JP2005227434A - 平版印刷版 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、インキ乗り、耐刷性に優れたアルミニウム板を支持体とする銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版を提供することである。
【解決手段】粗面化され、陽極酸化されたアルミニウム支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有する銀錯塩拡散転写法を応用した平版印刷版に於いて、該ハロゲン化銀乳剤層の上層に、化1あるいは化2で示される官能基を有するポリマーを含有する層を設けることによって達成された。
【選択図】 なし

Description

本発明は、粗面化され、陽極酸化されたアルミニウム板を支持体とする銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版に関する。
現在、平版印刷の分野において、アルミニウム板を支持体とした平版印刷版は、感光性樹脂を用いたPS版(プレセンシタイズド版)をはじめ各種印刷版が知られている。例えば、特開平7−20629号、同平7−271029号に記載のサーマルプレート、特開平7−314934号、同平8−48018号に記載のレーザーアブレーションを利用した平版印刷版、及び特開平5−265216、同平5−313206号、同平7−56345号、同平9−6005号に記載の銀錯塩拡散転写方式を利用した銀塩印刷版等が知られている。本発明は銀塩印刷版を対象とするものである。
これらの印刷版は、主に樹脂層または物理現像銀で形成された画像部とアルミニウムの陽極酸化層で形成された非画像部によって構成されており、画像部がインキを選択的に受付け、非画像部が選択的に水を受け付けることによって印刷がなされる。従って、画像部と非画像部の親油性と親水性の差が大きいことが必要である。これらの平版印刷版は現像後、非画像部であるアルミニウム表面を露出させるために樹脂層またはハロゲン化銀乳剤層が除去され、その後仕上げ液が塗布される。
本発明が対象とする銀塩印刷版は、粗面化され陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核を担持し、更にその上にハロゲン化銀乳剤層を設けた構成になっており、一般的な製版方法は、露光後、現像処理、水洗処理(ウォッシュオフ:ハロゲン化銀乳剤層の除去)、仕上げ処理の工程からなっている。
金属銀によって形成された銀塩印刷版の画像部は、感光性樹脂によって形成されたPS版等の画像部に比べ、親油性が低い。そのため、製版処理工程での高い親水性の付与は、画像部の親油性の低下を顕著に招く。従って、現像液は言うまでもなく、仕上げ液の機能もその両者間で大きく異なる。即ち、銀塩印刷版の処理液は、非画像部の親水性と画像部の親油性をバランスよく高めることが要求される。
そこで、インキ着肉性、耐刷性、耐インキ汚れ性等を改善する目的で、現像処理液、水洗処理液、仕上げ処理液を改良する試みが多くなされている。例えば、水洗処理後、版面の保護及び非画像部の親水性向上のため、アラビアゴム、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸等の保護コロイドを含有する仕上げ液が塗布される。所謂、ガム引きと云われる処理が施される。これら仕上げ液は、定着液やフィニッシング液とも称され、銀画像部を親油性にする化合物(例えば、メルカプト基またチオン基を有する含窒素複素環化合物)を含有することも一般的である。
また、版材を改良することにより、印刷性能を改善する方法も多く検討されている。例えば、特開平6−92055号、特開平10−264548号、特開2000−267267号等には、アルミベースの前処理によって銀画像とアルミベースの接着性を高め、画像再現性・耐刷性を改善する方法が開示されている。しかしながら、このような方法においても、銀画像の形成と共にアルミニウム支持体の現像液によるエッチングが起こり、微小網点・細線等の画像が消失したり、処理液の状態によってインキ着肉性の低下、耐刷性の低下が認められ、さらなる安定化が求められていた。
特開平8−184967号(特許文献1)、特開平8−184969号(特許文献2)では上述したような銀錯イオンによって硬化するという特徴を有するポリマー自体による画像を利用した平版印刷版について記載されているものであり、ポリマーが銀錯イオンによって硬化するという特徴を利用する点を除いては、本発明の意図する使用目的とは基本的に異なるものである。一方、特開平8−211614号(特許文献3)では、感光性ハロゲン化銀乳剤層の上層にポリマーを含有させる点は同じであるが、現像処理後においても銀塩感光材料の表面にポリマーが残存することを利用した平版印刷版について記載されているものであり、同様に本発明の意図する使用目的とは基本的に異なるものである。
