JP2005162523A - 被覆線条体の製造方法及び紫外線照射装置 - Google Patents

被覆線条体の製造方法及び紫外線照射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 透明管内の酸素濃度の上昇を抑制しつつ被覆線条体を製造する方法、及び、その製造方法に用いられる紫外線照射装置を提供すること。
【解決手段】 線条体10に樹脂を塗布し、紫外線照射装置30に設けられ紫外線に対して透光性を有する透明管50内に樹脂が塗布された線条体を通過させる。この際、紫外線照射装置内の紫外線光源60から紫外線を照射して樹脂を硬化させることによって被覆線条体40を製造する。この製造において、線条体が透明管を通過する際に、透明管における線条体の入口から透明管内に流れ込む外気の量を減少させると共に、不活性ガスを含む第1のガスを透明管内に供給し、透明管における第1のガスを供給している部分と異なる部分から透明管内のガスを吸引排気する。そして、透明管内の酸素濃度をモニタし、そのモニタ結果に応じて第1のガスの流量を調節することにより酸素濃度を所定の範囲内とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、線条体に樹脂が被覆された被覆線条体の製造方法、及び、その製造方法に用いられる紫外線照射装置に関するものである。
光ファイバに被覆が施された光ファイバ素線の機械的強度を保持するため、その外周に樹脂が被覆されて光ファイバ心線が形成される。また、多心の光ファイバケーブル内に収納される多心光ファイバ心線としては、高密度化をはかるため、複数の光ファイバ心線を並列に並べ、被覆樹脂によって一体化したテープ型ファイバ心線が用いられる。このように、線条体に樹脂による被覆を施された被覆線条体を製造する方法としては、例えば、特許文献1に記載の方法が知られている。
特許文献1に記載の線条体の被覆方法では、まず、線条体の表面に紫外線硬化型樹脂を塗布し、樹脂が塗布された線条体を石英管内に通す。そして、石英管を介して、線条体に塗布された樹脂に紫外線を照射して樹脂を硬化させて被覆線条体を形成する。
樹脂の硬化は、酸素があると阻害されるため、石英管内に不活性ガスを導入する。特許文献1に記載の技術では、石英管において、線条体の入口側から出口側に向かって不活性ガスを流す。この場合、不活性ガスが線条体の走行方向に流れ、線条体の線ぶれが抑制されるようになっている。
また、特許文献2には、照射装置チューブの入口に注入アセンブリを設け、照射装置チューブへの層流とそれとは逆向きの流れを作り、その逆向きの流れにより硬化装置内に酸素が入るのを防ぐ技術が開示されている。
特開2003−2699号公報 特開2001−139351号公報
上記のように、特許文献1に記載の技術では、線条体に塗布された樹脂の硬化が酸素により阻害されないように、石英管内に不活性ガスが導入されている。
しかしながら、線条体の走行速度を上げると、石英管内の酸素濃度が高くなる場合がある。このように、石英管内の酸素濃度が高くなると、樹脂の硬化が阻害され、樹脂が未硬化になるという問題が生じる。
本発明の目的は、透明管内の酸素濃度の上昇を抑制しつつ被覆線条体を製造する方法、及び、その製造方法に用いられる紫外線照射装置を提供することである。
本発明者らは、被覆線条体の製造において、透明管内の酸素濃度の上昇を抑制する方法に関して鋭意研究した。そして、線条体が透明管内に導入される際、線条体の周りの外気が線条体と共に透明管内に流れ込む随伴流が生じていることを、見出した。このように,随伴流が生じていると、線条体の走行速度を上げた際に、透明管内に流れ込む外気の量が増加し、透明管内の酸素濃度が上昇する。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、本発明に係る被覆線条体の製造方法は、線条体に樹脂を塗布し、紫外線に対して透光性を有する透明管内に樹脂が塗布された線条体を通過させると共に、紫外線光源から紫外線を樹脂に照射して樹脂を硬化させることによって被覆線条体を製造する方法であって、線条体が透明管を通過する際に、透明管における線条体の入口から透明管内に流れ込む外気の量を減少させ、不活性ガスを含む第1のガスを前記透明管内に供給し、透明管における第1のガスを供給している部分と異なる部分から透明管内のガスを吸引排気し、透明管内の酸素濃度をモニタし、そのモニタ結果に応じて第1のガスの流量を調節することにより前記酸素濃度を所定の範囲内とすることを特徴とする。
この場合、線条体が透明管を通過する際に、透明管における線条体の入口から透明管内に流れ込む外気の量が減少する。これにより、透明管内の酸素濃度が高くなることが抑制される。また、第1のガスが透明管内に供給されると共に、透明管内のガスは吸引排気される。そして、透明管内の酸素濃度のモニタ結果に応じて、第1のガスの流量を調節することによって上記酸素濃度が所定の範囲になる。このように透明管内の酸素濃度が所定の範囲に調節されるため、線条体に塗布された樹脂の硬化が酸素により阻害されることを抑制することができる。
また、本発明に係る被覆線条体の製造方法においては、吸引排気される透明管内のガスの量を調節することによって透明管内の酸素濃度を調節することが好適である。
この場合、吸引排気される透明管内のガスの量が調節されて、それによって透明管内の酸素濃度が調節される。このように吸引排気されるガスの量を調節することによっても透明管内の酸素濃度を調節できるため、樹脂の硬化が酸素により阻害されることを更に抑制しやすい。
