JP2005280303A - マイクロカプセル及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶剤、酸、アルカリ類に耐性のあるマイクロカプセル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】1:大径マイクロカプセルの前駆体と水と混合してカプセルスラリーを作る。2:スチレン、ノルマルブチルアクリル酸を均一に混合して分散相を作る。3:水にネオゲンSC−F、ノイゲンEA−120、過硫酸アンモニウムを溶解させて連続相を作る。4:連続相に分散相を加えホモジナイザーで撹拌してO/Wエマルジヨンを作る。5:O/Wエマルジヨンを通常の撹拌装置で80℃、8時間の反応を行って粒径0.1μm、軟化点118℃のスチレンアクリル粒子の微粒子スラリーを得る。6:凝集剤を加えたカプセルスラリーの懸濁液を、7:微粒子スラリーの懸濁液に、8:滴下して、スチレンアクリル粒子を大径マイクロカプセル前駆体1のカプセル壁2に付着凝集させ、9:90℃で5時間撹拌してスチレンアクリル樹脂被膜を形成する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、マイクロカプセル及びその製造方法に関する。
従来、光、熱、圧力等の外部刺激に応答して破壊されるマイクロカプセルが知られている。これらの利用方法としては、例えば多色に発色するマイクロカプセルを含有するインク層を予めコーティングした専用の記録紙を用い、これに画像情報に対応した光や熱を付与して画像形成を行う装置が知られている。(例えば、特許文献1参照。)
また、上記同様に記録紙内にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックに発色する4種のマイクロカプセルと顕色剤とを予め封入した専用の記録紙(フイルム状シート)を用い、外部刺激として上記のように光や熱ではなく、超音波振動エネルギーを用いて各マイクロカプセルをその共振周波数で振動させて所定のマイクロカプセルを破壊して発色させる画像形成装置が提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
また、上記のように専用の記録紙ではなく、普通紙上にカラー印刷を行えるようにしたものとして、それぞれ異なる波長の光で硬化する光硬化性樹脂でコーティングした3種類以上の色素カプセルを1種類のマイクロカプセルに封入して、これをトナーとして、普通紙上に転写後、波長の異なる3種類以上の光の画像データを、この普通紙上に転写されたトナー画像の上に順次照射してフルカラー発色させる光反応性カラートナー及びそれを用いた印刷方法が提案されている。(例えば、特許文献3参照。)
そして、上記のようなマイクロカプセルの製法としては、多価イソシアネートモノマー又は多価イソシアネートプレポリマーを含む疎水性液体を、多価アミン又は多価アルコールなどの活性水素を有する化合物を含有する親水性液体中に分散させて、両液体の界面でポリウレア又はポリウレタンの樹脂膜を生成する方法が知られている。(例えば、特許文献4、特許文献5参照。)
米国特許4,734,704号公報 特開平11−058832号公報([要約]、図1、図6) 特開平08−106172号公報([要約]、図1) 特開2000−263931号公報(段落[0040]) 特開2002−336683号公報(段落[0020])
ところで。従来のマイクロカプセルは、そのカプセル壁が上述したようにポリウレアやポリウレタンの樹脂膜で形成されている。ポリウレアやポリウレタンの樹脂膜は、その分子構造上、耐溶剤性や、耐酸、耐アルカリ性が非常に弱いという性質がある。
例えば、耐溶剤性に関しては、メタノールやエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルや酢酸ブチルなどのエステル系溶媒等に非常に弱い。また、塩酸や硝酸等の酸類や水酸化ナトリウムやアンモニア水などのアルカリ類などに対しても同様に弱い。
このため、上記のような溶剤、酸、アルカリ類に接触すると、マイクロカプセルがつぶれたり、カプセル内の内包物が溶け出したり、あるいは膜自体が溶解してしまうことがあり、耐久性上での問題があった。従って工業的に使用される場合には、使用される条件等が限定されるという弱点を有していた。
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、溶剤、酸、アルカリ類に耐性のあるマイクロカプセル及びその製造方法を提供することである。
先ず、第1の発明のマイクロカプセルは、膜材を界面重合させることにより形成され所定の外部刺激によって破壊可能なカプセル膜と、該カプセル膜にて囲繞され所定材料を溶解させた溶剤と、から成る複数種類の小径マイクロカプセルを、上記所定材料と所定の反応をする反応材料を溶解させた溶剤中に分散させた分散相と、該分散相を囲繞する内壁と、該内壁を覆う外壁と、から成って構成される。
上記所定の外部刺激は例えば超音波である。また、上記所定材料は例えば発色材であり、上記反応材料は例えば顕色材である。また、上記内壁は例えば界面重合によるウレタンウレア系又はメラミン系の熱硬化性樹脂膜であり、上記外壁は例えば上記内壁外面に付着しスチレンアクリルの乳化微粒子のラジカル重合した凝集層である。
