JP2005225013A - マイクロカプセルトナーを用いる多色画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】未発色のカプセルトナーを用いてフルカラーの画像を形成する。
【解決手段】多色画像形成装置40において円筒状の中間搬送体9は矢印k方向に回転する。カプセルベタ配置機構1は中間搬送体9の周面に未発色のカプセルトナー7をベタ配置する。第1の超音波ラインヘッド11は破壊共振周波数とは異なる強力集束超音波を照射して画像形成には関与しない不使用のカプセルトナー7を除去カプセルトナー7´として中間搬送体9の搬送面から弾き飛ばす。不使用カプセル除去機構2は気体17中を飛翔する除去カプセルトナー7´を気体17の流れに沿ってカプセル回収機構6方向に搬送し回収させる。除去されなかった画像形成に関与するカプセルトナー7はカプセル発色機構3の液体8中に搬送される。第2の超音波ラインヘッド12はカプセルトナー7に対し画素サイズに収束した複数種の共振破壊周波数の超音波を選択的に照射して所定の色に発色させカラー画像14を形成する。
【選択図】 図11
【解決手段】多色画像形成装置40において円筒状の中間搬送体9は矢印k方向に回転する。カプセルベタ配置機構1は中間搬送体9の周面に未発色のカプセルトナー7をベタ配置する。第1の超音波ラインヘッド11は破壊共振周波数とは異なる強力集束超音波を照射して画像形成には関与しない不使用のカプセルトナー7を除去カプセルトナー7´として中間搬送体9の搬送面から弾き飛ばす。不使用カプセル除去機構2は気体17中を飛翔する除去カプセルトナー7´を気体17の流れに沿ってカプセル回収機構6方向に搬送し回収させる。除去されなかった画像形成に関与するカプセルトナー7はカプセル発色機構3の液体8中に搬送される。第2の超音波ラインヘッド12はカプセルトナー7に対し画素サイズに収束した複数種の共振破壊周波数の超音波を選択的に照射して所定の色に発色させカラー画像14を形成する。
【選択図】 図11
Description
本発明は、未発色のマイクロカプセルトナーを用いてフルカラーの画像を形成する多色画像形成装置に関する。
近年、パーソナルコンピュータを中心とした情報機器としてのコンピュータの普及に伴って、その周辺機器のひとつとしてプリンタ装置が普及している。このプリンタ装置には各種の方式のカラープリンタが提案されている。特に、電子写真方式、熱転写方式、インクジェット方式の各方式のプリンタ装置は著しい進歩を遂げており、それらで形成されるカラー画像は美麗さや解像度の点でも古くから用いられてきたアナログカメラの銀塩写真に匹敵し、これにとって代わる勢いである。
電子写真方式では、所謂タンデム方式のカラー画像形成装置が実用化されている。タンデム方式のカラー画像形成装置は、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4つの画像形成部にそれぞれ色に対応する現像器が配設されている。
各画像形成部においては、光書込ヘッドから感光体ドラムに光書込みが行われ、その光書込みによる静電潜像に対して現像器により、それぞれの色のトナー像が現像される。各感光体ドラムに現像されたそれぞれの色のトナー像は、搬送ベルトの循環移動に伴って搬送される記録紙に順次重ねて転写され、熱定着器によって熱定着処理が行われて、フルカラーの画像を熱定着された記録紙が機外に排出される。(例えば、特許文献1参照。)
一方、上記従来の方式に対し、新規な方式として、光や熱等の外部刺激に応答するマイクロカプセルを含有するインク層を予めコーティングした専用の記録紙を用い、これに画像情報に対応した光や熱を付与して画像形成を行う装置も提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
また、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックにそれぞれ着色した互いに共振周波数の異なる4種類の中空粒子を回転する担持体の表面に均一一層に塗布して、超音波発生部から画像信号に応じて選択的に超音波振動子を駆動し、超音波振動子の振動周波数を共振周波数とする着色中空粒子のみが共振により大きく振動して担持体から離れて電極に引き寄せられ受像体上に付着する方法でカラー画像を形成する方法が提案されている。(例えば、特許文献3参照。)
特開平9−288396号公報([要約]、図1)
特公平6−96338号公報(第2頁右欄第50行〜第3頁左欄第23行、図1)
特開平11−058833号公報([要約]、図1、図2)
一方、上記従来の方式に対し、新規な方式として、光や熱等の外部刺激に応答するマイクロカプセルを含有するインク層を予めコーティングした専用の記録紙を用い、これに画像情報に対応した光や熱を付与して画像形成を行う装置も提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
また、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックにそれぞれ着色した互いに共振周波数の異なる4種類の中空粒子を回転する担持体の表面に均一一層に塗布して、超音波発生部から画像信号に応じて選択的に超音波振動子を駆動し、超音波振動子の振動周波数を共振周波数とする着色中空粒子のみが共振により大きく振動して担持体から離れて電極に引き寄せられ受像体上に付着する方法でカラー画像を形成する方法が提案されている。(例えば、特許文献3参照。)
しかしながら、上記特許文献1のような従来の電子写真方式のカラー画像形成装置は、記録紙Pとして普通紙を使用できる点で優れているが、色別に複数のインクやトナーが必要である点で、消耗品の管理が煩雑となる。
また、例えば現像器や画像形成部を複数(例えば、4個)内蔵する必要があり、部品点数が増し、装置も大型化する。そして、これら各色の位置合わせには高い精度が要求されるため、工場での組み立て作業に時間がかかって作業能率の低下要因となる。また、さらに、構造も複雑化し、装置の軽量化の面からも不利である。
