JP2005225544A - 電子レンジ調理用袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】 比較的簡単な製造プロセスにより安定した性能で製造でき、保管時には十分に密封状態を達成でき、輸送時には破袋が生じにくく、加熱時には放出口が的確に開いて水蒸気を逃がすことができる電子レンジ調理用袋を提案する。
【解決手段】 少なくとも基材層とヒートシール層からなる複合フィルムが、ヒートシールされて構成された電子レンジ調理用包装袋であって、ヒートシール層が、融点が135℃以上180℃以下である高融点樹脂を主体とする層Aと、融点が80℃以上135℃未満である低融点樹脂と高融点樹脂との混合樹脂を主体とする層Bとの少なくとも2層からなり、高融点樹脂の融点と低融点樹脂の最も高い融点との差が20℃以上であり、かつ2層が、ヒートシール層のヒートシール面からB、Aの順に積層されている。
【選択図】 図10

Description

本発明は、食品を密封した包装体を、未開封のまま電子レンジに入れて加熱調理できる電子レンジ調理用袋およびその包装体に関し、具体的には、保管中は良好な密封性を保てるにも係わらず、電子レンジ加熱により内容物である食品から発生する水蒸気は、確実に袋外に逃がすことができる調理用袋およびその包装体に関する。
近年、シューマイ、スパゲッティ、メンチカツ、中華饅頭等のチルド食品や冷凍食品では、プラスチックフィルム製の包装袋に密封されたままの状態で、電子レンジに入れて加熱できるものが市販されている。このような用途に使用される包装袋では、加熱により発生する水蒸気の内圧により、包装袋の一部が何らかの機構により剥がれるなどして水蒸気を逃がす放出孔を形成し、加熱時に包装袋が爆発しないようにしている。水蒸気を逃す機構は、保管時には雑菌などの混入を防ぐために完全な密封状態を達成でき、かつ輸送時等に破袋等が生じないものであり、一方、加熱時には食品から発生した水蒸気を速やかに袋外に逃がす放出口が開くものでなければならない。
このような相反する条件を実現するための技術として、ナイロン−ポリエチレンフィルムの各側縁部同士を重ねて熱熔着により中央シール部を形成する際に、中央部の温度をその両側部分の温度よりも低くして、中央部を接着力が弱い低接着部とし、その両側部分を接着力が強い高接着部とする収納袋が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この袋に食品を収納して電子レンジで加熱すると、内部の水蒸気圧が上昇して、低接着部の接着が外れて開封され、水蒸気が逃げるようになっている。
しかし、この技術では、単にヒートシール温度を調節してヒートシール強度を調節しているだけであり、安定して目的にかなう包装袋を製造するのは実際上困難である。一般に、プラスチックフィルムのヒートシール強度は、図12に示したように、あるヒートシール温度から急激に立ち上がって速やかに上限値に達する。一方で、ヒートシール温度は、フィルム自体の温度やフィルム雰囲気の温度に影響されて精密に制御するのは工業的に困難である。さらに、フィルムの厚みや樹脂組成等のバラツキによる熱容量や融点の微妙な変動も生じる。その結果、包装袋のヒートシール強度もばらつくことになり、加熱時に的確に放出口が開かなかったり、または、輸送時に放出口が開いてしまい雑菌が混入するような事態も生じうる。
他の技術としては、外層が耐熱性のある熱可塑性樹脂フィルムからなり、内層がシーラントフィルムからなり、そして、中間層には剥離剤層を設けてなる積層プラスチックフィルムよりなる電子レンジ加熱対応包材も開示されている(例えば、特許文献2参照)。この技術では、ヒートシールする部分の一部に剥離剤を用い、これにより、この部分の接着強度を下げる。すると、加熱時にはこの接着強度が低い部分が剥がれ、袋内の水蒸気が外部に逃げるようになっている。
しかし、この技術では、剥離剤を正確に位置決めして塗布等する工程が増加し、包装袋の製造工程が複雑となってしまう。また、剥離剤を用いられた部分は接着強度が弱くなりすぎる場合がある。そのため、輸送途中や保管時に予期せぬ破袋やピンホールが生じ、雑菌が袋内に混入するおそれがある。
特開平9−142541号公報 特開平9−272180号公報
本発明は、従来と同様の簡単な製造プロセスにより安定して製造でき、保管時には十分に密封状態を達成でき、輸送時には破袋が生じにくく、かつ、加熱時には放出口が的確に開いて水蒸気を逃がすことができる電子レンジ調理用袋を提案することを課題とする。
発明の第一は、少なくとも基材層とヒートシール層からなる複合フィルムが、ヒートシールされて構成された電子レンジ調理用包装袋であって、前記ヒートシール層が、融点が135℃以上180℃以下である高融点樹脂を主体とする層(A)と、融点が80℃以上135℃未満である低融点樹脂と前記高融点樹脂との混合樹脂を主体とする層(B)との少なくとも2層からなり、前記高融点樹脂の融点と前記低融点樹脂の最も高い融点との差が20℃以上であり、かつ前記2層が、前記ヒートシール層のヒートシール面から(B)、(A)の順に積層されていることを特徴とする包装袋である。
