JP2005225330A - 自動車用空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 省エネルギー効率が高く、しかも、車室内の快適性が良い自動車用空気調和装置を提供する。
【解決手段】 車室6内に開口された空気吸込口32を有する換気用通路31と、この換気用通路31に空気吸込口32より車室内空気を吸引し、吸引した車室内空気を車外に排気する第3ファン34と、換気用通路31内に配置され、排気される空気との間で熱交換を行うリサイクル用熱交換器11とからなる熱リサイクル手段10を備えた自動車用空気調和装置1Aにおいて、空気吸込口32を車室6内の上部に設けた。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車室内の換気時に、排気される空気より熱エネルギーを回収する熱リサイクル手段を備えた自動車用空気調和装置に関する。
この種の従来の自動車用空気調和装置としては、特許文献1に開示されたものがある。
この自動車用空気調和装置100は、図5に示すように、ヒートポンプ式であり、車体101の最前部に配置された第1熱交換器102と、車室103内の前方に配置された第2熱交換器104と、車体101の後部で、換気用通路105内に配置されたリサイクル用熱交換器106とを備えている。第1熱交換器102と第2熱交換器104との間は第1冷媒配管110を介して接続され、この第1冷媒配管110には可逆式の膨脹弁111が設けられている。第2熱交換器104とリサイクル用熱交換器106との間は第2冷媒配管112を介して接続され、この第2冷媒配管112には四方弁113を介してコンプレッサ114が設けられている。コンプレッサ114は、圧縮冷媒を第2熱交換器104側とリサイクル用熱交換器106側に選択的に供給できる。リサイクル用熱交換器106と第1熱交換器102との間は、第3冷媒配管115を介して接続されている。
上記構成において、冷房運転時には、四方弁113によってコンプレッサ114からの冷媒がリサイクル用熱交換器106側に供給される。すると、コンプレッサ114によって断熱圧縮された冷媒がリサイクル用熱交換器106及び第1熱交換器102の順に通過し、この通過時に冷媒が熱交換によって冷却される。そして、冷却された冷媒が膨脹弁111で減圧され、第2熱交換器104の通過時に車室内供給空気の熱を吸熱して気化する。車室内供給空気はこの気化熱によって冷却され、冷却された空気が車室103内に吹き出される。つまり、リサイクル用熱交換器106は第1熱交換器102と共にコンデンサとして機能する。
ここで、車室103内の空気の換気時にあって、車室103内の空気が、切替ドア116よりリサイクル用熱交換器106を通って車外に排気されると、この車室内の冷却空気によってリサイクル用熱交換器106が有効に冷却されるため、車室内空気の冷却のためのエネルギーが有効に回収される。
暖房運転時には、四方弁113によってコンプレッサ114からの冷媒が第2熱交換器104側に供給される。すると、コンプレッサ114によって断熱圧縮された冷媒が第2熱交換器104の通過時に車室内供給空気に放熱して冷却される。冷却された冷媒は膨脹弁111で減圧され、第1熱交換器102及びリサイクル熱交換器106の通過時に周囲の空気の熱を吸熱して気化する。第2熱交換器104を通過した車室内供給空気は、冷媒の放熱によって加熱されるため、加熱された空気が車室103内に吹き出される。つまり、リサイクル用熱交換器106は第1熱交換器102と共にエバポレータとして機能する。
ここで、車室103内の空気の換気時にあって、車室103内の空気がリサイクル用熱交換器106を通って車外に排気されると、この車室103内の暖かい空気によってリサイクル用熱交換器106が有効に暖められて冷媒の気化が促進されるため、車室内空気の暖房のためのエネルギーが有効に回収される。
以上より、自動車用空気調和装置100は、冷房時及び暖房時の車室103内の換気時において、排気される空気より熱エネルギーを回収できるため、省エネルギー効率の高いものとなっている。
特開平5−155245号公報
しかしながら、従来の自動車用空気調和装置100では、換気用通路105の空気吸込口117が車室103内の下部に配置されているため、車室103内の下部の空気が空気吸込口117より吸い込まれる。従って、乗員の頭部に溜まる熱気を有効に排気できないと共に換気時における車室103内の空気流を乗員が意識するため、車室内の快適性を維持することできない。
