JP2001174945A - 写真感光材料及び画像形成方法 - Google Patents

写真感光材料及び画像形成方法

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JP2001174945A
JP2001174945A JP36104899A JP36104899A JP2001174945A JP 2001174945 A JP2001174945 A JP 2001174945A JP 36104899 A JP36104899 A JP 36104899A JP 36104899 A JP36104899 A JP 36104899A JP 2001174945 A JP2001174945 A JP 2001174945A
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Mitsuyoshi Matsuura
光宜 松浦
Kyoko Nogi
京子 野木
Akio Miura
紀生 三浦
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Konica Minolta Inc
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、高感度、高Dmax及び硬
調な階調を有し、さらには黒ポツ耐性、保存安定性に優
れた写真感光材料及び画像形成方法を提供することにあ
る。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される化合物の少
なくとも1種を含有することを特徴とする写真感光材
料。 【化1】 式中、R11、R12及びR13は各々水素原子又は一価の置
換基を表し、X11は電子供与性のヘテロ環基、シクロア
ルキルオキシ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルキ
ルアミノ基又はシクロアルケニル基を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真感光材料及び
画像形成方法に関し、特には印刷製版用に適している熱
現像感光材料及び画像形成方法に関し、更に詳しくは感
度、最大濃度、硬調性、黒ポツ及び保存安定性のいずれ
もを改良した熱現像感光材料及び画像形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷製版や医療の分野では、画像
形成材料の湿式処理に伴う廃液が作業性の上で問題とな
っており、近年では環境保全、省スペースの観点からも
処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザー
・イメージセッターやレーザー・イメージャー等を用
い、効率的な露光が可能で、かつ高解像度で鮮明な黒色
画像を形成することができる写真用途の光熱写真材料に
関する技術が求められている。この技術としては、例え
ば、米国特許第3,152,904号、同第3,48
7,075号及びD.モーガン(Morgan)による
「ドライシルバー写真材料(Dry Silver P
hotographic Materials)」(H
andbook of Imaging Materi
als,Marcel Dekker,Inc.第48
頁,1991)等に記載されているような、支持体上に
有機銀塩、感光性ハロゲン化銀粒子、還元剤及びバイン
ダーを含有する熱現像感光材料が知られている。
【0003】これらの熱現像感光材料は、熱現像処理に
より写真画像を形成するもので、還元可能な銀源(有機
銀塩)、感光性ハロゲン化銀、還元剤及び必要に応じて
銀の色調を調整する色調剤等を、通常(有機)バインダ
ーマトリックス中に分散した状態で含有している。該熱
現像感光材料は常温で安定であるが、露光後高温(例え
ば、80℃〜140℃)に加熱することで現像される。
すなわち、加熱することにより有機銀塩(酸化剤として
機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を
生成するものである。この酸化還元反応は、露光でハロ
ゲン化銀に発生した潜像の触媒作用によって促進され
る。露光領域中の有機銀塩の反応により生成した銀は黒
色画像を提供し、これは非露光領域と対照をなし、画像
の形成がなされる。この反応過程は、外部から水等の処
理液を供給することなく進行する。
【0004】このような熱現像感光材料は、マイクロフ
ィルムやレントゲン用感光材料に多く用いられてきてい
るが、印刷用感光材料としては、一部で使われているの
みである。印刷用感光材料の分野で熱現像タイプの感光
材料が普及していない理由の1つは、印刷用感光材料用
としては得られる画像の最大濃度が低く、かつ階調が軟
調なために、得られる画質が著しく低いことが大きな障
害となっている。
【0005】一方、近年レーザーや発光ダイオードの急
速な進歩により、700〜1000nmに発振波長を有
するスキャナーに対する適性、あるいは感度、最大濃度
(Dmax)が高く、かつ硬調な階調を有する感光材料
の開発が強く望まれていた。また、それに加えて簡易処
理、ドライ化への要望も一段と強まっている。
【0006】上記の状況に対し、米国特許第3,66
7,958号では、ポリヒドロキシベンゼン類とヒドロ
キシルアミン類、レダクトン類又はヒドラジン類を併用
した熱現像感光材料が、高い画質識別性と解像力を有す
ると開示されているが、これらの還元剤の組み合わせで
は、カブリ上昇を引き起こし易いことが明らかとなっ
た。
【0007】また、米国特許第5,464,738号や
同第5,496,695号には、有機銀塩、感光性ハロ
ゲン化銀、ヒンダードフェノール類及びある種のヒドラ
ジン誘導体を含む熱現像感光材料が開示されている。し
かし、これらヒドラジン誘導体を用いた場合には、十分
なDmax、あるいは印刷用感光材料に求められている
硬調な階調を得ることができず、それに加えて黒ポツ故
障が発生し、画質の悪化を招くという問題があることが
判明した。
【0008】これに対し、黒ポツを改良したヒドラジン
誘導体が、特開平9−292671号、同9−3048
70号、同9−304871号、同9−304872
号、同10−31282号等に開示されている。さら
に、特開平10−62898号には、画像の再現性を改
善したヒドラジン誘導体が開示されているが、いずれも
得られるDmax濃度、硬調な階調、黒ポツ故障耐性、
高い画像再現性のすべてを満足するには至っていない。
【0009】さらに、米国特許第5,545,515号
又は同第5,635,339号には、アクリロニトリル
類を用いる例が開示されているが、これらの化合物で
は、硬調な階調が得られず、また、黒ポツの発生を抑制
するには至っていない。
【0010】また、上記特許で開示されているヒドラジ
ン誘導体及びアクリロニトリル類を用いた場合は、いず
れもそれを用いた感光材料の保存安定性が劣化するとい
う重大な問題を引き起こすことが明らかとなり、早急な
改良が望まれている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明の目的
は、高感度、高濃度及び硬調な階調を有し、さらには黒
ポツ耐性、保存安定性のいずれもに優れた写真感光材料
及び画像形成方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のこれらの目的
は、以下の手段により達成された。
【0013】1.下記一般式(1)で表される化合物の
少なくとも1種を含有することを特徴とする写真感光材
料。
【0014】
【化11】
【0015】式中、R11、R12及びR13は各々水素原子
又は一価の置換基を表し、X11は電子供与性のヘテロ環
基、シクロアルキルオキシ基、シクロアルキルチオ基、
シクロアルキルアミノ基又はシクロアルケニル基を表
す。
【0016】2.前記一般式(1)におけるR11が電子
吸引性基であることを特徴とする前記1項に記載の写真
感光材料。
【0017】3.前記一般式(1)におけるR11で表さ
れる電子吸引性基が、シアノ基であることを特徴とする
前記2項に記載の写真感光材料。
【0018】4.前記一般式(1)におけるR12及びR
13のいずれか一方が水素原子であり、他方が電子供与性
基であることを特徴とする前記1〜3項のいずれか1項
に記載の写真感光材料。
【0019】5.下記一般式(2)で表される化合物の
少なくとも1種を含有することを特徴とする写真感光材
料。
【0020】
【化12】
【0021】式中、R21はアルキル基を表し、R22及び
23は各々水素原子又は一価の置換基を表し、X21は電
子吸引性基を表し、L21は芳香族炭素環基を表し、n2
は0又は1を表す。
【0022】6.前記一般式(2)におけるX21がシア
ノ基であることを特徴とする前記5項に記載の写真感光
材料。
【0023】7.前記一般式(2)におけるR22及びR
23のいずれか一方が水素原子であり、他方が電子供与性
基であることを特徴とする前記5又は6項に記載の写真
感光材料。
【0024】8.下記一般式(3)で表される化合物の
少なくとも1種を含有することを特徴とする写真感光材
料。
【0025】
【化13】
【0026】式中、X31は電子吸引性のヘテロ環基、ハ
ロゲン原子又はハロアルキル基を表し、R31又はR32
いずれか一方が水素原子であり、他方がヒドロキシル基
を表す。
【0027】9.下記一般式(4)で表される化合物の
少なくとも1種を含有することを特徴とする写真感光材
料。
【0028】
【化14】
【0029】式中、R41、R42、R43、R44、A41及び
42は各々水素原子又は一価の置換基を表し、G41は二
価の連結基を表す。n4は0又は1を表す。
【0030】10.前記一般式(4)におけるR41、R
42及びR43が各々置換又は無置換のフェニル基であるこ
とを特徴とする前記9項に記載の写真感光材料。
【0031】11.下記一般式(5)で表される化合物
の少なくとも1種を含有することを特徴とする写真感光
材料。
【0032】
【化15】
【0033】式中、R51、R52及びR53は各々一価の置
換基を表す。 12.下記一般式(6)で表される化合物の少なくとも
1種を含有することを特徴とする写真感光材料。
【0034】
【化16】
【0035】式中、Q61は芳香族炭素環又は芳香族ヘテ
ロ環を形成する原子団を表し、n6は1〜6の整数を表
す。
【0036】13.前記一般式(6)で表される化合物
が、下記一般式(7)で表される化合物であることを特
徴とする前記12項に記載の写真感光材料。
【0037】
【化17】
【0038】式中、Q71は芳香族炭素環又は芳香族ヘテ
ロ環を形成する原子団を表し、R71及びR72の少なくと
も1つは電子吸引性基を表す。n7は1〜6の整数を表
す。
【0039】14.前記一般式(7)におけるR71及び
72の少なくとも1つがシアノ基であることを特徴とす
る前記13項に記載の写真感光材料。
【0040】15.下記一般式(H−1)で表される化
合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする前記
1〜14項のいずれか1項に記載の写真感光材料。
【0041】
【化18】
【0042】式中、R81、R82、A81及びA82は各々水
素原子又は一価の置換基を表し、G 81及びG82は各々二
価の連結基を表し、m及びqは各々0又は1を表す。
【0043】16.前記一般式(H−1)で表される化
合物が下記一般式(H−2)で表される化合物であるこ
とを特徴とする前記15項に記載の写真感光材料。
【0044】
【化19】
【0045】式中、R91、R92及びR93は各々独立に置
換もしくは無置換の芳香族炭素環基又は芳香族ヘテロ環
基を表す。R94はヘテロ環オキシ基、ヘテロ環チオ基を
表す。A91及びA92は共に水素原子をとるかあるいは一