ここで、前記ヒートシール層が、さらに、融点が80℃以上135℃未満である低融点樹脂を主体とする層(C)が積層された少なくとも3層からなるものであり、前記層(C)の低融点樹脂と前記層(B)の低融点樹脂が溶融時に互いに相溶するものであり、かつ前記3層が、前記ヒートシール層のヒートシール面から(C)、(B)、(A)の順に積層されていることは好ましい。また、前記層(B)に含まれる前記高融点樹脂の割合が5重量%以上30重量%以下の範囲であり、かつ前記低融点樹脂の割合が30重量%以上95重量%以下の範囲であることは好ましい。また、前記層(A)と前記層(B)の厚み比が3:1から1:4であることは好ましい。また、前記ヒートシール層に、前記層(C)に続きさらに、融点が80℃以上135℃未満である低融点樹脂層が積層されたことは好ましい。
発明の第二は、請求項1から5のいずれかに記載の包装袋に内容物が収納され、開封端が、前記高融点樹脂の融点より低いヒートシール温度でヒートシールされ、かつ前記開封端以外の外周縁が、前記高融点樹脂の融点より高いヒートシール温度でヒートシールされていることを特徴とする電子レンジ調理用包装体である。
食品類を包装した場合に、保管時には十分に密封状態を達成でき、輸送時には破袋が生じにくく、かつ加熱時には放出口が的確に開いて水蒸気を逃がすことができる電子レンジ調理用袋が得られる。また、従来と同様の簡単な製造プロセスにより製造でき、かつ安定した性能の包装袋が得られる。
本発明の実施の形態について、図面を用いて具体的に説明する。本発明の電子レンジ調理用袋は、基材層とヒートシール層とを有する1枚もしくは複数枚の複合フィルムが、ヒートシールされて作成されている。その際、複合フィルムのヒートシール層は、後述する少なくとも2層の層構成を有している。さらに、包装袋のヒートシール条件は、ヒートシールする場所により選択される少なくとも2種類が用いられる。このようにすることにより、包装袋の接着強度を、強シールと弱シールの少なくとも2段階に安定して調整することが可能となる。
図1は、電子レンジ用包装袋の一例である四方シール袋を示した模式図である。図2は同じく三方シール袋、図3はピロー袋、図4はピローガゼット袋、図5は四隅シールガゼット袋、図6はスタンディング袋の例である。いずれの形式の袋でも、ヒートシールされた外周縁は、ヒートシール強度が高い強シール部10と、ヒートシール強度が低く易開封性である弱シール部20の2種類に分かれる。強シール部10は、20N/15mm幅以上のヒートシール強度を有し、電子レンジ内での加熱時の水蒸気の発生による加圧にもヒートシールが剥がれない。一方、弱シール部20は、15N/15mm以下のヒートシール強度を有し、加熱時にヒートシールが剥がれて水蒸気を袋外へ逃がす機能を有する。従って、弱シール部は、開封端として機能する一ヶ所に設ければよく、他の部分のヒートシールは、輸送途中などでの予期せぬ破袋を防ぐために強シールとするのが良い。
包装袋は、これらのヒートシール部の少なくともいずれか一ヶ所がヒートシールされた状態で形成される。これに食品類が入れられて、残りのヒートシール部がヒートシールされて、密封された包装体が得られる。この包装袋または包装体形成時のヒートシール条件は、上記の通り、開封端では弱シールとなるように設定され、その他の外周縁では強シールとなるように設定される。
このような包装袋の製袋方法は、後述する複合フィルムを用いて部分的にヒートシール条件を変える以外は、従来公知の一般的な方法を用いれば良く、比較的簡単に製袋することができる。
まず、包装袋を構成する複合フィルムについて説明する。図7は、電子レンジ調理用包装袋の作成に用いる複合フィルムの層構成を模式的に示した図である。複合フィルム30は、少なくとも基材層40とヒートシール層50からなっている。さらにヒートシール層50はすくなくとも2層からなり、この2層が、高融点樹脂を主体とする層(A)51、低融点樹脂と高融点樹脂の混合樹脂を主体とする層(B)52であり、ヒートシール層50のヒートシール面9より層(B)52、層(A)51の順に積層されている。なお、ヒートシール面とは、ヒートシール層に対して、ヒートシール層と基材層が接する面の反対側の面を言う。
さらにヒートシール層は、図8に示したように少なくとも3層からなっていてもよく、この3層が、低融点樹脂を主体とする層(C)53、高融点樹脂を主体とする層(A)51、低融点樹脂と高融点樹脂の混合樹脂を主体とする層(B)52であり、ヒートシール層50のヒートシール面60より、層(C)53、層(B)52、層(A)51の順に積層されていてもよい。
複合フィルムにおいて、基材層40は、フィルムの強度およびそれ以外の機能を担う部分である。フィルムの強度を担う場合、一般にポリプロピレン(以下PP)製延伸フィルム(以下OPP)、ナイロン樹脂(以下Ny)製延伸フィルム(以下ONy)、ポリエチレンテレフタレート(以下PET)製延伸フィルム(以下PETフィルム)等が好適に用いられるが、必要に応じこれら以外のフィルムを用いても良い。
