JP2000292887A - 熱現像画像記録材料 - Google Patents

熱現像画像記録材料

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JP2000292887A
JP2000292887A JP11101165A JP10116599A JP2000292887A JP 2000292887 A JP2000292887 A JP 2000292887A JP 11101165 A JP11101165 A JP 11101165A JP 10116599 A JP10116599 A JP 10116599A JP 2000292887 A JP2000292887 A JP 2000292887A
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JP11101165A
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English (en)
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Hiroyuki Suzuki
博幸 鈴木
Kozaburo Yamada
耕三郎 山田
Toshihide Ezoe
利秀 江副
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 少量の添加量でもカブリが低く、感度および
Dmaxが高く、かつ硬調性、および現像温度依存性に
優れた熱現像画像記録材料を提供し、また画質がよく湿
式処理が必要ない完全ドライ処理の印刷製版用記録材
料、特に熱現像画像記録材料を提供する。 【解決手段】 有機銀塩、還元剤および下記一般式
(1)、(2)もしくは(3)で表される化合物から誘
導される構造部を有するポリマーを含有することを特徴
とする熱現像画像記録材料。 [一般式(1)、(2)、(3)においてR1、R2、R
3及びX、Yは、水素原子または置換基を、Zは電子吸
引性基を、R4は、置換基を、A、Bはアルコキシ基、
アルキルチオ基などを表す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱現像画像記録材料
に関し、特に印刷製版用に適している熱現像画像記録材
料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱現像処理法を用いて写真画像を形成す
る熱現像感光材料は、例えば米国特許第3152904
号、3457075号、およびD.モーガン(Morgan)
とB.シェリー(Shely)による「熱によって処理され
る銀システム(Thermally Processed Silver System
s)」(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテ
リアルズ(Imaging Processes and Materials)Neblett
e第8版、スタージ(Sturge)、V.ウォールワース(W
alworth)、A.シェップ(Shepp)編集、第2頁、19
69年に開示されている。このような熱現像感光材料
は、還元可能な銀源(例えば有機銀塩)、触媒活性量の
光触媒(例えばハロゲン化銀)、銀の色調を制御する色
調材および還元剤を通常バインダーマトリックス中に分
散した状態で含有している。熱現像感光材料は常温で安
定であるが、露光後高温(例えば、80℃以上)に加熱
した場合に還元可能な銀源(酸化剤として機能する)と
還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。こ
の酸化還元反応は露光で発生した潜像の触媒作用によっ
て促進される。露光領域中の有機銀塩の反応によって生
成した銀は黒色画像を提供し、これは非露光領域と対照
をなし、画像の形成がなされる。
【0003】しかし、現状ではこのような熱現像感光材
料は、マイクロ感光材料や、医療感光材料として使用さ
れることが多く、印刷感光材料としてはごく一部で使わ
れているのみである。それは、得られる画像のDmax
(最高濃度)が低く、階調が軟調なために、印刷用感光
材料としては画質が著しく悪いからであった。一方、近
年レーザーや発光ダイオードの発達により、600〜8
00nmに発振波長を有するスキャナーやイメージセッ
ターが広く普及し、これらの出力機に適性を有する、感
度、Dmaxが高く、かつ硬調な感光材料の開発が強く
望まれていた。また、近年印刷分野において環境保全、
省スペースの観点から処理廃液の減量が強く望まれてい
る。そこで、レーザー・イメージセッターにより効率的
に露光させることができ、高解像度及び鮮明さを有する
鮮明な黒色画像を形成することができる印刷用途の光感
光性熱現像写真材料に関する技術が必要とされている。
これら光感光性熱現像写真材料では、溶液系処理化学薬
品の使用をなくし、より簡単で環境を損なわない熱現像
処理システムを顧客に対して供給することができる。
【0004】ところで、米国特許第3667958号に
は、ポリヒドロキシベンゼン類とヒドロキシルアミン
類、レダクトン類又はヒドラジン類を併用した熱現像感
光材料が高い画質識別性と解像力を有することが記載さ
れているが、この還元剤の組み合わせはカブリの上昇を
引き起こしやすい事が判った。また、Dmaxが高く、
階調が硬調である熱現像画像記録材料を得る方法とし
て、米国特許第5496695号に記載されているヒド
ラジン誘導体を感光材料に添加する方法がある。これに
より、高Dmax、超硬調な熱現像画像記録材料を得る
ことができるが、感度、硬調性、Dmax、Dmin
(カブリ濃度)、化合物の保存性などすべてに満足しう
るレベルには達していないことが判った。また、欧州特
許第762196A1号に記載されているヒドラジン誘
導体を使用することで、硬調性や化合物の保存性に改善
は見られたものの、やはり未だ満足のいくレベルには達
していないことが判った。さらに米国特許第5,54
5,515号または米国特許第5,635,339号に
は、アクリロニトリル類をco-developer(補助現像剤)
として用いる例が示されているが、ここで用いられた化
合物では、十分満足な硬調性が得られず、カブリの上昇
が見られ、また現像温度依存性の大きいことが判った。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの従
来技術の問題点を解決することを課題とした。即ち、本
発明は、少量の添加量でもカブリが低く、感度およびD
maxが高く、かつ硬調性、および現像温度依存性に優
れた熱現像画像記録材料を提供すること、また画質がよ
く湿式処理が必要ない完全ドライ処理の印刷製版用記録
材料、特に熱現像画像記録材料を提供することを解決す
べき課題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、熱現像画像記録
材料において本明細書に記載した一般式(1)、(2)
もしくは(3)で表される化合物から誘導される構造部
を有するポリマーを使用することによって、所望の効果
を奏する優れた熱現像画像記録材料を提供しうることを
見出し、本発明を提供するに至った。即ち、本発明は、
少なくとも一層の画像形成層を有する熱現像画像記録材
料において、有機銀塩、還元剤および下記一般式
(1)、(2)もしくは(3)で表される化合物から誘
導される構造部を有するポリマーを含有することを特徴
とする熱現像画像記録材料を提供するものである。
【化3】 [一般式(1)においてR1、R2、R3は、それぞれ独
立に水素原子または置換基を表し、Zは電子吸引性基を
表す。一般式(1)においてR1とZ、R2とR3、R1
2、或いはR3とZは、互いに結合して環状構造を形成
していてもよい。一般式(2)においてR4は、置換基
を表す。一般式(3)においてX、Yはそれぞれ独立に
水素原子または置換基を表し、A、Bはそれぞれ独立
に、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ
基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アニリノ基、
ヘテロ環オキシ基、ヘテロ環チオ基、またはヘテロ環ア
ミノ基を表す。一般式(3)においてXとY、あるいは
AとBは、互いに結合して環状構造を形成していてもよ
い。]
【0007】本発明の熱現像画像記録材料は好ましく
は、更に下記一般式(A)で表されるヒドラジン誘導体
を含有する。
【化4】 [一般式(A)において、R20は脂肪族基、芳香族基、
またはヘテロ環基を表し、R10は水素原子またはブロッ
ク基を表し、G1は−CO−、−COCO−、−C=S
−、−SO2−、−SO−、−PO(R30)−基(R30
はR10に定義した基と同じ範囲内より選ばれ、R10と異
なっていてもよい。)、またはイミノメチレン基を表
す。A1、A2はともに水素原子、あるいは一方が水素原
子で他方が置換もしくは無置換のアルキルスルホニル
基、または置換もしくは無置換のアリールスルホニル
基、または置換もしくは無置換のアシル基を表す。m1
は0または1であり、m1が0の時、R10は脂肪族基、
芳香族基、またはヘテロ環基を表す。] 本発明の熱現像画像記録材料は好ましくは、感光性ハロ
ゲン化銀を含有する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の実施態様
および実施方法について詳細に説明する。本発明の熱現
像画像記録材料は、少なくとも一層の画像形成層を有す
るものであり、有機銀塩と還元剤とを含有し、好ましく
は更に感光性ハロゲン化銀を含む熱現像感光材料であ
る。このような熱現像画像記録材料において、一般式
(1)、(2)もしくは(3)で表される化合物から誘
導される構造部を有するポリマーを少なくとも一種含有
させることによって、低カブリで、かつ高Dmax、高
感度であり、硬調性に優れたものが得られる。そしてこ
のような効果は、一般式(A)で表されるヒドラジン誘
導体を含有させることによってさらに向上する。
【0009】次に一般式(1)で表される化合物につい
て詳しく説明する。一般式(1)においてR1、R2、R
3は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Z
は電子吸引性基を表す。一般式(1)においてR1
Z、R2とR3、R1とR2、或いはR3とZは、互いに結
合して環状構造を形成していてもよい。R1、R2、R3
が置換基を表す時、置換基の例としては、例えばハロゲ
ン原子(フッ素原子、クロル原子、臭素原子、または沃
素原子)、アルキル基(アラルキル基、シクロアルキル
基、活性メチン基等を含む)、アルケニル基、アルキニ
ル基、アリール基、ヘテロ環基(N−置換の含窒素ヘテ
ロ環基を含む)、4級化された窒素原子を含むヘテロ環
基(例えばピリジニオ基)、アシル基、アルコキシカル
ボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル
基、カルボキシ基またはその塩、イミノ基、N原子で置
換したイミノ基、チオカルボニル基、スルホニルカルバ
モイル基、アシルカルバモイル基、スルファモイルカル
バモイル基、カルバゾイル基、オキサリル基、オキサモ
イル基、シアノ基、チオカルバモイル基、ヒドロキシ基
(またはその塩)、アルコキシ基(エチレンオキシ基も
しくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含
む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオ
キシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボ
ニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキ
シ基、アミノ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ
環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウ
レイド基、チオウレイド基、イソチオウレイド基、イミ
ド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニ
ルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド
基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、4級のアン
モニオ基、オキサモイルアミノ基、(アルキルもしくは
アリール)スルホニルウレイド基、アシルウレイド基、
アシルスルファモイルアミノ基、ニトロ基、メルカプト
基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)チオ基、
アシルチオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル
基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スル
ホ基またはその塩、スルファモイル基、アシルスルファ
モイル基、スルホニルスルファモイル基またはその塩、
ホスホリル基、リン酸アミドもしくはリン酸エステル構
造を含む基、シリル基、スタニル基等が挙げられる。こ
れら置換基は、これら置換基でさらに置換されていても
よい。
【0010】一般式(1)においてZで表される電子吸
引性基とは、ハメットの置換基定数σpが正の値を取り
うる置換基のことであり、具体的には、シアノ基、アル
コキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カ
ルバモイル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、
チオカルボニル基、スルファモイル基、アルキルスルホ
ニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、ハロゲン原
子、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルカンア
ミド基、スルホンアミド基、アシル基、ホルミル基、ホ
スホリル基、カルボキシ基、スルホ基(またはその
塩)、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、アシ
ルオキシ基、アシルチオ基、スルホニルオキシ基、また
はこれら電子吸引性基で置換されたアリール基等であ
る。ここにヘテロ環基とは、芳香族もしくは非芳香族
の、飽和もしくは不飽和のヘテロ環基で、例えばピリジ
ル基、キノリル基、キノキサリニル基、ピラジニル基、
ベンゾトリアゾリル基、イミダゾリル基、ベンツイミダ
ゾリル基、ヒダントイン−1−イル基、ウラゾール−1
−イル基、スクシンイミド基、フタルイミド基等がその
例として挙げられる。
【0011】一般式(1)においてZで表される電子吸
引性基は、さらに置換基を有していてもよく、その置換
基としては、一般式(1)のR1、R2、R3が置換基を
表す時に有していてもよい置換基と同じものが挙げられ
る。一般式(1)においてR1とZ、R2とR3、R1
2、或いはR3とZは、互いに結合して環状構造を形成
していてもよいが、この時形成される環状構造とは、非
芳香族の炭素環もしくは非芳香族のヘテロ環である。
【0012】次に一般式(1)で表される化合物の好ま
しい範囲について述べる。一般式(1)においてZで表
される電子吸引性基として好ましくは、総炭素数0から
30の以下の基、即ち、シアノ基、アルコキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、
チオカルボニル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ
基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリー
ルスルホニル基、ニトロ基、パーフルオロアルキル基、
アシル基、ホルミル基、ホスホリル基、アシルオキシ
基、アシルチオ基、または任意の電子吸引性基で置換さ
れたフェニル基等であり、さらに好ましくは、シアノ
基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカ
ルボニル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、ス
ルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスル
ホニル基、アシル基、ホルミル基、ホスホリル基、トリ
フルオロメチル基、または任意の電子吸引性基で置換さ
れたフェニル基等であり、特に好ましくはシアノ基、ア
ルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミノ基、N
原子で置換したイミノ基、アルキルスルホニル基、アリ
ールスルホニル基、アシル基、またはホルミル基であ
る。
【0013】一般式(1)においてR1で表される置換
基として好ましくは、総炭素数0から30の基で、具体
的には上述の一般式(1)のZで表される電子吸引性基
と同義の基、およびアルキル基、アルケニル基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキ
ルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ
基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環ア
ミノ基、ウレイド基、アシルアミノ基、シリル基、また
は置換もしくは無置換のアリール基等が挙げられる。さ
らに一般式(1)においてR1は、好ましくは上述の一
般式(1)のZで表される電子吸引性基と同義の基、水
素原子、置換もしくは無置換のアリール基、アルケニル
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、
シリル基、またはアシルアミノ基である。一般式(1)
においてR1は、より好ましくは、電子吸引性基、アリ
ール基、アルケニル基、またはアシルアミノ基を表す時
である。
【0014】R1が電子吸引性基を表す時、好ましくは
総炭素数0〜30の以下の基、即ち、シアノ基、ニトロ
基、アシル基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、チオカルボニル基、イミ
ノ基、N原子で置換したイミノ基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、スルファ
モイル基、パーフルオロアルキル基、ホスホリル基、カ
ルボキシ基、アシルオキシ基、アシルチオ基、またはヘ
テロ環基であり、さらにシアノ基、アシル基、ホルミル
基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミノ
基、N原子で置換したイミノ基、スルファモイル基、ア
ルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシルオ
キシ基、アシルチオ基、またはヘテロ環基が好ましい。
特に好ましくはシアノ基、ホルミル基、アシル基、アル
コキシカルボニル基、カルバモイル基、アシルオキシ
基、アシルチオ基、またはヘテロ環基である。
【0015】一般式(1)においてR2およびR3で表さ
れる置換基として好ましくは、具体的に、上述の一般式
(1)のZで表される電子吸引性基と同義の基、アルキ
ル基、ヒドロキシ基(またはその塩)、メルカプト基(ま
たはその塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテ
ロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテ
ロ環チオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ
基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、置換もしくは
無置換のフェニル基等である。一般式(1)においてR
2およびR3は、さらに好ましくは、どちらか一方が水素
原子で、他方が置換基を表す時である。その置換基とし
て好ましくは、アルキル基、ヒドロキシ基(またはその
塩)、メルカプト基(またはその塩)、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、
アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ基、アルキル
アミノ基、アニリノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミ
ノ基(特にパーフルオロアルカンアミド基)、スルホンア
ミド基、置換もしくは無置換のフェニル基、またはヘテ
ロ環基等であり、さらに好ましくはヒドロキシ基(また
はその塩)、メルカプト基(またはその塩)、アルコキシ
基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ基、ま
たはヘテロ環基であり、特に好ましくはヒドロキシ基
(またはその塩)、アルコキシ基、またはヘテロ環基であ
る。
【0016】一般式(1)においてZとR1、或いはま
たR2とR3とが環状構造を形成する場合もまた好まし
い。この場合に形成される環状構造は、非芳香族の炭素
環もしくは非芳香族のヘテロ環であり、好ましくは5員
〜7員の環状構造で、置換基を含めたその総炭素数は1
〜40、さらには3〜35が好ましい。一般式(1)で
表される化合物の中で、より好ましいものの1つは、Z
がシアノ基、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、イミノ基、またはカルバモイル基を表し、R1
が電子吸引性基を表し、R2またはR3のどちらか一方が
水素原子で、他方がヒドロキシ基(またはその塩)、メル
カプト基(またはその塩)、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチ
オ基、ヘテロ環チオ基、アミノ基、またはヘテロ環基を
表す化合物である。
【0017】さらにまた一般式(1)で表される化合物
の中でより好ましいものの1つは、ZとR1とが連結し
て非芳香族の5員〜7員の環状構造を形成していて、R
2またはR3のどちらか一方が水素原子で、他方がヒドロ
キシ基(またはその塩)、メルカプト基(またはその塩)、
アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、
アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、ア
ミノ基、またはヘテロ環基を表す化合物である。ここで
ZとR1とが形成する非芳香族の5員〜7員の環状構造
とは具体的に、インダン−1,3−ジオン環、ピロリジ
ン−2,4−ジオン環、ピラゾリジン−3,5−ジオン
