JP2005224689A - 被覆線条体の製造方法及び紫外線照射装置 - Google Patents

被覆線条体の製造方法及び紫外線照射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 樹脂の硬化の阻害が抑制されており透明管内面の曇りを除去しつつ被覆線条体を製造することができる方法、及び、その製造方法に用いられる紫外線照射装置を提供すること。
【解決手段】 線条体2に樹脂を塗布し、紫外線に対して透光性を有する透明管41内に樹脂が塗布された線条体を通過させると共に、紫外線光源42から紫外線を樹脂に照射して樹脂を硬化させることによって被覆線条体を製造する。線条体が透明管を通過する際に、透明管内における線条体が通過している走行領域αに不活性ガスを含む第1のガスが流れるように第1のガスを透明管内に供給すると共に、第1のガスに含まれる酸素よりも多く酸素を含む第2のガスが上記走行領域の周囲に流れるように第2のガスを透明管内に供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、線条体に樹脂が被覆された被覆線条体の製造方法、及び、その製造方法に用いられる紫外線照射装置に関するものである。
光ファイバに被覆が施された光ファイバ素線の機械的強度を保持するため、その外周に樹脂が被覆されて光ファイバ心線が形成される。また、多心の光ファイバケーブル内に収納される多心光ファイバ心線としては、高密度化をはかるため、複数の光ファイバ心線を並列に並べ、被覆樹脂によって一体化したテープ型ファイバ心線が用いられる。このように、線条体に樹脂による被覆を施した被覆線条体は、次のようにして製造される。
まず、線条体の表面に紫外線硬化型樹脂を塗布する。そして、樹脂が塗布された線条体を、紫外線照射装置内に設けられており紫外線に対して透光性を有する透明管(例えば、石英管)に通す。樹脂が塗布された線条体が透明管を通過する間に、樹脂に紫外線を照射し樹脂を硬化させて、被覆線条体を得る。
ところで、線条体に塗布された樹脂を硬化する工程において、樹脂の一部の成分は、樹脂が硬化する際に発生する反応熱や照射される光エネルギーの吸収による発熱により揮発し、透明管の内面に付着する。透明管の内面に付着した樹脂成分は紫外線照射により変質して透明管が曇る。
このような曇りを抑制しつつ被覆線条体を製造する方法として特許文献1や特許文献2に記載の技術が知られている。
特許文献1に記載の線条体の被覆方法では、石英管内で線条体に塗布された樹脂を硬化させる際に、石英管内に不活性ガスを線条体の走行方向に流す。そして、不活性ガスの流量を増やすことで樹脂から揮散した樹脂の一部の成分を透明管から排出している。
また、特許文献2に記載の方法では複数の透明管を使用して被覆線条体を製造している。3つの透明管を使用した場合について具体的に説明する。まず、樹脂が塗布された線条体を、その線条体の走行方向に沿って順に配置された3つの透明管に通す。そして、線条体が各透明管を通っている間に樹脂に紫外線を照射し硬化させる。
特許文献2に記載の技術では、1つの透明管内の酸素濃度を低酸素濃度に保ったまま、他の2つの透明管内のうち少なくとも1つの透明管内の酸素濃度を高酸素濃度にする。そして、高酸素濃度下で少なくとも1つの透明管内面の曇りを除去しつつ、被覆線条体を製造する。
特開2003−2699号公報 特開平11−347479号公報
上記特許文献1及び特許文献2に記載の技術でも曇りの増加を抑制しつつ被覆線条体を製造できているが、曇りの発生・増加を抑制することが更に求められつつある。
そこで、本発明の目的は、樹脂の硬化の阻害が抑制されており透明管内面の曇りを除去しつつ被覆線条体を製造することができる方法、及び、その製造方法に用いられる紫外線照射装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明に係る被覆線条体の製造方法は、線条体に樹脂を塗布し、紫外線に対して透光性を有する透明管内に樹脂が塗布された線条体を通過させると共に、紫外線光源から紫外線を樹脂に照射して樹脂を硬化させることによって被覆線条体を製造する方法であって、線条体が透明管を通過する際に、透明管内における線条体が通過している走行領域に不活性ガスを含む第1のガスが流れるように第1のガスを透明管内に供給すると共に、走行領域の周囲に酸素を含む第2のガスが流れるように第2のガスを透明管内に供給し、第1のガスの酸素濃度が第2のガスの酸素濃度より低いことを特徴とする。
この方法では、不活性ガスを含み第2のガスよりも酸素濃度の低い第1のガスが上記走行領域に流れるため、線条体に塗布された樹脂が硬化する場合に、酸素による硬化阻害が生じにくい。また、線条体の走行領域の周囲には、第1のガスよりも酸素を多く含む第2のガスが流れるため、透明管の内面付近は酸素濃度がより高くなる。したがって、その内面における曇りの発生・増加が抑制される。
また、上記方法では、走行領域の周囲に上記第2のガスが流れるため、線条体の走行速度を大きくしても特許文献1に記載された方法よりも透明管の内面が曇りにくくなっている。また、特許文献2に記載された方法は、曇りが発生した際にその曇りを除去しているのに対して、本発明に係る被覆線条体の製造方法では、曇り自体の発生が抑制されている。
また、本発明に係る被覆線条体の製造方法においては、第1のガスの流速を第2のガスの流速よりも速くすることが好ましい。この場合、第1のガスの流速が第2のガスの流速よりも速いため、第2のガスが、線条体の走行領域に流入しにくい。そのため、樹脂の硬化が更に阻害されにくい傾向にある。