また、上記特許文献2の方式において、マイクロカプセルを含有するインク層を予めコーティングした専用の記録紙を用いる方式のカラー画像形成装置の場合は、基本的に記録紙全面にインクを塗布することから、コストアップの原因になる。また普通紙が使用できないという問題もある。さらに、複数色の印字工程を繰り返すことから、色ずれ管理が難しく、装置の複雑化も避けられない。
また、上記特許文献3の方式において、4色のマイクロカプセルを担持体の表面に均一一層に塗布する方法では、4色のマイクロカプセルが画素サイズごとに正しく均一に塗布されていないと、折角画像信号に正しく応じて選択的に超音波振動子を駆動しても正しい色の画素が形成されないという不具合が十分に想定される。
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、所定の刺激により画像情報に応じた所望の色を発色するマイクロカプセルトナーを無駄なく用いて画像信号に応じた正しい色の印刷処理を行う多色画像形成装置を提供することである。
先ず、第1の発明の多色画像形成装置は、所定の刺激によって破壊可能なカプセル壁で囲繞された複数種の小径マイクロカプセルを支持材に分散内包する大径マイクロカプセルから成り、互いに混合されて発色反応を起こす反応性物質の一方を上記各々の小径マイクロカプセル壁内側に分散し、上記反応性物質の他方を上記支持材に分散して成るマイクロカプセルトナーを用いる多色画像形装置であって、上記マイクロカプセルトナーを中間搬送体の搬送面の少なくとも画像形成最大有効範囲で全面に配置するカプセル全面配置手段と、画像データの論理和より合成されたデータに基づく画素に対応する以外の不使用の上記マイクロカプセルトナーを上記中間搬送体の上記搬送面から除去する不使用カプセル除去手段と、該除去手段による除去の後に上記中間搬送体の上記搬送面に残る上記マイクロカプセルトナーに対し上記画像データに基づいて発色させる発色現像手段と、を少なくとも備えて構成される。
この多色画像形成装置においては、例えば、上記不用カプセル除去手段は、複数種の特定周波数の超音波を選択的に照射することにより該超音波に共振させて上記中間搬送体の上記搬送面から不使用の上記マイクロカプセルトナーを離隔させて除去する第1の超音波ラインヘッドから成り、上記発色現像手段は、画素サイズに収束された複数種の特定周波数の超音波を選択的に照射することにより各特定周波数ごとに選択的に反応する上記小径カプセルの外殻を破壊し、この外殻により分離されていた発色剤と顕色剤とを反応させて所定の色を発色させる第2の超音波ラインヘッドから成るように構成される。
この場合、例えば、上記第1の超音波ラインヘッドは、上記第2の超音波ラインヘッドを兼ねるように構成しても良い。
また、本発明の多色画像形成装置は、例えば、上記中間搬送体の上記搬送面から除去された不使用の上記マイクロカプセルトナーを回収する除去カプセル回収手段を更に有して構成される。
また、本発明の多色画像形成装置は、例えば、上記中間搬送体の上記搬送面から除去された不使用の上記マイクロカプセルトナーを回収する除去カプセル回収手段を更に有して構成される。
この場合、上記除去カプセル回収手段は、上記第1又は第2の超音波ラインヘッドからの超音波を透過させる液体と、該液体に上記中間搬送体の搬送方向とは逆方向に流動させる液体流動駆動手段と、上記搬送面から除去されて上記液体中に拡散する不使用の上記マイクロカプセルトナーをカプセル供給容器に回収する回収案内手段と、を備えて構成するようにしても良い。
また、例えば、上記除去カプセル回収手段は、上記搬送面から上記除去された不使用のマイクロカプセルトナーが飛翔する空間の気体を上記中間搬送体の搬送方向とは逆方向に流動させる気体流動駆動手段と、逆方向に流動する上記気体中を飛翔する上記除去された不使用のマイクロカプセルトナーをカプセル供給容器に回収する回収案内手段と、を備えて構成するようにしても良い。
この場合、上記回収案内手段は、上記気体中を飛翔する上記除去された不使用のマイクロカプセルトナーが上記気体中を逆流することを防止する案内手段を有することが好ましい。
次に、第2の発明の多色画像形成方法は、液体を介して照射対象のマイクロカプセルトナーに超音波を照射して該マイクロカプセルトナーを発色させる多色画像形成方法において、上記液体中の溶存気体量を測定し、環境温度と気圧を測定し、上記測定された上記溶存気体量と測定された上記温度と気圧と基準の溶存気体量とから上記液体中の上記溶存気体量の増減量を決定し、この決定に基づいて上記溶存気体量を調整して超音波圧力を補正するように構成される。
本発明によれば、多色に発色可能な未発色のマイクロカプセルトナーを担持体上一面にベタ配置しても、発色処理前に不使用のマイクロカプセルトナーを除去・回収するので、不使用のマイクロカプセルトナーの再利用が可能となって経済的である。
また、除去した不使用のマイクロカプセルトナーが拡散又は飛翔する液体又は気体を担持体の移動方向とは別方向に流動駆動するので、担持体に搬送される発色用のマイクロカプセルトナーに不使用のマイクロカプセルトナーが再混入することがなく、不使用のマイクロカプセルトナーを100%回収できて、この点でも経済的である。
また、除去処理を行う工程と発色処理を行う工程を相互に独立の超音波ラインヘッドで行うことが可能であるので、各処理を高速に行うことができると共に超音波ラインヘッド以外の他の発色処理方法又は除去処理方法を選択することが容易となって設計の自由度が拡大して便利である。
また、除去処理を行う工程と発色処理を行う工程を同一の超音波ラインヘッドで行うことも可能であるので、装置全体の小型化と低廉化に貢献することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1(a) は、本発明の第1の原理図であり、同図(b) はその主要部の機能を模式的に示す図である。同図(a) に示すように、本発明は、カプセルベタ配置機構1、不使用カプセル除去機構2、カプセル発色機構3、用紙転写機構4、及び定着機構5からなり、不使用カプセル除去機構2には、除去カプセル回収機構6が附加される。