特開平8−184967号公報 特開平8−184969号公報 特開平8−211614号公報
本発明の目的は、インキ乗り、耐刷性に優れたアルミニウム板を支持体とする銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版を提供することである。
本発明の上記目的は、粗面化され、陽極酸化されたアルミニウム支持体上に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する銀錯塩拡散転写法を応用した平版印刷版に於いて、該感光性ハロゲン化銀乳剤層の上層に化1あるいは化2で示される官能基を有するポリマーを含有する層を設けることによって達成された。
Figure 2005227434
化1中、R1は水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、またはアミジノ基を表し、R2は水素原子またはアミノ基を表す。
Figure 2005227434
化2中、Xは含窒素複素環を表し、nは1または2を表す。
本発明において該感光性ハロゲン化銀乳剤層の上層に含まれる、前記化1で示される官能基を有するポリマーの好ましい例としては下記化3で示される繰り返し単位を含むポリマーが挙げられる。
Figure 2005227434
化3中、R3は水素原子またはメチル基を表し、Qは2価の連結基を表す。R4は2価の連結基を表し含まれない場合もある。R5はR1と同義である。R6はR2と同義である。
また、本発明において該感光性ハロゲン化銀乳剤層の上層に含まれる、前記化2で示される官能基を有するポリマーの好ましい例としては下記化4で示される繰り返し単位を含むポリマーが挙げられる。
Figure 2005227434
化4中、R7は水素原子またはメチル基を表し、Lはアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基、COO基、NHCOO基、NHCOOCH2CH2基、CONH基、あるいは化5で示される置換基等の2価の連結基を表す。Aはメルカプト基を有するオキサジアゾール環、チアジアゾール環、セレナジアゾール環、トリアゾール環、トリアジン環を表し、これらの環はベンゼン環を介して連結基Lと結合していても良い。
Figure 2005227434
化5中、R8は水素原子またはアルコキシ基を表す。
本発明によれば、粗面化され、陽極酸化されたアルミニウム支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有する銀錯塩拡散転写法を応用した平版印刷版に於いて、ハロゲン化銀乳剤層の上層に前記化1あるいは化2に示す官能基を有するポリマーを含有する層を設けることによって、インキ乗り・耐刷性が安定した平版印刷版を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
ハロゲン化銀乳剤層は感光性を有し、像様露光された後、DTR現像を行うことで、例えば露光部のハロゲン化銀は還元され金属銀として該ハロゲン化銀乳剤層中に留まるが、未露光部のハロゲン化銀はDTR現像液中に含まれるハロゲン化銀に対する溶剤によって銀錯イオンを形成して溶解し、拡散することによってアルミニウム支持体上に銀画像が形成される。通常、この際に、該ハロゲン化銀乳剤に含まれる銀の一部がアルミニウム支持体上に銀画像として残るが、それ以外の銀は該ハロゲン化銀乳剤層中に留まるか、あるいは、現像液中へと拡散するが、前記化1あるいは化2に示す官能基を有するポリマーは銀イオンの添加により硬化するという特徴を有しており、この現像液中へ拡散する銀錯イオンによって硬化する。該ポリマー層が硬化することによって、現像液への銀錯イオンの拡散が抑制され、アルミニウム支持体への転写が促進される。また、ポリマーが硬化することにより、乳剤層への現像液の供給が抑制され、アルミニウム支持体のエッチングを低減することができ、特に微小網点・細線の耐刷性が向上する。
上記に於いて、該ポリマーが銀イオンによって硬化するという特性は、ポリマー中に銀イオンと強く相互作用するような官能基を有する場合に発揮されるが、いわゆる既知のキレート形成ポリマーの多数の例に於いてこうした現象が認められる。しかし、こうした一般に知られるキレート形成ポリマーの内には単にキレートを形成するのみで、硬化には至らない場合も多く、さらには硬化する場合であっても効果の程度が弱く、本発明が目的とするところの効果が得られない場合もある。