強度以外の機能として、例えばガスバリヤー性特に酸素バリヤー性がある。バリヤー性の付与の方法として、例えば前記OPP、ONy、PETフィルムの表面にポリ塩化ビニリデン(以下PVDC)、ポリビニルアルコール(以下PVA)、PVAに鱗片状の無機質を混ぜたもの、オルガノシロキサン等、バリヤー性を有する層をコーティングしたフィルムを用いることができる。また、OPPの代わりにPPとエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(以下EVOH)を積層し延伸したフィルム等を用いたり、ONyの代わりにNyとメタキシレンアジパミド樹脂を積層し延伸したフィルムやNyとEVOHを積層し延伸したフィルム等を用いることができる。また、前記OPP、ONy、PETフィルムの表面にアルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等を蒸着したフィルム等を用いることができる。さらに、前記OPP、ONy、PETフィルムに、PVDCフィルム、EVOHフィルム、アルミニウム箔等のそれ自身がガスバリヤー性を有するフィルムを積層することができる。
また、包装袋に、購買意欲を希求するためや内容物に関する情報を表示するために、前述したOPP、ONy、PETフィルム等の基材層を構成するフィルムに印刷を行なうことができる。
さらに必要に応じて前記各種フィルムならびに前記以外のフィルムを積層して用いることができる。フィルムを積層する方法には、特に制限はなく、公知の技術を利用できる。例えば、接着剤をフィルム表面に塗布して貼り合わせる方法や、溶融した樹脂を2枚のフィルムの間に押出しして介在層とする方法等がある。図9は、複合フィルムの基材層40における層構成例を示した模式図である。製袋した場合における外面側より順に、OPP層41、印刷層42、介在層43、蒸着アルミニウム層44、PET層45を順次積層している。
複合フィルムにおいて、ヒートシール層50は、これを用いて製袋する場合に袋の内面側となるように用い、相対する面を互いに接してヒートシールすることにより、袋を形成したり、さらに中身を充填した後で袋を密封する機能を担う部分である。なお実際の包装袋においては、一辺の開口部を有する袋を一旦形成した後、中身を充填して開口部を密封する方法と、袋の形成と中身の充填を同時に行なう方法とがある。
複合フィルムのヒートシール層50は少なくとも2層からなり、この2層は、融点が135℃〜180℃である高融点樹脂を主体とする層(A)51、融点が80℃以上135℃未満である低融点樹脂と前記高融点樹脂の混合樹脂を主体とする層(B)52であり、層(A)の高融点樹脂の融点と層(B)の低融点樹脂の最も高い融点との差が20℃以上であり、ヒートシール面より層(B)52、層(A)51の順に積層されている。なお、主体とするとは、そのものを50重量%以上を含むことを意味する。また、層(A)の高融点樹脂の融点と層(B)の低融点樹脂の最も高い融点との差が、23℃以上であることは好ましく、25℃以上であることがより好ましい。
また、ヒートシール層は少なくとも3層からなっていてもよく、この3層は、融点が80℃以上135℃未満である低融点樹脂を主体とする層(C)53、融点が135℃以上180℃以下である高融点樹脂を主体とする層(A)51、低融点樹脂と前記高融点樹脂の混合樹脂を主体とする層(B)52であり、層(C)の低融点樹脂と層(B)の低融点樹脂が同一かまたは溶融時に互いに相溶するものであり、層(A)の高融点樹脂の融点と層(B)の低融点樹脂の最も高い融点との差が20℃以上であり、ヒートシール面より層(C)53、層(B)52、層(A)51の順に積層されているのが好ましい。
層(C)の低融点樹脂としては、融点が90℃以上130℃以下の熱可塑性樹脂が好適に用いられ、特に低密度ポリエチレン(以下LDPE)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体が好適に用いることができる。また、前記各樹脂はそれぞれ単独で用いても良く、2種または3種以上を混合して用いても良い。なお、層(C)は低融点樹脂を主体として50重量%以上含んでいるのが好ましく、本発明の目的を妨げない限り他のものを含んでいても良い。例えば、必要に応じ、例えばスリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤等を含むことができる。
層(A)の高融点樹脂としては、融点が135℃以上165℃以下の熱可塑性樹脂がより好適に用いられ、特にPPが好適に用いられる。PPには、耐寒性や柔軟性を付与する目的でエチレンやブテン等を共重合してもよい。また、前記各樹脂はそれぞれ単独で用いてもよく、2種または3種以上を混合して用いてもよい。例えば、融点が160℃であるPPのホモポリマーと融点が140℃であるPPのコポリマーを混合して用いることができる。ただし混合樹脂とする場合は、各樹脂の融点のうち最も低い融点と、後述する層(B)の低融点樹脂の最も高い融点との差が20℃以上とすることが好ましい。このようにすることで易剥離性を比較的容易に実現することができる。好ましくは23℃以上、より好ましくは25℃以上である。