図1(a) は、本発明の第1の原理図であり、同図(b) はその主要部の機能を模式的に示す図である。同図(a) に示すように、本発明は、カプセルベタ配置機構1、不使用カプセル除去機構2、カプセル発色機構3、用紙転写機構4、及び定着機構5からなり、不使用カプセル除去機構2には、除去カプセル回収機構6が附加される。
本発明は、同図(b) に示す詳しくは後述する超音波応答性のマイクロカプセルトナー7を使用し、液体8中に配置された例えば中間体転写ベルト等からなる中間搬送体9に、上記のカプセルベタ配置機構1によって、マイクロカプセルトナー7が中間搬送体9の搬送面の少なくとも画像形成最大有効範囲10で全面に配置される。
上記の中間搬送体9は、図の矢印aで示すように図の右方に循環移動して搬送面上に配置されたマイクロカプセルトナー7を搬送しており、液体8は、中間搬送体9の上記搬送方向とは別方向(同図に示す例では反対方向)となる図の矢印bで示す左方に流動している。
中間搬送体9の搬送面の反対面には、所定の2箇所に接して第1の超音波ラインヘッド11と第2の超音波ラインヘッド12が配置されている。第1の超音波ラインヘッド11は、画像データの論理和より合成されたデータに基づく画素に対応する以外の不使用のマイクロカプセルトナー7を中間搬送体9の搬送面から除去する。
同図(b) に示す例では、中間搬送体9の搬送面の画像形成最大有効範囲10の両側で、それぞれ画像データの無い領域13a、13bにベタ配置されていたマイクロカプセルトナー7の中で画像形成に不用な部分である不使用のマイクロカプセルトナー7に、第1の超音波ラインヘッド11から破壊共振周波数とは異なる強力集束超音波が照射される。
これにより、強力集束超音波を照射された不使用のマイクロカプセルトナー7は、超音波進行方向へ弾き飛ばされる。すなわち、中間搬送体9の搬送面から離隔して除去され、除去マイクロカプセルトナー7´となって液体8中に拡散して浮揚する。
除去された除去マイクロカプセルトナー7´は、液体8が中間搬送体9の搬送方向と逆方向に流動していることにより、第1の超音波ラインヘッド11よりも搬送方向下流側に流れて、自らが除去された画像データの無い領域13a、13bや除去されずに画像データに対応して搬送面上に残っているマイクロカプセルトナー7上に、沈降するというようなことなく、液体8の流れにより除去カプセル回収機構6へと運ばれて、除去カプセル回収機構6によって回収される。
除去されず画像データに対応して搬送面上に残っているマイクロカプセルトナー7は、第2の超音波ラインヘッド12の上まで搬送されてきたとき、第2の超音波ラインヘッド12から画素サイズに収束された複数種の共振破壊周波数の超音波を選択的に照射されることによって、マイクロカプセルトナー7中の詳しくは後述する小径マイクロカプセルが共振破壊されて所定の色に発色して画像データに対応する例えばカラー画像14(14a、14b)が形成される。この後、上記のカラー画像14は、用紙転写機構4により用紙に転写され、定着機構5によって用紙面に定着される。
尚、ここでは、上記の不使用カプセル除去機構2は、第1の超音波ラインヘッド11、液体8、中間搬送体9等で構成され、カプセル発色機構3は、第2の超音波ラインヘッド12、液体8、中間搬送体9等で構成されている。また、不使用カプセル除去機構2の一部としての液体8は、除去カプセル回収機構6の一部としても機能している。そして、カプセル発色機構3の一部としての液体8は、第2の超音波ラインヘッド12による超音波の照射伝播の効率を助成する機能を有している。
図2(a) は、本発明の第1の原理図の変形例を示す図であり、同図(b) はその主要部の機能を模式的に示す図である。同図(a) に示すように、この変形例では、図1の原理図に示した不使用カプセル除去機構2及びカプセル発色機構3に代わって、不使用カプセル除去&発色機構15が設けられる。
この変形例では、同図(b) に示すように、図1に示した第1の超音波ラインヘッド11の位置に、第3の超音波ラインヘッド16が配置され、図1に示した第2の超音波ラインヘッド12は除去されている。この第3の超音波ラインヘッド16は図1に示した第1の超音波ラインヘッド11の機能と第2の超音波ラインヘッド12の機能を兼ねており、最初に第1の超音波ラインヘッド11の機能で動作して、不使用のマイクロカプセルトナー7を中間搬送体9の搬送面から除去し、次に、第2の超音波ラインヘッド12の機能で動作して除去されず搬送面上に残っているマイクロカプセルトナー7を画像データに対応した色に発色させる。
この変形例では、図1の場合よりもほぼ2倍の処理時間がかかるが、マイクロカプセルトナー7の除去と発色の2つの処理を第3の超音波ラインヘッド16の1個のみで行うので、装置全体のコストが低減され、また小型化にも貢献できる。
図3(a) は、本発明の第2の原理の主要部を模式的に示す図であり、同図(b) は、その変形例を示す図である。同図(a) に示す図の液体8に代わって気体17が配置される。この場合も、中間搬送体9の搬送面には画像形成最大有効範囲10にマイクロカプセルトナー7が配置されて矢印a方向に搬送され、その搬送方向とは反対方向である矢印bで示す方向に、気体17が流動している。
上記中間搬送体9の搬送面の画像形成最大有効範囲10全面に展開されたマイクロカプセルトナー7の配置層の上に近接して隔離板18が配置される。この隔離板18の中間搬送体9の搬送方向下流側端部近傍で、中間搬送体9の下面に接して第1の超音波ラインヘッド11が配置される。
