JP2005220148A - 易滑性ポリエステル樹脂組成物およびこれを用いて形成された成形品 - Google Patents

易滑性ポリエステル樹脂組成物およびこれを用いて形成された成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】 摺動特性が改善された易滑性ポリエステル樹脂組成物および該組成物からなる成形品を提供する。
【手段】 (A)ポリエステル樹脂100重量部に対して、(B)α−オレフィンとα,β−不飽和酸のグリシジルエステルからなるグリシジル基含有共重合体0.1〜5重量部、(C)分子量1万〜100万の直鎖状ポリオレフィン樹脂1〜10重量部および(D)分子量400〜8000のポリエチレンワックス0.06〜1重量部を含有する易滑性ポリエステル樹脂組成物、及び該組成物から形成された成形品である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、OA機器、電気電子装置、機械部品等における摺動性を要求される用途に使用される各種部品の作製に好適な易滑性ポリエステル樹脂組成物に関する。
摺動性を要求される樹脂部品としては、例えば、軸受け、ギアー等が挙げられる。こうした部品用の樹脂材料としては、ポリアセタール、ポリアミド、熱可塑性ポリエステル樹脂などが挙げられる。摺動性部品に熱可塑性ポリエステル樹脂を用いる場合、更に摺動性の向上が求められており、例えば、シリコーンやワックス等の潤滑成分を添加する方法が提案されているが、必ずしも満足できる摺動性は得られていなかった。
また、ポリエチレン等のポリオレフィンを配合することによって、摺動特性の向上に優れた改良効果があることも知られている。しかし、射出成型時にポリオレフィンが遊離剥離する問題があり、この点の改良技術として、特許文献1には、芳香族ポリエステル100重量部に対して、α−オレフィンとα,β−不飽和酸のグリシジルエステルからなるグリシジル基含有共重合体1〜11重量部、分子量10万〜100万の直鎖状ポリオレフィン1〜11重量部、および脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステルの部分ケン化物0.1〜1重量部を含有せしめてなる易滑性ポリエステル樹脂組成物、が報告されている。
しかし、最近の小型摺動部品においては、更に摺動特性の向上が求められており、また特にガラス繊維強化グレードにおける機械的強度の改善も同時に求められており、本技術では不十分であった。
特開昭62−153338号公報
本発明の課題は、摩擦係数および比磨耗量が小さい、摺動特性が改善された易滑性ポリエステル樹脂組成物および該組成物を用いて形成された成形品を提供することにある。また、本発明の課題は、摺動特性が改善されているとともに、ガラス繊維等の無機充填材が添加された強化グレードにおいて機械的強度が改善された易滑性ポリエステル樹脂組成物および該組成物からなる成形品を提供することにある。
本発明は、低分子量のポリエチレンワックスを使用することにより、上記の問題が解決されることを見いだし、この知見に基づいて鋭意検討した結果なされたものである。本発明は、
(A)ポリエステル樹脂100重量部に対して、
(B)α−オレフィンとα,β−不飽和酸のグリシジルエステルからなるグリシジル基含有共重合体0.1〜5重量部、
(C)分子量1万〜100万の直鎖状ポリオレフィン樹脂1〜10重量部および
(D)分子量400〜8000のポリエチレンワックス0.06〜1重量部
を含有する易滑性ポリエステル樹脂組成物、および該組成物を用いて形成された成形品に関する。
本発明の一態様として、(A)ポリエステル樹脂と(C)直鎖状ポリオレフィン樹脂との温度270℃、せん断速度1000sec-1における溶融粘度の比が、0.3〜2.0である前記易滑性ポリエステル樹脂組成物;(B)グリシジル含有共重合体と(C)直鎖状ポリオレフィン樹脂との配合量の重量比が、0.05〜0.8である前記易滑性ポリエステル樹脂組成物;(D)ポリエチレンワックスと(C)直鎖状ポリオレフィン樹脂との配合量の重量比が、0.01〜0.5である前記易滑性ポリエステル樹脂組成物;さらに(E)無機充填材を含有する前記易滑性ポリエステル樹脂組成物;又は(E)無機充填材を、(A)ポリエステル樹脂100重量部に対して3〜100重量部含有する前記易滑性ポリエステル樹脂組成物;が提供される。
