JP2005220146A - 樹脂組成物水性分散体及び該分散体の製造方法、並びに加工不織布 - Google Patents

樹脂組成物水性分散体及び該分散体の製造方法、並びに加工不織布 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐熱性に優れる加工不織布の形成に好適に供されるバインダーであって、N−メチロール基等を含まない樹脂組成物の水性分散体を提供する。
【解決手段】 水溶性カルボニル基含有不飽和モノマー(a1)、分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を持つ特定のシランカップリング剤(a2)、及びアミド系モノマー以外のその他のラジカル重合可能な不飽和モノマー(a3)を水性媒体中で乳化重合してなる共重合体(A)のエマルジョンと、この共重合体(A)中に含有されるカルボニル基に対してヒドラジド基が当量比で0.1〜1.5であるヒドラジド化合物(B)とを含有すること。
【選択図】 なし

Description

本発明は、樹脂組成物水性分散体物及びその製造方法に関するものであり、詳しくは加工不織布の製造に好適な樹脂組成物水性分散体物に関する。さらに詳しくは不織布に塗工・含浸した後、極めて早い乾燥性を有し、不織布に対する密着性が良好であり、耐熱性に優れる加工不織布を形成し得る樹脂組成物水性分散体物及びその製造方法に関するものである。
従来、繊維,不織布,紙等に塗布したり含浸したりして使用するバインダーとしては、塗布・含浸後における物理的強度(破断時強度、破断時伸度、伸長初期時応力),耐水性,耐熱性等の諸物性を確保する為に、自己架橋型のN−メチロール基やN−アルコキシメチロール基(以下、N−メチロール基等という)を含有するアクリル酸エステル共重合体や、アクリル酸エステル/スチレン共重合体やアクリル酸エステル/酢酸ビニル共重合体と言ったポリマー類が知られていた。これらはコスト的に安価であり共重合性についても良好で、共重合のし易さ、成膜物性のコントロールのし易さ等の点で優れる。
しかし、その反面メチロール基等を含有する場合には、ホルムアルデヒド放出の要因ともなっており、昨今問題となっているシックハウス症候群やその他人体に対する悪影響の原因ともなっている。近年、環境規制の基準が非常に厳しくなってきており、極微量でも原因物資の存在が許されぬ状況になりつつあり、メチロール基を含有する組成物は使用できなくなりつつある。そこで、ホルムアルデヒド発生の原因となるN−メチロール基等を含有しないバインダーの開発が急がれている。
ところで、加工不織布は、さらに軟化・溶融状態のアスファルトを含浸したり、塗布したりして、屋根やベランダ等の防水加工に使用される。従って、加工不織布には、アスファルトの含浸・塗布に耐えられる耐熱性が要求される。具体的には、高温にさらされても物理的強度があまり低下しないことが要求される。より具体的には、高温放置後の伸びや強度が高温放置前に比してあまり低下しないことが要求され、特に引っ張り試験をした際の伸長初期の応力が大きいことが要求される。
N−メチロール基等を含有しない加工不織布用のバインダーに関する発明が、特許文献1:特開平07−258555号公報の実施例2及び5に開示されている。
しかし、特許文献1に記載されるバインダーは、ポリアルキレンイミンを必須とするものであり、ポリアルキレンイミンの使用は安全性、衛生性の点で好ましくない。
特許文献2:特開平08−260321号公報の実施例1にもN−メチロール基等を含有しない不織布用のバインダーに関する発明が開示されている。特許文献2に記載されるバインダーを用いてなる加工不織布は、高温放置しても寸法変化の小さいものではある。
しかし、特許文献2に記載されるバインダーは、単官能のアクリル系モノマーと多官能のアクリル系モノマーとを乳化重合してなるものであり、水性媒体に分散している共重合体粒子が架橋しているとはいうものの、加工不織布用のバインダーとして用いた場合、耐熱強度が不十分である。
また、N−メチロール基等ではなく、カルボニル基を含有するアクリル系共重合体のエマルジョンとポリヒドラジド化合物とを用い、カルボニル基とヒドラジド基との反応を利用する発明が、特許文献3:特開平11−172151号公報、特許文献4:特開平11−349891号公報、特許文献5:特開平11−349892号公報、特許文献6:特開2000−007981号公報に開示されている。しかし、特許文献3〜6に開示される水性樹脂組成物は、加工不織布用のバインダーとしては、耐熱強度が不十分である。