第1の超音波ラインヘッド11からの超音波照射によって中間搬送体9の搬送面から矢印cで示すように弾き飛んで気体17中を飛翔する除去マイクロカプセルトナー7´は、気体17が中間搬送体9の搬送方向とは反対方向の矢印b方向に流動していることにより、隔離板18上に落下し、この場合も、自らが除去された画像データの無い領域13a、13bや除去されず画像データに対応して搬送面上に残っているマイクロカプセルトナー7上に、落下することなく、隔離板18上を気体17の流れによって上流側に移動し、除去カプセル回収機構6によって回収される。
この後、第2の超音波ラインヘッド12によってマイクロカプセルトナー7が発色される際には、環境が気体7中であるので、超音波の照射伝播効率を助成するために、発色部19におけるマイクロカプセルトナー7のみを液体中に置くようにする。これには、特には図示しないが、例えば液体噴霧装置又は液体塗布装置等を用いるとよい。これにより、この場合も照射効率よくカラー画像14(14a、14b)等が形成される。
また、図3(b) は、中間搬送体9の搬送面の画像形成最大有効範囲10全面にマイクロカプセルトナー7がベタ配置される際には、中間搬送体9は液体8中に配置される。マイクロカプセルトナー7がベタ配置された後の中間搬送体9は、角度θで上に傾斜面を形成して気体17中に出る。その液体8と気体17との境界21(傾斜の境界でもある)から所定の距離だけ下流側に離れた位置で、中間搬送体9の下面に接して第1の超音波ラインヘッド11が配置される。
第1の超音波ラインヘッド11からの超音波照射によって中間搬送体9の搬送面から除去マイクロカプセルトナー7´が弾き飛ぶ際には、中間搬送体9の搬送面から矢印dで示すように直角方向に弾き飛ぶので、その下方に落下する除去マイクロカプセルトナー7´は全て液体21に落下して、この場合も、自らが除去された画像データの無い領域13a、13bや除去されず画像データに対応して搬送面上に残っているマイクロカプセルトナー7上に、落下することなく、液体21を介して除去カプセル回収機構6によって回収される。
(実施例1)
図4(a) は、本発明の上述した原理を用いたマイクロカプセルトナーを用いる多色画像形成装置の第1の実施形態における主要部の構成を示す図であり、同図(b),(c) は、その変形例を示す図である。
図4(a) は、本発明の上述した原理を用いたマイクロカプセルトナーを用いる多色画像形成装置の第1の実施形態における主要部の構成を示す図であり、同図(b),(c) は、その変形例を示す図である。
図4(a) に示すように、先ず、中間搬送体9は、矢印aで示す搬送方向とは反対方向の矢印b方向に流れる液体8中において、その搬送面の画像形成最大有効範囲10にマイクロカプセルトナー7をベタ配置される。
このように、マイクロカプセルトナー7をベタ配置された中間搬送体9は、上方向に傾斜して傾斜面9kを形成しながら液体8中から気体17中にでる。このとき、搬送面にベタ配置されているマイクロカプセルトナー7の層には、浸透した液体8が付着している。この液体8が乾き上がる前に超音波を照射すべく、上記の液体8と気体17との境界22から水平方向に所定の距離Xだけ離れ、上記傾斜面9kを形成している中間搬送体9の裏面に接して第1の超音波ラインヘッド11が配置されている。
ここで、この第1の超音波ラインヘッド11からの超音波の照射によって、付着している液体8中から弾き出る除去マイクロカプセルトナー7´は、照射位置に立つ鉛直線23に対し所定の角度θをもって所定の初速度で飛び出すように、照射される超音波の音圧が制御される。
これにより、照射位置に立つ鉛直線23に対し所定の角度θで、気体17中を所定の距離e点まで飛翔して高さhまで達した除去マイクロカプセルトナー7´は、図の矢印fで示すように放物線を描いて液体8中に落下し、液体8の流れに沿って回収される。
ここで、除去マイクロカプセルトナー7´が弾き飛ばされる方向の鉛直線23からの傾斜角θ、e点までの飛翔距離aとすると「a・sinθ>X」となるように、第1の超音波ラインヘッド11から除去すべきマイクロカプセルトナー7に集束音圧が照射される。
傾斜面9kから再び水平状態に戻った中間搬送体9の裏面に接して、除去されずに残されたマイクロカプセルトナー7に未だ付着している液体8が乾き切らない位置に、第2の超音波ラインヘッド12が配置されている。ここで、第2の超音波ラインヘッド12からの超音波の選択的な照射を受けて、マイクロカプセルトナー7が画像データに応じた色に発色し、カラー画像14が形成され、図外の転写部を経由してこれも図外の定着部で定着されて用紙面へのカラー画像の形成が完成する。
図4(b) は、同図(a) の除去マイクロカプセルトナー7´の飛翔方向に、中間搬送体9の傾斜面9kとほぼ平行する傾斜を形成する回収案内板24が配置され、その下方に所定の間隔を置いて平行する落下防止案内板25が配置された例を示している。除去マイクロカプセルトナー7´は、回収案内板24に当接した後、矢印gで示すように回収案内板24又は落下防止案内板25の傾斜面に案内されて、液体8中に落下し回収される。
この例では、回収案内板24を配置によって、除去マイクロカプセルトナー7´の飛翔距離が短縮された分に対応して、気体層の高さh´を、同図(a) の気体層の高さhよりも低くすることができ、装置全体の小型化に貢献できる。
図4(c) は、同図(b) の回収案内板24に代わって、回収ベルト26が配置され、ベルト下面に接して、同図(b) の落下防止案内板25に代わってクリーナ27の回収ローラ28が配置される。図の矢印hで示すように時計回り方向に循環移動する回収ベルト26の下面に当接した除去マイクロカプセルトナー7´は、そのまま回収ベルト26の下面に吸着して左方へ運ばれ、回収ベルト26の左端近傍で回収ベルト26の下面に当接しているクリーナ27の回収ローラ28によって回収され、クリーナ27内を矢印jで示すように移動して回収機構部により回収される。
ここで、上記のマイクロカプセルトナー7について説明する。
図5(a) は、上記のような発色前のマイクロカプセルトナー7の構造を示す図であり、同図(b) は、その内部に包含される小径マイクロカプセルの構造を示す図、同図(c),(d) は、マイクロカプセルトナー7が超音波照射を受けて選択的に発色する原理を説明する図である。
