JP2005223599A - 干渉キャンセラ及び回り込みキャンセラ並びにこれらのキャンセラを用いる中継装置 - Google Patents

干渉キャンセラ及び回り込みキャンセラ並びにこれらのキャンセラを用いる中継装置 Download PDF

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Abstract

【課題】OFDM方式を用いた地上デジタル放送において放送波中継によるSFNを実現する際の、親局波受信におけるマルチパス、親局波の信号帯域内に混入する同一チャンネル干渉、及び送受アンテナ問での電波の回り込みを除去する干渉キャンセラ、回り込みキャンセラ及びそれを用いて親局波を良好かつ安定に中継する中継装置を提供する。
【解決手段】複数のアレー素子で構成されるアレーアンテナによって受信されて出力されたアレー素子数分のOFDM信号に対してそれぞれ適応フィルタによるフィルタ処理を施し、その結果を合成してアレー合成信号を得るとともに、出力信号に適応フィルタによるフィルタ処理を施して作成した帰還信号とアレー合成信号を合成して出力信号を生成することにより受信OFDM信号に含まれる干渉波成分を除去する構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式を用いるデジタル放送やデジタル伝送における中継装置に関わり、特にSFN(Single Frequency Network:単一周波数ネットワーク)において放送波中継を行う中継局にて、複数のアレー素子で構成されるアレーアンテナによってダイバーシティ受信されるOFDM受信信号に含まれる親局波以外の干渉波成分を除去するための干渉キャンセラ及び送信アンテナから各アレー素子への電波の回り込みを除去するための回り込みキャンセラ並びにこれらのキャンセラを用いる中継装置に関する。
従来の干渉除去技術としては、フエージング環境における受信特性の向上やマルチパス干渉除去のためのダイバーシティ技術、マルチパス干渉及び希望波とは相関のない同一チャンネルの干渉波を除去するアダプティブアレーアンテナ技術、SFN放送波中継局における回り込み干渉除去のための回り込み干渉除去技術などが知られている。
OFDM信号のダイバーシティ受信技術については様々な学会等にて多数発表されている(例えば、非特許文献1及び2参照)。
また、OFDM信号のアダプティブアレーアンテナを用いた信号合成装置としては、本発明者らの発明に係る「OFDM信号合成用受信装置」の特許出願などがある(例えば、特許文献1参照)。
さらに、回り込みキャンセラについても、本願の発明者らの発明に係る特許出願(例えば、特許文献2参照)や学会発表論文(例えば、非特許文献3参照)などがあり、回り込みキャンセラにアダプティブアレーアンテナを用いたものも既知である(例えば、特許文献3参照)。
特開2003−174427号公報 特開平11−355160公報 特開2003−87217公報 「広帯域信号移動受信用帯域分割型ダイバーシチ合成受信方式の特性」(電子情報通信学会論文誌B−II Vol. J80−B−II No.6 pp.466-474 Jun.1997) 「スペースダイバーシティを用いた地上デジタル放送の放送波中継の検討」(映像情報メディア学会技術報告Vol.25 No.31 pp.7−12 BCS2001−11 Mar.2001) 「地上デジタル放送SFNにおける放送波中継用回り込みキャンセラの基礎検討」(映像情報メディア学会誌Vol.54,No.11,pp.1568−1575,2000)
従来のダイバーシティ受信装置やアダプティブアレーアンテナを用いた信号合成装置、あるいは回り込みキャンセラはいずれも受信信号に含まれる干渉波成分の除去を行うことを目的としたものであるが、いずれもそれぞれ個々の干渉妨害が単独で存在することを前提としており、複数の干渉妨害が同時に存在する場合に、それぞれの干渉妨害の除去装置を単に縦続接続しただけでは互いに影響を及ぼしあうため、収束特性が悪くなるか、あるいは発散してしまうという問題があった。
また、ダイバーシティ受信装置や回り込みキャンセラは、伝送路及び干渉波源をモデル化し、それらの伝送路特性を推定することにより干渉の除去を行っている。このため、モデルに当てはまらない干渉波成分を除去することはできないという問題がある。
さらに、アダプティブアレーアンテナを用いた信号合成装置は、アレーアンテナ入力における希望波と干渉波の到来角度差による位相差を利用することによって干渉波を除去している。そのため、希望波と干渉波の到来角度差が小さい場合には、干渉波の除去効果が小さくなるという問題がある。また、アレー素子数−1に相当する数の到来方向の干渉波しか除去できないという問題もある。回り込み波は多方向から到来するため、アダプティブアレーアンテナでは十分な回り込み波の除去も期待できない。
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、OFDM方式を用いた地上デジタル放送において放送波中継によるSFNを実現する際の、親局波受信におけるマルチパス、親局波の信号帯域内に混入する同一チャンネル干渉及び送受アンテナ間での電波の回り込みを除去する干渉キャンセラ及び回り込みキャンセラ並びにこれらのキャンセラを用いて親局波を良好かつ安定に中継する中継装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、複数のアレー素子で構成されるアレーアンテナによってOFDM信号を受信し、アレー素子数分の受信信号を出力するアレー受信手段と、該アレー受信手段が出力するそれぞれの受信OFDM信号にそれぞれ適応フィルタによってフィルタ処理を施して出力するアレー素子数分のアレー合成用フィルタ手段と、これらの各アレー合成用フィルタ手段が出力する信号を加算合成して出力するアレー合成手段と、該アレー合成手段が出力するアレー合成信号と帰還信号とを合成して出力する帰還信号合成手段と、該帰還信号合成手段が出力する信号を2分配し、一方の分配出力を干渉キャンセラの出力信号として出力する分配手段と、該分配手段の他方の分配出力に適応フィルタによるフィルタ処理を施して前記帰還信号を生成する帰還信号生成用フィルタ手段と、前記アレー素子数分の各アレー合成用フィルタ手段及び前記帰還信号生成用フィルタ手段における各適応フィルタのフィルタ係数を適応制御するフィルタ係数制御手段とを備えていることを特徴とする干渉キャンセラにある。
また、請求項2の発明は、請求項1において、前記フィルタ係数制御手段が、前記アレー受信手段の出力する各受信OFDM信号をそれぞれ高速フーリエ変換(FFT)することにより周波数軸上の受信キャリアシンボルに変換して出力するアレー素子数分の受信キャリアシンボル生成部と、これらの受信キャリアシンボル生成部の出力する受信キャリアシンボルから、あらかじめ定められたシンボル番号及びサブキャリア番号のサブキャリアによって伝送されるスキャッタードパイロット(SP)信号を抽出して受信SP信号を出力するアレー素子数分の受信SP抽出部と、当該干渉キャンセラの出力信号をFFTすることにより周波数軸上のキャリアシンボルに変換して出力する送信キャリアシンボル生成部と、該送信キャリアシンボル生成部の出力するキャリアシンボルからSPを抽出して、送信SP信号として出力する送信SP抽出部と、前記各受信SP信号及び前記送信SP信号に対する重み係数を算出して出力する重み係数算出部と、該重み係数算出部が出力する重み係数を逆フーリエ変換(IFFT)することにより前記各アレー合成用フィルタ手段及び帰還信号生成用フィルタ手段のフィルタ係数を生成して出力するフィルタ係数算出部とを備えていることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1において、前記フィルタ係数制御手段が、前記アレー受信手段の出力する各受信OFDM信号をそれぞれFFTすることにより周波数軸上の受信キャリアシンボルに変換して出力するアレー素子数分の受信キャリアシンボル生成部と、当該干渉キャンセラの出力信号をFFTすることにより周波数軸上のキャリアシンボルに変換して出力する送信キャリアシンボル生成部と、前記各受信キャリアシンボル及び前記送信キャリアシンボルに対する重み係数をOFDMのサブキャリアごとに算出して出力する重み係数算出部と、該重み係数算出部の出力する重み係数をIFFTすることにより前記各アレー合成用フィルタ手段及び帰還信号生成用フィルタ手段のフィルタ係数を生成して出力するフィルタ係数算出部とを備えていることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