そこで、本発明は、省エネルギー効率が高く、しかも、車室内の快適性が良い自動車用空気調和装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する請求項1の発明は、車室内に開口された空気吸込口を有する換気用通路と、この換気用通路に前記空気吸込口より車室内空気を吸引し、吸引した車室内空気を車外に排気するファンと、前記換気用通路内に配置され、排気される空気との間で熱交換を行うリサイクル用熱交換器とからなる熱リサイクル手段を備えた自動車用空気調和装置であって、前記空気吸込口が車室内の上部に設けられたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の自動車用空気調和装置において、前記熱リサイクル手段は、車体の後部に設置されたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載の自動車用空気調和装置において、前記空気吸込口が設けられる車室内の上部は、車室内の天井位置であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3記載の自動車用空気調和装置において、前記空気吸込口には、空気中の微粒物をトラップする微粒物トラップ手段を着脱自在に設けられたことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4記載の自動車用空気調和装置において、前記空気吸込口は、車室の天井のほぼ全域に亘って配置され、且つ、交換可能に設けられたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、自動車用空調装置の動作中で、且つ、車内換気時には、車室内の上部の空気が換気用通路を通って車室外に排出され、この排出される車室内空気の熱との間でリサイクル用熱交換器が熱交換を行うため、換気時に排出される空気中のエネルギーを回収できる。そして、車室内の上部の空気が空気吸込口より吸い込まれるため、乗員の頭部に溜まる熱気を排気できると共に車室内の空気流を乗員に意識させることなく排気できる。以上より、省エネルギー効率が高く、しかも、車室内の快適性が良い。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、車室内をほとんど狭めることなく熱リサイクル手段を設置できるため、快適な車室内環境を実現できると共に、熱リサイクル手段のレイアウトが容易である。
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の発明の効果に加え、車室内の上部に溜まる熱気を有効に排気できる。
請求項4の発明によれば、請求項1〜請求項3の発明の効果に加え、車室内の空気と共に吸い込むゴミ、ほこりを微粒物トラップ手段でトラップするため、車室内環境の向上を図ることができる。又、微粒物トラップ手段が汚れた場合に交換できるため、空気吸込口を清潔を保つことができる。
請求項5の発明によれば、請求項3又は請求項4の発明の効果に加え、冷房時も天井の熱を取り除けるため、より快適な車室内環境を実現できる。又、交換可能であるため、所望形状、所望寸法等の空気吸込口を有するものに容易に交換できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は本発明の第1実施形態を示し、図1は自動車用空気調和装置1Aの概略構成図、図2は自動車用空気調和装置1Aの冷房運転時及び暖房運転時の冷媒ルートを示す図である。
図1に示すように、自動車用空気調和装置1Aは、ヒートシンク方式であり、冷媒を圧縮するコンプレッサ2と、車体3の最前部に配置され、第1ファン4によって外気が送風される第1熱交換器5と、車室6の前方位置に配置され、第2ファン7によって外気若しくは車室空気が送風される第2熱交換器8と、熱リサイクル手段10のリサイクル用熱交換器11とを有する。第2熱交換器8を通過した空気流が車室内供給空気として車室内に吹き出される。
コンプレッサ2の冷媒吐出口と第1熱交換器5との間は第1冷媒配管12を介して接続され、この第1冷媒配管12の途中には第1切替弁13と第2切替弁14が設けられている。第1熱交換器5とリサイクル熱交換器11との間は第2冷媒配管15及び第3冷媒配管16を介してそれぞれ接続されている。第2冷媒配管15の途中には第3切替弁17が設けられている。第3冷媒配管16の途中には第4切替弁18が設けられている。
第3切替弁17と第2熱交換器8との間は第4冷媒配管19を介して接続されており、第4冷媒配管19の途中には第5切替弁20、膨脹弁22、第6切替弁23等が直列に設けられている。膨脹弁22の下流と第4切替弁18との間は第5冷媒配管24を介して接続されている。