方が水素原子で他方がアルキルスルホニル基、オキザリ
ル基又はアシル基を表す。
【0046】17.下記一般式(B)で表される化合物
の少なくとも1種を含有することを特徴とする前記1〜
16項のいずれか1項に記載の写真感光材料。
【0047】
【化20】
【0048】式中、Qは脂肪族炭化水素基、芳香族炭素
環基又はヘテロ環基を表す。X1及びX2は各々ハロゲン
原子を表し、Yはカルボニル基又はスルホニル基を表
し、Aは水素原子、ハロゲン原子又は電子吸引性基を表
し、nは0又は1を表す。
【0049】18.前記1〜17項のいずれか1項に記
載の写真感光材料が、有機銀塩、感光性ハロゲン化銀及
び還元剤を含有する熱現像感光材料であることを特徴と
する写真感光材料。
【0050】19.前記18項に記載の熱現像感光材料
に画像様に露光を与え、次いで80〜250℃で熱現像
することを特徴とする熱現像感光材料の画像形成方法。
【0051】20.画像様に露光を与える手段がレーザ
ー光源であることを特徴とする前記19項に記載の熱現
像感光材料の画像形成方法。
【0052】21.前記レーザー光源の波長が700〜
1000nmであることを特徴とする前記20項に記載
の熱現像感光材料の画像形成方法。
【0053】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明における写真感光材料とは、印刷用感光材料、レン
トゲン用感光材料、マイクロフィルム、一般用黒白フィ
ルム等で代表される黒白感光材料やカラーネガフィル
ム、カラーリバーサルフィルム、カラーペーパー等で代
表されるカラー感光材料のいずれでも良いが、好ましく
は印刷製版用感光材料であり、特に好ましくは印刷製版
用の熱現像感光材料である。
【0054】本発明において好ましく用いられる熱現像
感光材料において、前記一般式(1)〜(7)で表され
る化合物の少なくとも1種を含有することが好ましい。
本発明に係る化合物を含有せしめることにより、高感
度、高Dmaxで、かつ硬調な階調を実現すると共に、
黒ポツ耐性を有し保存安定性に優れた熱現像感光材料を
得ることができる。更に、上述の効果は、前記一般式
(H−1)又は(H−2)で表される化合物を併用する
ことにより、さらに向上することを見いだした。
【0055】一般式(1)〜(7)、一般式(H−1)
及び(H−2)で表される化合物について以下詳細に述
べるが、まず本発明でいう電子供与性基及び電子吸引性
基について説明をする。本発明でいう電子供与性基と
は、ハメットの置換基定数σpが負の値を取る置換基の
ことであり、電子供与性基としては、例えば、ヒドロキ
シル基(又はその塩)、アルコキシ基、アリールオキシ
基、ヘテロ環オキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、
アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、σpが負の値を
取るヘテロ環基又はこれらの電子供与性基で置換された
フェニル基等が挙げられる。本発明でいう電子吸引性基
とは、ハメットの置換基定数σpが正の値を取る置換基
のことであり、電子吸引性基としては、例えば、ハロゲ
ン原子、シアノ基、ニトロ基、アルケニル基、アルキニ
ル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオ
キシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールス
ルホニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、スル
ファモイル基、スルホンアミド基、トリフルオロメチル
基、トリクロロメチル基、ホスホリル基、カルボキシ基
(又はその塩)、スルホ基(又はその塩)、イミノ基、
σpが正の値を取るヘテロ環基又はこれらの電子吸引性
基で置換されたフェニル基等が挙げられる。ハメット則
は、ベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影
響を定量的に論じるために1935年に、L.P.Ha
mmetにより提唱された経験則であるが、これは今日
広く妥当性が認められている。ハメット則により求めら
れた置換基定数にはσp値とσm値とがあり、これらの
値は多くの一般的な成書に記載があり、「Lange’
s Handbook of Chemistry
(J.A.Dean著)」第12販、1979年(Mc
Graw−Hill)や「化学の領域増刊」、第12
2号、第96〜103頁、1979年(南光堂)、Ch
emical Reviews、第91巻、第165〜
195頁、1991年に詳しく述べられている。本発明
における電子吸引性基及び電子供与性基は、σp値によ
り規定しているが、上記の成書に記載の文献既知の値が
ある置換基にのみ限定されるものではない。
【0056】一般式(1)で表される化合物について説
明する。式中、X11は電子供与性のヘテロ環基、シクロ
アルキルオキシ基、シクロアルキルチオ基、シクロアル
キルアミノ基又はシクロアルケニル基を表す。電子供与
性のヘテロ環の代表例としては、「Substitue
nt Constants for Correlat
ion Analysis in Chemistry
and Biology(Corwin Hansc
h and Albert Leo著)」の第66〜3
39頁に記載のσpが負のヘテロ環であり、ヘテロ環の
具体的な例としてはピペリジニル基、ピロリジニル基、
モルフォリノ基、ピペラジニル基、3−チエニル基、2
−フリル基、3−フリル基、2−ピロロ基等が挙げられ
る。好ましくは3−チエニル基、2−フリル基又は3−
フリル基である。これらのヘテロ環は、σpが0又は正
にならない範囲で任意の置換基を有しても良い。
【0057】また、シクロアルキルオキシ基、シクロア
ルキルチオ基又はシクロアルキルアミノ基の具体的な例
としては、シクロプロピルオキシ基、シクロペンチルオ
キシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキ
シ基、シクロプロピルチオ基、シクロペンチルチオ基、
シクロヘキシルチオ基、シクロヘプチルチオ基、シクロ
プロピルメチルアミノ基、シクロペンチルメチルアミノ
基、シクロヘキシルメチルアミノ基、シクロヘプチルメ
チルアミノ基等が挙げられる。好ましくはシクロペンチ
ルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロペンチル
チオ基及びシクロヘキシルチオ基である。シクロアルケ
ニル基の具体的な例としては、シクロプロぺニル基、シ
クロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニ
ル基及びシクロヘプテニル基等が挙げられる。好ましく
は、シクロペンテニル基又はシクロヘキセニル基であ
る。
【0058】R11、R12及びR13は、各々水素原子又は
一価の置換基を表す。一価の置換基としては、例えばア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、
複素環基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例
えばピリジニウム基)、ヒドロキシ基、アルコキシ基
(例えばエチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基
単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ア
シルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ウレタン
基、カルボキシル基、イミド基、アミノ基、カルボンア
ミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド
基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオ
セミカルバジド基、ヒドラジノ基、4級のアンモニオ
基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)チオ基、メ
ルカプト基、(アルキル又はアリール)スルホニル基、
(アルキル又はアリール)スルフィニル基、スルホ基、
スルファモイル基、アシルスルファモイル基、(アルキ
ルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、(アルキ
ルもしくはアリール)スルホニルカルバモイル基、ハロ
ゲン原子、シアノ基、ニトロ基、リン酸アミド基などが
挙げられる。
【0059】R11は好ましくは電子吸引性基であり、さ
らに好ましくはシアノ基である。また、R12が水素原
子、R13が電子供与性基であることが好ましい。最も好
ましくは、R11がシアノ基、R12が水素原子、R13がヒ
ドロキシル基である。
【0060】以下、一般式(1)で表される化合物の具
体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、以下に列挙する化合物において、ケト−エ
ノール型互変異性体又はシス−トランス型幾何異性体が
存在する場合には、その両方を表すものとする。
【0061】
【化21】
【0062】
【化22】
【0063】
【化23】
【0064】
【化24】
【0065】
【化25】
【0066】
【化26】
【0067】次に、一般式(2)で表される化合物につ
いて説明する。式中、R21はアルキル基を表し、R22
びR23は水素原子または一価の置換基を表し、X21は電
子吸引性基を表し、L21は炭素芳香族環基を表し、n2
は0又は1を表す。R21で表されるアルキル基の具体的
な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプ
チル基、オクチル基等が挙げられる。好ましくはメチル
基、エチル基又はプロピル基である。R22及びR23が一
価の置換基のとき、具体的な例としては一般式(1)に
おけるR11、R 12、R13と同様の置換基が挙げられる。
21で表される電子吸引性基としては一般式(1)にお
けるX11と同様の電子吸引性基が挙げられ、好ましくは
シアノ基である。L21で表される炭素芳香族環残基の具
体的な例としては、フェニレン基、ナフチレン基等が挙
げられる。フェニレン基、ナフチレン基はさらにアルキ
ル基が置換してもよい。さらには、R22が水素原子、R
23が電子供与性基であることが好ましい。最も好ましく
は、X21がシアノ基、R22が水素原子、R23がヒドロキ
シル基である。
【0068】以下に、一般式(2)で表される化合物の
具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。なお、以下に列挙する化合物において、ケト−
エノール型互変異性体又はシス−トランス型幾何異性体
が存在する場合には、その両方を表すものとする。
【0069】
【化27】
【0070】
【化28】
【0071】次に、一般式(3)で表される化合物につ
いて説明する。式中、X31は電子吸引性のヘテロ環基、
ハロゲン原子又はハロアルキル基を表す。電子吸引性の
ヘテロ環基の代表例としては、「Substituen
t Constants for Correlati
on Analysis in Chemistrya
nd Biology(Corwin Hansch
and Albert Leo著)」の第66〜339
頁に記載のσpが正のヘテロ環基であり、具体的な例と
しては、2−ピリジル基、2−ピリミジル基、2−ピラ
ジル基、2−キナゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、
2−ベンゾオキサゾリル基等が挙げられる。これらの電
子吸引性のヘテロ環基は、σpが0又は負にならない範