本発明のポリエステル樹脂組成物は優れた摺動性および機械的強度を有し、本発明組成物を用いて形成された成形品はOA機器、電気電子装置、機械部品等における摺動性を要求される用途に、広く好適に使用される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における(A)ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸又はその誘導体と、ジオールを重合させることにより得られる。
ジカルボン酸又はその誘導体としてはテレフタル酸又はこの低級アルキルエステルが最も好ましく、これを主成分とすることが好ましいが、本発明の性能を損なわない範囲でその他のジカルボン酸成分を併用してもよい。その他のジカルボン酸成分としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸;これらの低級アルキルあるいはグリコールのエステル;などが挙げられる。これらのうち1種又は2種以上を併用してもよい。
(A)ポリエステル樹脂の原料として用いられるジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールが最も好ましく、これを主成分とすることが好ましいが、本発明の性能を損なわない範囲でその他のジオール成分を併用してもよい。その他のジオール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ジブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール等の脂肪族ジオール;1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール等の脂環式ジオール;キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等の芳香族ジオール;等があり、これらから選ばれる1種又は2種以上を併用してもよい。
本発明の(A)ポリエステル樹脂は、更に、乳酸、グリコール酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸;アルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸などの単官能成分;トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール等の三官能以上の多官能成分;などを共重合成分として使用することができる。
上記ジカルボン酸又はその誘導体とジオールとを用いてポリエステルを製造するには、公知の方法が採用される。例えば、テレフタル酸成分と1,4−ブタンジオール成分を用いて、ポリブチレンテレフタレートを製造する場合を例に説明すると、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールを直接エステル化反応させる直接重合法と、テレフタル酸ジメチルを主原料として使用するエステル交換法とに大別される。前者は初期のエステル化反応で水が生成し、後者は初期のエステル交換反応でアルコールが生成するという違いがある。原料コスト面からは、直接エステル化反応が有利である。
また、ポリエステルの製造方法は、原料供給またはポリマーの抜き出し形態から回分法と連続法に大別される。初期のエステル化反応またはエステル交換反応を連続操作で行って、それに続く重縮合を回分操作で行ったり、逆に、初期のエステル化反応またはエステル交換反応を回分操作で行って、それに続く重縮合を連続操作で行う方法もある。
本発明における(A)ポリエステル樹脂としては、芳香族ポリエステル樹脂が好ましいが、特に適度の機械強度を有するポリブチレンテレフタレート樹脂が最も好ましい。このポリブチレンテレフタレート樹脂とは、テレフタル酸がモノマーにおける全ジカルボン酸成分の50モル%以上を占め、1,4−ブタンジオールが全ジオールの50モル%以上を占めてなる樹脂を意味する。テレフタル酸は全ジカルボン酸成分の80モル%以上を占めることがより好ましく、95モル%以上占めることがさらに好ましい。1,4−ブタンジオールは全ジオール成分の80モル%以上を占めることがより好ましく、95モル%以上占めることがさらに好ましい。
ポリブチレンテレフタレート樹脂に代表される、本発明の(A)ポリエステル樹脂の極限粘度は、1,1,2,2−テトラクロロエタン/フェノール=1/1(重量比)の混合溶媒を用いて、温度30℃で測定した場合、好ましくは0.50以上であり、また好ましくは3.0以下であり、0.50〜3.0であるのがより好ましい。極限粘度が0.50〜3.0であるポリエステル樹脂を、2種類以上を併用してもよい。