更に、本発明に係る被覆線条体の製造方法においては、不活性ガスを含む第1のガスを、透明管内に、第1のガスが線条体の走行方向に流れるように供給し、透明管における線条体の入口側の端部から不活性ガスを含む第2のガスを、外気が透明管内に流れ込まないように線条体の走行方向と反対の方向に吹き出すことが好ましい。
この場合、第1のガスは、透明管内において線条体の走行方向に流れる。そのため、第1のガスが透明管内に供給されても線条体の線ぶれが生じにくい。また、第2のガスは、外気が透明管内に流れ込まないように上記線条体の入口側の端部から線条体の走行方向と反対の方向に流れる。これにより、透明管内の酸素濃度が高くなることが更に抑制される傾向にある。
また、本発明に係る被覆線条体の製造方法においては、透明管における線条体の入口側に設けられたガス供給口から第1のガスを、透明管内に、第1のガスが線条体の走行方向に流れるように供給し、透明管における入口側に設けられたガス吹出し口から第2のガスを、外気が透明管内に流れ込まないように線条体の走行方向と反対の方向に吹き出すことが望ましい。
この場合、ガス供給口から第1のガスが線条体の走行方向に流される。そのため、透明管内において線条体の線ぶれが生じにくい。また、ガス吹出し口から第2のガスが、線条体の走行方向と反対の方向に、外気が透明管内に流れ込まないように流される。これにより、透明管内に流れ込む外気の量が減少するので、透明管内の酸素濃度が高くなりにくい。
更にまた、本発明に係る被覆線条体の製造方法においては、透明管内の酸素濃度をモニタし、そのモニタ結果に応じて第2のガスの流量を調節することにより上記酸素濃度を所定の範囲内とすることが好適である。
この場合、透明管内の酸素濃度がモニタされ、そのモニタ結果である透明管内の酸素濃度に応じて第2のガスの流量が調節される。したがって、第2のガスの流量を調節することによっても、透明管内の酸素濃度が所定の範囲に調節されるため、線条体に塗布された樹脂の硬化が酸素により阻害されることを更に抑制することができる傾向にある。
また、本発明に係る被覆線条体の製造方法においては、透明管内の酸素濃度をモニタし、そのモニタ結果が所定の範囲内の場合は第1のガスを流す一方で第2のガスの吹き出しを停止し、上記酸素濃度が所定の範囲内にない場合は第1のガスを流すと共に第2のガスを吹き出すことが好ましい。
この場合、透明管内の酸素濃度が所定の範囲内の場合は第1のガスが流れる一方で第2のガスは流されない。第1のガスが流されることにより、透明管内には不活性ガスが供給されるため、樹脂の硬化が酸素により阻害されにくい。
また、透明管内の酸素濃度が所定の範囲内でない場合は、第1のガス及び第2のガスが流れる。第2のガスが流れることにより、透明管における線条体の入口から酸素が透明管内に流入することが、抑制される。一方、第1のガスが流れているため、透明管内に不活性ガスを含むガスが供給され、透明管内の不活性ガスの濃度が上がる。したがって、透明管内の酸素濃度が下がり、透明管内の酸素濃度を所定の範囲にすることができる。
更に、本発明に係る被覆線条体の製造方法においては、透明管内の酸素をモニタし、透明管内の酸素濃度が所定の範囲となるように第1のガスに含まれる酸素濃度を調節することが望ましい。
この場合、モニタされた透明管内の酸素濃度が所定の範囲となるように第1のガスに含まれる酸素濃度が調節される。そのため、透明管内の酸素濃度を所定の範囲に調節することが容易になる。
また、本発明に係る被覆線条体の製造方法においては、透明管内の気圧を透明管外の気圧よりも10Pa以上10kPa以下高くすることが好ましい。
この場合、透明管内の気圧が透明管外の気圧よりも10Pa以上10kPa以下高くなる。そのため、線条体が透明管を通過する際に、線条体に伴って外気が透明管内に巻き込まれることが更に減少する傾向にある。これにより、透明管内の酸素濃度の増加が更に抑制されやすい。
更に、本発明に係る紫外線照射装置は、紫外線光源と透明管とを含み、透明管内を通過する線条体に塗布されている樹脂に紫外線光源から紫外線を出射し、樹脂を硬化させて被覆線条体を製造するための紫外線照射装置であって、透明管に線条体が挿入される透明管の開口部から透明管内に巻き込まれる外気の量を減少させる外気流入低減手段と、不活性ガスを含むガスを透明管に供給するガス供給手段と、透明管において不活性ガスを含むガスが供給される部分と異なる部分から透明管内のガスを吸引排気する吸引排気手段と、透明管内の酸素濃度を測定する酸素濃度計とを備えることを特徴とする。
この場合、外気流入低減手段により、透明管の開口部から透明管内に巻き込まれる外気の量が減少する。そして、ガス供給手段により、不活性ガスを含むガスが透明管内に供給される一方、透明管内のガスは、吸引排気手段により吸引排気される。また、酸素濃度計により透明管内の酸素濃度が測定される。外気流入低減手段により、透明管内の酸素濃度が上昇することが抑制されているため、透明管内の酸素濃度が増加しにくい。そして、酸素濃度計により測定された酸素濃度に応じて、ガス供給手段により供給されるガスの量、及び、透明管内から排気されるガスの量を調節することにより、透明管内の酸素濃度を調節することが可能である。
また、本発明に係る紫外線照射装置は、不活性ガスを含むガスを透明管に供給し、透明管内を通過する線条体の走行している方向の流れである下降流を生じせしめる下降流生成手段と、透明管における線条体の入口側の端部から不活性ガスを含むガスを吹き出して線条体の走行する方向と反対の方向に流れである上昇流を生じせしめる上昇流生成手段とを備え、下降流生成手段で生成される下降流の流量と上昇流生成手段で生成される上昇流の流量とを夫々制御することが望ましい。
