry(The Focal Press刊、1966年)、V.L.Zelikman et al著Making and Coating Photographic Emulsion(The Focal Press刊、1964年)等に記載された方法を用いて調製することができる。
本発明に用いられるハロゲン化銀には、相反則不軌特性改良や階調調整のために、元素周期律表の第6族から第10族に属する金属のイオン又は錯体イオンを含有せしめることが好ましい。上記の金属としては、W、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、Auが好ましい。
ハロゲン化銀粒子は、ヌードル法、フロキュレーション法等、当業界で知られている方法により不要の塩類を除去(脱塩)することができるが、本発明においては脱塩は行っても行わなくてもいずれでもよい。
本発明におけるハロゲン化銀粒子は、化学増感が施されていることが好ましい。好ましい化学増感法としては、当業界でよく知られているような硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法、金化合物や白金、パラジウム、イリジウム化合物等の貴金属増感法や還元増感法等を用いることができる。
本発明においては、感光材料の失透を防ぐため、ハロゲン化銀及び有機銀塩の総量は、銀量に換算して1m2当たり0.5g以上2.2g以下であることが好ましい。この範囲に銀量を設定することにより硬調な画像を得ることができる。また、銀総量に対するハロゲン化銀量の比率は、質量比で50%以下、好ましくは25%以下、更に好ましくは0.1〜15%である。
本発明の熱現像感光材料に用いられる還元剤としては、一般に知られているものが挙げられ、例えば、フェノール類、2個以上のフェノール基を有するポリフェノール類、ナフトール類、ビスナフトール類、2個以上の水酸基を有するポリヒドロキシベンゼン類、2個以上の水酸基を有するポリヒドロキシナフタレン類、アスコルビン酸類、3−ピラゾリドン類、ピラゾリン−5−オン類、ピラゾリン類、フェニレンジアミン類、ヒドロキシルアミン類、ハイドロキノンモノエーテル類、ヒドロオキサミン酸類、ヒドラジド類、アミドオキシム類、N−ヒドロキシ尿素類等があり、さらに詳しくは例えば、米国特許第3,615,533号、同第3,679,426号、同第3,672,904号、同第3,751,252号、同第3,782,949号、同第3,801,321号、同第3,794,488号、同第3,893,863号、同第3,887,376号、同第3,770,448号、同第3,819,382号、同第3,773,512号、同第3,839,048号、同第3,887,378号、同第4,009,039号、同第4,021,240号、英国特許第1,486,148号もしくはベルギー特許第786,086号の各明細書及び特開昭50−36143号、同50−36110号、同50−116023号、同50−99719号、同50−140113号、同51−51933号、同51−23721号、同52−84727号もしくは特公昭51−35851号の各公報に具体的に例示された還元剤等を挙げることができ、本発明は上記の公知な還元剤の中から適宜選択して使用することが出来る。選択方法としては、実際に還元剤を含む熱現像感光材料を作製し、その写真性能を直接評価することにより、還元剤の適否を確認する方法が最も効率的である。
上記還元剤の中で、有機銀塩として脂肪族カルボン酸銀塩を使用する場合の好ましい還元剤としては、2個以上のフェノール基がアルキレン基又は硫黄によって連結されたポリフェノール類、特にフェノール基のヒドロキシ置換位置に隣接した位置の少なくとも一つにアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等)又はアシル基(例えばアセチル基、プロピオニル基等)が置換したフェノール基の2個以上がアルキレン基又は硫黄によって連結されたポリフェノール類、例えば1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)メタン、(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、6,6′−ベンジリデン−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)、6,6′−ベンジリデン−ビス(2−t−ブチル−4−メチルフェノール)、6,6′−ベンジリデン−ビス(2,4−ジメチルフェノール)、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1,5,5−テトラキス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2,4−エチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロパン等の米国特許第3,589,903号、同第4,021,249号もしくは英国特許第1,486,148号各明細書及び特開昭51−51933号、同50−36110号、同50−116023号、同52−84727号もしくは特公昭51−35727