層(A)は、高融点樹脂を主体として50重量%以上含んでいれば、本発明の目的を妨げない限り他のものを含んでいてもよい。例えば柔軟性を付与するため、ポリブテン、エチレン−プロピレンゴム等を混合することができる。
層(B)は、低融点樹脂と高融点樹脂の混合樹脂を主体とする。なお、層(B)の低融点樹脂は、層(C)を設ける場合に用いることができるものと同一であっても良いし、または層(C)の低融点樹脂と溶融時に互いに相溶する別の樹脂であっても良い。例えば、層(C)の低融点樹脂がEVAである場合、層(B)の低融点樹脂は、EVAであってもよく、LDPEであってもよい。また例えば、層(C)の低融点樹脂がEVAで、層(B)の低融点樹脂がEVAとエチレン−αオレフィン共重合体の混合樹脂であってもよい。もちろん、層(C)を設けない場合にも、ここに例示した樹脂を層(B)に使用することができる
より好適には、層(B)に含まれる高融点樹脂の割合は5重量%以上30重量%以下の範囲であり、かつ低融樹脂の割合は30重量%以上95重量%以下の範囲である。層(B)に含まれる高融点樹脂の割合が5重量%以上であると、高融点樹脂の融点より高温でヒートシールした場合に、より十分なシール強度となる。また、層(B)に含まれる高融点樹脂の割合が30重量%以下であると、ヒートシール層を形成する時点での層(A)と層(B)との融着がほとんど起こらず、高融点樹脂の融点より低温でヒートシールした場合に、より安定した易剥離性を示す。また、層(B)に含まれる低融点樹脂の割合が30重量%以上であると、層(C)と層(B)との層間接着強度が十分に安定し、複合フィルムを巻き取ったり繰出したりするときの剥離がほとんど起こらなくなる。
なお、層(B)は前記低融点樹脂と高融点樹脂の混合樹脂を主体として50重量%以上含んでいればよく、本発明の目的を妨げない限り他のものを含んでいてもよい。つまり、他のものの割合は0重量%以上50重量%未満である。他のものとしては、例えば、複合フィルムの透明性をより高めるため、相容化剤としてポリオレフィン系エラストマー(以下、TPOということがある)等を混合することができる。また、層(C)にスリップ剤、帯電防止剤、防曇剤等を添加する場合、その効果を補助する目的で層(B)にも同様の添加剤を加えることができる。
複合フィルムのヒートシール層の層(A)と層(B)の厚み比は、好適には3:1から1:4である。層(A)と層(B)の厚み比とに、易剥離性を示すヒートシール強度に関連が見られる場合が存在する。このような場合は、層(A)の厚み比が大きくなるとヒートシール強度が弱くなり、小さくなるとヒートシール強度は強くなる傾向にある。そして、層(A)と層(B)の厚み比で、層(A)の厚み比が3:1以下であると、易剥離性を示すヒートシール強度が十分に安定するため、包装袋としたとき、この部分が簡単に開封するようなトラブルを防ぎやすくなる。また、層(A)と層(B)の厚み比で、層(A)の厚み比が1:4以上であると、易剥離性を示すヒートシール強度が15N/15mm幅を超えにくくなり、安定した易剥離性を得やすい場合がある。
複合フィルムのヒートシール層の厚みは、8μm以上がより好ましい。ヒートシール層の厚みが8μm以上であると、ヒートシールする際に、フィルムの重なりによる段差やフィルムの皺、シールする個所に付着した内容物等の異物に対する追随性がより十分となり、シールの密封性がより完全になりやすい。厚みの上限を規定する要素は特にないが、フィルムの取り扱いのし易さや経済性を考慮すれば、100μm以下が好ましい。
複合フィルムのヒートシール層は、前述の条件を満たせば、必要に応じて4層以上であってもよい。例えば、フィルムのカールを防ぐため対称構成としてもよく、ヒートシール面より(B)(A)(B)の順番による構成であってもよいし、また、ヒートシール面より(C)(B)(A)(B)(C)の順番による構成等とすることもできる。前者では、、複合フィルムの効果はヒートシール面より2層目までで発現するため、前述した層(A)と層(B)の厚み比の好適な範囲は、ヒートシール面よりそれぞれ2層目および1層目の厚みの比が該当する。後者では、複合フィルムの効果はヒートシール面より3層目までで発現するため、前述した層(A)と層(B)の厚み比の好適な範囲は、ヒートシール面よりそれぞれ3層目および2層目の厚みの比が該当する。
このような複合フィルムのヒートシール強度は、ヒートシール温度が前記高融点樹脂の融点付近において、急激に変化し、前記融点よりヒートシール温度が低温側では、ヒートシール強度が15N/15mm幅以下となって易剥離性を示し、前記融点よりヒートシール温度が高温側ではヒートシール強度が20N/15mm幅以上となって強固なシールが可能である。このヒートシール温度に対するヒートシール強度の挙動の概念図を図10に示す。この複合フィルムを使用すれば、包装袋を形成する際に、加熱による水蒸気圧で開くべき箇所を前記高融点樹脂の融点より低温でヒートシールすることにより、容易に水蒸気を逃がすことができるようになる。また、これ以外のシール箇所を前記高融点樹脂の融点より高温でシールすることにより強固な包装袋を形成することができる。そのため、内容物が重量物であっても輸送等の過程でシールした部分が剥がれるにくい十分な耐破袋性を有する包装袋を実現できる。