本発明の目的とする平版印刷版は、前記化1あるいは化2で示される官能基を含むポリマーを含有する層を、感光性ハロゲン化銀乳剤層の上層に設けることによって得られるが、該感光性ハロゲン化銀乳剤層が像様露光され、DTR現像されることで銀錯イオンを上層の該ポリマーを含む層へ供給し、この銀錯イオンに対してキレート形成を行う官能基として前記化1あるいは化2で示される官能基を有する該ポリマーが硬化することが特徴である。該ポリマーを含む層は、DTR現像処理に引き続いて水洗処理を行うことで、該感光性ハロゲン化銀乳剤層と共に除去される。
本発明の平版印刷版における、感光性ハロゲン化銀乳剤層の上層に含まれるポリマーは、前記化1あるいは化2で示される官能基を有することで目的を達成できるものであるが、前記化1あるいは化2で示される官能基を有する繰り返し単位として示される前記化3あるいは化4からなるホモポリマーであっても良く、あるいはこうした繰り返し単位と共に下記化6で表されるような繰り返し単位を併せ持つ共重合体を使用することで塗布性を向上させると共に、本発明の目的とする効果をより好ましく発揮することができる。
Figure 2005227434
化6において、R9、R10は水素原子またはメチル基を表し、R11は水素原子またはアルキル基、ヒドロキシアルキル基を表す。
前記化3あるいは化4で表される繰り返し単位と化6で表される繰り返し単位の共重合体中における割合としては、前記化3あるいは化4で表される繰り返し単位が0.1質量%以上100質量%以下である場合に本発明の効果がもっとも顕著に現れ、前記化3あるいは化4で表される繰り返し単位が0.1質量%以下の場合には効果が認められない場合がある。
化6で表される繰り返し単位を与えるための好ましいモノマーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等が挙げられるが、こうしたモノマーを共重合成分として該ポリマー中に導入することで、該ポリマーを含む塗布液の塗布性を良好なものとすることができる。
本発明は上記のようなホモポリマーあるいは2成分からなる共重合体を使用することで目的は十分に達成されるものであるが、適用しようとする個々の場合によっては更に該ポリマーの性質を改善することが好ましい場合がある。例えば、キレート形成後の硬化層の疎水性をある程度高め、現像液の供給をより効率的に抑制するなどの目的では、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(炭素数1〜20までの飽和アルキルエステル)、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、スチレンおよびその誘導体等の種々の疎水性モノマーを共重合成分として該ポリマー中に導入しても良い。あるいは、種々の目的で、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸のようなカルボキシル基を有するモノマーあるいはこれらの塩や、ビニルスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、(メタ)アリルスルホン酸ナトリウムのようなスルホン酸基を有するモノマー、さらに2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートのような水酸基を有するモノマーやメトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートのようなメトキシ基およびエチレンオキシ基を有するようなモノマー、あるいは、ビニルイミダゾール、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,Nージエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,Nージメチルアミノプロピルアクリルアミド、アリルアミン、ジアリルアミン等のような塩基性窒素原子を有するモノマーや、その他酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル誘導体、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等種々のモノマーを共重合成分として導入することも出来る。さらに、少量であれば2官能性モノマーとしてジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミドのようなモノマーを導入することも可能である。
しかしながら、上記のようなモノマーを共重合成分として該ポリマー中に導入する場合には、これら成分の共重合体組成中での割合は50質量%以下であることが好ましく、これ以上の添加で得られるポリマーを使用した場合、例えば、現像される前の該ポリマー層の疎水性によって必要量の現像液の供給自体阻害される等、好ましくない影響が現われることがある。