号公報に記載されたポリフェノール化合物、米国特許第3,672,904号明細書に記載されたビスナフトール類、例えば、2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル、6,6′−ジブロモ−2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル、6,6′−ジニトロ−2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル、ビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)メタン、4,4′−ジメトキシ−1,1′−ジヒドロキシ−2,2′−ビナフチル等、更に米国特許第3,801,321号明細書に記載されているようなスルホンアミドフェノール又はスルホンアミドナフトール類、例えば、4−ベンゼンスルホンアミドフェノール、2−ベンゼンスルホンアミドフェノール、2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホンアミドフェノール、4−ベンゼンスルホンアミドナフトール等を挙げることが出来る。
本発明の熱現像感光材料に使用される還元剤の適量は、使用する有機銀塩や還元剤の種類、その他の添加剤により一様ではないが、一般的には有機銀塩1モル当たり0.05〜10モル、好ましくは0.1〜3モルの範囲が適当である。又この範囲内においては、上述した還元剤を2種以上併用してもよい。本発明においては、前記還元剤を塗布直前に感光層塗布液に添加し塗布することが、感光層塗布液の停滞時間による写真性能変動を小さくする上で好ましい。
本発明の熱現像感光材料に好適なバインダーは、透明又は半透明で、一般に無色である、天然ポリマー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。バインダーとしては、親水性でも疎水性でもよいが、本発明においては、熱現像処理後のカブリを低減させるためには、疎水性透明バインダーを使用することが好ましい。好ましいバインダーとしては、例えば、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタンなどが挙げられる。その中でもポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート及びポリエステルが、特に好ましく用いられる。
感光材料の表面を保護したり擦り傷を防止するために、感光層の外側に非感光層を塗設することが好ましい。これらの非感光層に用いられるバインダーは、感光層に用いられるバインダーと同じ種類でも異なった種類でもよい。
本発明においては、熱現像速度を高めるため感光層のバインダー量が1.5〜10g/m2であることが好ましい。さらに好ましくは、1.7〜8g/m2である。1.5g/m2未満では、未露光部の濃度(Dmin)が大幅に上昇し、実用上障害を起こす場合がある。
本発明においては、感光層側にマット剤を含有せしめることが好ましく、熱現像処理後の画像の傷つき防止のため、感光材料の表面に配するマット剤量は、感光層側の全バインダーに対し質量比で0.5〜30%含有することが好ましい。また、支持体をはさみ感光層の反対側に非感光層を設ける場合には、該非感光層側の少なくとも1層中にマット剤を含有することが、すべり性や指紋付着防止のためにも好ましく、そのマット剤量は該非感光層の全バインダーに対し、質量比で0.5〜40%含有せしめることが好ましい。マット剤の形状は、定形、不定形どちらでも良いが、好ましくは定形で、特には球形が好ましい。
本発明の熱現像感光材料は、支持体上に少なくとも一層の感光層を有している。支持体上に感光層のみを形成しても良いが、感光層の上に少なくとも1層の非感光層を形成することが好ましい。また、感光層を通過する光の量又は波長分布を制御するため、感光層と同じ側にフィルター染料層及び/又は反対側にアンチハレーション染料層、いわゆるバッキング層を形成しても良いし、あるいは感光層に直接染料又は顔料を含ませても良い。
これら非感光性層には、前記のバインダーやマット剤の他にポリシロキサン化合物、ワックス類や流動パラフィンのようなスベリ剤を含有してもよい。
また、本発明の熱現像感光材料には、塗布助剤として各種の界面活性剤が用いりことができる。その中でも特にフッ素系界面活性剤が、帯電特性を改良したり、斑点状の塗布故障を防ぐために好ましく用いられる。
感光層は、複数層にしても良く、また階調を整えるため高感度層/低感度層又は低感度層/高感度層等の複数の層構成をとっても良い。
本発明に用いられる好適な色調剤の例は、RD17029号に開示されている。
本発明の熱現像感光材料には、現像を抑制あるいは促進させ現像強度を制御するため、分光増感効率を向上させるためあるいは現像処理前後における保存安定性を向上させるため、メルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物等の抑制剤を含有させることができる。