この場合、下降流生成手段により、透明管内に供給された不活性ガスを含むガスが、線条体が走行する方向に流れる。そのため、ガスが透明管内に供給されても線条体に線ぶれが生じにくい。また、上昇流生成手段により、透明管における線条体の入口側の端部から吹き出された不活性ガスを含むガスが、線条体の走行する方向と反対の方向に流れる。外気が透明管内に巻き込まれることが抑制される。そして、上昇流及び下降流の流量を夫々制御するため、透明管内の酸素濃度を更に調節しやすい。
本発明によれば、透明管内の酸素濃度の上昇を抑制しつつ被覆線条体を製造する方法、及び、その製造方法に用いられる紫外線照射装置を提供することができる。
以下に、図面と共に本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下の説明においては、同一の要素には同一の符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態に係る被覆線条体の製造工程を説明する図である。被覆線条体は、次のようにして製造される。まず、線条体10を図中の矢印Aの方向に走行させ塗布器20を通過させる。線条体10は、例えば、光ファイバ母材を線引きして形成されたファイバガラス、光ファイバ素線、及び、並列に束ねられた光ファイバ心線などである。
線条体10が通過する塗布器20には、液状であって紫外線硬化型の樹脂が溜められている。そのため、線条体10が塗布器20を通過することにより、線条体10の外周に紫外線硬化型の樹脂が塗布される。なお、線条体10を光ファイバ素線として光ファイバ心線を製造する場合には、樹脂には顔料が含まれている。
樹脂が塗布された線条体10は、線条体10の走行方向において塗布器20の下流に設けられている紫外線照射装置30を通過する。紫外線照射装置30は、線条体10の表面に塗布された樹脂に紫外線を照射して樹脂を硬化させ、被覆線条体40を形成する装置である。ここで、紫外線照射装置30について説明する。
紫外線照射装置30は、樹脂が塗布された線条体10を通過させる透明管50と、透明管50内を通過する樹脂を硬化させるための紫外線を出力する紫外線光源60とを含んで構成されている。紫外線光源60は、透明管50の外に配置されている。紫外線光源60は、紫外線を出力するものであれば特に限定されないが、例えば、メタルハライドランプである。透明管50は、紫外線に対して透光性を有していれば特に限定されないが、例えば、石英管である。
透明管50における塗布器20側の端部51には蓋70が取り付けられている。蓋70は、略円柱状の入口部材71を有する。入口部材71の外周面には溝72が形成されている。なお、外周面に溝72が形成されているとしているが、入口部材71の軸線方向における中央部近傍の外径が、軸線方向において中央部の両側よりも小さくなっていればよい。
入口部材71には、線条体10を透明管50内に導入するための線条体入口73、及び、透明管50内に不活性ガスを含むガスを供給ためのガス供給口74が形成されている。本明細書では、ガス供給口74を通って透明管50内に供給される不活性ガスを含むガスを第1のガスと称す。
線条体入口73は、入口部材71の軸線方向に入口部材71を貫通している穴である。ガス供給口74の形状は、ガス供給口74から透明管50内に供給される第1のガスが、線条体10の走行方向とほぼ平行になるように透明管50内を流れるように形成されていれば特に限定されない。
ガス供給口74は、例えば、入口部材71の端面71aから溝72まで延びており、線条体入口73の軸線とほぼ平行な軸線を有する穴である。
入口部材71の外周には、ガス供給管75を備えたカバー部材76が設けられている。カバー部材76の内壁面と溝72とによりガス溜り部77が形成されている。
ガス供給管75には、配管80を介してガス供給源(不図示)が接続されている。ガス供給源は、第1のガスとなるべき不活性ガスを含むガスを供給するものである。不活性ガスとしては、例えば、窒素やヘリウムガスである。ガス供給源から配管80及びガス供給管75を通って流入するガスは、ガス溜り部77を経てガス供給口74から透明管50内部に第1のガスとして導入される。このように、ガス供給口74、ガス溜り部77及びガス供給管75は、不活性ガスを含むガスを透明管50に供給するガス供給手段として機能する。
ガス供給源とガス供給管75との間の配管80には、マスフローコントローラ(以下、「MFC」という)や調整弁などの流量調節器81が設けられており、第1のガスの量が調節されるようになっている。また、流量調節器81とガス供給管75との間、言い換えれば、流量調節器81の下流には、マノスターゲージなどの圧力計82が配置されている。
なお、図1中において、線条体10を挟んで対称に配管80が延びており、一方の側の配管80に圧力計82及び流量調節器81が配置されている。これは記載の便宜のためであって、図中右側に延びている配管80は、図中左側に延びている配管80に、例えば、圧力計82とガス供給管75との間で接続されている。なお、図1中において左右夫々に延びている配管80に圧力計82及び流量調節器81が設けられていてもよい。
透明管50の端部51と反対側の端部52には、蓋90が取り付けられている。蓋90は、略円柱状の出口部材91を有する。出口部材91の外周には溝92が形成されている。出口部材91には、出口部材91の軸線に沿って出口部材91を貫通している穴であって、線条体10が透明管50を通過し出て行くための線条体出口93が形成されている。
また、出口部材91には、透明管50内のガスを排出するためのガス排出口94が形成されている。ガス排出口94の形状は特に限定されないが、例えば、出口部材91の端面91aから溝92まで延びており、線条体出口93の軸線とほぼ平行な軸線を有する穴である。出口部材91の外周には、ガス排出管95を備えたカバー部材96が取り付けられている。カバー部材96の内壁面と溝92とによりガス溜り部97が形成されている。