本発明で使用するポリマーの分子量としては重量平均分子量が5000以上100万以下の範囲にあることが好ましく、これ以上の分子量のポリマーでは溶液粘度が高く塗布が困難となる場合があるため好ましくない。また、上記範囲以下の低分子量のポリマーを使用した場合は硬化が不十分となることがあり好ましくない。
本発明で使用することができる前記化1あるいは化2で示される官能基を有する繰り返し単位(前記化3あるいは化4)、並びに前記化3あるいは化4で示される繰り返し単位からなるホモポリマーおよび前記化6で示される繰り返し単位等との共重合体の具体例としては、特開平8−184967号(特許文献1)、特開平8−184969号(特許文献2)、特開平8−211614号(特許文献3)に示されているもの等が挙げられる。
化7〜化13に、本発明に於いて使用することができる前記化1あるいは化2で示される官能基を有するポリマーを例示するが、これらに限定されるものではない。なお、式中の数字は共重合体組成中の各繰り返し単位の質量%を示す。
Figure 2005227434
Figure 2005227434
Figure 2005227434
Figure 2005227434
Figure 2005227434
Figure 2005227434
Figure 2005227434
また、本発明のポリマーを該感光性ハロゲン化銀乳剤層の上層に設けるに当たっては、1平方メートル当たり0.01g〜2gの範囲で使用することが好ましく、その範囲外では本発明の効果が得られない場合がある。上層には、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチン等各種ゼラチン、および、それらの修飾ゼラチン(例えばフタル化ゼラチン、アミド化ゼラチンなど)、更にポリビニルピロリドン、各種でんぷん、アルブミン、ポリビニルアルコール、アラビアガム、ヒドロキシエチルセルロース、等の親水性高分子化合物を含有させることによって、塗布性をより良好なものにすることができる。また、必要に応じて、各種界面活性剤を使用することによっても更に塗布性を好ましいものとすることができる。
更に、本発明では物理現像銀の析出量を増やすためにアルミニウム支持体と感光性ハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核層を設けるのが好ましい。本発明で使用される物理現像核層の物理現像核としては、公知の銀錯塩拡散転写法に用いられるものでよく、例えば金、銀等のコロイド、パラジウム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物などが使用できる。保護コロイドとして各種親水性コロイドを用いることもできる。これらの詳細及び製法については、例えば、特公昭48−30562号、特開昭48−55402号、同53−21602号、フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」を参照し得る。
本発明の平版印刷板は、上述したようにアルミニウム支持体上に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する。該感光性ハロゲン化銀乳剤は、一般に用いられる塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ臭化銀等から選択されるが、塩化銀主体(塩化銀50モル%以上のものを意味する)が好ましい。また乳剤のタイプとしてはネガ型、ポジ型のいずれでもよい。これらのハロゲン化銀乳剤は必要に応じて化学増感あるいはスペクトル増感することができる。
ハロゲン化銀乳剤層の親水性コロイドとしてはゼラチンを用いることがハロゲン化銀粒子を作成する際に好ましい。ゼラチンには酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチン等各種ゼラチンを用いることができる。また、それらの修飾ゼラチン(例えばフタル化ゼラチン、アミド化ゼラチンなど)も用いることができる。また、更にポリビニルピロリドン、各種でんぷん、アルブミン、ポリビニルアルコール、アラビアガム、ヒドロキシエチルセルロース、等の親水性高分子化合物を含有させることができる。用いられる親水性コロイドとしては、現像後の剥離性を容易にするために実質的に硬膜剤を含まない親水性コロイド層を用いることが望ましい。
本発明の平版印刷版の乳剤層には、必要に応じてアニオン、カチオン、ベタイン、ノニオン系の各種界面活性剤、カルボキシメチルセルロース等の増粘剤、消泡剤等の塗布助剤、エチレンジアミンテトラアセテート等のキレート剤、ハイドロキノン、ポリヒドロキシベンゼン類、3−ピラゾリジノン類等の現像主薬を含有させてもよい。