更に、本発明に係る被覆線条体の製造方法においては、第2のガスを透明管の内面に吹き付けるように透明管内に供給することが好適である。この場合、透明管の内面付近の酸素濃度は更に高くなりやすいため、曇りがより解消されやすい。
また、本発明に係る被覆線条体の製造方法においては、透明管内のガスを強制的に排気することが好適である。透明管内のガスが強制的に排気されることにより、透明管の内面から揮散した曇り成分が透明管内から排出されやすい。
更に、本発明に係る被覆線条体の製造方法においては、透明管から排気されたガスのうち上記走行領域のガスの酸素濃度を測定し、その測定結果が第1の所定の範囲になるように第1のガスの供給量、第2のガスの供給量又は第2のガスの酸素濃度を調整することが好ましい。
この場合、第1のガスの供給量、第2のガスの供給量又は第2のガスの酸素濃度が調整されて、上記走行領域のガスの酸素濃度が第1の所定の範囲になる。そのため、樹脂の硬化が酸素によって阻害されることが更に生じにくい傾向にある。
更にまた、本発明に係る被覆線条体の製造方法においては、透明管から排気されたガスのうち上記走行領域のガスの酸素濃度を測定し、その測定結果が第1の所定の範囲になるように透明管から排気されるガスの量を調整することが好ましい。
この場合は、透明管から排気されるガスの量が調整されて、線条体の走行領域のガスの酸素濃度が第1の所定の範囲になる。そのため、樹脂の硬化が酸素によって阻害されることが更に生じにくい傾向にある。
また、本発明に係る被覆線条体の製造方法においては、透明管から排気されたガスのうち上記走行領域の周囲のガスの酸素濃度を測定し、その測定結果が第2の所定の範囲になるように第1のガスの供給量、第2のガスの供給量又は第2のガスの酸素濃度を調整することが好ましい。
この場合、第1のガスの供給量、第2のガスの供給量又は第2のガスの酸素濃度が調整されて、透明管から排気されたガスのうち透明管の内面側のガスの酸素濃度が第2の所定の範囲になる。そのため、曇りが除去されやすい。
また、本発明に係る被覆線条体の製造方法においては、透明管から排気されたガスのうち上記走行領域の周囲のガスの酸素濃度を測定し、その測定結果が第2の所定の範囲になるように透明管から排気されるガスの量を調整することが好ましい。
この場合も、透明管から排気されるガスの量が調整されて、線条体の走行領域の周囲の酸素濃度が第2の所定の範囲になる。そのため、曇りを除去しやすくなっている。
更に、本発明に係る被覆線条体の製造方法においては、上記走行領域のガスを排気するための第1のガス排気路及び上記走行領域の周囲のガスを排気するための第2のガス排気路から透明管内のガスを強制的に排気することが好ましい。
この場合、第1のガス排気路からは上記走行領域のガスが排気され、第2のガス排気路からはその走行領域の周囲のガスが排気される。そのため、第1及び第2のガスの排気量を調整することにより、走行領域を流れるガスの流速及び走行領域の周囲を流れるガスの流速を制御しやすくなっている。
また、本発明に係る被覆線条体の製造方法においては、第1のガス排気路を通して排気されたガスの酸素濃度を測定し、その測定結果が第1の所定の範囲になるように第1のガス排気路及び第2のガス排気路のうち少なくとも一方から排気されるガスの量を調整することが好適である。
この場合、第1のガス排気路及び第2のガス排気路のうち少なくとも一方から排気されるガスの量が調整されて、第1のガス排気路から排気されたガスの酸素濃度が第1の所定の範囲になる。第1のガス排気路からは上記走行領域のガスが排気されるため、その走行領域の酸素濃度が上記第1の所定の範囲になる。これにより、樹脂の硬化が酸素により阻害されることを生じにくくすることが可能である。
また、本発明に係る被覆線条体の製造方法においては、第2のガス排気路を通して排気されたガスの酸素濃度を測定し、その測定結果が第2の所定の範囲になるように第1のガス排気路及び第2のガス排気路のうち少なくとも一方から排気されるガスの量を調整することが好ましい。
この場合、第1のガス排気路及び第2のガス排気路のうち少なくとも一方から排気されるガスの量が調整されて、第2のガス排気路から排気されたガスの酸素濃度が第2の所定の範囲になる。第2のガス排気路からは、線条体の走行領域の周囲のガスが排気されるため、走行領域の周囲の酸素濃度が上記第2の所定の範囲になる。そのため、透明管の内面の曇りが除去されやすくなっている。
また、本発明に係る紫外線照射装置は、紫外線光源と透明管とを含み、透明管内を通過する線条体に塗布されている樹脂に紫外線光源から紫外線を出射し、樹脂を硬化させて被覆線条体を製造するための紫外線照射装置であって、透明管における線条体の入口側に取り付けられており、透明管の第1の端部開口の中央部から第1のガスを透明管内に供給する第1のガス供給路及びその中央部の周囲から第2のガスを透明管内に供給する第2のガス供給路が形成されている第1の蓋を備えることを特徴とする。
上記本発明に係る紫外線照射装置に、第1のガスとして不活性ガスを含むガスを供給し、第2のガスとして酸素を含むガスを供給し、第1のガスの酸素濃度を第2のガスの酸素濃度よりも低くする場合、第1のガスが、第1のガス供給路を通って透明管の第1の端部開口の中央部から透明管内に供給されるため、線条体が通過する走行領域に不活性ガスが流れやすい。そのため、線条体に塗布されている樹脂の硬化が酸素により阻害されにくい。また、第1のガスよりも酸素濃度が高い第2のガスが、第2のガス供給路を通って第1の端部開口の中央部の周囲から透明管内に供給されるため、透明管の内面付近の酸素濃度は高くなる。これにより、透明管の内面の曇りを除去することができる。
