JP2004226930A - マイクロカプセルトナーを使用するカラー画像形成方法及びカラー画像形成装置 - Google Patents

マイクロカプセルトナーを使用するカラー画像形成方法及びカラー画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】変調周波数のレーザ光照射により発生する弾性波に基づく超音波により所望の色を発色するマイクロカプセルトナーを用いて印刷処理を行うカラー画像形成方法及びカラー画像形成装置を提供する。
【解決手段】発色現像部63において高出力半導体レーザ装置64から画像データに応じた波数分の正弦波変調されたレーザ光68をポリゴンミラー65及びfθレンズ66を介しレーザ光68−i(i=1、2、・・・、n)(nは主走査方向の画素数)として中間転写ドラム67上の主走査方向の画素位置に順次収束させる。中間転写ドラム67上には感光体ドラム15からカプセルトナーTが転写されており、レーザ光68−iを照射されて内部の小径カプセルトナー41(41M,41C、41Y、41K)が選択的に破壊されて所望の色に発色する。
【選択図】 図15

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光の照射により発生させた弾性波によりマイクロカプセルトナーの小径マイクロカプセルを破壊して所望の色を発色させて印刷を行うカラー画像形成方法及びカラー画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータを中心とした情報機器としてのコンピュータの普及に伴って、その周辺機器のひとつとしてプリンタ装置が普及している。このプリンタ装置には各種の方式のカラープリンタが提案されている。特に、電子写真方式、熱転写方式、インクジェット方式の各方式のプリンタ装置は著しい進歩を遂げており、それらで形成されるカラー画像は、美麗さや解像度の点でも、古くから用いられてきたアナログカメラの銀塩写真に匹敵し、これにとって代わる勢いである。
【0003】
図23は、電子写真方式の所謂タンデム方式のカラー画像形成装置の例を示す図である。同図に示すように、タンデム方式のカラー画像形成装置は、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4つの画像形成部1M、1C、1Y、1Kを有し、各画像形成部1M、1C、1Y、1Kには、それぞれに対応する現像器2M、2C、2Y、2Kが配設されている。
【0004】
記録紙Pは、搬送ベルト5の矢印Aで示す反時計回り方向への循環移動に伴って破線矢印Bで示すように搬送される。この間各画像形成部1M、1C、1Y、1Kの光書込ヘッド3M、3C、3Y、3Kから対応する感光体ドラム4M、4C、4Y、4Kに光書込みが行われ、その光書込みによる静電潜像に対して現像器2M、2C、2Y、2Kによるそれぞれの色のトナー像が現像される。
【0005】
トナー像が現像された感光体ドラム4Mから記録紙Pに対してマゼンタ(M)のトナー像の転写が行われ、以後シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の順に、各色のトナー像が重ねられて記録紙Pへ転写される。その後、熱定着器6によって定着処理が行われ、上記トナー像は記録紙Pに熱定着され、機外に排出される。
【0006】
また、上記従来の方式に対し、新規な方式として、光や熱等の外部刺激に応答するマイクロカプセルを含有するインク層を予めコーティングした専用の記録紙を用い、これに画像情報に対応した光や熱を付与して画像形成を行う装置も提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電子写真方式のカラー画像形成装置は、記録紙Pとして普通紙を使用できる点で優れているが、色別に複数のインクやトナーが必要である点で、消耗品の管理が煩雑となる。
【0008】
また、例えば現像器や画像形成部を複数(例えば、4個)内蔵する必要があり、部品点数が増し、装置も大型化する。そして、これら各色の位置合わせには高い精度が要求されるため、工場での組み立て作業に時間がかかって作業能率の低下要因となる。また、さらに、構造も複雑化し、装置の軽量化の面からも不利である。
【0009】
一方、マイクロカプセルを含有するインク層を予めコーティングした専用の記録紙を用いる方式のカラー画像形成装置の場合は、基本的に記録紙全面にインクを塗布することから、コストアップの原因になる。また普通紙が使用できないという問題もある。さらに、複数色の印字工程を繰り返すことから、色ずれ管理が難しく、装置の複雑化が避けられないという問題も有している。
【0010】
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、所定の変調周波数のレーザ光の照射により発生する弾性波の刺激により画像情報に応じた所望の色を発色するマイクロカプセルトナーを用いて印刷処理を行うカラー画像形成方法及びカラー画像形成装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
先ず、請求項1記載の発明(第1の発明)のカラー画像形成方法は、所定の刺激によって破壊可能なカプセル壁で囲繞された複数種の小径マイクロカプセルを支持材に分散内包する大径マイクロカプセルから成り、互いに混合されて発色反応を起こす反応性物質の一方を上記各々の小径マイクロカプセル壁内側に分散し、上記反応性物質の他方を上記各々の小径マイクロカプセル壁外側に分散した、マイクロカプセルトナーを用いるカラー画像形成方法であって、画像情報に応じて上記マイクロカプセルトナーを印字媒体上に最終的に転写定着すべく、中間転写媒体を介して若しくは直接的に上記印字媒体に付与する工程と、上記印字媒体に付与される上記マイクロカプセルトナーに対して上記画像情報中の色成分情報に対応した所定の変調周波数のレーザ光を照射して弾性波を発生させることにより上記複数種の小径マイクロカプセルのうちの所定のカプセル壁を選択的に破壊して所定の反応性物質が互いに拡散混合して発色反応を生じさせる発色工程と、を少なくとも実行して上記印字媒体上に発色したトナーに基づくカラー画像を形成するように構成される。
【0012】
上記マイクロカプセルトナーは、例えば請求項2記載のように、上記レーザ光の反射を抑制する反射防止膜を表面にコーティングされて成り、また、例えば請求項3記載のように、上記レーザ光の吸収効率を上げる光吸収剤を内部の結着樹脂に添加して構成される。
【0013】
次に、請求項4記載の発明(第2の発明)のカラー画像形成方法は、所定の刺激によって破壊可能なカプセル壁で囲繞された複数種の小径マイクロカプセルを支持材に分散内包する大径マイクロカプセルから成り、互いに混合されて発色反応を起こす反応性物質の一方を上記各々の小径マイクロカプセル壁内側に分散し、上記反応性物質の他方を上記各々の小径マイクロカプセル壁外側に分散した、マイクロカプセルトナーを用いるカラー画像形成方法であって、画像情報に応じて上記マイクロカプセルトナーを印字媒体上に最終的に転写定着すべく、中間転写媒体を介して若しくは直接的に上記印字媒体に付与する工程と、上記印字媒体に付与される上記マイクロカプセルトナーに対して上記画像情報中の色成分情報に対応した色に上記マイクロカプセルトナーを発色させるべく配置された超音波ラインヘッドの各超音波素子に所定の変調周波数のレーザ光を照射して所望の上記超音波素子に弾性波を発生させることにより該超音波素子から超音波を上記マイクロカプセルトナーに照射させ上記超音波により上記複数種の小径マイクロカプセルのうちの所定のカプセル壁を選択的に破壊して所定の反応性物質が互いに拡散混合して発色反応を生じさせる発色工程と、を少なくとも実行して上記印字媒体上に発色したトナーに基づくカラー画像を形成するように構成される。
【0014】
上記超音波素子は、例えば請求項5記載のように、柱状体に形成され、上記超音波ラインヘッドの主走査方向の画素数に応じた数で、保持部材の主走査方向に所定の間隔で配置され、上下から上記保持部材により挟まれるようにして保持されて前後の端面が外部に露出した金属体から成る。
【0015】
この場合、上記柱状体は、例えば請求項6記載のように、円柱体であっても良く、また、例えば請求項7記載のように、方形の柱状体であってもよい。また、上記柱状体は、例えば請求項8記載のように、レーザ光入射面を平面に形成され、超音波射出面を平面、凹面、又は凸面に形成されている。そして、上記レーザ光入射面は、例えば請求項9記載のように、レーザ光の反射を抑制する反射防止膜を表面にコーティングされて構成される。
【0016】
このカラー画像形成方法において、上記超音波素子は、例えば請求項10記載のように、金属薄片で形成され、該金属薄片の一方の面を上記レーザ光の入射面として光透過性の保持部材の一方の端面に接し、上記保持部材の主走査方向に所定の間隔で配置され、上記金属薄片の他方の面を射出超音波収束のための音響マイクロレンズで被覆されて構成される。
【0017】
続いて、請求項11記載の発明(第3の発明)のカラー画像形成装置は、所定の刺激によって破壊可能なカプセル壁で囲繞された複数種の小径マイクロカプセルを支持材に分散内包する大径マイクロカプセルから成り、互いに混合されて発色反応を起こす反応性物質の一方を上記各々の小径マイクロカプセル壁内側に分散し、上記反応性物質の他方を上記各々の小径マイクロカプセル壁外側に分散した、マイクロカプセルトナーを用いるカラー画像形成装置であって、画像情報に応じて上記マイクロカプセルトナーを印字媒体上に最終的に転写定着すべく、中間転写媒体を介して若しくは直接的に上記印字媒体に付与する付与手段と、上記印字媒体に付与される上記マイクロカプセルトナーに対して上記画像情報中の色成分情報に対応した所定の変調周波数のレーザ光を照射して弾性波を発生させることにより上記複数種の小径マイクロカプセルのうちの所定のカプセル壁を選択的に破壊して所定の反応性物質が互いに拡散混合して発色反応を生じさせる発色手段と、を少なくとも有して上記印字媒体上に発色したトナーに基づくカラー画像を形成するように構成される。
【0018】