1において、前記フィルタ係数制御手段が、前記アレー受信手段の出力する各受信OFDM信号をそれぞれFFTすることにより周波数軸上の受信キャリアシンボルに変換して出力するアレー素子数分の受信キャリアシンボル生成部と、これらの受信キャリアシンボル生成部の出力する受信キャリアシンボルから、あらかじめ定められたシンボル番号及びサブキャリア番号のサブキャリアによって伝送されるSP信号を抽出して受信SP信号を出力するアレー素子数分の受信SP抽出部と、これらの受信SP抽出部の出力する各受信信号の伝送路応答を求めて出力するアレー素子数分の受信信号伝送路応答算出部と、当該干渉キャンセラの出力信号をFFTすることにより周波数軸上のキャリアシンボルに変換して出力する送信キャリアシンボル生成部と、該送信キャリアシンボル生成部の出力するキャリアシンボルからSPを抽出して、送信SP信号として出力する送信SP抽出部と、該送信SP抽出部の出力する送信信号の伝送路応答を求めて出力する送信信号伝送路応答部と、前記各受信信号の伝送路応答と前記送信信号の伝送路応答に対する重み係数を算出して出力する重み係数算出部と、該重み係数算出部の出力する重み係数をIFFTすることにより前記各アレー合成用フィルタ手段及び帰還信号生成用フィルタ手段のフィルタ係数を生成して出力するフィルタ係数算出部とを備えていることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1において、前記フィルタ係数制御手段が、前記アレー受信手段の出力する各受信OFDM信号をそれぞれFFTすることにより周波数軸上の受信キャリアシンボルに変換して出力するアレー素子数分の受信キャリアシンボル生成部と、これらの各受信キャリアシンボル生成部の出力する受信キャリアシンボルから受信信号の伝送路応答を求めて出力する受信信号伝送路応答算出部と、当該干渉キャンセラの出力信号をFFTすることにより周波数軸上の送信キャリアシンボルに変換する送信キャリアシンボル生成部と、該送信キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルから送信信号の伝送路応答を求めて出力する送信信号伝送路応答算出部と、前記各受信信号の伝送路応答及び前記送信信号の伝送路応答に対する重み係数を算出して出力する重み係数算出部と、該重み係数算出部の出力する重み係数をIFFTすることにより前記各アレー合成用フィルタ手段及び帰還信号生成用フィルタ手段のフィルタ係数を生成して出力するフィルタ係数算出部とを備えていることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項2において、前記重み係数算出部が、あらかじめ決められた振幅及び位相を有する基準SP信号を生成して出力する基準SP信号発生段と、該基準SP信号発生段が出力する基準SP信号から前記送信SP抽出段が出力する送信SP信号を減算し、誤差を求めて出力する誤差算出段と、該誤差算出段の出力する誤差が最小となる前記各受信SP信号及び送信SP信号に対する重み係数を最小2乗誤差法にて求める演算段とを備えていることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項3において、前記重み係数算出部が、前記送信キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルをしきい値判定し、判定値を生成して出力するしきい値判定段と、該しきい値判定段の出力する判定値から前記送信キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルを減算し、誤差を求めて出力する誤差算出段と、該誤差算出段の出力する誤差が最小となる前記各受信キャリアシンボル及び前記送信キャリアシンボルに対する重み係数を最小2乗誤差法にて求める演算段とを備えていることを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項4または5において、前記重み係数算出部が、無歪みの基準伝送路応答を生成して出力する基準伝送路応答発生段と、該基準伝送路応答発生段の出力する基準伝送路応答から前記送信信号伝送路応答算出部の出力する送信信号の伝送路応答を減算し、誤差を求めて出力する誤差算出段と、該誤差算出段の出力する誤差が最小となる前記各受信信号の伝送路応答及び前記送信信号の伝送路応答に対する重み係数を最小2乗誤差法にて求める演算段とを備えていることを特徴とする。
また、請求項9の発明は、請求項1〜5のいずれかにおいて、前記受信キャリアシンボル生成部が、前記アレーアンテナを構成する各アンテナ素子によって受信された時間領域OFDM信号からガードインターバルを除去して有効シンボル期間に相当する信号を抽出するガードインターバル除去段と、有効シンボル期間長の時間領域OFDM信号をシンボル毎にFFTすることにより周波数領域信号のキャリアシンボルヘと変換するFFT段とを備え、前記送信キャリアシンボル生成部が、当該干渉キャンセラの出力信号である時間領域OFDM信号からガードインターバルを除去して有効シンボル期間に相当する信号を抽出するガードインターバル除去段と、有効シンボル期間長の時間領域OFDM信号をシンボル毎にFFTすることにより周波数領域信号のキャリアシンボルヘと変換するFFT段とを備えていることを特徴とする。
また、請求項10の発明は、請求項4において、前記受信信号伝送路応答算出部及び送信信号伝送路応答算出部が、あらかじめ決められた振幅及び位相を有する基準SP信号を生成して出力する基準SP信号発生段と、前記各受信SP抽出段あるいは送信SP抽出段の出力する受信SP信号あるいは送信SP信号を前記基準SP信号発生段の出力する基準SP信号で除算して、各受信信号あるいは送信信号の伝送路応答を求める除算段と、該除算段にて求めた前記それぞれの伝送路応答に内挿補間処理を施す内挿補間段とを備えていることを特徴とする。
また、請求項11の発明は、請求項5において、前記受信信号伝送路応答算出部及び送信信号伝送路応答算出部が、前記送信キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルをしきい値判定し、判定値を生成して出力するしきい値判定段と、前記各受信キャリアシンボル生成部あるいは送信キャリアシンボル生成部の出力する受信キャリアシンボルあるいは送信キャリアシンボルを前記しきい値判定段の出力する判定値で除算して、受信信号あるいは送信信号の伝送路応答を求める除算段とを備えていることを特徴とする。
また、請求項12の発明は、請求項1〜5のいずれかにおいて、前記フィルタ係数算出部が、前記重み係数算出部からの重み係数を逆フーリエ変換するIFFT段と、時間領域信号に存在するイメージング成分を切り出さないようにするための係数切り出し段とを備えていることを特徴とする。
また、請求項13の発明は、請求項1〜12のいずれかにおいて、前記帰還信号合成手段の出力するアレー合成信号と帰還信号との合成信号に帯域フィルタ処理を施す帯域フィルタを設けたことを特徴とする。
また、請求項14の発明は、単一のアンテナによってOFDM信号を受信し、送信アンテナから受信アンテナへの回り込み干渉を除去する回り込みキャンセラであって、受信OFDM信号と帰還信号を合成して出力する合成手段と、該合成手段の出力する出力信号に適応フィルタによるフィルタ処理を施して、前記帰還信号を生成するフィルタ手段と、該フィルタ手段のフィルタ係数を適応制御するフィルタ係数制御手段とを備えていることを特徴とする回り込みキャンセラにある。
また、請求項15の発明は、請求項14において、前記フィルタ係数制御手段が、前記合成手段の出力信号をFFTすることにより周波数軸上のキャリアシンボルに変換して出力するキャリアシンボル生成部と、該キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルからあらかじめ定められたシンボル番号及びサブキャリア番号のサブキャリアによって伝送されるSPを抽出して送信SP信号を出力する送信SP抽出部と、あらかじめ決められた振幅及び位相の基準SP信号から前記送信SP抽出部が出力する送信SP信号を減算して求めた誤差が最小となる前記送信SP信号に対する重み係数を算出して出力する重み係数算出部と、該重み係数算出部が出力する重み係数をIFFTすることにより前記帰還信号生成用のフィルタ手段のフィルタ係数を生成して出力するフィルタ係数算出部とを備えていることを特徴とする。