次に、第2の発明のマイクロカプセルの製造方法は、超音波振動によって破壊可能なカプセル膜内に発色材を包含する複数種類の小径マイクロカプセルと、顕色剤と、壁材と、を含有する疎水性液体を調整する調整工程と、該調整工程により調整された疎水性液体を保護コロイド水溶液に乳化分散して乳化分散液を生成する乳化分散工程と、該乳化分散工程により上記乳化分散液に上記イソシアネート成分との重合開始剤を滴下して大径カプセル壁を生成する壁生成工程と、上記調整工程、上記乳化分散工程、及び上記壁生成工程を経て形成された大径カプセル粒子を洗浄した後加水して得た大径マイクロカブセルの前駆体スラリーと水と凝集剤とを混合して成る懸濁液を作成する第1の懸濁液作成工程と、スチレンアクリル微粒子を重合により生成して得たスチレンアクリル微粒子スラリーと水とを混合して成る懸濁液を作成する第2の懸濁液作成工程と、上記第2の懸濁液を撹拌しながら上記第1の懸濁液を滴下して上記大径マイクロカブセルの前駆体のカプセル壁表面に上記スチレンアクリル微粒子を付着凝集させ、加温と更なる撹拌を続けて、付着凝集したスチレンアクリル微粒子を溶融結着させて上記大径マイクロカブセルの前駆体のカプセル壁表面にスチレンアクリル樹脂の被膜を形成する被膜工程と、を含んで構成される。
本発明によれば、通常は大径マイクロカプセルの外壁となるウレタンウレア系樹脂又はメラミン系樹脂の樹脂膜を内壁として更にその上にスチレンアクリルの乳化微粒子のラジカル重合した凝集層を設けるので、溶剤、酸、アルカリ類に耐性のある大径マイクロカプセルを提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
(小径マイクロカプセルの製法)
図1は、本発明の実施形態1としての大径マイクロカプセルの製造方法の中の小径マイクロカプセルを製造する材料と製造工程を説明する図表である。同図を用いて小径マイクロカプセルの製造方法を以下に説明する。
先ず、シアン色用のマイクロカプセルを作成するために、予めクリスタルバイオレットラクトン(山本化成製ロイコ色素CVL)0.2部を、ジフェニルナフタレン4部に加え、さらに高沸点溶媒となるフェニルキシリルエタン(沸点295〜305℃、新日本石油化学製ハイゾールSAS−296)17部を加え、80℃の加温下で撹拌しながら溶解して、シアン発色材としての透明のロイコ色素オイルを作製する。
次に、このシアン色用ロイコ色素オイル15gと、膜材として高沸点芳香族炭化水素であるトリレジンイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(日本ポリウレタン工業製コロネートL)7部と、更に同じく膜材として分子量400のポリエチレングリコール(PEG−400)1部とを撹拌して均一に混合させ、芯物質の混合油液を作製する。
続いて、ポリビニルアルコール(重合度1700、けん化度88%、クラレ製PVA−217)1gを水120gに溶解させた分散安定剤を作製する。
そして、この分散安定剤に上記の芯物質混合油液を滴下しながら、ホモジナイザー(homogenizer:乳剤機、IKA社製ウルトラ・タラックスT25ベーシック )により18000回転/分で撹拌して上記の芯物質混合油滴が5〜6μmになるようにする。これにより5〜6μmφの芯物質混合油滴のO/W(Oil/Water)のエマルジョンが作製される。
次に、このO/Wエマルジョンを通常の羽付撹拌装置で撹拌しながら、膜反応剤としてのジエチレントリアミン3%水溶液を滴下していく。この滴下が終了したならば、70℃の水槽で温度を保ち、撹拌を続けて3時間反応させる。
これにより、芯物質混合油滴との界面で、上記の膜材と膜反応剤による界面重合反応が行われ、粒径5〜6μmφのカプセル膜が生成される。こうして得られた粒径5〜6μmの小径マイクロカプセルは、光学顕微鏡で観察したところ球状で芯が液体のカプセルとなった。
この後、デカンテーション(decantation:固形物を沈降させた後上澄み液だけを流し去る操作 )により水とマイクロカプセルを分離して水を捨て、多量の水で洗浄する作業を繰り返した後、遠心分離機を用いて小径マイクロカプセルを沈降させて濃厚分散液を得、この濃厚分散液を凍結乾燥装置に入れて液を凍らせてから水分を気化させて乾燥し、小径マイクロカプセルの粉末を得た。
尚、上述した実施形態では、シアンを発色する小径マイクロカプセルの製法について述べたが、マゼンタ、イエロー、ブラックについても、色素、溶媒、膜材の配合を調整し、ホモジナイザーによる撹拌を調整して粒径をそれぞれ変えることにより、例えばおよそ1μm〜6μmまで粒径がそれぞれ異なり、従って、例えば超音波に対する共振特性がそれぞれ異なる合計4種類の小径マイクロカプセルを作製することができる。
(実施形態2)
(大径マイクロカプセル前駆体の製法)
続いて、大径マイクロカプセルの作製方法について、先ず、最終製品の直前の段階のカプセル(以下、大径マイクロカプセル前駆体という)の作製方法について説明する。
図2は、実施形態2としての大径マイクロカプセル前駆体の製造工程と発色性を説明する図表である。同図において、先ず、顕色材オイルを作製する。顕色剤オイルは、顕色剤(三光化学R−054)30部を高沸点溶媒オイル(日本石油化学SAS−296)70部で溶解して作製する。