図5(a) は、上記のような発色前のマイクロカプセルトナー7の構造を示す図であり、同図(b) は、その内部に包含される小径マイクロカプセルの構造を示す図、同図(c),(d) は、マイクロカプセルトナー7が超音波照射を受けて選択的に発色する原理を説明する図である。
同図(a) に示すように、マイクロカプセルトナー7は大径マイクロカプセル30内に、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4種類の小径マイクロカプセル31M、31C、31Y、31Kを内包した構成であり、各小径マイクロカプセル31M、31C、31Y、31Kには小径カプセル壁32が形成されている。また、上記小径マイクロカプセル31M、31C、31Y、31Kは、大径マイクロカプセル30内に封入されたジェル状の保持材33中にランダムに分散している。
また、同図(b) に示すように、小径マイクロカプセル31(31M、31C、31Y、31K)は、上述したように小径カプセル壁32で覆われ、発色剤34を内包し、さらに、気泡35が封入されている。そして、小径カプセル壁32の外側を上述した保持材33中に分散されている顕色剤36が取り囲んでいる。
上記の大径マイクロカプセル30の直径は例えば10μmで構成され、小径マイクロカプセル31の直径は、例えば1μm〜4μm程度である。このように小径マイクロカプセル31つまり小径カプセル壁32の直径が色毎に異なるのは、色毎に超音波に対する共振周波数を異ならせるためである。また、上記のように小径カプセル壁32内に気泡35を内包すると、小径カプセル壁32内部の音響インピーダンスを変化させることができることが知られており、より少ないエネルギーの共振によって小径カプセル壁32を破壊し易くなることが判明している。
上記のように、マイクロカプセルトナー7は大径カプセル30内にマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4種類の小径マイクロカプセル31M、31C、31Y、31Kが内包されており、共振周波数の超音波を受けた小径マイクロカプセルの小径カプセル壁32が破壊され、内部の発色剤34が顕色剤36と混合して反応し、発色する。
例えば、同図(c) は、不図示の超音波ラインヘッドから単一の共振周波数の超音波Sがマイクロカプセルトナー7に照射されている状態を示している。この場合は、この共振周波数で振動する小径マイクロカプセルのみが破壊されて発色する。また、同図(d) は超音波ラインヘッドから2つの共振周波数の超音波S1、S2がマイクロカプセルトナー7に照射される状態を示している。この場合は、これらの共振周波数S1、又はS2で振動する小径カプセルが破壊されてそれぞれ発色する。
例えば、小径マイクロカプセル31Mの小径カプセル壁32のみが破壊されると、マゼンタ(M)色が発色する。また、小径マイクロカプセル31Cの小径カプセル壁32のみが破壊されるとシアン(C)色が発色する。また、小径マイクロカプセル31Mの小径カプセル壁32と小径マイクロカプセル31Cの小径カプセル壁32が破壊されると、赤色が発色し、小径マイクロカプセル31Cの小径カプセル壁32と小径マイクロカプセル31Yの小径カプセル壁32が破壊されると、青色が発色する。
図6(a),(b) は、小径マイクロカプセル31の気泡半径別振幅と周波数依存性を示す図である。同図(a),(b) は、横軸に超音波の共振周波数をHzで示し、縦軸に小径マイクロカプセル31の振幅(ΔR/Ro)を示している。
同図(a) は、マゼンタ、シアン、イエローにそれぞれ発色する小径マイクロカプセル31(31M、31C、31Y)の半径の変化率を色別毎に異ならせた時の共振周波数を表したものであり、イエロー(Y)に発色する小径マイクロカプセル31Yに照射する共振周波数を31f−yで示し、マゼンタ(M)に発色する小径マイクロカプセル31Mに照射する共振周波数を31f−mで示し、シアン(C)に発色する小径マイクロカプセル31Cに照射する共振周波数を31f−cで示している。
実験によれば、小径マイクロカプセル31の最大振幅が50%以上膨張すると、小径カプセル壁34に亀裂が生じることが確認された。したがって、同図(a) に示すように、膨張率が60%を超える周波数(共振周波数)を持つ超音波を照射することによって、所望の小径マイクロカプセル31の小径カプセル壁34を破壊し、発色剤と顕色剤を混合反応させて、所望の色を発色させることができる。
また、同図(b) は、大径マイクロカプセル30内に小径マイクロカプセル31M、31C、31Yと更にブラック(K)の小径マイクロカプセル31Kを含む場合の特性を示す図である。この場合、同図(a) から分かるように、上記3種の共振周波数と異なる共振周波数31f−kの設定を行い、ブラック(K)を加えた4種の小径マイクロカプセル31M、31C、31Y、31Kを選択的に破壊することができる。
図7は、上記の小径マイクロカプセル31の小径カプセル壁32を破壊する超音波を発振する第2の超音波ラインヘッド12(以下、単に超音波ラインヘッド12という)の外観斜視図である。同図に示す超音波ラインヘッド12は、その長手方向に超音波素子が形成されている。
図8は、例えば上記の第2の超音波ラインヘッド12の構成を具体的に説明する図であり、同図(a) は、第2の超音波ラインヘッド12の上面図、同図(b) はその個別印加電極の上面図、同図(c) は同図(b) のA−A´矢視断面図、同図(d) は同図(c) のB−B´矢視断面図である。
この第2の超音波ラインヘッド12は、同図(c),(d) に示すように、担持体37内に5層の部材を積層して構成される。最下層(第5層)には共通電極38−5(アース)が配設され、第4層には圧電素子である超音波素子38−4が配設され、第3層には主走査方向に短冊状に並んだ個別印加電極38−3が配設され、第2層には超音波素子38−4と超音波伝搬媒体との音響インピーダンスの差を軽減する為の音響インピーダンス整合層38−2が配設され、更に第1層には音響レンズ38−1が配設されている。