また、請求項16の発明は、請求項14において、前記フィルタ係数制御手段が、前記合成手段の出力信号をFFTすることにより周波数軸上のキャリアシンボルに変換して出力するキャリアシンボル生成部と、該キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルをしきい値判定した判定値から前記キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルを減算して求めた誤差が最小となる前記送信キャリアシンボルに対する重み係数を算出して出力する重み係数算出部と、該重み係数算出部が出力する重み係数をIFFTすることにより前記帰還信号生成用のフィルタ手段のフィルタ係数を生成して出力するフィルタ係数算出部とを備えていることを特徴とする前記帰還信号を生成するフィルタ手段における適応フィルタのフィルタ係数を制御するフィルタ係数制御手段が、前記合成手段の出力信号をFFTすることにより周波数軸上のキャリアシンボルに変換して出力するキャリアシンボル生成部と、該キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルをしきい値判定した判定値から前記キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルを減算して求めた誤差が最小となる前記送信キャリアシンボルに対する重み係数を算出して出力する重み係数算出部と、該重み係数算出部が出力する重み係数をIFFTすることにより前記帰還信号生成用のフィルタ手段のフィルタ係数を生成して出力するフィルタ係数算出部とを備えていることを特徴とする。
また、請求項17の発明は、請求項14において、前記フィルタ係数制御手段が、前記合成手段の出力信号をFFTすることにより周波数軸上のキャリアシンボルに変換して出力するキャリアシンボル生成部と、該キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルからあらかじめ定められたシンボル番号及びサブキャリア番号のサブキャリアによって伝送されるSPを抽出して送信SP信号を出力するSP抽出部と、前記送信SP信号をあらかじめ決められた振幅及び位相を有する基準SP信号で除算して求めた伝送路応答に内挿補間処理を施して送信信号の全てのサブキャリアについての伝送路応答を求めて出力する送信信号伝送路応答算出部と、無歪みの基準伝送路応答から前記送信信号伝送路応答算出部の出力する送信信号の伝送路応答を減算して求めた誤差が最小となる前記送信信号伝送路応答に対する重み係数を最小2乗誤差法にて求める重み係数算出部と、該重み係数算出部の出力する重み係数をIFFTすることにより前記帰還信号生成用のフィルタ手段のフィルタ係数を生成して出力するフィルタ係数算出部とを備えることを特徴とする。
また、請求項18の発明は、請求項14において、前記フィルタ係数制御手段が、前記合成手段の出力信号をFFTにより周波数軸上のキャリアシンボルに変換して出力するキャリアシンボル生成部と、該キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルをしきい値判定した判定値で前記送信キャリアシンボルを除算して、送信信号の伝送路応答を求めて出力する送信信号伝送路応答算出部と、無歪みの基準伝送路応答から前記送信信号伝送路応答算出手段の出力する送信信号の伝送路応答を減算して求めた誤差が最小となる前記送信信号伝送路応答算出部の出力する伝送路応答に対する重み係数を最小2乗誤差法にて求める重み係数算出部と、該重み係数算出部の出力する重み係数をIFFTすることにより帰還信号生成用のフィルタ手段のフィルタ係数を生成して出力するフィルタ係数算出部とを備えることを特徴とする。
また、請求項19の発明は、請求項14〜18のいずれかにおいて、前記合成手段の出力する出力信号に帯域フィルタ処理を施す帯域フィルタを設けたことを特徴とする。
また、請求項20の発明は、請求項1〜19のいずれかに記載の干渉キャンセラあるいは回り込みキャンセラを備えたことを特徴とする中継装置にある。
上述した本発明によれば、複数のアレー素子で構成されるアレーアンテナによって受信し、出力されたアレー素子数分のOFDM信号にそれぞれ適応フィルタによるフィルタ処理を施し、合成したアレー合戌信号と、出力信号に適応フィルタによるフィルタ処理を施した帰還信号とを合成して出力信号を生成することにより、放送波中継によるSFNを実現する際に、親局波受信におけるマルチバス干渉や送受アンテナ間での電波の回り込み干渉を除去することのできる回り込みキャンセラ及び同一周波数帯域内に受信される干渉を除去することのできる干渉キャンセラ並びにこれらのキャンセラを用いることにより親局波を安定かつ良好に中継する中継装置を実現することができる。
以下、本発明をより詳細に説明するために、添付の図面に従ってこれを説明する。なお、全図面を通して同様な部分を示すものには同じ参照番号を付して示してある。
図1は本発明による干渉キャンセラの第1実施形態の構成を示すブロック図である。この干渉キャンセラは、それぞれの信号処理系(以下、ブランチと云う)#0〜#(L−1)におけるアレー素子で構成されるアレーアンテナによってOFDM信号を受信してアレー素子数分の受信信号を出力するアレー受信手段1と、このアレー受信手段1が出力するそれぞれの受信OFDM信号に対してフィルタ処理を施して出力するアレー素子数分のアレー合成用フィルタ手段20〜2L-1と、これらの各アレー合成用フィルタ手段20〜2L-1が出力する信号を加算合成して出力するアレー合成手段3と、このアレー合成手段3が出力するアレー合成信号と後述する帰還信号とを合成して出力する帰還信号合成手段4と、この帰還信号合成手段4が出力する信号を2分配し、一方の分配出力を当該干渉キャンセラの出力信号として出力する分配手段5と、この分配手段の他方の分配出力に適応フィルタによるフィルタ処理を施して前記帰還信号を生成する帰還信号生成用フィルタ手段6と、前記アレー素子数分の各アレー合成用フィルタ手段20〜2L-1及び前記帰還信号生成用フィルタ手段6のフィルタ係数を適応制御するフィルタ係数制御手段7とによって構成される。
以下、本発明の動作原理につき説明するが、アレー受信段1における各アンテナによって受信した各OFDM信号に対する周波数変換やA/D、D/A、直交変復調、送受信部といった基本的な部分の構成は省略するとともに、同期再生は十分な精度で実現されているものとし、また、これらは公知の技術であるため説明は省略する。
先ず、各構成手段の説明に入る前に、用語、記号、定義、その他について説明する。
地上デジタルテレビジョン放送の放送方式であるISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial)方式やDVB−T(Digital Video Broadcasting−Terrestrial)方式においては、図16に示すように、特定のシンボルの特定のサブキャリアが基準信号としてスキャッタードパイロット(Scattered Pilot、 以下、SPという)に割り当てられている。図16において、SPを黒丸で、データシンボルなどその他のキャリアシンボルを白抜きの丸で示している。SPは、その振幅と位相があらかじめ決められた値であるため、受信側でも同じ信号を生成することができる。
また以下の説明では、アレー受信手段1を構成するアレーアンテナのアレー素子数をL、任意のアレー素子のブランチに付した番号をl(これはアルファベットの小文字のエルを表す)(0≦l<L)で表し、またOFDM信号を構成するサブキャリアの総数をK、任意のサブキャリアに付した番号であるサブキャリア番号をk(0≦k<K)で表す。各ブランチ及び帰還ループに対応するそれぞれのフィルタ手段として用いる適応フィルタをHとし、そのフィルタ係数をHl(n)とする。ただし帰還ループはl=Lに対応する。
〔アダプティブアレーと帰還ループの合成〕
アレー受信手段1のアレーアンテナを構成するL本のアンテナよって受信した各信号xl(n)は、対応するアレー合成用フィルタ手段20〜2L-1の適応フィルタHlによってフィルタ処理が施された後、アレー合成手段3にてアレー合成される。このアレー合成された信号はさらに、帰還信号合成手段4にて、帰還ループを形成する帰還信号生成用フィルタ手段6の適応フィルタHLの出力信号と合成されて、分配手段5を経て当該干渉キャンセラの出力信号y(n)として外部に出力される。ただし、帰還信号生成用フィルタ手段6の適応フィルタHLにはy(n)が入力される。
上記出力信号y(n)は次式(1)にて表される。
Figure 2005223599