特開平07−258555号公報の実施例2、5 特開平08−260321号公報の実施例1 特開平11−172151号公報 特開平11−349891号公報 特開平11−349892号公報 特開2000−007981号公報
本発明は、耐熱性に優れる加工不織布の形成に好適に供されるバインダーであって、N−メチロール基等を含まない樹脂組成物の水性分散体を提供することを目的とする。
本発明は、水溶性カルボニル基含有不飽和モノマー(a1)、分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を持つ一般式(1)ないし一般式(2)で表される化合物(a2)、及びN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれるアミド系モノマー以外のその他のラジカル重合可能な不飽和モノマー(a3)を水性媒体中で乳化重合してなる共重合体(A)のエマルジョンと、この共重合体(A)中に含有されるカルボニル基に対してヒドラジド基が当量比で0.1〜1.5であるヒドラジド化合物(B)とを含有することを特徴とする樹脂組成物水性分散体であって、
反応容器中に仕込んだ上記モノマー(a1)〜(a3)のうち少なくとも1種、乳化剤及び水を含有する第1のモノマーエマルジョンを重合し、第1のポリマーエマルジョンを得、次いで該第1のポリマーエマルジョンの存在下に、上記モノマー(a1)〜(a3)のうち少なくとも1種、乳化剤及び水を含有する第2のモノマーエマルジョンを重合してなることを特徴とする樹脂組成物水性分散体物に関する。
Figure 2005220146
また、本発明は、ラジカル重合可能な不飽和モノマー合計100%中に水溶性カルボニル基含有不飽和モノマー量(a1)が0.1〜20重量%であることを特徴とする上記発明に記載の樹脂組成物水性分散体に関し、
また、本発明は、ラジカル重合可能な不飽和モノマー合計100重量%中に一般式(1)ないし一般式(2)で表される化合物(a2)が0.05〜10重量%であることを特徴とする上記発明のいずれかに記載の樹脂組成物水性分散体に関し、
さらに本発明は、コロイダルシリカの存在下にラジカル重合可能な不飽和モノマーを乳化重合する事を特徴とする上記発明のいずれかに記載の樹脂組成物水性分散体物に関する。
また、本発明は、水溶性カルボニル基含有不飽和モノマー(a1)、分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を持つ一般式(1)ないし一般式(2)で表される化合物(a2)、及びN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれるアミド系モノマー以外のその他のラジカル重合可能な不飽和モノマー(a3)を水性媒体中で乳化重合してなる共重合体(A)のエマルジョンと、この共重合体(A)中に含有されるカルボニル基に対してヒドラジド基が当量比で0.1〜1.5であるヒドラジド化合物(B)とを含有する事を特徴とする樹脂組成物水性分散体物の製造方法であって、
反応容器中に仕込んだ上記モノマー(a1)〜(a3)のうち少なくとも1種、乳化剤及び水を含有する第1のモノマーエマルジョンを重合し、第1のポリマーエマルジョンを得、ついで該第1のポリマーエマルジョンの存在下に上記モノマー(a1)〜(a3)のうち少なくとも1種、乳化剤及び水を含有する第2のモノマーエマルジョンを重合することを特徴とする樹脂組成物水性分散体の製造方法に関する。
Figure 2005220146
さらにまた本発明は、上記発明のいずれかに記載の樹脂組成物水性分散体を不織布に塗布ないし含浸し、樹脂組成物を不織布に固着してなる加工不織布に関する。
本発明によれば、ホルムアルデヒドの発生原因となり得る成分を含まない樹脂組成物水性分散体でありながら、ホルムアルデヒドの発生原因となり得る成分を含む場合と比較して、耐熱性に優れる加工不織布を得ることができる。本発明の樹脂組成物水性分散体は、アスファルトルーフィング用の基材として好適な加工不織布を提供できる。
本発明で用いられる共重合体(A)のエマルジョンは、後述するモノマー(a1)〜(a3)を水性媒体中で乳化重合してなるものであり、以下のようにして得られる。
即ち、反応容器中に(a1)〜(a3)のモノマーのうち少なくとも1種、乳化剤及び水を含有する第1のモノマーエマルジョンを重合し、第1のポリマーエマルジョンを得る。次いで、第1のポリマーエマルジョンの存在下にモノマー(a1)〜(a3)の残りと乳化剤と水とを含有する第2のモノマーエマルジョンを重合して共重合体(A)のエマルジョンを得る。つまり、第1のポリマーエマルジョンの分散粒子を一種のシード粒子とし、第2のモノマーを重合する。