他の材料、すなわち、シアン色用カプセル、マゼンタ色用カプセル、イエロー色用カプセル、壁材E、F、分散安定材G、及び壁反応剤(膜反応剤、滴化処理用液)は小径マイクロカプセルの製法時のものと同一成分、同一組成である。
先ず、実施例1として、フルカラー発色用つまりシアン、マゼンタ、イエローの3種類の小径マイクロカプセルを含む大径マイクロカプセル前駆体の製法について説明する。同図表の実施例1の欄に示すように、
顕色剤オイル 20g
シアン色用カプセル 1.8g(色素分0.045g)
マゼンタ色用カプセル 3.0g(色素分0.045g)
イエロー色用カプセル 3.0g(色素分0.045g)
壁材E 1g
壁材F 14g
を均一に撹拌して混合油液を生成する。この混合油液を、分散安定剤Gに滴下しながら、ホモジナイザーにより、油滴が15μmになるように撹拌する。これにより15μmφの混合油滴のO/Wのエマルジョンが作製される。
次に、このO/Wエマルジョンを通常の羽付撹拌装置で撹拌しながら、70℃で3時間反応させる。これにより、混合油滴との界面で、上記の壁材と壁反応剤による界面重合反応が行われ、保護壁としての粒径15μmφのカプセル壁(最終製品の内壁、以下同様)が生成され、大径マイクロカプセル前駆体の分散溶液が得られた。
この後、最終処理として、この粒径15μmφの大径マイクロカプセル前駆体の分散溶液を多量の水でカプセルを洗浄し、遠心分離機を用いて大径マイクロカプセル前駆体を沈降させ濃厚分散液を得、この分散液を凍結乾燥装置に入れて液を凍らせて水分を気化させて乾燥し、大径マイクロカプセル前駆体粉末を得た。得られたカプセル粒子を、超音波を照射する代わりに、白板上でつぶしたところ、どれも適正な黒色が発色した。
すなわち、いずれも同一の色素分0.045gになるように作製されたシアン、マゼンタ、イエローの3原色による適正な黒色が発色したことになる。
続いて、実施例2により他の発色の確認を行う。この実施例2における大径マイクロカプセル前駆体の作製では、
顕色剤オイル 20g
シアン色用カプセル 3.6g(色素分0.09g)
イエロー色用カプセル 6.0g(色素分0.09g)
壁材E 1g
壁材F 14g
を均一に撹拌して混合油液を生成する。この混合油液を、分散安定剤Gに滴下しながら、ホモジナイザーにより、油滴が15μmになるように撹拌する。これにより15μmφの混合油滴のO/Wのエマルジョンが作製される。
次に、このO/Wエマルジョンを通常の羽付撹拌装置で撹拌しながら、70℃で3時間反応させる。これにより、保護壁としての粒径15μmφのカプセル壁が生成され、大径マイクロカプセル前駆体の分散溶液が得られる。
この後、最終処理として、この粒径15μmφの大径マイクロカプセル前駆体の分散溶液を多量の水でカプセルを洗浄し、遠心分離機を用いて大径マイクロカプセル前駆体を沈降させ濃厚分散液を得、この分散液を凍結乾燥装置に入れて液を凍らせて水分を気化させて乾燥し、大径マイクロカプセル前駆体粉末を得た。得られたカプセル粒子を、超音波を照射する代わりに、白板上でつぶしたところ、どれも同じ色相の緑色が発色した。すなわち、上記の実施例1で用いたシアン色用カプセルとイエロー色用カプセルの組み合わせが、ここでも適切であったことが判明した。
更に、実施例3により他の発色の確認を行う。この実施例3における大径マイクロカプセル前駆体の作製では、
顕色剤オイル 20g
シアン色用カプセル 3.6g(色素分0.09g)
マゼンタ色用カプセル 6.0g(色素分0.09g)
壁材E 1g
壁材F 14g
を均一に撹拌して生成した混合油液を、分散安定剤Gに滴下して、ホモジナイザーにより油滴が15μmになるように撹拌し、15μmφの混合油滴のO/Wのエマルジョンが作製する。
次に、このO/Wエマルジョンを通常の羽付撹拌装置で撹拌しながら、70℃で3時間反応させて、粒径15μmφのカプセル壁を有する大径マイクロカプセル前駆体の分散溶液を得る。この後、上記実施例2の場合と同様に処理して、粒径15μmφの大径マイクロカプセル前駆体粉末を得た。得られたカプセル粒子を、超音波を照射する代わりに、白板上でつぶしたところ、どれも同じ色相の青色が発色した。すなわち、上記の実施例1で用いたシアン色用カプセルとマゼンタ色用カプセルの組み合わせが、ここでも適切であったことが判明した。
したがって、このように実施例1〜3で適正な色が発色しているので、残る組み合わせであるマゼンタとイエローについては、確認するまでもない。また、ブラックについては発色自体が黒であるので、カプセル壁の破壊を選択的に確実に行うことが出来るようにしさえすれば問題はない。
上記実施の形態では、大径マイクロカプセル前駆体の中に封入する小径マイクロカプセルが発色する色を、マゼンタ、シアン、イエローの三色で説明しているが、これに限ることなく、黒を加えるようにしてもよく、また、ライトマゼンタ、ライトシアンのような中間色を発色する無色色素カプセルを加えるようにしてもよい。
図3は、上記大径マイクロカプセル前駆体の構造を示す図である。同図に示すように、大径マイクロカプセル前駆体1は、カプセル壁2内に、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4種類の小径マイクロカプセル3M、3C、3Y、3Kを内包した構成であり、各小径マイクロカプセル3M、3C、3Y、3Kにはカプセル膜4が形成されている。また、上記小径マイクロカプセル3M、3C、3Y、3Kは、カプセル壁2内に封入されたジェル状の保持層5中にランダムに分散している。