ここでNf,Nbはそれぞれアレー合成用フィルタ手段20〜2L-1及び帰還信号生成用フィルタ手段6の各適応フィルタのフィルタ長を示す。また本干渉キャンセラを用いた中継装置においては、外部に出力された信号は周波数変換及び増幅処理した後に送信されるので、以下では本干渉キャンセラの出力信号y(n)を送信信号とも称し、これをxL(n)とする。
〔フィルタ係数の制御〕
図5にフィルタ係数制御の第1の方法を示す。これは図1の各アレー合成用フィルタ手段20〜2L-1及び帰還信号生成用フィルタ手段6に用いる各適応フィルタのフィルタ係数を適応制御するためのフィルタ係数制御手段7において用いられるものである
この図5に示す例の場合には、先ずアレーアンテナを構成する各アンテナ素子によって受信された各OFDM信号xl(n)及び送信OFDM信号y(n)をそれぞれ受信キャリアシンボル生成部700〜70L−1及び送信キャリアシンボル生成部70にて高速フーリエ変換(以下、FFT(Fast Fourier Transform)という)することにより、周波数領域信号であるキャリアシンボルxk,l及びy(=xk,L)を生成する。次いで、これらのキャリアシンボル生成部にて得られたキャリアシンボルの中からあらかじめ決められたシンボル番号及びサブキャリア番号のキャリアシンボルによって伝送されるSP(uk,l,0≦l≦L)を受信SP抽出部710〜71L−1及び送信SP抽出部71にて抽出する。ここで抽出されたサブキャリア番号kについてのL+1個のSP信号を以下のようにベクトル表記する。ただし上付きのTは転置を示す。
k=[uk,0k,1…uk,LT (2)
このukをもとに、重み係数算出部72aにて重み係数wkを算出する。ここで
k=[wk,0k,1…wk,LT (3)