本発明における(B)α−オレフィンとα,β−不飽和グリシジルエステルとからなるグリシジル基含有共重合体(以下、単にB成分と記載することがある)とは、ポリエステル樹脂および直鎖状ポリオレフィンと相溶性があり、ポリオレフィンを均一に分散する機能を有する樹脂である。(B)成分におけるα−オレフィン(B1)とは、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1などであり、中でもエチレンが特に好ましい。
(B)成分におけるα,β−不飽和グリシジルエステル(B2)とは、下記の一般式[I]で表される化合物であり、具体的にはアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジルなどである。α,β−不飽和グリシジルエステル(B2)は、単独でも2種以上の混合物であってもよい。α,β−不飽和グリシジルエステル(B2)の中で特に好ましいのは、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルである。
Figure 2005220148
(B)成分におけるα,β−不飽和グリシジルエステル(B2)の共重合比率は、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは2重量%以上であり、また好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下である。また、前記共重合比率が、これらの範囲を任意に組み合わせた範囲であるのも好ましい。共重合比率が0.5重量%未満であると、B成分を配合してもポリオレフィンの分散改良効果が十分でない場合があり、また40重量%を越えると樹脂組成物の成形時流動性が低下する傾向がある。
(B)成分には、40重量%未満の範囲で、上記α−オレフィン(B1)とα,β−不飽和グリシジルエステル(B2)と共重合可能な他の不飽和単量体(B3)を共重合させ、含ませることができる。他の不飽和単量体(B3)としては、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどのアクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリロニトリル、スチレン、一酸化炭素、無水マレイン酸などが挙げられる。
(B)成分は、α−オレフィン(B1)とα,β−不飽和グリシジルエステル(B2)、さらに要すれば共重合可能な他の不飽和単量体(B3)とを、標準的なランダム共重合法またはグラフト共重合法によって、容易に製造することができる。共重合反応は不活性溶媒中で遂行する方法が一般的であり、不活性溶媒としてはベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素などが挙げられる。
好ましい(B)成分としては、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン−プロピレン−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン−メタクリル酸グリシジル−一酸化炭素共重合体、エチレン−メタクリル酸グリシジル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸グリシジル−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸グリシジル−メタクリル酸メチル共重合体などが挙げられる。中でも、エチレン−メタクリル酸グリシジル−アクリル酸メチル共重合体が特に好ましい。
グリシジル基含有共重合体の配合量としては、ポリエステル樹脂100重量部に対して、通常0.1重量部以上、好ましくは0.2重量部以上であり、また通常5重量部以下、好ましくは3重量部以下である。また、前記配合量が、これらの範囲を任意に組み合わせた範囲であるのも好ましい。グリシジル基含有共重合体の配合量が0.1重量部より少ないと、ポリオレフィンの分散効果が少なく、そのため摺動特性に不具合が生じる場合があり、また機械的強度が低下するおそれがある。5重量部より多いと溶融粘度が上がり、コンパウンドおよび成型時にトラブルが発生するおそれがある。