囲で任意の置換基を有しても良い。電子吸引性のヘテロ
環基の好ましい例は、2−ピリジル基、2−ピリミジル
基又は2−ピラジル基である。ハロゲン原子としては、
具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素
原子等が挙げられる。ハロゲン原子の好ましい例は、塩
素原子又は臭素原子である。ハロアルキル基としては、
モノクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメ
チル基、トリブロモメチル基、トリフルオロメチル基、
1,2−ジクロロエチル基、ペンタフルオロエチル基等
が挙げられる。ハロアルキル基として好ましくは、トリ
クロロメチル基、トリブロモメチル基又はトリフルオロ
メチル基である。
【0072】以下に、一般式(3)で表される化合物の
具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。なお、以下に列挙する化合物において、ケト−
エノール型互変異性体又はシス−トランス型幾何異性体
が存在する場合には、その両方を表すものとする。
【0073】
【化29】
【0074】次に、一般式(4)で表される化合物につ
いて説明する。式中、R41、R42、R43、R44、A41
びA42は各々水素原子又は一価の置換基を表し、一価の
置換基としては一般式(1)で述べたR11、R12及びR
13と同様の置換基が挙げられる。R41、R42及びR43
好ましい置換基としては、置換又は無置換のフェニル基
である。A41及びA42はいずれもが水素原子である場合
が好ましい。G41は二価の連結基を表し、具体的な例と
しては、−(CO)p−基、−C(=S)−基、スルホ
ニル基、スルホキシ基、−P(=O)R45−基又はイミ
ノメチレン基を表し、pは1又は2の整数を表し、R45
はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール
基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオ
キシ基、アリールオキシ基、アミノ基等が挙げられる。
41の好ましい例は、−(CO) p−又はスルホニル基
である。n4は0又は1を表し、好ましくは1である。
【0075】以下に、一般式(4)で表される化合物の
具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0076】
【化30】
【0077】
【化31】
【0078】次に、一般式(5)で表される化合物につ
いて説明する。式中、R51、R52及びR53は各々一価の
置換基を表す。一価の置換基としては、一般式(1)に
おけるR11、R12及びR13と同様の置換基が挙げられ、
好ましくはR51、R52及びR 53の少なくとも1つは電子
吸引性基であり、さらに好ましくは電子吸引性基がシア
ノ基である。
【0079】以下に、一般式(5)で表される化合物の
具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0080】
【化32】
【0081】次に、一般式(6)で表される化合物につ
いて説明する。式中、Q61は芳香族炭素環又は芳香族ヘ
テロ環を形成する原子団であり、好ましくは6員芳香族
炭素環又は6員芳香族ヘテロ環である。形成される具体
的な芳香族炭素環又は芳香族ヘテロ環としては、ベンゼ
ン環、ナフタレン環、イミダゾール環、チアゾール環、
ベンゾオキサゾール環、ピリジン環、ピロール環、イン
ドール環、ピリミジン環等を挙げることができ、好まし
くはベンゼン環、ナフタレン環およびピリジン環であ
る。n6は1〜6の整数を表し、好ましくは1又は2で
ある。また、Q61によって形成される芳香族炭素環又は
芳香族ヘテロ環は、さらに置換基を有していても良い。
置換基としては、一般式(1)で示した一価の置換基が
挙げられる。
【0082】以下に、一般式(6)で表される化合物の
具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0083】
【化33】
【0084】
【化34】
【0085】
【化35】
【0086】一般式(6)で表される化合物の中では、
一般式(7)で示される化合物が好ましい。一般式
(7)において、Q71は一般式(6)におけるQ61と同
義である。R71及びR72の少なくとも1つが電子吸引性
基であり、さらに好ましくはR71及びR72の少なくとも
1つがシアノ基である化合物である。n7は、1〜6の
整数を表し、好ましくは1又は2である。
【0087】以下に、一般式(7)で表される化合物の
具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0088】
【化36】
【0089】次に、一般式(H−1)で表されるヒドラ
ジン誘導体について説明する。式中、R81、R82、A81
及びA82は、各々水素原子又は一価の置換基を表す。一
価の置換基としては、一般式(1)で述べたR11、R12
及びR13と同様の置換基が挙げられる。G81及びG
82は、それぞれ二価の連結基を表し、具体的な例として
は、−(CO)p−基、−C(=S)−基、スルホニル
基、スルホキシ基、−P(=O)R83−基又はイミノメ
チレン基を表し、pは1又は2の整数を表し、R83はア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、
アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ
基、アリールオキシ基、アミノ基等が挙げられる。G81
及びG82の好ましい例は−(CO)p−基又はスルホニ
ル基である。m、qは、各々0又は1を表す。一般式
(H−1)の好ましい例としては、米国特許第5,46
4,738号や同第5,496,695号に記載のヒド
ラジン誘導体が挙げられる。
【0090】以下に、一般式(H−1)で表される化合
物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0091】
【化37】
【0092】
【化38】
【0093】
【化39】
【0094】
【化40】
【0095】
【化41】
【0096】
【化42】
【0097】
【化43】
【0098】
【化44】
【0099】
【化45】
【0100】
【化46】
【0101】
【化47】
【0102】
【化48】
【0103】
【化49】
【0104】一般式(H−1)で表される化合物の中で
は、一般式(H−2)で表される化合物がより好まし
い。
【0105】一般式(H−2)において、R91、R92
びR93はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の芳香族炭
素環基又は芳香族ヘテロ環基を表すが、芳香族炭素環基
としては、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフ
チルなどが挙げられる。芳香族ヘテロ環基としては、例
えばトリアゾール残基、イミダゾール残基、ピリジン残
基、フラン残基、チオフェン残基などが挙げられる。ま
た、R91、R92及びR 93は、それぞれ任意の連結基を介
して結合しても良い。R91、R92及びR93が置換基を有
する場合、置換基としては一般式(1)で述べたR11
12及びR13と同様の一価の置換基が挙げられる。
91、R92及びR93としては、いずれもが置換もしくは
無置換のフェニル基が好ましく、より好ましくはR91
92及びR93のいずれもが無置換のフェニル基である。
94は、芳香族ヘテロ環オキシ基、芳香族ヘテロ環チオ
基を表すが、芳香族ヘテロ環オキシ基として具体的に
は、ピリジルオキシ基、ピリミジルオキシ基、インドリ
ルオキシ基、ベンゾチアゾリルオキシ基、ベンズイミダ
ゾリルオキシ基、フリルオキシ基、チエニルオキシ基、
ピラゾリルオキシ基、イミダゾリルオキシ基等が挙げら
れる。芳香族ヘテロ環チオ基として具体的には、ピリジ
ルチオ基、ピリミジルチオ基、インドリルチオ基、ベン
ゾチアゾリルチオ基、ベンズイミダゾリルチオ基、フリ
ルチオ基、チエニルチオ基、ピラゾリルチオ基、イミダ
ゾリルチオ基等が挙げられる。R94として好ましくは、
ピリジルオキシ基、チエニルオキシ基である。
【0106】A91、A92は、ともに水素原子、あるいは
一方が水素原子の時、他方はアシル基(アセチル、トリ
フルオロアセチル、ベンゾイル等)、スルホニル基(メ
タンスルホニル、トルエンスルホニル等)又はオキザリ
ル基(エトキザリル等)を表し、好ましくはA91、A92
がともに水素原子の場合である。
【0107】以下に、一般式(H−2)で表される化合
物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0108】
【化50】
【0109】
【化51】
【0110】
【化52】
【0111】本発明に係る一般式(1)〜(7)で表さ
れる化合物は、公知の方法により容易に合成することが
でき、また薬品メーカーから直接購入することが可能な
化合物も存在する。また、一般式(H−1)又は(H−
2)で表される化合物は、公知の方法により容易に合成
することができる。例えば米国特許第5,464,73
8号または同第5,496,695号を参考にして合成
することができる。
【0112】一般式(1)〜(7)、一般式(H−1)
及び(H−2)で表される化合物の添加層は、ハロゲン
化銀乳剤を含む感光層及び/又は感光層に隣接した層で
あることが好ましい。また、本発明に係る化合物の添加
量は、ハロゲン化銀粒子の粒径、ハロゲン組成、化学増
感の程度、抑制剤の種類等により最適量が異なり、一様
ではないが、概ねハロゲン化銀1モル当たり10-6モル
〜10-1モル程度、特には10-5モル〜10-2モルの範
囲が好ましい。
【0113】本発明に係る一般式(1)〜(7)、一般
式(H−1)及び(H−2)で表される化合物は、適当
な有機溶媒、例えばアルコール類(メタノール、エタノ
ール、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケトン類
(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブなどに
溶解して用いることができる。また、既に良く知られて
いる乳化分散法によっても組み入れることができる。例
えば、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェー
ト、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレ
ートなどの高沸点有機溶媒及び酢酸エチルやシクロヘキ
サノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化し
て乳化分散物を作製し、所望の構成層に添加することが
できる。また、固体分散法として知られている方法、例
えば、本発明の一般式(1)〜(7)、一般式(H−
1)及び(H−2)で表される化合物の粉末を、例えば
ボールミル、コロイドミル、あるいは超音波分散機等の
分散手段を用いて水系微粒子分散物として、任意に添加
することもできる。
【0114】本発明の熱現像感光材料には、上記化合物
の他に米国特許第5,545,505号に記載のヒドロ
キシルアミン化合物、アルカノールアミン化合物やフタ
ル酸アンモニウム化合物、米国特許第5,545,50
7号に記載のヒドロキサム酸化合物、米国特許第5,5
58,983号に記載のN−アシル−ヒドラジン化合
物、米国特許第5,937,449号に記載のベンズヒ
ドロールやジフェニルフォスフィンやジアルキルピペリ
ジンやアルキル−β−ケトエステルなどの水素原子ドナ
ー化合物を適宜添加することができる。これらの化合物
を含有させることにより、Dmaxをさらに向上できる