である。この重み係数をSPが伝送される全てのサブキャリアについて算出する。算出された全てのサブキャリアにおける重み係数ベクトルの第l成分から、各フィルタ係数算出部730〜73Lにて各適応フィルタHlのフィルタ係数hl(n)を算出する。
図6に図1のフィルタ係数制御手段7によるフィルタ係数制御の第2の方法を示す。
この図6の場合にも、先ずアレーアンテナを構成する各アンテナ素子によって受信された各OFDM信号xl(n)及び送信OFDM信号y(n)をキャリアシンボル生成部700〜70LにてそれぞれFFTすることにより周波数領域信号であるキャリアシンボルxk,l及びy(=xk,L)を生成する。ここで生成されたサブキャリア番号kについてのL+1個のキャリアシンボルを以下のようにベクトル表記する。
k=[xk,0k,1…xk,LT (4)
このxkをもとに、重み係数算出部72bにて重み係数wkを全てのサブキャリアについて算出する。算出された全てのサブキャリアにおける重み係数ベクトルの第l成分から、各フィルタ係数算出部73o〜73Lにて各適応フィルタHlのフィルタ係数Hl(n)を算出する。
図7に図1のフィルタ係数制御手段7によるフィルタ係数制御の第3の方法を示す。
この図7の場合にも、先ずアレーアンテナを構成する各アンテナ素子によって受信された各OFDM信号xl(n)及び送信OFDM信号y(n)をキャリアシンボル生成部700〜70LにてそれぞれFFTすることにより周波数領域信号であるキャリアシンボルxk,l及びy(=xk,l)を生成する。次いで、得られたキャリアシンボルの中からあらかじめ決められたシンボル番号及びサブキャリア番号のサブキャリアによって伝送されるSP(uk,l,0≦l≦L)をSP抽出部710〜71Lにて抽出する。次ぎに、この受信SP信号及び送信SP信号から受信信号伝送路応答算出部740〜74L−1及び送信信号伝送路応答算出部74にてそれぞれの伝送路応答fk,lを求める。ここで算出されたサブキャリア番号kについてのL+1個の伝送路応答を以下のようにベクトル表記する。
k=[fk,0k,1…fk,LT (5)
このfkをもとに、重み係数算出部72cにて重み係数wkを全てのサブキャリアについて算出する。算出された全てのサブキャリアにおける重み係数ベクトルの第l成分から、各フィルタ係数算出部730〜73LにてHlのフィルタ係数hl(n)を算出する。
図8に図1のフィルタ係数制御手段7によるフィルタ係数制御の第4の方法を示す。
この図8の場合にも、先ずアレーアンテナを構成する各アンテナ素子によって受信された各OFDM信号xl(n)及び送信y(n)をキャリアシンボル生成部700〜70LにてそれぞれFFTすることにより周波数領域信号であるキャリアシンボルxk,l及びy(=xk,L)を生成する。この受信及び送信キャリアシンボルから伝送路応答算出部740〜74Lにてそれぞれの周波数応答gk,lを求める。ここで算出された、サブキャリア番号kについてのL+1個の伝送路応答を以下のようにベクトル表記する。
k=[gk,0k,1…gk、LT (6)
このgkをもとに、図7の場合と同様な重み係数算出部72cにて重み係数wkを全てのサブキャリアについて算出する。算出された全てのサブキャリアにおける重み係数ベクトルの第l成分から、各フィルタ係数算出部73o〜73LにてHlのフィルタ係数hl(n)を算出する。
〔重み係数算出〕
次いで、図5〜図8に示したフィルタ係数制御手段7における重み係数算出部72a〜72cによる重み係数の算出法につき説明する。
図9は重み係数算出の第1の方法を示す。これは図5に示したフィルタ係数制御手段7における重み係数算出部72aにおいて用いられるものである。
この図9の例では、送信SP信号を基準SP信号発生段720によって発生されるあらかじめ決められた振幅及び位相を有する基準SP信号から減算器による誤差算出段721により減算して誤差を求め、この誤差が最小となる各受信SP信号及び送信SP信号に対する重み係数を最小2乗誤差法(MMSE:Minimum Mean Square Error)による演算段722にて算出して出力する。
次ぎに、この場合の各受信SP信号及び送信SP信号に対する重み係数の算出法につき説明するが、以下ではサブキャリア番号kは省略し、重み係数ベクトルのうち受信キャリアシンボルに対する重み
Figure 2005223599
Figure 2005223599
Figure 2005223599