また、本発明の熱現像感光材料には、例えば界面活性剤、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、被覆助剤等を用いても良い。これらの添加剤及び上述したその他の添加剤はRD17029(1978年6月p.9〜15)に記載されている化合物を好ましく用いることができる。
上述の各種添加剤は、感光層、非感光層又はその他の形成層のいずれに添加しても良い。
本発明で用いられる支持体は、現像処理後に所定の光学濃度を得るため、及び現像処理後の画像の変形を防ぐためプラスチックフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ナイロン、セルローストリアセテート、ポリエチレンナフタレート)であることが好ましい。
その中でも好ましい支持体としては、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略す)及びシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体を含むプラスチック(以下SPSと略す)の支持体が挙げられる。支持体の厚みとしては50〜300μm程度、好ましくは70〜180μmである。
また、熱処理したプラスチック支持体を用いることもできる。採用するプラスチックとしては、前述のプラスチックが挙げられる。支持体の熱処理とは、支持体を製膜後、感光層が塗布されるまでの間に、支持体のガラス転移点より30℃以上高い温度、好ましくは35℃以上高い温度で、更に好ましくは40℃以上高い温度で加熱することを指す。
本発明においては、帯電性を改良するために金属酸化物及び/又は導電性ポリマーなどの導電性化合物を構成層中に含ませることができる。これらはいずれの層に含有させてもよいが、好ましくは下引層、バッキング層、感光層と下引の間の層などである。
本発明の熱現像感光材料には、例えば特開昭63−159841号、同60−140335号、同63−231437号、同63−259651号、同63−304242号、同63−15245号、米国特許4,639,414号、同4,740,455号、同4,741,966号、同4,751,175号、同4,835,096号に記載された増感色素が使用できる。
本発明に使用される有用な増感色素の具体例は、例えばRD17643IV−A項(1978年12月p.23)、同18431X項(1979年8月p.437)に記載もしくは引用された文献に記載されている。
本発明においては、特に各種スキャナー光源の分光特性に適合した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。例えばA)アルゴンレーザー光源に対しては、特開昭60−162247号、特開平2−48653号、米国特許第2,161,331号、西独特許第936,071号、特開平5−11389号等に記載のシンプルメロシアニン類、B)ヘリウム−ネオンレーザー光源に対しては、特開昭50−62425号、同54−18726号、同59−102229号等に記載の三核シアニン色素類、特開平7−287338に記載のメロシアニン類、C)LED光源及び赤色半導体レーザーに対しては特公昭48−42172号、同51−9609号、同55−39818号、特開昭62−284343号、特開平2−105135号に記載されたチアカルボシアニン類、D)赤外半導体レーザー光源に対しては特開昭59−191032号、同60−80841号に記載されたトリカルボシアニン類、特開昭59−192242号、特開平3−67242号の一般式(IIIa)、一般式(IIIb)に記載された4−キノリン核を含有するジカルボシアニン類などが有利に選択される。
これらの増感色素は単独に用いても、あるいはそれらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せでは、特に強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色素とともに、それ自身分光増感作用をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を示す物質をハロゲン化銀乳剤中に含んでもよい。
本発明の熱現像感光材料の露光は、Arレーザー(488nm)、He−Neレーザー(633nm)、赤色半導体レーザー(670nm)、赤外半導体レーザー(780nm、830nm)などのレーザー光源を用いて行うことが、1つの特徴であり、特に該レーザー光源の波長が700〜1000nmである赤外半導体レーザーが好ましい。
本発明の熱現像感光材料には、ハレーション防止層として染料を含有する層を設ける事ができる。Arレーザー、He−Neレーザー、赤色半導体レーザー用には400nm〜750nmの範囲で、露光波長において少なくとも0.3以上、好ましくは0.8以上の吸収となるように染料を添加することが好ましい。赤外半導体レーザー用には750nm〜1500nmの範囲で、露光波長において少なくとも0.3以上、好ましくは0.8以上の吸収となるように染料を添加することが好ましい。染料は、1種でも数種を組み合わせても良い。該染料は、感光層と同じ側の支持体に近い染料層あるいは、感光層と反対側の染料層に添加することができる。