このような方法に対し、反応容器に水のみを仕込み、共重合に供するモノマー全部、乳化剤及び水を含有するモノマーエマルジョンを、前記反応容器中の水に滴下し、モノマーを重合するという方法では、重合時に水溶性成分や低分子量物が多く発生し、得られる共重合体粒子の平均粒子径も300〜400nmと大きくなる。その結果、不織布に塗布・含浸させる際に成膜性が低下し、得られる加工不織布の常態における物理的強度が劣り、高温放置後物理的強度はさらに低下する。
本発明では、上記したように反応容器中に第1のモノマーエマルジョンを入れ、これを重合してから、第2のモノマーエマルジョンを反応用に加え、これを重合することによって、共重合性向上し、水溶性成分や低分子量物の発生量を少なくし、分子量を大きくすることができた結果、加工不織布としての物理強度、耐熱性を向上し得たものと考察される。
第1のモノマーエマルジョンは、モノマー(a1)〜(a3)のうちのいずれか1種のエマルジョンでもよいし、モノマー(a1)〜(a3)のうちの2種以上のエマルジョンであってもよい。また、モノマー(a1)〜(a3)を3種用いる場合、第1のモノマーエマルジョンのモノマー組成と、第2のモノマーエマルジョンのモノマー組成とは、同じであっても良いし、異なっていてもよい。
第1のモノマーエマルジョン中に含まれるモノマー量は、共重合に供する全モノマーを100重量%とした場合に、1〜40重量%であることが好ましく、5〜20重量%であることがより好ましい。第一のモノマーエマルジョン中のモノマーと水の比率、第二のモノマーエマルジョン中のモノマーと水の比率共にそれぞれの乳化状態に対する影響が大きく、特に第二のモノマーエマルジョンでは乳化の状態が重合時の反応状態に大きく影響を及ぼし、乳化が不十分であれば、反応異常が発生し、仕上がったエマルジョン中にブツが多量に発生したり、仕上がり後の粘度が高くなったり、或いは重合途中で凝集する等の問題が有る。
反応容器に仕込む第1のモノマーエマルジョンを100重量%とすると、第1のモノマーの濃度は、5〜40重量%であることが好ましく、10〜20重量%で有ることがより好ましい。反応容器に仕込む第1のモノマーエマルジョン中の第1のモノマーの濃度が高くなると、得られる共重合体(A)の分子量や共重合性は高くなるが、反応開始時の発熱が大きくなる。発熱が大きくなる結果、冷却しても温度制御が難しくなったり、不可能になったりし易い。また、温度制御が出来たとしても得られる共重合体(A)のエマルジョンの粘度が高くなりやすく、凝集物の発生量も多く、濾過作業が困難になったり、あるいは経時によるエマルジョンの安定性が悪くなるなどの問題が発生したりし易い。又、第一のモノマー濃度が逆に低すぎると反応が開始しないなどの問題が発生する
共重合体(A)のエマルジョンを得る際に使用する水溶性カルボニル基含有エチレン性不飽和モノマー(a1)としては、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アクロレイン、N-ビニルホルムアミド、ビニルメチルケトン、アセトアセトキシエチルアクリレート、アセトキシエチルメタクリレート、アセトアセトキシプロピリアクリレート、アセトアセトキシプロピリメタアクリレート、アセトアセトキシブチルアクリレート、アセトアセトキシブチルメタアクリレート、などの一種又は二種以上から選択することが出来る。
この水溶性カルボニル基含有エチレン性不飽和モノマー(a1)に由来する共重合体(A)中のカルボニル基が、後述するヒドラジド化合物(B)との反応に寄与する。
カルボニル基含有エチレン性不飽和モノマー(a1)は、共重合に供される全エチレン性不飽和モノマー(a)100重量%中に0.1〜20重量%であることが望ましい。カルボニル基含有エチレン性不飽和モノマー(a1)が0.1重量%より少ないと、ヒドラジド化合物(B)との架橋密度が低くなる傾向にある。その結果、得られる樹脂組成物水性分散体を不織布に塗布・含浸する際、乾燥性が低下し易く、得られる加工不織布の耐熱性も低下する傾向にある。一方、20重量%より多いと重合時の安定性及び保存安定性が悪くなる傾向にある。
共重合体(A)のエマルジョンを得る際に使用する分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を持つ一般式(1)ないし(2)で表される化合物(a2)は、加水分解性の反応基を有している。この加水分解性反応基の少なくとも一部が乳化重合中に反応し、得られる共重合体(A)の分散粒子内に架橋構造を形成する。共重合体(A)は後述するヒドラジド化合物(B)との反応により粒子間架橋構造を形成するが、共重合体(A)の分散粒子内に架橋構造を導入しておくことによって、加工不織布としての耐熱性強度を確保できる。