ガス排出管95には、排気ダクト100に繋がっている配管101が接続されている。排気ダクト100は負圧になっており、透明管50内のガスが、ガス排出口94、ガス溜り部97、ガス排出管95及び配管101を通って吸引排気されるようになっている。このように、ガス排出口94、ガス溜り部97及びガス排出管95は、第1のガスが供給される部分と異なる部分から透明管50内のガスを吸引排気する吸引排気手段として機能する。
また、配管101には、MFCや調整弁などの流量調節器102が設けられている。この流量調節器102によって、排気ダクト100に吸引される透明管50内のガスの流量が調節される。更に、流量調節器102と排気ダクト100との間の配管101には、一端が酸素濃度計103に繋がっている配管104が接続されている。これにより、透明管50内から吸引されたガスの酸素濃度、言い換えれば、透明管50内の酸素濃度が酸素濃度計103により計測される。なお、酸素濃度計103は、流量調節器102の一次側(上流側、すなわち、ガス排出管95側)にあってもよい。
また、配管101において、流量調節器102の上流側には、フィルタ106が設けられている。フィルタ106は、透明管50内の樹脂から揮発した樹脂の一部の成分等を除去し、流量調節器102へのダメージを防ぐ。更に、フィルタ106の上流であって、ガス排出管95との間には、マノスターゲージなどの圧力計107が配置されている。
なお、図1中、線条体10を挟んで対称に配管101が延びており、一方の側の配管101にフィルタ106、流量調節器102などが配置されている。これは記載の便宜のためであって、図中右側に延びている配管101は、図中左側に延びている配管101に、例えば、フィルタ106とガス排出管95との間で接続されていている。なお、図1中、左右夫々に延びている配管101に圧力計107、フィルタ106及び流量調節器102などが設けられていてもよい。
図2は、蓋70の一例の斜視図である。蓋70は入口部材71の外周に形成された溝72を覆うようにカバー部材76が取り付けられて構成されている。図2に示すように溝72は、入口部材71の周方向に形成されている。ガス供給口74の数は特に限定されないが、例えば、図2に示すように周方向に複数形成されている。
図3は、蓋90の一例の斜視図である。蓋90は出口部材91の外周に形成された溝92を覆うようにカバー部材96が取り付けられて構成されている。図3に示すように溝92は、出口部材91の周方向に形成されている。ガス排出口94の数は特に限定されないが、例えば、図3に示すように周方向に複数形成されている。
図1を参照して上述した紫外線照射装置30を用いた被覆線条体の製造方法についてより詳細に説明する。
塗布器20により樹脂が塗布された線条体10は、透明管50に取り付けられた入口部材71の線条体入口73を通って透明管50内に入り、透明管50内を走行する。このように、透明管50に取り付けられた入口部材71の線条体入口73は、透明管50に線条体10を挿入する透明管50の開口部として機能する。
線条体10が引取り手段(不図示)により引き取られて透明管50内を走行している間に、紫外線光源60から紫外線を樹脂に照射して樹脂を硬化させる。樹脂が硬化して被覆層が形成された被覆線条体40は、透明管50に取り付けられている出口部材91の線条体出口93を通って透明管50の外にでる。そして、被覆線条体40は、巻取りドラム(不図示)に巻き取られる。
なお、被覆線条体40としては、上述した線条体10であるファイバガラス、光ファイバ素線、及び、並列され束ねられた光ファイバ心線などに夫々対応して、例えば、光ファイバ素線、光ファイバ心線、及び、テープ型ファイバ心線などである。
線条体10の外周に塗布された樹脂を硬化させる際には、ガス供給源から配管80、ガス供給管75を通して不活性ガスを含むガスを、入口部材71のガス溜り部77に導入する。そして、ガス供給口74から第1のガスとして透明管50内に不活性ガスを含むガスを供給する。不活性ガスを含む第1のガスを透明管50内に供給することで、樹脂の硬化が酸素により阻害されることを防ぐためである。
ガス供給口74からは、第1のガスが、線条体10の走行方向に流れるように、言い換えれば、下降流として流れるように透明管50内に供給される。
ところで、透明管50内のガスが排気されない、又は、第1のガスの供給量に対して排気量が少ない場合、第1のガスが透明管50内で下降流として流れない場合がある。
本実施形態における紫外線照射装置30においては、透明管50内のガスは、線条体10の出口側のガス排出口94を通って排気ダクト100に吸引排気されており、排気量は流量調節器102により調節される。また、第1のガスの量は、流量調節器81で調節される。したがって、流量調節器81,102で夫々第1のガスの流量、及び、排気される透明管50内のガスの量を調節することによって、第1のガスを下降流とすることが可能である。このように、流量調節器81,102、ガス供給口74及びガス排出口94は、不活性ガスを含むガスを透明管50に供給し、透明管50を通過する線条体10の走行している方向の流れである下降流を生じせしめる下降流生成手段として機能する。
上述したように第1のガスは、下降流として透明管50内に供給されるため、第1のガスの供給量を多くしたとしても線条体10に線ぶれが生じにくい。なお、線ぶれを防止する観点からは、ガス供給口74は、入口部材71の周方向に等間隔で複数形成されていることが望ましい。
また、樹脂を硬化させる工程においては、樹脂が硬化する際に自ら発する熱、及び、紫外線光源60が発する熱等により樹脂の一部の成分が揮発する。この揮発した成分が透明管50内面に付着し硬化して透明管50の内面に曇りが生じる。この曇りにより樹脂への紫外線量が減少し、樹脂が硬化することが妨げられることが知られている。