又、第2熱交換器8とコンプレッサ2の冷媒吸入口との間は第6冷媒配管25を介して接続されている。第6冷媒配管25には第1分岐管26と第2分岐管27が接続され、第1分岐管26の他端は第2切替弁14に、第2分岐管27の他端側は第5切替弁20にそれぞれ接続されている。
次に、上記熱リサイクル手段10の構成を説明する。熱リサイクル手段10は、車体3の後部に設置された換気用ダクト30を有し、その内部が換気用通路31として構成されている。換気用ダクト30には、その一端側に空気吸込口32が、その他端側に空気排出口33がそれぞれ形成されている。空気吸込口32は、車体3の後部で、且つ、車室6内の上部に開口されている。空気排出口33は、車体3の後端に開口されている。換気用通路31には上記したリサイクル用熱交換器11が配置されていると共にリサイクル用熱交換器11の直ぐ上流には第3ファン34が配置されている。第3ファン34が駆動すると、車室6内の空気が空気吸込口32より換気用通路31に吸引され、この吸引された空気はリサイクル用熱交換器11を通って空気排出口33より車外に排気される。リサイクル用熱交換器11の近傍の換気用ダクト30の箇所には凝縮水排出口35が設けられている。
上記構成において、冷房運転時には、図2にて矢印で示すように冷媒が流れる。つまり、コンプレッサ2からの冷媒が第1切替弁13によって第1熱交換器5側に供給され、且つ、第2切替弁14によって第1熱交換器5と共にリサイクル用熱交換器11にも供給される。すると、コンプレッサ2によって断熱圧縮された冷媒が第1熱交換器5及びリサイクル用熱交換器11を通過し、この通過時に冷媒が熱交換によって冷却される。そして、冷却された冷媒が第3切替弁17を介して第4冷媒配管19で合流し、この合流した冷媒が膨脹弁22で減圧され、第2熱交換器8の通過時に車室内供給空気の熱を吸熱して気化する。車室内供給空気はこの気化熱によって冷却され、冷却された空気が車室6内に吹き出される。つまり、リサイクル用熱交換器11は第1熱交換器5と共にコンデンサとして機能する。
ここで、車室6内の空気の換気時にあって、車室6内の冷却された空気がリサイクル用熱交換器11を通って車外に排気されると、この車室6内の冷却空気によってリサイクル用熱交換器11が有効に冷却されるため、車室内空気の冷却のためのエネルギーが有効に回収される。
暖房運転時には、図2にて矢印で示すように冷媒が流れる。つまり、コンプレッサ2からの冷媒が第1切替弁13によって第2熱交換器8に供給される。すると、コンプレッサ2によって断熱圧縮された冷媒が第2熱交換器8の通過時に車室内供給空気に放熱することによって冷却される。冷却された冷媒は膨脹弁22で減圧され、リサイクル用熱交換器11及び第1熱交換器5の順に供給され、このリサイクル熱交換器11及び第1熱交換器5の通過時に周囲の空気の熱を吸熱して気化する。第2熱交換器8を通過した車室内供給空気は、冷媒の放熱によって加熱されるため、加熱された空気が車室6内に吹き出される。つまり、リサイクル用熱交換器11は第1熱交換器5と共にエバポレータとして機能する。
ここで、車室6内の空気の換気時にあって、車室6内の空気がリサイクル用熱交換器11を通って車外に排気されると、この車室6内の暖かい空気によってリサイクル用熱交換器11が有効に暖められて冷媒の気化が促進されるため、車室内空気の暖房のためのエネルギーが有効に回収される。
以上、自動車用空調装置1Aの動作中で、且つ、車内換気時には、車室6内の上部の空気が換気用通路31を通って車室外に排出され、この排出される車室内空気の熱との間でリサイクル用熱交換器11が熱交換を行うため、換気時に排出される空気中のエネルギーを回収できる。そして、車室6内の上部の空気が空気吸込口32より吸い込まれるため、乗員の頭部に溜まる熱気を排気できると共に車室6内の空気流を乗員に意識させることなく排気できる。以上より、省エネルギー効率が高く、しかも、車室6内の快適性が良い。
前記第1実施形態では、熱リサイクル手段10は、車体3の後部に設置されたので、車室6内をほとんど狭めることなく熱リサイクル手段10を設置できるため、快適な車室内環境を実現できると共に、熱リサイクル手段10のレイアウトが容易である。
図3及び図4は本発明の第2実施形態を示し、図3は自動車用空気調和装置1Bの冷房運転時及び暖房運転時の冷媒ルートを示す図、図4は図3のA矢視図である。
図3において、この第2実施形態の自動車用空気調和装置1Bと前記第1実施形態のものとを比較するに、換気ダクト10の構成のみが相違し、他の構成は同一であるため図面の同一構成箇所に同一符号を付してその説明を回避する。