化合物(a2)としては、アクリロイル基、メタクリロイル基を有するシランカップリング剤が挙げられる。具体的には、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらの一種または二種以上を混合して使用する。これらは、共重合に供される全エチレン性不飽和モノマー100重量%中に0.05〜10重量%使用することが好ましく、0.1〜5重量%使用することがより好ましい。0.05重量%未満では、加工不織布としての耐熱性に対する効果がさほど期待できない。また不織布自体への密着性が悪くなる傾向にある。他方、10重量%を超えると塗布・含浸した際にワレ等の問題が発生することがある。
共重合体(A)のエマルジョンを得る際に使用する、N−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれるアミド系モノマー以外のその他のラジカル重合可能な不飽和モノマー(a3)としては、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマーや(メタ)アクリル酸のアルキルエステル等が挙げられる。
N−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれるアミド系モノマーを共重合に供しないことによって、加工不織布からのホルムアルデヒドの発生を防止できる。
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸ハーフエステル、無水マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。これらのモノマーは、共重合体(A)のエマルジョン製造時あるいは本発明の樹脂組成物水性分散体の保存時の安定性が向上するため併用することが好ましい。カルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマーは、共重合に供する全エチレン性不飽和モノマー100重量%中に0.1〜10重量%使用することが好ましい。0.1重量%未満では重合安定性、経時による粘度安定性が悪くなりやすく、他方、10重量%を超えると得られる加工不織布の耐水性が悪くなる傾向にある。
本発明に使用するその他のラジカル重合可能なエチレン性不飽和モノマー(a3)としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸アルキルエステル類;
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸の各エステル類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、第3級カルボン酸ビニル等のビニルエステル類;
スチレン、ビニルトルエンの如き芳香族ビニル化合物;
ビニルピロリドンの如き複素環式ビニル化合物;
塩化ビニル、アクリロニトリル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルアミド;
塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等の如きハロゲン化ビニリデン化合物;
エチレン、プロピレン等の如きα−オレフィン類;
ブタジエンの如きジエン類等がある。
上記モノマー(a1)〜(a3)を乳化重合してなる共重合体(A)のガラス転移温度(以下、Tgという)は、加工不織布の耐熱性の観点から高い方が好ましい。
ところで、共重合体のTgを高くすると、該共重合体のエマルジョンと後述するヒドラジド化合物(B)とを含有する樹脂組成物水性分散体を不織布に塗布・含浸する際にクラックが生じ易くなる。そこで、このような場合、クラック等が生じないように、一般に高沸点溶剤や可塑剤等の成膜助剤が使用される。
しかし、環境付加低減を目的として揮発性物質低減(低VOC化)の求められる昨今、上記のような成膜助剤の使用は好ましくない。そこで、成膜助剤を添加しなくともクラック等が生じないように、共重合体(A)のTgは50〜100℃であることが好ましく、60〜90℃であることがより好ましく、70〜80℃であることがさらに好ましい。形成される共重合体(A)がこのようなTgを呈するように、共重合に供するモノマー(a1)〜(a3)の種類と量とを適宜選択することができる。
本発明で使用する共重合体(A)のエマルジョンを得る際に使用する乳化剤としては、乳化重合で一般に使用されているものであれば如何なるもので用いることができる。