また、小径マイクロカプセル3(3M、3C、3Y、3K)は、上述したようにカプセル膜4で覆われ、発色剤5を内包している。そして、カプセル膜4の外側を上述した保持層5中に分散されている顕色剤7が取り囲んでいる。
上記のカプセル壁2の直径は上述したように15μmで構成され、小径マイクロカプセル3の直径は、例えば1μm〜6μm程度である。このように小径マイクロカプセル3つまりカプセル膜4の直径が色毎に異なるのは、色毎に超音波に対する共振周波数を異ならせるためである。
図4は、大径マイクロカプセル前駆体1に内包される各小径マイクロカプセル3の粒度分布と、それらに照射される超音波の周波数及びその破壊特性を示す図である。尚、前述の図2では、大径マイクロカプセル前駆体1の直径を15μm、前述の図3では各小径マイクロカプセル3の直径を1μm〜6μmまで異なると述べたが、図4に示す各小径マイクロカプセル3の直径は1.5μm〜6.5程度の範囲で構成されている。
このように小径マイクロカプセルの粒度分布を大きくとると、各分布図の上方に示す超音波の共振周波数、すなわち、マゼンタ(の小径マイクロカプセル、以下同様)への共振周波数fmを33kHz、シアンへの共振周波数fcを27kHz、イエローへの共振周波数fyを22kHz、ブラックへの共振周波数fkを18kHzというように設定できる。そして、この条件下で、他の小径マイクロカプセル向けの共振周波数とクロストークすることなく、所望の小径マイクロカプセル3のカプセル膜4を選択的に容易に破壊することができ、発色制御が容易となる。
(実施形態3)
(大径マイクロカプセルの製法)
図5は、実施形態3としての最終的な大径マイクロカプセルの製法の工程を示す図表である。上述した実施形態2では、大径マイクロカプセル前駆体1の発色性を見るため潰す必要があるために大径マイクロカプセル前駆体1の最終状態を乾燥した粉末で得ているが、以下に述べる大径マイクロカプセルの最終製品を得るためには、上記の実施形態2において、大径マイクロカプセル前駆体1を乾燥粉末とせず、その前段の分散溶液の洗浄後において、図5の工程1に示すように、新たな水を加えて10wt%の大径マイクロカプセル前駆体スラリーを作製する。
次に、工程2において、分散相を作製する。分散相は、スチレン176部、ノルマルブチルアクリル酸24部(和光純薬製)を均一に混合して作製する。
続いて、工程3において、連続相を作製する。連続相は、水300部に、ネオゲンSC−F(アニオン界面活性剤/第一工業製薬製)4.5部、ノイゲンEA−120(界面活性剤/第一工業製薬)4.3部を溶解し、更に重合開始剤として過硫酸アンモニウム(和光純薬製)2部を溶解させて作製する。
そして、工程4において、連続相に分散相を加え、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラ・タラックスT25ベーシック )で撹拌してO/Wエマルジヨンを作製する。
続いて、工程5において、上記のO/Wエマルジヨンを、通常の撹拌羽根の付いた撹拌装置に入れ、80℃で8時間反応を行う。
これにより、粒径が0.1μmのスチレンアクリル粒子の約40wt%のスラリー溶液が得られる。得られたスチレンアクリル粒子のガラス転移点は58℃、軟化点は118℃であった。
次に、上記のようにして得られたスチレンアクリル粒子を大径マイクロカプセル前駆体1のカプセル壁2に付着凝集させる。
この処理では、先ず、工程6において、大径マイクロカプセル前駆体スラリー10部に、水40部を加え、凝集剤としてサニゾールB−50(カチオン界面活性剤/花王製)0.1部を表面電位差を利用して溶解させ、均一な懸濁液1を調整する。
一方で、工程7において、スチレンアクリル粒子の40wt%スラリー2.5部に、水147.5部を加え、均一な懸濁液2を作製する。
そして、工程8において、上記のスチレンアクリル粒子スラリーの懸濁液2をホモジナイザーで撹拌しながら、上記予め調整しておいた大径マイクロカプセル前駆体スラリーの懸濁液1を約10分間で滴下する。その後、通常の羽根付き撹拌装置に移し、室温で5時間撹拌する。
これを、光学顕微鏡で確認したところ、マイクロカプセル前駆体1のカプセル壁2の表面に、スチレンアクリルの微粒子が付着していた。
更に、工程9として、温度を90℃まで昇温し、5時間撹拌を行い、表面に付着した微粒子を溶融、結着させ、その後、数回水洗し、乾燥を行い、これにより表面がスチレンアクリルの樹脂でコートされた大径マイクロカプセルを得た。
得られた大径マイクロカプセル0.1部を、メタノール100部に加え10時間撹拌を行い光学顕微鏡で確認したが、大径マイクロカプセルの形状に変化は見られず、溶剤に対する耐久性に問題がないことが確認された。
一方、比較例としてスチレンアクリル樹脂をコートしていないポリウレタンの大径マイクロカプセルを同様に試験し、光学顕微鏡で確認したところ、カプセルに凹みが生じており、更に内容物が溶け出しており、溶剤に対する耐久性に問題があった。
このように、大径マイクロカプセルの、溶剤や酸やアルカリに弱いウレタン系のカプセル壁の表面を、凝集剤を用いてスチレンアクリル粒子を付着凝集させてカプセル壁の表面に、溶剤や酸やアルカリに強いスチレンアクリル樹脂被膜を形成するので、耐溶剤性、耐酸、耐アルカリ性に優れた大径マイクロカプセルを実現させることが可能となった。