上記マイクロカプセルトナーは、例えば請求項12記載のように、上記レーザ光の反射を抑制する反射防止膜を表面にコーティングされて成り、また、例えば請求項13記載のように、上記レーザ光の吸収効率を上げる光吸収剤を内部の結着樹脂に添加して構成される。
【0019】
最後に、請求項14記載の発明(第4の発明)のカラー画像形成装置は、所定の刺激によって破壊可能なカプセル壁で囲繞された複数種の小径マイクロカプセルを支持材に分散内包する大径マイクロカプセルから成り、互いに混合されて発色反応を起こす反応性物質の一方を上記各々の小径マイクロカプセル壁内側に分散し、上記反応性物質の他方を上記各々の小径マイクロカプセル壁外側に分散した、マイクロカプセルトナーを用いるカラー画像形成装置であって、画像情報に応じて上記マイクロカプセルトナーを印字媒体上に最終的に転写定着すべく、中間転写媒体を介して若しくは直接的に上記印字媒体に付与する付与手段と、上記印字媒体に付与される上記マイクロカプセルトナーに対して上記画像情報中の色成分情報に対応した色に上記マイクロカプセルトナーを発色させるべく配置された超音波ラインヘッドの各超音波素子に所定の変調周波数のレーザ光を照射して所望の上記超音波素子に弾性波を発生させることにより該超音波素子から超音波を上記マイクロカプセルトナーに照射させ上記超音波により上記複数種の小径マイクロカプセルのうちの所定のカプセル壁を選択的に破壊して所定の反応性物質が互いに拡散混合して発色反応を生じさせる発色手段と、を少なくとも有して上記印字媒体上に発色したトナーに基づくカラー画像を形成するように構成される。
【0020】
上記超音波素子は、例えば請求項15記載のように、柱状体に形成され、上記超音波ラインヘッドの主走査方向の画素数に応じた数で、保持部材の主走査方向に所定の間隔で配置され、上下から上記保持部材により挟まれるようにして保持されて前後の端面が外部に露出した金属体から成って構成される。
【0021】
上記柱状体は、例えば請求項16記載のように、円柱体であっても良く、また、例えば請求項17記載のように、方形の柱状体であっても良い。また、上記柱状体は、例えば請求項18記載のように、レーザ光入射面を平面に形成され、超音波射出面を平面、凹面、又は凸面に形成されている。
【0022】
そして、上記レーザ光入射面は、例えば請求項19記載のように、レーザ光の反射を抑制する反射防止膜を表面にコーティングされて成る。
このカラー画像形成装置において、上記超音波素子は、例えば請求項20記載のように、金属薄片で形成され、該金属薄片の一方の面を上記レーザ光の入射面として光透過性の保持部材の一方の端面に接し、上記保持部材の主走査方向に所定の間隔で配置され、上記金属薄片の他方の面を射出超音波収束のための音響マイクロレンズで被覆されて成るように構成される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施の形態としてのカラー画像形成装置の全体構成図である。なお、同図に示すカラー画像形成装置10は、例えばピアツーピア(peer to peer)で接続されたパーソナルコンピュータのホスト機器側に接続されたプリンタ装置またはLAN(ローカルエリアネットワーク)に接続されたプリンタ装置であってもよい。
【0024】
図1に示すカラー画像形成装置10は、画像形成部11、給紙部12、用紙搬送部13、電源及び制御部14で構成されている。画像形成部11は感光体ドラム15、光書込ヘッド16、カプセルトナーホッパ17、超音波ラインヘッド18等で構成されている。
【0025】
給紙部12は、給紙カセット19及び給紙コロ21で構成され、給紙カセット19に収納された記録紙Pは、給紙コロ21の1回転ごとに、給紙カセット19から搬出され、用紙搬送部13に送られる。用紙搬送部13は給紙カセット19から搬出された記録紙Pをガイド板に沿って搬送し、この記録紙Pには転写部22において後述するトナー画像が転写される。トナー画像を転写された記録紙Pは、定着器23でトナー画像を紙面に熱定着され、排紙ローラ24によって用紙スタッカ25上に排出される。
【0026】
また、電源及び制御部14は上記画像形成部11等に電源を供給する電源部26、及び上記光書込ヘッド16に供給する光書込データを生成し、超音波ラインヘッド18に供給する画像データを生成する制御部(制御回路)27で構成されている。尚、制御部27の具体的な制御回路の構成については後述する。
【0027】
図2は、上記画像形成部11の拡大図である。画像形成部11は上記のように、感光体ドラム15、光書込ヘッド16、カプセルトナーホッパ17、超音波ラインヘッド18を要部として構成されている。感光体ドラム15の近傍には、帯電ローラ28、前述の光書込ヘッド16、カプセルトナー現像ローラ29、転写ローラ31、クリーナ32が配設されている。
【0028】
上記のカプセルトナーホッパ17内にはマイクロカプセルトナーT(以下、単にカプセルトナーTという)が収容され、このカプセルトナーTに埋没するように攪拌部材33が回動可能に設置され、さらに最下部には、カプセルトナー現像ローラ29に当接してカプセルトナー供給ローラ34が設置されている。
【0029】
攪拌部材33は、カプセルトナーTを攪拌し、摩擦帯電によってマイナス(−)の電荷をカプセルトナーTに付与する。カプセルトナー供給ローラ34は、そのマイナス電荷を付与されたカプセルトナーTをカプセルトナー現像ローラ29に供給する。
【0030】
光書込ヘッド16には前述の制御部(制御回路)27から光書込みデータが供給され、感光体ドラム15の感光面に光書込みを行う。感光体ドラム15の感光面には予め帯電ローラ28によって一様な電荷が付与され、光書込ヘッド16からの光書込みによって静電潜像が形成される。この静電潜像には、詳しくは後述するが、カプセルトナー現像ローラ29によってカプセルトナーTが静電的に付着されて現像が行われ、現像されたカプセルトナーTは感光体ドラム15の回転に伴われて転写ローラ31直上の位置に運ばれる。
【0031】
感光体ドラム15と転写ローラ31間には、中間転写ベルト35が位置している。中間転写ベルト35は感光体ドラム15と転写ローラ31間を挟持搬送される。感光体ドラム15に静電付着したカプセルトナーTは、転写ローラ31との間で作用する電界によって中間転写ベルト35側に吸着される。尚、中間転写ベルト35は矢印C方向に循環移動している。この中間転写ベルト35に吸着したカプセルトナーTは、中間転写ベルト35の循環移動に伴われて超音波ラインヘッド18の直下に到達する。
【0032】
超音波ラインヘッド18には制御部(制御回路)27から画像データが供給され、超音波ラインヘッド18を収容する収容ローラ36と対向ローラ37間を移動するカプセルトナーTに超音波照射を行う。この時、中間転写ベルト35に吸着したカプセルトナーTに内包される微細カプセルの壁が破壊され、内部の反応性物質によって発色反応が起こり、カプセルトナーTが発色してカラートナー像が中間転写ベルト35上に現像される。
【0033】
上記のようにして発色してカラートナー像を形成している発色済みのカプセルトナーは、転写部22において転写ローラ37により記録紙Pに転写される。また、記録紙Pに転写された発色済みカプセルトナーは前述のように定着器23において熱定着処理が施され、排紙ローラ24によって排紙スタッカ25上に排出される。上記の転写後に中間転写ベルト35に残留するカプセルトナーはベルトクリーナ38によって除去される。
【0034】
図3は、上記のカプセルトナーTの構造を示す図である。同図に示すように、カプセルトナーTは大径マイクロカプセル40内にマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4種類の小径マイクロカプセル41(41M、41C、41Y、41K)を内包した構成であり、各小径マイクロカプセル41には小径カプセル壁42が形成されている。
【0035】
また、上記小径マイクロカプセル41は、大径マイクロカプセル40内に封入されたジェル状の保持層43中にランダムに分散している。尚、同図に示す小径マイクロカプセル41´は発色した小径マイクロカプセルを示している。また、小径マイクロカプセル41の小径カプセル壁43の外側を顕色剤44が覆っている。
【0036】
上記の大径マイクロカプセル40の直径は5μm〜10μmで構成され、例えば1個の大径マイクロカプセル40内に各小径マイクロカプセル41がそれぞれ10個程度収容されている。また、各小径マイクロカプセル41の直径は、例えば0.5μm〜2μm程度である。
【0037】
図4は、上記小径マイクロカプセル41の構造を説明する図である。小径マイクロカプセル41は、小径カプセル壁42で覆われ、発色剤45を内包し、小径カプセル壁42の外側を上述したように顕色剤44が覆っている。そして、これら小径マイクロカプセル41の小径カプセル壁42の直径及び厚さはそれぞれ異っている。すなわち、小径マイクロカプセル41M、41C、41Y、41Kは、それぞれその直径と、小径カプセル壁42の厚さが異なり、このように構成することによって小径カプセル壁42を破壊する共振周波数を異ならせ、各小径マイクロカプセル毎に異なる共振周波数で破壊できる構造となっている。
【0038】
また、上記各小径マイクロカプセルの直径と厚さに加え、材質を変えることによっても破壊の共振周波数を可変でき、材質を超音波の照射する共振周波数の設定要素に加えることによってより詳細な共振周波数の設定が可能となる。
例えば、小径マイクロカプセルの直径が大きくなれば超音波の共振周波数は低い方向に移行し、小径カプセル壁42の厚さが厚くなれば共振周波数は高い方向に移行する。また、小径カプセル壁42の壁の材質が硬くなれば、共振周波数は高い方向に移行する。したがって、上記各要素に対応して各小径マイクロカプセル41M、41C、41Y、41Kはそれぞれ共振周波数が異なるように設計されている。
【0039】
また、各小径マイクロカプセル41の発色割合は、照射される超音波のエネルギー量によって可変可能である。したがって、マゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の発色割合を制御し、自由な中間調を実現することができる。