超音波素子38−4には、個別印加電極38−3と共通電極(アース)38−5が接続され、個々の個別印加電極38−3からは個別配線38−3−1が外部に引き出されている。これらの電極から、前述の所望の小径カプセル壁32を破壊する超音波を発振するための超音波出力信号が供給される。超音波素子38−4は上記信号が印加されると歪みを生じ、所定の周波数で超音波振動が励起される。
超音波素子38−4で励起された超音波振動は音響インピーダンス整合層38−2を通して音響レンズ38−1で屈折され、指定位置(指定距離)に集束する。尚、音響インピーダンス整合層38−2は上記のように、超音波素子38−4と超音波伝搬媒体との音響インピーダンスの差を軽減する機能を有している。
一般に、マイクロマイクロカプセルトナー7が配置されている指定位置に画素サイズの超音波ビームを集束させるためには超音波素子38−4を微細なサイズに加工することが困難であることと前述の小径カプセル壁32を破壊するために必要な超音波の音圧を1個の超音波素子38−4で得ることが困難であることから、主走査方向及び副走査方向に複数からなる超音波素子38−4の超音波ビームを集束させることによって指定位置に画素サイズの超音波ビームを集束させるようにする。
図9は主走査方向(X方向)に配設された超音波素子38−4と、超音波素子38−4から出力される超音波の集束位置の関係を示す図である。尚、同図においては説明上、超音波素子38−4には紙面の左側から素子番号1、2、3、・・・が付与されている。また、同図に示す集束位置には、画素番号(例えば、1〜7168)が付与されている。尚、上記集束位置は、例えば図4(a),(b),(c) において、中間搬送体9上に配置され、除去マイクロカプセルトナー7´を取り除かれて、中間搬送体9により搬送されるマイクロカプセルトナー7が途中で第2の超音波ラインヘッド12と対峙する位置である。
図10は、上記超音波素子38−4の配設構成の一部を拡大して示す図であり、例えば超音波素子「1」〜「6」までを拡大して示している。互いに隣り合う超音波素子38−4は間隔dを有して配設されており、同時にm個の超音波素子38−4が時間遅延しながら駆動される。
例えば、同図に示すA点について考えると、同時にm個(例えば5個)の超音波素子38−4を時間遅延させて5個の超音波素子38−4の中心(A点)に強力な超音波をあてる。例えば、「1」の超音波素子38−4とA点の距離、「2」の超音波素子38−4とA点の距離、「3」の超音波素子38−4とA点の距離は少しずつ異なり、この距離差と超音波の伝搬速度から各超音波素子38−4の出力タイミングをずらし、所定のタイミングで超音波出力を行う。このように制御することにより、同時にA点に強力な超音波を照射することができる。
また、上記A点に限らず、超音波素子38−4からの超音波出力のタイミングを調整することによって、超音波素子38−4の配設ピッチより狭い位置(例えば、1/2dの位置、B点)に複数の超音波素子38−4から出力された超音波ビームを集束させることもできる。したがって、例えば1画素間隔で(ピッチdで)超音波ビームの集束位置を主走査方向にずらして制御することによって、1画素間隔で前述のマイクロカプセルトナー7に対して強力な超音波ビームを集束することができ、小径カプセル壁32を破壊して所望の色の発色を1画素間隔で行うことができる。
また、副走査方向については、上記音響レンズ38−1の屈折を利用して超音波ビームの集束サイズを小さくすることができる。したがって、副走査方向に集束画素サイズを小さく構成することによって、より解像度の高い画像を形成することが可能となる。例えば、画素サイズを1/4とすることによって超音波ビームを1画素に対して4回供給することができ、4階調の色制御が可能となる。
図11は、本発明の第2の実施形態における多色画像形成装置の構成を模式的に示す図である。尚、同図には、形状は異なるが、前述の図1〜図4の構成と同一の機能を有する機能構成部分には、図1〜図4と同一の番号を付与して示している。
図11に示すように、この多色画像形成装置40は、中心部に回転する円筒状の中間搬送体9を備えている。この中間搬送体9は図の矢印kで示すように時計回り方向に回転している。この中間搬送体9の右上部分に、カプセルベタ配置機構1が配設されており、このカプセルベタ配置機構1によって、中間搬送体9の周面に、マイクロカプセルトナー7が、ベタ配置されている。
中間搬送体9の右横方向の内部周面に接して第1の超音波ラインヘッド11が配設されており、この第1の超音波ラインヘッド11と対峙する中間搬送体9の外周面外側に、気体(空気)17の流れを中間搬送体9の回転方向つまり搬送方向とは別方向(図の例では直角方向)に生成する不使用カプセル除去機構2が配設されている。
中間搬送体9の回転によって上記の第1の超音波ラインヘッド11と不使用カプセル除去機構2との対峙部に搬送されてきたベタ配置のマイクロカプセルトナー7のうち、画像形成には関与しない不使用のマイクロカプセルトナー7が、第1の超音波ラインヘッド11からの破壊共振周波数とは異なる強力集束超音波の照射によって中間搬送体9の搬送面から弾き飛ばされ、除去マイクロカプセルトナー7´となって、不使用カプセル除去機構2内の気体17中を飛翔し、気体17の流れに沿ってカプセル回収機構6に運ばれ、カプセル回収機構6に回収される。
他方、除去されずに中間搬送体9の搬送面に残った画像形成に関与するマイクロカプセルトナー7は、そのまま中間搬送体9の回転に伴われて下方に搬送される。その中間搬送体9最下部には、中間搬送体9の内部周面に接して第2の超音波ラインヘッド12が配設されており、この配設部分で、第2の超音波ラインヘッド12の先端の超音波照射部と中間搬送体9の内外周面が、カプセル発色機構3の液体8中に浸漬している。
