JP2005221657A - 通信端末 - Google Patents
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Abstract
【課題】 リッチなプロトコルを実装することなしに、インターネットを介して効率良くMIDIメッセージ等を授受することができる通信端末を提供する。
【解決手段】 MIDIメッセージを伝送するプロトコルとして、インターネットの伝送プロトコルとして広く利用されているTCP及びUDPを用いる。送信側のプレーヤ端末200は、伝送すべきMIDIメッセージについて、絶対に欠落してはいけないシステムエクスクルーシブメッセージと、そうではない他のMIDIメッセージとに分類する。送信側のプレーヤ端末200は、システムエクスクルーシブメッセージについては信頼性の高いTCPを用いて伝送する一方、他のMIDIメッセージについては信頼性の低いUDPを用いて伝送する。
【選択図】 図3
Description
図1は、本実施形態に係るiSessionシステム100の構成を示す図である。
iSessionシステム100は、インターネット350を介して接続された複数のプレーヤ端末200−k(1≦k≦n)と、各プレーヤ端末200−kに接続された電子楽器300−kと、セッション管理サーバ400とによって構成されている。なお、プレーヤ端末200−k及び電子楽器300−kについて、特に区別する必要がない場合には単にプレーヤ端末200及び電子楽器300と呼ぶ。
プレーヤ端末(通信端末)200は、電子楽器300から供給されるMIDIメッセージをパケット化してMIDIパケット(楽音制御パケット)を生成し、これをセッションに参加している全てのプレーヤ端末200に送信する一方、他のプレーヤ端末200から送信されるMIDIパケットを受信・再生する。なお、本実施形態では、電子楽器300とプレーヤ端末200とが別体の場合を想定するが、例えば電子楽器300にプレーヤ端末200の機能を実装し、電子楽器300とプレーヤ端末200とを一体構成にしても良い。
図2は、iSessionシステム100で用いられる伝送プロトコルを説明するための図である。本実施形態に係るiSessionシステム100は、RTPやSDPといったリッチなプロトコルを用いることなく、インターネット350の伝送プロトコルとして広く利用されているTCP及びUDPを用いてMIDIパケットを伝送する。TCP及びUDPは、いずれもTCP/IPプロトコル群におけるトランスポート層に位置するプロトコルである(図2参照)。ここで、TCPは、データを確実に届けることを目的とした信頼性の高いプロトコルであり、シーケンス制御などを行うことからコネクション型のプロトコルと呼ばれる。一方、UDPは、伝送路におけるパケットの欠落等に対して何ら対応がない信頼性の低いプロトコルであり、TCPのようなシーケンス制御を行わないことからコネクションレス型のプロトコルと呼ばれる。
図4は、TCPストリーム及びUDPストリームを流れるTCPパケット及びUDPパケットを例示した図である。
本実施形態では、上記の如くTCPストリーム及びUDPストリーム(以下、これらをデュアルストリームと総称)を利用してパケット化したMIDIメッセージを伝送する。このため、受信側のプレーヤ端末200においてMIDIメッセージを正しく再生するためには、各ストリームを流れてくるパケットを正しい順番(すなわち送信された順番)で処理する必要がある。これを実現するために、本実施形態では、図4に示すようにTCPストリーム及びUDPストリームを流れる全てのパケットについて、送信順をあらわすユニークなシーケンス番号を付加する。受信側のプレーヤ端末200は、シーケンス番号通りに各パケットを処理することで、同期をとることができる。ただし、UDPストリームは、前述したように信頼性の低い伝送路であるため、UDPパケットが欠落したり、UDPパケットの順番が入れ違う等(後に送信したUDPパケットが、その前に送信したUDPパケットよりも先に受信側のプレーヤ端末200に届く等)の事態が生じうる。以下に示す第3の特徴は、このような事態に対処するものである。
図5は、TCPストリームを流れるTCPパケットの構成を示す図であり、図6は、UDPストリームを流れるUDPパケットの構成を示す図である。