特筆すべきは、図10にも示したように、前記高融点樹脂の融点前後の、ヒートシール強度が低い易剥離性を示す弱シール領域内と、ヒートシール強度が高い強固なシールとなる強シール領域内のそれぞれにおいてヒートシール強度が安定していて、ヒートシール温度やヒートシール圧力によってほとんど変化しないことである。このため、ヒートシール時の温度や圧力が多少変動しても袋の性能に影響が出にくく、いかなる製袋システム、充填システムにも安定して利用が可能である。さらに、前記層(A)と前記層(B)の厚み比を変えることによりヒートシール強度が低い領域におけるヒートシール強度を任意に設定できる。
複合フィルムのヒートシール層の形成方法としては公知の多層フィルムの製造方法を用いることができ、例えば共押し出ししTダイより押し出して冷却ロールにより冷却・製膜する方法、共押し出しし円形ダイより押し出してインフレーションにより冷却・製膜する方法、各層を順次押し出しし積層する方法等がある。また、一旦多層フィルムを形成してからさらに延伸してもよい。特に共押し出し製膜後、さらに延伸してヒートシール層となるフィルムを形成する方法は、ヒートシール層の各層間の接着強度を適度な範囲にコントロールすることが容易なので好ましい。
複合フィルムでは、ヒートシール層のヒートシール面に最内層となる層(C)を積層すことができ、この層(C)のヒートシール面側にさらに、融点が80℃〜135℃である低融点樹脂層を積層することができる。これにより、例えば、帯電防止機能を付与したりすることが容易となる。このような低融点樹脂層には、特に低密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体が好適である。前記樹脂層には、本発明の目的を妨げない限り他のものを含んでいても良い。必要に応じ、例えばスリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤等を含むことができる。
図11は、複合フィルムのヒートシール層の層(C)53のヒートシール面側に、さらに樹脂層を積層した層構成例の模式図である。基材層40とヒートシール層50から構成された複合フィルム30の層(C)53のヒートシール面60側に、さらにLDPE層54を積層している。積層の方法に特に制限はないが、例えば複合フィルムを形成した後、ヒートシール層の層(C)のヒートシール面側に、押し出しラミネーションを行なう方法等がある。
基材層とヒートシール層を積層する方法には、特に制限はなく、公知の技術を利用できる。例えば、接着剤をフィルム表面に塗布して貼り合わせる方法や、溶融した樹脂を2枚のフィルムの間に押出しして介在層とする方法等がある。溶融した樹脂を2枚のフィルムの間に押出しして介在層とする方法は、押し出しラミネーションの応用である。従って押し出しラミネーションと同様に、必要に応じてフィルム表面にアンカーコート剤を塗布し、接着強度の向上を図ることができる。介在層に使用する樹脂も、押し出しラミネーションに使用されている樹脂を用いればよく、例えば、LDPE、エチレン−αオレフィン共重合体、EVA、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、PP等がある。
このように構成した複合フィルムは、ヒートシール温度がある閾値より上と下とで、まったく異なるヒートシール強度を発揮し(ヒートシール強度がジャンプする)、しかも、それぞれの範囲内ではヒートシール温度が変化しても一定のヒートシール強度を発揮する。このような効果を奏する理由としては、以下のように考えている。複合フィルムのヒートシール面どうしを合わせて、高融点樹脂の融点よりも低いヒートシール温度でヒートシールすると、ヒートシール面の層(B)どうし(層(C)を設けた場合は層(C)どうし)は熔着するが、層(A)は融解しないままとなる。その結果、このようにシールされた部分は、剥離すると層(A)と層(B)の界面がはがれる弱シールとなる。一方、高融点樹脂の融点よりも高いヒートシール温度でヒートシールした場合には、層(A)も融解し、その結果、複合フィルムのいずれの界面でもシール強度が大きくなる。すなわち、強シールとなる。
従って、包装袋に食品を入れて包装体とした場合に開封端となる部分のヒートシール条件は、ヒートシール温度が図10の弱シール領域内に入るように設定し、かつ開封端以外の外周縁に関しては、強シール領域内に入るようにヒートシール温度を設定すればよい。ヒートシール圧力やヒートシール時間は、的確にヒートシールが行われるように適宜選択すればよい。このようにして包装体を構成することで、輸送時や保管時には十分な密封状態が保持されて破袋の恐れもなく、かつ電子レンジに未開封のまま包装体を入れて加熱した際には、食品から発生する水蒸気の圧力によって易剥離部分が剥離して、水蒸気を袋外に放出することが可能となる。