本発明の熱現像感光材料は、いかなる方法で現像されても良いが、本発明においては、イメージワイズに露光した熱現像感光材料を昇温し、温度として80〜250℃で熱現像処理を行うことが1つの特徴であり、好ましくは100〜140℃である。現像時間としては1〜180秒が好ましく、10〜90秒が更に好ましい。
以下に本発明において規定する物性の測定法について述べる。なお、測定法(1)及び(2)については、図面に基づいて述べる。
(1)熱現像後の四辺の端部の各反り量の測定(図1および2参照)
4辺を50cmに裁断した熱現像感光材料を所定の条件で熱現像した後、図1に示すように、この熱現像後の熱現像感光材料1の4辺の端部を1cm幅のスリット位置2でスリットする。スリットすると、このスリットによりスリット片4の辺8はたわみ(波打ち)が消失し、図2のように円弧状となる。
図2に示すように、スリット片4の辺3の反対側の辺8の一端aを定規6の一側に合わせ、スリット片の他端bと定規との間の隙間(距離)5を計る。同様にb端を定規に合わせa端との隙間を計る。これらの値の平均値を反り量(mm/50cm)とする。これを4辺にわたって測定する。なお、熱現像感光材料が50cm以外の時は、各辺を1cm幅でスリット後上記方法によって反り量(A)を測定し、下記式に従って補正する。
反り量(mm/50cm)=A(mm)×{50/熱現像感光材料の辺長(cm)}
(2)熱現像後の四辺の端部の各波打ち量の測定(図3参照)
4辺を50cmに裁断した熱現像感光材料を所定の条件で熱現像し、この熱現像後の熱現像感光材料1を水平で平滑な台7の上に感光層を上にして置く。
3分後に、4辺毎に波打ち量を下記のように測定する。発生した波打ち1つ毎に、その最大高さ(Himm)と幅(Wimm)を定規、ノギス等を用いて計測する。下記式に従いHi(mm)×Wi(mm)を4辺毎に積算し、四辺の端部の各波打ち量(mm2/50cm)とする。
Figure 2005227656
なお、熱現像感光材料が50cm以外の時は、上記方法によって波打ち量(B)を測定し、下記式に従って補正する。
波打ち量(mm2/50cm)=B(mm2)×{50/熱現像感光材料の辺長(cm)}
(3)120℃30秒の熱寸法変化
幅方向(TD)5cm×長手方向(MD)25cmに熱現像感光材料を切り出しMD方向用サンプルとする。幅方向(TD)25cm×長手方向(MD)5cmに同様に切り出しTD方向用サンプルとする。
これらを25℃相対湿度60%下で12時間調湿後、20cm間隔の孔を開けピンゲージを用い測長する(これをL1(mm)とする)。
これらを120℃に加熱したヒートブロックに30秒接触させ、無張力下で加熱する。
これらを25℃相対湿度60%下に12時間調湿後、ピンゲージを用いて寸法を測定する(これをL2(mm)とする)。
下記式に従い120℃30秒の熱寸法変化とする。
120℃30秒の熱寸法変化(%)=100×(L2−L1)/L1
以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
実施例1
(下引済みPET支持体の作製)
市販の2軸延伸熱固定済みの厚さ100μmのPETフィルムの両面に8w/m2・分のコロナ放電処理を施し、一方の面に下記下引塗布液a−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設、乾燥させて下引層A−1とし、反対側の面には下記帯電防止加工用の下引塗布液b−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設、乾燥させて帯電防止加工下引層B−1とした。
《下引塗布液a−1》
ブチルアクリレート(30質量%)、t−ブチルアクリレート(20質量%)
、スチレン(25質量%)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(25質量
%)の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g
(C−1) 0.6g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
ポリスチレン微粒子(平均粒径3μm) 0.05g
コロイダルシリカ(平均粒径90μm) 0.1g
水で1リットルに仕上げる。
《下引塗布液b−1》
SnO2/Sb(質量比9/1、平均粒径0.18μm)
200mg/m2になる量
ブチルアクリレート(30質量%)、スチレン(20質量%)、グリシジルア
クリレート(40質量%)、の共重合体ラテックス液(固形分30%)
270g
(C−1) 0.6g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
水で1リットルに仕上げる。
引き続き、下引層A−1及び下引層B−1の上表面に、8w/m2・分のコロナ放電を施し、下引層A−1の上には、下記下引上層塗布液a−2を乾燥膜厚0.1μmになる様に塗設して下引上層A−2として、下引層B−1の上には下記下引上層塗布液b−2を乾燥膜厚0.8μmになる様に帯電防止機能をもつ下引上層B−2として塗設した。
《下引上層塗布液a−2》
ゼラチン 0.4g/m2になる質量
(C−1) 0.2g
(C−2) 0.2g
(C−3) 0.1g
シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g
水で1リットルに仕上げる。
《下引上層塗布液b−2》
(C−4) 60g
(C−5)を成分とするラテックス液(固形分20%) 80g
硫酸アンモニウム 0.5g
(C−6) 12g
ポリエチレングリコール(質量平均分子量600) 6g
水で1リットルに仕上げる。
Figure 2005227656
Figure 2005227656
(支持体の熱処理)
上記下引済み支持体の下引乾燥工程において、支持体を140℃で加熱し、その後徐々に冷却した。
(ハロゲン化銀乳剤Aの調製)
水900ml中にイナートゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(60/38/2)のモル比の塩化ナトリウムと臭化カリウムと沃化カリウム及び〔Ir(NO)Cl5〕塩を銀1モル当たり1×10-6モル、塩化ロジウム塩を銀1モル当たり1×10-6モルとを含む水溶液370mlを、pAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で添加した。その後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを添加し、NaOHでpHを8、pAg6.5に調整することで還元増感を行い、平均粒子サイズ0.06μm、単分散度10%の投影直径面積の変動係数8%、〔100〕面比率87%の立方体ハロゲン化銀粒子を得た。このハロゲン化乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させて脱塩処理を行いハロゲン化銀乳剤Aを得た。
(ベヘン酸Na溶液の調製)
945mlの純水にベヘン酸32.4g、アラキジン酸9.9g、ステアリン酸5.6gを90℃で溶解した。次いで、高速で攪拌しながら1.5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液98mlを添加した。次に濃硝酸0.93mlを加えた後、55℃に冷却して30分攪拌させてベヘン酸Na溶液を得た。
(ベヘン酸銀とハロゲン化銀乳剤Aのプレフォーム乳剤の調製)
上記ベヘン酸Na溶液に前記ハロゲン化銀乳剤Aを15.1g添加し、水酸化ナトリウム溶液でpH8.1に調整した後に1モル/Lの硝酸銀溶液147mlを7分間かけて加え、さらに20分攪拌し限外濾過により水溶性塩類を除去した。以上のようにして作製したベヘン酸銀は、平均粒子サイズ0.8μm、単分散度8%の粒子であった。上記分散物のフロックを形成後、水を取り除き、更に6回の水洗と水の除去を行った後乾燥させ、ベヘン酸銀とハロゲン化銀乳剤Aのプレフォーム乳剤を調製した。
(感光性乳剤の調製)
できあがったプレフォーム乳剤を2分割し、その1部にポリビニルブチラール(平均分子量3000)のメチルエチルケトン溶液(17質量%)544gとトルエン107gを徐々に添加、混合した後に、0.5mmサイズZrO2のビーズミルを用いたメディア分散機で27.5MPaで30℃、10分間の分散を行い、感光性乳剤を調製した。
前記下引き済み支持体上に以下の各層を両面同時塗布し、熱現像感光材料である試料1−1を作製した。尚、乾燥は60℃、15分間で行った。
(バック面側塗布)
バック面層1:支持体のB−2層の上に以下の組成の液を塗布した。
セルロースアセテートブチレート(10%メチルエチルケトン溶液)
15ml/m2
染料A 37mg/m2
マット剤:単分散度15%平均粒子サイズ8μm単分散シリカ
90mg/m2
817(CH2CH2O)12817 50mg/m2
919−C64−SO3Na 10mg/m2
(感光層面側塗布)
感光層1:支持体のA−2層の上に以下の組成の液を塗布銀量が2.4g/m2になる様に塗布した。
感光性乳剤 240g
増感色素A(0.1%メタノール溶液) 1.7ml
ピリジニウムプロミドペルブロミド(6%メタノール溶液) 3ml
臭化カルシウム(0.1%メタノール溶液) 1.7ml
カブリ防止剤B−54(10%メタノール溶液) 1.2ml
2−(4−クロロベンゾイル)安息香酸(12%メタノール溶液)
9.2ml
2−メルカプトベンズイミダゾール(1%メタノール溶液) 11ml
比較化合物1 0.3g
H−1 0.1g
フタラジン 0.6g
4−メチルフタル酸 0.25g
テトラクロロフタル酸 0.2g
平均粒径3μmの炭酸カルシウム 0.1g
1,1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロ
パン(20%メタノール溶液) 20.5ml
イソシアネート化合物(モーベイ社製、Desmodur N3300)
0.5g
表面保護層1:以下の組成の液を前記感光層1の上に同時塗布した。
アセトン 5ml/m2
メチルエチルケトン 21ml/m2
セルロースアセテートブチレート 2.3g/m2
メタノール 7ml/m2
フタラジン 250mg/m2
1,1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロ
パン(20%メタノール溶液) 10ml/m2