環、オキサゾリジン−2,4−ジオン環、5−ピラゾロ
ン環、イミダゾリジン−2,4−ジオン環、チアゾリジ
ン−2,4−ジオン環、オキソラン−2,4−ジオン
環、チオラン−2,4−ジオン環、1,3―ジオキサン
−4,6−ジオン環、シクロヘキサン−1,3−ジオン
環、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−2,4−
ジオン環、シクロペンタン−1,3−ジオン環、イソオ
キサゾリジン−3,5−ジオン環、バルビツール酸環、
2,3−ジヒドロベンゾフラン−3−オン環、ピラゾロ
トリアゾール環(例えば7H−ピラゾロ[1,5−b]
[1,2,4]トリアゾール、7H−ピラゾロ[5,1
−c][1,2,4]トリアゾール、7H−ピラゾロ
[1,5−a]ベンズイミダゾール等)、ピロロトリア
ゾール環(例えば5H−ピロロ[1,2−b][1,
2,4]トリアゾール、5H−ピロロ[2,1−c]
[1,2,4]トリアゾール等)、2−シクロペンテン
−1,4−ジオン環、2,3−ジヒドロベンゾチオフェ
ン−3−オン−1,1−ジオキシド環、クロマン−2,
4−ジオン環、2−オキサゾリン−5―オン環、2−イ
ミダゾリン−5−オン環、2−チアゾリン−5−オン
環、1−ピロリン−4−オン環、5−オキソチアゾリジ
ン−2−オン環、4−オキソチアゾリジン−2−オン
環、1,3−ジチオラン環、チアゾリジン環、1,3−
ジチエタン環、1,3−ジオキソラン環等が挙げられ、
中でもインダン−1,3−ジオン環、ピロリジン−2,
4−ジオン環、ピラゾリジン−3,5−ジオン環、5−
ピラゾロン環、バルビツール酸環、2−オキサゾリン−
5―オン環等が好ましい。
【0018】次に一般式(2)で表される化合物につい
て詳しく説明する。一般式(2)においてR4は置換基
を表す。R4で表される置換基の例としては、一般式
(1)のR1〜R3の置換基について説明したものと同じ
ものが挙げられる。一般式(2)においてR4で表され
る置換基は、好ましくは電子吸引性基またはアリール基
である。R4が電子吸引性基を表す時、好ましくは、総
炭素数0〜30の以下の基、即ち、シアノ基、ニトロ
基、アシル基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、
アリールスルホニル基、カルバモイル基、スルファモイ
ル基、パーフルオロアルキル基、ホスホリル基、イミノ
基、スルホンアミド基、またはヘテロ環基であり、さら
にシアノ基、アシル基、ホルミル基、アルコキシカルボ
ニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキル
スルホニル基、アリールスルホニル基、スルホンアミド
基、ヘテロ環基が好ましい。R4がアリール基を表す
時、好ましくは総炭素数0〜30の、置換もしくは無置
換のフェニル基であり、置換基としては、一般式(1)
のR1、R2、R3が置換基を表す時にその置換基として
説明したものと同じものが挙げられるが、電子吸引性基
が好ましい。
【0019】次に一般式(3)で表される化合物につい
て詳しく説明する。一般式(3)においてX、Yはそれ
ぞれ独立に水素原子または置換基を表し、A、Bはそれ
ぞれ独立に、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキル
アミノ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アニリ
ノ基、ヘテロ環チオ基、ヘテロ環オキシ基、またはヘテ
ロ環アミノ基を表す。XとY、あるいはAとBは、互い
に結合して環状構造を形成していてもよい。一般式
(3)においてX、Yで表される置換基としては、一般
式(1)のR1〜R3の置換基について説明したものと同
じものが挙げられる。具体的には、アルキル基(パーフ
ルオロアルキル基、トリクロロメチル基等を含む)、ア
リール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、ニト
ロ基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、ホルミ
ル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボ
ニル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、カルバ
モイル基、チオカルボニル基、アシルオキシ基、アシル
チオ基、アシルアミノ基、アルキルスルホニル基、アリ
ールスルホニル基、スルファモイル基、ホスホリル基、
カルボキシ基(またはその塩)、スルホ基(またはその
塩)、ヒドロキシ基(またはその塩)、メルカプト基
(またはその塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、
ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
ヘテロ環チオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アニリ
ノ基、ヘテロ環アミノ基、シリル基等が挙げられる。
【0020】これらの基はさらに置換基を有していても
よい。またXとYは、互いに結合して環状構造を形成し
ていてもよく、この場合に形成される環状構造として
は、非芳香族の炭素環でも、非芳香族のヘテロ環であっ
てもよい。一般式(3)においてX、Yで表される置換
基は、好ましくは総炭素数1から40の、より好ましく
は総炭素数1から30の基であり、シアノ基、アルコキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバ
モイル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、チオ
カルボニル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基、ニトロ基、パーフルオロア
ルキル基、アシル基、ホルミル基、ホスホリル基、アシ
ルアミノ基、アシルオキシ基、アシルチオ基、ヘテロ環
基、アルキルチオ基、アルコキシ基、またはアリール基
等が好ましい。
【0021】一般式(3)においてX、Yは、より好ま
しくはシアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、
カルバモイル基、アシル基、ホルミル基、アシルチオ
基、アシルアミノ基、チオカルボニル基、スルファモイ
ル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、
イミノ基、N原子で置換したイミノ基、ホスホリル基、
トリフルオロメチル基、ヘテロ環基、または置換された
フェニル基等であり、特に好ましくはシアノ基、アルコ
キシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニ
ル基、アリールスルホニル基、アシル基、アシルチオ
基、アシルアミノ基、チオカルボニル基、ホルミル基、
イミノ基、N原子で置換したイミノ基、ヘテロ環基、ま
たは任意の電子吸引性基で置換されたフェニル基等であ
る。
【0022】XとYが、互いに結合して非芳香族の炭素
環、または非芳香族のヘテロ環を形成している場合もま
た好ましい。この時、形成される環は5員〜7員環が好
ましく、具体的には一般式(1)のZとR1とが互いに
結合して形成しうる非芳香族の5員〜7員環の例と同じ
ものが挙げられ、その好ましい範囲もまた同じである。
これらの環はさらに置換基を有していても良く、その総
炭素数は1〜40、さらには3〜35が好ましい。一般
式(3)においてA、Bはそれぞれ独立に、アルコキシ
基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アリールオキ
シ基、アリールチオ基、アニリノ基、ヘテロ環チオ基、
ヘテロ環オキシ基、またはヘテロ環アミノ基を表し、こ
れらは互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
一般式(3)においてA、Bで表される基は、さらに置
換基を有していてもよく、好ましくは総炭素数1から4
0の、より好ましくは総炭素数1から30の基である。
一般式(3)においてA、Bは、これらが互いに結合し
て環状構造を形成している場合がより好ましい。この時
形成される環状構造は5員〜7員環の非芳香族のヘテロ
環が好ましく、その総炭素数は1〜40、さらには3〜
30が好ましい。この場合に、A、Bが連結した例(−
A−B−)を挙げれば、例えば−O−(CH22−O
−、−O−(CH23−O−、−S−(CH22−S
−、−S−(CH23−S−、−S−Ph−S−、−N
(CH3)−(CH22−O−、−O−(CH23−S
−、−N(CH3)−Ph−S−、−N(ph)−(C
22−S−等である。
【0023】次に一般式(1)、(2)、(3)で表さ
れる化合物から誘導される構造部の具体例を以下に示
す。但し本発明はこれらに限定されるものではない。
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】
【化10】
【0030】
【化11】
【0031】
【化12】
【0032】
【化13】
【0033】
【化14】
【0034】
【化15】
【0035】本発明に用いる一般式(1)〜(3)で表
される化合物から誘導される構造部を有するポリマー
は、(メタ)アクリル酸系ポリマー単位を含有するもの
が好ましい。(メタ)アクリル酸系ポリマーとしては、
例えば(メタ)アクリル酸のコポリマー、(メタ)アク
リル酸エステルのホモポリマー、(メタ)アクリル酸エ
ステルのコポリマーなどが挙げられる。具体的にはアル
キルアクリレートのホモポリマー、アルキルアクリレー
トとアルキルメタクリレートを互いに重合させたもの、
アルキルメタクリレートのホモポリマー、アルキルアク
リレート、アルキルメタアクリレート、アクリレート、
メタクリレートと他のエチレン様不飽和重合性化合物で
1個または1個以上の−CH=C<を有するもの、好ま
しくは1個または1個以上のCH2=C<を有するもの
とを重合させたものなどの水不溶性付加重合体を挙げる
ことができる。上記の(メタ)アクリル酸系ポリマーの
具体例としては、例えばアクリレートと塩化ビニリデン
とのコポリマー、メタアクリレートと塩化ビニリデンと
のコポリマー、アクリレートとビニルエステルとのコポ
リマー、メタアクリレートとビニルエステルとのコポリ
マーのうちから選ばれる少なくとも1種類の化合物と、
アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸から選ばれる
少なくとも1種類の化合物とのコポリマーなどが挙げら
れ、これらコポリマーが好ましい。アクリレート、メタ
アクリレートの具体例としては、例えばエチルアクリレ
ート、n−ブチルアクリレート、n−オクチルアクリレ
ート、n−ドデシルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、n−ブチルメタアクリレート、n−オクチルメタア
クリレート、n−ドデシルメタアクリレートなどが挙げ
られる。ビニルエステルの具体例としては、例えば酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸
ビニルなどが挙げられる。コポリマーの分子量は500
〜500000ぐらいが実用上好ましい。このようなホ
モポリマーまたはコポリマーの具体例を以下P−1〜P
−12に示すが、これらホモポリマーまたはコポリマー
に限定されるものではない。
【0036】
【化16】
【0037】
【化17】
【0038】なお、上記P−1〜P−12において、
x、y、zはそれぞれの単量体成分のモル%を、または
Mは平均分子量(本明細書中、平均分子量とは数平均分
子量を指す)を表す。一般に、(メタ)アクリレート酸
系ポリマーとしては、少なくとも65%、好ましくは7
5〜95重量%のアルキルアクリレート、アルキルメタ
アクリレート(例えばエチルアクリレート、メチルアク
リレート、ブチルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、オクチルメタアクリレートなど)を有するポリマー
を用いることが望ましい。以下に本発明で用いるポリマ
ー化合物の具体例を示す。ただし、本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0039】
【表1】
【0040】本発明で使用する一般式(1)、(2)も
しくは(3)で示される構造部を有するポリマーを合成
する方法としては、一般式(1)、(2)もしくは
(3)で示される構造部の−NH2基や−OH基などと
モノマーの−COOH基あるいは−COCl基と縮合し
た後にポリマー化(重合反応)する方法、あらかじめ幹
ポリマーを合成しておき、側鎖に一般式(1)、(2)
もしくは(3)で示される構造部の−NH2基や−OH
基などを縮合させて合成する方法、あるいは一般式
(1)、(2)もしくは(3)で示される構造部の前駆
体化合物の−NH2基や−OH基などと幹ポリマーを縮
合した後に一般式(1)、(2)もしくは(3)で示さ
れる構造部へ官能基変換することにより合成する方法な
どが挙げられる。本発明で用いるポリマーは、種々の溶
液重合、塊状重合、懸濁重合などの方法で容易に合成す
ることができる。例えば、溶液重合では一般に適当な溶
剤(例えばエタノール、メタノール、水など)中で適当
な濃度のモノマーの混合物(通常、溶剤に対して40重
量%以下、好ましくは10〜25重量%の混合物)を重
合開始剤(例えば、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブ
チロニトリル、過硫酸アンモニウムなど)の存在下で適
当な温度(例えば40〜120℃、好ましくは50〜1
00℃)に加熱することにより共重合反応が行われる。
その後、生成した水溶性ポリマーを溶かさない媒質中に
反応混合物を注ぎ込み、生成物を沈降させ、ついで乾燥
することにより未反応混合物を分離除去する。本発明で
用いる水溶性ポリマーの分子量は、1000〜1000
000、好ましくは2000〜200000である。本
発明で用いるポリマーは、個々のポリマーによってその
合成法は最適なものが選ばれるため、一般的となりうる
合成法を挙げることはできないが、その中でも代表的な
ものとして、以下に示す例示化合物PN−7aの合成ル
ートを例示することができる。この合成ルートによる合
成条件の詳細は後述する製造例に具体的に記載されると
おりである。
【0041】
【化18】
【0042】本発明の熱現像画像記録材料に含まれる、
ポリマー分子内に一般式(1)、(2)もしくは(3)
で示される構造部を有する化合物の量は、固形分換算量
で記録材料の単位m2当たり0.05g〜80g添加す
るのが好ましく、特に好ましいのは0.1g〜10g添
加することである。本発明の熱現像画像記録材料は好ま
しくは更に、一般式(A)で表されるヒドラジン誘導体
を含有する。本発明に用いることができる一般式(A)
で表されるヒドラジン誘導体について詳しく説明する。
一般式(A)において、R20は脂肪族基、芳香族基、ま
たはヘテロ環基を表し、R10は水素原子またはブロック
基を表し、G1は−(C=O)−、−COCO−、−
(C=S)−、−SO2−、−SO−、−PO(R30
−基(R30はR10に定義した基と同じ範囲内より選ば
れ、R10と異なっていてもよい。)、またはイミノメチ
レン基を表す。A1、A2はともに水素原子、あるいは一
方が水素原子で他方が置換もしくは無置換のアルキルス
ルホニル基、または置換もしくは無置換のアリールスル
ホニル基、または置換もしくは無置換のアシル基を表
す。m1は0または1であり、m1が0の時、R10は脂肪
族基、芳香族基、またはヘテロ環基を表す。一般式
(A)において、R20で表される脂肪族基は好ましくは
炭素数1〜30の置換もしくは無置換の、直鎖、分岐ま
たは環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基で
ある。
【0043】一般式(A)において、R20で表される芳
香族基は単環もしくは縮合環のアリール基で、例えばベ
ンゼン環、ナフタレン環から誘導されるフェニル基、ナ
フチル基が挙げられる。R20で表されるヘテロ環基とし
ては、単環または縮合環の、飽和もしくは不飽和の、芳
香族または非芳香族のヘテロ環基で、これらの基中のヘ
テロ環としては、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、
イミダゾール環、ピラゾール環、キノリン環、イソキノ
リン環、ベンズイミダゾール環、チアゾール環、ベンゾ
チアゾール環、ピペリジン環、トリアジン環、モルホリ
ン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ベンゾ[1,3]
ジオキソール環等が挙げられる。R20として好ましいも
のはアリール基、アルキル基、または芳香族ヘテロ環基
である。R20は置換されていてもよく、代表的な置換基
としては例えばハロゲン原子(フッ素原子、クロル原
子、臭素原子、または沃素原子)、アルキル基(アラル
キル基、シクロアルキル基、活性メチン基等を含む)、
アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環
基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピ
リジニオ基)、アシル基、アルコキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボキ
シ基またはその塩、スルホニルカルバモイル基、アシル
カルバモイル基、スルファモイルカルバモイル基、カル
バゾイル基、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ
基、チオカルバモイル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基
(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を
繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環
オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリ
ールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ
基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリ
ール、またはヘテロ環)アミノ基、N−置換の含窒素ヘ
テロ環基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイ
ド基、チオウレイド基、イミド基、(アルコキシもしく
はアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイ
ルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド
基、ヒドラジノ基、4級のアンモニオ基、オキサモイル
アミノ基、(アルキルもしくはアリール)スルホニルウ
レイド基、アシルウレイド基、アシルスルファモイルア
ミノ基、ニトロ基、メルカプト基、(アルキル,アリー
ル,またはヘテロ環)チオ基、(アルキルまたはアリー
ル)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフ
ィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、
アシルスルファモイル基、スルホニルスルファモイル基
またはその塩、リン酸アミドもしくはリン酸エステル構
造を含む基、シリル基、スタニル基等が挙げられる。こ
れら置換基は、これら置換基でさらに置換されていても
よい。
【0044】R20が有していてもよい置換基として好ま
しいものは、R20が芳香族基またはヘテロ環基を表す場
合、アルキル基(活性メチレン基を含む)、アラルキル
基、ヘテロ環基、置換アミノ基、アシルアミノ基、スル
ホンアミド基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、
イミド基、チオウレイド基、リン酸アミド基、ヒドロキ
シ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ
基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、カルバモイル基、カルボキシ基(その
塩を含む)、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)
チオ基、スルホ基(その塩を含む)、スルファモイル
基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等が挙げられ
る。またR20が脂肪族基を表す場合は、アルキル基、ア
リール基、ヘテロ環基、アミノ基、アシルアミノ基、ス
ルホンアミド基、ウレイド基、スルファモイルアミノ
基、イミド基、チオウレイド基、リン酸アミド基、ヒド
ロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオ
キシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール
オキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボキシ基
(その塩を含む)、(アルキル、アリール、またはヘテ
ロ環)チオ基、スルホ基(その塩を含む)、スルファモ
イル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等が好まし
い。一般式(A)において、R10は水素原子またはブロ
ック基を表すが、ブロック基とは具体的に、脂肪族基
(具体的にはアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基)、芳香族基(単環もしくは縮合環のアリール基)、
ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、置換も
しくは無置換のアミノ基またはヒドラジノ基を表す。
【0045】R10で表されるアルキル基として好ましく
は、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基
であり、例えばメチル基、エチル基、トリフルオロメチ
ル基、ジフルオロメチル基、2−カルボキシテトラフル
オロエチル基、ピリジニオメチル基、ジフルオロメトキ
シメチル基、ジフルオロ(メチルチオ)メチル基、ジフ
ルオロカルボキシメチル基、3−ヒドロキシプロピル
基、ヒドロキシメチル基、3−メタンスルホンアミドプ
ロピル基、ベンゼンスルホンアミドメチル基、トリフル
オロアセチルメチル基、トリフルオロメタンスルホンア
ミドメチル基、ジメチルアミノメチル基、フェニルスル
ホニルメチル基、o−ヒドロキシベンジル基、メトキシ