上述したように、第1のガスが下降流として流れることにより、樹脂の揮発成分が透明管50の出口側に押し流され、ガス排出口94から吸引排気される。そのため、揮発成分が透明管50の内面に付着しにくい。これにより、曇りが低減されるので、樹脂の未硬化が抑制される。
更に、本実施形態の被覆線条体の製造方法においては、透明管50内の気圧を、透明管50外の気圧よりも10Pa以上10kPa以下高くする。透明管50内の気圧は、圧力計82で計測される配管80を流れるガスの圧力と、圧力計107で計測される配管101を流れるガスの圧力との差圧、並びに、各圧力計82,107で計測される配管80,101内の圧力と大気圧との差圧より算出される。また、配管80と配管101との間に差圧計を設置してもよい。
線条体10が透明管50内に挿入される際、線条体10の走行方向に外気の流れが生じる。これにより、線条体10と共に外気が線条体入口73を通って透明管50内に流れ込む随伴流(図1中の矢印Bの方向の流れ)が生じる。このような随伴流として外気が透明管50内に流れ込むと、透明管50内の酸素濃度が高くなり、樹脂の硬化が阻害される場合がある。
特に、線条体10の走行速度を上昇させた場合に透明管50内に流れ込む外気の量が多くなり、酸素濃度が高くなる場合がある。近年、より長尺の被覆線条体が要求されているが、線条体を従来と同じ走行速度で走行させて被覆線条体を製造すると、製造時間が延びる。製造時間の延びを低減するためには、一定の走行速度で線条体が走行する定常状態における線条体の走行速度を上げる必要がある。この場合、随伴流により透明管50内の酸素濃度が高くなりやすい。そして、透明管50の酸素濃度が上昇すると、上述したように樹脂の硬化が阻害されやすくなる。
これに対して、本実施形態の製造方法では、透明管50内の気圧を透明管50外の気圧より高くしているため、随伴流により線条体入口73から流れ込む外気の量が減少する。したがって、樹脂の硬化が酸素により阻害されにくい。これにより、例えば、被覆線条体40の製造において、定常状態における線条体10の走行速度を上昇させたとしても、樹脂が十分硬化した良品の被覆線条体40を製造することが可能である。
上述した透明管50内の気圧の調節は、例えば、流量調節器102によって吸引排気される透明管内のガスの量を調節してもよいし、流量調節器81によって透明管50内に供給される第1のガスの量を調節してもよく、更にそれらを組み合わせてもよい。
上述したように、透明管50内の圧力を透明管50外の圧力より高くすることによって、随伴流として外気が透明管50内に流入することが防止される。そして、その透明管50内の圧力調整は、圧力計82,107の計測結果に応じて、流量調節器81及び流量調節器102のうちの少なくとも一方を調節して実施される。したがって、流量調節器81及び流量調節器102の少なくとも一方、及び、圧力計82,107は、線条体入口73から透明管50内に巻き込まれる外気の量を減少させる外気流入低減手段として機能している。
そして、本実施形態の被覆線条体の製造方法においては、上述したように随伴流として透明管50内に流れ込む外気の量と減少させると共に、酸素濃度計103によりモニタされたモニタ結果である透明管50内の酸素濃度に応じて、透明管50内の酸素濃度が所定の範囲になるように、透明管50内にガス供給口74から流入するガス(第1のガス)の量を調節する。第1のガスの流量の調節は、例えば、流量調節器81により調節すればよい。ここで、所定の範囲とは、樹脂を硬化させることが可能であって、透明管50内の内面の曇りが生じにくい範囲である。このように、透明管50内の酸素濃度を所定の範囲とすることで、透明管50内の内面に生じる曇りを抑制しつつ樹脂を硬化させることが可能である。
ここでは、透明管50内の酸素濃度の調節を第1のガスの量を調節することにより実施しているが、例えば、ガス排出口94から吸引排気される透明管内のガスの量を調節することも望ましい。また、第1のガスに酸素が含まれている場合には、酸素濃度計103のモニタ結果に応じて第1のガスに含まれる酸素濃度を調節することも好ましい。更に、第1のガスの量の調節、第1のガスに含まれる酸素濃度の調節、及び、吸引排気される透明管内のガスの量の調節を組み合わせて透明管50内の酸素濃度を所望の濃度にしてもよい。
上述したように、本実施形態の被覆線条体の製造方法においては、透明管50内にガスが下降流として供給されるため、線条体10の線ぶれが抑制される。
更に、第1のガスが下降流として流れることにより、樹脂からの揮発成分が透明管50の出口側に押し流されて、透明管50の内面に付着しにくい。そのため、透明管50に曇りが成長することによる樹脂の未硬化が防止できる。したがって、樹脂の塗布量が多い場合でも被覆線条体40を製造することができる。
また、随伴流により透明管50内に流れ込む外気の量を、透明管50内の気圧を透明管50外よりも高くすることによって減少させている。これにより、透明管50内の酸素濃度の増加が抑制されるため、樹脂の未硬化を防止することが可能である。
本実施形態の製造方法では、上述のように随伴流を減少させることができるため、線条体10の走行速度を上げても透明管50内の酸素濃度が上がりにくい。また、不活性ガスを含む第1のガスを透明管50内に供給する一方、透明管50内のガスを吸引排気している。これにより、第1のガスの流量を調節することにより透明管50内に酸素濃度が調節可能である。そして、上記製造方法では、透明管50内の酸素濃度をモニタし、そのモニタ結果に応じて、第1のガスの流量を調節することによって、透明管50内の酸素濃度を所定の範囲にしている。したがって、樹脂の硬化が酸素により阻害されにくく、また、透明管50内の曇りが抑制される。そのため、従来よりも長尺の被覆線条体40を効率よく製造することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る被覆線条体の製造方法は、長尺の線条体10を被覆して被覆線条体40を製造する場合や、塗布量の多い線条体10に被覆を施す場合のように紫外線硬化型樹脂から比較的多量の揮発成分が発生する場合に有効である。