また、上記大径マイクロカプセルの内壁となるウレタン系のカプセル壁は、溶剤や酸やアルカリに弱い反面、熱硬化性樹脂であって熱には強い。他方、スチレンアクリル樹脂被膜は、溶剤や酸やアルカリに強いと同時に、上述したように軟化点は118℃であって、熱可塑性を有している。したがって、熱を加えることによって用紙などの表面に容易に接着させることができる。
これにより、上記最終製品の大径マイクロカプセルをトナーとして用い、電子写真式の現像方法(後述する配置現像)と超音波ラインヘッドによる後述する発色現像により、フルカラーの画像を形成することができる。
尚、上記実施の形態では、大径マイクロカプセルのカプセル壁をポリウレタン系としたが、メラニン系であってもよい。また、スチレンアクリル樹脂微粒子の合成方法を乳化重合法で合成したが、分散重合法や懸濁重合法などの他のラジカル重合法で合成しても良い。
(実施形態4)
(大径マイクロカプセルを用いた画像形成)
図6は、実施形態4としてのカラー画像形成装置の全体構成図である。なお、同図に示すカラー画像形成装置10は、例えばピアツーピア(peer to peer)で接続されたパーソナルコンピュータのホスト機器側に接続されたプリンタ装置またはLAN(ローカルエリアネットワーク)に接続されたプリンタ装置であってもよい。
図6に示すカラー画像形成装置10は、画像形成部11、給紙部12、用紙搬送部13、電源及び制御部14で構成されている。画像形成部11は感光体ドラム15、光書込ヘッド16、カプセルトナーホッパ17、超音波ラインヘッド18等で構成されている。
給紙部12は、給紙カセット19及び給紙コロ21で構成され、給紙カセット19に収納された記録紙Pは、給紙コロ21の1回転ごとに、給紙カセット19から搬出され、用紙搬送部13に送られる。用紙搬送部13は給紙カセット19から搬出された記録紙Pをガイド板に沿って搬送し、この記録紙Pには転写部22において後述するトナー画像が転写される。トナー画像を転写された記録紙Pは、定着器23でトナー画像を紙面に熱定着され、排紙ローラ24によって用紙スタッカ25上に排出される。
また、電源及び制御部14は上記画像形成部11等に電源を供給する電源部26、及び上記光書込ヘッド16に供給する光書込データを生成し、超音波ラインヘッド18に供給する画像データを生成する制御部(制御回路)27で構成されている。尚、制御部27の具体的な制御回路の構成については後述する。
図7は、上記画像形成部11の拡大図である。画像形成部11は、上記のように感光体ドラム15、光書込ヘッド16、カプセルトナーホッパ17、超音波ラインヘッド18を要部として構成されている。感光体ドラム15の近傍には、帯電ローラ28、前述の光書込ヘッド16、カプセルトナー現像ローラ29、転写ローラ31、クリーナ32が配設されている。
上記のカプセルトナーホッパ17内には透明又は白色(以下、単に透明という)の上述の実施形態3で完成した大径マイクロカプセルから成るトナーT(以下、単にカプセルトナーTという)が収容され、このカプセルトナーTに埋没するように攪拌部材33が回動可能に設置され、さらに最下部には、カプセルトナー現像ローラ29に当接してカプセルトナー供給ローラ34が設置されている。
攪拌部材33は、カプセルトナーTを攪拌し、摩擦帯電によってマイナス(−)の電荷をカプセルトナーTに付与する。カプセルトナー供給ローラ34は、そのマイナス電荷を付与されたカプセルトナーTをカプセルトナー現像ローラ29に供給する。
光書込ヘッド16には前述の制御部(制御回路)27から光書込みデータが供給され、感光体ドラム15の感光面に光書込みを行う。感光体ドラム15の感光面には予め帯電ローラ28によって一様な電荷が付与され、光書込ヘッド16からの光書込みによって静電潜像が形成される。カプセルトナー現像ローラ29は、その静電潜像にカプセルトナーTを静電的に付着させて配置現像を行う。配置現像されたカプセルトナーTの透明像は、転写ローラ31直上の位置に運ばれる。
感光体ドラム15と転写ローラ31との間には、中間転写ベルト35が位置している。中間転写ベルト35は、感光体ドラム15と転写ローラ31間を挟持搬送され、図の矢印C方向で示す反時計回り方向に循環移動している。
上記の感光体ドラム15に静電的に付着したカプセルトナーTの透明像は、転写ローラ31との間で作用する電界によって中間転写ベルト35側に吸着される。この中間転写ベルト35に吸着されたカプセルトナーTの透明像は、中間転写ベルト35の循環移動に伴って超音波ラインヘッド18の直下に到達する。
超音波ラインヘッド18には制御部27から画像データが供給され、超音波ラインヘッド18を収容する収容ローラ36と対向ローラ37間を移動するカプセルトナーTの透明像に超音波照射を行う。この時、中間転写ベルト35に吸着した透明像の個々のカプセルトナーTに内包される小径マイクロカプセル3の壁が選択的に破壊され、内部の反応性物質によって発色反応が起こり、カプセルトナーTが発色してカラートナー像が中間転写ベルト35上に発色現像される。
上記のようにして発色してカラートナー像を形成している発色済みのカプセルトナーTは、転写部22において転写ローラ38により記録紙Pに静電的に転写される。記録紙Pに転写された発色済みカプセルトナーTは前述の定着器23において熱定着処理が施される。