また、本発明に係る紫外線照射装置においては、第2のガス供給路は、第2のガスを透明管の内面に向けて吹き出すように形成されていることが好ましい。
この場合、第2のガスが透明管の内面に向かって吹き出すため、透明管の内面付近の酸素濃度が高くなりやすい。したがって、曇りが更に除去されやすい傾向にある。
更に、本発明に係る紫外線照射装置においては、透明管内のガスを排気する排気手段を備えることが望ましい。これにより、透明管内のガスが強制的に排気されるため、透明管の内面から揮散した曇り成分が透明管から排出されやすい。
また、本発明に係る紫外線照射装置においては、排気手段により透明管内から排気されたガスのうち透明管における線条体が通過する走行領域のガスの酸素濃度を測定する第1の酸素濃度計を備えることが好ましい。この場合、第1の酸素濃度計により、線条体が通過する領域の酸素濃度が測定される。そのため、その測定結果に応じて、第1及び第2のガスの供給量などを調整して、上記走行領域の酸素濃度を所望の値にすることもできる。
更に、本発明に係る紫外線照射装置においては、上記排気手段により透明管内から排気されたガスのうち透明管における線条体が通過する走行領域の周囲のガスの酸素濃度を測定する第2の酸素濃度計を備えることが好ましい。この場合、第2の酸素濃度計により、線条体が通過する領域の周囲の酸素濃度が測定される。そのため、その測定結果に応じて、第1及び第2のガスの供給量などを調整して、上記走行領域の周囲の酸素濃度を所望の値にすることもできる。
更にまた、本発明に係る紫外線照射装置においては、透明管の線条体の出口側に取り付けられており、透明管の第2の端部開口の中央部から透明管内のガスを排気する第1のガス排気路と、その中央部の周囲から透明管内のガスを排気する第2のガス排気路とが形成された第2の蓋を備え、上記排気手段は、第1のガス排気路から透明管内のガスを排気する第1の排気手段と、第2のガス排気路から透明管内のガスを排気する第2の排気手段とを含んで構成されていることが好ましい。
この場合、第1のガス排気路及び第2のガス排気路から透明管内のガスが排気されるため、透明管内において、線条体が通過する走行領域を主に流れる第1のガスと、その走行領域の周囲を流れる第2のガスとが混ざりにくい。したがって、樹脂の硬化が酸素により阻害することが抑えられ、曇りの分解が阻害されることが抑制される傾向にある。
更にまた、本発明に係る紫外線照射装置においては、第1のガス排気路から排気されたガスに含まれる酸素濃度を測定する第1の酸素濃度計及び第2のガス排気路から排気されたガスに含まれる酸素濃度を測定する第2の酸素濃度計の少なくとも一方を備えることが好適である。
この場合、第1及び第2のガス排気路から排気されたガスの少なくとも一方の酸素濃度が測定される。したがって、その測定結果に応じて透明管における第1及び第2のガスの供給される領域の少なくとも一方の酸素濃度を調整することも可能である。
本発明によれば、樹脂の硬化の阻害が抑制されており透明管内面の曇りを除去しつつ被覆線条体を製造することができる方法、及び、その製造方法に用いられる紫外線照射装置を提供することができる。
以下に、図面と共に本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下の説明においては、同一の要素には同一の符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、被覆線条体の製造方法を説明する図である。本実施形態では、被覆線条体は、特に断らない限り光ファイバ素線である。
被覆線条体1は、線条体2の外周に樹脂による被覆層が形成されたものであって、次のようにして製造される。まず、石英ガラスを主成分とする光ファイバ母材10が線引炉20にセットされる。光ファイバ母材10の一方の端部が、線引炉20が有するヒータ21により加熱・溶融され、光ファイバ母材10は線引きされる。
光ファイバ母材10が線引きされて形成された線条体2は、線条体2の走行方向(図1中の矢印Aの方向)において線引炉20の下流に設けられた塗布器30を通過する。塗布器30には、液状であって紫外線硬化型の樹脂が溜められている。そのため、線条体2が塗布器30を通過することにより、線条体2の外周に紫外線硬化型の樹脂が塗布される。なお、通常、樹脂は2層塗布される。
樹脂が塗布された線条体2は、その走行方向において塗布器30の下流に設けられている紫外線照射装置40を通過する。紫外線照射装置40は、線条体2の表面に塗布された樹脂に紫外線を照射して樹脂を硬化させ、被覆線条体1を形成する。
紫外線照射装置40を通過することによって形成された被覆線条体1は、ガイドローラ50及び引取り手段51を経て巻取りドラム52に巻き取られる。引取り手段51は、ベルト51aとローラ51bとを含んで構成されており、ベルト51aの回転とローラ51bの回転とにより被覆線条体1を巻取りドラム52に送りだす。引取り手段51のベルト51a及びローラ51b、並びに、巻取りドラム52の回転数を制御して線条体2の走行速度を調整する。
ここで、紫外線照射装置40についてより詳細に説明する。紫外線照射装置40は、線条体2を通過させる透明管41と、紫外線光源42と、反射鏡43とを含んで構成される。
透明管41は、紫外線に対して透光性を有していれば特に限定されないが、例えば、石英管である。紫外線光源42は、透明管41を通過する線条体2に塗布された樹脂に照射する紫外線を出力する。紫外線光源42は、例えば、メタルハライドランプである。
反射鏡43は、透明管41及び紫外線光源42の周囲に設けられている。線条体2の走行方向に略直交する平面で紫外線照射装置40を切断した場合、反射鏡43の形状は楕円である。そして、その楕円の2つ焦点の位置に夫々線条体2及び紫外線光源42が配置されるようになっている。
