JP2005220200A - 哺乳ビン用液体洗浄剤組成物 - Google Patents

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真弓 久永
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Abstract

【課題】 粉ミルクの残さの洗浄力、泡立ち性、すすぎ性、及び低温安定性に優れ、かつ、汎用の安価な界面活性剤を組み合わせ、全体としての含有量が少ないにもかかわらず、上記各種性能を満足することのできる、コスト的にも安価な、従って、経済的に有利な哺乳ビン用液体洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】 (A)アニオン界面活性剤3〜10質量%と、(B)高級脂肪酸ジエタノールアミド3〜12質量%と、(C)両性界面活性剤0.1〜5質量%とを含有することを特徴とする哺乳ビン用液体洗浄剤組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、乳幼児向けの哺乳ビンの洗浄に好適な哺乳ビン用液体洗浄剤組成物に関する。
従来より、乳幼児が使用するプラスチックス製、ガラス製等の哺乳ビンの底部や傷の部分に、ミルク汚れが付着し乾燥すると、洗浄しにくくなるばかりか、菌の発生源になり、特に、体力的に抵抗力の低い乳幼児においては、安全上問題がある。
このような哺乳ビン用の洗浄剤として、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステルやショ糖エステル等の多価アルコールから誘導されるノニオン界面活性剤を用いた洗浄剤(例えば、特許文献1参照)が知られている。
しかしながら、これらの界面活性剤は高価であり、コスト的に問題があり、また、ミルク汚れに対して洗浄力が維持されているとは言いがたく、更にすすぎ性や低温安定性も充分とは言えなかった。
一方、ミルク汚れが蛋白質に由来することから蛋白分解酵素プロテアーゼ等と、ショ糖脂肪酸エステルなどの界面活性剤に炭酸水素ナトリウム及び無水クエン酸からなる発泡剤、マルトースなどの賦形剤・光沢剤を配合した錠剤形の哺乳びん洗浄剤(例えば、特許文献2参照)が知られている。
しかしながら、この洗浄剤は、用いる酵素のコストが高く経済的に不利であるばかりか、経日での酵素の分解による洗浄性の不足、液安定性不良、更に乳幼児の皮膚への感作性などの懸念もある。
特開平07-188696号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平02−69600号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、従来の哺乳ビン用洗浄剤に比べ、粉ミルクの残さの洗浄力、泡立ち性、すすぎ性、及び低温安定性に優れ、かつ、汎用の安価な界面活性剤を組み合わせ、全体としての含有量が少ないにもかかわらず、上記の各種性能を満足することのできる、コスト的にも安価な、従って、経済的に有利な哺乳ビン用液体洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来の課題等を解決するために、鋭意検討した結果、汎用の安価な特定の界面活性剤を哺乳ビンに求められる各種洗浄剤性能及び安全性を考慮しながら、特定の含有量の範囲で組み合わせることにより、上記目的の哺乳ビン用液体洗浄剤組成物が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)及び(2)に存する。
(1) (A)アニオン界面活性剤3〜10質量%と、(B)高級脂肪酸ジエタノールアミド3〜12質量%と、(C)両性界面活性剤0.1〜5質量%とを含有することを特徴とする哺乳ビン用液体洗浄剤組成物。
(2) 前記(A)成分のアニオン界面活性剤が、下記一般式(I)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩であり、かつ、前記(C)成分の両性界面活性剤が下記一般式(II)で表されるアミンオキシド系界面活性剤である上記(1)記載の哺乳ビン用液体洗浄剤組成物。
Figure 2005220200
Figure 2005220200
本発明によれば、粉ミルクの残さの洗浄力、泡立ち性及び低温安定性に優れ、汎用の界面活性剤の組み合わせで構成され、かつ、含有量も少ないため、従来公知の哺乳ビン洗浄剤に比べ、安価であり、経済的に極めて有利で、更に、濃度が低くても洗浄力が維持されるので、すすぎも一層容易となる哺乳ビン用液体洗浄剤組成物が提供される。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の哺乳ビン用液体洗浄剤組成物は、(A)アニオン界面活性剤3〜10質量%と、(B)高級脂肪酸ジエタノールアミド3〜12質量%と、(C)両性界面活性剤0.1〜5質量%とを含有することを特徴とするものである。
本発明の用いる(A)成分のアニオン界面活性剤としては、例えば、1)下記一般式(I)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、2)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、3)α−オレフィンスルホン酸塩、4)α−スルホ脂肪酸エステル塩等が挙げられ、これらは、単独(1種)で又は2種以上を混合して用いることができる。
Figure 2005220200