と共に、ヒドラジン誘導体を用いて形成した画像におい
て生じやすい黒ポツの発生を抑制することができ、この
結果として著しい画質の改良を果たすことができる。
【0115】また、本発明の熱現像感光材料には、カブ
リを低減する目的で、例えば米国特許第3,874,9
46号、同第4,756,999号、同第5,340,
712号、欧州特許第605,981A1号、同第62
2,666A1号、同第631,176A1号、特公昭
54−165号、特開平7−2781号、同9−160
164号、同9−244178号、同9−258367
号、同9−265150号、同9−281640号、同
9−319022号公報等に記載のポリハロゲン化合物
を好ましく用いることができる。これらの中でも、下記
一般式(B)で示される化合物を本発明に係る化合物と
共に用いることが、特に好ましい。
【0116】
【化53】
【0117】式中、Qは脂肪族炭化水素基、芳香族炭素
環基またはヘテロ環基を表す。X1及びX2は、それぞれ
ハロゲン原子を表す。Yは、カルボニル基またはスルホ
ニル基を表す。Aは水素原子、ハロゲン原子又は電子吸
引性基を表す。nは、0又は1を表す。
【0118】以下に一般式(B)で示される化合物の具
体例をあげるが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0119】
【化54】
【0120】
【化55】
【0121】
【化56】
【0122】
【化57】
【0123】
【化58】
【0124】
【化59】
【0125】一般式(B)で表される化合物は、当業者
に周知の通常の方法により合成することができる。
【0126】これらの一般式(B)で表される化合物の
添加量に特に制限はないが、10-4〜1モル/Agモル
が好ましく、特に10-3〜0.3モル/Agモルが好ま
しい。
【0127】続いて、本発明の熱現像感光材料について
説明する。本発明の熱現像感光材料に用いられる有機銀
塩は、還元可能な銀源であり、還元可能な銀イオン源を
含有する有機酸及びヘテロ有機酸の銀塩、その中でも特
に長鎖(炭素原子数10〜30、好ましくは15〜2
5)の脂肪族カルボン酸及び含窒素複素環が好ましい。
配位子が、銀イオンに対する総安定定数として4.0〜
10.0の値を有する有機又は無機の銀錯体も本発明に
おいては有用である。好適な銀塩の例は、リサーチ・デ
ィスクロージャー(以降、単にRDとも言う)No.1
7029及び同29963に記載されており、以下のも
のを挙げることができる:有機酸の銀塩(例えば、没食
子酸、シュウ酸、ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン
酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の銀塩);銀のカルボ
キシアルキルチオ尿素塩(例えば、1−(3−カルボキ
シプロピル)チオ尿素、1−(3−カルボキシプロピ
ル)−3,3−ジメチルチオ尿素等);アルデヒドとヒ
ドロキシ置換芳香族カルボン酸とのポリマー反応生成物
の銀錯体(例えば、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、
アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等)とヒドロキシ
置換酸類(例えば、サリチル酸、安息香酸、3,5−ジ
ヒドロキシ安息香酸、5,5−チオジサリチル酸)との
ポリマー反応生成物の銀錯体);チオン類の銀塩又は錯
体(例えば、3−(2−カルボキシエチル)−4−ヒド
ロキシメチル−4−(チアゾリン−2−チオン、及び3
−カルボキシメチル−4−チアゾリン−2−チオ
ン));イミダゾール、ピラゾール、ウラゾール、1,
2,4−チアゾール及び1H−テトラゾール、3−アミ
ノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−トリアゾール及び
ベンゾトリアゾールから選択される窒素酸と銀との錯体
又は塩;サッカリン、5−クロロサリチルアルドキシム
等の銀塩;及びメルカプチド類の銀塩等である。好まし
い銀源は、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸
銀及びそれらの混合物である。
【0128】有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物と銀と
錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正
混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−12764
3号に記載されている様なコントロールドダブルジェッ
ト法等が好ましく用いられる。例えば、有機酸にアルカ
リ金属塩(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
など)を加えて、有機酸アルカリ金属塩ソープ(例え
ば、ベヘン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウムな
ど)を作製した後に、コントロールドダブルジェット法
により、前記ソープと硝酸銀などを添加して有機銀塩の
結晶を作製する。その際には、以下に述べる感光性ハロ
ゲン化銀粒子(以降、単にハロゲン化銀粒子という)を
混在させてもよい。
【0129】本発明におけるハロゲン化銀粒子は、光セ
ンサーとして機能するものである。本発明においては、
画像形成後の感光材料の白濁化の抑制、及び良好な画質
を得るため平均粒子サイズは小さい方が好ましく、平均
粒子サイズが0.1μm以下、より好ましくは0.01
μm〜0.1μm、特に好ましくは0.02μm〜0.
08μmである。ここでいう粒子サイズ(粒径)とは、
ハロゲン化銀粒子が立方体或いは八面体のいわゆる正常
晶である場合には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さをい
う。又、正常晶でない場合、例えば球状、棒状、或いは
平板状の粒子の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同
等な球を想定したときの球の直径をいう。また、ハロゲ
ン化銀粒子は単分散であることが好ましい。ここでいう
単分散とは、下記式で求められる単分散度が40%以下
をいう。更に好ましくは30%以下であり、特に好まし
くは0.1%以上20%以下となる粒子である。
【0130】単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の
平均値)×100 本発明においては、ハロゲン化銀粒子が平均粒径0.1
μm以下でかつ単分散粒子であることが好ましく、この
範囲にすることで画像の粒状度も向上する。
【0131】ハロゲン化銀粒子の形状については、特に
制限はないが、ミラー指数〔100〕面の占める割合が
高いことが好ましく、この割合が50%以上、更には7
0%以上、特には80%以上であることが好ましい。ミ
ラー指数〔100〕面の比率は、増感色素の吸着におけ
る〔111〕面と〔100〕面との吸着依存性を利用し
たT.Tani,J.Imaging Sci.,2
9,165(1985)に記載の方法により求めること
ができる。
【0132】また、本発明における好ましい他のハロゲ
ン化銀粒子の形状は、平板粒子である。ここでいう平板
粒子とは、投影面積の平方根を粒径rμmとし、垂直方
向の厚みをhμmとした場合のアスペクト比=r/hが
3以上のものをいう。その中でも好ましくは、アスペク
ト比が3〜50である。また平板粒子における粒径は、
0.1μm以下であることが好ましく、さらに0.01
μm〜0.08μmが好ましい。これら平板粒子は、米
国特許第5,264,337号、同第5,314,79
8号、同第5,320,958号等に記載の方法によ
り、容易に得ることができる。本発明においては、該平
板状粒子を用いることにより、さらに画像の鮮鋭度も向
上することができる。
【0133】ハロゲン化銀粒子のハロゲン組成は、特に
制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、
沃臭化銀、沃化銀のいずれであってもよい。本発明に用
いられる写真乳剤は、P.Glafkides著Chi
mie et Physique Photograp
hique(Paul Montel社刊、1967
年)、G.F.Duffin著 Photograph
ic EmulsionChemistry(The
Focal Press刊、1966年)、V.L.Z
elikman et al著Making and
CoatingPhotographic Emuls
ion(The Focal Press刊、1964
年)等に記載された方法を用いて調製することができ
る。
【0134】本発明に用いられるハロゲン化銀には、相
反則不軌特性改良や階調調整のために、元素周期律表の
第6族から第10族に属する金属のイオン又は錯体イオ
ンを含有せしめることが好ましい。上記の金属として
は、W、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、
Re、Os、Ir、Pt、Auが好ましい。
【0135】ハロゲン化銀粒子は、ヌードル法、フロキ
ュレーション法等、当業界で知られている方法により不
要の塩類を除去(脱塩)することができるが、本発明に
おいては脱塩は行っても行わなくてもいずれでもよい。
【0136】本発明におけるハロゲン化銀粒子は、化学
増感が施されていることが好ましい。好ましい化学増感
法としては、当業界でよく知られているような硫黄増感
法、セレン増感法、テルル増感法、金化合物や白金、パ
ラジウム、イリジウム化合物等の貴金属増感法や還元増
感法等を用いることができる。
【0137】本発明においては、感光材料の失透を防ぐ
ため、ハロゲン化銀及び有機銀塩の総量は、銀量に換算
して1m2当たり0.5g以上2.2g以下であること
が好ましい。この範囲に銀量を設定することにより硬調
な画像を得ることができる。また、銀総量に対するハロ
ゲン化銀量の比率は、質量比で50%以下、好ましくは
25%以下、更に好ましくは0.1〜15%である。
【0138】本発明の熱現像感光材料に用いられる還元
剤としては、一般に知られているものが挙げられ、例え
ば、フェノール類、2個以上のフェノール基を有するポ
リフェノール類、ナフトール類、ビスナフトール類、2
個以上の水酸基を有するポリヒドロキシベンゼン類、2
個以上の水酸基を有するポリヒドロキシナフタレン類、
アスコルビン酸類、3−ピラゾリドン類、ピラゾリン−
5−オン類、ピラゾリン類、フェニレンジアミン類、ヒ
ドロキシルアミン類、ハイドロキノンモノエーテル類、
ヒドロオキサミン酸類、ヒドラジド類、アミドオキシム
類、N−ヒドロキシ尿素類等があり、さらに詳しくは例
えば、米国特許第3,615,533号、同第3,67
9,426号、同第3,672,904号、同第3,7
51,252号、同第3,782,949号、同第3,
801,321号、同第3,794,488号、同第
3,893,863号、同第3,887,376号、同
第3,770,448号、同第3,819,382号、
同第3,773,512号、同第3,839,048
号、同第3,887,378号、同第4,009,03
9号、同第4,021,240号、英国特許第1,48
6,148号もしくはベルギー特許第786,086号
の各明細書及び特開昭50−36143号、同50−3
6110号、同50−116023号、同50−997
19号、同50−140113号、同51−51933
号、同51−23721号、同52−84727号もし
くは特公昭51−35851号の各公報に具体的に例示
された還元剤等を挙げることができ、本発明は上記の公
知な還元剤の中から適宜選択して使用することが出来