図5は、前述の電源及び制御部14の制御部27の制御回路の構成を説明する図である。制御部(制御回路)27はインターフェース(I/F)46、印字制御部47、CPU48、RAM49、ROM50で構成される。インターフェース(I/F)46には、RGB(R(赤)、G(緑)、B(青))入力51からビデオデータが供給され、CPU48には、操作パネル52から操作信号が入力する。
【0040】
インターフェース(I/F)46は、例えばパーソナルコンピュータ等のホスト機器から供給されるビデオデータ(RGB信号)をCMYK値に変換する多値化処理を行う。この場合、インターフェース(I/F)46には予めデバイスに対応する色変換テーブルが登録されており、インターフェース(I/F)46は、その色変換テーブルを参照しながらRGB信号をCMYK値に変換する。
【0041】
CPU48は、ROM50に記憶するプログラムに基づいて処理を行い、操作パネル52から入力する操作信号に従って印刷処理を実行する。尚、RAM49はCPU48による制御処理の際、ワークエリアとして使用され、複数のレジスタで構成されている。
【0042】
CPU48は、上記インターフェース(I/F)46、及び印字制御部47内のプリンタコントローラに制御信号を送り、印刷データの作成処理を行う。また、印字制御部47は、プリンタコントローラ53及び印字部54で構成されている。
【0043】
図6は、上記印字制御部47の具体的な回路ブロックを示す図である。同図において、プリンタコントローラ53は主走査/副走査制御回路55、論理和回路56、発振回路57、マゼンタ発色制御回路58M、シアン発色制御回路58C、イエロー発色制御回路58Y、ブラック発色制御回路58Kで構成されている。一方、印字部54は前述の光書込ヘッド16及び超音波ラインヘッド18で構成されている。
【0044】
前述のように、インターフェース(I/F)46によってCMYK値に変換された画像データは、更にインターフェース(I/F)46からマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の画素データとして論理和回路56に出力される。ここで、論理和回路56はCMYKの論理和を計算し、光書込ヘッド16に出力する。
【0045】
すなわち、CMYKの全ての画素データを含む論理和のデータを光書込ヘッド16に出力し、前述の感光体ドラム15に光書込みを行う。したがって、前述の感光体ドラム15の周面にはCMYKの全ての画素データを含む論理和データに基づく静電潜像が形成される。尚、主走査/副走査制御回路55から論理和回路56に主走査制御信号、及び副走査制御信号が供給され、光書込ヘッド16に論理和データを供給する際、主走査方向制御及び副走査方向制御に使用される。
【0046】
また、CMYKの画素データは対応するマゼンタ発色制御回路58M〜ブラック発色制御回路58Kにも供給され、発振回路57から出力される発振信号fm、fc、fy、fkに同期して超音波ラインヘッド18に出力される。すなわち、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のそれぞれに対応する発色データが超音波ラインヘッド18に供給され、前述の中間転写ベルト35上に吸着するカプセルトナーTに対応する周波数(後述する共振周波数)の超音波が照射される。
【0047】
したがって、照射される超音波に共振する波動を受けたカプセルトナーT内の小径マイクロカプセルは破壊されて発色する。この場合、マゼンタ発色制御回路58Mから出力される発色信号の周波数fが異なる為、超音波を受けたカプセルトナーTは、対応する色の小径マイクロカプセル41M、41C、41Y、又は41Kの小径カプセル壁42のみが破壊される。このメカニズムは、各小径マイクロカプセル41の外殻径がそれぞれ異なり、破壊する共振周波数が各小径マイクロカプセル41ごとにそれぞれ異なる為である。
【0048】
例えば、マゼンタ発色制御回路58Mから出力された発色信号fmはカプセルトナーT内の小径マイクロカプセル41Mの小径カプセル壁42のみを破壊し、マゼンタ(M)色の発色を行う。また、シアン発色制御回路58Cから出力された発色信号fcは小径マイクロカプセル41Cの小径カプセル壁42のみを破壊し、シアン(C)色の発色を行う。さらに、イエロー(Y)及びブラック(K)についても同様であり、イエロー発色制御回路58Y、ブラック発色制御回路58Kから出力される発色信号fy、fkは、小径カプセル41Y又は41Kの小径カプセル壁42のみを破壊し、イエロー(Y)、又はブラック(K)の発色を行う。
【0049】
以上の構成において、以下に本例の処理動作を説明する。
先ず、カプセルトナーホッパ17内にカプセルトナーTが収納された状態において、感光体ドラム15が回転し、前述の制御部(制御回路)27から光書込み信号が光書込ヘッド16に供給されると、感光体ドラム15に対して前述の論理和データに基づく光書込みが行われる。感光体ドラム15の感光面には帯電ローラ28によって予め一様な電荷が付与され、光書込みが行われた感光面には静電潜像が形成されている。この静電潜像は前述のように論理和データに基づく、M、C、Y、K全ての画像データをオア加算したものであり、この静電潜像はカプセルトナー現像ローラ29によって現像される。
【0050】
図7は、上記の現像処理、及び以後の処理を模式的に示す図である。カプセルトナーホッパ17に収容されたカプセルトナーTは、前述の攪拌部材33によって攪拌され、前述のように摩擦帯電によりマイナス(−)の電荷が付与されている。また、カプセルトナー現像ローラ29には所定のバイアス電圧が印加され、カプセルトナーTはカプセルトナー現像ローラ29の周面に薄く静電付着している。この状態において、感光体ドラム15とカプセルトナー現像ローラ29は互いに摺擦し、カプセルトナー現像ローラ29に付着していたカプセルトナーTは静電潜像が形成されていた感光面に静電付着する。
【0051】
このようにして感光面に静電付着したカプセルトナーTは、感光体ドラム15の回転に従って転写部に運ばれ、転写ローラ31によって中間転写ベルト35に転写される。この場合、転写ローラ31に+(プラス)のバイアス電圧を印加することによって、マイナス(−)のカプセルトナーTは中間転写ベルト35に電界付着する。その後、中間転写ベルト35に付着したカプセルトナーTは、発色部に配置されている超音波ラインヘッド18によって超音波照射を受け、選択的に発色する。
【0052】
図8(a),(b),(c) は、上記のカプセルトナーTが超音波ラインヘッド18によって超音波照射を受けて選択的に発色する原理を説明する図である。
図8(a) は、上記の発色部においてカプセルトナーTが超音波照射を受けている状態を示す図である。ここで、矢印DはカプセルトナーTの層厚を示し、破線Sは超音波(収束超音波)を示し、矢印dは超音波の収束解像度(例えば、1画素)を示している。
【0053】
前述のように、カプセルトナーTは大径カプセル40内にマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4種類の小径マイクロカプセル41M、41C、41Y、41Kが内包されており、共振周波数の超音波を受けた小径マイクロカプセルの小径カプセル壁42が破壊され、内部の発色剤45が顕色剤44と混合して反応し、発色する。
【0054】
例えば、同図(b) は、超音波ラインヘッド18から単一の共振周波数の超音波SがカプセルトナーTに照射されている状態を示している。この場合は、この共振周波数で振動する小径マイクロカプセルのみが破壊されて発色する。また、同図(c) は超音波ラインヘッド18から2つの共振周波数の超音波S1、S2がカプセルトナーTに照射される状態を示している。この場合は、これらの共振周波数S1、又はS2で振動する小径カプセルが破壊されてそれぞれ発色する。
【0055】
例えば、小径マイクロカプセル41Mの小径カプセル壁42のみが破壊されると、マゼンタ(M)色が発色する。また、小径マイクロカプセル41Cの小径カプセル壁42のみが破壊されるとシアン(C)色が発色する。また、小径マイクロカプセル41Mの小径カプセル壁42と小径マイクロカプセル41Cの小径カプセル壁42が破壊されると、赤色が発色し、小径マイクロカプセル41Cの小径カプセル壁42と小径マイクロカプセル41Yの小径カプセル壁42が破壊されると、青色が発色する。
【0056】
図9は、超音波ラインヘッド18によって超音波発振が行われる際のタイムチャートを示す図である。先ず、前述の主走査/副走査制御回路55から主走査同期信号が出力されると(図9に示す▲1▼のタイミング)、最初のストローブ信号(図9に示す(1))が供給され、この時超音波ラインヘッド18に供給されている画像データ(1)に従った超音波出力が行われる。最初は階調1のマゼンタ(M)の画像データに従った超音波出力が行われる(同図に示す▲2▼のタイミング)。次に、同様にして、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)についても階調1の画像データに従った超音波出力が行われる(同図に示す▲3▼〜▲5▼のタイミング)。
【0057】
次に、階調2の画像データに従った超音波出力が行われ、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の画像データに従った超音波照射が前述のカプセルトナーTに対して行われる(同図に示す▲6▼〜▲9▼のタイミング)。以下、同様にして階調3、階調4についても、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の画像データに従った超音波出力がカプセルトナーTに対して行われる。
【0058】
このようにして超音波ラインヘッド18からの超音波照射を受け、印刷データに従って発色したカプセルトナーTは中間転写ベルト35に吸着されながら前述の転写部22(転写ローラ37)の位置まで移動し、記録紙Pに転写される。
その後、発色済みマイクロカプセルトナーは前述のように定着器23に送られ、熱定着処理が行われる。尚、定着器23は少なくとも熱ローラと圧接ローラとを備えている。定着器23は、熱ローラと圧接ローラとで記録紙Pを挟持搬送しながら熱と圧力で発色済みマイクロトナーを溶融し、記録紙Pに熱定着させる。
【0059】