メチル基、フェノキシメチル基、4−エチルフェノキシ
メチル基、フェニルチオメチル基、t−ブチル基、ジシ
アノメチル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチ
ル基、メトキシカルボニルジフェニルメチル基、シアノ
ジフェニルメチル基、メチルチオジフェニルメチル基な
どが挙げられる。アルケニル基として好ましくは炭素数
1から10のアルケニル基であり、例えばビニル基、2
−エトキシカルボニルビニル基、2−トリフルオロ−2
−メトキシカルボニルビニル基、2,2−ジシアノビニ
ル基、2−シアノ−2−メトキシカルボニルビニル基、
2−シアノ−2−エトキシカルボニルビニル基等が挙げ
られる。アルキニル基として好ましくは炭素数1から1
0のアルキニル基であり、例えばエチニル基、2−メト
キシカルボニルエチニル基等が挙げられる。アリール基
としては単環もしくは縮合環のアリール基が好ましく、
ベンゼン環を含むものが特に好ましい。例えばフェニル
基、パーフルオロフェニル基、3,5−ジクロロフェニ
ル基、2−メタンスルホンアミドフェニル基、2−カル
バモイルフェニル基、4,5−ジシアノフェニル基、2
−ヒドロキシメチルフェニル基、2,6−ジクロロ−4
−シアノフェニル基、2−クロロ−5−オクチルスルフ
ァモイルフェニル基などが挙げられる。
【0046】ヘテロ環基として好ましくは、少なくとも
1つの窒素、酸素、および硫黄原子を含む5〜6員の、
飽和もしくは不飽和の、単環もしくは縮合環のヘテロ環
基で、例えばモルホリノ基、ピペリジノ基(N−置
換)、イミダゾリル基、インダゾリル基(4−ニトロイ
ンダゾリル基等)、ピラゾリル基、トリアゾリル基、ベ
ンゾイミダゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピ
リジニオ基(N−メチル−3−ピリジニオ基等)、キノ
リニオ基、キノリル基、ヒダントイル基、イミダゾリジ
ニル基などがある。アルコキシ基としては炭素数1〜8
のアルコキシ基が好ましく、例えばメトキシ基、2−ヒ
ドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、t−ブトキシ
基等が挙げられる。アリールオキシ基としては置換もし
くは無置換のフェノキシ基が好ましく、アミノ基として
は無置換アミノ基、及び炭素数1〜10のアルキルアミ
ノ基、アリールアミノ基、または飽和もしくは不飽和の
ヘテロ環アミノ基(4級化された窒素原子を含む含窒素
ヘテロ環アミノ基を含む)が好ましい。置換もしくは無
置換のアミノ基の例としては、2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン−4−イルアミノ基、プロピルアミノ
基、2−ヒドロキシエチルアミノ基、アニリノ基、o−
ヒドロキシアニリノ基、5−ベンゾトリアゾリルアミノ
基、N−ベンジル−3−ピリジニオアミノ基等が挙げら
れる。ヒドラジノ基としては置換もしくは無置換のヒド
ラジノ基、または置換もしくは無置換のフェニルヒドラ
ジノ基(4−ベンゼンスルホンアミドフェニルヒドラジ
ノ基など)が特に好ましい。
【0047】R10で表される基は置換されていても良
く、その置換基の例としては、R20の置換基として例示
したものがあてはまる。一般式(A)においてR10はG
1−R10の部分を残余分子から分裂させ、−G1−R10
分の原子を含む環式構造を生成させる環化反応を生起す
るようなものであってもよく、その例としては、例えば
特開昭63−29751号などに記載のものが挙げられ
る。一般式(A)で表されるヒドラジン誘導体は、ハロ
ゲン化銀に対して吸着する吸着性の基が組み込まれてい
てもよい。かかる吸着基としては、アルキルチオ基、ア
リールチオ基、チオ尿素基、チオアミド基、メルカプト
複素環基、トリアゾール基などの米国特許第4,38
5,108号、同4,459,347号、特開昭59−
195233号、同59−200231号、同59−2
01045号、同59−201046号、同59−20
1047号、同59−201048号、同59−201
049号、特開昭61−170733号、同61−27
0744号、同62−948号、同63−234244
号、同63−234245号、同63−234246号
に記載された基があげられる。またこれらハロゲン化銀
への吸着基は、プレカーサー化されていてもよい。その
様なプレカーサーとしては、特開平2−285344号
に記載された基が挙げられる。
【0048】一般式(A)のR10またはR20はその中に
カプラー等の不動性写真用添加剤において常用されてい
るバラスト基またはポリマーが組み込まれているもので
もよい。バラスト基は8以上の炭素数を有する、写真性
に対して比較的不活性な基であり、例えばアルキル基、
アラルキル基、アルコキシ基、フェニル基、アルキルフ
ェニル基、フェノキシ基、アルキルフェノキシ基などの
中から選ぶことができる。またポリマーとしては、例え
ば特開平1−100530号に記載のものが挙げられ
る。一般式(A)のR10またはR20は、置換基としてヒ
ドラジノ基を複数個含んでいてもよく、この時一般式
(A)で表される化合物は、ヒドラジノ基に関しての多
量体を表し、具体的には例えば特開昭64−86134号、特
開平4−16938号、特開平5−197091号、WO95−32
452号、WO95−32453号、特開平9-235264
号、特開平9-235265号、特開平9-235266号、特開平9-23
5267号、特開平9-179229号等に記載された化合物が挙げ
られる。
【0049】一般式(A)のR10またはR20は、その中
にカチオン性基(具体的には、4級のアンモニオ基を含
む基、または4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ
環基等)、エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ
基の繰り返し単位を含む基、(アルキル、アリール、ま
たはヘテロ環)チオ基、あるいは塩基により解離しうる
解離性基(カルボキシ基、スルホ基、アシルスルファモ
イル基、カルバモイルスルファモイル基等)が含まれて
いてもよい。これらの基が含まれる例としては、例えば
特開平7−234471号、特開平5−333466
号、特開平6−19032号、特開平6−19031
号、特開平5−45761号、米国特許4994365
号、米国特許4988604号、特開平73−2592
40号、特開平7−5610号、特開平7−24434
8号、独特許4006032号等に記載の化合物が挙げ
られる。一般式(A)においてA1、A2は水素原子、炭
素数20以下のアルキルまたはアリールスルホニル基
(好ましくはフェニルスルホニル基、又はハメットの置
換基定数の和が−0.5以上となるように置換されたフ
ェニルスルホニル基)、炭素数20以下のアシル基(好
ましくはベンゾイル基、又はハメットの置換基定数の和
が−0.5以上となるように置換されたベンゾイル基、
あるいは直鎖、分岐、又は環状の置換もしくは無置換の
脂肪族アシル基(ここに置換基としては、例えばハロゲ
ン原子、エーテル基、スルホンアミド基、カルボンアミ
ド基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基等が挙げ
られる))である。A1、A2としては水素原子が最も好
ましい。
【0050】次に本発明で用いることができる一般式
(A)で表されるヒドラジン誘導体の好ましい範囲につ
いて述べる。一般式(A)においてR20はフェニル基、
炭素数1〜3の置換アルキル基、または芳香族ヘテロ環
基が好ましい。R20がフェニル基または芳香族ヘテロ環
基を表す時、その好ましい置換基としては、ニトロ基、
シアノ基、アルコキシ基、アルキル基、アシルアミノ
基、ウレイド基、スルホンアミド基、チオウレイド基、
カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、カ
ルボキシ基(またはその塩)、スルホ基(またはその
塩)、アルコキシカルボニル基、またはクロル原子が挙
げられる。
【0051】R20が炭素数1〜3の置換アルキル基を表
す時、R20はより好ましくは置換メチル基であり、さら
には、二置換メチル基もしくは三置換メチル基が好まし
く、その置換基としては具体的に、メチル基、フェニル
基、シアノ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ
環)チオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、クロル
原子、ヘテロ環基、アルコキシカルボニル基、アリール
オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル
基、アミノ基、アシルアミノ基、またはスルホンアミド
基が好ましく、特に置換もしくは無置換のフェニル基が
好ましい。R20が置換メチル基を表す時、より好ましい
具体例としては、t−ブチル基、ジシアノメチル基、ジ
シアノフェニルメチル基、トリフェニルメチル基(トリ
チル基)、ジフェニルメチル基、メトキシカルボニルジ
フェニルメチル基、シアノジフェニルメチル基、メチル
チオジフェニルメチル基、シクロプロピルジフェニルメ
チル基などが挙げられるが、中でもトリチル基が最も好
ましい。R20が芳香族ヘテロ環基を表す時、より好まし
くは、R20がピリジン環、キノリン環、ピリミジン環、
トリアジン環、ベンゾチアゾール環、ベンズイミダゾー
ル環、チオフェン環等を表す時である。一般式(A)に
おいてR20は、最も好ましくは置換もしくは無置換のフ
ェニル基である。
【0052】一般式(A)においてm1は1または0を
表すが、m1が0の時、R10は脂肪族基、芳香族基、ま
たはヘテロ環基を表す。m1が0の時、R10は特に好ま
しくはフェニル基、炭素数1〜3の置換アルキル基、ま
たはアルケニル基であり、これらのうちフェニル基およ
び炭素数1〜3の置換アルキル基については、その好ま
しい範囲は先に説明したR20の好ましい範囲と同じであ
る。R10がアルケニル基の時、好ましくはR10はビニル
基であり、以下の置換基、即ち、シアノ基、アシル基、
アルコキシカルボニル基、ニトロ基、トリフルオロメチ
ル基、カルバモイル基等から選ばれる置換基を、1つな
いしは2つ有するビニル基が特に好ましい。具体的に
は、2,2−ジシアノビニル基、2−シアノ−2−メト
キシカルボニルビニル基、2−アセチル−2−エトキシ
カルボニルビニル基等が挙げられる。m1は好ましくは
1である。R10で表される基のうち好ましいものは、R
20がフェニル基ないしは芳香族ヘテロ環基を表し、かつ
1が−(C=O)−基の場合には、水素原子、アルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、また
はヘテロ環基であり、さらに好ましくは水素原子、アル
キル基、アリール基であり、最も好ましくは水素原子ま
たはアルキル基である。ここでR10がアルキル基を表す
時、その置換基としてはハロゲン原子、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
ヒドロキシ基、スルホンアミド基、アミノ基、アシルア
ミノ基、カルボキシ基が特に好ましい。
【0053】R20が置換メチル基を表し、かつG1が−
(C=O)−基の場合には、R10は好ましくは水素原
子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ
基、アミノ基(無置換アミノ基、アルキルアミノ基、ア
リールアミノ基、ヘテロ環アミノ基)であり、さらに好
ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環
基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ
基、ヘテロ環アミノ基である。G1が−COCO−基の
場合には、R20に関わらず、R10はアルコキシ基、アリ
ールオキシ基、アミノ基が好ましく、特に置換アミノ
基、詳しくはアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ま
たは飽和もしくは不飽和のヘテロ環アミノ基が好まし
い。またG1が−SO2−基の場合には、R20に関わら
ず、R10はアルキル基、アリール基または置換アミノ基
が好ましい。一般式(A)においてG1は好ましくは−
CO−基または−COCO−基であり、特に好ましくは
−CO−基である。次に一般式(A)で示される化合物
の具体例を以下に示す。ただし、本発明は以下の化合物
に限定されるものではない。
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
【0061】
【表9】
【0062】本発明にヒドラジン誘導体を用いる場合
は、それは1種のみ用いても、2種以上を併用しても良
い。また上記のものの他に、下記のヒドラジン誘導体も
好ましく用いられる。(場合によっては組み合わせて用
いることもできる。)本発明に用いられるヒドラジン誘
導体はまた、下記の特許に記載された種々の方法によ
り、合成することができる。即ち、特開平10−106
72号、特開平10−161270号、特開平10−6
2898号、特開平9−304870号、特開平9−3
04872号、特開平9−304871号、特開平10
−31282号、米国特許5496695号、欧州特許
741320A号に記載のすべてのヒドラジン誘導体。
特公平6−77138号に記載の(化1)で表される化
合物で、具体的には同公報3頁、4頁に記載の化合物。
特公平6−93082号に記載の一般式(I)で表され
る化合物で、具体的には同公報8頁〜18頁に記載の1
〜38の化合物。特開平6−230497号に記載の一
般式(4)、一般式(5)および一般式(6)で表され
る化合物で、具体的には同公報25頁、26頁に記載の
化合物4−1〜化合物4−10、28頁〜36頁に記載
の化合物5−1〜5−42、および39頁、40頁に記
載の化合物6−1〜化合物6−7。特開平6−2895
20号に記載の一般式(1)および一般式(2)で表さ
れる化合物で、具体的には同公報5頁〜7頁に記載の化
合物1−1)〜1−17)および2−1)。特開平6−
313936号に記載の(化2)および(化3)で表さ
れる化合物で、具体的には同公報6頁〜19頁に記載の
化合物。特開平6−313951号に記載の(化1)で
表される化合物で、具体的には同公報3頁〜5頁に記載
の化合物。特開平7−5610号に記載の一般式(I)
で表される化合物で、具体的には同公報5頁〜10頁に
記載の化合物I−1〜I−38。特開平7−77783
号に記載の一般式(II)で表される化合物で、具体的に
は同公報10頁〜27頁に記載の化合物II−1〜II−1
02。特開平7−104426号に記載の一般式(H)
および一般式(Ha)で表される化合物で、具体的には
同公報8頁〜15頁に記載の化合物H−1〜H−44。
EP−713131A号に記載の、ヒドラジン基の近傍
にアニオン性基またはヒドラジンの水素原子と分子内水
素結合を形成するノニオン性基を有することを特徴とす
る化合物で、特に一般式(A)、一般式(B)、一般式
(C)、一般式(D)、一般式(E)、一般式(F)で
表される化合物で、具体的には同公報に記載の化合物N
−1〜N−30。EP−713131A号に記載の一般
式(1)で表される化合物で、具体的には同公報に記載
の化合物D−1〜D−55。さらに1991年3月22
日発行の「公知技術(1〜207頁)」(アズテック社刊)
の25頁から34頁に記載の種々のヒドラジン誘導体。
特開昭62−86354号(6頁〜7頁)の化合物D−
2およびD−39。
【0063】本発明で用いるヒドラジン誘導体は、水ま
たは適当な有機溶媒、例えばアルコ−ル類(メタノ−
ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、フッ素化アルコ−
ル)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセ
ルソルブなどに溶解して用いることができる。また、既
によく知られている乳化分散法によって、ジブチルフタ
レ−ト、トリクレジルフォスフェ−ト、グリセリルトリ
アセテ−トあるいはジエチルフタレ−トなどのオイル、
酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて
溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用いることがで
きる。あるいは固体分散法として知られている方法によ
って、ヒドラジン誘導体の粉末を水等の適当な溶媒中に
ボ−ルミル、コロイドミル、あるいは超音波によって分
散し用いることができる。ヒドラジン誘導体は、支持体
に対して画像形成層側の該画像形成層あるいは他のどの
層に添加してもよいが、該画像形成層あるいはそれに隣
接する層に添加することが好ましい。ヒドラジン誘導体
添加量は銀1モルに対し1×10-6〜1モルが好まし
く、1×10-5〜5×10-1モルがより好ましく、2×
10-5〜2×10-1モルが最も好ましい。
【0064】本発明の熱現像画像記録材料は、有機銀塩
を含む。本発明において還元可能な銀塩として用いるこ
とのできる有機銀塩は、光に対して比較的安定である
が、露光された光触媒(感光性ハロゲン化銀の潜像な
ど)および還元剤の存在下で、80℃あるいはそれ以上に
加熱された場合に銀画像を形成する銀塩である。有機銀
塩は銀イオンを還元できる源を含む任意の有機物質であ
ってよい。有機酸の銀塩、特に(炭素数が10〜30、好ま
しくは15〜28の)長鎖脂肪カルボン酸の銀塩が好まし
い。配位子が4.0〜10.0の範囲の錯安定度定数を有する
有機または無機銀塩の錯体も好ましい。銀供給物質は、
好ましくは画像形成層の約5〜70重量%を構成することが
できる。好ましい有機銀塩はカルボキシル基を有する有
機化合物の銀塩を含む。これらの例は、脂肪族カルボン
酸の銀塩および芳香族カルボン酸の銀塩を含むがこれら
に限定されることはない。脂肪族カルボン酸の銀塩の好
ましい例としては、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステ
アリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸
銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、マレイン酸銀、
フマル酸銀、酒石酸銀、リノール酸銀、酪酸銀および樟
脳酸銀、これらの混合物などを含む。
【0065】メルカプト基またはチオン基を含む化合物
の銀塩およびこれらの誘導体を使用することもできる。
これらの化合物の好ましい例としては、3-メルカプト-4
-フェニル-1,2,4-トリアゾールの銀塩、2-メルカプトベ
ンズイミダゾールの銀塩、2-メルカプト-5-アミノチア
ジアゾールの銀塩、2-(エチルグリコールアミド)ベン
ゾチアゾールの銀塩、S-アルキルチオグリコール酸(こ
こでアルキル基の炭素数は12〜22である)の銀塩などの
チオグリコール酸の銀塩、ジチオ酢酸の銀塩などのジチ
オカルボン酸の銀塩、チオアミドの銀塩、5-カルボキシ
ル-1-メチル-2-フェニル-4-チオピリジンの銀塩、メル
カプトトリアジンの銀塩、2-メルカプトベンズオキサゾ
ールの銀塩、米国特許第4,123,274号に記載の銀塩、例
えば3-アミノ-5-ベンジルチオ-1,2,4-チアゾールの銀塩
などの1,2,4-メルカプトチアゾール誘導体の銀塩、米国
特許第3,301,678号に記載の3-(3-カルボキシエチル)-4-
メチル-4-チアゾリン-2-チオンの銀塩などのチオン化合
物の銀塩を含む。さらに、イミノ基を含む化合物も使用
することができる。これらの化合物の好ましい例として
は、ベンゾトリアゾールの銀塩およびそれらの誘導体、
例えばメチルベンゾトリアゾール銀などのベンゾトリア
ゾールの銀塩、5-クロロベンゾトリアゾール銀などのハ
ロゲン置換ベンゾトリアゾールの銀塩、米国特許第4,22
0,709号に記載のような1,2,4-トリアゾールまたは1-H-
テトラゾールの銀塩、イミダゾールおよびイミダゾール
誘導体の銀塩などを含む。例えば、米国特許第4,761,36
1号および同第4,775,613号に記載のような種々の銀アセ
チリド化合物をも使用することもできる。
【0066】本発明に用いることができる有機銀塩の形
状としては特に制限はないが、短軸と長軸を有する針状
結晶が好ましい。本発明においては短軸0.01μm以上0.2
0μm以下、長軸0.10μm以上5.0μm以下が好ましく、短
軸0.01μm以上0.15μm以下、長軸0.10μm以上4.0μm以
下がより好ましい。有機銀塩の粒子サイズ分布は単分散
であることが好ましい。単分散とは短軸、長軸それぞれ
の長さの標準偏差を短軸、長軸それぞれで割った値の百
分率が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、
更に好ましくは50%以下である。有機銀塩の形状の測定
方法としては有機銀塩分散物の透過型電子顕微鏡像より
求めることができる。単分散性を測定する別の方法とし
て、有機銀塩の体積加重平均直径の標準偏差を求める方
法があり、体積加重平均直径で割った値の百分率(変動
係数)が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以
下、更に好ましくは50%以下である。測定方法としては
例えば液中に分散した有機銀塩にレーザー光を照射し、
その散乱光のゆらぎの時間変化に対する自己相関関数を
求めることにより得られた粒子サイズ(体積加重平均直
径)から求めることができる。
【0067】本発明に用いることのできる有機銀塩は、
好ましくは脱塩をすることができる。脱塩を行う方法と
しては特に制限はなく公知の方法を用いることができる
が、遠心濾過、吸引濾過、限外濾過、凝集法によるフロ
ック形成水洗等の公知の濾過方法を好ましく用いること
ができる。本発明では、高S/Nで、粒子サイズが小さ
く、凝集のない有機銀塩固体分散物を得る目的で、画像
形成媒体である有機銀塩を含み、かつ感光性銀塩を実質
的に含まない水分散液を高速流に変換した後、圧力降下
させる分散法を用いることが好ましい。そして、このよ
うな工程を経た後に、感光性銀塩水溶液と混合して感光
性画像形成媒体塗布液を製造する。このような塗布液を
用いて熱現像感光材料を作製するとヘイズが低く、低カ
ブリで高感度の熱現像感光材料が得られる。これに対
し、高圧、高速流に変換して分散する時に、感光性銀塩
を共存させると、カブリが上昇し、感度が著しく低下し
やすくなる。また、分散媒として水ではなく、有機溶剤
を用いると、ヘイズが高くなり、カブリが上昇し、感度
が低下しやすくなる。一方、感光性銀塩水溶液を混合す
る方法にかえて、分散液中の有機銀塩の一部を感光性銀
塩に変換するコンバージョン法を用いると感度が低下し
やすくなる。
【0068】上記において、高圧、高速化に変換して分
散される水分散液は、実質的に感光性銀塩を含まないも
のであり、その含有量は非感光性の有機銀塩に対して0.