る。選択方法としては、実際に還元剤を含む熱現像感光
材料を作製し、その写真性能を直接評価することによ
り、還元剤の適否を確認する方法が最も効率的である。
【0139】上記還元剤の中で、有機銀塩として脂肪族
カルボン酸銀塩を使用する場合の好ましい還元剤として
は、2個以上のフェノール基がアルキレン基又は硫黄に
よって連結されたポリフェノール類、特にフェノール基
のヒドロキシ置換位置に隣接した位置の少なくとも一つ
にアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等)又はアシル基
(例えばアセチル基、プロピオニル基等)が置換したフ
ェノール基の2個以上がアルキレン基又は硫黄によって
連結されたポリフェノール類、例えば1,1−ビス(2
−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,
5−トリメチルヘキサン、1,1−ビス(2−ヒドロキ
シ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、
1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチ
ルフェニル)メタン、(2−ヒドロキシ−3−t−ブチ
ル−5−メチルフェニル)−(2−ヒドロキシ−5−メ
チルフェニル)メタン、6,6′−ベンジリデン−ビス
(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)、6,6′−ベ
ンジリデン−ビス(2−t−ブチル−4−メチルフェノ
ール)、6,6′−ベンジリデン−ビス(2,4−ジメ
チルフェノール)、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン、
1,1,5,5−テトラキス(2−ヒドロキシ−3,5
−ジメチルフェニル)−2,4−エチルペンタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5
−ジ−t−ブチルフェニル)プロパン等の米国特許第
3,589,903号、同第4,021,249号もし
くは英国特許第1,486,148号各明細書及び特開
昭51−51933号、同50−36110号、同50
−116023号、同52−84727号もしくは特公
昭51−35727号公報に記載されたポリフェノール
化合物、米国特許第3,672,904号明細書に記載
されたビスナフトール類、例えば、2,2′−ジヒドロ
キシ−1,1′−ビナフチル、6,6′−ジブロモ−
2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル、6,
6′−ジニトロ−2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−
ビナフチル、ビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)メ
タン、4,4′−ジメトキシ−1,1′−ジヒドロキシ
−2,2′−ビナフチル等、更に米国特許第3,80
1,321号明細書に記載されているようなスルホンア
ミドフェノール又はスルホンアミドナフトール類、例え
ば、4−ベンゼンスルホンアミドフェノール、2−ベン
ゼンスルホンアミドフェノール、2,6−ジクロロ−4
−ベンゼンスルホンアミドフェノール、4−ベンゼンス
ルホンアミドナフトール等を挙げることが出来る。
【0140】本発明の熱現像感光材料に使用される還元
剤の適量は、使用する有機銀塩や還元剤の種類、その他
の添加剤により一様ではないが、一般的には有機銀塩1
モル当たり0.05〜10モル、好ましくは0.1〜3
モルの範囲が適当である。又この範囲内においては、上
述した還元剤を2種以上併用してもよい。本発明におい
ては、前記還元剤を塗布直前に感光層塗布液に添加し塗
布することが、感光層塗布液の停滞時間による写真性能
変動を小さくする上で好ましい。
【0141】本発明の熱現像感光材料に好適なバインダ
ーは、透明又は半透明で、一般に無色である、天然ポリ
マー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィル
ムを形成する媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴム、
ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロー
ス、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチ
レート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプ
ン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル
酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コ
ポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン
−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエ
ン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビ
ニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポ
リ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹
脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、
ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、
セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。バイ
ンダーとしては、親水性でも疎水性でもよいが、本発明
においては、熱現像処理後のカブリを低減させるために
は、疎水性透明バインダーを使用することが好ましい。
好ましいバインダーとしては、例えば、ポリビニルブチ
ラール、セルロースアセテート、セルロースアセテート
ブチレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリア
クリル酸、ポリウレタンなどが挙げられる。その中でも
ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロ
ースアセテートブチレート及びポリエステルが、特に好
ましく用いられる。
【0142】感光材料の表面を保護したり擦り傷を防止
するために、感光層の外側に非感光層を塗設することが
好ましい。これらの非感光層に用いられるバインダー
は、感光層に用いられるバインダーと同じ種類でも異な
った種類でもよい。
【0143】本発明においては、熱現像速度を高めるた
め感光層のバインダー量が1.5〜10g/m2である
ことが好ましい。さらに好ましくは、1.7〜8g/m
2である。1.5g/m2未満では、未露光部の濃度(D
min)が大幅に上昇し、実用上障害を起こす場合があ
る。
【0144】本発明においては、感光層側にマット剤を
含有せしめることが好ましく、熱現像処理後の画像の傷
つき防止のため、感光材料の表面に配するマット剤量
は、感光層側の全バインダーに対し質量比で0.5〜3
0%含有することが好ましい。また、支持体をはさみ感
光層の反対側に非感光層を設ける場合には、該非感光層
側の少なくとも1層中にマット剤を含有することが、す
べり性や指紋付着防止のためにも好ましく、そのマット
剤量は該非感光層の全バインダーに対し、質量比で0.
5〜40%含有せしめることが好ましい。マット剤の形
状は、定形、不定形どちらでも良いが、好ましくは定形
で、特には球形が好ましい。
【0145】本発明の熱現像感光材料は、支持体上に少
なくとも一層の感光層を有している。支持体上に感光層
のみを形成しても良いが、感光層の上に少なくとも1層
の非感光層を形成することが好ましい。また、感光層を
通過する光の量又は波長分布を制御するため、感光層と
同じ側にフィルター染料層及び/又は反対側にアンチハ
レーション染料層、いわゆるバッキング層を形成しても
良いし、あるいは感光層に直接染料又は顔料を含ませて
も良い。
【0146】これら非感光性層には、前記のバインダー
やマット剤の他にポリシロキサン化合物、ワックス類や
流動パラフィンのようなスベリ剤を含有してもよい。
【0147】また、本発明の熱現像感光材料には、塗布
助剤として各種の界面活性剤が用いりことができる。そ
の中でも特にフッ素系界面活性剤が、帯電特性を改良し
たり、斑点状の塗布故障を防ぐために好ましく用いられ
る。
【0148】感光層は、複数層にしても良く、また階調
を整えるため高感度層/低感度層又は低感度層/高感度
層等の複数の層構成をとっても良い。
【0149】本発明に用いられる好適な色調剤の例は、
RD17029号に開示されている。
【0150】本発明の熱現像感光材料には、現像を抑制
あるいは促進させ現像強度を制御するため、分光増感効
率を向上させるためあるいは現像処理前後における保存
安定性を向上させるため、メルカプト化合物、ジスルフ
ィド化合物、チオン化合物等の抑制剤を含有させること
ができる。
【0151】また、本発明の熱現像感光材料には、例え
ば界面活性剤、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線
吸収剤、被覆助剤等を用いても良い。これらの添加剤及
び上述したその他の添加剤はRD17029(1978
年6月p.9〜15)に記載されている化合物を好まし
く用いることができる。
【0152】上述の各種添加剤は、感光層、非感光層又
はその他の形成層のいずれに添加しても良い。
【0153】本発明で用いられる支持体は、現像処理後
に所定の光学濃度を得るため、及び現像処理後の画像の
変形を防ぐためプラスチックフィルム(例えば、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ナイロン、セルローストリアセテート、ポリエチレ
ンナフタレート)であることが好ましい。
【0154】その中でも好ましい支持体としては、ポリ
エチレンテレフタレート(以下PETと略す)及びシン
ジオタクチック構造を有するスチレン系重合体を含むプ
ラスチック(以下SPSと略す)の支持体が挙げられ
る。支持体の厚みとしては50〜300μm程度、好ま
しくは70〜180μmである。
【0155】また、熱処理したプラスチック支持体を用
いることもできる。採用するプラスチックとしては、前
述のプラスチックが挙げられる。支持体の熱処理とは、
支持体を製膜後、感光層が塗布されるまでの間に、支持
体のガラス転移点より30℃以上高い温度、好ましくは
35℃以上高い温度で、更に好ましくは40℃以上高い
温度で加熱することを指す。
【0156】本発明においては、帯電性を改良するため
に金属酸化物及び/又は導電性ポリマーなどの導電性化
合物を構成層中に含ませることができる。これらはいず
れの層に含有させてもよいが、好ましくは下引層、バッ
キング層、感光層と下引の間の層などである。
【0157】本発明の熱現像感光材料には、例えば特開
昭63−159841号、同60−140335号、同
63−231437号、同63−259651号、同6
3−304242号、同63−15245号、米国特許
4,639,414号、同4,740,455号、同
4,741,966号、同4,751,175号、同
4,835,096号に記載された増感色素が使用でき
る。
【0158】本発明に使用される有用な増感色素の具体
例は、例えばRD17643IV−A項(1978年12
月p.23)、同18431X項(1979年8月p.