マット剤:単分散度10%平均粒子サイズ4μm単分散シリカ
5mg/m2
CH2=CHSO2CH2CH2OCH2CH2SO2CH=CH2
35mg/m2
1225(CH2CH2O)101225 10mg/m2
817−C64−SO3Na 10mg/m2
Figure 2005227656
Figure 2005227656
次いで、試料1−1の感光層1における比較化合物1を表1に記載の様に変更した以外は同様にして試料1−2〜1−15を作製した。なお、それぞれの化合物は、比較化合物1と同質量添加した。
以上の様にして得られた試料1−1〜1−15について、以下に示す熱現像処理及び各性能評価を行った。
(露光及び熱現像処理)
各試料を780nmの半導体レーザーを搭載したイメージセッター機であるサイテックス社製Dolev 2dryを用いて300線の網点を用い、5%刻みで露光量を変化させるように網点露光し、120℃で25秒の熱現像処理を行った。その際、露光及び現像はすべて23℃、50%RHに調温調湿した部屋で行った。
(写真性能の評価)
得られた熱現像済み試料の濃度を光学濃度計(コニカ社製:PDA−65)で測定し、濃度D−露光量LogEの特性曲線を作製した。特性曲線より、最大濃度(Dmax)及び感度(Dminより1.5高い濃度を与える露光量の逆数)を求めた。なお、感度は、試料1−1のそれを100としたときの相対感度で表した。また、特性曲線で濃度0.3と3.0の点を結ぶ直線の傾き(tanθ)を階調γとして測定した。
(黒ポツの評価)
未露光の各試料について、上記と同様の熱現像処理を行った後、各熱現像済み試料を100倍のルーペを用いて目視評価を行い、下記の5段階にランク分けした。
5:黒ポツの発生全くなし
4:黒ポツの発生が僅かにあるが実用上問題なし
3:実用上の下限レベル
2:実用上不可
1:視野中全体に黒ポツが発生し使用不可のレベル
なお、3〜5ランクを実用上使用可能レベルと判定した。
(保存安定性の評価)
熱現像後、4辺の反り量、熱寸法変化率を前記の方法で測定し、表1に示した。この後、密着露光プリンターでPS版にコンタクト露光した。定法に従って、PS版を現像し、網点画像のくっつきの発生している箇所(網点がつぶれて連続している所)の面積を目視で測定し、網点不良率(%)として表1に示した。
Figure 2005227656
表1の結果から明らかなように、本発明の試料No.1−5〜1−15は感度、Dmax、階調、黒ポツ、網点不良率、共に良好であり、優れた性能を有することが判る。
実施例2
実施例1で作製した試料No.1−1〜1−15を熱現像部の前にプレヒート部を有する熱現像自現機を用いて、プレヒート部の設定温度を100℃にして熱現像処理する以外は実施例1と同様の評価を行った。その結果、実施例1の結果同様に、本発明試料No.1−5〜1−15は良好な結果を得た。
本発明における4辺の反り及び反り量測定のためのスリット位置を示す模式図である。 本発明における反り量測定法を示す説明図である。 本発明における4辺の波打ち状態を熱現像感光材料の端面で示す模式図である。
符号の説明
1 熱現像後の熱現像感光材料
2 スリット位置
3,8 辺
4 スリット辺
5 a端で合わせたときの隙間
6 定規
7 水平な台
a,b 辺8の一端
i 発生したある波打ちiの最大高さ
i+1 発生したある波打ちi+1の最大高さ
i+2 発生したある波打ちi+2の最大高さ
i 発生したある波打ちiの幅
i+1 発生したある波打ちi+1の幅
i+2 発生したある波打ちi+2の幅

Claims (2)

  1. 支持体上に非感光性有機銀塩、該有機銀塩の還元剤、感光性ハロゲン化銀、硬調化剤およびバインダーを含有する画像形成層と該画像形成層を保護する非感光性層を各々少なくとも1層以上有する熱現像感光材料において、前記硬調化剤が下記一般式(1)〜(3)から選ばれる化合物のいずれかであり、且つ該熱現像感光材料の処理後の4辺の端部の各反り量がいずれも0mm/50cm〜4mm/50cmであることを特徴とする熱現像感光材料。
    Figure 2005227656
    〔式中、R11、R12及びR13は各々水素原子又は一価の置換基を表し、X11は電子供与性のヘテロ環基、シクロアルキルオキシ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルキルアミノ基又はシクロアルケニル基を表す。〕
    Figure 2005227656
    〔式中、R21はアルキル基を表し、R22及びR23は各々水素原子又は一価の置換基を表し、X21は電子吸引性基を表し、L21は芳香族炭素環基を表し、n2は0又は1を表す。〕
    Figure 2005227656
    〔式中、X31は電子吸引性のヘテロ環基、ハロゲン原子又はハロアルキル基を表し、R31又はR32のいずれか一方が水素原子であり、他方がヒドロキシル基を表す。〕
  2. 請求項1に記載の熱現像感光材料を、熱現像自現機の熱現像部の前にプレヒート部を有し、該プレヒート部の温度が80〜120℃である熱現像自現機を用いて処理することを特徴とする画像形成方法。
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