一般に、液体は固体と共に超音波が効率よく伝播する素材であり、このように、第2の超音波ラインヘッド12の先端の超音波照射部と中間搬送体9の内外周面が液体8中に浸漬していることにより、第2の超音波ラインヘッド12の先端の超音波照射部と、中間搬送体9の外周面上のマイクロカプセルトナー7との間には、液体8と中間搬送体9(固体)が存在するだけで、気体は存在しないから、第2の超音波ラインヘッド12から照射される超音波は、効率よくマイクロカプセルトナー7に伝播される。
第2の超音波ラインヘッド12により、画素サイズに収束された複数種の共振破壊周波数の超音波を選択的に照射され、上述した小径マイクロカプセルが選択的に共振破壊されて所定の色に発色し、画像データに対応するカラー画像14が形成される。この後、上記のカラー画像14は、用紙転写機構4により用紙に転写され、定着機構5によって用紙面に定着される。
ところで、一般に、超音波は伝播に伴って減衰するが、その減衰の主な要因に、吸収減衰がある。吸収減衰は温度が上がると小さくなり、温度が下がると大きくなる。また、気圧が高くなると小さくなり、気圧が低くなると大きくなる。
このように、吸収減衰は環境変化に大きく左右されるので、上記のような発色処理においては、マイクロカプセルトナー7への共振超音波照射の音圧の制御として、環境条件に応じた調整により補正を行うと、超音波照射効率がより一層向上する。
この音圧の調整は、音源音圧をP0 、マイクロカプセルトナー7に加わる音圧をP、超音波の吸収係数をα、音源と超音波照射対象までの距離をxとして、次式
P=P0e^-αx ・・・(1)
によって行う。初期設定では、吸収係数αは任意の値α1 とし、音源音圧P0 はそのときの駆動電圧によって決定される。
P=P0e^-αx ・・・(1)
によって行う。初期設定では、吸収係数αは任意の値α1 とし、音源音圧P0 はそのときの駆動電圧によって決定される。
ここでは、多色画像形成装置40の稼動時において、x=x1 において得られる音圧Pを「P0e^-α1x1 」と見積もる。そして、実際の稼動時の吸収値から、吸収係数がα2 であったとすると、吸収値の示す吸収係数をα2→α1 と変化させて、つまり補正して、見積もりどおりの音圧を得ようとするものである。上記の吸収係数αを補正するためには液体8中の溶存気体量を調整するとよい。溶存気体量が増えると吸収係数αは大きくなり溶存気体量が減ると吸収係数αは小さくなる。
図12(a) は、以上のように超音波照射効率を一定に維持するための吸収係数の補正方法を実現するためのカプセル発色機構3の構成ブロック図であり、同図(b) は、温度と気圧と吸収率の関係を示す図である。同図(a) に示すように、カプセル発色機構3には、前述の第2の超音波ラインヘッド12と液体8の他に気圧計41、温度計42、溶存ガスメータ43、バブリング装置44及び脱気装置45が設けられる。
また、同図(b) は、前述したように温度T(T1 <T2 )が上がると吸収減衰が小さくなり、温度Tが下がると吸収減衰が大きくなることを示すと共に、気圧が高くなると吸収減衰が小さくなり、気圧が低くなると吸収減衰が大きくなることを示している。
図13は、上記のカプセル発色機構による吸収係数の補正処理を説明するフローチャートである。同図において、補正処理が開始されると、先ず、脱気装置45により、初期設定吸収値になるまで、液体8からの脱気を行う(S1)。
次に、気圧計41と温度計42により、温度と気圧を検知する(S2)。
そして、検知した温度と気圧により現在の超音波の吸収値を決定する(S3)。この処理では、図12(b) に示す温度と気圧と吸収率の関係テーブルから吸収値が決定される。
そして、検知した温度と気圧により現在の超音波の吸収値を決定する(S3)。この処理では、図12(b) に示す温度と気圧と吸収率の関係テーブルから吸収値が決定される。
上記に続いて、予め設定されている基準の吸収値と現在の上記の吸収値を比較する(S4)。
そして、現在の吸収値が基準の吸収値よりも小さいときは、バブリング装置44により液体8内へのバブリングを行って液体8内の溶存気体量を増加させ(S5)、溶存ガスメータ43により溶存ガスを検知し(S6)、現在の吸収値が予め設定されている吸収値と一致したとき(S7)、第2の超音波ラインヘッド12から所定の共振周波数の超音波を照射する(S8)。
そして、現在の吸収値が基準の吸収値よりも小さいときは、バブリング装置44により液体8内へのバブリングを行って液体8内の溶存気体量を増加させ(S5)、溶存ガスメータ43により溶存ガスを検知し(S6)、現在の吸収値が予め設定されている吸収値と一致したとき(S7)、第2の超音波ラインヘッド12から所定の共振周波数の超音波を照射する(S8)。
また、上記S4の比較処理において、現在の吸収値が予め設定されている吸収値と一致していれば、直ちに処理S8において第2の超音波ラインヘッド12から所定の共振周波数の超音波を照射する。
また、上記S4の比較処理において、現在の吸収値が予め設定されている吸収値よりも大きいときは、脱気装置45により液体8からの脱気を行って液体8内の溶存気体量を減少させ(S9)、溶存ガスメータ43により溶存ガスを検知し(S10)、現在の吸収値が予め設定されている吸収値と一致したとき(S11)、処理S8において、第2の超音波ラインヘッド12から所定の共振周波数の超音波を照射する。
このように、環境条件に応じた溶存ガスの調整により吸収係数の補正を行って、マイクロカプセルトナー7への共振超音波の照射を常に一定の音圧に維持するように制御する。
1 カプセルベタ配置機構
2 不使用カプセル除去機構
3 カプセル発色機構
4 用紙転写機構
5 定着機構
6 除去カプセル回収機構
7 マイクロカプセルトナー
7´ 除去マイクロカプセルトナー
8 液体
9 中間搬送体
10 画像形成最大有効範囲
11 第1の超音波ラインヘッド
12 第2の超音波ラインヘッド
13a、13b 画像データの無い領域
14(14a、14b、14c、14d) カラー画像
15 不使用カプセル除去&発色機構
16 第3の超音波ラインヘッド