437)に記載もしくは引用された文献に記載されてい
る。
【0159】本発明においては、特に各種スキャナー光
源の分光特性に適合した分光感度を有する増感色素を有
利に選択することができる。例えばA)アルゴンレーザ
ー光源に対しては、特開昭60−162247号、特開
平2−48653号、米国特許第2,161,331
号、西独特許第936,071号、特願平3−1895
32号等に記載のシンプルメロシアニン類、B)ヘリウ
ム−ネオンレーザー光源に対しては、特開昭50−62
425号、同54−18726号、同59−10222
9号等に記載の三核シアニン色素類、特願平6−103
272号に記載のメロシアニン類、C)LED光源及び
赤色半導体レーザーに対しては特公昭48−42172
号、同51−9609号、同55−39818号、特開
昭62−284343号、特開平2−105135号に
記載されたチアカルボシアニン類、D)赤外半導体レー
ザー光源に対しては特開昭59−191032号、同6
0−80841号に記載されたトリカルボシアニン類、
特開昭59−192242号、特開平3−67242号
の一般式(IIIa)、一般式(IIIb)に記載された4−
キノリン核を含有するジカルボシアニン類などが有利に
選択される。
【0160】これらの増感色素は単独に用いても、ある
いはそれらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
では、特に強色増感の目的でしばしば用いられる。増感
色素とともに、それ自身分光増感作用をもたない色素あ
るいは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色
増感を示す物質をハロゲン化銀乳剤中に含んでもよい。
【0161】本発明の熱現像感光材料の露光は、Arレ
ーザー(488nm)、He−Neレーザー(633n
m)、赤色半導体レーザー(670nm)、赤外半導体
レーザー(780nm、830nm)などのレーザー光
源を用いて行うことが、1つの特徴であり、特に該レー
ザー光源の波長が700〜1000nmである赤外半導
体レーザーが好ましい。
【0162】本発明の熱現像感光材料には、ハレーショ
ン防止層として染料を含有する層を設ける事ができる。
Arレーザー、He−Neレーザー、赤色半導体レーザ
ー用には400nm〜750nmの範囲で、露光波長に
おいて少なくとも0.3以上、好ましくは0.8以上の
吸収となるように染料を添加することが好ましい。赤外
半導体レーザー用には750nm〜1500nmの範囲
で、露光波長において少なくとも0.3以上、好ましく
は0.8以上の吸収となるように染料を添加することが
好ましい。染料は、1種でも数種を組み合わせても良
い。該染料は、感光層と同じ側の支持体に近い染料層あ
るいは、感光層と反対側の染料層に添加することができ
る。
【0163】本発明の熱現像感光材料は、いかなる方法
で現像されても良いが、本発明においては、イメージワ
イズに露光した熱現像感光材料を昇温し、温度として8
0〜250℃で熱現像処理を行うことが1つの特徴であ
り、好ましくは100〜140℃である。現像時間とし
ては1〜180秒が好ましく、10〜90秒が更に好ま
しい。
【0164】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0165】実施例1 (下引済みPET支持体の作製)市販の2軸延伸熱固定
済みの厚さ100μmのPETフィルムの両面に8w/
2・分のコロナ放電処理を施し、一方の面に下記下引
塗布液a−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設、
乾燥させて下引層A−1とし、反対側の面には下記帯電
防止加工用の下引塗布液b−1を乾燥膜厚0.8μmに
なるように塗設、乾燥させて帯電防止加工下引層B−1
とした。
【0166】 《下引塗布液a−1》 ブチルアクリレート(30質量%)、t−ブチルアクリレート(20質量%) 、スチレン(25質量%)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(25質量 %)の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g (C−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g ポリスチレン微粒子(平均粒径3μm) 0.05g コロイダルシリカ(平均粒径90μm) 0.1g 水で1リットルに仕上げる。
【0167】 《下引塗布液b−1》 SnO2/Sb(質量比9/1、平均粒径0.18μm) 200mg/m2になる量 ブチルアクリレート(30質量%)、スチレン(20質量%)、グリシジルア クリレート(40質量%)、の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g (C−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1リットルに仕上げる。
【0168】引き続き、下引層A−1及び下引層B−1
の上表面に、8w/m2・分のコロナ放電を施し、下引
層A−1の上には、下記下引上層塗布液a−2を乾燥膜
厚0.1μmになる様に塗設して下引上層A−2とし
て、下引層B−1の上には下記下引上層塗布液b−2を
乾燥膜厚0.8μmになる様に帯電防止機能をもつ下引
上層B−2として塗設した。
【0169】 《下引上層塗布液a−2》 ゼラチン 0.4g/m2になる重量 (C−1) 0.2g (C−2) 0.2g (C−3) 0.1g シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g 水で1リットルに仕上げる。
【0170】 《下引上層塗布液b−2》 (C−4) 60g (C−5)を成分とするラテックス液(固形分20%) 80g 硫酸アンモニウム 0.5g (C−6) 12g ポリエチレングリコール(重さ平均分子量600) 6g 水で1リットルに仕上げる。
【0171】
【化60】
【0172】
【化61】
【0173】(支持体の熱処理)上記下引済み支持体の
下引乾燥工程において、支持体を140℃で加熱し、そ
の後徐々に冷却した。
【0174】(ハロゲン化銀乳剤Aの調製)水900m
l中にイナートゼラチン7.5g及び臭化カリウム10
mgを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた
後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(60/3
8/2)のモル比の塩化ナトリウムと臭化カリウムと沃
化カリウム及び〔Ir(NO)Cl5〕塩を銀1モル当
たり1×10-6モル、塩化ロジウム塩を銀1モル当たり
1×10-6モルとを含む水溶液370mlを、pAg
7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で
添加した。その後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラザインデンを添加し、NaOHで
pHを8、pAg6.5に調整することで還元増感を行
い、平均粒子サイズ0.06μm、単分散度10%の投
影直径面積の変動係数8%、〔100〕面比率87%の
立方体ハロゲン化銀粒子を得た。このハロゲン化乳剤に
ゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させて脱塩処理を行い
ハロゲン化銀乳剤Aを得た。
【0175】(ベヘン酸Na溶液の調製)945mlの
純水にベヘン酸32.4g、アラキジン酸9.9g、ス
テアリン酸5.6gを90℃で溶解した。次いで、高速
で攪拌しながら1.5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶
液98mlを添加した。次に濃硝酸0.93mlを加え
た後、55℃に冷却して30分攪拌させてベヘン酸Na
溶液を得た。
【0176】(ベヘン酸銀とハロゲン化銀乳剤Aのプレ
フォーム乳剤の調製)上記ベヘン酸Na溶液に前記ハロ
ゲン化銀乳剤Aを15.1g添加し、水酸化ナトリウム
溶液でpH8.1に調整した後に1モル/Lの硝酸銀溶
液147mlを7分間かけて加え、さらに20分攪拌し
限外濾過により水溶性塩類を除去した。以上のようにし
て作製したベヘン酸銀は、平均粒子サイズ0.8μm、
単分散度8%の粒子であった。上記分散物のフロックを
形成後、水を取り除き、更に6回の水洗と水の除去を行
った後乾燥させ、ベヘン酸銀とハロゲン化銀乳剤Aのプ
レフォーム乳剤を調製した。
【0177】(感光性乳剤の調製)できあがったプレフ
ォーム乳剤を2分割し、その1部にポリビニルブチラー
ル(平均分子量3000)のメチルエチルケトン溶液
(17質量%)544gとトルエン107gを徐々に添
加、混合した後に、0.5mmサイズZrO2のビーズ
ミルを用いたメディア分散機で27.5MPaで30
℃、10分間の分散を行い、感光性乳剤を調製した。
【0178】前記下引き済み支持体上に以下の各層を両
面同時塗布し、熱現像感光材料である試料1−1を作製
した。尚、乾燥は60℃、15分間で行った。
【0179】(バック面側塗布) バック面層1:支持体のB−2層の上に以下の組成の液
を塗布した。