特に、低温安定性の点で、上記一般式(I)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩が好ましく、更に好ましくは、一般式(I)のR1の炭素数が10〜16、nが1〜5の数、対アニオンが、カリウム、ナトリウム、トリエタノールアミン、アンモニア等のアルカリ金属、アミン等であるものが望ましい。
用いることができるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩としては、例えば、ポリオキシエチレン(3)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(5)ドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)テトラデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(3)テトラデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(5)テトラデシル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。ここで、上記括弧内の数字は、オキシエチレンの平均付加モル数(n)を示す。なお、この一般式(I)のR1の炭素素数が10未満であると、洗浄力がやや劣り、一方、炭素数が16を越えると、低温での安定性が不足する懸念がある。また、nは、1未満であると、低温安定性が不足し、5を超えると、起泡性が低下する懸念がある。
これらの(A)成分の含有量は、哺乳ビン用液体洗浄剤組成物全量に対して、3〜10質量%(以下、「質量%」を単に「%」と略記する)であり、好ましくは、4〜9%とすることが望ましい。
この(A)成分の含有量が3%未満である、洗浄力や起泡性が低下し、逆に10%を超えて含有すると、低温安定性やすすぎ性が低下するばかりか、洗浄力の向上はなく経済的に不利である。
次に、本発明に用いる(B)成分の高級脂肪酸ジエタノールアミドは、低温安定性及び洗浄力の点から、好ましくは炭素数が8〜20、より好ましくは10〜18の飽和或いは不飽和の脂肪酸から誘導されるジエタノールアミドが望ましい。
この炭素数が20を超えて多くなると、低温安定性が不良になり、一方、8未満の場合には、洗浄力が低下する懸念がある。好適には、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリルジエタノールアミド、ミリスチルジエタノールアミド、オレイルジエタノールアミドなどが挙げられ、これらは、単独(1種)で又は2種以上を混合して用いることができる。
これらの(B)成分の含有量は、哺乳ビン用液体洗浄剤組成物全量に対して、3〜12%であり、好ましくは,4〜10%とすることが望ましい。
この(B)成分の含有量が3%未満であると、低温安定性が劣り、一方、12%を超えて多い場合には、低温安定性やすすぎ性が低下するばかりか洗浄力の向上はなく経済的に不利である。
本発明に用いる(C)成分の両性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミドベタイン、アルキルアミノベタイン、ミリスチルアルミノベタイン、下記の一般式(II)で示されるアミンオキシド等が挙げられ、これらは、単独(1種)で又は2種以上を混合して用いることができる。
Figure 2005220200
これらの中では、更なる洗浄力の面から、上記一般式(II)で示されるアルキル(アルケニル)アミンオキシド、アルキル(アルケニル)アミドアルキルアミンオキシドが好ましい。
具体的には、ドデシルジメチルアミンオキサイド、ドデシルジヒドロキシエチルアミンオキサイド、テトラデシルジメチルアミンオキサイド、テトラデシルジヒドロキシエチルアミンオキサイド、ペンタデシルジメチルアミンオキサイド、オレイルジメチルアミンオキサイド、ラウリルアミドエチルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
これらの(C)成分の含有量は、哺乳ビン用液体洗浄剤組成物全量に対して、0.1〜5%であり、好ましくは、0.2〜3%とすることが望ましい。
この(C)成分の含有量が0.1%未満であると、起泡力が不足し、一方、5%を超えて多い場合は洗浄力の増加は見込めず、また、極端に増粘しハンドリングが損なわれる場合もある。
本発明の哺乳ビン用液体洗浄剤組成物は、上記(A)〜(C)成分を上記の各範囲で含有するものであるが、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分として公知の液体洗浄剤で用いられる他の界面活性剤や添加剤を適宜使用することができる。
用いることができるその他の界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等のノニオン界面活性剤が挙げられる。
また、添加剤としては、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブチルセロソルブ、メチルカルビトールなどの低級アルコール、p-トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのグリコール類等の可溶化剤、尿素など水和破壊剤、クエン酸、リンゴ酸等のpH緩衝剤、更に、手荒れ防止剤、着色料、香料、安息香酸塩等の保存料などを用いることができる。
本発明の哺乳ビン用液体洗浄剤組成物は、上記上記(A)〜(C)成分、任意成分と、残部となる水(精製水、イオン交換水、純水、超純水、蒸留水、海洋深層水等)を通常の方法により混合均一一体化することにより、透明均一な洗浄剤組成物を得ることができる。