銀塩印刷版の製版に用いられる現像液には、現像主薬、例えばポリヒドロキシベンゼン類、3-ピラゾリジノン類、アルカリ性物質、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、あるいはアミン化合物、保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウム、粘稠剤、例えばカルボキシメチルセルロース、カブリ防止剤、例えば臭化カリウム、現像変成剤、例えばポリオキシアルキレン化合物、ハロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミド、チオサリチル酸、メソイオン性化合物等の添加剤を含ませることができる。上記親油化剤を含有させてもよい。現像液のpHは通常10〜14、好ましくは12〜14である。
銀塩印刷版の製版に用いられる水洗液には、pHを4〜8、好ましくは4.5〜7の範囲に緩衝させる緩衝剤、例えば燐酸塩緩衝剤、クエン酸塩緩衝剤またはそれらの混合物を含有することができる。また、防腐剤を含有させてもよい。水洗液中には更に上記タンパク質分解酵素及び親油化剤を含有させることが好ましい。
上記水洗液はアルミニウム支持体上のハロゲン化銀乳剤層を完全に除去するために用いるもので、通常、25〜35℃の水洗液をジェット方式で吹き付ける方法、または水洗液を吹き付けながらスクラブローラで乳剤層を剥離する方法が採用されている。また、水洗工程は、水洗液を循環させて再利用するクローズドタイプが一般に用いられている。
銀塩印刷版の製版に用いられる仕上げ液には、アラビアガム、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸のプロピレングリコールエステル、ヒドロキシエチル澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルアルコール等の保護コロイド、pHを4〜8の範囲に緩衝させる緩衝剤、例えば燐酸塩緩衝剤、クエン酸塩緩衝剤またはそれらの混合物を含有することができる。また、防腐剤を含有させてもよい。仕上げ液には更にタンパク質分解酵素を含有させても良い。
さらに、銀画像部を親油性にする化合物(親油化剤)を含有させることが好ましい。親油化剤としては、フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」、105、106ページに記載されている化合物が挙げられる。
本発明に用いられるアルミニウム支持体は粗面化され陽極酸化されたアルミニウム板であり、1平方メートル当たり1.0g以上、好ましくは1.5g〜5gの多孔質酸化アルミニウムを有するものが用いられる。
本発明において、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層の間に、特開平3−116151号公報記載の水膨潤性中間層、同平4−282295号公報に記載の疎水性重合体ビーズを含有する中間層を設けてもよい。
以下、本発明を実施例にて説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。アルミニウム支持体の電解粗面化処理及び陽極酸化は米国特許第5,427,889号公報に記載の方法に従って、平均直径約5μmのプラート上に直径0.03〜0.30μmのピットを100μm2当たり約5,600個有し、かつこれらのピットの平均直径が0.08μmである厚さ0.30mmのアルミニウム板を得た。このアルミ板は粗面化処理後に陽極酸化したものであり、平均粗さ(Ra)は0.5〜0.6μmであった。
物理現像核として硫化パラジウムを1平方メートル当たり0.3mgになるように物理現像核液を作成し、上記アルミニウム支持体に塗布した後乾燥した。
ハロゲン化銀乳剤の調製は、保護コロイドとしてアルカリ処理ゼラチンを用い、コントロールダブルジェット法で平均粒径0.2μmの、ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウムを銀1モル当たり0.006ミリモルドープさせた臭化銀15モル%、ヨウ化銀0.4モル%の塩ヨウ臭化銀乳剤を調製した。その後、この乳剤をフロキュレーションさせ、洗浄した。さらにこの乳剤に硫黄金増感を施した後、安定剤を添加し、赤色領域の増感色素を銀1g当たり3mg用いて分光増感した。
このようにして作成したハロゲン化銀乳剤に界面活性剤を加え、前記物理現像核層上に銀量が2g/m2、ゼラチン量が2.5g/m2になるよう塗布した。
次に、上記化7〜化13に示したポリマーを1平方メートル当たり0.15g/m2になるように、前記ハロゲン化銀乳剤層上に塗布した。また、本発明の比較として、前記ハロゲン化銀乳剤層状に何も塗布しないものを比較1、ゼラチンが0.15g/m2になるように前記ハロゲン化銀乳剤層上に塗布したものを比較2とした。