【0180】 セルロースアセテートブチレート(10%メチルエチルケトン溶液) 15ml/m2 染料A 37mg/m2 マット剤:単分散度15%平均粒子サイズ8μm単分散シリカ 90mg/m2817(CH2CH2O)12817 50mg/m2919−C64−SO3Na 10mg/m2 (感光層面側塗布) 感光層1:支持体のA−2層の上に以下の組成の液を塗
布銀量が2.4g/m 2になる様に塗布した。
【0181】 感光性乳剤 240g 増感色素A(0.1%メタノール溶液) 1.7ml ピリジニウムプロミドペルブロミド(6%メタノール溶液) 3ml 臭化カルシウム(0.1%メタノール溶液) 1.7ml カブリ防止剤B−54(10%メタノール溶液) 1.2ml 2−(4−クロロベンゾイル)安息香酸(12%メタノール溶液) 9.2ml 2−メルカプトベンズイミダゾール(1%メタノール溶液) 11ml 比較化合物1 0.3g H−1−48 0.1g フタラジン 0.6g 4−メチルフタル酸 0.25g テトラクロロフタル酸 0.2g 平均粒径3μmの炭酸カルシウム 0.1g 1,1−(2−ヒドロキシ−3,−5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロ パン(20%メタノール溶液) 20.5ml イソシアネート化合物(モーベイ社製、Desmodur N3300) 0.5g 表面保護層1:以下の組成の液を前記感光層1の上に同
時塗布した。
【0182】 アセトン 5ml/m2 メチルエチルケトン 21ml/m2 セルロースアセテートブチレート 2.3g/m2 メタノール 7ml/m2 フタラジン 250mg/m2 1,1−(2−ヒドロキシ−3,−5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロ パン(20%メタノール溶液) 10ml/m2 マット剤:単分散度10%平均粒子サイズ4μm単分散シリカ 5mg/m2 CH2=CHSO2CH2CH2OCH2CH2SO2CH=CH2 35mg/m21225(CH2CH2O)101225 10mg/m2817−C64−SO3Na 10mg/m2
【0183】
【化62】
【0184】次いで、試料1−1の感光層1における比
較化合物1及び化合物H−1−48を表1〜4に記載の
様に変更した以外は同様にして試料1−2〜1−58を
作製した。なお、それぞれの化合物は、比較化合物1あ
るいはH−1−48と同質量添加した。
【0185】
【化63】
【0186】以上の様にして得られた試料1−1〜1−
58について、以下に示す熱現像処理及び各性能評価を
行った。
【0187】(露光及び熱現像処理)各試料を780n
mの半導体レーザーを搭載したイメージセッター機であ
るサイテックス社製Dolev 2dryを用いて30
0線の網点を用い、5%刻みで露光量を変化させるよう
に網点露光し、120℃で25秒の熱現像処理を行っ
た。その際、露光及び現像はすべて23℃、50%RH
に調温調湿した部屋で行った。
【0188】(写真性能の評価)得られた熱現像済み試
料の濃度を光学濃度計(コニカ社製:PDA−65)で
測定し、濃度D−露光量LogEの特性曲線を作製し
た。特性曲線より、最大濃度(Dmax)及び感度(D
minより1.5高い濃度を与える露光量の逆数)を求
めた。なお、感度は、試料1−1のそれを100とした
ときの相対感度で表した。また、特性曲線で濃度0.3
と3.0の点を結ぶ直線の傾き(tanθ)を階調γと
して測定した。
【0189】(黒ポツの評価)未露光の各試料につい
て、上記と同様の熱現像処理を行った後、各熱現像済み
試料を100倍のルーペを用いて目視評価を行い、下記
の5段階にランク分けした。
【0190】5:黒ポツの発生全くなし 4:黒ポツの発生が僅かにあるが実用上問題なし 3:実用上の下限レベル 2:実用上不可 1:視野中全体に黒ポツが発生し使用不可のレベル なお、3〜5ランクを実用上使用可能レベルと判定し
た。
【0191】(保存安定性の評価)25℃で相対湿度5
5%に保たれた容器中に各試料を入れた密封容器を2部
用意し、一方を50℃の条件下で7日間保存した(これ
を強制劣化処理試料という)。他方は、比較用として2
5℃の条件下で同じく7日間保存した(これを比較用試
料という)。次いで、各々の試料を前述と同様の露光及
び熱現像処理を行い、各処理済み試料の最低濃度(Dm
in)を測定し、比較用試料に対する強制劣化処理試料
のDmin上昇値を算出し、これを保存安定性の尺度と
した。
【0192】以上により得られた評価結果を表1〜4に
示す。
【0193】
【表1】
【0194】
【表2】
【0195】
【表3】
【0196】
【表4】
【0197】表1〜4より明らかなように、本発明に係
る一般式(1)〜(7)で表される化合物を使用するこ
とにより、比較試料に対し、感度、階調性は同等以上で
あり、黒ポツ耐性及び保存安定性のいずれをも大幅に改
良された熱現像感光材料を得ることができ、更には一般
式(H−1)又は(H−2)で表される化合物と併用す
ることにより、その効果は一段と高まることが確認でき
た。
【0198】実施例2 以下の方法に従い、熱現像感光材料である試料2−1を
作製した。
【0199】(ハロゲン化銀乳剤の調製)水700ml
にフタル化ゼラチン22gおよび臭化カリウム30mg
を溶解して温度40℃にてpHを5.0に合わせた後、
硝酸銀18.6gを含む水溶液159mlと臭化カリウ
ムを含む水溶液をpAg7.7に保ちながらコントロー
ルドダブルジェット法で10分かけて添加した。つい
で、K3(IrCl63を8×10-6モル/Lと臭化カ
リウムを1モル/Lそれぞれ含む水溶液をpAg7.7
に保ちながらコントロールドダブルジェット法で30分
かけて添加し、その後pH5.9、pAg8.0に調整
した。得られたハロゲン化銀粒子は、平均粒子サイズ
0.07μm、単分散度10%の投影直径面積の変動係
数8%、〔100〕面比率86%の立方体臭化銀粒子で
あった。
【0200】次いで、上記ハロゲン化銀乳剤を温度60
℃に昇温して銀1モル当たり8.5×10-5モルのチオ
硫酸ナトリウム、1.1×10-5モルの2,3,4,
5,6−ペンタフロロフェニルジフェニルスルフィンセ
レニド、3.3×10-6モルの塩化金酸、2.3×10
-3モルのチオシアン酸を添加して、120分間熟成し
た。その後、温度を50℃にして8×10-4モルの増感
色素1を攪拌しながら添加し、更に、3.5×10-2
ルの沃化カリウムを添加して30分間攪拌し、30℃に
急冷してハロゲン化銀乳剤の調製を完了した。
【0201】(有機酸銀微結晶分散物の調製)ベヘン酸
40g、ステアリン酸7.3g、蒸留水500mlを9
0℃で15分間かけて混合し、次いで激しく攪拌しなが
ら1モル/LのNaOH水溶液187mlを15分間か
けて添加し、1モル/Lの硝酸水溶液61mlを添加し
て50℃に降温した。次に、1モル/L硝酸銀水溶液1
24mlを添加して、そのまま30分間攪拌した。その
後吸引濾過で固形分を濾別し、濾液の伝導度が30μS
/cmになるまで固形分を水洗した。こうして得られた
固形分は、乾燥させないでウェットケーキとして取り扱
い、乾燥固形分34.8%相当のウェットケーキに対し
て、ポリビニルアルコール12g及び水150mlを添
加し、良く混合してスラリーとした。平均直径0.5m
mのジルコニアビーズ840gを用意してスラリーと一
緒にベッセルに入れ、分散機(1/4G−サンドグライ
ンダーミル:アイメックス社製)で5時間分散し、体積
加重平均で1.5μmの有機酸銀微結晶分散物を得た。
なお、粒子サイズの測定は、Malvern Inst
ruments Ltd.製Master Sizer
Xで行った。
【0202】(素材固体微粒子分散物の調製)テトラク
ロロフタル酸、4−メチルフタル酸、現像剤1、フタラ
ジン、トリブロモメチルスルフォニルベンゼン及び染料
Bについて、固体微粒子分散物を調製した。テトラクロ
ロフタル酸固体分散物は、テトラクロロフタル酸に対し
て、ヒドロキシプロピルセルロース0.81gと水9
4.2mlとを添加して良く攪拌して、スラリーとして
10時間放置した。その後、平均直径0.5mmのジル
コニアビーズ100mlとスラリーとを一緒にベッセル
に入れ、有機酸銀微結晶分散物の調製に用いたものと同
型の分散機で5時間分散して、テトラクロロフタル酸の
固体微粒子分散物を作製した。該固体微粒子の粒子サイ
ズは、70質量%以上が1.0μm以下であった。その
他の素材についても、所望の平均粒径を得るために適宜
分散時間を調節して、同様の方法にて各素材の固体微粒
子分散物を作製した。
【0203】
【化64】
【0204】(感光層2の塗布液調製)先に調製した有
機酸銀微結晶分散物に対して下記の各組成物を添加して
感光層2の塗布液を調製した。
【0205】 有機酸銀微結晶分散物 1モル ハロゲン化銀乳剤 0.05モル SBRラテックス* 固形分として430g テトラクロロフタル酸分散物 固形分として5g 現像剤1分散物 固形分として98g フタラジン分散物 固形分として9g トリブロモメチルスルフォニルベンゼン分散物 固形分として12g 4−メチルフタル酸分散物 固形分として7g 比較化合物1 7g H−1−48 2.4g 水 仕上がりが740mlになる量 *SBRラテックス:大日本インキ化学工業社製 商品名ラックスター330 7B。ラテックス分散粒径は平均で0.1〜0.15μm、ガラス転移温度17 ℃である。
【0206】(表面保護層2の塗布液調製)下記の各組
成物を順次添加して、表面保護層2塗布液を調製した。