Figure 2005223599

ここで、上付きの*は複素共役を表す。
Figure 2005223599


Figure 2005223599
評価関数Jを以下に定める。
Figure 2005223599
Figure 2005223599

Figure 2005223599
式(12)及び(13)よりそれぞれ次式を得る。
Figure 2005223599
式(15)より次式が得られる。
Figure 2005223599
式(16)を式(14)に代入し、次式が得られる。
Figure 2005223599
Figure 2005223599

アレーの合成指向特性及び2乗誤差に関与しない。よって最適な重み係数は帰還ループを持たない通常のアダプティブアレーの最小2乗誤差規範における最適重み係数と一致する。
Figure 2005223599
式(18)を式(16)に代入し、帰還ループの最適重み係数は次式となる。
Lopt=1−ρ (19)
Figure 2005223599

Figure 2005223599
ここでλは忘却係数を示す。i=nの項を取り出し、次式を得る。
Figure 2005223599
逆行列の補助定理を用い、次式が得られる。
Figure 2005223599
Figure 2005223599

Figure 2005223599
Figure 2005223599
一方、干渉波が理想的に除去されている状態においては、送信SP信号uLは既知の基準SP信号と一致する。そこでこれらの差
e=d−uL (27)
を最小化することによっても干渉波を除去することができる。周波数領域における合成信号は、
Figure 2005223599

となり、また最適化の規範が最小2乗誤差であるため、wの最適解は次式で表される。
opt=Ruu -1ud (29)
式(29)の重み付け係数wは既存の適応アルゴリズムによって決定することができる。例えばLMS(Lest Mean Square)アルゴリズムを用いる場合、時刻iの重み付け係数w(i)を用いて、w(i+1)を次式のように更新していくことにより、eを最小化することができる。
w(i+1)=w(i)+ue (30)
ここでμはステップサイズ、上付きの*は複素共役を示す。また、RLS(Recursive Least-Squares)アルゴリズムを用いる場合、次式のように重み付け係数を更新する。
Figure 2005223599
ここでkはゲインベクトル、P(i)は相関逆行列、λは忘却係数である。LMSアルゴリズムやRLSアルゴリズムは公知の手法であるため説明を省略する。
図10は重み係数算出の第2の方法を示し、これは図6に示したフィルタ係数制御手段7における重み係数算出部72bにおいて用いられるものである。
この図10の例では、送信キャリアシンボルをしきい値判定段723によりしきい値判定し、この判定値から送信キャリアシンボルを減算器による誤差算出段721により減算して誤差を求め、この誤差が最小となる各受信SP信号及び送信SP信号に対する重み係数を最小2乗誤差法による演算段722にて算出して出力する。
干渉が十分除去されている状況においては、しきい値判定段723から出力される判定値は親局における送信キャリアシンボルと一致する。そこで、キャリアシンボルの判定値が正しいものとしてSP信号の場合と同様、基準信号として用いることができる。この図10の場合の各受信キャリアシンボル及び送信キャリアシンボルに対する重み係数の算出法は、送信キャリアシンボルをしきい値判定した結果の判定値を出力し、これを基準信号として用いている以外は図9における方法と同様であるため説明を省略する。
図11は重み係数算出の第3の方法を示し、これは図7及び図8に示したフィルタ係数制御手段7における重み係数算出部72cにおいて用いられるものである。
この図11の例では、基準伝送路応答発生段724により生成されて出力される無歪みの基準伝送路応答から送信信号の伝送路応答を減算器による誤差算出段721により減算して誤差を求め、この誤差が最小となる各受信信号に対する重み係数を最小2乗誤差法による演算段722にて算出して出力する。
次ぎに、この場合の重み係数の算出法につき説明するが、
Figure 2005223599

Figure 2005223599
また、以下の説明においては入力される伝送路応答ベクトルをfで記すがgであっても同様である。
重み付け係数算出の前記第1の方法においては、出力における変調成分を含んだ誤差を最小にするようにしたが、出力から変調成分を取り除いて伝送路応答に変換した結果を用いることによっても最適な重み係数を求めることができる。これは最小2乗誤差法による演算段722の入力を図10の例におけるキャリアシンボルではなく、伝送路応答とし、参照信号として基準伝送路応答発生段724により生成されて出力される無歪み応答(1+0j)を用いることにより最小2乗誤差法による演算段722にて最適な重み係数を求めるのであって、その他は第1の方法と同様である。
Figure 2005223599

Figure 2005223599
Figure 2005223599

ここで参照信号とは基準伝送路応答1+0jを示す。
Figure 2005223599
評価関数を以下に定める。
Figure 2005223599
Figure 2005223599

Figure 2005223599
式(38)、(39)よりそれぞれ次式を得る。
Figure 2005223599
式(41)より次式が得られる。
Figure 2005223599
式(42)を式(40)に代入し、次式が得られる。
Figure 2005223599
Figure 2005223599

アレーの合成指向特性及び2乗誤差に関与しない。よって最適な重み係数は帰還ループを持たない通常のアダプティブアレーのMMSE規範における最適な重み係数と−致する。
Figure 2005223599
式(44)を式(42)に代入し、帰還ループの最適な重み係数は次式となる。
L=1−ρ′ (45)
Figure 2005223599

Figure 2005223599
ここでλは忘却係数を示す。i=nの項を取り出し、次式を得る。
Figure 2005223599
逆行列の補助定理を用い、次式が得られる。
Figure 2005223599
Figure 2005223599

Figure 2005223599
Figure 2005223599
一方、干渉波が理想的に除去されている状態においては送信OFDM信号の伝送路応答は無歪み、すなわち振幅が1で位相が0である。よって送信OFDM信号の伝送路応答と無歪みの伝送路応答との差
e=1−fL (53)