以上のように、大径マイクロカプセル40内にマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4種類の小径マイクロカプセル41M、41C、41Y、41Kが内包されたカプセルトナーTを現像剤として使用し、印刷データに基づいて超音波ラインヘッド18から超音波を照射し、選択的に小径マイクロカプセル41M、41C、41Y、41Kの小径カプセル壁42を破壊し、内部の発色剤45と顕色剤44を反応させて発色し、記録紙Pにカラー画像を印刷することができる。
【0060】
したがって、上記のように構成することにより、従来のプリンタ装置に比べて装置を小型化することができ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各色毎の印字位置の調整も不要になる。
また、カプセルトナーTの補給も、単一のカプセルトナーホッパ17に対して行えばよく、例えば使い捨てタイプの現像器ユニット(トナーユニット)を使用する場合には、1つのユニットのみの交換で済む。
【0061】
尚、上記の説明では、超音波ラインヘッド18を中間転写ベルト35を挟んでカプセルトナーTの付着面に対して反対面側に設置したが、超音波ラインヘッド18を配設する位置はこれに限るものではない。
図10(a),(b),(c) は、超音波ラインヘッド18の配設位置の種々の例を示す図である。同図(a) は超音波ラインヘッド18を中間転写ベルト35の外側に配置した例を示し、同図(b) は超音波ラインヘッド18を感光体ドラム15の感光面近傍外側に配置した例を示し、同図(c) は超音波ラインヘッド18を感光体ドラム15の感光面内側に配置した例を示している。
【0062】
カプセルトナーTの発色位置の関係で見ると、図10(a) では、超音波ラインヘッド18は、図7の場合と同様に中間転写ベルト35に転写されたカプセルトナーTを発色させており、図10(b),(c) では、超音波ラインヘッド18は、中間転写ベルト35に転写される前の感光体ドラム15の感光面に静電付着した状態のカプセルトナーTを発色させている。この場合、感光面上で小径マイクロカプセル41M、41C、41Y、又は41Kが破壊されて発色し、発色済みトナーが転写ロール31によって中間転写ベルト35に転写されることになる。
【0063】
また、図10(a),(b),(c) の構成をカプセルトナーTに対する超音波ラインヘッド18の位置関係で見ると、図10(a),(b) では、超音波ラインヘッド18をカプセルトナーTの付着面側に配置する構成となっており、図10(c) では、図7の場合と同様にカプセルトナーTの付着面に対して反対面側(図7では中間転写ベルト28の内面側、図10(c) では感光体ドラム15の内周面側)に超音波ラインヘッド18を設置した構成となっている。
【0064】
尚、上記の図10(a),(b) のように、超音波ラインヘッド18をカプセルトナーTの付着面側に配置する構成の場合は、中間転写ベルト35又は感光体ドラム15の感光面上に付着したカプセルトナーTのトナー層と超音波ラインヘッド18とが密着するように構成する。そのように構成することにより、音響インピーダンスが空気層によって悪影響を受けることを防止できる。
【0065】
図11は、超音波ラインヘッド18をカプセルトナーTの付着面側に設置した場合の超音波Sの放射状態を示す図である。尚、前述と同様、DはカプセルトナーTの層厚を示し、Sは超音波(収束超音波)を示し、dは超音波の収束解像度を示す。この場合、中間転写ベルト35又は感光体ドラム15を介することなく、カプセルトナーTは直接超音波照射を受けるので、より効率よく小径マイクロカプセルを破壊することができる。
【0066】
尚、上記実施形態の説明では中間転写ベルト35を使用したが、感光体ドラム15から直接記録紙Pに発色前のカプセルトナーT、又は発色後のカプセルトナーTを転写するように構成してもよい。そのように構成することにより、中間転写ベルト35の配設を省略することができ、装置をより一層小型化することができる。
【0067】
また、上記のように未発色トナーを直接記録紙Pに転写する場合は、転写部と定着器の間に超音波ラインヘッド18を配設し、定着処理を行う前に発色処理を行う構成としてもよい。この場合でも、超音波ラインヘッド18の配設位置は記録紙Pの未発色トナー付着面から行う構成としてもよく、又は反対面から行う構成としてもよい。
【0068】
さらに、未発色トナーのまま熱定着処理を行い、その後発色処理を行う構成としてもよい。この場合も、記録紙Pの何れの面側にも超音波ラインヘッド18を配設することができる。
図12は、カプセルトナーTの他の構成の例を示す図である。本例においては、各小径マイクロカプセル41の構成(図には代表的に小径マイクロカプセル41Mとして示している)は、小径カプセル壁42の内側に発色剤45が内包され、外側に顕色剤44が位置している。さらに、小径カプセル壁42の内部には、殻59に内包された気泡60が封入されている。
【0069】
この気泡60を上記のように内包すると、気泡60周囲の音響インピーダンスを変化させることができる。具体的には、気泡60の直径と気泡60を包む殻59の材質と厚さによって音響インピーダンスは変化し、上記要素を組み合わすことによって、共振周波数を可変することができる。
【0070】
例えば、気泡60を内包する場合、前述の小径カプセル壁42の直径、厚さ、材質によって設定された共振周波数は、気泡60の半径や殻59の材質と厚さによって大きく左右される。したがって、例えば各小径マイクロカプセル41毎に気泡60のサイズ半径等を変えることによって、共振周波数を大きく変えることができる。このように構成することにより、各小径マイクロカプセル41ごとの発色の自由度が増し、共振周波数の選択の幅も拡大することになる。
【0071】
尚、上記気泡60を内包する小径カプセルはマゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)全てにおいて可能であり、3種類の小径カプセル41M、41C、41Yを使用する場合、又は2種類の小径カプセル41Mと41C、41Yと41Kを使用する場合においても適用可能である。また、上記の例では、小径マイクロカプセル41M、41C、41Y、41Kの気泡60に殻59が形成されているが、殻59を形成しない構成としてもよい。
【0072】
図13は、上記の超音波ラインヘッド18の外観斜視図である。同図に示す超音波ラインヘッド18は、その長手方向が主走査方向であり、短手方向が副走査方向である。そして主走査方向に後述する超音波素子が形成されている。以下、これについて具体的に説明する。
【0073】
図14(a) は、超音波ラインヘッド18の上面図であり、同図(b) は後述する個別印加電極の上面図、同図(c) は同図(b) のD−D´矢視断面図、同図(d) は同図(c) のE−E´矢視断面図である。本例で説明した超音波ラインヘッド18は、同図(c),(d) に示すように、担持体61内に5層の部材を積層して構成され、最下層(第5層)には共通電極層(アース層)62−5が配設され、第4層には圧電素子である超音波素子62−4が配設され、第3層には主走査方向に短冊状に並んだ個別印加電極62−3が配設され、第2層には超音波素子62−4と超音波伝搬媒体との音響インピーダンスの差を軽減する為の音響インピーダンス整合層62−2が配設され、更に第1層には音響レンズ62−1が配設されている。
【0074】
超音波素子62−4には個別印加電極62−3と共通電極(アース)62−5が接続され、個別印加電極62−3にはそれぞれ個別配線62−3−1が接続されて、前述の超音波出力信号が供給される。超音波素子62−4は上記信号が印加されると歪みを生じ、所定の周波数で超音波振動が励起される。
【0075】
超音波素子62−4で励起された超音波振動は音響インピーダンス整合層62−2を通して音響レンズ62−1で屈折され、指定位置(指定距離)に集束する。尚、音響インピーダンス整合層62−2は上記のように、超音波素子62−4と超音波伝搬媒体との音響インピーダンスの差を軽減する機能を有している。
【0076】
ところで、上述した実施の形態において、カプセルトナーTの発色には小径マイクロカプセル41の小径カプセル壁42を超音波による共振によって破壊している。このように小径カプセル壁42を破壊するには、上述したようにPZTなどの圧電素子により構成された超音波ラインヘッド18により、小径カプセル壁42の破壊周波数の超音波を集束発生させて、各小径マイクロカプセル41を選択的に破壊して、各色を発色させる。
【0077】
この場合、超音波ラインヘッド18は、PZTなどの圧電素子のチップを1列に並べてリニア・アレイとしているが、リニア・アレイの圧電素子を駆動する動作周波数はリニア・アレイを構成する圧電素子の物性値と形状サイズで決定され、高周波になるに従い、非常に薄い圧電素子を精密に並べる必要があり、極めて高度な技術を必要とする。
【0078】
また、上記の動作周波数の中心周波数は、圧電素子の共振周波数で決定されるので広帯域で平坦な周波数特性を持たせることは原理的にできない。また、圧電素子に電圧を印加させるためには非常に多数の電気配線(図14(b) の個別印加電極層62−3への個別配線62−3−1参照)を必要とし構成が複雑になる。
【0079】
また、圧電素子(超音波発生素子)により発生させた超音波を、カプセルトナーT内の小径マイクロカプセル41に伝搬させるために、超音波ラインヘッド18の超音波発生素子とカプセルトナーTとの間に音響インピーダンスの整合をとる整合層が必要となり、それだけ発色部の構成はやや複雑になる。
【0080】
このような圧電素子による超音波発生素子を用いず、小径マイクロカプセル41の共振周波数で変調され、かつ十分に絞り込まれたレーザ光を用いることにより、カプセルトナーT内に弾牲波を発生させ(レーザー超音波法)、そこに含有される複数色の小径マイクロカプセル41を共振させて選択的に破壊し、各色を発色させることもできる。これを、第2の実施の形態として、以下に説明する。<第2の実施形態>