【0207】 イナートゼラチン 10g 界面活性剤A 0.26g 界面活性剤B 0.09g シリカ微粒子(平均粒径2.5μm) 0.9g 1,2−(ビスビニルスルホンアセトアミド)エタン 0.3g 水 仕上がりが110mlになる量 (バック面層2の塗布液調製)スチレンブタジエン共重
合ラテックスに対して、下記の各組成物を順次添加して
バック面層2の塗布液を調製した。
【0208】 スチレン(70質量部)/ブタジエン(30質量部)共重合ラテックス 固形分として30g 染料B分散物 固形分として5g シルデックスH121(洞海化学社製真球状シリカ平均サイズ12μm) 1.8g 水 仕上がりが270mlになる量
【0209】
【化65】
【0210】実施例1で作製した下引き済みPET支持
体のA−2層の上に、上記の感光層2の塗布液を銀付き
量が1.6g/m2になるように、さらにその上に表面
保護層2の塗布液をゼラチンの付き量が1.8g/m2
になるよう塗布を行い、乾燥した。また支持体の裏面で
あるB−2層の上に、上記バック面層2の塗布液を78
0nmにおける光学濃度が1.1になるように塗布、乾
燥して、熱現像感光材料である試料2−1を作製した。
【0211】次いで、試料2−1の感光層2における比
較化合物1及び化合物H−1−48を表5〜6に記載の
様に変更した以外は同様にして試料2−2〜2−35を
作製した。なお、それぞれの化合物は、比較化合物1あ
るいはH−1−48と同質量添加した。
【0212】上記作製した試料2−1〜2−35につい
て、実施例1と同様の熱現像処理、写真性能評価、黒ポ
ツ評価及び保存安定性評価を行った。なお、写真性能評
価における感度は、試料2−1の感度を100とした相
対感度で表示した。
【0213】以上により得られた結果を表5〜6に示
す。
【0214】
【表5】
【0215】
【表6】
【0216】表5〜6より明らかなように、実施例1と
同様、本発明に係る一般式(1)〜(7)で表される化
合物を用いることにより、比較試料に対し、高感度、高
Dmax、硬調な階調を有すると共に、かつ黒ポツ耐
性、保存安定性のいずれをも満足した熱現像感光材料を
得ることができ、更には一般式(H−1)又は(H−
2)で表される化合物を併用することにより、その効果
は一段と高まることが確認できた。
【0217】
【発明の効果】本発明により、高感度、高Dmax及び
硬調な階調を有し、さらには黒ポツ耐性、保存安定性に
優れた熱現像感光材料および画像形成方法を提供するこ
とができた。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H023 CC02 CD15 2H123 AB00 AB03 AB23 AB28 BB00 BB31 CA00 CA16 CA22 CB00 CB03

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される化合物の少
    なくとも1種を含有することを特徴とする写真感光材
    料。 【化1】 〔式中、R11、R12及びR13は各々水素原子又は一価の
    置換基を表し、X11は電子供与性のヘテロ環基、シクロ
    アルキルオキシ基、シクロアルキルチオ基、シクロアル
    キルアミノ基又はシクロアルケニル基を表す。〕
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)におけるR11が電子吸
    引性基であることを特徴とする請求項1に記載の写真感
    光材料。
  3. 【請求項3】 前記一般式(1)におけるR11で表され
    る電子吸引性基が、シアノ基であることを特徴とする請
    求項2に記載の写真感光材料。
  4. 【請求項4】 前記一般式(1)におけるR12及びR13
    のいずれか一方が水素原子であり、他方が電子供与性基
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の写真感光材料。
  5. 【請求項5】 下記一般式(2)で表される化合物の少
    なくとも1種を含有することを特徴とする写真感光材
    料。 【化2】 〔式中、R21はアルキル基を表し、R22及びR23は各々
    水素原子又は一価の置換基を表し、X21は電子吸引性基
    を表し、L21は芳香族炭素環基を表し、n2は0又は1
    を表す。〕
  6. 【請求項6】 前記一般式(2)におけるX21がシアノ
    基であることを特徴とする請求項5に記載の写真感光材
    料。
  7. 【請求項7】 前記一般式(2)におけるR22及びR23
    のいずれか一方が水素原子であり、他方が電子供与性基
    であることを特徴とする請求項5又は6に記載の写真感
    光材料。
  8. 【請求項8】 下記一般式(3)で表される化合物の少
    なくとも1種を含有することを特徴とする写真感光材
    料。 【化3】 〔式中、X31は電子吸引性のヘテロ環基、ハロゲン原子
    又はハロアルキル基を表し、R31又はR32のいずれか一
    方が水素原子であり、他方がヒドロキシル基を表す。〕
  9. 【請求項9】 下記一般式(4)で表される化合物の少
    なくとも1種を含有することを特徴とする写真感光材
    料。 【化4】 〔式中、R41、R42、R43、R44、A41及びA42は各々
    水素原子又は一価の置換基を表し、G41は二価の連結基
    を表す。n4は0又は1を表す。〕
  10. 【請求項10】 前記一般式(4)におけるR41、R42
    及びR43が各々置換又は無置換のフェニル基であること
    を特徴とする請求項9に記載の写真感光材料。
  11. 【請求項11】 下記一般式(5)で表される化合物の
    少なくとも1種を含有することを特徴とする写真感光材
    料。 【化5】 〔式中、R51、R52及びR53は各々一価の置換基を表
    す。〕
  12. 【請求項12】 下記一般式(6)で表される化合物の
    少なくとも1種を含有することを特徴とする写真感光材
    料。 【化6】 〔式中、Q61は芳香族炭素環又は芳香族ヘテロ環を形成
    する原子団を表し、n6は1〜6の整数を表す。〕
  13. 【請求項13】 前記一般式(6)で表される化合物
    が、下記一般式(7)で表される化合物であることを特
    徴とする請求項12に記載の写真感光材料。 【化7】 〔式中、Q71は芳香族炭素環又は芳香族ヘテロ環を形成
    する原子団を表し、R 71及びR72の少なくとも1つは電
    子吸引性基を表す。n7は1〜6の整数を表す。〕
  14. 【請求項14】 前記一般式(7)におけるR71及びR
    72の少なくとも1つがシアノ基であることを特徴とする
    請求項13に記載の写真感光材料。
  15. 【請求項15】 下記一般式(H−1)で表される化合
    物の少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項
    1〜14のいずれか1項に記載の写真感光材料。 【化8】 〔式中、R81、R82、A81及びA82は各々水素原子又は
    一価の置換基を表し、G81及びG82は各々二価の連結基
    を表し、m及びqは各々0又は1を表す。〕
  16. 【請求項16】 前記一般式(H−1)で表される化合
    物が下記一般式(H−2)で表される化合物であること
    を特徴とする請求項15に記載の写真感光材料。 【化9】 〔式中、R91、R92及びR93は各々独立に置換もしくは
    無置換の芳香族炭素環基又は芳香族ヘテロ環基を表す。
    94はヘテロ環オキシ基、ヘテロ環チオ基を表す。A91
    及びA92は共に水素原子をとるかあるいは一方が水素原
    子で他方がアルキルスルホニル基、オキザリル基又はア
    シル基を表す。〕
  17. 【請求項17】 下記一般式(B)で表される化合物の
    少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜
    16のいずれか1項に記載の写真感光材料。 【化10】 〔式中、Qは脂肪族炭化水素基、芳香族炭素環基又はヘ
    テロ環基を表す。X1及びX2は各々ハロゲン原子を表
    し、Yはカルボニル基又はスルホニル基を表し、Aは水
    素原子、ハロゲン原子又は電子吸引性基を表し、nは0
    又は1を表す。〕
  18. 【請求項18】 請求項1〜17のいずれか1項に記載
    の写真感光材料が、有機銀塩、感光性ハロゲン化銀及び
    還元剤を含有する熱現像感光材料であることを特徴とす
    る写真感光材料。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載の熱現像感光材料に
    画像様に露光を与え、次いで80〜250℃で熱現像す
    ることを特徴とする熱現像感光材料の画像形成方法。
  20. 【請求項20】 画像様に露光を与える手段がレーザー
    光源であることを特徴とする請求項19に記載の熱現像
    感光材料の画像形成方法。
  21. 【請求項21】 前記レーザー光源の波長が700〜1
    000nmであることを特徴とする請求項20に記載の
    熱現像感光材料の画像形成方法。
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