TCPパケットは、タイムスタンプ、シーケンスナンバ、コマンドセクションを具備する一方、UDPパケットは、タイムスタンプ、第1シーケンスナンバ、第2シーケンスナンバ、コマンドセクション、ジャーナルセクションを具備している。
TCPパケットのシーケンスナンバには、当該TCPパケットの送信順をあらわすユニークなシーケンス番号が記述される。UDPパケットの第1シーケンスナンバも同様、当該UDPパケットの送信順をあらわすユニークなシーケンス番号が記述される。これに対し、UDPパケットの第2シーケンスナンバには、既に送信された直近のTCPパケットのシーケンス番号が記述される。なお、直近のTCPパケットが存在しない場合(未だTCPパケットが1つも送信されていない場合等)には、UDPパケットの第2シーケンスナンバにシーケンス番号「0」が記述される。かかる構成を採用することで、UDPパケットがロスしたときのリカバリを適切に行うことが可能となるが、この点については後述する。
また、UDPパケットには、ジャーナルセクションが設けられ(図6参照)、このジャーナルセクションには、パケットロス等からのリカバリに必要な情報であって、当該時点までに伝送されたUDPパケット(コマンド内容等)の履歴をあらわす履歴情報(以下、ジャーナルという)が記述される。このジャーナルは、上述したRTP Payload Format for MIDIにおいて導入された概念であり、UDPパケットがロスしたときのリカバリを行う際等に利用される。
図7は、シングルストリームにおけるリカバリ方法を説明するための図である。 UDPストリームを流れる各UDPパケットには、送信順をあらわすシーケンス番号が付加されるほか、セッション開始から現時点までに伝送されたUDPパケットの履歴をあらわすジャーナルが付加される。ここで、例えば図7のAに示すように、全てのUDPパケットが正常な状態でUDPストリームを流れている場合、受信側のプレーヤ端末200は、各パケットに付加されているシーケンス番号を参照することで全てのUDPパケットを正常に処理することができる。
図8及び図9は、デュアルストリームにおけるリカバリ方法を説明するための図であり、前掲図7に対応する図である。
UDPストリームを流れる各UDPパケットには、上述したシーケンス番号やジャーナルが付加されるほか、直近のTCPパケットのシーケンス番号が付加される(図8及び図9に示す括弧書き参照)。例えば、図8のAに示すように、シーケンス番号「3」、「4」の各UDPパケットには、直近のTCPパケットのシーケンス番号「2」がさらに付加される一方、シーケンス番号「6」が付加されたUDPパケットには、直近のTCPパケットのシーケンス番号「5」がさらに付加される。ただし、直近のTCPパケットが存在しないUDPパケット(シーケンス番号「1」が付加されたUDPパケット)については、直近のTCPパケットが存在しないことを明らかにするため、シーケンス番号「0」がさらに付加される。このデュアルストリーム環境下において全てのUDPパケットが正常な状態でUDPストリームを流れている場合には、上記シングルストリーム環境下における場合と同様、受信側のプレーヤ端末200は、各パケットに付加されているシーケンス番号を参照することで全てのUDPパケットを正常に処理することができる。
詳述すると、図8のBに示すようにシーケンス番号「4」のUDPパケットが欠落した場合、受信側のプレーヤ端末200は、シーケンス番号「3」のUDPパケットを受け取った後に、シーケンス番号「6」のUDPパケットを受け取ることになる。受信側のプレーヤ端末200は、受け取ったUDPパケットのシーケンス番号及びTCPパケットのシーケンス番号に基づいて、シーケンス番号「4」のUDPパケットが欠落したと判断すると、シーケンス番号「6」のUDPパケットに付加されているジャーナル(本実施例ではシーケンス番号「1」、「3」、「4」のUDPパケットの履歴をあらわすジャーナル)を参照し、欠落したシーケンス番号「4」のUDPパケットのリカバリを行う。一方、パケットの順番が入れ替わった場合のリカバリ処理は、上記シングルストリーム環境下における場合と異なり、次のようにして行う。
図9のCに示すように、パケット順番の入れ違い発生によりTCPパケット(シーケンス番号;「2」)→UDPパケット(シーケンス番号;「1」)の順番で受信側のプレーヤ端末200に到達した場合、先に到達したTCPパケットについては到達した時点で直ちに処理される一方、遅れて到達したUDPパケット(シーケンス番号;「1」)については欠落したものとして扱われる。欠落したものとして取り扱われたUDPパケットのリカバリは、その次に到達するUDPパケット(シーケンス番号;「3」)のジャーナルを用いて行われる。