つまり、換気ダクト10の一端側には天井設置ダクト40が接続されており、この天井設置ダクト40は交換可能に設けられている。天井設置ダクト40には空気吸込口32が形成されており、この空気吸込口32は車室6内の天井に沿って、且つ、ほぼ天井全体に亘って配置されている。空気吸込口32には微粒物トラップ手段であるフィルタ41が着脱自在に設けられている。
この第2実施形態においても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
その上、前記第2実施形態では、空気吸込口32は、車室6内の天井位置に配置されているので、車室6内の上部に溜まる熱気を有効に排気できる。
前記第2実施形態では、空気吸込口32には、空気中の微粒物をトラップするフィルタ41を着脱自在に設けられたので、車室41内の空気と共に吸い込むゴミ、ほこりを微フィルタ41でトラップするため、車室内環境の向上を図ることができる。又、フィルタ41が汚れた場合に交換できるため、空気吸込口32を清潔を保つことができる。
前記第2実施形態では、空気吸込口32は、車室6の天井のほぼ全域に亘って配置され、且つ、天井設置ダクト40が交換可能に設けられたので、冷房時も天井の熱を取り除けるため、より快適な車室内環境を実現できる。又、天井設置ダクト40が交換可能であるため、所望形状、所望寸法等の空気吸込口32を有するものに容易に交換できる。
尚、この各実施形態の自動車用空気調和装置1A,1Bはヒートポンプ方式のものであったが、冷凍サイクルを行う蒸気圧縮式冷房装置とエンジン冷却水を利用したヒータとを組み合わせたものであっても本発明を適用できる。又、ヒートポンプ方式における冷媒の循環切替手段は、種々の手段が考えられ、従来例のように四方弁を用いたものであっても良い。
本発明の第1実施形態を示し、自動車用空気調和装置の概略構成図である。 本発明の第1実施形態を示し、自動車用空気調和装置の冷房運転時及び暖房運転時の冷媒ルートを示す図である。 本発明の第2実施形態を示し、自動車用空気調和装置の冷房運転時及び暖房運転時の冷媒ルートを示す図である。 本発明の第2実施形態を示し、図3のA矢視図である。 従来例の自動車用空気調和装置の概略構成図である。
符号の説明
1A,1B 自動車用空気調和装置
3 車両
6 車室
10 熱リサイクル手段
11 リサイクル用熱交換器
31 換気用通路
32 空気吸込口
34 第3ファン(ファン)
40 天井設置ダクト
41 フィルタ(微粒物トラップ手段)

Claims (5)

  1. 車室(6)内に開口された空気吸込口(32)を有する換気用通路(31)と、この換気用通路(31)に前記空気吸込口(32)より車室内空気を吸引し、吸引した車室内空気を車外に排気するファン(34)と、前記換気用通路(31)内に配置され、排気される空気との間で熱交換を行うリサイクル用熱交換器(11)とからなる熱リサイクル手段(10)を備えた自動車用空気調和装置(1A),(1B)であって、
    前記空気吸込口(32)が車室(6)内の上部に設けられたことを特徴とする自動車用空気調和装置(1A),(1B)。
  2. 請求項1記載の自動車用空気調和装置(1A),(1B)において、
    前記熱リサイクル手段(10)は、車体(3)の後部に設置されたことを特徴とする自動車用空気調和装置(1A),(1B)。
  3. 請求項1又は請求項2記載の自動車用空気調和装置(1B)において、
    前記空気吸込口(32)が設けられる車室内の上部は、車室(6)内の天井位置であることを特徴とする自動車用空気調和装置(1B)。
  4. 請求項1〜請求項3記載の自動車用空気調和装置(1B)において、
    前記空気吸込口(32)には、空気中の微粒物をトラップする微粒物トラップ手段(41)を着脱自在に設けられたことを特徴とする自動車用空気調和装置(1B)。
  5. 請求項3又は請求項4記載の自動車用空気調和装置(1B)において、
    前記空気吸込口(32)は、車室(6)の天井のほぼ全域に亘って配置され、且つ、交換可能に設けられたことを特徴とする自動車用空気調和装置(1B)。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102018218264A1 (de) * 2018-10-25 2020-04-30 Audi Ag Kälteanlage

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