代表的なものをあげると、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルスルホン酸塩類、ジアルキルスルホサクシネートの塩類等のアニオン乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体等のノニオン乳化剤などが挙げられる。これら乳化剤としては、内分泌攪乱作用物質(環境ホルモン物質)に該当しないものを使用することが好ましい。また、形成される加工不織布の耐水性等の観点より反応性乳化剤が好ましい。
これら乳化剤は、一般に共重合に供するモノマー全量100重量部に対して0.1〜5.0重量部であることが好ましく、0.5〜3.0重量部であることがより好ましい。乳化剤の使用量が少ないと重合時の反応が不安定になり、凝集ブツの発生が多く見られたり、反応途中で凝集が発生したりする。又、反応か完結した場合でも、その後のエマルジョンの安定性が不十分となる。乳化剤量が多い場合は、仕上がったエマルジョンの粘度が高くなったり、乾燥皮膜の耐水性が低下したりする。
仕上がった
反応性乳化剤の具体例としては、ビニルスルホン酸ソーダ、アクリル酸ポリオキシエチレン硫酸アンモニウム、メタクリル酸ポリオキシエチレンスルホン酸ソーダ、ポリオキシエチレンアルケニルフェニルスルホン酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルケニルフェニル硫酸ソーダ、ナトリウムアリルアルキルスルホサクシネート、メタクリル酸ポリオキシプロピレンスルホン酸ソーダ等のアニオン系反応性乳化剤、ポリオキシエチレンアルケニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンメタクリロイルエーテル等のノニオン系反応性乳化剤などが挙げられる。
尚、反応性乳化剤は、本発明にいうエチレン性不飽和モノマーには含めないものとする。
例えば、反応性乳化剤としては、アクアロンHS−10、KH−10、ニューフロンティアA−229E〔以上、第一工業製薬(株)製〕、アデカリアソープSE−3N、SE−5N、SE−10N、SE−20N、SE−30N〔以上、旭電化工業(株)製〕、AntoxMS−60、MS−2N、RA−1120、RA−2614〔以上、日本乳化剤(株)製〕、エレミノールJS−2、RS−30〔以上、三洋化成工業(株)製〕、ラテムルS−120A、S−180A、S−180〔以上、花王(株)製〕等のアニオン型反応性乳化剤、
アクアロンRN−20、RN−30,RN−50,ニューフロンティアN−177E〔以上、第一工業製薬(株)製〕、アデカリアソープNE−10、NE−20,NE−30、NE−40〔以上、旭電化工業(株)製〕、RMA−564,RMA−568,RMA−1114〔以上、日本乳化剤(株)製〕、NKエステルM−20G、M−40G、M−90G、M−230G〔以上、新中村化学工業(株)製〕等のノニオン型反応性乳化剤等が挙げられ、
非反応性乳化剤としては、1118S−70、エマ−ル10〔花王(株)製〕等が挙げられる。これらを複数種併用することも可能である。
乳化剤としては、上述した物以外にも乳化重合時に用いることが出来る乳化剤であれば、コロイダルシリカ系など、如何なるものでも用いることが出来、また、これらを複数種併用することも可能である。
乳化剤の一部にコロイダルシリカのようなシリカ系の化合物を用いると、形成される加工不織布の耐熱性が良くなる。しかし、化合物(a2)を含有するモノマーをシリカ系化合物の存在下に水に分散してモノマーエマルジョンとすると、時間の経過とともに両成分が反応し、モノマーエマルジョンの粘度が上昇してしまう。そして、そのようなモノマーエマルジョンを用いて共重合体(A)のエマルジョンを得ても、共重合体(A)のエマルジョンの粘度も高くなり、経時での安定性が低下し、ついにはゲル化に至るという問題が発生する。
そこで、コロイダルシリカ系化合物を用いる場合には、コロイダルシリカ系化合物と化合物(a2)とはそれぞれ別々の容器に分け、直接接触することの無いようにすることが好ましい。例えば、コロイダルシリカ系化合物を用いてなる第1のモノマーエマルジョンを共重合に供する場合、この第1のモノマーエマルジョン中には化合物(a2)は含めず、第2のモノマーエマルジョン中に含ませておくことが好ましい。
乳化剤の一種として使用するコロイダルシリカ系化合物は、一般に共重合に供するモノマー全量100重量部に対して0.05〜10重量部であることが好ましく、0.1〜5重量部であることがより好ましい。
尚、耐熱性を向上するためにコロイダルシリカ系化合物を重合終了後、添加剤として、共重合体(A)100重量部に対して、20〜30重量部添加することもできる。添加量が多くなる程、常態における物理的強度に比して高温放置後の物理的強度は低下し難くはなるが、反面形成される樹脂皮膜が脆くなるので、加工不織布の常態における物理的強度がそもそも低下する傾向にある。