上記平版印刷材料を633nmの赤色LDレーザーを光源とする出力機で画像出力し、次に製版用プロセッサー(デュポン社製SLT−85N自動現像機)で処理して平版印刷版を作成した。製版用プロセッサーは、現像処理工程(標準21℃、10秒間浸漬)、水洗処理工程(35℃の水洗液を10秒間シャワー噴射しながらスクラブローラで乳剤層をウォッシュオフする)、仕上げ処理工程(21℃、5秒間シャワー)及び乾燥工程から構成されている。水洗処理工程は、貯留タンクに貯留された30リットルの水洗液をポンプで循環させて、平版印刷版にシャワー噴射した後、濾過フィルターで濾過して貯留タンクに回収し再使用するクローズドタイプになっている。
用いた現像液、水洗液及び仕上げ液の組成は次の通りである。
<現像液>
水酸化ナトリウム 20g
ハイドロキノン 20g
1−フェニル−3ピラゾリジノン 2g
無水亜硫酸ナトリウム 80g
モノメチルエタノールアミン 6g
チオ硫酸ナトリウム(5水塩) 8g
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 5g
脱イオン水で1000mlとする。
pH(25℃)=13.4
<水洗液>
2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサジアゾール 0.5g
トリエタノールアミン 13g
重亜硫酸ナトリウム 10g
第1燐酸カリウム 40g
タンパク質分解酵素 1g
水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは6.0に調整した。
タンパク質分解酵素として、ビオプラーゼAL−15(細菌プロティナーゼ、長瀬産業(株)製)を用いた。
<仕上げ液>
アラビアゴム 10g
リン酸 0.5g
クエン酸 20g
2−メルカプト−5−n−ヘプチルオキサジアゾール 0.5g
脱イオン水で1000mlとする。
pHは5.2に調整した。
上記記載の方法で作成された印刷版について、インキ受理性、細線耐刷性を比較した。インキ受理性は印刷開始後、画像濃度の変化が起きなくなる迄の枚数で評価した。細線耐刷性は50μm幅細線の1000枚印刷時の画像飛びを目視にて評価した。評価は、○=良好、△=かすれる、×=消失、とした。
各項目は印刷機ハイデルベルグTOK(Heidelberg社製オフセット印刷機の商標)、インキ(大日本インキ化学工業(株)社製のニューチャンピオン墨H)及び市販のPS版用給湿液を用いて印刷を行い評価した。結果を表1に示す。
Figure 2005227434
表1より、前記化1あるいは化2に示される官能基を有するポリマーを含有する層を該感光性ハロゲン化銀乳剤層の上層に設けることによって、インキ乗り・耐刷性が改善されていることがわかる。

Claims (3)

  1. 粗面化され、陽極酸化されたアルミニウム支持体上に少なくとも一層のハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩拡散転写を利用した平版印刷版において、該ハロゲン化銀乳剤層の上層に化1もしくは化2で示される官能基を有するポリマーを含有する層を設けること特徴とする平版印刷版。
    Figure 2005227434
    化1中、R1は水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、またはアミジノ基を表し、R2は水素原子またはアミノ基を表す。
    Figure 2005227434
    化2中、Xは含窒素複素環を表し、nは1または2を表す。
  2. 請求項1において、化1で示される官能基を含むポリマーとして、下記化3で示される繰り返し単位を有することを特徴とする平版印刷板。
    Figure 2005227434
    化3中、R3は水素原子またはメチル基を表し、Qは2価の連結基を表す。R4は2価の連結基を表し含まれない場合もある。R5はR1と同義である。R6はR2と同義である。
  3. 請求項1において、化2で示される官能基を含むポリマーとして、下記化4で示される繰り返し単位を有することを特徴とする平版印刷板。
    Figure 2005227434
    化4中、R7は水素原子またはメチル基を表し、Lはアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基、COO基、NHCOO基、NHCOOCH2CH2基、CONH基、あるいは化5で示される置換基等の2価の連結基を表す。Aはメルカプト基を有するオキサジアゾール環、チアジアゾール環、セレナジアゾール環、トリアゾール環、トリアジン環を表し、これらの環はベンゼン環を介して連結基Lと結合していても良い。
    Figure 2005227434
    化5中、R8は水素原子またはアルコキシ基を表す。
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