なお、前述した通り、包装袋の形成にあたっては、一辺の開口部を有する袋を一旦形成した後、中身を充填して開口部を密封する方法と、袋の形成と中身の充填を同時に行なう方法とがあり、目的に合わせ適宜選択できる。一旦袋を形成して、充填、密封する場合は、袋を形成するシール部分を強固なシール強度とし、最後に密封するシール部分を易剥離性とすると、充填する際の破袋を防ぐことができて好適である。
上記の例では、開封端となるヒートシール部分の全部を弱シールにしているが、例えば、開封端の中央の一部だけを弱シールとし、残りを強シールとしても良い。このようにするには、まず、開封端のヒートシール部全体を弱シールの条件でヒートシールし、強シールとする部分だけを強シールの条件で再度ヒートシールするようにすればよい。また、ヒートシール層をそれぞれ融点が異なる3層以上から構成し、これに対応してヒートシール条件も、3種類以上を包装体の場所により使い分けるようにしても良いことは言うまでもない。例えば、シール強度を強シール、弱シール、最弱シールの三段階としてもよい。この場合、弱シール部の一部分だけに最弱シール部を設ける。これを電子レンジで加熱すると、まず最弱シール部だけが水蒸気圧で剥離し、次いで弱シール部が剥離する。このため、ある程度水蒸気圧が高まる前に一部剥離が生じ、弱シール部の剥離時に破裂音が生じにくくなる。以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
まずヒートシール層として、層(A)には、融点140℃で密度0.89のランダムPP(サンアロマー社製PF4334)が100重量%の樹脂を用いた。層(B)には、低密度ポリエチレン(旭化成社製F5125.2)を70重量%、層(A)に用いたものと同じランダムPPを20重量%、また、融点67℃で密度が0.865のポリオレフィン系エラストマー(ダウ社製エンゲージEG8150)を10重量%、それぞれを加えて混合した樹脂を用いた。これらを用いて、層構成が層(B)、層(A)、層(B)の順番で、各層の厚みが10μmとなるように共押し出しして、総厚み30μmの3層のフィルムを作成した。
次に基材層としてユニチカ(株)製PETフィルム「エンブレットPET」25μmを使い、前記PETフィルムの貼り合わせ面にポリエチレンイミン系アンカーコート剤を塗布後、LDPEを介在層として押し出しラミネーションにより、基材層とヒートシール層を積層し、複合フィルムを得た。LDPE介在層の厚みは20μmであり、複合フィルムの総厚みは75μmであった。得られた複合フィルムのヒートシール強度とヘイズを評価した。評価結果を表1に示す。
なお、ヒートシール強度の評価は以下のようにして行った。まず試験片は、2枚のフィルムのヒートシール面を合わせて、その一端をテスター産業(株)製ヒートシールテスターTP−701Sで、ヒートシール時間1秒、ヒートシール圧力98kPaでヒートシールした。その際、ヒートシール温度を100℃から200℃まで20℃毎に6水準に変化させて試験片を作成した。ヒートシール強度の測定はJIS−Z1707に従い、23℃、相対湿度50%環境下にて測定した。ただし、試験速度は、毎分300±30mmとした。フィルムの流れ方向(MD)と幅方向(TD)についてそれぞれ測定した。また、ヘイズの評価は、ASTMD−1003に従って行った。
表1から、ヒートシール温度が140℃と160℃の間で、ヒートシール強度がジャンプしており、しかもその前後では、ヒートシール温度によらずに一定のヒートシール強度を示していることが分かる。つまり、ヒートシール温度を変えるという簡単な手段により、1つのフィルムを用いて、開封する部分のヒートシール強度が15N/15mm幅以下の易剥離性すなわち良好な開封性のヒートシール層分と、それ以外のヒートシール強度が20N/15mm幅以上の十分な耐破袋性のヒートシール層分とに、安定して使い分けられることがわかる。また、ヘイズも特に問題ない範囲に留まっていることが分かる。
次に、この複合フィルムを用い、ヒートシール層を内側にして図3に記載のごとき縦15cm幅10cmのピロー形式の包装袋を作成した。その際、強シール部10の片方をヒートシールしないで食品の投入口とした。合掌部分である開封端のヒートシール条件を、ヒートシール圧力98kPa、ヒートシール時間1秒、ヒートシール温度130℃とした。また、強シール部のヒートシール条件を、ヒートシール圧力98kPa、ヒートシール時間1秒、ヒートシール温度180℃とした。
この中に、チルド状態のチキンナゲット80gを入れて、残る強シール部を上記の条件でヒートシールして包装体を得た。これを密封状態のまま電子レンジに投入して加熱したところ、加熱途中で弱シール部20が開封し、水蒸気が袋外に放出された。なお、強シール部は接着されたままであった。