図9のDに示すように、パケット順番の入れ違い発生によりUDPパケット(シーケンス番号;「3」)→TCPパケット(シーケンス番号;「2」)の順番で受信側のプレーヤ端末200に到達した場合、先に到達したUDPパケットについては、バッファ等に一時保管され、遅れているTCPパケットが到着するまで処理は開始されない。上述したように、各UDPパケットには、TCPパケットの到着が遅れているか否かを判断するために、当該パケットよりも前に処理されるべき直近のTCPパケットのシーケンス番号が付加されている。受信側のプレーヤ端末200は、該UDPパケットに付加されている直近のTCPパケットのシーケンス番号を参照することで、当該UDPパケットの処理を遅らせるか否かを判断し、直近のTCPパケットが届いていない場合には、遅れているTCPパケットが到着するまで該UDPパケットの処理を遅らせる。以上のようにして、デュアルストリーム環境下におけるリカバリ方法が実現される。
また、iSessionシステム100は、送信側のプレーヤ端末200と受信側のプレーヤ端末200との間の通信が切れたか否かを検出するための構成にも特徴がある。
詳述すると、通信が行われている間は、最低でも1秒間に1つ、送信側のプレーヤ端末200は受信側のプレーヤ端末200にパケットを送信する。送信側のプレーヤ端末(検知手段)200は、このパケットの生成タイミングを常に検知している。送信側のプレーヤ端末(空パケット生成手段)200は、予め設定された閾値時間内(例えば1秒間内)にパケットが生成送信されなかったことを検知すると、コマンドセクションが空のパケット(いいかえれば、コマンド内容を含まない空のパケット)を生成し、これを受信側のプレーヤ端末200に送信する。ただし、このパケットにおけるジャーナルセクションは空ではなく、当該時点までに送信されたUDPパケットのジャーナルが記述される。
以上説明した構成を採用することで、従来の如く送信側の端末からアクティブセンスメッセージ(MIDIケーブルが断線した場合などに、受信側の端末において音が鳴りっぱなしになってしまうことを防ぐために送信される情報)を送信することなく、受信側の端末において上記通信が切れたか否かを判断することができる。このように、送信側の端末においてアクティブセンスメッセージを除去することで、TCP/IP通信のバンド幅を有効に使用することができる。なお、上記例において定義した時間等(例えば、送信側のプレーヤ端末200からUDPパケットが送信される最低時間間隔等)については、iSessionシステム100の設計等に応じて適宜変更可能である。
以下、かかるiSessionシステム100を実現する各プレーヤ端末200の動作について、図10〜図14等を参照して説明する。
図10は、各プレーヤ端末200のMIDI送信部によって実行されるパケット送信処理を示す図である。MIDI送信部は、接続された電子楽器等から供給されるMIDIメッセージをパケット化し、これをセッションに参加している全てのプレーヤ端末200へ送信する機能を提供する。このMIDI送信部は、各プレーヤ端末200に搭載されているハードウェア資源(通信装置、CPU、メモリ等)とメモリに格納されたソフトウェアとが協働して動作することにより実現される。
図13及び図14は、各プレーヤ端末200のMIDI受信部によって実行されるパケット受信処理を示す図である。ここで、MIDI受信部は、他のプレーヤ端末200から送信されるパケットをMIDIメッセージに復元するとともに、復元した各MIDIメッセージに示されるコマンドを適切なタイミングでマージする機能を提供する。このMIDI受信部もMIDI送信部と同様、各プレーヤ端末200に搭載されているハードウェア資源(通信装置、CPU、メモリ等)とメモリに格納されたソフトウェアとが協働して動作することにより実現される。
また、TCPパケットやUDPパケットに付与するシーケンスナンバやジャーナルを上記の如く設定することにより、デュアルストリームに対応したパケットロスからのリカバリ等を単純な方法によって実現することができる。
Claims (8)