グリシジル基含有共重合体自体は、摺動特性の改善効果は殆どないばかりか、むしろ摺動特性を悪化させる特性がある。衝撃特性の改善効果を求めると、グリシジル基含有共重合体を大量に配合しがちであるが、摺動特性の観点からは、グリシジル含有共重合体と直鎖状ポリオレフィン樹脂の配合量の比は、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.25以上であり、また好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7以下である。また、前記配合量の比が、これらの範囲を任意に組み合わせた範囲であるのも好ましい。
次に、本発明において使用する(C)直鎖状のポリオレフィンは、側鎖を実質的に持たない分子量が1万〜100万のポリオレフィンである。ここで分子量は、ASTM D2857に従って測定した粘度平均分子量である。側鎖の多いいわゆる高圧法(低密度)ポリエチレン、あるいは分子量が100万を超える超高分子ポリエチレンは良好な摺動特性を発揮しないし、成形体の外観も不良となる。
摺動特性改良効果が高いポリオレフィンとしては、高結晶性が好ましく、例えば高密度ポリエチレンやホモのポリプロピレンが好ましく、特に比重0.94以上の高密度ポリエチレンが好ましい。一般的に分子量が小さいほうが、密度(結晶化度)が高くなるので、低分子量の方が摺動性の改善効果の期待が大きくなる。しかし、分子量が低くなりすぎると機械的強度を保持できなくなる。前記(C)ポリオレフィンの分子量範囲は、通常1万以上、好ましくは2万以上であり、また通常100万以下、好ましくは40万以下である。また、分子量が、これらの範囲を任意に組み合わせた範囲であるのも好ましい。特に、ガラス繊維などの繊維状補強剤を配合した組成物では、ポリオレフィンの分子量が高くなると、溶融混錬時に繊維の破損が大きくなり、機械的強度の低下が危惧されるため、分子量は2万以上、または10万以下とするのが好ましく、2万〜10万とするのがより好ましい。
摺動面の一部で磨耗が始まれば、それを起点に激しく磨耗が始まり、摺動特性としては悪化する。つまり、摺動面はきわめて均一性が要求され、したがって、(C)ポリオレフィンが(A)ポリエステル樹脂内に均一に微細に分散しないと、摺動特性は改善されない。ここで、ポリオレフィンをポリエステル樹脂に分散するために、ベース(海)となる(A)ポリエステル樹脂と、島となる(C)ポリオレフィンとの溶融粘度が近いことが求められる。したがって、(C)ポリオレフィンの分子量は、ベースとなる(A)ポリエステル樹脂の溶融粘度から決められるべきで、(A)ポリエステル樹脂と(C)直鎖状ポリオレフィンの温度270℃、せん断速度1000sec-1における溶融粘度の比は、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.35以上であり、また好ましくは2.0以下、より好ましくは1.8以下である。また、前記溶融粘度の比が、これらの範囲を任意に組み合わせた範囲であるのも好ましい。
(C)直鎖状ポリオレフィンの配合量としては、(A)ポリエステル樹脂100重量部に対して、通常1重量部以上、好ましくは2重量部以上であり、また通常10重量部以下、好ましくは8重量部以下である。また、前記配合量が、これらの範囲を任意に組み合わせた範囲であるのも好ましい。配合量が1重量部より少ないと摺動特性の改善効果が期待できない。10重量部より多いと成型品にポリエチレンの遊離現象が認められ、耐磨耗性が悪化する。
本発明で用いる(D)ポリエチレンワックスは分子量400〜8000であり、例えばポリエチレン樹脂製造時に副生する、いわば超低分子量ポリエチレンである。
(D)ポリエチレンワックスの配合の目的を次のとおり示すが、これらはポリエチレンワックスの効果を制限するものではない。
1)直鎖状ポリオレフィンは、縮合重合体のポリエステルに比べ、溶融粘度の非ニュートン性が強いので、上述したように、あるせん断速度において、ポリエステル樹脂とポリオレフィンの粘度を一致させても、他のせん断速度においては、溶融粘度がかなり乖離してしまうことがある。ポリエチレンワックスは、ポリオレフィンと非常に相溶性がよく、且つ低分子量であるので、ポリオレフィンにポリエチレンワックスを混合すると、ポリオレフィンの非ニュートン性が緩和され、より広いせん断速度範囲において、ポリエステル樹脂と溶融粘度が近づくようになり、直鎖状ポリオレフィンが、より微細で且つ均一な分散する場合の効果を期待できる。
2)上述したようにグリシジル基含有共重合体の配合は、摺動特性を悪化させる懸念がある。ポリエチレンワックスは、グリシジル基含有共重合体とも相溶性が良好なため、摺動特性の悪化の防止効果を期待できる。
3)ワックスとして、潤滑剤効果による摺動特性の改善効果を期待できる。