また、線条体10がファイバガラスの場合には、被覆時に線ぶれを起こすと、外観上の影響だけではなく、光伝送特性にも影響を及ぼす。そのため、線ぶれを起こしにくい上述した製造方法は有効である。
特に、光ファイバ心線を並列し、その外周に紫外線硬化型樹脂からなる被覆を施したテープ型光ファイバ心線を製造する際には有効である。被覆の塗布量が多く、比較的多量の揮発成分が発生するが、不活性ガスの流量を増やすことによって透明管のくもりが発生せず、かつ、線ぶれの発生も無いため、外観および光伝送特性の良好なテープ型光ファイバ心線を得ることができる。
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係る被覆線条体の製造方法を説明する図である。本実施形態における被覆線条体の製造工程では、紫外線照射装置110を用いている点で第1の実施形態と相違する。
本実施形態に係る紫外線照射装置110について説明する。紫外線照射装置110は、蓋70が有する入口部材120にガス吹出し口121が更に形成されている点で第1の実施形態と相違する。
ガス吹出し口121は穴であって、例えば、図4に示すように、ガス吹出し口121の軸線と線条体入口73の軸線とが交差するように、入口部材120の端面71aと反対側の端面122から溝72に向けて斜めに形成されている。これにより、ガス溜り部77に流入する不活性ガスを含むガスが、透明管50を通過する線条体10に向かって線条体10の走行方向と反対の方向(図中の矢印Cの方向)に吹き出される。
なお、本明細書では、ガス吹出し口121から吹き出される不活性ガスを含むガスを第2のガスと称す。また、ガス吹出し口121の形状は、線条体10の走行方向と反対の方向に第2のガスが流れる(図中の矢印Cの方向に流れる)ように第2のガスを吹き出せれば、特に限定されない。
上記構成では、ガス供給源から配管80及びガス供給管75を通ってガス溜り部77に流入した不活性ガスを含むガスは、ガス供給口74を通って第1のガスとして透明管50内に供給されると共に、ガス吹出し口121を通って第2のガスとして線条体10の走行方向と反対の方向に吹き出される。
このように、第2のガスは、透明管50における線条体10の入口側から、線条体10の走行方向と反対の方向に吹き出される、言い換えれば、上昇流として吹き出される。そのため、随伴流によって透明管50内に流れ込む外気の量が減少する。これにより、透明管50内の酸素濃度が上昇することを防止することができる。
以上から理解されるように、ガス吹出し口121は、透明管50における線条体10の入口側の端部から不活性ガスを吹き出して線条体10の走行する方向と反対の方向の流れである上昇流を生じせしめる上昇流生成手段として機能する。また、ガス吹出し口121は、線条体入口73から透明管50内に巻き込まれる外気の量を減少させる外気流入低減手段としても機能する。
そして、本実施形態の被覆線条体の製造方法においては、上述したように第2のガスを上昇流として吹き出すことで、随伴流として透明管50内に流れ込む外気の量を減少させると共に、酸素濃度計103によりモニタされたモニタ結果である透明管50内の酸素濃度に応じて、透明管50内の酸素濃度が所定の範囲になるように、透明管50内にガス供給口74から流入するガス(第1のガス)の量を調節する。
そのため、第1の実施形態と同様に、樹脂の硬化が酸素により阻害されにくく、また、透明管50内の曇りが抑制される。そのため、従来よりも長尺の被覆線条体40を効率よく製造することができる。
ところで、第2のガスの吹き出しの流量を増やすことにより、線条体10が線条体入口73を通過することにより透明管50内に巻き込まれる外気の量を減少させることができるが、線条体10の線ぶれが生じる場合がある。そのため、第2のガスの流量を調節できること、及び、第2のガスの吹出し向きを調節できることが好ましい。第2のガスの流量は、例えば、端面122側のガス吹出し口121の端にシャッタを設け、シャッタの開閉量によって調節すればよい。
図5は、ガス吹出し口121を有する入口部材の他の例の断面構成を示す模式図である。図5に示す入口部材130は、ガス溜り部77を線条体10の走行方向において2つのガス溜り部77a,77bに分離する仕切壁131を有している。この仕切壁131により、ガス供給口74とガス吹出し口121へのガス供給流路が分離されている。そのため、第1のガスとなるべき不活性ガスを含むガスと、第2のガスとなるべき不活性ガスを含むガスとを別々に供給することができる。したがって、例えば、第1のガスと第2のガスとを互いに異なるガスとすることも可能である。
更に、仕切壁131で分けられた第1及び第2のガスの供給流路夫々に流量調節器を設けることによって、第1のガス及び第2のガスの流量を夫々制御できる。
図4に示す入口部材120においてガス吹出し口121にシャッタを設けたり、図5に示す入口部材130においてガス供給口74及びガス吹出し口121夫々へのガス供給流路に流量調節器を設けたりすることなどにより、第1及び第2のガスの流量を調節できる場合には、以下に示す方法で透明管50内の酸素濃度を調節することが望ましい。