17 気体
18 隔離板
19 発色部
21 液体と気体との境界(傾斜の境界)
22 液体と気体との境界
23 照射位置に立つ鉛直線
24 回収案内板
25 落下防止案内板
26 回収ベルト
27 クリーナ
28 回収ローラ
30 大径マイクロカプセル
31(31M、31C、31Y、31K) 小径マイクロカプセル
32 小径カプセル壁
33 保持層
34 発色剤
35 気泡
36 顕色剤
37 担持体
38−1 音響レンズ
38−2 音響インピーダンス整合層
38−3 個別印加電極
38−4 超音波素子
38−5 共通電極
40 多色画像形成装置
41 気圧計
42 温度計
43 溶存ガスメータ
44 バブリング装置
45 脱気装置
2 不使用カプセル除去機構
3 カプセル発色機構
4 用紙転写機構
5 定着機構
6 除去カプセル回収機構
7 マイクロカプセルトナー
7´ 除去マイクロカプセルトナー
8 液体
9 中間搬送体
10 画像形成最大有効範囲
11 第1の超音波ラインヘッド
12 第2の超音波ラインヘッド
13a、13b 画像データの無い領域
14(14a、14b、14c、14d) カラー画像
15 不使用カプセル除去&発色機構
16 第3の超音波ラインヘッド
17 気体
18 隔離板
19 発色部
21 液体と気体との境界(傾斜の境界)
22 液体と気体との境界
23 照射位置に立つ鉛直線
24 回収案内板
25 落下防止案内板
26 回収ベルト
27 クリーナ
28 回収ローラ
30 大径マイクロカプセル
31(31M、31C、31Y、31K) 小径マイクロカプセル
32 小径カプセル壁
33 保持層
34 発色剤
35 気泡
36 顕色剤
37 担持体
38−1 音響レンズ
38−2 音響インピーダンス整合層
38−3 個別印加電極
38−4 超音波素子
38−5 共通電極
40 多色画像形成装置
41 気圧計
42 温度計
43 溶存ガスメータ
44 バブリング装置
45 脱気装置
Claims (8)
- 所定の刺激によって破壊可能なカプセル壁で囲繞された複数種の小径マイクロカプセルを支持材に分散内包する大径マイクロカプセルから成り、互いに混合されて発色反応を起こす反応性物質の一方を前記各々の小径マイクロカプセル壁内側に分散し、前記反応性物質の他方を前記支持材に分散して成るマイクロカプセルトナーを用いる多色画像形成装置であって、
前記マイクロカプセルトナーを中間搬送体の搬送面の少なくとも画像形成最大有効範囲で全面に配置するカプセル全面配置手段と、
画像データの論理和より合成されたデータに基づく画素に対応する以外の不使用の前記マイクロカプセルトナーを前記中間搬送体の前記搬送面から除去する不使用カプセル除去手段と、
該除去手段による除去の後に前記中間搬送体の前記搬送面に残る前記マイクロカプセルトナーに対し前記画像データに基づいて発色させる発色現像手段と、
を少なくとも備えたことを特徴とする多色画像形成装置。 - 前記不用カプセル除去手段は、複数種の特定周波数の超音波を選択的に照射することにより該超音波に共振させて前記中間搬送体の前記搬送面から不使用の前記マイクロカプセルトナーを離隔して除去する第1の超音波ラインヘッドから成り、前記発色現像手段は、画素サイズに収束された複数種の特定周波数の超音波を選択的に照射することにより各特定周波数ごとに選択的に反応する前記小径カプセルの外殻を破壊し、この外殻により分離されていた発色剤と顕色剤とを反応させて所定の色を発色させる第2の超音波ラインヘッドから成ることを特徴とする請求項1記載の多色画像形成装置。
- 前記第1の超音波ラインヘッドは、前記第2の超音波ラインヘッドを兼ねることを特徴とする請求項2記載の多色画像形成装置。
- 前記中間搬送体の前記搬送面から除去された不使用の前記マイクロカプセルトナーを回収する除去カプセル回収手段を更に有することを特徴とする請求項1記載の多色画像形成装置。
- 前記除去カプセル回収手段は、前記第1又は第2の超音波ラインヘッドからの超音波を透過させる液体と、該液体に前記中間搬送体の搬送方向とは逆方向に流動させる液体流動駆動手段と、前記搬送面から除去されて前記液体中に拡散する不使用の前記マイクロカプセルトナーをカプセル供給容器に回収する回収案内手段と、を備えていることを特徴とする請求項4記載の多色画像形成装置。
- 前記除去カプセル回収手段は、前記搬送面から除去された不使用の前記マイクロカプセルトナーが飛翔する空間の気体を前記中間搬送体の搬送方向とは逆方向に流動させる気体流動駆動手段と、逆方向に流動する前記気体中を飛翔する前記除去された不使用のマイクロカプセルトナーをカプセル供給容器に回収する回収案内手段と、を備えていることを特徴とする請求項4記載の多色画像形成装置。
- 前記回収案内手段は、前記気体中を飛翔する前記除去された不使用のマイクロカプセルトナーが前記気体中を逆流することを防止する案内手段を有することを特徴とする請求項6記載の多色画像形成装置。
- 液体を介して照射対象のマイクロカプセルトナーに超音波を照射して該マイクロカプセルトナーを発色させる多色画像形成方法において、
前記液体中の溶存気体量を測定し、
環境温度と気圧を測定し、
前記測定された前記溶存気体量と測定された前記温度と気圧と基準の溶存気体量とから前記液体中の前記溶存気体量の増減量を決定し、
この決定に基づいて前記溶存気体量を調整して超音波の圧力を補正する、
ことを特徴とする多色画像形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004034533A JP2005225013A (ja) | 2004-02-12 | 2004-02-12 | マイクロカプセルトナーを用いる多色画像形成装置 |
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Publications (1)
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