前述したように、大径マイクロカプセル、すなわちカプセルトナーTの表面に形成されているスチレンアクリル樹脂被膜の軟化点は118℃であって、上記の熱定着処理の熱により一部が溶融して記録紙Pの表面に容易に接着する。
このようにしてフルカラー画像を定着された記録紙Pは、排紙ローラ24によって排紙スタッカ25上に排出される。上記の転写後に中間転写ベルト35に残留するカプセルトナーTはベルトクリーナ39によって除去される。
図7(a) は、上記のカプセルトナーTに内包される小径マイクロカプセル3のカプセル膜4を破壊する超音波を発振する超音波ラインヘッド18の外観斜視図であり、同図(b) は、その上面図、同図(c) はその個別印加電極の上面図、同図(d) は同図(c) のA−A´矢視断面図、同図(e) は同図(d) のB−B´矢視断面図である。
同図(a) に示すように、超音波ラインヘッド18は、その長手方向が短手方向に比較して極めて長い形状を成しており、図7の紙面奥行き方向に延在して配置されている。この超音波ラインヘッド18は、同図(d),(e) に示すように、担持体41内に5層の部材を積層して構成される。最下層(第5層)には共通電極42−5(アース)が配設され、第4層には圧電素子である超音波素子42−4が配設され、第3層には主走査方向に短冊状に並んだ個別印加電極42−3が配設され、第2層には超音波素子42−4と超音波伝搬媒体との音響インピーダンスの差を軽減する為の音響インピーダンス整合層42−2が配設され、更に第1層には音響レンズ42−1が配設されている。
超音波素子42−4には、個別印加電極42−3と共通電極(アース)42−5が接続され、同図(c) に示すように、個々の個別印加電極42−3からは個別配線42−3−1が外部に引き出されている。これらの電極から、前述の所望の小径マイクロカプセル3のカプセル膜4を破壊する超音波を発振するための超音波出力信号が供給される。超音波素子42−4は上記信号が印加されると歪みを生じ、所定の周波数で超音波振動が励起される。
超音波素子42−4で励起された超音波振動は音響インピーダンス整合層42−2を通して音響レンズ42−1で屈折され、指定位置(指定距離)に集束する。尚、音響インピーダンス整合層42−2は上記のように、超音波素子42−4と超音波伝搬媒体との音響インピーダンスの差を軽減する機能を有している。
一般に、カプセルトナーTが配置されている指定位置に画素サイズの超音波ビームを集束させるためには超音波素子42−4を微細なサイズに加工することが困難であることと小径マイクロカプセル3のカプセル膜4を破壊するために必要な超音波の音圧を1個の超音波素子42−4で得ることが困難であることから、主走査方向及び副走査方向に複数からなる超音波素子42−4の超音波ビームを集束させることによって指定位置に画素サイズの超音波ビームを集束させるようにする。
図9は、上記超音波ラインヘッド18の主走査方向(X方向)に配設された超音波素子42−4と、超音波素子42−4から出力される超音波の集束位置の関係を示す図である。尚、同図においては説明上、超音波素子42−4には紙面の左側から素子番号1、2、3、・・・が付与されている。また、同図に示す集束位置には、画素番号(例えば、1〜7168)が付与されている。尚、上記集束位置は、図7において、カプセルトナー現像ローラ29により中間転写ベルト35上に配置現像され、中間転写ベルト35により搬送されるカプセルトナーTが途中で超音波ラインヘッド18と対峙する位置である。
図10は、上記超音波素子42−4の配設構成の一部を拡大して示す図であり、例えば超音波素子「1」〜「6」までを拡大して示している。互いに隣り合う超音波素子42−4は間隔dを有して配設されており、同時にm個の超音波素子42−4が時間遅延しながら駆動される。
例えば、同図に示すA点について考えると、同時にm個(例えば5個)の超音波素子42−4を時間遅延させて5個の超音波素子42−4の中心(A点)に強力な超音波をあてる。例えば、「1」の超音波素子42−4とA点の距離、「2」の超音波素子42−4とA点の距離、「3」の超音波素子42−4とA点の距離は少しずつ異なり、この距離差と超音波の伝搬速度から各超音波素子42−4の出力タイミングをずらし、所定のタイミングで超音波出力を行う。このように制御することにより、同時にA点に強力な超音波を照射することができる。
また、上記A点に限らず、超音波素子42−4からの超音波出力のタイミングを調整することによって、超音波素子42−4の配設ピッチより狭い位置(例えば、1/2dの位置、B点)に複数の超音波素子42−4から出力された超音波ビームを集束させることもできる。
したがって、例えば1画素間隔で(ピッチdで)超音波ビームの集束位置を主走査方向にずらして制御することによって、1画素間隔でカプセルトナーTに対して強力な超音波ビームを集束することができ、小径マイクロカプセル3のカプセル膜4を破壊して所望の色の発色を1画素間隔で行うことができる。
また、副走査方向については、上記音響レンズ42−1の屈折を利用して超音波ビームの集束サイズを小さくすることができる。したがって、副走査方向に集束画素サイズを小さく構成することによって、より解像度の高い画像を形成することが可能となる。例えば、画素サイズを1/4とすることによって超音波ビームを1画素に対して4回供給することができ、4階調の色制御が可能となる。