本実施形態の紫外線照射装置40において、透明管41における線条体2の入口側(塗布器30側)には蓋(第1の蓋)60が取り付けられている。また、透明管41における線条体2の出口側には蓋(第2の蓋)70が取り付けられている。
蓋60には、ガス供給管80A及びガス供給管80Bが接続されている。ガス供給管80Aの蓋60と反対側の端には、透明管41に第1のガスを供給するガス供給源(不図示)が接続されている。また、ガス供給管80Bの蓋60と反対側の端には、透明管41に第2のガスを供給するガス供給源(不図示)が接続されている。
上記第1のガスは不活性ガスの濃度が高いガスである。第1のガスは酸素を含んでいてもよいが、その酸素濃度は樹脂の硬化を阻害しない程度であって、好ましくは2%以下である。第2のガスは、第1のガスよりも酸素濃度が高いガスである。第2のガスの酸素濃度は、透明管41の内面の曇りを除去可能な濃度であって、好ましくは5%以上である。例えば、第1のガスには窒素ガスを使用でき、第2のガスには、大気を使用することができる。
ガス供給管80Aにおいて、ガス供給源と蓋60との間には、流量調節器81Aが設けられており、第1のガスの供給量及び流速が制御される。流量調節器81Aは、例えば、マスフローコントローラであるが、調節弁であってもよい。更に、流量調節器81Aと蓋60との間のガス供給管80Aには、酸素濃度計82Aが接続されており、第1のガスの酸素濃度が測定される。
同様に、ガス供給管80Bにおいて、第2のガス供給源と蓋60との間には、流量調節器81Aと同じ流量調節器81Bが設けられており、第2のガスの供給量及び流速が制御される。更に、流量調節器81Bと蓋60との間のガス供給管80Bには、酸素濃度計82Bが接続されており、第2のガスの酸素濃度が測定される。
なお、図1中において蓋60の左側に延びているガス供給管80Aは、蓋60の右側に延びているガス供給管80Aに接続されている。同様に、蓋60の左側に延びているガス供給管80Bは、蓋60の右側に延びているガス供給管80Bに接続されている。ただし、蓋60の左側に延びているガス供給管80A,80Bに、流量調節器81A,81B、酸素濃度計82A,82Bが接続されていてもよい。
また、蓋70には、樹脂が硬化された線条体2である被覆線条体1を透明管41から送り出すための送出管90が接続されている。また、送出管90には、送出管90を通して透明管41内のガスを排出する第1のガス排気管91Aが接続されている。第1のガス排気管91Aには、ポンプ(第1の排気手段)92Aが設けられており、透明管41内のガスが強制的に排気される。
また、送出管90とポンプ92Aとの間における第1のガス排気管91Aには、酸素濃度計(第1の酸素濃度計)93Aが接続されており、第1のガス排気管91Aを流れているガスの酸素濃度が測定される。
また、蓋70には、送出管90を介さずに透明管41内のガスを排気する第2のガス排気管91Bが接続されている。第2のガス排気管91Bには、ポンプ(第2の排気手段)92Bが設けられており、透明管41内のガスが強制的に排気される。蓋70とポンプ92Bとの間における第2のガス排気管91Bには、酸素濃度計(第2の酸素濃度計)93Bが接続されており、第2のガス排気管91Bを流れているガスの酸素濃度が測定される。
図2は、蓋60の中心軸線を含む断面構成の模式図である。図2は、蓋60が透明管41に取り付けられた状態を示している。
図2を参照して蓋60について説明する。蓋60は、略円柱状の入口部材61とカバー部材62とを有している。入口部材61には、線条体2を透明管41内に導入するための線条体入口63が形成されている。線条体入口63は、入口部材61の中心軸線、言い換えれば、蓋60の中心軸線を中心軸線とする穴である。蓋60における透明管41と反対側(端部60a側)には、線条体入口63に繋がっており、入口部材61の中心軸線に略直交する方向に延びている一対のガス供給穴64が形成されている。
また、ガス供給穴64よりも下側(透明管41側)における入口部材61の外周には、溝65が形成されている。更に、入口部材61には、溝65の内壁から蓋60の端部60bに貫通しているガス吹出し口66が形成されている。ガス吹出し口66の中心軸線は、線条体入口63の中心軸線と略平行である。
カバー部材62は、ガス導入管67を有し、入口部材61の周囲を覆っている。ガス導入管67は、仕切壁68で仕切られた2つの管を含んで構成されている。ガス導入管67の2つの管のうち、上側(透明管41側と反対側)の管を第1のガス導入管67Aと称し、下側(透明管41側)の管を第2のガス導入管67Bと称す。
図2に示すように、第1のガス導入管67Aは、ガス供給穴64に繋がっている。また、第1のガス導入管67Aにおけるガス供給穴64と反対側の端は、ガス供給管80Aに接続されている。これにより、第1のガスは、図2中の矢印Bに示すように、第1のガス導入管67A、ガス供給穴64及び線条体入口63を通って透明管41内に供給される。
すなわち、第1のガス導入管67A、ガス供給穴64及び線条体入口63は、第1のガスを透明管41に供給するための第1のガス供給路となっている。
また、第2のガス導入管67Bは溝65上に位置している。第2のガス導入管67Bの溝65と反対側の端は、ガス供給管80Bに接続されている。これにより、第2のガスは、溝65とカバー部材62とで囲まれる領域に流入し、その領域はガスが溜まるガス溜り部69となる。ガス溜り部69に流入した第2のガスは、ガス吹出し口66を通って透明管41内に供給される。したがって、第2のガスは、図2中の矢印Cで示すように、第2のガス導入管67B、ガス溜り部69及びガス吹出し口66を通って透明管41内に流入する。