1モル%以下であり、積極的な感光性銀塩の添加は行わな
いものである。本発明において、上記のような分散法を
実施するのに用いられる固体分散装置およびその技術に
ついては、例えば『分散系レオロジーと分散化技術』
(梶内俊夫、薄井洋基 著、1991、信山社出版(株)、
p357〜p403)、『化学工学の進歩第24集』(社団法人
化学工学会東海支部 編、1990、槙書店、p184〜p18
5)、等に詳しいが、本発明での分散法は、少なくとも
有機銀塩を含む水分散物を高圧ポンプ等で加圧して配管
内に送入した後、配管内に設けられた細いスリットを通
過させ、この後に分散液に急激な圧力低下を生じさせる
ことにより微細な分散を行う方法である。
【0069】本発明が関連する高圧ホモジナイザーにつ
いては、一般には、(a)分散質が狭間隙を高圧、高速で
通過する際に生じる『剪断力』、(b)分散質が高圧下か
ら常圧に解放される際に生じる『キャビテーション
力』、等の分散力によって微細な粒子への分散が行われ
ると考えられている。この種の分散装置としては、古く
はゴーリンホモジナイザーが挙げられるが、この装置で
は高圧で送られた被分散液が円柱面上の狭い間隙で、高
速流に変換され、その勢いで周囲の壁面に衝突し、その
衝撃力で乳化・分散が行われる。使用圧力は一般には10
0〜600kg/cm2、流速は数m〜30m/秒の範囲であり、分散
効率を上げるために高流速部を鋸刃状にし衝突回数を増
やすなどの工夫を施したものも考案されている。これに
対して、近年更に高圧、高流速での分散が可能となる装
置が開発されてきており、その代表例としてはマイクロ
フルイダイザー(マイクロフルイデックス・インターナ
ショナル・コーポレーション社)、ナノマイザー(特殊
機化工業(株))などが挙げられる。
【0070】本発明に適した分散装置としては、マイク
ロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーシ
ョン社製マイクロフルイダイザーM−110S−EH
(G10Zインターラクションチャンバー付き)、M−
110Y(H10Zインターラクションチャンバー付
き)、M−140K(G10Zインターラクションチャ
ンバー付き)、HC−5000(L30ZまたはH23
0Zインターラクションチャンバー付き)、HC−80
00(E230ZまたはL30Zインターラクションチ
ャンバー付き)等が挙げられる。これらの装置を用い、
少なくとも有機銀塩を含む水分散液を高圧ポンプ等で加
圧して配管内に送入した後、配管内に設けられた細いス
リットを通過させることにより所望の圧力を印加し、こ
の後に配管内の圧力を大気圧に急速に戻す等の方法で分
散液に急激な圧力降下を生じさせることにより本発明に
最適な有機銀塩分散物を得ることが可能である。
【0071】有機銀塩分散においては、流速、圧力降下
時の差圧と処理回数の調節によって所望の粒子サイズに
分散することが可能であるが、写真特性と粒子サイズの
点から、流速が200m/秒〜600m/秒、圧力降下時の差圧が
900〜3000kg/cm2の範囲が好ましく、流速が300m/秒〜60
0m/秒、圧力降下時の差圧が1500〜3000kg/cm2の範囲で
あることが更に好ましい。分散処理回数は必要に応じて
選択でき、通常は1回〜10回の処理回数が選ばれるが、
生産性の点からは1回〜3回程度の処理回数が選ばれる。
高圧下でこのような水分散液を高温にすることは、分散
性、写真特性の点から好ましくなく、90℃を越えるよう
な高温では粒子サイズが大きくなりやすくなると共に、
カブリが高くなる傾向がある。従って、本発明では前記
の高圧、高流速に変換する前の工程もしくは、圧力降下
させた後の工程、あるいはこれらの両工程に冷却工程を
含み、このような水分散の温度が冷却工程により5〜90
℃の範囲に保たれていることが好ましく、更に好ましく
は5〜80℃の範囲、特に5〜65℃の範囲に保たれているこ
とが好ましい。特に、1500〜3000kg/cm2範囲の高圧の分
散時には前記の冷却工程を設置することが有効である。
冷却器は、その所要熱交換量に応じて、二重管や二重管
にスタチックミキサーを使用したもの、多管式熱交換
器、蛇管式熱交換器等を適宜選択することができる。ま
た、熱交換の効率を上げるために、使用圧力を考慮し
て、管の太さ、肉厚や材質など好適なものを選べばよ
い。冷却器に使用する冷媒は、熱交換量から、20℃の井
水や冷凍機で処理した5〜10℃の冷水、また必要に応じ
て-30℃のエチレングリコール/水等の冷媒を使用するこ
ともできる。
【0072】分散操作では、水性溶媒可溶な分散剤(分
散助剤)の存在下で有機銀塩を分散することが好まし
い。分散助剤としては、例えば、ポリアクリル酸、アク
リル酸の共重合体、マレイン酸共重合体、マレイン酸モ
ノエステル共重合体、アクリロメチルプロパンスルホン
酸共重合体などの合成アニオンポリマー、カルボキシメ
チルデンプン、カルボキシメチルセルロースなどの半合
成アニオンポリマー、アルギン酸、ペクチン酸などのア
ニオン性ポリマー、特開平7-350753号に記載の化合物、
あるいは公知のアニオン性、ノニオン性、カチオン性界
面活性剤やその他のポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース等の公知のポリマー、あるいはゼラチン等の自然界
に存在する高分子化合物を適宜選択して用いることがで
きるが、ポリビニルアルコール類、水溶性のセルロース
誘導体が特に好ましい。分散助剤は、分散前に有機銀塩
の粉末またはウェットケーキ状態の有機銀塩と混合し、
スラリーとして分散機に送り込むのは一般的な方法であ
るが、予め有機銀塩と混ぜ合わせた状態で熱処理や溶媒
による処理を施して有機銀塩粉末またはウェットケーキ
としても良い。分散前後または分散中に適当なpH調整剤
によりpHコントロールしても良い。機械的に分散する以
外にも、pHコントロールすることで溶媒中に粗分散し、
その後、分散助剤の存在下でpHを変化させて微粒子化さ
せても良い。このとき、粗分散に用いる溶媒として有機
溶媒を使用しても良く、通常有機溶媒は微粒子化終了後
除去される。調製された分散物は、保存時の微粒子の沈
降を抑える目的で撹拌しながら保存したり、親水性コロ
イドにより粘性の高い状態(例えば、ゼラチンを使用し
ゼリー状にした状態)で保存したりすることもできる。
また、保存時の雑菌などの繁殖を防止する目的で防腐剤
を添加することもできる。有機銀塩は所望の量で使用で
きるが、記録材料1m2当たりの塗布量で示して、銀量と
して0.1〜5g/m2が好ましく、さらに好ましくは1〜3g/m2
である。
【0073】本発明の熱現像画像記録材料を光熱記録材
料として用いる場合には、さらに感光性ハロゲン化銀を
用いることができる。この場合、用いられる感光性ハロ
ゲン化銀は、ハロゲン組成として特に制限はなく、塩化
銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀を用
いることができる。粒子内におけるハロゲン組成の分布
は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変
化したものでもよく、あるいは連続的に変化したもので
もよい。また、コア/シェル構造を有するハロゲン化銀
粒子を好ましく用いることができる。構造としては好ま
しくは2〜5重構造、より好ましくは2〜4重構造のコ
ア/シェル粒子を用いることができる。また塩化銀また
は塩臭化銀粒子の表面に臭化銀を局在させる技術も好ま
しく用いることができる。本発明で用いる感光性ハロゲ
ン化銀の形成方法は当業界ではよく知られており例え
ば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第17029
号、および米国特許第3,700,458号に記載されている方
法を用いることができる。本発明で用いることのできる
具体的な方法としては、調製された有機銀塩中にハロゲ
ン含有化合物を添加することにより有機銀塩の銀の一部
を感光性ハロゲン化銀に変換する方法、ゼラチンあるい
は他のポリマー溶液の中に銀供給化合物およびハロゲン
供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀粒
子を調製し有機銀塩と混合する方法を用いることができ
る。本発明において好ましくは後者の方法を用いること
ができる。感光性ハロゲン化銀の粒子サイズは、画像形
成後の白濁を低く抑える目的のために小さいことが好ま
しく具体的には0.20μm以下、より好ましくは0.01μm
以上0.15μm以下、更に好ましくは0.02μm以上0.12μ
m以下がよい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化
銀粒子が立方体あるいは八面体のいわゆる正常晶である
場合にはハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。また、ハ
ロゲン化銀粒子が平板状粒子である場合には主表面の投
影面積と同面積の円像に換算したときの直径をいう。そ
の他正常晶でない場合、例えば球状粒子、棒状粒子等の
場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考えた
ときの直径をいう。
【0074】ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、
八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ
状粒子等を挙げることができるが、本発明においては特
に立方体状粒子、平板状粒子が好ましい。平板状ハロゲ
ン化銀粒子を用いる場合の平均アスペクト比は好ましく
は100:1〜2:1、より好ましくは50:1〜3:1がよい。更
に、ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ま
しく用いることができる。感光性ハロゲン化銀粒子の外
表面の面指数(ミラー指数)については特に制限はない
が、分光増感色素が吸着した場合の分光増感効率が高い
[100]面の占める割合が高いことが好ましい。その割合
としては50%以上が好ましく、65%以上がより好ましく、
80%以上が更に好ましい。ミラー指数[100]面の比率は増
感色素の吸着における[111]面と[100]面との吸着依存性
を利用したT.Tani;J.Imaging Sci.,29、165(1985年)に記
載の方法により求めることができる。本発明に用いられ
る感光性ハロゲン化銀粒子は、周期律表の第VII族ある
いは第VIII族(第7族〜第10族)の金属または金属錯
体を含有することが好ましい。周期律表の第VII族ある
いは第VIII族の金属または金属錯体の中心金属として好
ましくはロジウム、レニウム、ルテニウム、オスミウ
ム、イリジウムである。これら金属錯体は1種類でもよ
いし、同種金属および異種金属の錯体を2種以上併用し
てもよい。好ましい含有率は銀1モルに対し10-9モル
から10-2モルの範囲が好ましく、10-8モルから10
-4モルの範囲がより好ましい。具体的な金属錯体の構造
としては特開平7-225449号等に記載された構造の金属錯
体を用いることができる。
【0075】本発明に好ましく用いられるロジウム化合
物としては、水溶性ロジウム化合物を用いることができ
る。例えば、ハロゲン化ロジウム(III)化合物、また
はロジウム錯塩で配位子としてハロゲン、アミン類、オ
キザラト等を持つもの、例えば、ヘキサクロロロジウム
(III)錯塩、ペンタクロロアコロジウム(III)錯塩、
テトラクロロジアコロジウム(III)錯塩、ヘキサブロ
モロジウム(III)錯塩、ヘキサアンミンロジウム(II
I)錯塩、トリザラトロジウム(III)錯塩等が挙げられ
る。これらのロジウム化合物は、水あるいは適当な溶媒
に溶解して用いられるが、ロジウム化合物の溶液を安定
化させるために一般によく行われる方法、すなわち、ハ
ロゲン化水素水溶液(例えば塩酸、臭酸、フッ化水素酸
等)、あるいはハロゲン化アルカリ(例えばKCl、NaC
l、KBr、NaBr等)を添加する方法を用いることができ
る。水溶性ロジウムを用いる代わりにハロゲン化銀調製
時に、あらかじめロジウムをドープしてある別のハロゲ
ン化銀粒子を添加して溶解させることも可能である。こ
れらのロジウム化合物の添加量はハロゲン化銀1モル当
たり1×10-8モル〜5×10-6モルの範囲が好まし
く、特に好ましくは5×10-8モル〜1×10 -6モルで
ある。これらの化合物の添加は、ハロゲン化銀乳剤粒子
の製造時および乳剤を塗布する前の各段階において適宜
行うことができるが、特に乳剤形成時に添加し、ハロゲ
ン化銀粒子中に組み込まれることが好ましい。
【0076】本発明に好ましく用いられるレニウム、ル
テニウム、オスミウムは特開昭63-2042号、特開平1-2859
41号、同2-20852号、同2-20855号等に記載された水溶性錯
塩の形で添加される。特に好ましいものとして、以下の
式で示される六配位錯体が挙げられる。 [ML6n- ここでMはRu、Re、またはOsを表し、Lは配位子
を表し、nは0、1、2、3または4を表す。この場
合、対イオンは重要性を持たず、アンモニウムもしくは
アルカリ金属イオンが用いられる。また好ましい配位子
としてはハロゲン化物配位子、シアン化物配位子、シア
ン酸化物配位子、ニトロシル配位子、チオニトロシル配
位子等が挙げられる。以下に本発明に用いられる具体的
錯体の例を示すが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。
【0077】 [ReCl6]3- [ReBr6]3- [ReCl5(NO)]2- [Re(NS)Br5]2- [Re(NO)(CN)5]2- [Re(O)2(CN)4]3- [RuCl6]3- [RuCl4(H2O)2]- [RuCl5(H2O)]2- [RuCl5(NO)]2- [RuBr5(NS)]2- [Ru(CO)3Cl3]2- [Ru(CO)Cl5]2- [Ru(CO)Br5]2- [OsCl6]3- [OsCl5(NO)]2- [Os(NO)(CN)5]2- [Os(NS)Br5]2- [Os(O)2(CN)4]4-
【0078】これらの化合物の添加量はハロゲン化銀1
モル当たり1×10-9モル〜1×10-5モルの範囲が好
ましく、特に好ましくは1×10-8モル〜1×10-6
ルである。これらの化合物の添加は、ハロゲン化銀乳剤
粒子の製造時および乳剤を塗布する前の各段階において
適宜行うことができるが、特に乳剤形成時に添加し、ハ
ロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好ましい。これ
らの化合物をハロゲン化銀の粒子形成中に添加してハロ
ゲン化銀粒子中に組み込むには、金属錯体の粉末もしく
はNaCl、KClと一緒に溶解した水溶液を、粒子形成中の
水溶性塩または水溶性ハライド溶液中に添加しておく方
法、あるいは銀塩とハライド溶液が同時に混合されると
き第3の溶液として添加し、3液同時混合の方法でハロ
ゲン化銀粒子を調製する方法、あるいは粒子形成中に必
要量の金属錯体の水溶液を反応容器に投入する方法など
がある。特に粉末もしくはNaCl、KClと一緒に溶解した
水溶液を、水溶性ハライド溶液に添加する方法が好まし
い。粒子表面に添加するには、粒子形成直後または物理
熟成時途中もしくは終了時または化学熟成時に必要量の
金属錯体の水溶液を反応容器に投入することもできる。
【0079】本発明に好ましく用いられるイリジウム化
合物としては種々のものを使用できるが、例えばヘキサ
クロロイリジウム、ヘキサアンミンイリジウム、トリオ
キザラトイリジウム、ヘキサシアノイリジウム、ペンタ
クロロニトロシルイリジウム等が挙げられる。これらの
イリジウム化合物は、水あるいは適当な溶媒に溶解して
用いられるが、イリジウム化合物の溶液を安定化させる
ために一般によく行われる方法、すなわち、ハロゲン化
水素水溶液(例えば塩酸、臭酸、フッ酸等)、あるいは
ハロゲン化アルカリ(例えばKCl、NaCl、KBr、NaBr等)
を添加する方法を用いることができる。水溶性イリジウ
ムを用いる代わりにハロゲン化銀調製時に、あらかじめ
イリジウムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添
加して溶解させることも可能である。さらに本発明に用
いられるハロゲン化銀粒子に、コバルト、鉄、ニッケ
ル、クロム、パラジウム、白金、金、タリウム、銅、
鉛、等の金属原子を含有してもよい。コバルト、鉄、ク
ロム、さらにルテニウムの化合物については六シアノ金
属錯体を好ましく用いることができる。具体例として
は、フェリシアン酸イオン、フェロシアン酸イオン、ヘ
キサシアノコバルト酸イオン、ヘキサシアノクロム酸イ
オン、ヘキサシアノルテニウム酸イオンなどが挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。ハロゲン化銀
中の金属錯体は均一に含有させても、コア部に高濃度に
含有させてもよく、あるいはシェル部に高濃度に含有さ
せてもよく特に制限はない。
【0080】上記金属はハロゲン化銀1モル当たり1×
10-9〜1×10-4モルが好ましい。また、上記金属を
含有させるには単塩、複塩、または錯塩の形の金属塩に
して粒子調製時に添加することができる。感光性ハロゲ
ン化銀粒子はヌードル法、フロキュレーション法等、当
業界で知られている方法の水洗により脱塩することがで
きるが本発明においては脱塩してもしなくてもよい。本
発明で用いるハロゲン化銀乳剤は化学増感されることが
好ましい。化学増感の方法としては、硫黄増感法、セレ
ン増感法、テルル増感法、貴金属増感法などの知られて
いる方法を用いることができ、単独または組み合わせて
用いられる。組み合わせて使用する場合には、例えば、
硫黄増感法と金増感法、硫黄増感法とセレン増感法と金
増感法、硫黄増感法とテルル増感法と金増感法、硫黄増
感法とセレン増感法とテルル増感法と金増感法などが好
ましい。本発明に用いられる硫黄増感は、通常、硫黄増
感剤を添加して、40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪
拌することにより行われる。硫黄増感剤としては公知の
化合物を使用することができ、例えば、ゼラチン中に含
まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合物、例えばチ
オ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ローダニン類等
を用いることができる。好ましい硫黄化合物は、チオ硫
酸塩、チオ尿素化合物である。硫黄増感剤の添加量は、
化学熟成時のpH、温度、ハロゲン化銀粒子の大きさな
どの種々の条件の下で変化するが、ハロゲン化銀1モル
当たり10 -7〜10-2モルであり、より好ましくは10
-5〜10-3モルである。
【0081】本発明に用いられるセレン増感剤として
は、公知のセレン化合物を用いることができる。すなわ
ち、通常、不安定型および/または非不安定型セレン化
合物を添加して40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪拌
することにより行われる。不安定型セレン化合物として
は特公昭44-15748号、同43-13489号、特開平4-25832号、同
4-109240号、同4-324855号等に記載の化合物を用いるこ
とができる。特に特開平4-324855号中の一般式(VIII)お
よび(IX)で示される化合物を用いることが好ましい。本
発明に用いられるテルル増感剤は、ハロゲン化銀粒子表
面または内部に、増感核になると推定されるテルル化銀
を生成させる化合物である。ハロゲン化銀乳剤中のテル
ル化銀生成速度については特開平5-313284号に記載の方
法で試験することができる。テルル増感剤としては例え
ばジアシルテルリド類、ビス(オキシカルボニル)テルリ
ド類、ビス(カルバモイル)テルリド類、ジアシルテルリ
ド類、ビス(オキシカルボニル)ジテルリド類、ビス(カ
ルバモイル)ジテルリド類、P=Te結合を有する化合物、
テルロカルボン酸塩類、Te−オルガニルテルロカルボ
ン酸エステル類、ジ(ポリ)テルリド類、テルリド類、テ
ルロール類、テルロアセタール類、テルロスルホナート
類、P-Te結合を有する化合物、含Teヘテロ環類、テル
ロカルボニル化合物、無機テルル化合物、コロイド状テ
ルルなどを用いることができる。具体的には、米国特許
第1,623,499号、同第3,320,069号、同第3,772,031号、英国
特許第235,211号、同第1,121,496号、同第1,295,462号、同
第1,396,696号、カナダ特許第800,958号、特開平4-20464
0号、特開平4−271341号、同4−333043号、
同5−303157号、ジャーナル・オブ・ケミカル・
ソサイアティー・ケミカル・コミュニケーション(J.Ch
em.Soc.Chem.Commun.) 635(1980),ibid 1102(1979),ib
id 645(1979)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイア
ティー・パーキン・トランザクション(J.Chem.Soc.Per
kin.Trans.) 1,2191(1980)、S.パタイ(S.Patai)編、ザ
・ケミストリー・オブ・オーガニック・セレニウム・ア
ンド・テルリウム・カンパウンズ(The Chemistry of O
rganic Serenium and Tellunium Compounds),Vol.1(198
6)、同Vol.2(1987)に記載の化合物を用いることができ
る。特に特開平5-313284号中の一般式(II)、(III)、(I
V)で示される化合物が好ましい。
【0082】本発明で用いられるセレンおよびテルル増
感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成
条件等によって変わるが、一般にハロゲン化銀1モル当
たり10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3
ル程度を用いる。本発明における化学増感の条件として
は特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとし
ては6〜11、好ましくは7〜10であり、温度として
は40〜95℃、好ましくは45〜85℃である。本発
明に用いられる貴金属増感剤としては、金、白金、パラ
ジウム、イリジウム等が挙げられるが、特に金増感が好
ましい。本発明に用いられる金増感剤としては具体的に
は、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオ
ーリチオシアネート、硫化金などが挙げられ、ハロゲン
化銀1モル当たり10-7〜10-2モル程度を用いること
ができる。
【0083】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤にはハロ
ゲン化銀粒子の形成または物理熟成の過程においてカド
ミウム塩、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩などを共存させ
てもよい。本発明においては、還元増感を用いることが
できる。還元増感法の具体的な化合物としてはアスコル
ビン酸、二酸化チオ尿素の他に例えば、塩化第一スズ、
アミノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘導体、
ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等を用
いることができる。また、乳剤のpHを7以上またはpAgを
8.3以下に保持して熟成することにより還元増感するこ
とができる。また、粒子形成中に銀イオンのシングルア