図11(a),(b) は、上記のカプセルトナーTが超音波ラインヘッド18によって超音波照射を受けて選択的に発色する原理を更に説明する図である。前述のように、カプセルトナーTは図3に示したようにカプセル壁2内にマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4種類の小径マイクロカプセル3M、3C、3Y、3Kが内包されており、共振周波数の超音波を受けた小径マイクロカプセル3のカプセル膜4が破壊され、内部の発色剤6が顕色剤7と混合して反応し、発色する。
例えば、同図(a) は、超音波ラインヘッド18から単一の共振周波数の超音波SがカプセルトナーTに照射されている状態を示している。この場合は、この共振周波数で振動する小径マイクロカプセルのみが破壊されて発色する。また、同図(c) は超音波ラインヘッド18から2つの共振周波数の超音波S1、S2がカプセルトナーTに照射される状態を示している。この場合は、これらの共振周波数S1、又はS2で振動する小径カプセルが破壊されてそれぞれ発色する。
例えば、小径マイクロカプセル3Mのカプセル膜4のみが破壊されると、マゼンタ(M)色が発色する。また、小径マイクロカプセル3Cのカプセル膜4のみが破壊されるとシアン(C)色が発色する。また、小径マイクロカプセル3Mのカプセル膜4と小径マイクロカプセル3Cのカプセル膜4が破壊されると、赤色が発色し、小径マイクロカプセル3Cのカプセル膜4と小径マイクロカプセル3Yのカプセル膜4が破壊されると、青色が発色する。
図12は、本例のカラー画像形成装置の制御部の制御回路における印字制御部の具体的な回路ブロック図である。同図において、制御部(制御回路)27は、論理和回路43、主走査/副走査制御回路44、発振回路45、マゼンタ発色制御回路46M、シアン発色制御回路46C、イエロー発色制御回路46Y、ブラック発色制御回路46Kで構成されている。一方、画像形成部11は前述の光書込ヘッド16及び超音波ラインヘッド18で構成されている。
不図示のホスト機器からインターフェースを介して制御部(制御回路)27に入力されるCMYK値に変換された画像データは、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の画素データとして論理和回路43に出力される。ここで、論理和回路43はCMYKの論理和を計算し、光書込ヘッド16に出力する。
すなわち、CMYKの全ての画素データを含む論理和のデータを光書込ヘッド16に出力し、前述の感光体ドラム15に光書込みを行う。したがって、前述の感光体ドラム15の周面にはCMYKの全ての画素データを含む論理和データに基づく静電潜像が形成される。尚、主走査/副走査制御回路44から論理和回路43に主走査制御信号、及び副走査制御信号が供給され、光書込ヘッド16に論理和データを供給する際、主走査方向制御及び副走査方向制御に使用される。
また、CMYKの画素データは対応するマゼンタ発色制御回路46M〜ブラック発色制御回路46Kにも供給され、発振回路45から出力される発振信号fm、fc、fy、fkに同期して超音波ラインヘッド18に出力される。すなわち、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のそれぞれに対応する発色データが超音波ラインヘッド18に供給され、前述の中間転写ベルト35上に吸着するカプセルトナーTに対応する周波数(後述する共振周波数)の超音波が照射される。
したがって、照射される超音波に共振する波動を受けたカプセルトナーT内の小径マイクロカプセル3のカプセル膜4が破壊されて発色する。この場合、各発色制御回路46(46M、46C、46Y、46K)から出力される発色信号の周波数f(fm、fc、fy、fk)がそれぞれ異なるため、超音波を受けたカプセルトナーTは、図11(a),(b) で説明したように、超音波S、S1又はS2の周波数fに対応する色の小径マイクロカプセル3M、3C、3Y、又は3Kのカプセル膜4のみが破壊される。
例えば、マゼンタ発色制御回路46Mから出力された発色信号fmはカプセルトナーT内の小径マイクロカプセル3Mのカプセル膜4のみを破壊し、マゼンタ(M)色の発色を行う。また、シアン発色制御回路46Cから出力された発色信号fcは小径マイクロカプセル3Cのカプセル膜4のみを破壊し、シアン(C)色の発色を行う。さらに、イエロー(Y)及びブラック(K)についても同様であり、イエロー発色制御回路46Y、ブラック発色制御回路46Kから出力される発色信号fy、fkは、小径カプセル3Y又は3Kのカプセル膜4のみを破壊し、イエロー(Y)、又はブラック(K)の発色を行う。