すなわち、第2のガス導入管67B、ガス溜り部69及びガス吹出し口66は、第2のガスを透明管41内に供給するための第2のガス供給路となっている。
上記構成の蓋60は、その中心軸線が透明管41の中心軸線とほぼ一致するように透明管41に取り付けられる。
図3は、入口部材61の端部60bの平面図である。図3に示すように、線条体入口63は、端部60bの中央部に形成されている。これにより、第1のガス供給路からの第1のガスは、端部60bの中央部から透明管41内に供給される。換言すれば、第1のガスは、蓋60が取り付けられている側の透明管41の端部が有する開口(第1の端部開口)の中央部から透明管41内に供給される。また、ガス吹出し口66は、端部60bの中央部の周囲であって入口部材61の周縁側に複数形成されている。これにより、第2のガス供給路からの第2のガスは、端部60bの中央部の周囲であって入口部材61の周縁側から透明管41内に供給される。換言すれば、第2のガスは、上記第1の端部開口の中央部の周囲から透明管41内に供給される。
図4は、蓋70の中心軸線を含む断面構成の模式図である。図4は、蓋70が透明管41に取り付けられている状態を示している。図4を参照して蓋70について説明する。
蓋70は、略円柱状の出口部材71とカバー部材72とを有している。出口部材71には、樹脂が硬化した線条体2(被覆線条体1)を透明管41の外に出すための線条体出口73が形成されている。線条体出口73は、出口部材71の中心軸線を中心軸線とする穴である。線条体出口73の外周には溝74が形成されている。また、出口部材71には、溝74の内壁から出口部材71の透明管41側の端部70aに貫通しているガス排気口75が形成されている。ガス排気口75は、線条体出口73の周囲であって出口部材71の周縁側に形成されている。
カバー部材72は、出口部材71の周囲及び端部70bを覆っており、2つの接続管76,77を有する。
接続管76は線条体出口73の中心軸線に沿って延びている。接続管76の一端に送出管90が接続される。送出管90には、第1のガス排気管91A(図1参照)が接続されており、線条体出口73及び接続管76内のガスは第1のガス排気管91Aから排気される。上述したように線条体出口73は、出口部材71の中心軸線に沿って形成されている、言い換えれば、端部70aの中央部に形成されている。そのため、透明管41内のガスは、図4中の矢印Dで示すように、端部70aの中央部から線条体出口73及び接続管76を通って透明管41の外に排気される。
すなわち、線条体出口73及び接続管76は、端部70aの中央部から透明管41内のガスを排気するための第1のガス排気路となっている。換言すれば、線条体出口73及び接続管76は、蓋70が取り付けられている側の透明管41の端部が有する開口(第2の端部開口)の中央部から透明管41内のガスを排気するための第1のガス排気路となっている。
また、接続管77は、カバー部材72において溝74を覆っている領域に形成されており、接続管77の一端に第2のガス排気管91Bが接続される。溝74とカバー部材72とで形成される領域に、ガス排気口75から透明管41内のガスが流入し、その領域にガスが溜まりガス溜り部78となる。ガス溜り部78に流入したガスは、接続管77を通って第2のガス排気管91Bから排気される。
このように、透明管41内のガスは、図4中の矢印Eに示すように、ガス排気口75、ガス溜り部78及び接続管77を通っても透明管41の外に排気される。
上述したようにガス排気口75は、線条体出口73の周囲に形成されている、言い換えれば、端部70aの中央部の周囲に形成されている。したがって、ガス排気口75、ガス溜り部78及び接続管77は、端部70aの中央部の周囲から透明管41内のガスを排気するための第2のガス排気路となっている。換言すれば、ガス排気口75、ガス溜り部78及び接続管77は、蓋70が取り付けられている側の透明管41の上記第2の端部開口の中央部の周囲から透明管41内のガスを排気するための第2のガス排気路となっている。なお、ガス排気口75は、端部70bの周縁側に形成されているため、第2のガス排気路からは、透明管41の内面近傍のガスがより多く排気される。
ところで、図4は、蓋70の断面構成を示しており、線条体2を挟んで両側にガス溜り部78を記載している。それらのガス溜り部78は繋がっており、図4中左側のガス溜り部78に流入したガスも接続管77及び第2のガス排気管91Bを通って排気される。
上記構成の蓋70は、その中心軸線が透明管41の中心軸線とほぼ一致するように透明管41に取り付けられる。
上述した紫外線照射装置40を用いた本実施形態の被覆線条体の製造方法について説明する。
図1に示すように、塗布器30により樹脂が塗布された線条体2は、透明管41に取り付けられた入口部材61の線条体入口63を通って透明管41内に入り、その中を走行する。
線条体2が透明管41内を走行している間に、紫外線光源42から紫外線を樹脂に照射して樹脂を硬化させる。樹脂が硬化して被覆層が形成された被覆線条体1は、透明管41に取り付けられている出口部材71の線条体出口73を通って透明管41の外に出る。そして、被覆線条体1は、ガイドローラ50及び引取り手段51を経て巻取りドラム52に巻き取られる。
線条体2の外周に塗布された樹脂を硬化させるときには、第1のガスを、ガス供給管80A及び第1のガス供給路を通して透明管41に供給する。また、第2のガスを、ガス供給管80B及び第2のガス供給路を通して透明管41に供給する。第1のガス及び第2のガスは、それらの流速を流量調節器81A,81Bで調整して、第1のガスの流速が、第2のガスの流速よりも速くなるように透明管41内に供給する。