本発明において用いることが出来るラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム(以後 APSと略す)、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類、アゾビスイソブチロニトリル及びその塩酸塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ系開始剤、過酸化水素、ターシャリーブチルハイドロパーオキサド,等の過酸化物系開始剤等が挙げられる。また、これらラジカル開始剤と併用可能な還元剤としては、ピロ亜硫酸ソーダ(以後、SMBSと略す)、L−アスコルビン酸等が挙げられる。尚、重合開始剤の量としては、全エチレン性不飽和モノマー100重量部に対して0.1〜5重量%が好ましい。
本発明においては、化合物(a2)由来の加水分解性反応基が長期保存中に加水分解反応を起こさないように、乳化重合後の共重合体(A)のエマルジョンのpHを6.0以上、好ましくは6.5〜9.0にするために、揮発性塩基を用いることが好ましい。pHがこれよりも低いと、化合物(a2)由来の加水分解性反応基の加水分解がおこり、共重合体(A)のエマルジョンとして、また樹脂組成物水性分散体としても長期保存中にゲル化し易い。一方、pHが高すぎると、不織布に塗布・含浸する際に乾燥性が低下するとともに、得られる加工不織布の物性に悪影響を及ぼすことがある。
具体的には揮発性塩基として、アンモニア,トリメチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、2−ジメチルアミノエタノール、モルホリン、N−メチルモルホリン,エチレンジアミン及びそれらの混合物が挙げられが、これらに限定されるものではない。好ましくはアンモニアが揮発性及び安定性の点から推奨される。
次に、本発明の樹脂組成物水性分散体を構成するもう1つの成分、ヒドラジド化合物(B)について説明する。
本発明で使用するヒドラジド化合物(B)は、同一分子内中に少なくとも2個以上のヒドラジノ基を有する化合物が好ましく、水溶性であることが好ましい。
その具体例としてはカルボヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド,などが挙げられる。また、2〜4個の炭素原子を有する脂肪族の水溶性ヒドラジン、例えばエチレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,3−ジヒドラジン、ブチレン−1,4−ジヒドラジン等も使用することができ、これら1種または2種以上から選択することができる。
本発明におけるヒドラジノ化合物(B)は、共重合体(A)中に含まれるカルボニル基含有エチレン性不飽和モノマー(a1)由来のカルボニル基1当量に対して、ヒドラジノ基が0.1〜3.0当量となるように添加することが重要であり、0.5〜1.5当量となるように添加することが好ましい。ヒドラジノ基が0.1当量未満では、得られる樹脂組成物水性分散体の乾燥性に乏しく、3.0当量より多いと得られる加工不織布の耐水性が劣る。
本発明の樹脂組成物水性分散体は、一液型としてはもちろんのこと、さらに他の架橋剤を加えて二液型のルーフィング剤、接着剤、塗料等として使用することもできる。
使用し得る他の架橋剤としては、一般的にはエポキシ系化合物,イソシアネート系化合物,あるいはオキサゾリン系化合物等による架橋剤があるが、水溶性あるいはエマルジョンなどの水系が好ましい。使用量としては共重合体(A)100重量部に対して3〜20重量部が好ましく、5〜15重量部がより好ましい。それ以上添加しても乾燥皮膜物性の効果に変化は無く、それ以下では架橋剤の絶対量が少なく効果がでない。又、これらのうち一種、あるいは二種,三種の併用も可能である。
以下、実施例、比較礼を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の部及び%はいずれも重量に基く値である。
[実施例1]
[第1のモノマーエマルジョン(反応容器仕込み用モノマーエマルジョン)の作成]
ダイアセトンアクリルアミド(以下、DAAMという)3.5部、
3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン0.3部、
メタクリル酸メチル(以下、MMAという)56.8部、
アクリル酸エチル(以下、EAという)15.2部、
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下、2−HEMAという)2.5部、