本発明の実施形態1としての大径マイクロカプセルの製造方法の中の小径マイクロカプセルを製造する材料と製造工程を説明する図表である。 実施形態2としての大径マイクロカプセル前駆体の製造工程と発色性を説明する図表である。 大径マイクロカプセル前駆体の構造を示す図である。 大径マイクロカプセル前駆体に内包される各小径マイクロカプセルの粒度分布とそれらに照射される超音波の周波数及びその破壊特性を示す図である。 実施形態3としての最終的な大径マイクロカプセルの製法の工程を示す図表である。 実施形態4としてのカラー画像形成装置の全体構成図である。 実施形態4としてのカラー画像形成装置の画像形成部の拡大図である。 (a) は超音波ラインヘッドの外観斜視図、(b) はその上面図、(c) はその個別印加電極の上面図、(d) は(c) のA−A´矢視断面図、(e) は(d) のB−B´矢視断面図である。 超音波ラインヘッドの主走査方向(X方向)に配設された超音波素子と超音波素子から出力される超音波の集束位置の関係を示す図である。 超音波素子の配設構成の一部を拡大して示す図である。 (a),(b) はカプセルトナーが超音波ラインヘッドによって超音波照射を受けて選択的に発色する原理を更に説明する図である。 カラー画像形成装置の制御部の制御回路における印字制御部の具体的な回路ブロック図である。
符号の説明
1 大径マイクロカプセル前駆体
2 カプセル壁
3(3M、3C、3Y、3K) 小径マイクロカプセル
4 カプセル膜
5 保持層
6 発色剤
7 顕色剤
10 カラー画像形成装置
11 画像形成部
12 給紙部
13 用紙搬送部
14 電源及び制御部
15 感光体ドラム
16 光書込ヘッド
17 カプセルトナーホッパ
18 超音波ラインヘッド
19 給紙カセット
21 給紙コロ
22 転写部
23 定着器
24 排紙ローラ
25 用紙スタッカ
26 電源部
27 制御部(制御回路)
28 帯電ローラ
29 カプセルトナー現像ローラ
31 転写ローラ
32 クリーナ
T カプセルトナー
33 攪拌部材
34 カプセルトナー供給ローラ
35 中間転写ベルト
36 収容ローラ
37 対向ローラ
38 転写ローラ
39 ベルトクリーナ
41 担持体
42−1 音響レンズ
42−2 音響インピーダンス整合層
42−3 個別印加電極
42−4 超音波素子
42−5 共通電極(アース)
43 論理和回路
44 主走査/副走査制御回路
45 発振回路
46M マゼンタ発色制御回路
46C シアン発色制御回路
46Y イエロー発色制御回路
46K ブラック発色制御回路

Claims (5)

  1. 膜材を界面重合させることにより形成され所定の外部刺激によって破壊可能なカプセル膜と、該カプセル膜にて囲繞され所定材料を溶解させた溶剤と、から成る複数種類の小径マイクロカプセルを、前記所定材料と所定の反応をする反応材料を溶解させた溶剤中に分散させた分散相と、
    該分散相を囲繞する内壁と、
    該内壁を覆う外壁と、
    から成ることを特徴とするマイクロカプセル。
  2. 前記所定の外部刺激は超音波である、ことを特徴とする請求項1記載のマイクロカプセル。
  3. 前記所定材料は発色材であり、前記反応材料は顕色材である、ことを特徴とする請求項1又は2記載のマイクロカプセル。
  4. 前記内壁は界面重合によるウレタンウレア系又はメラミン系の熱硬化性樹脂膜であり、前記外壁は前記内壁外面に付着しスチレンアクリルの乳化微粒子のラジカル重合した凝集層である、ことを特徴とする請求項1、2又は3記載のマイクロカプセル。
  5. 超音波振動によって破壊可能なカプセル膜内に発色材を包含する複数種類の小径マイクロカプセルと、顕色剤と、壁材と、を含有する疎水性液体を調整する調整工程と、
    該調整工程により調整された疎水性液体を保護コロイド水溶液に乳化分散して乳化分散液を生成する乳化分散工程と、
    該乳化分散工程により前記乳化分散液に前記イソシアネート成分との重合開始剤を滴下して大径カプセル壁を生成する壁生成工程と、
    前記調整工程、前記乳化分散工程、及び前記壁生成工程を経て形成された大径カプセル粒子を洗浄した後加水して得た大径マイクロカブセルの前駆体スラリーと水と凝集剤とを混合して成る懸濁液を作成する第1の懸濁液作成工程と、
    スチレンアクリル微粒子を重合により生成して得たスチレンアクリル微粒子スラリーと水とを混合して成る懸濁液を作成する第2の懸濁液作成工程と、
    前記第2の懸濁液を撹拌しながら前記第1の懸濁液を滴下して前記大径マイクロカブセルの前駆体のカプセル壁表面に前記スチレンアクリル微粒子を付着凝集させ、加温と更なる撹拌を続けて、付着凝集したスチレンアクリル微粒子を溶融結着させて前記大径マイクロカブセルの前駆体のカプセル壁表面にスチレンアクリル樹脂の被膜を形成する被膜工程と、
    を含むことを特徴とするマイクロカプセルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008044630A1 (fr) * 2006-10-06 2008-04-17 Sanc Salaam Corporation Matière de revêtement contenant des microcapsules multicouches et article utilisant celle-ci
US7524601B2 (en) 2005-02-04 2009-04-28 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Toner and method of manufacturing the toner
JP2015064408A (ja) * 2013-09-24 2015-04-09 カシオ計算機株式会社 消色型電子写真トナーの製造方法および消色型電子写真トナー

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