を最小化することによっても干渉波を除去することができる。合成される伝送路応答は、
Figure 2005223599

となり、また最適化の規範が最小2乗誤差であるため、wの最適解は次式で表される。
opt=Rff -1fd (55)
式(55)の重み付け係数wは既存の適応アルゴリズムによって重み付け係数wを決定することができる。例えば、LMSアルゴリズムを用いる場合には、次式のように重み付け係数を更新していくことにより、eを最小化することができる。
w(i+1)=w(i)+fe* (56)
また、RLSアルゴリズムを用いる場合には、次式のように重み付け係数を更新する。
Figure 2005223599
〔キャリアシンボルの生成〕
図12はキャリアシンボル生成の方法を示す。これは図5〜図8に示したフィルタ係数制御手段7における受信及び送信キャリアシンボル生成部70において用いられるものである。
この図12の例では、アレーアンテナを構成する各アンテナ素子によって受信された時間領域OFDM信号または当該キャンセラの出力信号である時間領域OFDM信号からガードインターバル(GI)除去段700にてガードインターバルを除去し、有効シンボル期間に相当する信号を抽出する。次いで、有効シンボル期間長の時間領域OFDM信号をFFT段701にてシンボル毎にフーリエ変換することにより周波数領域信号であるキャリアシンボルヘと変換する。
〔伝送路応答の算出〕
図13はSP信号から伝送路応答を求める第1の方法を示し、これは図7に示したフィルタ係数制御手段7における伝送路応答算出段74にて用いられるものである。
SP抽出部710〜71L-1(図7参照)からの受信SP信号は伝送路の伝送路応答により歪みを受けており、またSP抽出部71Lからの送信SP信号についても干渉が理想的に除去できていなければ同様に歪みを受けている。そこで、図13の例では、先ず基準SP信号発生段740にてあらかじめ決められた振幅及び位相を有する基準SP信号を生成し、この基準SP信号発生段740から出力される基準SP信号で受信SP信号及び送信SP信号を除算段741により除算する。この除算処理により伝送路応答を求めることができるが、ISDB−T方式のOFDM信号では、図16に示す通りSPが伝送されるサブキャリアは1/3で残りのサブキャリアについての伝送路応答を直接求めることができないため、内挿補間段742にてシンボル方向及びサブキャリア方向の内挿補問処理を行うことで、全サブキャリアについての伝送路応答を求めて出力する。
図14はSP信号から伝送路応答を求める第2の方法を示し、これは図8に示したフィルタ係数制御手段7における伝送路応答算出段74にて用いられるものである。
図14の例では、先ず送信キャリアシンボルをしきい値判定段743にてしきい値判定を行うことで送信キャリアシンボルの真値を推定する。得られた送信キャリアシンボルの真値を用いて受信あるいは送信キャリアシンボルを除算段744にて除算することにより伝送路応答を求める。
なお、この方法においては全てのサブキャリアについての伝送路応答を直接求めることができる。
〔重み係数からのフィルタ係数の算出〕
図15は重み係数から適応フィルタのフィルタ係数を算出する方法を示し、これは図5〜図8の各フィルタ係数制御段7におけるフィルタ係数算出部73にて用いられるものである。ここでは重み係数算出部72からの重み係数wk,lを逆フーリエ変換(IFFT;Inverse Fast Fourier Transform)段730にてIFFTすることにより、適応フィルタHlのフィルタ係数hl(n)を出力するが、図5に示した第1のフィルタ係数制御においてはSPが伝送されないサブキャリアにおける重み係数を算出しないことに起因して、時間領域信号にイメージング成分が存在するため、これを切り出さないようにするための係数切り出し段731を設けるのが好適である。
Figure 2005223599
図2は本発明による干渉キャンセラの第2実施形態の構成を示すブロック図である。本実施形態においては、アレー合成信号及び帰還信号との合成信号にBPF(Band Pass Filter)8による処理を施して送信OFDM信号を出力する。このBPF8は、OFDM信号帯域内ではフラットの特性をもち、帯域外の成分を除去するフィルタであり、これによりOFDM信号帯域外の雑音成分によるループ発振を防ぐことができる。詳細は特開2002−7709号を参照されたい。
〔回り込みキャンセラ〕
図3は本発明による回り込みキャンセラの第1実施形態の構成を示すブロック図である。本実施形態は前記干渉キャンセラのアレーアンテナ受信手段を省略したもので前記干渉キャンセラの1形態であり、単一のアンテナによってOFDM信号を受信し、送信アンテナから受信アンテナヘの回り込み干渉を除去する回り込みキャンセラの機能を実現することができる。この場合には、回り込み伝搬路の特性を推定し、適応フィルタ手段11によってこれを疑似的に実現することで回り込み波のレプリカを生成し、これを合成手段10にて受信信号と合成することにより、回り込みを除去する。適応フィルタ手段11のフィルタ係数はフィルタ係数制御手段手段12により制御するが、このフィルタ係数制御手段12によるフィルタ係数の制御方法は、前記干渉波キャンセラにおけるフィルタ係数制御手段7と同様であるため説明を省略する。
Figure 2005223599

Figure 2005223599

と表される。ここで、wは適応フィルタ手段11の周波数特性、uは送信信号を示す。干渉波が回り込み波のみのとき、送信信号uと理想基準信号dとの差
e=d−u (61)
は、回り込み伝搬路の推定誤差となり、既存の適応アルゴリズムを用いることによりE[|e|2]を最小とするwを決定することができる。また誤差として、送信信号の伝送路応答fを用い、
e=1−f (62)
とすることもできる。各サブキャリアについての適応フィルタの周波数特性wを算出する手段は、ベクトルの次元が1となる以外は、前記干渉キャンセラにおける手段と同様であるため説明を省略する。
図4は本発明回り込みキャンセラの第2の実施形態における構成を示すブロック図である。本実施形態においては、出力信号にBPF手段13による処理を施して出力している。このBPF手段13はOFDM信号帯域内ではフラットの特性をもち、帯域外の成分を除去するフィルタであり、これによりOFDM信号帯域外の雑音成分によるループ発振を防いでいる。詳細は特開2002−77096号を参照されたい。
以上、上述した本発明による干渉キャンセラ及び回り込みキャンセラは、OFDM方式を用いた地上デジタル放送における中継装置に適用することにより、親局波を良好且つ安定に中継することができる。
本発明による干渉キャンセラの第1の構成を示すブロック図である。 本発明による干渉キャンセラの第2の構成を示すブロック図である。 本発明による回り込みキャンセラの第1の構成を示すブロック図である。 本発明による回り込みキャンセラの第2の構成を示すブロック図である。 フィルタ係数制御手段の第1の構成を示すブロック図である。 フィルタ係数制御手段の第2の構成を示すブロック図である。 フィルタ係数制御手段の第3の構成を示すブロック図である。 フィルタ係数制御手段の第4の構成を示すブロック図である。 重み係数算出部の第1の構成を示すブロック図である。 重み係数算出部の第2の構成を示すブロック図である。 重み係数算出部の第3の構成を示すブロック図である。 キャリアシンボル生成部の構成を示すブロック図である。 伝送路応答算出部の第1の構成を示すブロック図である。 伝送路応答算出部の第2の構成を示すブロック図である。 フィルタ係数算出部の構成を示すブロック図である。 スキャッタードパイロットの配置を示す説明図である。
符号の説明
1 アレー受信手段
2 アレー合成用フィルタ手段
3 アレー合成手段
4 帰還信号合成手段
5 分配手段
6 帰還信号生成用フィルタ手段
7 フィルタ係数制御手段
8 帯域フィルタ(BPF)
10 合成手段
11 適応フィルタ手段
12 フィルタ係数制御手段
13 帯域フィルタ(BPF)
70 キャリアシンボル生成部
71 SP抽出部
72 重み係数算出部
73 フィルタ係数算出部
74 伝送路応答算出部
700 GI(ガードインターバル)除去段
701 FFT段
720 基準SP信号発生段
721 誤差算出段
722 最小2乗誤差法による重み係数演算段
723 しきい値判定段
724 基準伝送路応答発生段
730 IFFT段
731 係数切り出し段
740 基準SP信号発生段
741 除算段
742 内挿補間段
743 しきい値判定段
744 除算段