まずヒートシール層として、層(C)に融点92℃のEVAを、層(A)に融点160℃のPPを70重量%とポリブテン樹脂を30重量%を混合した樹脂を、層(B)に前記EVAを60重量%と前記PPを25重量%と密度0.87のポリオレフィン系エラストマーを15重量%を混合した樹脂を用いた。これらを用いて、層構成が層(C)、層(B)、層(A)、層(B)、層(C)の順番となるように共押し出しし、さらにフィルムの流れ方向に3倍、幅方向に2.5倍延伸して、層(C)1μm、層(B)2μm、層(A)5μm、層(B)2μm、層(C)1μmの順番と厚みで、総厚み11μmの5層のフィルムを作成した。次に基材層としてユニチカ(株)製PETフィルム「エンブレットPET」25μmを使い、前記PETフィルムの貼り合わせ面にポリエチレンイミン系アンカーコート剤を塗布後、LDPEを介在層として押し出しラミネーションにより、基材層とヒートシール層を積層し、複合フィルムを得た。LDPE介在層の厚みは15μmであり、複合フィルムの総厚みは51μmであった。得られた複合フィルムを実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
このフィルムでは、ヒートシール温度が160℃と180℃の間にヒートシール強度のジャンプがあり、その前後では、実施例1と同様にヒートシール温度の大小によらずにヒートシール強度が一定であるのが分かる。また、ヘイズは良好な値を示した。
この複合フィルムを用いて、図4に示すごときピローガゼット形式で、高さ5cm横幅15cm奥行き7cmの包装袋を得た。その際、強シール部20は、ヒートシール圧力98kPa、ヒートシール時間1秒、ヒートシール温度180℃とした。弱シール部20は、ヒートシール圧力98kPa、ヒートシール時間1秒、ヒートシール温度130℃とした。また、強シール部10の片方をヒートシールしないで食品投入口とした。これに150gの冷凍状態のシュウマイを投入して、残りの強シール部をヒートシールして密封し、包装体を得た。
これを密封状態のまま電子レンジに投入して加熱した。加熱途中で開封端である弱シール部20が開封して、袋内の水蒸気が放出されるのが確認された。
まずヒートシール層として、層(C)に融点92℃のEVAを、層(A)に融点160℃のPPを70重量%とポリブテン樹脂を30重量%を混合した樹脂を、層(B)に前記EVAを60重量%と前記PPを25重量%と密度0.87のポリオレフィン系エラストマーを15重量%を混合した樹脂を、層構成が層(C)、層(B)、層(A)、層(B)、層(C)の順番となるように共押し出しし、さらにフィルムの流れ方向に3倍、幅方向に2.5倍延伸し、層(C)1μm、層(B)2μm、層(A)4μm、層(B)2μm、層(C)1μmの順番と厚みで、総厚み10μmの5層のフィルムを作成した。次に基材層としてユニチカ(株)製PETフィルム「エンブレットPET」12μmを使い、前記PETフィルムの貼り合わせ面にポリエチレンイミン系アンカーコート剤を塗布後、LDPEを介在層として押し出しラミネーションにより、基材層とヒートシール層を積層し、複合フィルムを得た。LDPE介在層の厚みは20μmであり、複合フィルムの総厚みは42μmであった。得られた複合フィルムのヒートシール強度の評価結果を表2に示す。
なお、ヒートシール強度の評価は、以下のようにして行った。まず試験片は、2枚のフィルムのヒートシール面を合わせて、その一端をテスター産業(株)製ヒートシールテスターTP−701Sで、ヒートシール時間2秒でヒートシールした。その際、ヒートシール温度を100℃から200℃まで20℃毎に6水準に変化させ、さらにヒートシール圧力を98kPaと196kPaの2水準に変化させた条件でそれぞれヒートシールして試験片を作成した。ヒートシール強度はJIS−Z1707に従い、23℃、相対湿度50%環境下にて測定した。ただし、試験速度は、毎分300±30mmとした。フィルムの流れ方向と幅方向についてそれぞれ測定し、その平均値をフィルムのヒートシール強度とした。
表2から、ヒートシール温度を変えるという簡単な手段により、1つのフィルムを用いて、開封する部分のヒートシール強度が15N/15mm幅以下の易剥離性すなわち良好な開封性のヒートシール層分と、それ以外のヒートシール強度が20N/15mm幅以上の十分な耐破袋性のヒートシール層分とに、安定して使い分けられることがわかる。
この複合フィルムを用い、図1に記載のごとき縦20cm横15cmの四方シールの包装袋を作成した。その際、弱シール部20に相対する強シール部を、ヒートシールせずに食品の投入口とした。弱シール部20のヒートシール条件は、実施例1と同様とした。これに100gの冷凍コロッケを投入し、残りの強シール部をヒートシールして密封した。
これを未開封のまま電子レンジで加熱したところ、加熱途中で弱シール部が剥離して水蒸気が袋外に放出されるのが観察された。