- コネクション型のプロトコルとコネクションレス型のプロトコルとを実装した通信端末であって、
楽音制御データを入力する入力手段と、
入力される楽音制御データを2系統に分類し、各系に属する楽音制御データをそれぞれパケット化して楽音制御パケットを生成するパケット生成手段と、
生成した一方の系に属する前記楽音制御パケットについては、前記コネクション型のプロトコルを利用して相手端末へ送信する一方、分類した他方の系に属する前記楽音制御パケットについては、前記コネクションレス型のプロトコルを利用して前記相手端末へ送信する送信手段と
を具備することを特徴とする通信端末。 - 前記コネクション型のプロトコル若しくは前記コネクションレス型のプロトコルを利用して送信される全ての楽音制御パケットに対し、送信順をあらわすシーケンス番号を付加する第1の付加手段をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の通信端末。
- 前記第1の付加手段は、前記コネクションレス型のプロトコルを利用して送信される各楽音制御パケットについては、当該パケットを識別するためのシーケンス番号を付加するほか、前記コネクション型のプロトコルを利用して既に送信された直近の楽音制御パケットに付加されているシーケンス番号をさらに付加することを特徴とする請求項2に記載の通信端末。
- 前記コネクションレス型のプロトコルを利用して送信される各楽音制御パケットに対し、当該時点までに該コネクションレス型のプロトコルを利用して送信された楽音制御パケットの履歴をあらわす履歴情報を付加する第2の付加手段をさらに具備することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の請求項に記載の通信端末。
- コマンド内容を含まない空パケットを生成する空パケット生成手段と、
前記コネクションレス型のプロトコルを利用して送信される前記各楽音制御パケットの生成タイミングを検知する検知手段とをさらに具備し、
前記送信手段は、予め設定された閾値時間内に前記楽音制御パケットの生成タイミングが検知されなかったとき、前記空パケット生成手段によって生成される空パケットを前記コネクションレス型のプロトコルを利用して前記相手端末へ送信することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1の請求項に記載の通信端末。 - 前記パケット生成手段は、入力される楽音制御データのうち、設定条件に合致する楽音制御データについてパケット化することにより、前記楽音制御パケットを生成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1の請求項に記載の通信端末。
- 前記コネクション型のプロトコルは、トランスポート層に位置するTCPであり、前記コネクションレス型のプロトコルは、前記トランスポート層に位置するUDPであり、前記楽音制御データは、MIDIメッセージであり、前記各系にに属する楽音制御データは、それぞれシステムエクスクルーシブメッセージと他のMIDIメッセージであり、前記送信手段は、前記システムエクスクルーシブメッセージをパケット化した楽音制御パケットについては、前記TCPを利用して相手端末へ送信する一方、前記他のMIDIメッセージをパケット化した楽音制御パケットについては、前記UDPを利用して前記相手端末へ送信することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1の請求項に記載の通信端末。
- コネクション型のプロトコルとコネクションレス型のプロトコルとを実装した通信端末であって、
相手端末が前記コネクション型のプロトコルを利用して送信した楽音制御パケット若しくは前記コネクションレス型のプロトコルを利用して送信した楽音制御パケットを受信する受信手段と、
前記各プロトコルを利用して送信された全楽音制御パケットに付加されている送信順をあらわすシーケンス番号と、前記コネクションレス型のプロトコルを利用して送信された楽音制御パケットに付加されている履歴情報とに基づいて、該コネクションレス型のプロトコルを利用して送信された楽音制御パケットのリカバリを行うリカバリ手段と
を具備することを特徴とする通信端末。
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