Claims (20)

  1. 複数のアレー素子で構成されるアレーアンテナによってOFDM信号を受信し、アレー素子数分の受信信号を出力するアレー受信手段と、該アレー受信手段が出力するそれぞれの受信OFDM信号にそれぞれ適応フィルタによってフィルタ処理を施して出力するアレー素子数分のアレー合成用フィルタ手段と、これらの各アレー合成用フィルタ手段が出力する信号を加算合成して出力するアレー合成手段と、該アレー合成手段が出力するアレー合成信号と帰還信号とを合成して出力する帰還信号合成手段と、該帰還信号合成手段が出力する信号を2分配し、一方の分配出力を干渉キャンセラの出力信号として出力する分配手段と、該分配手段の他方の分配出力に適応フィルタによるフィルタ処理を施して前記帰還信号を生成する帰還信号生成用フィルタ手段と、前記アレー素子数分の各アレー合成用フィルタ手段及び前記帰還信号生成用フィルタ手段における各適応フィルタのフィルタ係数を適応制御するフィルタ係数制御手段とを備えていることを特徴とする干渉キャンセラ。
  2. 前記フィルタ係数制御手段が、前記アレー受信手段の出力する各受信OFDM信号をそれぞれ高速フーリエ変換(FFT)することにより周波数軸上の受信キャリアシンボルに変換して出力するアレー素子数分の受信キャリアシンボル生成部と、これらの受信キャリアシンボル生成部の出力する受信キャリアシンボルから、あらかじめ定められたシンボル番号及びサブキャリア番号のサブキャリアによって伝送されるスキャッタードパイロット(SP)信号を抽出して受信SP信号を出力するアレー素子数分の受信SP抽出部と、当該干渉キャンセラの出力信号をFFTすることにより周波数軸上のキャリアシンボルに変換して出力する送信キャリアシンボル生成部と、該送信キャリアシンボル生成部の出力するキャリアシンボルからSPを抽出して、送信SP信号として出力する送信SP抽出部と、前記各受信SP信号及び前記送信SP信号に対する重み係数を算出して出力する重み係数算出部と、該重み係数算出部が出力する重み係数を逆フーリエ変換(IFFT)することにより前記各アレー合成用フィルタ手段及び帰還信号生成用フィルタ手段のフィルタ係数を生成して出力するフィルタ係数算出部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の干渉キャンセラ。
  3. 前記フィルタ係数制御手段が、前記アレー受信手段の出力する各受信OFDM信号をそれぞれFFTすることにより周波数軸上の受信キャリアシンボルに変換して出力するアレー素子数分の受信キャリアシンボル生成部と、当該干渉キャンセラの出力信号をFFTすることにより周波数軸上のキャリアシンボルに変換して出力する送信キャリアシンボル生成部と、前記各受信キャリアシンボル及び前記送信キャリアシンボルに対する重み係数をOFDMのサブキャリアごとに算出して出力する重み係数算出部と、該重み係数算出部の出力する重み係数をIFFTすることにより前記各アレー合成用フィルタ手段及び帰還信号生成用フィルタ手段のフィルタ係数を生成して出力するフィルタ係数算出部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の干渉キャンセラ。
  4. 前記フィルタ係数制御手段が、前記アレー受信手段の出力する各受信OFDM信号をそれぞれFFTすることにより周波数軸上の受信キャリアシンボルに変換して出力するアレー素子数分の受信キャリアシンボル生成部と、これらの受信キャリアシンボル生成部の出力する受信キャリアシンボルから、あらかじめ定められたシンボル番号及びサブキャリア番号のサブキャリアによって伝送されるSP信号を抽出して受信SP信号を出力するアレー素子数分の受信SP抽出部と、これらの受信SP抽出部の出力する各受信信号の伝送路応答を求めて出力するアレー素子数分の受信信号伝送路応答算出部と、当該干渉キャンセラの出力信号をFFTすることにより周波数軸上のキャリアシンボルに変換して出力する送信キャリアシンボル生成部と、該送信キャリアシンボル生成部の出力するキャリアシンボルからSPを抽出して、送信SP信号として出力する送信SP抽出部と、該送信SP抽出部の出力する送信信号の伝送路応答を求めて出力する送信信号伝送路応答算出部と、前記各受信信号の伝送路応答と前記送信信号の伝送路応答に対する重み係数を算出して出力する重み係数算出部と、該重み係数算出部の出力する重み係数をIFFTすることにより前記各アレー合成用フィルタ手段及び帰還信号生成用フィルタ手段のフィルタ係数を生成して出力するフィルタ係数算出部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の干渉キャンセラ。
  5. 前記フィルタ係数制御手段が、前記アレー受信手段の出力する各受信OFDM信号をそれぞれFFTすることにより周波数軸上の受信キャリアシンボルに変換して出力するアレー素子数分の受信キャリアシンボル生成部と、これらの各受信キャリアシンボル生成部の出力する受信キャリアシンボルから受信信号の伝送路応答を求めて出力する受信信号伝送路応答算出部と、当該干渉キャンセラの出力信号をFFTすることにより周波数軸上の送信キャリアシンボルに変換する送信キャリアシンボル生成部と、該送信キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルから送信信号の伝送路応答を求めて出力する送信信号伝送路応答算出部と、前記各受信信号の伝送路応答及び前記送信信号の伝送路応答に対する重み係数を算出して出力する重み係数算出部と、該重み係数算出部の出力する重み係数をIFFTすることにより前記各アレー合成用フィルタ手段及び帰還信号生成用フィルタ手段のフィルタ係数を生成して出力するフィルタ係数算出部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の干渉キャンセラ。
  6. 前記重み係数算出部が、あらかじめ決められた振幅及び位相を有する基準SP信号を生成して出力する基準SP信号発生段と、該基準SP信号発生段が出力する基準SP信号から前記送信SP抽出段が出力する送信SP信号を減算し、誤差を求めて出力する誤差算出段と、該誤差算出段の出力する誤差が最小となる前記各受信SP信号及び送信SP信号に対する重み係数を最小2乗誤差法にて求める演算段とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の干渉キャンセラ。
  7. 前記重み係数算出部が、前記送信キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルをしきい値判定し、判定値を生成して出力するしきい値判定段と、該しきい値判定段の出力する判定値から前記送信キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルを減算し、誤差を求めて出力する誤差検出段と、該誤差算出段の出力する誤差が最小となる前記各受信キャリアシンボル及び前記送信キャリアシンボルに対する重み係数を最小2乗誤差法にて求める演算段とを備えていることを特徴とする請求項3に記載の干渉キャンセラ。
  8. 前記重み係数算出部が、無歪みの基準伝送路応答を生成して出力する基準伝送路応答発生段と、該基準伝送路応答発生段の出力する基準伝送路応答から前記送信信号伝送路応答算出部の出力する送信信号の伝送路応答を減算し、誤差を求めて出力する誤差算出段と、該誤差算出段の出力する誤差が最小となる前記各受信信号の伝送路応答及び前記送信信号の伝送路応答に対する重み係数を最小2乗誤差法にて求める演算段とを備えていることを特徴とする請求項4または5に記載の干渉キャンセラ。
  9. 前記受信キャリアシンボル生成部が、前記アレーアンテナを構成する各アンテナ素子によって受信された時間領域OFDM信号からガードインターバルを除去して有効シンボル期間に相当する信号を抽出するガードインターバル除去段と、有効シンボル期間長の時間領域OFDM信号をシンボル毎にFFTすることにより周波数領域信号のキャリアシンボルヘと変換するFFT段とを備え、前記送信キャリアシンボル生成部が、当該干渉キャンセラの出力信号である時間領域OFDM信号からガードインターバルを除去して有効シンボル期間に相当する信号を抽出するガードインターバル除去段と、有効シンボル期間長の時間領域OFDM信号をシンボル毎にFFTすることにより周波数領域信号のキャリアシンボルヘと変換するFFT段とを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の干渉キャンセラ。
  10. 前記受信信号伝送路応答算出部及び送信信号伝送路応答算出部が、あらかじめ決められた振幅及び位相を有する基準SP信号を生成して出力する基準SP信号発生段と、前記各受信SP抽出段あるいは送信SP抽出段の出力する受信SP信号あるいは送信SP信号を前記基準SP信号発生段の出力する基準SP信号で除算して、各受信信号あるいは送信信号の伝送路応答を求める除算段と、該除算段にて求めた前記それぞれの伝送路応答に内挿補間処理を施す内挿補間段とを備えていることを特徴とする請求項4に記載の干渉キャンセラ。
  11. 前記受信信号伝送路応答算出部及び送信信号伝送路応答算出部が、前記送信キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルをしきい値判定し、判定値を生成して出力するしきい値判定段と、前記各受信キャリアシンボル生成部あるいは送信キャリアシンボル生成部の出力する受信キャリアシンボルあるいは送信キャリアシンボルを前記しきい値判定段の出力する判定値で除算して、受信信号あるいは送信信号の伝送路応答を求める除算段とを備えていることを特徴とする請求項5に記載の干渉キャンセラ。
  12. 前記フィルタ係数算出部が、前記重み係数算出部からの重み係数を逆フーリエ変換するIFFT段と、時間領域信号に存在するイメージング成分を切り出さないようにするための係数切り出し段とを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の干渉キャンセラ。
  13. 前記帰還信号合成手段の出力するアレー合成信号と帰還信号との合成信号に帯域フィルタ処理を施す帯域フィルタを設けたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の干渉キャンセラ。
  14. 単一のアンテナによってOFDM信号を受信し、送信アンテナから受信アンテナへの回り込み干渉を除去する回り込みキャンセラであって、受信OFDM信号と帰還信号を合成して出力する合成手段と、該合成手段の出力する出力信号に適応フィルタによるフィルタ処理を施して、前記帰還信号を生成するフィルタ手段と、該フィルタ手段のフィルタ係数を適応制御するフィルタ係数制御手段とを備えていることを特徴とする回り込みキャンセラ。
  15. 前記フィルタ係数制御手段が、前記合成手段の出力信号をFFTすることにより周波数軸上のキャリアシンボルに変換して出力するキャリアシンボル生成部と、該キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルからあらかじめ定められたシンボル番号及びサブキャリア番号のサブキャリアによって伝送されるSPを抽出して送信SP信号を出力する送信SP抽出部と、あらかじめ決められた振幅及び位相の基準SP信号から前記送信SP抽出部が出力する送信SP信号を減算して求めた誤差が最小となる前記送信SP信号に対する重み係数を算出して出力する重み係数算出部と、該重み係数算出部が出力する重み係数をIFFTすることにより前記帰還信号生成用のフィルタ手段のフィルタ係数を生成して出力するフィルタ係数算出部とを備えていることを特徴とする請求項14に記載の回り込みキャンセラ。
  16. 前記フィルタ係数制御手段が、前記合成手段の出力信号をFFTすることにより周波数軸上のキャリアシンボルに変換して出力するキャリアシンボル生成部と、該キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルをしきい値判定した判定値から前記キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルを減算して求めた誤差が最小となる前記送信キャリアシンボルに対する重み係数を算出して出力する重み係数算出部と、該重み係数算出部が出力する重み係数をIFFTすることにより前記帰還信号生成用のフィルタ手段のフィルタ係数を生成して出力するフィルタ係数算出部とを備えていることを特徴とする請求項14に記載の回り込みキャンセラ。
  17. 前記フィルタ係数制御手段が、前記合成手段の出力信号をFFTすることにより周波数軸上のキャリアシンボルに変換して出力するキャリアシンボル生成部と、該キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルからあらかじめ定められたシンボル番号及びサブキャリア番号のサブキャリアによって伝送されるSPを抽出して送信SP信号を出力するSP抽出部と、前記送信SP信号をあらかじめ決められた振幅及び位相を有する基準SP信号で除算して求めた伝送路応答に内挿補間処理を施して送信信号の全てのサブキャリアについての伝送路応答を求めて出力する送信信号伝送路応答算出部と、無歪みの基準伝送路応答から前記送信信号伝送路応答算出部の出力する送信信号の伝送路応答を減算して求めた誤差が最小となる前記送信信号伝送路応答に対する重み係数を最小2乗誤差法にて求める重み係数算出部と、該重み係数算出部の出力する重み係数をIFFTすることにより前記帰還信号生成用のフィルタ手段のフィルタ係数を生成して出力するフィルタ係数算出部とを備えることを特徴とする請求項14に記載の回り込みキャンセラ。
  18. 前記フィルタ係数制御手段が、前記合成手段の出力信号をFFTにより周波数軸上のキャリアシンボルに変換して出力するキャリアシンボル生成部と、該キャリアシンボル生成部の出力する送信キャリアシンボルをしきい値判定した判定値で前記送信キャリアシンボルを除算して、送信信号の伝送路応答を求めて出力する送信信号伝送路応答算出部と、無歪みの基準伝送路応答から前記送信信号伝送路応答算出手段の出力する送信信号の伝送路応答を減算して求めた誤差が最小となる前記送信信号伝送路応答算出部の出力する伝送路応答に対する重み係数を最小2乗誤差法にて求める重み係数算出部と、該重み係数算出部の出力する重み係数をIFFTすることにより帰還信号生成用のフィルタ手段のフィルタ係数を生成して出力するフィルタ係数算出部とを備えることを特徴とする請求項14に記載の回り込みキャンセラ。
  19. 前記合成手段の出力する出力信号に帯域フィルタ処理を施す帯域フィルタを設けたことを特徴とする請求項14〜18のいずれかに記載の回り込みキャンセラ。
  20. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の干渉キャンセラ及び/又は回り込みキャンセラを備えたことを特徴とする中継装置。
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