第1のガスは、線条体入口63を通って透明管41に流れ込み、線条体2が走行する領域である走行領域αを流れる。これにより、線条体2の周囲では不活性ガスの濃度が高くなる。上述した走行領域αは、例えば、蓋60に形成されている線条体入口63を蓋70側まで仮に延ばした場合に、その延長線(図1中の二点鎖線)により囲まれる領域である。
また、第2のガスは、ガス吹出し口66(図2参照)を通って透明管41に流れ、上記走行領域αの周囲を流れる。ガス吹出し口66は、端部60bの周縁側、すなわち、透明管41の内面側に形成されているため、透明管41の内面の酸素濃度が高くなる。
また、被覆線条体1を製造するときには、ポンプ92Aを用いて、図4に示す第1のガス排気路(線条体出口73及び接続管76)、送出管90及び第1のガス排気管91Aを通して透明管41内のガスを強制的に排気するとともに、ポンプ92Bを用いて、図4に示す第2のガス排気路(ガス排気口75、ガス溜り部78及び接続管77)と第2のガス排気管91Bとを通して透明管41内のガスを強制的に排気する。
線条体出口73を通って線条体2が透明管41から外に出ているため、線条体出口73からは、走行領域αのガスが主に排気される。また、ガス排気口75は、線条体出口73の周囲に形成されているため、第2のガス排気路からは走行領域αの周囲のガスが主に排気される。
また、第1のガス排気管91A及び第2のガス排気管91Bを流れるガスの酸素濃度を酸素濃度計93A,93B(図1参照)で測定する。そして、第1のガス排気管91Aを流れるガスの酸素濃度の測定結果が第1の所定の範囲になるように第1のガスの供給量、第2のガスの供給量又は第2のガスの酸素濃度を調整する。ここで、第1の所定の範囲とは、酸素による樹脂の硬化阻害が生じない酸素濃度の範囲であり、例えば、2%以下であり、好ましくは0.5%以下である。
上記調整としては、例えば、測定結果が第1の所定の範囲より高い場合には、第1のガスの供給量を増加させるか、第2のガスの供給量を減少させるか又は第2のガスの酸素濃度を低下させる。
また、第2のガス排気管91Bを流れるガスの酸素濃度の測定結果が第2の所定の範囲になるように、第1のガスの供給量、第2のガスの供給量又は第2のガスの酸素濃度を調整する。ここで、第2の所定の範囲とは、透明管41の内面の曇りを除去できる酸素濃度の範囲であり、例えば、5%以上である。上記調整は、例えば、測定結果が第2の所定の範囲より低い場合は、第1のガスの供給量を減少させるか、第2のガスの供給量を増加させるか又は第2のガスの酸素濃度を増加させる。
上述した第1及び第2のガスの供給量の調整は流量調節器81A,81Bを用いて実施する。また、第2のガスの酸素濃度は、酸素濃度計82Bで計測された酸素濃度の測定結果に応じて、ガス供給管80Bに接続されているガス供給源の第2のガスの酸素濃度を調整する。
なお、ここでは、上記測定結果が第1の所定の範囲及び第2の所定の範囲になるように第1のガスの供給量、第2のガスの供給量又は第2のガスの酸素濃度を調整しているが、例えば、第1及び第2の排気路から排気されるガスの量の少なくとも一方を調整してもよい。
次に、上記被覆線条体の製造方法によって奏される作用・効果について説明する。上述したように、透明管41を通過する線条体2の周囲には、第1のガスが流れているため、樹脂に紫外線が照射されて硬化する際に、酸素による硬化阻害が生じにくい。また、透明管41の内面付近には第2のガスが流れているため、透明管41の内面に生じている曇りが分解されやすい。これにより、透明管41の内面の曇りの発生・増加が抑制される。
言い換えれば、本実施形態の被覆線条体の製造方法では、透明管41内に第1及び第2のガスが供給されて、透明管41の中心軸線から透明管41の内面に向かって酸素濃度が高くなるような酸素濃度分布が形成される。そして、その酸素濃度分布において、透明管41の中心軸線近傍では、酸素濃度は樹脂の硬化阻害が生じない程度の低い濃度であって、透明管41の内面側で曇り除去が可能な程度に高い酸素濃度になっている。そのため、酸素による樹脂の硬化阻害を抑えつつ、透明管の曇りの発生・増加も抑制される。
また、線条体2の走行領域αの酸素濃度及び走行領域αの周囲のガスの酸素濃度が第1及び第2の所定の範囲になるように、第1のガスの供給量、第2のガスの供給量又は第2のガスの酸素濃度が調整されるため、樹脂の硬化が阻害されにくく、曇りが除去されやすい傾向になっている。
本実施形態では、線条体2の走行領域α及びその周囲のガスの酸素濃度の調整を実施するようにしているが、走行領域α及びその周囲の少なくとも一方について実施すればよい。この場合には、第1及び第2のガス排気管91A,91Bの少なくとも一方を流れる酸素濃度を計測する。そのため、酸素濃度計93A,93Bはその計測すべき第1及び第2のガス排気管91A,91Bに接続されていればよい。
また、第1のガスの流速が第2のガスの流速よりも速いため、第2のガスが走行領域αに流れ込みにくくなっている。これにより、第1及び第2のガスを透明管41内に供給しても、走行領域αの酸素濃度が上がりにくい。そのため、樹脂の硬化が酸素により阻害されることが生じにくい傾向にある。
ところで、第1のガスの流速を第2のガスの流速よりも速くして透明管41内に供給しても、蓋70側では流速の差が維持できない場合がある。