ディション部分を導入することにより還元増感すること
ができる。本発明で用いるハロゲン化銀乳剤は、欧州公
開特許EP293,917号に示される方法により、チオスルホ
ン酸化合物を添加してもよい。
【0084】本発明の熱現像画像記録材料中におけるハ
ロゲン化銀乳剤は、一種だけでもよいし、二種以上(例
えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異
なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なる
もの)併用してもよい。感光性ハロゲン化銀の使用量と
しては有機銀塩1モルに対して感光性ハロゲン化銀0.01
モル以上0.5モル以下が好ましく、0.02モル以上0.3モル
以下がより好ましく、0.03モル以上0.25モル以下が特に
好ましい。別々に調製した感光性ハロゲン化銀と有機銀
塩の混合方法および混合条件については、それぞれ調製
終了したハロゲン化銀粒子と有機銀塩を高速撹拌機やボ
ールミル、サンドミル、コロイドミル、振動ミル、ホモ
ジナイザー等で混合する方法や、あるいは有機銀塩の調
製中のいずれかのタイミングで調製終了した感光性ハロ
ゲン化銀を混合して有機銀塩を調製する方法等がある
が、本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制
限はない。
【0085】本発明の熱現像画像記録材料は有機銀塩の
ための還元剤を含む。有機銀塩のための還元剤は、銀イ
オンを金属銀に還元する任意の物質、好ましくは有機物
質であってよい。フェニドン、ハイドロキノンおよびカ
テコールなどの従来の写真現像剤や下記に示すような熱
現像に用いられる還元剤が有用である。還元剤は、画像
形成層を有する面の銀1モルに対して5〜50モル%含ま
れることが好ましく、10〜40モル%で含まれること
がさらに好ましい。還元剤の添加層は画像形成層を有す
る面のいかなる層でも良い。画像形成層以外の層に添加
する場合は銀1モルに対して10〜50モル%と多めに
使用することが好ましい。また、還元剤は現像時のみ有
効に機能を持つように誘導化されたいわゆるプレカーサ
ーであってもよい。
【0086】有機銀塩を利用した熱現像画像記録材料に
おいては広範囲の還元剤が特開昭46-6074号、同47-1238
号、同47-33621号、同49-46427号、同49-115540号、同5
0-14334号、同50-36110号、同50-147711号、同51-32632
号、同51-1023721号、同51-32324号、同51-51933号、同
52-84727号、同55-108654号、同56-146133号、同57-828
28号、同57-82829号、特開平6-3793号、米国特許3,667,
9586号、同3,679,426号、同3,751,252号、同3,751,255
号、同3,761,270号、同3,782,949号、同3,839,048号、
同3,928,686号、同5,464,738号、独国特許2321328号、
欧州特許692732号などに開示されている。例えば、フェ
ニルアミドオキシム、2-チエニルアミドオキシムおよび
p-フェノキシフェニルアミドオキシムなどのアミドオキ
シム;例えば4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシベンズアル
デヒドアジンなどのアジン;2,2'-ビス(ヒドロキシメチ
ル)プロピオニル-β-フェニルヒドラジンとアスコルビ
ン酸との組合せのような脂肪族カルボン酸アリールヒド
ラジドとアスコルビン酸との組合せ;ポリヒドロキシベ
ンゼンと、ヒドロキシルアミン、レダクトンおよび/ま
たはヒドラジンの組合せ(例えばハイドロキノンと、ビ
ス(エトキシエチル)ヒドロキシルアミン、ピペリジノヘ
キソースレダクトンまたはホルミル-4-メチルフェニル
ヒドラジンの組合せなど);フェニルヒドロキサム酸、p
-ヒドロキシフェニルヒドロキサム酸およびβ-アリニン
ヒドロキサム酸などのヒドロキサム酸;エチル-α-シア
ノ-2-メチルフェニルアセテート、エチル-α-シアノフ
ェニルアセテートなどのα-シアノフェニル酢酸誘導
体;2,2'-ジヒドロキシ-1,1'-ビナフチル、6,6'-ジブロ
モ-2,2'-ジヒドロキシ-1,1'-ビナフチルおよびビス(2-
ヒドロキシ-1-ナフチル)メタンに例示されるようなビス
-β-ナフトール;ビス-β-ナフトールと1,3-ジヒドロキ
シベンゼン誘導体(例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフ
ェノンまたは2',4'-ジヒドロキシアセトフェノンなど)
の組合せ;3-メチル-1-フェニル-5-ピラゾロンなどの、
5-ピラゾロン;ジメチルアミノヘキソースレダクトン、
アンヒドロジヒドロアミノヘキソースレダクトンおよび
アンヒドロジヒドロピペリドンヘキソースレダクトンに
例示されるようなレダクトン;2-フェニルインダン-1,3
-ジオンなど;2,2-ジメチル-7-t-ブチル-6-ヒドロキシ
クロマンなどのクロマン;2,6-ジメトキシ-3,5-ジカル
ボエトキシ-1,4-ジヒドロピリジンなどの1,4-ジヒドロ
ピリジン;ビスフェノール(例えば、ビス(2-ヒドロキシ
-3-t-ブチル-5-メチルフェニル)メタン、2,2-ビス(4-ヒ
ドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、4,4-エチリデン
-ビス(2-t-ブチル-6-メチルフェノール)、1,1-ビス(2-
ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,5,5-トリメチル
ヘキサンおよび2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフ
ェニル)プロパンなど);アスコルビン酸誘導体(例え
ば、パルミチン酸1-アスコルビル、ステアリン酸アスコ
ルビルなど);ならびにベンジルおよびビアセチルなど
のアルデヒドおよびケトン;3-ピラゾリドンおよびある
種のインダン-1,3-ジオン;クロマノール(トコフェロー
ルなど)などがある。
【0087】本発明において用いられる還元剤として
は、フェノール化合物で、そのベンゼン環上に一つだけ
水酸基を持ち、水酸基のオルト位に少なくとも一つの置
換基を有する化合物(所謂ヒンダードフェノール化合
物)が好ましく、その具体例としては米国特許5496695
号、特開平9-274274、特開平9-304876等に記載されてい
る化合物群が挙げられる。より好ましくは2,2'-ジヒド
ロキシ-1,1'-ビナフチル、6,6'-ジブロモ-2,2'-ジヒド
ロキシ-1,1'-ビナフチル、ビス(2-ヒドロキシ-1-ナフチ
ル)メタン、4,4'-エチリデンビス(2-メチル-1-ナフト
ール)、ビス(2-ヒドロキシ-3-t-ブチル-5-メチルフェ
ニル)メタン、ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェ
ニル)メタン、ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-メチルフェニ
ル)メタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)
プロパン、4,4'-エチリデン-ビス(2-t-ブチル-6-メチル
フェノール)、4,4'-ベンジリデン-ビス(2,6-ジ-t-ブチ
ルフェノール)、4,4'-ベンジリデンビス(2-メチル-6-
シクロヘキシルフェノール)、1,1-ビス(2-ヒドロキシ-
3,5-ジメチルフェニル)-3,5,5-トリメチルヘキサン、1,
1-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)-3,5,5
-トリメチルヘキサン、2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチル
フェノール、2,6-ジメトキシ-4-メチルフェノールなど
が挙げられ、特に好ましくはビス(2-ヒドロキシ-1-ナフ
チル)メタン、ビス(2-ヒドロキシ-3-t-ブチル-5-メチル
フェニル)メタン、ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチル
フェニル)メタン、ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-メチルフ
ェニル)メタン、1,1-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジメチル
フェニル)-3,5,5-トリメチルヘキサン、1,1-ビス(2-ヒ
ドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)-3,5,5-トリメチル
ヘキサンなどが挙げられる。
【0088】本発明で用いる還元剤は、溶液、粉末、固
体微粒子分散物などいかなる方法で添加してもよい。固
体微粒子分散は公知の微細化手段(例えば、ボールミ
ル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェ
ットミル、ローラーミルなど)で行われる。また、固体
微粒子分散する際に分散助剤を用いてもよい。画像を向
上させる「色調剤」として知られる添加剤を含むと光学
濃度が高くなることがある。また、色調剤は黒色銀画像
を形成させる上でも有利になることがある。色調剤は画
像形成層を有する面に銀1モル当たりの0.1〜50%(モ
ル)の量含まれることが好ましく、0.5〜20%(モル)含
まれることがさらに好ましい。また、色調剤は現像時の
み有効に機能を持つように誘導化されたいわゆるプレカ
ーサーであってもよい。
【0089】有機銀塩を利用した熱現像画像記録材料に
おいては広範囲の色調剤が特開昭46-6077号、同47-1028
2号、同49-5019号、同49-5020号、同49-91215号、同49-
91215号、同50-2524号、同50-32927号、同50-67132号、
同50-67641号、同50-114217号、同51-3223号、同51-279
23号、同52-14788号、同52-99813号、同53-1020号、同5
3-76020号、同54-156524号、同54-156525号、同61-1836
42号、特開平4-56848号、特公昭49-10727号、同54-2033
3号、米国特許3,080,254号、同3,446,648号、同3,782,9
41号、同4,123,282号、同4,510,236号、英国特許138079
5号、ベルギー特許841910号などに開示されている。色
調剤の例は、フタルイミドおよびN-ヒドロキシフタルイ
ミド;スクシンイミド、ピラゾリン-5-オン、ならびに
キナゾリノン、3-フェニル-2-ピラゾリン-5-オン、1-フ
ェニルウラゾール、キナゾリンおよび2,4-チアゾリジン
ジオンのような環状イミド;ナフタルイミド(例えば、N
-ヒドロキシ-1,8-ナフタルイミド);コバルト錯体(例え
ば、コバルトヘキサミントリフルオロアセテート);3-
メルカプト-1,2,4-トリアゾール、2,4-ジメルカプトピ
リミジン、3-メルカプト-4,5-ジフェニル-1,2,4-トリア
ゾールおよび2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール
に例示されるメルカプタン;N-(アミノメチル)アリール
ジカルボキシイミド、(例えば、(N,N-ジメチルアミノメ
チル)フタルイミドおよびN,N-(ジメチルアミノメチル)-
ナフタレン-2,3-ジカルボキシイミド);ならびにブロッ
ク化ピラゾール、イソチウロニウム誘導体およびある種
の光退色剤(例えば、N,N'-ヘキサメチレンビス(1-カル
バモイル-3,5-ジメチルピラゾール)、1,8-(3,6-ジアザ
オクタン)ビス(イソチウロニウムトリフルオロアセテー
ト)および2-トリブロモメチルスルホニル)-(ベンゾチア
ゾール));ならびに3-エチル-5[(3-エチル-2-ベンゾチ
アゾリニリデン)-1-メチルエチリデン]-2-チオ-2,4-オ
キサゾリジンジオン;フタラジノン、フタラジノン誘導
体もしくは金属塩、または4-(1-ナフチル)フタラジノ
ン、6-クロロフタラジノン、5,7-ジメトキシフタラジノ
ンおよび2,3-ジヒドロ-1,4-フタラジンジオンなどの誘
導体;フタラジノンとフタル酸誘導体(例えば、フタル
酸、4-メチルフタル酸、4-ニトロフタル酸およびテトラ
クロロ無水フタル酸など)との組合せ;フタラジン、フ
タラジン誘導体(例えば、4-(1-ナフチル)フタラジン、6
-クロロフタラジン、5,7-ジメトキシフタラジン、6-iso
-ブチルフタラジン、6-tert-ブチルフタラジン、5,7-ジ
メチルフタラジン、および2,3-ジヒドロフタラジンなど
の誘導体)もしくは金属塩;フタラジンおよびその誘導
体とフタル酸誘導体(例えば、フタル酸、4-メチルフタ
ル酸、4-ニトロフタル酸およびテトラクロロ無水フタル
酸など)との組合せ;キナゾリンジオン、ベンズオキサ
ジンまたはナフトオキサジン誘導体;色調調節剤として
だけでなくその場でハロゲン化銀生成のためのハライド
イオンの源としても機能するロジウム錯体、例えばヘキ
サクロロロジウム(III)酸アンモニウム、臭化ロジウ
ム、硝酸ロジウムおよびヘキサクロロロジウム(III)酸
カリウムなど;無機過酸化物および過硫酸塩、例えば、
過酸化二硫化アンモニウムおよび過酸化水素;1,3-ベン
ズオキサジン-2,4-ジオン、8-メチル-1,3-ベンズオキ
サジン-2,4-ジオンおよび6-ニトロ-1,3-ベンズオキサジ
ン-2,4-ジオンなどのベンズオキサジン-2,4-ジオン;ピ
リミジンおよび不斉-トリアジン(例えば、2,4-ジヒドロ
キシピリミジン、2-ヒドロキシ-4-アミノピリミジンな
ど)、アザウラシル、およびテトラアザペンタレン誘導
体(例えば、3,6-ジメルカプト-1,4-ジフェニル-1H,4H-
2,3a,5,6a-テトラアザペンタレン、および1,4-ジ(o-ク
ロロフェニル)-3,6-ジメルカプト-1H,4H-2,3a,5,6a-テ
トラアザペンタレン)などがある。
【0090】本発明で用いる色調剤は、溶液、粉末、固
体微粒子分散物などいかなる方法で添加してもよい。固
体微粒子分散は公知の微細化手段(例えば、ボールミ
ル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェ
ットミル、ローラーミルなど)で行われる。また、固体
微粒子分散する際に分散助剤を用いてもよい。本発明の
熱現像画像記録材料における画像形成層(感光性層、乳
剤層)のバインダーとしては、よく知られている天然ま
たは合成樹脂、例えば、ゼラチン、ポリビニルアセター
ル、ポリビニルクロリド、ポリビニルアセテート、セル
ロースアセテート、ポリオレフィン、ポリエステル、ポ
リスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート
などから任意のものを選択することができる。当然なが
ら、コポリマーおよびターポリマーも含まれる。好まし
いポリマーは、ポリビニルブチラール、ブチルエチルセ
ルロース、メタクリレートコポリマー、無水マレイン酸
エステルコポリマー、ポリスチレンおよびブタジエン-
スチレンコポリマーである。必要に応じて、これらのポ
リマーを2種またはそれ以上組合せて使用することがで
きる。そのようなポリマーは、成分をその中に保持する
のに十分な量で使用される。すなわち、バインダーとし
て機能するのに効果的な範囲で使用される。効果的な範
囲は、当業者が適切に決定することができる。少なくと
も有機銀塩を保持する場合の目安として、バインダー対
有機銀塩の割合は、15:1〜1:2、特に8:1〜1:1の範
囲が好ましい。
【0091】本発明の熱現像画像記録材料における画像
形成層のうち少なくとも1層は以下に述べるポリマーラ
テックスを全バインダーの50wt%以上含有する画像形成
層であることが好ましい。(以降この画像形成層を「本
発明における画像形成層」、バインダーに用いるポリマ
ーラテックスを「本発明で用いるポリマーラテックス」
と表す。)また、ポリマーラテックスは画像形成層だけ
ではなく、保護層やバック層に用いてもよく、特に寸法
変化が問題となる印刷用途に本発明の熱現像画像記録材
料を用いる場合には、保護層やバック層にもポリマーラ
テックスを用いる必要がある。ただしここで言う「ポリ
マーラテックス」とは水不溶な疎水性ポリマーが微細な
粒子として水溶性の分散媒中に分散したものである。分
散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されているも
の、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、ある
いはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子
鎖自身が分子状分散したものなどいずれでもよい。なお
本発明で用いるポリマーラテックスについては「合成樹
脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発
行(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝明、片岡
靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行(199
3))」、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊
行会発行(1970))」などに記載されている。分散粒子の
平均粒径は1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nm程度
の範囲が好ましい。分散粒子の粒径分布に関しては特に
制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径
分布を持つものでもよい。
【0092】本発明で用いるポリマーラテックスとして
は通常の均一構造のポリマーラテックス以外、いわゆる
コア/シェル型のラテックスでもよい。この場合コアと
シェルはガラス転移温度を変えると好ましい場合があ
る。本発明の熱現像画像記録材料においてバインダーと
して用いるポリマーラテックスのポリマーのガラス転移
温度(Tg)は保護層、バック層と画像形成層とでは好
ましい範囲が異なる。画像形成層にあっては熱現像時に
写真有用素材の拡散を促すため、40℃以下であり、さら
には-30〜40℃が好ましい。保護層やバック層に用いる
場合には種々の機器と接触するために25〜70℃のガラス
転移温度が好ましい。
【0093】本発明で用いるポリマーラテックスの最低
造膜温度(MFT)は-30℃〜90℃、より好ましくは0℃〜70
℃程度が好ましい。最低造膜温度をコントロールするた
めに造膜助剤を添加してもよい。造膜助剤は可塑剤とも
よばれポリマーラテックスの最低造膜温度を低下させる
有機化合物(通常有機溶剤)で、例えば前述の「合成ラテ
ックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」
に記載されている。本発明で用いるポリマーラテックス
に用いられるポリマー種としてはアクリル樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム
系樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオ
レフィン樹脂、またはこれらの共重合体などがある。ポ
リマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマ
ーでも、また架橋されたポリマーでも良い。またポリマ
ーとしては単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリ
マーでも良いし、2種以上のモノマーが重合したコポリ
マーでも良い。コポリマーの場合はランダムコポリマー
でもブロックコポリマーでも良い。ポリマーの分子量は
数平均分子量で5000〜1000000、好ましくは10000〜1000
00程度が好ましい。分子量が小さすぎるものは画像形成
層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは製膜性
が悪く好ましくない。
【0094】本発明の熱現像画像記録材料の画像形成層
のバインダーとして用いられるポリマーラテックスの具
体例としては以下のようなものがある。メチルメタクリ
レート/エチルアクリレート/メタクリル酸コポリマー
のラテックス、メチルメタクリレート/2−エチルヘキ
シルアクリレート/スチレン/アクリル酸コポリマーの
ラテックス、スチレン/ブタジエン/アクリル酸コポリ
マーのラテックス、スチレン/ブタジエン/ジビニルベ
ンゼン/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メチル
メタクリレート/塩化ビニル/アクリル酸コポリマーの
ラテックス、塩化ビニリデン/エチルアクリレート/ア
クリロニトリル/メタクリル酸コポリマーのラテックス
など。また、このようなポリマーは市販もされていて、
以下のようなポリマーが利用できる。例えばアクリル樹
脂の例として、セビアンA-4635、46583、4601(以上ダイ
セル化学工業(株)製)、Nipol Lx811、814、821、82
0、857(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリエステル樹
脂としては、FINETEX ES650、611、675、850(以上大日
本インキ化学(株)製)、WD-size、WMS(以上イーストマ
ンケミカル製)など、ポリウレタン樹脂としてはHYDRAN
AP10、20、30、40(以上大日本インキ化学(株)製)な
ど、ゴム系樹脂としてはLACSTAR 7310K、3307B、4700
H、7132C(以上大日本インキ化学(株)製)、Nipol Lx41
6、410、438C、2507(以上日本ゼオン(株)製)など、塩
化ビニル樹脂としてはG351、G576(以上日本ゼオン
(株)製)など、塩化ビニリデン樹脂としてはL502、L51
3(以上旭化成工業(株)製)、アロンD7020、D504、D507
1(以上三井東圧(株)製)など、オレフィン樹脂としては
ケミパールS120、SA100(以上三井石油化学(株)製)な
どを挙げることができる。これらのポリマーは単独で用
いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドして用い
ても良い。
【0095】本発明における画像形成層は、全バインダ
ーの50重量%以上として上記ポリマーラテックスを用い
ることが好ましいが、70重量%以上として上記ポリマー
ラテックスを用いることがより好ましい。画像形成層に
は必要に応じて全バインダーの50重量%以下の範囲でゼ
ラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの親水
性ポリマーを添加しても良い。これらの親水性ポリマー
の添加量は画像形成層の全バインダーの30重量%以下、
さらには15重量%以下が好ましい。
【0096】本発明における画像形成層は水系の塗布液
を塗布後乾燥して調製することが好ましい。ただし、こ
こで言う「水系」とは塗布液の溶媒(分散媒)の60重量%
以上が水であることをいう。塗布液の水以外の成分はメ
チルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアル
コール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ジメチ
ルホルムアミド、酢酸エチルなどの水混和性の有機溶媒
を用いることができる。具体的な溶媒組成の例として
は、水のほか、以下のようなものがある。水/メタノー