図15(a) は、第2の実施形態としてのカラー画像形成装置の主要部の構成を示す図であり、同図(b),(c) は発色の原理を説明する図である。同図(a) に示す主要部の構成は、発色現像部の構成を示している。発色現像部63は、高出力半導体レーザ装置64、ポリゴンミラー65、fθレンズ66、及び中間転写ドラム67によって構成される。上記の構成のうち、高出力半導体レーザ装置64、ポリゴンミラー65、及びfθレンズ66は、既存のレーザブリンタ等で使用されているレーザユニツトを用いて構成することが容易である。
【0081】
上記の高出力半導体レーザ装置64は、画像データに応じた必要な波数分の正弦波変調のかかったレーザ光68をポリゴンミラー65に向けて照射する。
また、ポリゴンミラー65は、同図の例では六角形を成す各辺から直角な側面が鏡面に形成され、図の矢印Fで示す時計回り方向に所定の速度で間歇的に回転する。
【0082】
上記の高出力半導体レーザ装置64から照射されるレーザ光68はポリゴンミラー65の一つの鏡面に照射されて反射される。この反射により光路を変更されたレーザ光68はポリゴンミラー65の回転に伴う鏡面の角度変化によって光路68−1から光路68−n(nは主走査方向の画素数)まで遷移しながらfθレンズ66に入射する。
【0083】
fθレンズ66は、後方から入射するレーザ光68−i(i=1、2、・・・、n)を、前方に配置されている中間転写ドラム67上の主走査方向の画素位置に順次収束させる。
中間転写ドラム67は、図2に示した中間転写ベルト35に相当する部材であり、本例の場合はベルトではなくドラム状に形成されている。この中間転写ドラム67上には、図2に示した感光体ドラム15からカプセルトナーTが転写されている。この転写されたカプセルトナーTは、図6に示した論理和回路56及び光書込ヘッド18により画像データに応じて感光体ドラム15上に形成された静電潜像に現像されて、中間転写ドラム67に転写されたものである。
【0084】
この中間転写ドラム67上のカプセルトナーTに、ポリゴンミラー65及びfθレンズ66を介してレーザ光68−iが照射される。同図(b) に示すように、中間転写ドラム67上のカプセルトナーTに照射されるレーザ光68−iの照射ビームの径68kは、カプセルトナーTの粒子径に対して十分小さくなるように絞り込まれて照射される。
【0085】
カプセルトナーTは、図3に示したように小径マイクロカプセル41及び発色剤と顕色剤を内包しているが、更に表面には反射防止膜69をコーティングされ、内部のジェル状の保持層43には、レーザ光68−iの波長に応じた光吸収剤70が添加されている。これによりカプセルトナーT表面でのレーザ光68−iの反射が防止されるとともに、照射されたレーザ光68−iが内部に良く吸収される。
【0086】
これにより、カプセルトナーTの、レーザ光68−iのビームが照射された直下の部分は一様に温度が上昇して加熱され急激な熱膨張を起こし、ビームが照射されない低温部分との間に歪みを発生させる。この歪の結果として内部に弾牲波が発生する(=光弾性効果)。この弾性波はカプセルトナーTに照射されてカプセルトナーT内の小径マイクロカプセル41を共振させて選択的に破壊し、各色を発色させる。
【0087】
上記のレーザ光68−iは正弦波変調されている。このため加熱膨張による歪が変調正弦波の周波数で周期的に発生し、これが弾性波となってカプセルトナーTの内部に伝搬し、小径マイクロカプセル41を励振させる。このとき、レーザ光68−iの変調周波数と共振周波数が一致している小径マイクロカプセル41において膨張収縮運動が急激に成長し、小径カプセル壁42の選択的な破壊が発生する。これにより所望の色が発色する。
【0088】
尚、図15(c) に示すように、カプセルトナーTに照射されるレーザ光68−iの照射ビームの径68kがカプセルトナーTの粒子径よりも大きいと、カプセルトナーTの結着樹脂の光吸収係数が大きいため、レーザ光68−iがカプセルトナーTの全域に透過して全体を加熱する。したがって、カプセルトナーT内に温度差が発生せず、全体が一様に膨張するのみで歪みが発生しない。その結果、弾性波も発生しない。つまり発色しない。
【0089】
したがって、カプセルトナーTに照射されるレーザ光68−iの照射ビームの径68kは、図15(b) に示すように、カプセルトナーTの粒子径に対して十分小さくなるように絞り込まれている必要がある。
図16(a) は、微小樹脂体にビーム径の異なるレーザ光を照射した場合に発生する弾性波をシミュレーションするための模型を示す図であり、同図(b) はビーム径が大きい場合の照射結果を示す図であり、同図(c) はビーム径が小さい場合の照射結果を示す図である。
【0090】
図16(a) に示すように、保持部71の中に支持された微小樹脂体72の大きさは、15μm立方である。この微小樹脂体72にビーム径の異なるレーザ光73a及び73bを、それぞれ個別に照射して、その場合に発生する弾性波をシミュレーションする。レーザ光73aのビーム径は40μmであって微小樹脂体72の一辺の2倍以上、レーザ光73bのビーム径は4μmであって、微小樹脂体72の一辺のおよそ1/4である。
【0091】
図16(b) に示すように、ビーム径が微小樹脂体72よりも大きいレーザ光73aの場合は、音圧は、ビームの入射部から奥方向へ強い状態から弱い状態になだらかに変化していき波を形成しない。
しかし、ビーム径が微小樹脂体72よりも小さいレーザ光73bの場合は、図16(c) に示すように、音圧は、ビームの入射部から奥方向へ、中心軸上ではなだらかに変化するが、図のA及びBで示す側面方向に弾性波が形成される。
【0092】
ここで、レーザ超音波法によるカプセルトナーTの励振について更に検討する。周期的変化を伴うレーザ光を光学的に不透明な材料表面に照射すると、その表面に材料自身の光吸収係数、比熱、密度とその周囲の媒質パラメーターで決まる分布的熱源が形成される。尚、「光学的に透明・不透明」とは、光吸収係数βの逆数で光の侵入する深さの目安を与える光吸収長をLβ(=1/β)とすると、Lβ>1のとき光学的に透明、Lβ<1のとき光学的に不透明という。
【0093】
上記の熱は、材料の熱拡散率で決まる熱拡散過程を通じて、時間的・周波数的な分布を持って材料内へ拡散して行く熱波となる。
しかし、熱波は非常に減衰の大きな波で、熱源から一波長程度の伝播で弾性波にモード変換される。すなわち、材料表面の急激な温度上昇が、材料表面近くの熱膨張につながり、弾性歪を発生させる。そして、この熱はすぐに減衰し、熱から変換された歪が弾性波として材料内部を伝播して行く。したがって、レーザ光の照射によってカプセルトナーTを励振させるには、レーザ光の強度、変調周波数と弾性波の強度、周波数の関係を解析して定量的に把握すればよい。
【0094】
図17(a) は、そのような解析を行うための解析モデルを示す図であり、同図(b) は、この解析モデルにおけるエネルギー分布を示す図である。同図(a) に示すように、この解析モデルは、固体74の一点74aに、レーザ光(赤外光)75を収束して照射したとき、弾性波76が固体74の内部に拡散していく状態を示している。そして、同図(b) は、エネルギーとしての熱波及びこの熱波に基づいて発生する(変換される)弾性波の、レーザ光(赤外光)75の照射軸方向の分布状態を示している。
【0095】
同図(a),(b) に示される解析モデルを使用して解析手順を以下のように進めていくことにする。
先ず、▲1▼分布的熱源を定式化する。つまり、周期的に照射したレーザビームの光強度分布および物質の光吸収による物質内の光強度分布を求め、それを熱に変換し、分布的な熱源として定式化する。
【0096】
次に、▲2▼歪みを伴う場での熱拡散方程式を求める。つまり、弾性波動の伝播により物質の変位(歪み)が発生し、断熱状態にある物質は圧縮されれば温度が上がり、膨張すれば温度が下がる(熱弾性効果と言う)が、この歪みによる温度変化と、熱源からの熱拡散を重ね合わせた熱拡散(伝導)方程式を導出する。
【0097】
更に、▲3▼熱拡散を伴う場での弾性波動方程式を求める。つまり、熱の拡散に伴い熱膨張が発生し、物質内に変位(歪み)が現れるが、この波動の伝播による物質内の変位(歪み)と、この熱拡散による変位(歪み)を重ね合わせた波動方程式を導出する。
【0098】
そして最後に、▲4▼分布的熱源のもとで、熱拡散方程式と弾性波動方程式を連立して解く。これにより、物質内の温度分布、変位分布が求まる。
これを具体的に、「a.歪みを伴う場での熱拡散方程式の導出」と「b.熱拡散を伴う場での弾性波動方程式の導出」に分けて説明する。
図18は、上記の「a.歪みを伴う場での熱拡散方程式の導出」及び「b,熱拡散を伴う場での弾性波動方程式の導出」の説明において、その前提として設定される条件を示す図である。同図に示すように、以下の説明ではX軸に垂直で厚さがΔxなる単位面積の薄い層を考えるものとする。
<a.歪みを伴う場での熱拡散方程式の導出>
波動の伝播により媒質の変位(歪み)が発生する。断熱状態にある媒質は圧縮されれば温度が上がり、膨張すれば温度が下がる(熱弾性効果と言う)。この歪みによる温度変化と、熱源からの熱拡散を重ね合わせた熱拡散(伝導)方程式を導出する。
【0099】
この場合、X軸に垂直で厚さがΔxなる単位面積の薄い層において、X方向のみの熱の出入りを考える。
まず、層内に歪み、熱源がない場合を考える。
【0100】
Δt時間の間にx の面に流れ込む熱量をQx 、ΔX離れた面から出て行く熱量をQx +ΔQx とすると、Qx の変化分ΔQx は
ΔQx =(∂Qx /∂x)ΔX
と表される。よって、
Figure 2004226930
の熱量が、この層内に蓄積されたことになり、層内の温度が上昇する。
【0101】
いま、時刻tにこの層内の温度がTであり、Δt時間後にT+ΔTに温度が変化したとする。温度変化ΔTは時刻tがΔtだけ増加したための変化分であるから、
ΔT=(∂T/∂t)Δt
と表される。
【0102】
この温度変化ΔTに必要な熱量が先のΔQでまかなわれることになるから、比熱(J/(kg・K)をC、密度(kg/m)をρとして
ΔQ=比熱・質量・温度変化量
Figure 2004226930
となる。
【0103】
一方、熱拡散(伝導)により流れる熱量は、温度勾配とその方向に垂直な断面積および時間に比例し、その比例定数が熱伝導率κ(W/(m・K)であるから、x方向にΔt時間に断面積ΔSを通って流れる熱量qx は、
=−κΔSΔt(∂T/∂x)