本発明の哺乳ビン用液体洗浄剤組成物は、使用性、皮膚刺激性、安全性等の点から、pH調整剤等により、好ましくは、pHが5〜7の中性とすることが好ましい。また、その粘度は、ボトルからの排出性、スポンジへの浸透性等の点から、粘度調整剤等により、好ましくは、50〜500mPa・s(25℃)、更に好ましくは、100〜400mPa・s(25℃)とすることが好ましい。
更に、本発明の哺乳ビン用液体洗浄剤組成物を使用する場合、哺乳ビンの汚れ具合に応じて使用量を調整すればよく、特に限定はないが、洗浄液中の成分濃度が0.01〜1%となるようにするのが好ましい。
なお、本発明の哺乳ビン用液体洗浄剤組成物は、野菜洗い用に用いることもできる。また、サラダ油等の幼児の用いるプラスチックス製食器についた汚れの洗浄に用いることも充分可能である。
このように構成される本発明の哺乳ビン用液体洗浄剤組成物では、(A)成分としてアニオン界面活性剤3〜10質量%と、(B)成分として高級脂肪酸ジエタノールアミド3〜12質量%と、(C)成分として両性界面活性剤0.1〜5質量%とを含有せしめることにより、粉ミルクの残さの洗浄力、泡立ち性及び低温安定性に優れたものとなり、しかも、汎用の界面活性剤の組み合わせで構成され、かつ、その含有量も少ないため、従来公知の哺乳ビン洗浄剤に比べ、安価であり、経済的に極めて有利で、更に、濃度が低くても洗浄力が維持されるので、すすぎも一層容易となるものが得られることとなる。
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〜6及び比較例1〜3〕
下記表1に示す配合組成で哺乳ビン用液体洗浄剤組成物を調製した。なお、pHの調整は、硫酸を用いて行った。また、配合単位は質量%であり、全量100質量%である。
得られた各哺乳ビン用液体洗浄剤組成物について、下記測定方法により、pH、粘度を測定すると共に、下記各評価方法により、ミルクの残さに対する(ミルク汚れ)洗浄力、起泡力(mm)及び低温安定性を評価した。
これらの結果を下記表1に示す。
(pHの測定方法)
各哺乳ビン用液体洗浄剤組成物を、ガラス電極式pHメーター(F−21、堀場製作所社製)を用いて、pH(25℃)を測定した。
(粘度の測定方法)
各哺乳ビン用液体洗浄剤組成物を、BL型粘度計(トキメック社製)を用いて、粘度(25℃、mP・s)を測定した。
(ミルクの残さに対する洗浄力の評価方法)
予め重量を測定した2.5cm×7.5cmのスライドグラス(W1g)に60%粉ミルク水乳化分散液を均一に全面に塗布し、一昼夜風乾した後、70℃、30分間加熱処理して、強固に汚垢を付着させ、試験片とし、この試験片の重量を測定した(W2g)。
この試験片を各哺乳ビン用液体洗浄剤組成物濃度0.12%となるように水希釈した洗浄液に20分間浸漬し、引き上げた。これを一昼夜風乾した後、70℃、30分間加熱処理した後、その重量を測定した(W3g)。
ミルク除去率を下記の式により算出し,下記の評価基準で5段階評価した。
ミルク除去率(%)=〔(W2−W3)×100〕/(W2−W1)
評価基準:
ミルク除去率85%以上 5
ミルク除去率70%以上〜85%未満 4
ミルク除去率55%以上〜70%未満 3
ミルク除去率40%以上〜55%未満 2
ミルク除去率40%未満 1
(起泡力の評価方法)
各哺乳ビン用液体洗浄剤組成物を3DH硬水を用いて0.12%の濃度に調整し、汚れ成分として市販の粉ミルクを0.01%添加して起泡力を評価した。
起泡力は、100mlのエプトン管に20mlの試料液を入れ、10回45°の角度で振とうせしめ、5分後に泡の高さ(mm)を測定した。
(保存安定性の評価方法)
各哺乳ビン用液体洗浄剤組成物を、透明なガラス瓶に入れ、−5℃で1ヶ月保存した後、その経日後の状態を下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:均一透明。
△:僅かに沈殿や濁りがある。
×:多量の沈殿物、濁りがある。
Figure 2005220200
上記表1の結果から明らかなように、本発明の範囲となる実施例1〜6は、本発明の範囲外となる比較例1〜3に較べて、粉ミルクの残さの洗浄力、泡立ち性(起泡力)及び低温安定性に優れていることが判明した。また、実施例1〜6は、汎用の界面活性剤の組み合わせで構成され、かつ、その合計含有量も少ないため、従来公知の哺乳ビン洗浄剤に較べ、安価であり、更に、濃度が低くても洗浄力が維持されると共に、すすぎも一層容易となることが判った。
本発明の哺乳ビン用液体洗浄剤組成物は、哺乳ビン用洗浄剤として好適であり、また、野菜洗い、食器洗いとしても使用可能である。

Claims (2)

  1. (A)アニオン界面活性剤3〜10質量%と、(B)高級脂肪酸ジエタノールアミド3〜12質量%と、(C)両性界面活性剤0.1〜5質量%とを含有することを特徴とする哺乳ビン用液体洗浄剤組成物。
  2. 前記(A)成分のアニオン界面活性剤が、下記一般式(I)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩であり、かつ、前記(C)成分の両性界面活性剤が下記一般式(II)で表されるアミンオキシド系界面活性剤である請求項1記載の哺乳ビン用液体洗浄剤組成物。
    Figure 2005220200
    Figure 2005220200
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