ル=90/10、水/メタノール=70/30、水/エタノール=9
0/10、水/イソプロパノール=90/10、水/ジメチルホ
ルムアミド=95/5、水/メタノール/ジメチルホルムア
ミド=80/15/5、水/メタノール/ジメチルホルムアミ
ド=90/5/5。(ただし数字は重量%を表す。) 本発明における画像形成層の全バインダー量は0.2〜30g
/m2、より好ましくは1〜15g/m2の範囲が好ましい。画
像形成層には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための
界面活性剤などを添加してもよい。
【0097】本発明の熱現像画像記録材料には増感色素
を含めることができる。本発明で用いる増感色素として
はハロゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域でハ
ロゲン化銀粒子を分光増感できるもので有ればいかなる
ものでも良い。増感色素としては、シアニン色素、メロ
シアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレ
ックスメロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、
スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、
ヘミオキソノール色素等を用いることができる。本発明
に使用される有用な増感色素は例えばRESEARCH DISCLOS
URE Item17643IV-A項(1978年12月p.23)、同Item1831X項
(1979年8月p.437)に記載もしくは引用された文献に記載
されている。特に各種レーザーイメージャー、スキャナ
ー、イメージセッターや製版カメラの光源の分光特性に
適した分光感度を有する増感色素を有利に選択すること
ができる。
【0098】赤色光への分光増感の例としては、He-Ne
レーザー、赤色半導体レーザーやLEDなどのいわゆる赤
色光源に対しては、特開昭54-18726号に記載のI-1から
I-38の化合物、特開平6-75322号に記載のI-1からI-3
5の化合物および特開平7-287338号に記載のI-1からI-
34の化合物、特公昭55-39818号に記載の色素1から20、
特開昭62-284343号に記載のI-1からI-37の化合物およ
び特開平7-287338号に記載のI-1からI-34の化合物な
どが有利に選択される。750〜1400nmの波長領域の半導
体レーザー光源に対しては、シアニン、メロシアニン、
スチリル、ヘミシアニン、オキソノール、ヘミオキソノ
ールおよびキサンテン色素を含む種々の既知の色素によ
り、スペクトル的に有利に増感させることができる。有
用なシアニン色素は、例えば、チアゾリン核、オキサゾ
リン核、ピロリン核、ピリジン核、オキサゾール核、チ
アゾール核、セレナゾール核およびイミダゾール核など
の塩基性核を有するシアニン色素である。有用なメロシ
アニン染料で好ましいものは、上記の塩基性核に加え
て、チオヒダントイン核、ローダニン核、オキサゾリジ
ンジオン核、チアゾリンジオン核、バルビツール酸核、
チアゾリノン核、マロノニトリル核およびピラゾロン核
などの酸性核も含む。上記のシアニンおよびメロシアニ
ン色素において、イミノ基またはカルボキシル基を有す
るものが特に効果的である。例えば、米国特許3,761,27
9号、同3,719,495号、同3,877,943号、英国特許1,466,2
01号、同1,469,117号、同1,422,057号、特公平3-10391
号、同6-52387号、特開平5-341432号、同6-194781号、
同6-301141号に記載されたような既知の色素から適当に
選択してよい。
【0099】本発明に用いられる色素の構造として特に
好ましいものは、チオエーテル結合含有置換基を有する
シアニン色素(例としては特開昭62-58239号、同3-13863
8号、同3-138642号、同4-255840号、同5-72659号、同5-
72661号、同6-222491号、同2-230506号、同6-258757
号、同6-317868号、同6-324425号、特表平7-500926号、
米国特許5,541,054号に記載された色素)、カルボン酸基
を有する色素(例としては特開平3-163440号、同6-30114
1号、米国特許5,441,899号に記載された色素)、メロシ
アニン色素、多核メロシアニン色素や多核シアニン色素
(特開昭47-6329号、同49-105524号、同51-127719号、同
52-80829号、同54-61517号、同59-214846号、同60-6750
号、同63-159841号、特開平6-35109号、同6-59381号、
同7-146537号、同7-146537号、特表平55-50111号、英国
特許1,467,638号、米国特許5,281,515号に記載された色
素)が挙げられる。また、J-bandを形成する色素として
米国特許5,510,236号、同3,871,887号の実施例5記載の
色素、特開平2-96131号、特開昭59-48753号が開示され
ており、本発明に好ましく用いることができる。これら
の増感色素は単独に用いてもよく、2種以上組合せて用
いてもよい。増感色素の組合せは特に、強色増感の目的
でしばしば用いられる。増感色素とともに、それ自身分
光増感作用をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸
収しない物質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に
含んでもよい。有用な増感色素、強色増感を示す色素の
組合せおよび強色増感を示す物質はResearch Disclosur
e176巻17643(1978年12月発行)第23頁IVのJ項、あるいは
特公昭49-25500号、同43-4933号、特開昭59-19032号、
同59-192242号等に記載されている。
【0100】増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加させ
るには、それらを直接乳剤中に分散してもよいし、ある
いは水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセ
トン、メチルセルソルブ、2,2,3,3-テトラフルオロプロ
パノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、3-メトキシ
-1-プロパノール、3-メトキシ-1-ブタノール、1-メトキ
シ-2-プロパノール、N,N-ジメチルホルムアミド等の溶
媒の単独もしくは混合溶媒に溶解して乳剤に添加しても
よい。また、米国特許3,469,987号明細書等に開示され
ているように、色素を揮発性の有機溶剤に溶解し、この
溶液を水または親水性コロイド中に分散し、この分散物
を乳剤中へ添加する方法、特公昭44-23389号、同44-275
55号、同57-22091号等に開示されているように、色素を
酸に溶解し、この溶液を乳剤中に添加したり、酸または
塩基を共存させて水溶液として乳剤中へ添加する方法、
米国特許3,822,135号、同4,006,025号明細書等に開示さ
れているように界面活性剤を共存させて水溶液あるいは
コロイド分散物としたものを乳剤中に添加する方法、特
開昭53-102733号、同58-105141号に開示されているよう
に親水性コロイド中に色素を直接分散させ、その分散物
を乳剤中に添加する方法、特開昭51-74624号に開示され
ているように、レッドシフトさせる化合物を用いて色素
を溶解し、この溶液を乳剤中へ添加する方法を用いるこ
ともできる。また、溶解に超音波を用いることもでき
る。
【0101】増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加する
時期は、これまで有用であることが認められている乳剤
調製のいかなる工程中であってもよい。例えば米国特許
2,735,766号、同3,628,960号、同4,183,756号、同4,22
5,666号、特開昭58-184142号、同60-196749号等の明細
書に開示されているように、ハロゲン化銀の粒子形成工
程または/および脱塩前の時期、脱塩工程中および/ま
たは脱塩後から化学熟成の開始前までの時期、特開昭58
-113920号等の明細書に開示されているように、化学熟
成の直前または工程中の時期、化学熟成後、塗布までの
時期の乳剤が塗布される前ならばいかなる時期、工程に
おいて添加されてもよい。また、米国特許4,225,666
号、特開昭58-7629号等の明細書に開示されているよう
に、同一化合物を単独で、または異種構造の化合物と組
み合わせて、例えば粒子形成工程中と化学熟成工程中ま
たは化学熟成完了後とに分けたり、化学熟成の前または
工程中と完了後とに分けるなどして分割して添加しても
よく、分割して添加する化合物および化合物の組み合わ
せの種類を変えて添加してもよい。本発明における増感
色素の使用量としては感度やカブリなどの性能に合わせ
て所望の量でよいが、感光性層のハロゲン化銀1モル当
たり10-6〜1モルが好ましく、10-4〜10-1モルがさらに
好ましい。
【0102】本発明の熱現像画像記録材料においては、
好ましくはカブリ防止剤が用いられる。熱現像写真用ハ
ロゲン化銀感光材料のカブリ低減に向け多くの検討がな
されており、例えば、米国特許第3,589,903号には水銀
塩が開示されている。その他に、米国特許弟4,152,160
号にはベンゼン酸およびフタル酸等のカルボン酸、米国
特許4,784,939号にはベンゾイルベンゼン酸化合物、米
国特許第4,569,906号にはインダンまたはテトラリンカ
ルボン酸、米国特許第4,820,617号にはジカルボン酸、
米国特許第4,626,500号にはヘテロ芳香族カルボン酸が
開示されている。米国特許弟4,546,075号、同4,756,999
号、同4,452,885号、同3,874,946号および同3,955,98
2号にはハロゲン化化合物が開示されている。米国特許
第5,028,523号にはハロゲン分子またはヘテロ原子環と
化合したハロゲン原子が開示されている。米国特許第4,
103,312号およびGB1502670号にはパラジウム化合物、米
国特許第4,128,428号には鉄類の金属、同4,123,374号、
同4,129,557号および同4,125,430号には置換トリアゾー
ル類、米国特許第4,213,784号、同4,245,033号および特
開昭51-26019号には硫黄化合物、米国特許第4,002,479
号にはチオウラシル類、特開昭50-123331号にはスルフ
ィン酸、米国特許第4,125,403号、米国特許第4,152,160
号、米国特許第4,307,187号にはチオスルホン酸の金属
塩、特開昭53-20923号および特開昭53-19825号にはチオ
スルホン酸の金属塩とスルフィン酸の併用、特公昭62-5
0810号、特開平7-209797号および特開平9-43760号には
チオスルホン酸エステル類が開示されている。また、特
開昭51−42529号、特公昭63−37368号に
ジスルフィド化合物が開示されている。
【0103】特公昭54−165号、EP-605981A号、同
631176A号、米国特許第4,546,075号、同4、756、999号、
同4、452、885号、同3、874、946号および同3、955、982号に
はポリハロゲン化化合物が開示されている。特開平10
−197989号には、ポリハロゲン化化合物と特定の
カルボン酸誘導体を併用し、カブリを抑制する記載が開
示されている。また、特開昭51−26019号、同5
7−207244号、同60−207140号、米国特
許第2,910,377号、同3,074,809号、
特開平2−251838号にはサリチル酸あるいはその
誘導体が開示されている。本発明においては、好ましく
はポリハロゲン化化合物、サリチル酸誘導体、またはチ
オスルホン酸誘導体がカブリ防止剤として用いられる。
これらの化合物は単独で用いても良いし、同種類の化合
物を複数併用して用いてもよいし、ポリハロゲン化化合
物とサリチル酸誘導体というように別の種類の化合物を
組み合わせて用いてもよい。
【0104】カブリ防止剤として用いられる化合物は、
水あるいは適当な有機溶媒、例えばアルコール類(メタ
ノール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコー
ル)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン)、ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド、メチルセルソルブなどに溶解して用いる
ことができる。また、既によく知られている乳化分散法
によって、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフ
ェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフ
タレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノン
などの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を
作製して用いることができる。あるいは固体分散法とし
て知られている方法によって、粉末を水の中にボールミ
ル、コロイドミル、サンドグラインダーミル、マントン
ゴーリン、マイクロフルイダイザーあるいは超音波によ
って分散し用いることができる。次に本発明に用いられ
るカブリ防止剤の具体例を以下に示す。ただし、本発明
は以下の化合物に限定されるものではない。
【0105】
【化19】
【0106】
【化20】
【0107】
【化21】
【0108】本発明における熱現像画像記録材料には、
高感度化やカブリ防止を目的として安息香酸類を含有さ
せても良い。本発明で用いる安息香酸類はいかなる安息
香酸誘導体でもよいが、好ましい構造の例としては、米
国特許4,784,939号、同4,152,160号、特開平9−329
863号、同9−329864号、同9−281637
号などに記載の化合物が挙げられる。安息香酸類は記録
材料のいかなる部位に添加しても良いが、添加層として
は画像形成層を有する面の層に添加することが好まし
く、有機銀塩含有層に添加することがさらに好ましい。
安息香酸類の添加時期としては塗布液調製のいかなる工
程で行っても良く、有機銀塩含有層に添加する場合は有
機銀塩調製時から塗布液調製時のいかなる工程でも良い
が有機銀塩調製後から塗布直前が好ましい。安息香酸類
の添加法としては粉末、溶液、微粒子分散物などいかな
る方法で行っても良い。また、増感色素、還元剤、色調
剤など他の添加物と混合した溶液として添加しても良
い。安息香酸類の添加量としてはいかなる量でも良い
が、銀1モル当たり1μモル以上2モル以下が好ましく、1
mモル以上0.5モル以下がさらに好ましい。
【0109】本発明の熱現像画像記録材料には現像を抑
制あるいは促進させ現像を制御するため、分光増感効率
を向上させるため、現像前後の保存性を向上させるため
などにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン
化合物を含有させることができる。本発明にメルカプト
化合物を使用する場合、いかなる構造のものでも良い
が、Ar-SM0、Ar-S-S-Arで表されるものが好ましい。式
中、M0は水素原子またはアルカリ金属原子であり、Arは
1個以上の窒素、イオウ、酸素、セレニウムまたはテル
リウム原子を有する芳香環基または縮合芳香環基であ
る。好ましくは、これらの基中の複素芳香環はベンズイ
ミダゾール、ナフスイミダゾール、ベンゾチアゾール、
ナフトチアゾール、ベンズオキサゾール、ナフスオキサ
ゾール、ベンゾセレナゾール、ベンゾテルラゾール、イ
ミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、トリアゾー
ル、チアジアゾール、テトラゾール、トリアジン、ピリ
ミジン、ピリダジン、ピラジン、ピリジン、プリン、キ
ノリンまたはキナゾリノンである。この複素芳香環は、
例えば、ハロゲン(例えば、BrおよびCl)、ヒドロキシ、
アミノ、カルボキシ、アルキル(例えば、1個以上の炭素
原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するもの)、ア
ルコキシ(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1〜
4個の炭素原子を有するもの)およびアリール(置換基
を有していてもよい)からなる置換基群から選択される
ものを有してもよい。メルカプト置換複素芳香族化合物
をとしては、2-メルカプトベンズイミダゾール、2-メル
カプトベンズオキサゾール、2-メルカプトベンゾチアゾ
ール、2-メルカプト-5-メチルベンズイミダゾール、6-
エトキシ-2-メルカプトベンゾチアゾール、2,2'-ジチオ
ビス-ベンゾチアゾール、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾ
ール、4,5-ジフェニル-2-イミダゾールチオール、2-メ
ルカプトイミダゾール、1-エチル-2-メルカプトベンズ
イミダゾール、2-メルカプトキノリン、8-メルカプトプ
リン、2-メルカプト-4(3H)-キナゾリノン、7-トリフル
オロメチル-4-キノリンチオール、2,3,5,6-テトラクロ
ロ-4-ピリジンチオール、4-アミノ-6-ヒドロキシ-2-メ
ルカプトピリミジンモノヒドレート、2-アミノ-5-メル
カプト-1,3,4-チアジアゾール、3-アミノ-5-メルカプト
-1,2,4-トリアゾール、4-ヒドキロシ-2-メルカプトピリ
ミジン、2-メルカプトピリミジン、4,6-ジアミノ-2-メ
ルカプトピリミジン、2-メルカプト-4-メチルピリミジ
ンヒドロクロリド、3-メルカプト-5-フェニル-1,2,4-ト
リアゾール、1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール、3
-(5-メルカプトテトラゾール)-ベンゼンスルフォン酸ナ
トリウム、N-メチル-N'-[3-(5-メルカプトテトラゾリ
ル)フェニル]ウレア、2-メルカプト-4-フェニルオキサ
ゾールなどが挙げられるが、本発明はこれらに限定され
ない。これらのメルカプト化合物の添加量としては乳剤
層(画像形成層)中に銀1モル当たり0.0001〜1モルの
範囲が好ましく、さらに好ましくは、銀の1モル当たり
0.001〜0.3モルの量である。
【0110】本発明の熱現像画像記録材料には、造核剤
(即ち、一般式(1)〜(3)で表される化合物から誘
導される構造部を有するポリマーまたは一般式(A)で
表されるヒドラジン誘導体)の作用を促進するような造
核促進剤を含んでも良い。本発明に用いられる造核促進
剤としては、アミン誘導体、オニウム塩、ジスルフィド
誘導体またはヒドロキシメチル誘導体、ヒドロキサム酸
誘導体、アシルヒドラジド誘導体、アクリロニトリル誘
導体、水素供与体などが挙げられる。以下にその例を列
挙する。特開平7−77783号公報48頁2行〜37
行に記載の化合物で、具体的には49頁〜58頁に記載
の化合物A−1)〜A−73)。特開平7−84331
号に記載の(化21)、(化22)および(化23)で
表される化合物で、具体的には同公報6頁〜8頁に記載
の化合物。特開平7−104426号に記載の一般式
〔Na〕および一般式〔Nb〕で表される化合物で、具
体的には同公報16頁〜20頁に記載のNa−1〜Na
−22の化合物およびNb−1〜Nb−12の化合物。
特開平8−272023号に記載の一般式(1)、一般
式(2)、一般式(3)、一般式(4)、一般式
(5)、一般式(6)および一般式(7)で表される化
合物で、具体的には同明細書に記載の1−1〜1−19
の化合物、2−1〜2−22の化合物、3−1〜3−3
6の化合物、4−1〜4−5の化合物、5−1〜5−4
1の化合物、6−1〜6−58の化合物および7−1〜
7−38の化合物。特開平9−297377号記載の造
核促進剤。
【0111】本発明で用いる造核促進剤は、水もしくは
適当な有機溶媒、例えばアルコール類(メタノール、エ
タノール、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケト
ン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブな
どに溶解して用いることができる。また、既によく知ら
れている乳化分散法によって、ジブチルフタレート、ト
リクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテート
あるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチル
やシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機
械的に乳化分散物を作製して用いることができる。ある
いは固体分散法として知られている方法によって、造核
促進剤の粉末を水の中にボールミル、コロイドミル、あ
るいは超音波によって分散し用いることができる。本発
明で用いる造核促進剤は、支持体に対して画像形成層側
の層、即ち画像形成層あるいはこの層側の他のバインダ
ー層のどの層に添加してもよいが、画像形成層あるいは
それに隣接するバインダー層に添加することが好まし
い。
【0112】造核促進剤添加量は銀1モルに対し1×1
-6〜2×10-1モルが好ましく、1×10-5〜2×1
-2モルがより好ましく、2×10-5〜1×10-2モル
が最も好ましい。本発明における画像形成層(感光性
層)には、可塑剤および潤滑剤として多価アルコール
(例えば、米国特許第2,960,404号に記載された種類のグ
リセリンおよびジオール)、米国特許第2,588,765号およ
び同第3,121,060号に記載の脂肪酸またはエステル、英
国特許第955,061号に記載のシリコーン樹脂などを用い
ることができる。
【0113】本発明の熱現像画像記録材料は画像形成層
の付着防止などの目的で表面保護層を設けることができ
る。表面保護層のバインダーとしてはいかなるポリマー
でもよいが、カルボン酸残基を有するポリマーを100mg/
m2以上5g/m2以下含むことが好ましい。ここでいうカル
ボキシル残基を有するポリマーとしては天然高分子(ゼ
ラチン、アルギン酸など)、変性天然高分子(カルボキシ
メチルセルロース、フタル化ゼラチンなど)、合成高分
子(ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアル
キルメタクリレート/アクリレート共重合体、ポリスチ
レン/ポリメタクリレート共重合体など)などが挙げられ
る。このようなポリマーのカルボキシ残基の含有量とし
てはポリマー100g当たり10mmol以上1.4mol以下であるこ
とが好ましい。また、カルボン酸残基はアルカリ金属イ
オン、アルカリ土類金属イオン、有機カチオンなどと塩
を形成してもよい。
【0114】表面保護層としては、いかなる付着防止材
料を使用してもよい。付着防止材料の例としては、ワッ
クス、シリカ粒子、スチレン含有エラストマー性ブロッ
クコポリマー(例えば、スチレン-ブタジエン-スチレ
ン、スチレン-イソプレン-スチレン)、酢酸セルロー
ス、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロ
ピオネートやこれらの混合物などがある。また、表面保
護層には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面
活性剤などを添加してもよい。本発明における画像形成
層もしくは画像形成層の保護層には、米国特許第3,253,
921号、同第2,274,782号、同第2,527,583号および同第