(D)ポリエチレンワックスの配合量は、ポリエステル樹脂100重量部に対して、通常0.06重量部以上、好ましくは0.1重量部以上であり、また通常1重量部以下、好ましくは0.8重量部以下である。また、前記配合量が、これらの範囲を任意に組み合わせた範囲であるのも好ましい。配合量が0.06重量部より少ないと、摺動性改良効果が見込めない。1重量部を超えると、成型時のガスの発生など成型トラブルが発生する恐れがある。
上述のポリエチレンワックスの配合の目的から、ポリエチレンワックスと直鎖状ポリオレフィン樹脂との配合量の比が、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.03以上であり、また好ましくは0.5以下、より好ましくは0.4以下である。また、前記配合量の比が、これらの範囲を任意に組み合わせた範囲であるのも好ましい。
本発明の易滑性ポリエステル樹脂組成物には物性と摺動特性を損なわない限りにおいて、その目的に応じ無機充填材を配合することができる。また前述したように、無機充填材を含む組成物において、本発明は特に顕著な効果を発揮する。
無機充填材としては、繊維状、板状、粒状物およびこれらの混合物が挙げられる。具体的にはガラス繊維、炭素繊維、鉱物繊維、金属繊維、セラミックスウイスカー、ワラストナイト等の繊維状物;ガラスフレーク、マイカ、タルクなどの板状物;シリカ、アルミナ、酸化チタン、ガラスビーズ、カーボンブラック、炭酸カルシュウム等の粒状物など周知のものが挙げられる。これらの選定の基準は製品の必要とされる特性によるが、機械的強度や剛性については繊維状物、特にガラス繊維が選定され、成形品の異方性およびソリの低減が重要な際は板状物、特にマイカが選ばれる。また、粒状物は成型時の流動性も加味された全体的なバランスのもとで最適なものが選ばれる。無機充填材は本特性を損なわない範囲であれば、シランカップリング剤、チタン系カップリング剤等で表面処理されていてもよく、また、収束剤で処理されていてもよい。
無機充填材を配合した態様では、無機充填材の配合量は、ポリエステル樹脂100重量部に対して、好ましくは3重量部以上、より好ましくは5重量部以上であり、また好ましくは100重量部以下であり、より好ましくは80重量部以下である。また、前記配合量が、これらの範囲を任意に組み合わせた範囲であるのも好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、その物性と摺動特性を損なわない限りにおいて、更に、その目的に応じ、難燃剤、難燃助剤、周知の種々の添加剤、樹脂、染料、顔料などを含有して良い。
添加剤の例としては、シリコンオイル等の離型剤;ヒンダードフェノール系、亜燐酸エステル系、硫黄含有エステル化合物系等の熱安定剤;結晶化促進剤;紫外線吸収剤あるいは耐候性付与剤が挙げられる。
また、含有し得るその他の樹脂としては、本発明の樹脂組成物の性能を損なわない限り特に制限はなく、例えば、
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロンMXD6等のポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスチレン、ABS、AS、MS等のスチレン系樹脂;アクリル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体等のオレフィン系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂などの熱可塑性樹脂;
フェノール樹脂;メラミン樹脂;シリコーン樹脂;エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂;
ナイロン6、ナイロン66,ナイロン46,ナイロン610,ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12等の脂肪族ポリアミドにより構成されたハードセグメントと、ポリエーテル系(例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリテトラメチレンオキサイド等のポリオキシアルキレングリコールなど)やポリエステル系(例えば、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンサクシネートなど)により構成されたソフトセグメントを有する、熱可塑性ポリアミドエラストマー;ハードセグメントがポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレフィン重合体で構成され、ソフトセグメントがEPDM、EPR等のオレフィン系ゴム又はブチルゴム、NBR、水添SBR等のジエン系ゴムで構成されている、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー;SBS(スチレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマー)、SIS(スチレン/イソプレン/スチレンブロックコポリマー)、SEBS(スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンブロックコポリマー:SBSの水添物)、SEPS(スチレン/エチレン/プロピレン/スチレンブロックコポリマー:SISの水添物)等の熱可塑性ポリスチレンエラストマー、などのエラストマー;
等が挙げられる。
本発明の易滑性ポリエステル樹脂組成物を製造するための方法としては、特に制限はなく、通常の方法が使用でき、例えば、回分的または連続的に、配合成分を溶融混練できる装置を使用する方法があげられ、装置としては例えば押出成形機等が挙げられる。
本発明の成形品を製造する方法としては、特に制限はなく、通常の方法が使用でき、易滑性ポリエステル樹脂組成物を、例えば射出成型法、押出成型法等により成形する方法が挙げられる。本発明組成物より成型される摺動性部品は、動摩擦係数が好ましくは0.20以下であり、かつ摩耗量が好ましくは0.2mg/cm2・hr以下であり、摺動性に優れ、また機械的物性に優れており、回転体の軸受、歯車、自動車用ケーブル等その他の用途に広く利用できる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例および比較例においては使用した原材料]
(A)ポリエステル樹脂
(A−1)ポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ノバデュラン 5020、[η]=1.20)。以下、「PBT−1」と略記する。PBT−1の270℃、1000sec-1での溶融粘度は250Pa・secであった。
(A−2)ポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ノバデュラン 5008、[η]=0.85)。以下「PBT−2」と略記する。PBT−2の270℃、1000sec-1での溶融粘度は80Pa・secであった。
(B)グリシジル基含有共重合体
エチレン/メタクリル酸グリシジル/アクリル酸(64/6/30wt%)共重合体(住友化学工業(株)製 ボンドファースト 7M)。以下、「G−Co」と略記する。
(C)直鎖状ポリオレフィン
(C−1)高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)製 ノバテックHD HB310)。以下、「HDPE−1」と略記する。HDPE−1の270℃、1000sec-1での溶融粘度は400Pa・secで、分子量は17万であった。
(C−2)高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)製 ノバテックHD HJ490)。以下、「HDPE−2」と略記する。HDPE−2の270℃、1000sec-1での溶融粘度は90Pa・secで、分子量は3.6万であった。
(C−3)高密度ポリエチレン(三井化学(株)製 ハイゼックス・ミリオン MIL−145M)。以下、「HDPE−3」と略記する。HDPE−3の270℃、1000sec-1での溶融粘度ほぼ測定不可で、分子量は100万を超えていた。
(D)ワックス
(D−1)ポリエチレンワックス(三井化学(株)製 三井ハイワックス 200P)。以下、「PEwax」と略記する。PEwaxの分子量は、2000であった。
(D−2)高級アルコールの脂肪酸エステル ステアリルステアレート(理研ビタミン(株)製 リケマール SL−800)。以下、「StSt」と略記する。
(D−3)モンタン酸エステルワックス(東洋ペトロライト(株)製 ルザワックスEP)。以下「MTwax」と略記する。MTwaxの分子量は、800であった。
(E)無機充填材 ガラス繊維(日本電気硝子(株)製 T127)。以下、「GF」と略記する。
[実施例および比較例における評価方法]