で表される(熱は高温から低温へと流れるので、流れは温度勾配の負の方向となる為、負号が付く)。これを単位断面積当り流れる熱量で考えると、次のようになる。
【0104】
Qx =−κΔt(∂T/∂x)
これを(1)式に代入すると
ΔQ=(∂/∂x){κΔt(∂T/∂x)}Δx
この式と(2)式と等置すると
Cρ(∂T/∂t)=(∂/∂x){κ(∂T/∂x)}
媒質が均一であり温度変化があまり大きくなければ、熱伝導率κは定数とし、次のようになる。
【0105】
ρC(∂T/∂t)=κ(∂ ・T/∂x
次に、層内に熱源がある場合を考える。
(1)式が層内に蓄積された熱量であるから、層内に熱源がある場合はこれに熱源の熱量Hを加算する。層内の熱量は次のようになる。
【0106】
ΔQ=−(∂Qx /∂x)Δx+H
同様の手順で熱拡散(伝導)方程式を導くと次のようになる。
ρC(∂T/∂t)=κ(∂ ・T/∂x )+H
<b.熱拡散を伴う場での弾性波動方程式の導出>
熱の拡散に伴い熱膨張が発生し、媒質内に変位(歪み)が現れる。波動の伝播による媒質内の変位と、この熱拡散による変位を重ね合わせた波動方程式を導出する。
【0107】
この場合、X軸に垂直で厚さがΔxなる単位面積の薄い層において、まず、弾性波により媒質が変位して発生する応力変化を考える。
弾性波が存在しない時は媒質は静止しているが、弾性波が存在する時、媒質はX方向にuだけ変位しているとする。x=x の場所でu=u とすると、
x=x +Δxの場所でu=u +(∂u/∂x)Δxと表せる。
【0108】
このような変位があると、いま取り上げている層の厚さの増加は
+(∂u/∂x)Δx−u =(∂u/∂x)Δx
単位断面積の層を考えているから、これが体積の増加分になる。
この体積増加による圧力p の変化を考える。この場合、圧力の増加は体積の減少の割合に比例し、この比例定数が弾性率(ヤング率)Eでである。元の体積はΔx・1であるから、体積増加の割合は∂u/∂xと表せる。よって、
=−E(∂u/∂x) ・・・(3)
次に、熱拡散により媒質が熱膨張して発生する応力変化を考える。
【0109】
x=x の場所での温度をT=T とすると、
x=x +Δxの場所でT=T +(∂T/∂x)Δxと表せる。層の間の温度増加は
+(∂T/∂x)Δx−T =(∂T/∂x)Δx
媒質の熱膨張率αは「(体積増加量/温度増加量)/元の体積」で、定義されているから、
Figure 2004226930
左辺は体積増加の割合である。この場合は、圧力の増加は体積の増加の割合にx例するから、これに伴い生じる圧力(応力)p
Figure 2004226930
次に媒質のこの部分(単位面積の層)の運動方程式を考える。
【0110】
媒質の密度をρ、層厚をΔxとすれば、この部分の質量はρΔxである。この部分に加わる力fは、x=x とx=x +Δxの両面の圧力の差によるものであるから、
Figure 2004226930
この力が慣性力(=質量×加速度)と釣り合うのであるから、
ρΔx(∂ ・u/∂t )=−(∂p/∂x)Δx
∴ ρ(∂ ・u/∂t )=−∂p/∂x
いまの場合、この式の右辺の圧力pは上で求めた(3)と(4)の合力であるから、
Figure 2004226930
この(5)式が、熱拡散を伴う場での弾性方程式である。
【0111】
この方程式により、図17の解析モデルにおける固体74をマイクロカプセルTとしたときの、それに内包される所望の小径マイクロカプセル41を弾性波によって破壊するために必要なレーザビームの強度を求めることができる。
ところで、上記第2の実施の形態では、レーザ光を直接カプセルトナーTに照射してカプセルトナーT内に弾牲波を発生させているが、レーザ光を固体に照射して、その固体に弾牲波を発生させ、その弾性波によって、固体に接する媒質に超音波を発生させるようにしても良い。そして、この超音波によってカプセルトナーTの所望の小径マイクロカプセルを選択的に破壊する方法もある。これを第3の実施の形態として以下に説明する。
<第3の実施形態>
図19(a) は、第3の実施形態としてのカラー画像形成装置の主要部の構成を示す図であり、同図(b) はその超音波ラインヘッドを取り出して示す斜視図、同図(c) はそのH−H´矢視断面図、同図(d) はその素子から超音波を照射する例を示す図である。
【0112】
同図(a) に示す主要部の構成は、発色現像部の超音波発生部の構成を示している。超音波発生部77は、高出力半導体レーザ装置78、ポリゴンミラー79、fθレンズ81、及び超音波ラインヘッド82によって構成される。この場合も上記の構成のうち、高出力半導体レーザ装置78、ポリゴンミラー79、及びfθレンズ81は、既存のレーザブリンタ等で使用されているレーザユニツトを用いて構成することが容易である。
【0113】
上記の高出力半導体レーザ装置78は、画像データに応じた必要な波数分の正弦波変調のかかったレーザ光83をポリゴンミラー79に向けて照射する。
また、ポリゴンミラー79は、この場合も六角形を成す各辺から直角な側面が鏡面に形成され、図の矢印Gで示す反時計回り方向に所定の速度で間歇的に回転する。
【0114】
上記の高出力半導体レーザ装置78から照射されるレーザ光83はポリゴンミラー79の一つの鏡面に照射されて反射される。この反射により光路の変移したレーザ光83はポリゴンミラー79の回転に伴う鏡面の角度変化によって光路83−1から光路83−n(nは超音波ラインヘッド82の素子数つまり主走査方向の画素数)まで遷移しながらfθレンズ81に入射する。
【0115】
fθレンズ81は、後方から入射するレーザ光83−i(i=1、2、・・・、n)を、前方に配置されている超音波ラインヘッド82の主走査方向に配列された各超音波素子84に順次収束させる。
上記の超音波ラインヘッド82は、同図(b),(c) に示すように、保持部材85と、この保持部材85の長手方向(主走査方向)に所定の間隔で1列に配列して配置され全体を上下から保持部材85により挟まれるようにして保持されて前後の面が露出した上記の超音波素子84とで構成される。上記の超音波素子84は、適宜の金属、例えばアルミニウム等の柱状の金属体から成り、後述するように照射する超音波の媒質内における波長に対して、十分大きくなるように金属柱の長さ(前後方向の寸法)を確保するように形成されている。
【0116】
また、保持部材85は隣接する超音波素子84の弾性波同士が影響を与え合わないように、超音波素子84とは音響インピーダンスの異なる物質で構成する。なお、超音波素子84は、金属体に限るものではない。光吸収長が短い(金属は10−8 m程度)弾性体ならば、金属でなくともよい。
【0117】
同図(a) に示すように、高出力半導体レーザ装置78からは、正弦波変調されたレーザ光83が照射され、このレーザ光83がポリゴンミラー79及びfθレンズ81を介してレーザ光83−iとなって超音波ラインヘッド82に照射される。
【0118】
このレーザ光83−iは、同図(d) に示すように、各超音波素子84に後方から順次入射する。このとき、必要な波数分の照射を1つの超音波素子84の所で照射できるように、ポリゴンミラー79の回転の間歇期間を調整する。
レーザ光83−iを照射された超音波素子84内には弾性波が発生する。この弾性波は、超音波素子84の前端面から超音波86となって前方の媒質(例えば空気又は水又はマイクロトナーT)に照射される。すなわち、この超音波86の照射部分に所定のカプセルトナーTが位置するのように制御すれば、そのカプセルトナーTを所望の色に発色させることができる。
【0119】
上記のカプセルトナーTは、図6に示した論理和回路56及び光書込ヘッド18により画像データに応じて、図10(b) の場合と同様に、感光体ドラム15上に形成された静電潜像に現像されたカプセルトナーTであっても良く、又は、感光体ドラム15上に現像されたカプセルトナーTが図15(a) の場合と同様に中間転写ドラム67、又は図10(a) の場合と同様に中間転写ベルト35に転写されたもの、又は特には図示しないが直接記録媒体上に転写されたものであってもよい。
【0120】
尚、本例の場合、レーザ光83−iが照射される超音波素子84の一方の端面にレーザ光の吸収を良くする表面処理を施すと更に良い超音波の照射効率が向上する。
図20(a) は、上記の超音波の発生と伝播状態をシミュレーションするために金属体としてアルミニウムの小片を用い、超音波の伝播路として水を用いた模型を示す図であり、同図(b) は超音波の伝播状態の観察結果を示す図、同図(c) は中心軸上の音圧の変化を示す図である。
【0121】
図20(a) に示す模型は、所定の形状の不図示の容器内に収容された所定量の水87と、その水面に接して配置されたアルミニウム小片88から成る。このアルミニウム小片88の寸法は60μmφ×100μm長である。
同図(b) は、上記のアルミニウム小片88の上端面に20MHzの正弦波変調レーザ光89を同図(a) に示すように照射した場合に、媒質(水)内を超音波が伝播する様子をシミュレーションした場合の例を示す図である。超音波がアルミニウム小片88の軸線上に沿って伝播しながら広がっていく様子が良く示されている。
【0122】
この模型では、同図(d) に示すように、超音波のアルミニウム小片88の中心軸延長線上の水中の音圧は、およそ距離100×2μmのところを中心として最大となり、そののち減衰している。この最大のところが例えばマイクロカプセルトナーTの中心となるように全体を配置すればよい。
【0123】
本例の構成は、単純な材質と構成で超音波リニア・アレイが実現できること、必要に応じたサイズに構成でき特に微細化が容易であること、広帯域で平坦な周波数特性の超音波リニア・アレイが実現できること、及び圧電素子で超音波リニア・アレイを構成する場合のように各素子に電圧を印加するための多数の配線(図14(b) の個別配線62−3−1参照)を全く必要としない、などの利点がある。
【0124】
図21(a) は、第3の実施形態の変形例としての超音波ラインヘッドの構成を示す斜視図であり、同図(b) は、そのJ−J´矢視断面図、同図(c) はその素子から超音波を照射する状態を示す図である。
この図21(a) に示す本変形例の超音波ラインヘッドも、図19(a) に示した超音波ラインヘッド82と同様に,超音波発生部77の中の一構成として高出力半導体レーザ装置78、ポリゴンミラー79、及びfθレンズ81と共に配置される。
【0125】
図21(a) に示す本変形例の超音波ラインヘッド90も、同図(a),(b) に示すように、保持部材91と、この保持部材91の長手方向(主走査方向)に所定の間隔で1列に配列して配置され全体を上下から保持部材91により挟まれるようにして保持された超音波素子92とで構成される。ただし、本変形例の場合は、超音波素子92は、円柱体ではなく、同図(a) に示すように方形の角柱体で構成されている。また、この超音波素子92は、外部に露出する前後の端面のうち、同図(b),(c) に示すように後端面92−1は平面であり、前端面92−2は凹形に形成されている。
【0126】
この場合も、上記の超音波素子92は、適宜の金属、例えばアルミニウム等の金属体から成る。また、保持部材91は隣接する超音波素子92の弾性波同士が影響を与え合わないように、超音波素子92とは音響インピーダンスの異なる物質で構成されている。
【0127】
もちろん、超音波素子92は、金属体に限るものではなく、光吸収長が短い(金属は10−8 m程度)弾性体ならば、金属でなくともよい。
この超音波ラインヘッド90の超音波素子92の後端面92−1には、図21(c) に示すように、図9(a) に示す高出力半導体レーザ装置78から照射された正弦波変調されたレーザ光83がポリゴンミラー79及びfθレンズ81を介して、レーザ光83−iとなって入射される。この場合も、必要な波数分の照射を1つの超音波素子92の所で照射できるように、ポリゴンミラー79の回転の間歇期間を調整する。
【0128】
レーザ光83−iを照射された超音波素子92内には弾性波が発生する。この弾性波は、超音波素子92の凹形に形成された前端面から超音波93となって前方に効率よく収束されて照射される。この場合も、この超音波93の照射部分に所定のカプセルトナーTが位置されるように全体が制御される。
【0129】
尚、本変形例では超音波素子92の前端面が凹形に形成されているが、これに限ることなく、金属柱内の弾性波速度と媒質内の超音波速度によっては凸面に形成しても、出射される超音波を効率よく収束させることができる。
<第4の実施形態>
図22(a) は、第4の実施の形態としての超音波ラインヘッドの構成を示す斜視図であり、同図(b) は、そのK−K´矢視断面図、同図(c) はその素子から超音波を照射する状態を示す図、同図(d) は、それを詳細に示す拡大図である。
【0130】
この図22(a),(b) に示す本例の超音波ラインヘッド95も、図19(a) に示した超音波ラインヘッド82と同様に,超音波発生部77の中の一構成として高出力半導体レーザ装置78、ポリゴンミラー79、及びfθレンズ81と共に配置される。
【0131】
図22(a),(b) に示すように、この超音波ラインヘッド95では、超音波素子は金属薄片96によって形成されており、この金属薄片96の一方の面(後面)96−1が、光透過性の(光学的に透明な)保持部材97の一方の端面97−1に接して配置されている。その配置は、この場合も保持部材97の主走査方向に所定の間隔すなわち主走査方向の画素数に対応する間隔で配置されている。
【0132】
そして、金属薄片96の他方の面(前面)96−2は、超音波収束のための音響マイクロレンズで被覆されている。また、図22(d) に示すように、保持部材97の他方の端面97−2には、レーザ光の反射を抑制する反射防止膜99が表面にコーティングされている。
【0133】
この超音波ラインヘッド95の超音波素子96の後端面96−1には、図22(c) に示すように、図9(a) に示す高出力半導体レーザ装置78から照射された正弦波変調されたレーザ光83がポリゴンミラー79及びfθレンズ81を介してレーザ光83−iとなって更に光透過性の保持部材97を介して入射される。このとき、レーザ光83−iは、保持部材97の入射面が反射防止膜99によって表面コーティングされていることによって効率よく保持部材97内を透過して超音波素子96の後端面96−1に焦点するように収束する。
【0134】
この場合も、必要な波数分の照射を1つの超音波素子96の所で照射できるように、ポリゴンミラー79の回転の間歇期間を調整する。
レーザ光83−iを照射された超音波素子96内には光弾性効果により弾性波が発生する。この弾性波は、超音波素子96前面96−2に形成されている音媒質としての音響マイクロレンズ98内に放射され超音波100となり効率よく収束されながら前方に照射される。この場合も、この超音波100の照射部分に所定のカプセルトナーTが位置されるように全体が制御される。
【0135】
また、第3又は第4の実施形態では、超音波ラインヘッドを画像形成装置のマイクロトナーの発色用ヘッドとしたが、これに限ることなく、超音波素子となる弾性体として用途に応じたサイズの弾性体を用い、これらの一方の端面に正弦波変調されたレーザ光を順次照射し、弾性体内に光弾性効果による弾性波を発生させ、この弾性波を上記弾性体の他方の端面に接する媒質内に伝播させるようにした超音波リニア・アレイとして構成して用途に限定なく用いることができる。
【0136】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、マイクロカプセルトナー内部の小径マイクロカプセルを保持する樹脂体がレーザ光の変調周波数で直接的に励振されるので、超音波発生素子を使用した場合に必要となる超音波整合層が不要となり、発色現像部の構成が簡潔になって生産能率が向上する。
【0137】
また、既存のレーザブリンタ等で使用されているレーザユニツトを使用できるので、マイクロカプセルトナー方式の画像形成装置を安価に生産することができて便利である。
また、レーザ光を弾性体に照射し、光弾性効果により弾性体に弾性波を発生させ、この弾性波による超音波をマイクロカプセルトナーに照射して内部の小径マイクロカプセルを選択的に発色させるので、単純な材質と構成で全体の作製が容易であり、かつ超音波の周波数はレーザ光の変調周波数で決定されるので広帯域で平坦な周波数特性の超音波リニア・アレイを構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態としてのカラー画像形成装置の全体構成図である。
【図2】第1の実施形態のカラー画像形成装置の画像形成部の拡大図である。
【図3】第1の実施形態のカラー画像形成装置に用いられるカプセルトナーTの構造を示す図である。
【図4】カプセルトナーTに内包される小径マイクロカプセルの構造を説明する図である。
【図5】第1の実施形態のカラー画像形成装置の全体構成における電源及び制御部の制御部の制御回路の構成を説明する図である。
【図6】制御部の制御回路における印字制御部の具体的な回路ブロック図である。
【図7】第1の実施形態のカラー画像形成装置にける現像処理及び以後の処理を模式的に示す図である。
【図8】(a),(b),(c) はカプセルトナーTが超音波ラインヘッドによって超音波照射を受けて選択的に発色する原理を説明する図である。
【図9】超音波ラインヘッドによって超音波発振が行われる際のタイムチャートを示す図である。
【図10】(a),(b),(c) は超音波ラインヘッドの配設位置の種々の例を示す図である。
【図11】超音波ラインヘッドをカプセルトナーTの付着面側に設置した場合の超音波の放射状態を示す図である。
【図12】カプセルトナーTの他の構成の例を示す図である。
【図13】超音波ラインヘッドの外観斜視図である。
【図14】(a) は超音波ラインヘッドの上面図、(b) はその個別印加電極の上面図、(c) は(b) のD−D´矢視断面図、(d) は(c) のE−E´矢視断面図である。
【図15】(a) は第2の実施形態としてのカラー画像形成装置の主要部の構成を示す図、(b),(c) は発色の原理を説明する図である。
【図16】(a) は微小樹脂体にビーム径の異なるレーザ光を照射した場合に発生する弾性波をシミュレーションするための模型図、(b) はビーム径が大きい場合の照射結果を示す図、(c) はビーム径が小さい場合の照射結果を示す図である。
【図17】(a) はカプセルトナーTを励振させる解析を行うための解析モデルを示す図、(b) はその解析モデルにおけるエネルギー分布を示す図である。
【図18】歪みを伴う場での熱拡散方程式の導出及び熱拡散を伴う場での弾性波動方程式の導出の説明において前提として設定される条件を示す図である。
【図19】(a) は第3の実施形態としてのカラー画像形成装置の主要部の構成を示す図、(b) はその超音波ラインヘッドを取り出して示す斜視図、(c) はそのH−H´矢視断面図、(d) はその素子から超音波を照射する例を示す図である。
【図20】(a) は超音波の発生と伝播状態をシミュレーションするために金属体としてアルミニウムの小片を用い超音波の伝播路として水を用いた模型を示す図、(b) は超音波の伝播状態の観察結果を示す図、(c) は中心軸上の音圧の変化を示す図である。
【図21】(a) は第3の実施形態の変形例としての超音波ラインヘッドの構成を示す斜視図、(b) はそのJ−J´矢視断面図、(c) はその素子から超音波を照射する状態を示す図である。
【図22】(a) は第4の実施の形態としての超音波ラインヘッドの構成を示す斜視図、(b) はそのK−K´矢視断面図、(c) はその素子から超音波を照射する状態を示す図、(d) はそれを詳細に示す拡大図である。
【図23】従来の電子写真方式の所謂タンデム方式のカラー画像形成装置の例を示す図である。
【符号の説明】
1M、1C、1Y、1K 画像形成部
2M、2C、2Y、2K 現像器
3M、3C、3Y、3K 光書込ヘッド
4M、4C、4Y、4K 感光体ドラム
5 搬送ベルト
P 記録紙
6 熱定着器
10 カラー画像形成装置
11 画像形成部
12 給紙部
13 用紙搬送部
14 電源及び制御部
15 感光体ドラム
16 光書込ヘッド
17 カプセルトナーホッパ
18 超音波ラインヘッド
19 カセット
21 給紙コロ
22 転写部
23 定着器
24 排紙ローラ
25 用紙スタッカ
26 電源部
27 制御部(制御回路)
28 帯電ローラ
29 カプセルトナー現像ローラ
31 転写ローラ
32 クリーナ
T カプセルトナー