すなわち、酸素濃度計103によりモニタされたモニタ結果である透明管50内の酸素濃度が所定の範囲内になるようにガス吹出し口121から吹き出されるガス、すなわち、第2のガスの流量を調節することが望ましい。なお、所定の範囲は、第1の実施形態で説明したように、樹脂を硬化させることができ且つ透明管50内の曇りが抑制される範囲である。
この場合、第2のガスの流量を調節することより透明管50内の酸素濃度が所定の範囲内になるので、曇りを抑制しつつ樹脂の未硬化を更に抑制できる。
更に、酸素濃度が所定の範囲内である場合には、ガス供給口74からのみガスを流す、言い換えれば、第1のガスを透明管50内に供給する一方、第2のガスの吹き出しを停止する。そして、酸素濃度が所定の範囲内でないときは、第1のガスを供給すると共にガス吹出し口121から第2のガスを吹き出すことが好ましい。
透明管50内の酸素濃度が所定の範囲にあれば、樹脂を十分硬化させることができ、透明管50の内面の曇りも抑制される。第2のガスを吹き出すと随伴流は減少するが、第2のガスの吹き出しにより線条体10に線ぶれが生じる場合もある。したがって、酸素濃度が所定の範囲にある場合、第1のガスのみ供給し、第2のガスの吹き出しを停止することが望ましい。
一方、酸素濃度が所定の範囲にない場合は、第2のガスを吹き出すことで随伴流として透明管50内に巻き込まれる外気の量を減少させ、透明管50内への酸素の流入を防ぐ。その際、第1のガスを供給しているため、透明管50内の不活性ガスの濃度が高くなる。これにより、透明管50内の酸素濃度が低下し、所定の範囲にすることができる。
なお、本実施形態においても、第1の実施形態で述べた以下の方法を夫々実施しても良いし、それらを組みあせても良い。
すなわち、透明管50内の気圧を透明管50外の気圧より10Pa以上10kPa以下高くしてもよい。また、酸素濃度計103のモニタ結果に応じて、第1のガスに含まれる酸素濃度、及び、ガス排出口94から排気される透明管50内のガスの量のうちの少なくとも1つを調節して透明管50内の酸素濃度を所定の範囲としても良い。なお、第1及び第2のガスの流量を個別に調節できない場合や、ガス供給口74及びガス吹出し口121へのガス供給路が同じ場合において、第1のガスの供給量を調節するときには、第2のガスの供給量も変化することに注意して第1のガスの供給量を調節する。
本実施形態に係る紫外線照射装置110を適用した被覆線条体40の製造方法は、第1の実施形態の場合と同様に、長尺の線条体10を被覆して被覆線条体40を製造する場合や、塗布量の多い線条体10に被覆を施す場合のように紫外線硬化型樹脂から比較的多量の揮発成分が発生する場合に有効である。また、テープ型ファイバ心線の製造にも有効である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記第1及び第2の実施形態に限定されないことは言うまでもない。例えば、図6に示す紫外線照射装置140を用いても良い。
紫外線照射装置140は、透明管50及び紫外線光源60の周囲に反射鏡141を有する。樹脂が塗布された線条体10の走行方向(図6中の矢印Aの方向)に直交する平面で紫外線照射装置140を切断した場合、反射鏡141の形状は楕円である。そして、その楕円の2つ焦点の位置に夫々線条体10及び紫外線光源60が配置されるようになっている。
これにより、紫外線は、線条体10に塗布された樹脂に効率的に照射される。紫外線照射装置140では、線条体10の周囲にわたって紫外線が照射されやすい。したがって、線条体10がファイバガラスや光ファイバ素線であって、被覆線条体40として光ファイバ素線、光ファイバ心線を製造する場合に有効である。なお、図6では、透明管50に入口部材71を取り付けているが、第2の実施形態で説明した入口部材121を取り付けてもよい。
また、第1及び第2の実施形態では、透明管50内に塗布器20側から不活性ガスを含むガスを供給しているが、その場合に限られない。図7は、透明管の他の例の断面構成を示す模式図である。
図7に示す透明管150には、軸線方向において透明管150の中央部に不活性ガスを含むガスを供給するガス導入口151が形成されている。ガス導入口151に、図7の矢印Dの方向にガス供給源からの不活性ガスを含むガスを供給することにより、透明管150内に不活性ガスを導入できる。ガス供給源からの不活性ガスの供給は、第1及び第2の実施形態に示したように配管を接続して行えばよい。
この場合においても、透明管150内のガスは、出口部材91に形成されているガス排出口94から排出されるため、透明管150内には下降流が生じやすくなっている。また、第1及び第2の実施形態と同様にして透明管150内の酸素濃度を調節することや、随伴流を減少させることが可能である。
なお、図7に示す透明管150を用いる場合には、入口部材120には、図7に示すようにガス供給口を形成する必要はない。また、図7では、ガス供給口が形成されていない入口部材120を示しているが、図1の入口部材71においてガス供給口74及びガス溜り部77が形成されていない入口部材を用いてもよい。
更に、第1及び第2の実施形態においては、入口部材71,121及び出口部材91の外周にはカバー部材76,96が取り付けられているとしたが、必ずしもカバー部材76,96は必要はない。例えば、透明管50の両端部に夫々ガス供給管75及びガス排出管95が形成されている場合には、入口部材71,121及び出口部材91のみでもよい。
更にまた、出口部材91は、図8に示すように、軸線方向における中央部の外径が線条体10の走行方向、言い換えれば、被覆線条体40の走行方向における上部、下部よりも小さくなっているものであってもよい。また、ガス排出口94は、図8に示すように線条体出口93の内壁面から出口部材91の側面に向けて設けられていてもよい。