(1)溶融粘度比:溶融粘度はキャピラリー型レオメータ((株)東洋精機製作所製キャピログラフ1C)を用い、ISO11443に準じて測定した。オリフィスの径は1mm、長さは30mmを使用した。270℃、1000sec-1でのPBTの溶融粘度とHDPEの溶融粘度の比〔PBTの溶融粘度〕/〔HDPEの溶融粘度〕を求めた。
(2)摩擦係数:スラスト摩擦摩耗試験機(オリエンテック製)を用いて同じ樹脂製摩耗リングを上下にセットし、下記に示す方法で作製した試験片について、面圧0.3MPa、線速度7.2cm/secで摩擦力を測定し、動摩擦係数を求めた。
(3)摩耗量:スラスト摩擦摩耗試験機(オリエンテック製)を用いて同じ樹脂製摩耗リング(摺動面積2cm2)を上下にセットし、下記に示す方法で作製した試験片について、面圧0.3MPa、線速度7.2cm/sec、走行時間20時間後の樹脂の摩耗量を求めた。単位はmg/cm2・hrである。
(4)成形品外観:100×100×2mmの大きさで成形表面が鏡面である金型を用いて射出成形し、成形品を観察して、材料からのガスの発生による曇りまたはポリオレフィンなどの有利剥離があるかかどうか目視にて調べた。曇り又は剥離が全く認められないものを「○」、10%ほどの成型品に認められるものを「△」、20%以上に認められるものを「×」と表記した。
(5)シャルピー衝撃:ISO179に準じてシャルピー衝撃をノッチ付で測定した。単位はKJ/m2である。
[実施例1〜4および比較例1〜11]
各成分を表1および表2に示す量(重量部)だけ配合し、2軸押出機(スクリュー径φ30mm、L/D=28)を用いて、バレル設定温度260℃、回転数180rpmで混練し、得られたペレットを用いてスクリューインライン射出成形機にてシリンダー温度250℃、金型温度100℃で成形し、摺動特性測定用試験片(外径φ25mm、内径φ20mm、高さ15mm)を各々作製した。これらの試験片を用いて各評価試験および成形外観テストを行った。評価結果および配合量を表−1および表−2に示す。
なお、表中、芳香族ポリエステル樹脂と直鎖状ポリオレフィンの温度270℃、せん断速度1000sec-1における溶融粘度の比を「PBT/HDPE」と略記した。また、グリシジル含有共重合体と直鎖状ポリオレフィン樹脂の配合量の比を「G−Co/HDPE」と、ポリエチレンワックスと直鎖状ポリオレフィン樹脂との配合量の比を「PEwax/HDPE」と略記した。
Figure 2005220148
Figure 2005220148
本発明の易滑性ポリエステル樹脂組成物は、難燃化が容易で耐候性が良好であるというポリエステル樹脂の特徴を維持しつつ、成形時のガスの発生が少なく成形外観および機械的物性に優れ、且つ摩耗係数および摩耗量が小さく摺動特性に優れている。本発明樹脂組成物より成型された摺動性部品は、動摩擦係数および比摩耗量の値がそれぞれ小さく摺動特性に優れており、回転体の軸受、流量調整バルブ、歯車、自動車用ケーブル等として有用である。

Claims (7)

  1. (A)ポリエステル樹脂100重量部に対して、
    (B)α−オレフィンとα,β−不飽和酸のグリシジルエステルからなるグリシジル基含有共重合体0.1〜5重量部、
    (C)分子量1万〜100万の直鎖状ポリオレフィン樹脂1〜10重量部および
    (D)分子量400〜8000のポリエチレンワックス0.06〜1重量部
    を含有する易滑性ポリエステル樹脂組成物。
  2. (A)ポリエステル樹脂と(C)直鎖状ポリオレフィン樹脂との温度270℃、せん断速度1000sec-1における溶融粘度の比が、0.3〜2.0である請求項1に記載の易滑性ポリエステル樹脂組成物。
  3. (B)グリシジル含有共重合体と(C)直鎖状ポリオレフィン樹脂との配合量の重量比が、0.05〜0.8である請求項1又は2に記載の易滑性ポリエステル樹脂組成物。
  4. (D)ポリエチレンワックスと(C)直鎖状ポリオレフィン樹脂との配合量の重量比が、0.01〜0.5である請求項1〜3のいずれか一項に記載の易滑性ポリエステル樹脂組成物。
  5. さらに(E)無機充填材を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の易滑性ポリエステル樹脂組成物。
  6. (E)無機充填材を、(A)ポリエステル樹脂100重量部に対して3〜100重量部含有する請求項5に記載の易滑性ポリエステル樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の易滑性ポリエステル樹脂組成物を用いて形成された成形品。
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