2,956,879号に記載されているような光吸収物質および
フィルター染料を使用することができる。また、例えば
米国特許第3,282,699号に記載のように染料を媒染する
ことができる。フィルター染料の使用量としては露光波
長での吸光度が0.1〜3が好ましく、0.2〜1.5が特に好ま
しい。
【0115】本発明で用いる熱現像写真用乳剤は、支持
体上に一またはそれ以上の層で構成される。一層の構成
は有機銀塩、ハロゲン化銀、現像剤およびバインダー、
ならびに色調剤、被覆助剤および他の補助剤などの所望
による追加の材料を含まなければならない。二層の構成
は、第1乳剤層(通常は基材に隣接した層)中に有機銀塩
およびハロゲン化銀を含み、第2層または両層中にいく
つかの他の成分を含まなければならない。しかし、全て
の成分を含む単一乳剤層および保護トップコートを含ん
でなる二層の構成も考えられる。多色感光性熱現像写真
材料の構成は、各色についてこれらの二層の組合せを含
んでよく、また、米国特許第4,708,928号に記載されて
いるように単一層内に全ての成分を含んでいてもよい。
多染料多色感光性熱現像写真材料の場合、各乳剤層は、
一般に、米国特許第4,460,681号に記載されているよう
に、各感光層の間に官能性もしくは非官能性のバリアー
層を使用することにより、互いに区別されて保持され
る。感光性層には色調改良、イラジエーション防止の観
点から各種染料や顔料を用いることができる。画像形成
層に用いる染料および顔料はいかなるものでもよいが、
例えばカラーインデックス記載の顔料や染料があり、具
体的にはピラゾロアゾール染料、アントラキノン染料、
アゾ染料、アゾメチン染料、オキソノール染料、カルボ
シアニン染料、スチリル染料、トリフェニルメタン染
料、インドアニリン染料、インドフェノール染料、フタ
ロシアニンをはじめとする有機顔料、無機顔料などが挙
げられる。本発明に用いられる好ましい染料としてはア
ントラキノン染料(例えば特開平5-341441号記載の化合
物1〜9、特開平5-165147号記載の化合物3-6〜18および3
-23〜38など)、アゾメチン染料(特開平5-341441号記載
の化合物17〜47など)、インドアニリン染料(例えば特開
平5-289227号記載の化合物11〜19、特開平5-341441号記
載の化合物47、特開平5-165147号記載の化合物2-10〜11
など)およびアゾ染料(特開平5-341441号記載の化合物10
〜16)が挙げられる。これらの染料の添加法としては、
溶液、乳化物、固体微粒子分散物、高分子媒染剤に媒染
された状態などいかなる方法でも良い。これらの化合物
の使用量は目的の吸収量によって決められるが、一般的
に記録材料1m2当たり1μg以上1g以下の範囲で用いるこ
とが好ましい。
【0116】本発明においてはアンチハレーション層を
画像形成層に対して光源から遠い側に設けることができ
る。アンチハレーション層は所望の波長範囲での最大吸
収が0.1以上2以下であることが好ましく、さらに好まし
くは0.2以上1.5以下の露光波長の吸収であり、かつ処理
後の可視領域においての吸収が0.001以上0.2未満である
ことが好ましく、さらに好ましくは0.001以上0.15未満
の光学濃度を有する層であることが好ましい。本発明で
ハレーション防止染料を使用する場合、該染料は波長範
囲で目的の吸収を有し、処理後に可視領域での吸収が充
分少なく、上記アンチハレーション層の好ましい吸光度
スペクトルの形状が得られればいかなる化合物でも良
い。例えば以下に挙げるものが開示されているが本発明
はこれに限定されるものではない。単独の染料としては
特開昭59-56458号、特開平2-216140号、同7-13295号、
同7-11432号、米国特許5,380,635号記載、特開平2-6853
9号公報第13頁左下欄1行目から同第14頁左下欄9行目、
同3-24539号公報第14頁左下欄から同第16頁右下欄記載
の化合物があり、処理で消色する染料としては特開昭52
-139136号、同53-132334号、同56-501480号、同57-1606
0号、同57-68831号、同57-101835号、同59-182436号、
特開平7-36145号、同7-199409号、特公昭48-33692号、
同50-16648号、特公平2-41734号、米国特許4,088,497
号、同4,283,487号、同4,548,896号、同5,187,049号が
ある。
【0117】本発明の熱現像画像記録材料は、支持体の
一方の側に少なくとも1層の画像形成層を有し、他方の
側にバック層を有する、いわゆる片面画像記録材料であ
ることが好ましい。本発明の熱現像画像記録材料が片面
画像記録材料である場合、それは、搬送性改良のために
マット剤を添加しても良い。マット剤は、一般に水に不
溶性の有機または無機化合物の微粒子である。マット剤
としては任意のものを使用でき、例えば米国特許第1,93
9,213号、同2,701,245号、同2,322,037号、同3,262,782
号、同3,539,344号、同3,767,448号等の各明細書に記載
の有機マット剤、同1,260,772号、同2,192,241号、同3,
257,206号、同3,370,951号、同3,523,022号、同3,769,0
20号等の各明細書に記載の無機マット剤など当業界で良
く知られたものを用いることができる。例えば具体的に
はマット剤として用いることのできる有機化合物の例と
しては、水分散性ビニル重合体の例としてポリメチルア
クリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロ
ニトリル、アクリロニトリル-α-メチルスチレン共重合
体、ポリスチレン、スチレン-ジビニルベンゼン共重合
体、ポリビニルアセテート、ポリエチレンカーボネー
ト、ポリテトラフルオロエチレンなど、セルロース誘導
体の例としてはメチルセルロース、セルロースアセテー
ト、セルロースアセテートプロピオネートなど、澱粉誘
導体の例としてカルボキシ澱粉、カルボキシニトロフェ
ニル澱粉、尿素-ホルムアルデヒド-澱粉反応物など、公
知の硬化剤で硬化したゼラチンおよびコアセルベート硬
化して微少カプセル中空粒体とした硬化ゼラチンなど好
ましく用いることができる。無機化合物の例としては二
酸化珪素、二酸化チタン、二酸化マグネシウム、酸化ア
ルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、公知の方
法で減感した塩化銀、同じく臭化銀、ガラス、珪藻土な
どを好ましく用いることができる。上記のマット剤は必
要に応じて異なる種類の物質を混合して用いることがで
きる。マット剤の大きさ、形状に特に限定はなく、任意
の粒径のものを用いることができる。本発明の実施に際
しては0.1μm〜30μmの粒径のものを用いるのが好まし
い。また、マット剤の粒径分布は狭くても広くても良
い。一方、マット剤は感光材料のヘイズ、表面光沢に大
きく影響することから、マット剤作製時あるいは複数の
マット剤の混合により、粒径、形状および粒径分布を必
要に応じた状態にすることが好ましい。
【0118】本発明においてバック層のマット度として
はベック平滑度が1200秒以下10秒以上が好ましく、さら
に好ましくは700秒以下50秒以上である。本発明におい
て、マット剤は熱現像画像記録材料の最外表面層もしく
は最外表面層として機能する層、あるいは外表面に近い
層に含有されるのが好ましく、またいわゆる保護層とし
て作用する層に含有されることが好ましい。本発明にお
いてバック層の好適なバインダーは透明又は半透明で、
一般に無色であり、天然ポリマー合成樹脂やポリマー及
びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例え
ば:ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコー
ル)、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテ
ート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニル
ピロリドン)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル
酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、
ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン-無水マレイン
酸)、コポリ(スチレン-アクリロニトリル)、コポリ(ス
チレン-ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例え
ば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラー
ル))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキ
シ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、
ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セル
ロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。バインダー
は水又は有機溶媒またはエマルションから被覆形成して
もよい。
【0119】本発明においてバック層は、所望の波長範
囲での最大吸収が0.3以上2以下であることが好ましく、
さらに好ましくは0.5以上2以下の吸収であり、かつ処理
後の可視領域においての吸収が0.001以上0.5未満である
ことが好ましく、さらに好ましくは0.001以上0.3未満の
光学濃度を有する層であることが好ましい。また、バッ
ク層に用いるハレーション防止染料の例としては前述の
アンチハレーション層と同じである。米国特許第4,460,
681号および同第4,374,921号に示されるような裏面抵抗
性加熱層(backside resistive heating layer)を画像記
録性熱現像写真画像系に使用することもできる。本発明
の熱現像画像記録材料における画像形成層、保護層、バ
ック層など各層には硬膜剤を用いても良い。硬膜剤の例
としては、米国特許4,281,060号、特開平6-208193号な
どに記載されているポリイソシアネート類、米国特許4,
791,042号などに記載されているエポキシ化合物類、特
開昭62-89048号などに記載されているビニルスルホン系
化合物類などが用いられる。
【0120】本発明には塗布性、帯電改良などを目的と
して界面活性剤を用いても良い。界面活性剤の例として
は、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、フッ素系な
どいかなるものも適宜用いられる。具体的には、特開昭
62-170950号、米国特許5,380,644号などに記載のフッ素
系高分子界面活性剤、特開昭60-244945号、特開昭63-18
8135号などに記載のフッ素系界面活性剤、米国特許3,88
5,965号などに記載のポリシロキ酸系界面活性剤、特開
平6-301140号などに記載のポリアルキレンオキサイドや
アニオン系界面活性剤などが挙げられる。本発明に用い
られる溶剤の例としては新版溶剤ポケットブック(オー
ム社、1994年刊)などに挙げられるが、本発明はこれに
限定されるものではない。また、本発明で使用する溶剤
の沸点としては40℃以上180℃以下のものが好ましい。
【0121】本発明で用いられる溶剤の例としてはヘキ
サン、シクロヘキサン、トルエン、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケト
ン、酢酸エチル、1,1,1-トリクロロエタン、テトラヒド
ロフラン、トリエチルアミン、チオフェン、トリフルオ
ロエタノール、パーフルオロペンタン、キシレン、n-ブ
タノール、フェノール、メチルイソブチルケトン、シク
ロヘキサノン、酢酸ブチル、炭酸ジエチル、クロロベン
ゼン、ジブチルエーテル、アニソール、エチレングリコ
ールジエチルエーテル、N,N-ジメチルホルムアミド、モ
ルホリン、プロパンスルトン、パーフルオロトリブチル
アミン、水などが挙げられる。本発明で用いる熱現像用
乳剤は、種々の支持体上に被覆させることができる。典
型的な支持体は、ポリエステルフィルム、下塗りポリエ
ステルフィルム、ポリ(エチレンテレフタレート)フィ
ルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、硝酸セルロ
ースフィルム、セルロースエステルフィルム、ポリ(ビ
ニルアセタール)フィルム、ポリカーボネートフィルム
および関連するまたは樹脂状の材料、ならびにガラス、
紙、金属などを含む。可撓性基材、特に、部分的にアセ
チル化された、もしくはバライタおよび/またはα-オ
レフィンポリマー、特にポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン-ブテンコポリマーなどの炭素数2〜10のα
-オレフィンのポリマーによりコートされた紙支持体
が、典型的に用いられる。該支持体は透明であっても不
透明であってもよいが、透明であることが好ましい。
【0122】本発明の熱現像画像記録材料は、帯電防止
または導電性層、例えば、可溶性塩(例えば塩化物、硝
酸塩など)、蒸着金属層、米国特許第2,861,056号および
同第3,206,312号に記載のようなイオン性ポリマーまた
は米国特許第3,428,451号に記載のような不溶性無機塩
などを含む層などを有してもよい。本発明の熱現像画像
記録材料を用いてカラー画像を得る方法としては特開平
7-13295号10頁左欄43行目から11左欄40行目に記載の方
法がある。また、カラー染料画像の安定剤としては英国
特許第1,326,889号、米国特許第3,432,300号、同第3,69
8,909号、同第3,574,627号、同第3,573,050号、同第3,7
64,337号および同第4,042,394号に例示されている。本
発明で用いる熱現像写真乳剤は、浸漬コーティング、エ
アナイフコーティング、フローコーティングまたは、米
国特許第2,681,294号に記載の種類のホッパーを用いる
押出コーティングを含む種々のコーティング操作により
被覆することができる。所望により、米国特許第2,761,
791号および英国特許第837,095号に記載の方法により2
層またはそれ以上の層を同時に被覆することができる。
本発明の熱現像画像記録材料の中に追加の層、例えば移
動染料画像を受容するための染料受容層、反射印刷が望
まれる場合の不透明化層、保護トップコート層および光
熱写真技術において既知のプライマー層などを含むこと
ができる。本発明の記録材料はその記録材料一枚のみで
画像形成できることが好ましく、受像層等の画像形成に
必要な機能性層が別の記録材料とならないことが好まし
い。
【0123】本発明の熱現像画像記録材料はいかなる方
法で現像されても良いが、通常イメージワイズに露光し
た記録材料を昇温して現像される。用いられる熱現像機
の好ましい態様としては、熱現像画像記録材料をヒート
ローラーやヒートドラムなどの熱源に接触させるタイプ
として特公平5-56499号、特許公報第684453号、特開平9
-292695号、特開平9-297385号および国際公開WO95/30
934号に記載の熱現像機、非接触型のタイプとして特開
平7-13294号、国際公開WO97/28489号、同97/28488号
および同97/28487号に記載の熱現像機がある。特に好ま
しい態様としては非接触型の熱現像機である。好ましい
現像温度としては80〜250℃であり、さらに好ましくは1
00〜140℃である。現像時間としては1〜180秒が好まし
く、10〜90秒がさらに好ましい。本発明の熱現像画像記
録材料の前述の熱現像時の寸法変化による処理ムラを防
止する方法として、80℃以上115℃未満(好ましくは113
℃以下)の温度で画像が出ないようにして5秒以上加熱
した後、110℃以上(好ましくは130℃以下)で熱現像し
て画像形成させる方法(いわゆる多段階加熱方法)が有
効である。
【0124】本発明の熱現像画像記録材料はいかなる方
法で露光されても良いが、露光光源としてレーザー光が
好ましい。本発明によるレーザー光としては、ガスレー
ザー、YAGレーザー、色素レーザー、半導体レーザーな
どが好ましい。また、半導体レーザーと第2高調波発生
素子などを用いることもできる。本発明の熱現像画像記
録材料は露光時のヘイズが低く、干渉縞が発生しやすい
傾向にある。この干渉縞発生防止技術としては、特開平
5-113548号などに開示されているレーザー光を熱現像画
像記録材料に対して斜めに入光させる技術や、WO95/317
54号などに開示されているマルチモードレーザーを利用
する方法が知られており、これらの技術を用いることが
好ましい。本発明の熱現像画像記録材料を露光するには
SPIE vol.169 Laser Printing 116-128頁(1979)、特開
平4-51043号、WO95/31754号などに開示されているよう
にレーザー光が重なるように露光し、走査線が見えない
ようにすることが好ましい。本発明の熱現像画像記録材
料が、感光性ハロゲン化銀を含まない場合、本発明の熱
現像画像記録材料は、加熱によって潜像形成することが
出来る。加熱は、感熱ヘッドなどを使用して直接加熱す
る方法でも、画像記録材料中に特定の波長を吸収して熱
に変換する素材(染料、顔料など)を存在させておき、
間接的に加熱する方法でも良い。この時使用される光源
は、上記記載のレーザー光が好ましい。さらに、これら
を組合せることも可能である。また、加熱によって潜像
形成する場合、第一段階の加熱で潜像を形成し、第二段
階で画像を形成するという2段階の工程を有しても良い
し、第一段階の加熱で画像形成まで行うことも出来る。
【0125】本発明の熱現像画像記録材料の熱現像処理
に用いられる熱現像機の一構成例を図1に示す。図1は
熱現像機の側面図を示したものである。図1の熱現像機
は熱現像画像記録材料10を平面状に矯正及び予備加熱
しながら加熱部に搬入する搬入ローラー対11(下部ロ
ーラーがヒートローラー)と熱現像後の熱現像画像記録
材料10を平面状に矯正しながら加熱部から搬出する搬
出ローラー対12を有する。熱現像画像記録材料10は
搬入ローラー対11から搬出ローラー対12へと搬送さ
れる間に熱現像される。この熱現像中の熱現像画像記録
材料10を搬送する搬送手段は画像形成層を有する面が
接触する側に複数のローラー13が設置され、その反対
側のバック面が接触する側には不織布(たとえばポリフ
ェニレンサルファイトやテフロンから成る)等が貼り合
わされた平滑面14が設置される。熱現像画像記録材料
10は画像形成層を有する面に接触する複数のローラー
13の駆動により、バック面は平滑面14の上を滑って
搬送される。加熱手段はローラー13の上部及び平滑面
14の下部に熱現像画像記録材料10の両面から加熱さ
れるように加熱ヒーター15が設置される。この場合の
加熱手段としては板状ヒーター等が挙げられる。ローラ
ー13と平滑面14とのクリアランスは平滑面の部材に
より異なるが、熱現像画像記録材料10が搬送できるク
リアランスに適宜調整される。好ましくは0〜1mmで
ある。
【0126】ローラー13の表面の材質及び平滑面14
の部材は、高温耐久性があり、熱現像画像記録材料10
の搬送に支障がなければ何でも良いが、ローラー表面の
材質はシリコンゴム、平滑面の部材は芳香族ポリアミド
またはテフロン(PTFE)製の不織布が好ましい。加
熱手段としては複数のヒーターを用い、それぞれ加熱温
度を自由に設定することが好ましい。なお、熱現像処理
部の上流の予備加熱部は、熱現像温度よりも低く(例え
ば10〜30℃程度程度低く)、熱現像画像記録材料中
の水分量を蒸発させるのに十分な温度および時間に設定
することが望ましく、熱現像画像記録材料10の支持体
のガラス転移温度(Tg)よりも高い温度で、現像ムラ
が出ないように設定することが好ましい。また、熱現像
処理部の下流にはガイド板16が設置され、さらに、徐
冷部が設置される。ガイド板は熱伝導率の低い素材が好
ましく、熱現像画像記録材料に変形が起こらないように
するために冷却は徐々に行うのが好ましい。以上、図示
例に従って説明したが、これに限らず、例えば特開平7
−13294号に記載のものなど、本発明に用いられる
熱現像機は種々の構成のものであってよい。また、本発
明において、好ましく用いられる多段階加熱方法の場合
は、上述のような装置において、加熱温度の異なる熱源
を2個以上設置し、連続的に異なる温度で加熱するよう
にすればよい。
【0127】
【実施例】以下に製造例および実施例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。以下の製造例および実施例に
示す材料、使用量、割合、操作等は、本発明の趣旨から
逸脱しない限り適宜変更することができる。したがっ
て、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるもの
ではない。
【0128】(製造例)以下の合成ルートにしたがっ
て、PN−7aの合成を行った。
【化22】
【0129】(a)合成中間体Aの合成 4−ニトロフェニルヒドラジンとエチルマロニルクロリ
ドとの反応から得られるN’−(4−ニトロフェニル)
ヒドラジノカルボニル酢酸エチルエステル60gをメタ
ノール300mlに溶解し、氷冷下でナトリウムメトキ
シド(28%メタノール溶液)90mlを滴下した。室
温で1時間撹拌した後、希塩酸500mlおよび酢酸エ
チル500mlを加えて生成物を抽出し、有機溶媒を減
圧下留去することで合成中間体Aを45g得た。 (b)合成中間体Bの合成 中間体A45gをイソプロピルアルコール300mlに
溶解し、これに塩化アンモニウム5g、水30ml、還
元鉄100gを加えて2時間加熱環流した。固体分を熱
時ろ過でろ別した後、反応溶液を氷冷し、析出した結晶
をろ取することで合成中間体Bを30g得た。
【0130】(c)合成中間体Cの合成 中間体B27gおよびポリアクリル酸(平均分子量約1
0万)10gをジメチルアセトアミド100mlに溶解
し、氷冷下、ジシクロヘキシルカルボジアミド29gを
加えた。室温で3時間撹拌した後に生成した沈殿をろ別
し、反応溶液に希塩酸100mlを加えて析出した固体
をろ取することで合成中間体Cを22g得た。 (d)合成中間体Dの合成 中間体C22gをジメチルホルムアミド100mlに溶
解し、氷冷下、塩化チオニル13mlをゆっくり滴下し
た。室温で1時間撹拌した後、反応溶液に希塩酸100
mlを加えて析出した固体をろ取することで合成中間体
Dを23g得た。 (e)例示化合物PN−7aの合成 中間体D23gをメタノール100mlに溶解し、これ
に水酸化ナトリウム10g、水20mlを加えて2時間
加熱還流した。反応溶液を氷冷し、析出した固体をろ取
することで例示化合物PN−7aを20g得た。
【0131】(実施例)実施例に用いた化合物を以下に
示す。
【化23】
【0132】1.ハロゲン化銀乳剤の調製(乳剤A) 水700mlにフタル化ゼラチン11gおよび臭化カリウム30m
g、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム10mgを溶解して
温度55℃にてpHを5.0に合わせた後、硝酸銀18.6gを含む
水溶液159mlと臭化カリウムを1モル/リットルで含む水
溶液をpAg7.7に保ちながらコントロールダブルジェット
法で6分30秒間かけて添加した。ついで、硝酸銀55.5gを
含む水溶液476mlと臭化カリウムを1モル/リットルで含
むハロゲン塩水溶液をpAg7.7に保ちながらコントロール
ダブルジェット法で28分30秒間かけて添加した。その後
pHを下げて凝集沈降させて脱塩処理をし、化合物Aを0.