図9に示すように、圧力計82,107、酸素濃度計103、流量調節器81,102、ガス供給手段200、ガス排出手段210を制御手段220に接続し、透明管50内の酸素濃度や圧力により、供給するガスの量および/または排出するガスの量を自動制御してもよい。なお、図9では、右側の配管80は左側の配管80と連結されて閉じており、右側の配管101は左側の配管101と連結されて閉じている。
第1の実施形態に係る被覆線条体の製造方法を説明する図である。 図1の蓋70の一例の斜視図である。 図1の蓋90の一例の斜視図である。 第2の実施形態に係る被覆線条体の製造方法を説明する図である ガス吹出し口を有する入口部材の他の例の断面構成を示す模式図である。 紫外線照射装置の他の例の断面構成を示す模式図である。 透明管の他の例の断面構成を示す模式図である。 出口部材の他の例の断面構成を示す模式図である。 被覆線条体の製造方法の他の例を説明する図である。
符号の説明
10・・・線条体、30・・・紫外線照射装置、40・・・被覆線条体、50・・・透明管、60・・・紫外線光源、71・・・入口部材、73・・・線条体入口、74・・・ガス供給口、91・・・出口部材、93・・・線条体出口、94・・・ガス排出口、103・・・酸素濃度計、121・・・ガス吹出し口、151・・・ガス導入口、200…ガス供給手段、210…ガス排出手段。

Claims (10)

  1. 線条体に樹脂を塗布し、紫外線に対して透光性を有する透明管内に前記樹脂が塗布された前記線条体を通過させると共に、紫外線光源から紫外線を前記樹脂に照射して前記樹脂を硬化させることによって被覆線条体を製造する方法であって、
    前記線条体が前記透明管を通過する際に、前記透明管における前記線条体の入口から前記透明管内に流れ込む外気の量を減少させ、
    不活性ガスを含む第1のガスを前記透明管内に供給し、前記透明管における第1のガスを供給している部分と異なる部分から前記透明管内のガスを吸引排気し、
    前記透明管内の酸素濃度をモニタし、そのモニタ結果に応じて前記第1のガスの流量を調節することにより前記酸素濃度を所定の範囲内とすることを特徴とする被覆線条体の製造方法。
  2. 前記吸引排気される前記透明管内のガスの量を調節することによって前記透明管内の酸素濃度を調節することを特徴とする請求項1に記載の被覆線条体の製造方法。
  3. 不活性ガスを含む第1のガスを、前記透明管内に、前記第1のガスが前記線条体の走行方向に流れるように供給し、
    前記透明管における前記線条体の入口側の端部から不活性ガスを含む第2のガスを、外気が前記透明管内に流れ込まないように前記線条体の走行方向と反対の方向に吹き出すことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の被覆線条体の製造方法。
  4. 前記透明管における前記線条体の入口側に設けられたガス供給口から前記第1のガスを、前記透明管内に、前記第1のガスが前記線条体の走行方向に流れるように供給し、
    前記透明管における前記入口側に設けられたガス吹出し口から前記第2のガスを、外気が前記透明管内に流れ込まないように前記線条体の走行方向と反対の方向に吹き出すことを特徴とする請求項3に記載の被覆線条体の製造方法。
  5. 前記透明管内の酸素濃度をモニタし、そのモニタ結果に応じて前記第2のガスの流量を調節することにより前記酸素濃度を所定の範囲内とすることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の被覆線条体の製造方法。
  6. 前記透明管内の酸素濃度をモニタし、そのモニタ結果が所定の範囲内の場合は前記第1のガスを流す一方で前記第2のガスの吹き出しを停止し、前記酸素濃度が前記所定の範囲内にない場合は前記第1のガスを流すと共に前記第2のガスを吹き出すことを特徴とする請求項3〜請求項5の何れか1項に記載の被覆線条体の製造方法。
  7. 前記透明管内の酸素をモニタし、前記透明管内の酸素濃度が所定の範囲内となるように前記第1のガスに含まれる酸素濃度を調節することを特徴とする請求項1〜請求項6のうちの何れか1項に記載の被覆線条体の製造方法
  8. 前記透明管内の気圧を前記透明管外の気圧よりも10Pa以上10kPa以下高くすることを特徴とする請求項1〜請求項7のうちの何れか1項に記載の被覆線条体の製造方法。
  9. 紫外線光源と透明管とを含み、前記透明管内を通過する線条体に塗布されている樹脂に前記紫外線光源から紫外線を出射し、前記樹脂を硬化させて被覆線条体を製造するための紫外線照射装置であって、
    前記透明管に前記線条体が挿入される前記透明管の開口部から前記透明管内に巻き込まれる外気の量を減少させる外気流入低減手段と、
    不活性ガスを含むガスを前記透明管に供給するガス供給手段と、
    前記透明管において前記不活性ガスを含むガスが供給される部分と異なる部分から前記透明管内のガスを吸引排気する吸引排気手段と、
    前記透明管内の酸素濃度を測定する酸素濃度計と
    を備えることを特徴とする紫外線照射装置。
  10. 不活性ガスを含むガスを前記透明管に供給し、前記透明管内を通過する前記線条体の走行している方向の流れである下降流を生じせしめる下降流生成手段と、
    前記透明管における前記線条体の入口側の端部から不活性ガスを含むガスを吹き出して前記線条体の走行する方向と反対の方向の流れである上昇流を生じせしめる上昇流生成手段と
    を備え、
    前記下降流生成手段で生成される前記下降流の流量と前記上昇流生成手段で生成される前記上昇流の流量とを夫々制御することを特徴とする請求項9に記載の紫外線照射装置。
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