まずヒートシール層として、層(C)に融点92℃のEVAを、層(A)に融点160℃のPPを70重量%とポリブテン樹脂を30重量%を混合した樹脂を、層(B)に前記EVAを70重量%と前記PPを10重量%と密度0.87のポリオレフィン系エラストマーを20重量%を混合した樹脂を、層構成が層(C)、層(B)、層(A)、層(B)、層(C)の順番となるように共押し出しし、さらにフィルムの流れ方向に3倍、幅方向に2.5倍延伸し、層(C)1μm、層(B)3.5μm、層(A)1μm、層(B)3.5μm、層(C)1μmの順番と厚みで、総厚み10μmの5層のフィルムを作成した。次に基材層としてユニチカ(株)製PETフィルム「エンブレットPET」12μmを使い、実施例1と同様に、LDPEを介在層として押し出しラミネーションにより、基材層とヒートシール層を積層し、複合フィルムを得た。LDPE介在層の厚みは20μmであり、複合フィルムの総厚みは42μmであった。得られた複合フィルムを用いて、実施例3と同様にしてヒートシール強度を評価した。評価結果を表2に示す。実施例3と同様に1つのフィルムを用いて2種類のヒートシール強度が得られた。
この複合フィルムを用いて、チキンナゲットに変えてチルド状態のシュウマイを用いた以外は、実施例1と同様にして包装体を得た。これを未開封のまま電子レンジに投入し、加熱したところ、やはり加熱途中で弱シール部が開封して水蒸気が放出された。
Figure 2005225544
Figure 2005225544
四方シール形式の電子レンジ調理用袋の概略構成を示した模式図である。 三方シール形式の電子レンジ調理用袋の概略構成を示した模式図である。 ピロー形式の電子レンジ調理用袋の概略構成を示した模式図である。 ピローガゼット形式の電子レンジ調理用袋の概略構成を示した模式図である。 四隅シールガゼット形式の電子レンジ調理用袋の概略構成を示した模式図である。 スタンディング形式の電子レンジ調理用袋の概略構成を示した模式図である。 複合フィルムの層構成の例を示した模式図である。 複合フィルムの層構成の他の例を示した模式図である。 基材層の層構成の例を示した模式図である。 本発明で使用する複合フィルムのヒートシール温度とヒートシール強度の関係例を示した概念図である。 複合フィルムの層構成のさらに他の例を示した模式図である。 一般のプラスチックフィルムのヒートシール温度とヒートシール強度の関係を示した概念図である。
符号の説明
1 四方シール袋
2 三方シール袋
3 合掌袋
4 ピローガゼット袋
5 四隅シールガゼット袋
6 スタンディング袋
10 強シール部
20 弱シール部
30 複合フィルム
40 基材層
41 OPP層
42 印刷層
43 基材層における介在層
44 蒸着アルミニウム層
45 PET層
50 ヒートシール層
51 層(A)
52 層(B)
53 層(C)
54 低融点樹脂層

Claims (6)

  1. 少なくとも基材層とヒートシール層からなる複合フィルムが、ヒートシールされて構成された電子レンジ調理用包装袋であって、前記ヒートシール層が、融点が135℃以上180℃以下である高融点樹脂を主体とする層(A)と、融点が80℃以上135℃未満である低融点樹脂と前記高融点樹脂との混合樹脂を主体とする層(B)との少なくとも2層からなり、前記高融点樹脂の融点と前記低融点樹脂の最も高い融点との差が20℃以上であり、かつ前記2層が、前記ヒートシール層のヒートシール面から(B)、(A)の順に積層されていることを特徴とする包装袋。
  2. 前記ヒートシール層が、さらに、融点が80℃以上135℃未満である低融点樹脂を主体とする層(C)が積層された少なくとも3層からなるものであり、前記層(C)の低融点樹脂と前記層(B)の低融点樹脂が溶融時に互いに相溶するものであり、かつ前記3層が、前記ヒートシール層のヒートシール面から(C)、(B)、(A)の順に積層されていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
  3. 前記層(B)に含まれる前記高融点樹脂の割合が5重量%以上30重量%以下の範囲であり、かつ前記低融点樹脂の割合が30重量%以上95重量%以下の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の包装袋。
  4. 前記層(A)と前記層(B)の厚み比が3:1から1:4であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の包装袋。
  5. 前記ヒートシール層に、前記層(C)に続きさらに、融点が80℃以上135℃未満である低融点樹脂層が積層されたことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の包装袋。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の包装袋に内容物が収納され、開封端が、前記高融点樹脂の融点より低いヒートシール温度でヒートシールされ、かつ前記開封端以外の外周縁が、前記高融点樹脂の融点より高いヒートシール温度でヒートシールされていることを特徴とする電子レンジ調理用包装体。
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