しかし、本実施形態では、第1及び第2のガス排気管91A,91Bにポンプ92A,92Bを設けて透明管41内のガスを強制的に排気している。したがって、第1及び第2のガスの流速の差に対応させてガスの排気量を調整することにより、第1及び第2の流速の差を透明管41の出口まで維持させることができる。そのため、第2のガスが走行領域に流入しにくく、樹脂の硬化が酸素により阻害されにくい。
また、上記のように透明管41内のガスが強制的に排気されるため、樹脂から揮散した樹脂の一部の成分や、透明管41の内面に生じている曇りのうち分解され揮散した曇り成分が透明管41内から排出されやすい。そのため、透明管41の内面における曇りの発生・増加が更に抑制される傾向にある。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。例えば、上述した蓋60の構成では、第2のガス供給路は、第2のガスを線条体2の走行方向に吹き出すように形成されている。しかし、第2のガス供給路は、透明管41の内面に第2のガスを吹き出すように形成されていてもよい。
図5を参照してより具体的に説明する。図5は、蓋60の他の形態の中心軸線に沿った断面構成の模式図である。図5に示す蓋100では、第2のガス供給路に含まれているガス吹出し口101が、入口部材61の端部60bに向かうにつれて線条体入口63から離れるように形成されている。この場合には、ガス吹出し口101から吹き出された第2のガスは透明管41の内面に吹き付けられるため、内面付近の酸素濃度が更に高くなりやすい。そのため、より透明管41の曇りが除去されやすい傾向にある。
また、図6は蓋60の他の形態の中心軸線を含む断面構成の模式図である。図7は図6に示す蓋110が有する入口部材61の端部60bの平面図である。
図6に示す蓋110では、第2のガス供給路は、第2のガスが図6に示す矢印Fのように、スパイラル状に透明管41内を流れるように形成されている。このように第2のガスをスパイラル状に透明管41内に流すためには、例えば、図7に示すようにガス吹出し口111における溝65(図6参照)側の開口と端部60b側の開口とが入口部材61の周方向にずれるように形成しておけばよい。
更に、蓋60の構成は、線条体2が走行する領域である走行領域に第1のガスを流せるように第1のガス供給路が形成されており、その走行領域の周囲に第2のガスを流せるように第2のガス供給路が形成されていれば特に限定されない。例えば、線条体入口63を用いずに第1のガス供給路を構成してもよい。
この場合の蓋の例を図8に示す。図8に示す蓋120のように、線条体入口63とガス吹出し口66との間であって線条体入口63側から第1のガスが吹き出すようにガス供給穴64に繋がったガス供給口121を形成しておけばよい。
また、カバー部材62は、特に用いなくても第1のガス供給路及び第2のガス供給路に第1及び第2のガスを供給できればよい。
更に、蓋70は、線条体出口73が形成されていればその構成は特に限定されないが、第1及び第2のガスが透明管41内でよどまないように上述した第1及び第2の排気路を形成しておく方がよい。なお、第1及び第2の排気路は、上記好適な場合の形態に限られず、第1の排気路は、端部70aの中央部からガスを排気でき、第2の排気路は、その中央部の周囲からガスを排気できるように形成されていればよい。
また、被覆線条体1は光ファイバ素線として説明したが、被覆線条体は、光ファイバ着色心線やテープ型ファイバ心線でもよい。光ファイバ着色心線を製造する場合には、線条体を光ファイバ素線とする。また、テープ型ファイバ心線を製造する場合には、光ファイバ心線を束ねたものを線条体とする。
テープ型ファイバ心線を製造する場合には、第1のガスの酸素濃度は、例えば、2%以下が好適である。光ファイバ着色心線を製造する場合、通常、樹脂に顔料が含まれているため、第1のガスに含まれる酸素濃度は1%以下が好ましい。
更に、第1の排気手段及び第2の排気手段としてポンプ92A及びポンプ92Bを用いているが、ポンプに限られない。例えば、第1及び第2の排気管を負圧の排気ダクトに接続していても良い。また、第1及び第2の排気手段のどちらか一方を設けておけばよいが、第1及び第2の排気手段を共に設けるほうが好ましい。
更にまた、酸素濃度計93Aの位置は、走行領域αの酸素濃度を計測できれば特に限定されず、酸素濃度計93Bの位置は、走行領域αの周囲の酸素濃度が計測できれば特に限定されない。
本実施形態に係る被覆線条体の製造方法を説明する図である。 蓋60の中心軸線を含む断面構成を示す模式図である。 入口部材61における透明管側の端部60bの平面図である。 蓋70の中心軸線を含む断面構成を示す模式図である。 蓋60の他の形態における中心軸線を含む断面構成を示す模式図である。 蓋60の更に他の形態の中心軸線を含む断面構成の模式図である。 蓋110が有する入口部材の端部の平面図である。 蓋60の更に他の形態における中心軸線を含む断面構成を示す模式図である。
符号の説明
1…被覆線条体、2…線条体、40…紫外線照射装置、41…透明管、42…紫外線光源、60b…端部、60…蓋(第1の蓋)、63…線条体入口、64…ガス供給穴、66…吹出し口、67…ガス導入管、67A…第1のガス導入管、67B…第2のガス導入管、69…ガス溜り部、70…蓋(第2の蓋)、70a…端部、73…線条体出口、75…ガス排気口、76,77…接続管、78…ガス溜り部、92A…ポンプ(第1の排気手段)、92B…ポンプ(第2の排気手段)、93A,93B…酸素濃度計。

Claims (18)

  1. 線条体に樹脂を塗布し、紫外線に対して透光性を有する透明管内に前記樹脂が塗布された前記線条体を通過させると共に、紫外線光源から紫外線を前記樹脂に照射して前記樹脂を硬化させることによって被覆線条体を製造する方法であって、