33 攪拌部材
34 カプセルトナー供給ローラ
35 中間転写ベルト
36 収容ローラ
37 対向ローラ
37 転写ローラ
38 ベルトクリーナ
40 大径マイクロカプセル
41(41M、41C、41Y、41K) 小径マイクロカプセル
42 小径カプセル壁
43 保持層
44 顕色剤
45 発色剤
46 インターフェース(I/F)
47 印字制御部
48 CPU
49 RAM
50 ROM
51 RGB入力
52 操作パネル
53 プリンタコントローラ
54 印字部
55 主走査/副走査制御回路
56 論理和回路
57 発振回路
58M マゼンダ発色制御回路
58C シアン発色制御回路
58Y イエロー発色制御回路
58K ブラック発色制御回路
59 殻
60 気泡
61 担持体
62−1 音響レンズ
62−2 音響インピーダンス整合層
62−3 個別印加電極層
62−3−1 個別配線
62−4 超音波素子
62−5 共通電極層(アース層)
63 発色現像部
64 高出力半導体レーザ装置
65 ポリゴンミラー
66 fθレンズ
67 中間転写ドラム
68(68i(i=1、2、・・・、n)) レーザ光
68k レーザビーム径
69 反射防止膜
70 光吸収剤
71 保持部
72 微小樹脂体
73a、73b レーザ光
74 微細樹脂などの固体
74a 一点
75 レーザ光(赤外光)
76 弾性波
77 超音波発生部
78 高出力半導体レーザ装置
79 ポリゴンミラー
81 fθレンズ
82 超音波ラインヘッド
83(83−i(i=1、2、・・・、n)) レーザ光
84 超音波素子
85 保持部材
86 超音波
87 水
88 アルミニウム小片
89 正弦波変調レーザ光
90 超音波ラインヘッド
91 保持部材
92 超音波素子
92−1 後端面
92−2 前端面
93 超音波
95 超音波ラインヘッド
96 金属薄片
96−1 後面
97 保持部材
97−1 一方の端面
97−2 他方の端面
98 音響マイクロレンズ
99 反射防止膜
100 超音波

Claims (20)

  1. 所定の刺激によって破壊可能なカプセル壁で囲繞された複数種の小径マイクロカプセルを支持材に分散内包する大径マイクロカプセルから成り、互いに混合されて発色反応を起こす反応性物質の一方を前記各々の小径マイクロカプセル壁内側に分散し、前記反応性物質の他方を前記各々の小径マイクロカプセル壁外側に分散した、マイクロカプセルトナーを用いるカラー画像形成方法であって、
    画像情報に応じて前記マイクロカプセルトナーを印字媒体上に最終的に転写定着すべく、中間転写媒体を介して若しくは直接的に前記印字媒体に付与する工程と、
    前記印字媒体に付与される前記マイクロカプセルトナーに対して前記画像情報中の色成分情報に対応した所定の変調周波数のレーザ光を照射して弾性波を発生させることにより前記複数種の小径マイクロカプセルのうちの所定のカプセル壁を選択的に破壊して所定の反応性物質が互いに拡散混合して発色反応を生じさせる発色工程と、
    を少なくとも実行して前記印字媒体上に発色したトナーに基づくカラー画像を形成することを特徴とするカラー画像形成方法。
  2. 前記マイクロカプセルトナーは、前記レーザ光の反射を抑制する反射防止膜を表面にコーティングされて成ることを特徴とする請求項1記載のカラー画像形成方法。
  3. 前記マイクロカプセルトナーは、前記レーザ光の吸収効率を上げる光吸収剤を内部の結着樹脂に添加して成ることを特徴とする請求項1又は2記載のカラー画像形成方法。
  4. 所定の刺激によって破壊可能なカプセル壁で囲繞された複数種の小径マイクロカプセルを支持材に分散内包する大径マイクロカプセルから成り、互いに混合されて発色反応を起こす反応性物質の一方を前記各々の小径マイクロカプセル壁内側に分散し、前記反応性物質の他方を前記各々の小径マイクロカプセル壁外側に分散した、マイクロカプセルトナーを用いるカラー画像形成方法であって、
    画像情報に応じて前記マイクロカプセルトナーを印字媒体上に最終的に転写定着すべく、中間転写媒体を介して若しくは直接的に前記印字媒体に付与する工程と、
    前記印字媒体に付与される前記マイクロカプセルトナーに対して前記画像情報中の色成分情報に対応した色に前記マイクロカプセルトナーを発色させるべく配置された超音波ラインヘッドの各超音波素子に所定の変調周波数のレーザ光を照射して所望の前記超音波素子に弾性波を発生させることにより該超音波素子から超音波を前記マイクロカプセルトナーに照射させ前記超音波により前記複数種の小径マイクロカプセルのうちの所定のカプセル壁を選択的に破壊して所定の反応性物質が互いに拡散混合して発色反応を生じさせる発色工程と、
    を少なくとも実行して前記印字媒体上に発色したトナーに基づくカラー画像を形成することを特徴とするカラー画像形成方法。
  5. 前記超音波素子は、柱状体に形成され、前記超音波ラインヘッドの主走査方向の画素数に応じた数で、保持部材の主走査方向に所定の間隔で配置され、上下から前記保持部材により挟まれるようにして保持されて前後の端面が外部に露出した金属体から成ることを特徴とする請求項4記載のカラー画像形成方法。
  6. 前記柱状体は、円柱体であることを特徴とする請求項4記載のカラー画像形成方法。
  7. 前記柱状体は、方形の柱状体であることを特徴とする請求項4記載のカラー画像形成方法。
  8. 前記柱状体は、レーザ光入射面を平面に形成され、超音波射出面を平面、凹面、又は凸面に形成されていることを特徴とする請求項6又は7記載のカラー画像形成方法。
  9. 前記レーザ光入射面は、レーザ光の反射を抑制する反射防止膜を表面にコーティングされて成ることを特徴とする請求項8記載のカラー画像形成方法。
  10. 前記超音波素子は、金属薄片で形成され、該金属薄片の一方の面を前記レーザ光の入射面として光透過性の保持部材の一方の端面に接し、前記保持部材の主走査方向に所定の間隔で配置され、前記金属薄片の他方の面を射出超音波収束のための音響マイクロレンズで被覆されて成ることを特徴とする請求項4記載のカラー画像形成方法。
  11. 所定の刺激によって破壊可能なカプセル壁で囲繞された複数種の小径マイクロカプセルを支持材に分散内包する大径マイクロカプセルから成り、互いに混合されて発色反応を起こす反応性物質の一方を前記各々の小径マイクロカプセル壁内側に分散し、前記反応性物質の他方を前記各々の小径マイクロカプセル壁外側に分散した、マイクロカプセルトナーを用いるカラー画像形成装置であって、
    画像情報に応じて前記マイクロカプセルトナーを印字媒体上に最終的に転写定着すべく、中間転写媒体を介して若しくは直接的に前記印字媒体に付与する付与手段と、
    前記印字媒体に付与される前記マイクロカプセルトナーに対して前記画像情報中の色成分情報に対応した所定の変調周波数のレーザ光を照射して弾性波を発生させることにより前記複数種の小径マイクロカプセルのうちの所定のカプセル壁を選択的に破壊して所定の反応性物質が互いに拡散混合して発色反応を生じさせる発色手段と、
    を少なくとも有して前記印字媒体上に発色したトナーに基づくカラー画像を形成することを特徴とするカラー画像形成装置。
  12. 前記マイクロカプセルトナーは、前記レーザ光の反射を抑制する反射防止膜を表面にコーティングされて成ることを特徴とする請求項11記載のカラー画像形成装置。
  13. 前記マイクロカプセルトナーは、前記レーザ光の吸収効率を上げる光吸収剤を内部の結着樹脂に添加して成ることを特徴とする請求項11又は2記載のカラー画像形成装置。
  14. 所定の刺激によって破壊可能なカプセル壁で囲繞された複数種の小径マイクロカプセルを支持材に分散内包する大径マイクロカプセルから成り、互いに混合されて発色反応を起こす反応性物質の一方を前記各々の小径マイクロカプセル壁内側に分散し、前記反応性物質の他方を前記各々の小径マイクロカプセル壁外側に分散した、マイクロカプセルトナーを用いるカラー画像形成装置であって、
    画像情報に応じて前記マイクロカプセルトナーを印字媒体上に最終的に転写定着すべく、中間転写媒体を介して若しくは直接的に前記印字媒体に付与する付与手段と、
    前記印字媒体に付与される前記マイクロカプセルトナーに対して前記画像情報中の色成分情報に対応した色に前記マイクロカプセルトナーを発色させるべく配置された超音波ラインヘッドの各超音波素子に所定の変調周波数のレーザ光を照射して所望の前記超音波素子に弾性波を発生させることにより該超音波素子から超音波を前記マイクロカプセルトナーに照射させ前記超音波により前記複数種の小径マイクロカプセルのうちの所定のカプセル壁を選択的に破壊して所定の反応性物質が互いに拡散混合して発色反応を生じさせる発色手段と、
    を少なくとも有して前記印字媒体上に発色したトナーに基づくカラー画像を形成することを特徴とするカラー画像形成装置。
  15. 前記超音波素子は、柱状体に形成され、前記超音波ラインヘッドの主走査方向の画素数に応じた数で、保持部材の主走査方向に所定の間隔で配置され、上下から前記保持部材により挟まれるようにして保持されて前後の端面が外部に露出した金属体から成ることを特徴とする請求項14記載のカラー画像形成装置。
  16. 前記柱状体は、円柱体であることを特徴とする請求項14記載のカラー画像形成装置。
  17. 前記柱状体は、方形の柱状体であることを特徴とする請求項14記載のカラー画像形成装置。
  18. 前記柱状体は、レーザ光入射面を平面に形成され、超音波射出面を平面、凹面、又は凸面に形成されていることを特徴とする請求項16又は7記載のカラー画像形成装置。
  19. 前記レーザ光入射面は、レーザ光の反射を抑制する反射防止膜を表面にコーティングされて成ることを特徴とする請求項18記載のカラー画像形成装置。
  20. 前記超音波素子は、金属薄片で形成され、該金属薄片の一方の面を前記レーザ光の入射面として光透過性の保持部材の一方の端面に接し、前記保持部材の主走査方向に所定の間隔で配置され、前記金属薄片の他方の面を射出超音波収束のための音響マイクロレンズで被覆されて成ることを特徴とする請求項14記載のカラー画像形成装置。
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