17g、脱イオンゼラチン(カルシウム含有量として20ppm
以下)を23.7g加え、pH5.9、pAg8.0に調整した。得られ
た粒子は平均粒子サイズ0.11μm、投影面積変動係数8
%、(100)面比率93%の立方体粒子であった。こうして得
たハロゲン化銀粒子を60℃に昇温して銀1モル当たりベ
ンゼンチオスルホン酸ナトリウム76μモルを添加し、3
分後にチオ硫酸ナトリウム154μモルを添加して、100分
熟成した。その後、40℃に温度を保ち、ハロゲン化銀1
モルに対して2.7×10?3モルの増感色素A、8.2×10?3
ルの化合物Aを攪拌しながら添加し、20分後に30℃に急
冷してハロゲン化銀乳剤Aの調製を終了した。
【0133】2.有機酸銀分散物の調製<有機酸銀A> アラキジン酸6.1g、ベヘン酸37.6g、蒸留水700ml、tert
-ブタノール70ml、1N-NaOH水溶液123mlを混合し、75℃
で1時間撹拌し反応させ、65℃に降温した。次いで、硝
酸銀22gの水溶液112.5mlを45秒かけて添加し、そのまま
5分間放置し、30℃に降温した。その後、吸引濾過で固
形分を濾別し、固形分を濾水の伝導度が30μS/cmになる
まで水洗した。こうして得られた固形分は、乾燥させな
いでウエットケーキとして取り扱い、乾燥固形分100g
相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール
(商品名:PVA-217)2.0gおよび水を添加し、全体量を
500gとしてからホモミキサーにて予備分散した。次に
予備分散済みの原液を分散機(商品名:マイクロフルイ
ダイザーM−110S−EH、マイクロフルイデックス
・インターナショナル・コーポレーション製、G10Z
インタラクションチャンバー使用)の圧力を1750kg/cm2
に調節して、三回処理し、有機酸銀分散物Aを得た。こ
うして得た有機酸銀分散物に含まれる有機酸銀粒子は平
均短径0.04μm、平均長径0.8μm、変動係数30%の針状粒
子であった。粒子サイズの測定は、Malvern Instrument
s Ltd.製MasterSizerXにて行った。冷却操作は蛇管式熱
交換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着
し、冷媒の温度を調節することで所望の分散温度に設定
した。こうして、ベヘン酸銀含有率85モル%の有機酸銀
Aを調製した。
【0134】3. 1,1-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジメチ
ルフェニル)-3,5,5-トリメチルヘキサンの固体微粒子分
散物の調製 1,1-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,5,5-
トリメチルヘキサン70gに対してクラレ(株)製MPポリ
マーのMP-203を14gと水266mlを添加してよく撹拌してス
ラリーとしした後、0.5mmのジルコニアシリケートビー
ズを960g用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分
散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス
(株)製)にて5時間分散した後、化合物−2を完成量当
たり100ppm添加して還元剤固体微粒子分散物を調製し
た。粒子径は、粒子の80wt%が0.3μm以上1.0μm以下で
あった。この還元剤固体微粒子分散物は、以下HP分散
物と呼ぶ。
【0135】4. ポリハロゲン化合物の固体微粒子分
散物の調製 前記化合物−3を30gに対してクラレ(株)製MPポリマ
ーのMP-203を5.0g、化合物−1を0.21gと、水65gを添加
し良く撹拌し、その後、0.5mmのジルコニアシリケート
ビーズを200g用意してスラリーと一緒にベッセルに入
れ、分散機(1/16Gサンドグラインダーミル:アイ
メックス(株)製)にて5時間分散し、その後、水20m
l及び化合物−2を完成量当たり100ppm添加し10分間
攪拌して固体微粒子分散物を調製した。得られた分散物
の平均粒子径は、0.35μm、最大粒子径は1.85μmであ
った。化合物−4についても上記と同様な方法で分散し
固体微粒子分散物を調製した。
【0136】5. 化合物−6の固体微粒子分散物の調
前記化合物−6を7.5gに対してクラレ(株)製MPポリマ
ーのMP-203を3.0gと水90gを添加し良く撹拌しスラリー
とした。その後化合物−3の固体分散物と同様にして分
散物を調製した。6. 本発明用化合物の乳化分散物の調製 表6に記載の本発明用の化合物5gを酢酸エチル100mlに
溶解し、これに4?ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム1g、水100gを添加して高速撹拌機により撹拌した
後、脱溶媒を行い、乳化分散物を調製した。得られた分
散物の平均粒子径は0.5μmであった。
【0137】7. 乳剤層塗布液の調製 上記で作成した有機酸銀微結晶分散物の銀1モルに対し
て、以下のバインダー、素材、およびハロゲン化銀乳剤
Aを添加し、水を加えて乳剤層塗布液とした。 バインダー;ラックスター3307B 固形分として470g (大日本インキ化学工業(株)製;SBRラテックスでガラス転移温度17℃) HP分散物 固形分として110g 本発明用の化合物 表−6に量と種類を記載 ヒドラジン誘導体 表−6に量と種類を記載 ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 0.5g 6-メチルベンゾトリアゾール 1.36g ポリビニルアルコール(クラレ(株)製PVA-235) 12.1g 化合物−3の固体分散物 固形分として33.6g 化合物−4の固体分散物 固形分として8.8g 化合物−5(水溶液) 1.1g 化合物−6の固体分散物 固形分として10.5g 燐酸二水素ナトリウム 0.36g 6-iso-プロピルフタラジン 16.5g 染料A 0.50g ハロゲン化銀乳剤A Ag量として0.05mol また、比較のために比較化合物−1、2を用いた。
【0138】8. 乳剤面保護層塗布液の調製 固形分27.5wt%のポリマーラテックス(メチルメタクリ
レート/スチレン/2-エチルヘキシルアクリレート/2-
ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸=59/9
/26/5/1の共重合体でガラス転移温度55℃)109gに水
3.75gを加え、造膜助剤としてベンジルアルコール4.5
g、化合物−7を0.45g、化合物−8を0.125g、4-メチル
フタル酸を1.70g、化合物−9を0.59gおよびポリビニ
ルアルコール(クラレ(株)製、PVA-235)0.285gを加
え、さらに水を加えて150gとし、塗布液とした。
【0139】9. バック/下塗り層のついたPET支持
体の作成 (1)支持体 テレフタル酸とエチレングリコールを用い、常法に従
い、IV(固有粘度)=0.66(フェノール/テトラクロル
エタン=6/4(重量比)中25℃で測定)のPETを得
た。これをペレット化した後、130℃で4時間乾燥し、3
00℃で溶融後T型ダイから押し出して急冷し、熱固定後
の膜厚が120μmになるような厚みの未延伸フイルムを
作成した。これを周速の異なるロールを用い、3.3倍に
縦延伸、ついでテンターで4.5倍に横延伸を実施した。
このときの温度はそれぞれ、110℃、130℃であった。こ
の後、240℃で20秒間熱固定後これと同じ温度で横方向
に4%緩和した。この後、テンターのチャック部をスリッ
トした後、両端にナール加工を行い、4.8kg/cm2で巻き
とった。このようにして、幅2.4m、長さ3500m、厚み120
μmのロールを得た。
【0140】 (2)下塗り層(a) ポリマーラテックス(1) スチレン/ブタジエン/ヒドロキシエチルメタクリレート/ジビニルベンゼン =67/30/2.5/0.5(重量%) 160mg/m2 2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-s-トリアジン 4mg/m2 マット剤(ポリスチレン、平均粒子径2.4μm) 3mg/m2 (3)下塗り層(b) アルカリ処理ゼラチン (Ca2+含量30ppm、ゼリー強度230g) 50mg/m2 染料A 780nmの光学濃度が0.6になる塗布量 (4)導電層 ジュリマーET-410(日本純薬(株)製) 96mg/m2 ゼラチン 50mg/m2 化合物−A 0.2mg/m2 ポリオキシエチレンフェニルエーテル 10mg/m2 スミテックスレジンM-3 18mg/m2 (水溶性メラミン化合物 住友化学工業(株)製) 染料A 780nmの光学濃度が0.6になる塗布量 SnO2/Sb(9/1重量比、針状微粒子、長軸/短軸=20〜30;石原産業(株)製) 120mg/m2 マット剤(ポリメチルメタクリレート、平均粒子径5μm) 7mg/m2
【0141】 (5)保護層 ポリマーラテックス−(2) メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート/2−ヒドロ キシエチルメタクリレート/アクリル酸 =59/9/26/5/1(重量%の共重合体) 1000mg/m2 ポリスチレンスルホン酸塩(分子量1000〜5000) 2.6mg/m2 セロゾール524(中央油脂(株)製) 30mg/m2 スミテックスレジンM-3 218mg/m2 (水溶性メラミン化合物、住友化学工業(株)製) 支持体の片面に下塗り層(a)と下塗り層(b)を順次塗布
し、それぞれ180℃、4分間乾燥した。ついで、下塗り
層(a)と下塗り層(b)を塗布した反対側の面に導電層と保
護層を順次塗布し、それぞれ180℃、30秒間乾燥してバ
ック/下塗り層のついたPET支持体を作成した。このよ
うにして作成したバック/下塗り層のついたPET支持体
を150℃に設定した全長30mの熱処理ゾーンに入れ、張力
14g/cm2、搬送速度20m/分で自重搬送した。その後、40
℃のゾーンに15秒間通し、10kg/cm2の巻き取り張力で巻
き取った。
【0142】10. 熱現像画像記録材料の調製 前記バック/下塗り層のついたPET支持体の下塗り層の
上に前記の乳剤層塗布液を塗布銀量1.8g/m2になるよう
に塗布した。さらにその上に、前記乳剤面保護層塗布液
をポリマーラテックスの固形分の塗布量が2.0g/m2にな
るように塗布した。11. 写真性能の評価 (露光処理)得られた塗布サンプルを780nmにピークを有
する干渉フィルターおよびステップウェッジを介して、
発光時間10-6秒のキセノンフラッシュ光で露光した。 (熱現像処理)露光済みのサンプルを図1の熱現像機にて
117℃で20秒間、119℃で20秒間、121℃で20秒間熱現像
処理を行った。なお、図1のドラム式熱現像機は、ラン
プの配光を最適化し、幅方向の温度制御を±1℃で行っ
た。また、ガイド板16付近において熱現像画像記録材
料の温度が90℃以下にならないように雰囲気温度を調
整した。 (写真性能の評価)得られた画像の評価を濃度計により行
った。測定の結果は、Dmax、カブリ(Dmin)、感度(Dmin
より1.5高い濃度を与える露光量の比の逆数の相対値)で
評価した。感度(S1.5)についてはサンプルNo.102の
感度を100として相対値で示した。また、特性曲線で濃
度0.3と3.0の点を結ぶ直線の傾きを階調γとして示し
た。結果を表6に示す。
【0143】
【表10】
【0144】(結果)本発明用の化合物を組み合わせて
使用することにより、高感度、超硬調性を満足しなが
ら、カブリにくい熱現像画像記録材料が得られた。さら
にヒドラジン誘導体を併用することにより、予想外にそ
の効果は顕著になる。
【0145】
【発明の効果】本発明によれば、カブリが極めて小さ
く、硬調な熱現像画像記録材料が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる熱現像機の一構成例を示す側面
図である。
【符号の説明】
10 熱現像画像記録材料 11 搬入ローラー対 12 搬出ローラー対 13 ローラー 14 平滑面 15 加熱ヒーター 16 ガイド板 A 予備加熱部 B 熱現像処理部 C 徐冷部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江副 利秀 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社足柄研究所内 Fターム(参考) 2H123 AB00 AB03 AB23 AB28 BB00 BB02 BB31 CB00 CB03 EA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一層の画像形成層を有する熱
    現像画像記録材料において、有機銀塩、還元剤および下
    記一般式(1)、(2)もしくは(3)で表される化合
    物から誘導される構造部を有するポリマーを含有するこ
    とを特徴とする熱現像画像記録材料。 【化1】 [一般式(1)においてR1、R2、R3は、それぞれ独
    立に水素原子または置換基を表し、Zは電子吸引性基を
    表す。一般式(1)においてR1とZ、R2とR3、R1
    2、或いはR3とZは、互いに結合して環状構造を形成
    していてもよい。一般式(2)においてR4は、置換基
    を表す。一般式(3)においてX、Yはそれぞれ独立に
    水素原子または置換基を表し、A、Bはそれぞれ独立
    に、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ
    基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アニリノ基、
    ヘテロ環オキシ基、ヘテロ環チオ基、またはヘテロ環ア
    ミノ基を表す。一般式(3)においてXとY、あるいは
    AとBは、互いに結合して環状構造を形成していてもよ
    い。]
  2. 【請求項2】 更に下記一般式(A)で表されるヒドラ
    ジン誘導体を含有することを特徴とする請求項1に記載
    の熱現像画像記録材料。 【化2】 [一般式(A)において、R20は脂肪族基、芳香族基、
    またはヘテロ環基を表し、R10は水素原子またはブロッ
    ク基を表し、G1は−CO−、−COCO−、−C=S
    −、−SO2−、−SO−、−PO(R30)−基(R30
    はR10に定義した基と同じ範囲内より選ばれ、R10と異
    なっていてもよい。)、またはイミノメチレン基を表
    す。A1、A2はともに水素原子、あるいは一方が水素原
    子で他方が置換もしくは無置換のアルキルスルホニル
    基、または置換もしくは無置換のアリールスルホニル
    基、または置換もしくは無置換のアシル基を表す。m1
    は0または1であり、m1が0の時、R10は脂肪族基、
    芳香族基、またはヘテロ環基を表す。]
  3. 【請求項3】 感光性ハロゲン化銀を含有することを特
    徴とする請求項1または2に記載の熱現像画像記録材
    料。
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US11912648B2 (en) 2018-07-17 2024-02-27 Evonik Operations Gmbh Method for preparing C-H acidic (meth)acrylates

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CN112424163B (zh) * 2018-07-17 2023-06-23 赢创运营有限公司 用于制备水性聚合物分散体的ch-酸性甲基丙烯酸酯
US11912648B2 (en) 2018-07-17 2024-02-27 Evonik Operations Gmbh Method for preparing C-H acidic (meth)acrylates

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