    前記線条体が前記透明管を通過する際に、前記透明管内における前記線条体が通過している走行領域に不活性ガスを含む第1のガスが流れるように前記第1のガスを前記透明管内に供給すると共に、前記走行領域の周囲に酸素を含む第2のガスが流れるように前記第2のガスを前記透明管内に供給し、前記第1のガスの酸素濃度が前記第2のガスの酸素濃度より低いことを特徴とする被覆線条体の製造方法。
  2. 前記第1のガスの流速を前記第2のガスの流速よりも速くすることを特徴とする請求項1に記載の被覆線条体の製造方法。
  3. 前記第2のガスを前記透明管の内面に吹き付けるように前記透明管内に供給することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の被覆線条体の製造方法。
  4. 前記透明管内のガスを強制的に排気することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の被覆線条体の製造方法。
  5. 前記透明管から排気されたガスのうち前記走行領域のガスの酸素濃度を測定し、その測定結果が第1の所定の範囲になるように前記第1のガスの供給量、前記第2のガスの供給量又は前記第2のガスの酸素濃度を調整することを特徴とする請求項4に記載の被覆線条体の製造方法。
  6. 前記透明管から排気されたガスのうち前記走行領域のガスの酸素濃度を測定し、その測定結果が第1の所定の範囲になるように前記透明管から排気されるガスの量を調整することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の被覆線条体の製造方法。
  7. 前記透明管から排気されたガスのうち前記走行領域の周囲のガスの酸素濃度を測定し、その測定結果が第2の所定の範囲になるように前記第1のガスの供給量、前記第2のガスの供給量又は前記第2のガスの酸素濃度を調整することを特徴とする請求項4〜請求項6の何れか1項に記載の被覆線条体の製造方法。
  8. 前記透明管から排気されたガスのうち前記走行領域の周囲のガスの酸素濃度を測定し、その測定結果が第2の所定の範囲になるように前記透明管から排気されるガスの量を調整することを特徴とする請求項4〜請求項7の何れか1項に記載の被覆線条体の製造方法。
  9. 前記走行領域のガスを排気するための第1のガス排気路及び前記走行領域の周囲のガスを排気するための第2のガス排気路から前記透明管内のガスを強制的に排気することを特徴とする請求項4〜請求項8の何れか1項に記載の被覆線条体の製造方法。
  10. 前記第1のガス排気路を通して排気されたガスの酸素濃度を測定し、その測定結果が第1の所定の範囲になるように前記第1のガス排気路及び前記第2のガス排気路のうち少なくとも一方から排気されるガスの量を調整することを特徴とする請求項9に記載の被覆線条体の製造方法。
  11. 前記第2のガス排気路を通して排気されたガスの酸素濃度を測定し、その測定結果が第2の所定の範囲になるように前記第1のガス排気路及び前記第2のガス排気路のうち少なくとも一方から排気されるガスの量を調整することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の被覆線条体の製造方法。
  12. 紫外線光源と透明管とを含み、前記透明管内を通過する線条体に塗布されている樹脂に前記紫外線光源から紫外線を出射し、前記樹脂を硬化させて被覆線条体を製造するための紫外線照射装置であって、
    前記透明管における前記線条体の入口側に取り付けられており、前記透明管の第1の端部開口の中央部から第1のガスを前記透明管内に供給する第1のガス供給路及び前記中央部の周囲から第2のガスを前記透明管内に供給する第2のガス供給路が形成されている第1の蓋を備えることを特徴とする紫外線照射装置。
  13. 前記第2のガス供給路は、前記第2のガスを前記透明管の内面に向けて吹き出すように形成されていることを特徴とする請求項12に記載の紫外線照射装置。
  14. 前記透明管内のガスを排気する排気手段を備えることを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の紫外線照射装置。
  15. 前記排気手段により前記透明管内から排気されたガスのうち前記透明管における前記線条体が通過する走行領域のガスの酸素濃度を測定する第1の酸素濃度計を備えることを特徴とする請求項14に記載の紫外線照射装置。
  16. 前記排気手段により前記透明管内から排気されたガスのうち前記透明管における前記線条体が通過する走行領域の周囲のガスの酸素濃度を測定する第2の酸素濃度計を備えることを特徴とする請求項14に記載の紫外線照射装置。
  17. 前記透明管の前記線条体の出口側に取り付けられており、前記透明管の第2の端部開口の中央部から前記透明管内のガスを排気する第1のガス排気路と、前記中央部の周囲から前記透明管内のガスを排気する第2のガス排気路とが形成された第2の蓋を備え、
    前記排気手段は、前記第1のガス排気路から前記透明管内のガスを排気する第1の排気手段と、前記第2のガス排気路から前記透明管内のガスを排気する第2の排気手段とを含んで構成されていることを特徴とする請求項14に記載の紫外線照射装置。
  18. 前記第1のガス排気路から排気されたガスに含まれる酸素濃度を測定する第1の酸素濃度計及び前記第2のガス排気路から排気されたガスに含まれる酸素濃度を測定する第2の酸素濃度計の少なくとも一方を備えることを特徴とする請求項17に記載の紫外線照射装置。
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