イタコン酸(以下、IAという)3.5部、
アクアロンKH−10[第一工業製薬(株)製アニオン性反応性乳化剤]4.0部をイオン交換水16部に溶解させた乳化剤水溶液10部、
エマルゲン1118−70[花王(株)製非反応性乳化剤]をイオン交換水18部に2部溶解させた乳化剤水溶液10部、
及びイオン交換水283.0部を
混合して第1のモノマーエマルジョンを作成した。
[第2のモノマーエマルジョン(滴下用モノマーエマルジョン)の作成]
DAAM:10.5部、
3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン:0.9部、
MMA:228.0部、
EA:60.8部、
2−HEMA:7.5部、
IA:10.5部、
イオン交換水16部にアクアロンKH−10を4.0部溶解させた乳化剤水溶液10部、
イオン交換水18部にエマルゲン1118−70を2部溶解させた乳化剤水溶液10部、
過硫酸アンモニウム(以下、APSという)1.225部をイオン交換水33.775部に溶解させた開始剤水溶液35.0部、
及びイオン交換水130.0部を、
混合し、第2のモノマーエマルジョンを作成した。
撹拌機、温度計、冷却装置を取り付けた2.5リットル反応容器に、上記の第1のモノマーエマルジョンを全部仕込んだ。反応容器中に窒素ガスを送入しつつ撹拌しながら反応容器内を50℃に昇温した。
昇温後、開始剤として、APS:1.225部をイオン交換水33.775部に溶解させた水溶液15.0部と、ピロ亜硫酸ソーダ(以下、SMBSという)0.9部をイオン交換水74.1部に溶解させた水溶液15.0部とをそれぞれ同時に添加し、60℃に昇温した。
60℃に達したら、上記の第2のモノマーエマルジョンと、ピロ亜硫酸ソーダ(SMBS)0.9部をイオン交換水74.1部に溶解させた開始剤水溶液の残り60.0部とを、それぞれ同時に2時間かけて滴下した。滴下中の反応温度は約65℃に維持した。
滴下終了後、さらに70℃に昇温し、同温で1時間保持した後、室温まで冷却し、
14%アンモニア水を用いてPH:8.0、固形分41.6%(150℃×20分間乾燥)、粘度510mPa.s(B型回転粘度計による測定)、平均粒子径230nm、Tg(理論値)71℃の共重合体(A1)のエマルジョンを得た。
次いで、得られた共重合体(A1)のエマルジョンに、アジピン酸ジヒドラジド(以後、ADHと略す)8.0部を添加し、本発明の樹脂組成物水性分散体を得た。
尚、共重合体(A1)のエマルジョンの平均粒子径は、共重合体(A1)のエマルジョンをイオン交換水にて50倍に希釈し、粒度分析計MICROTRAC UPA9340(日機装株式会社 製)をもちいて粒子径を測定した。
<加工不織布>
次に、目付100g/m2(東洋紡績(株)製ポリエステルスパンボンド ボランス4101)のポリエチレンテレフタレート不織布に、得られた樹脂組成物水性分散体を、乾燥後の付着量を上記目付け量の25%を目安に含浸させた後、130℃で10分乾燥した後、180℃で2分の熱処理を行い、樹脂組成物を架橋させ、評価用加工不織布を得た。
[常温物理的強度]
評価用加工不織布を50×200mmの大きさに切り取り、掴み100mm、引っ張り速度200mm/分、23℃で湿度60%の雰囲気下における常温の物理的強度(5%伸度時の応力(5%応力)、破断するまで引っ張ったとき最大強度(引っ張り強力)、破断時の伸度(破断伸度))を測った。評価は、20個の試験片について、経(縦)方向10個、緯(横)方向10個のそれぞれの平均値で示す。
[高温放置後常温物理的強度]
評価用加工不織布を200℃の環境下に5分間放置した後、常温物理的強度を測定したときと同様にして、物理的強度を評価した。
[ホルムアルデヒド発生量]
上記加工不織布3gを200mlの三角フラスコに取り、80℃で60分間加熱したときに発生するガス量を、ガス検知管(ガステック社製 No.9L)を用いて測定した。この結果についても表2に示す。
[実施例2]
モノマーエマルジョンの作成
DAAM:14.0部、
3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン:1.2部、
MMA:284.8部、
EA:76.0部、
2−HEMA:10.0部、
IA:14.0部、
イオン交換水16部にアクアロンKH−10を4.0部溶解させた乳化剤水溶液20部、
イオン交換水18部にエマルゲン1118−70を2部溶解させた乳化剤水溶液20部、
及びイオン交換水130.0部を、
混合し、モノマーエマルジョンを作成し、
上記モノマーエマルジョンの10%を、第1のモノマーエマルジョンとし、
上記モノマーエマルジョン残り90%に、イオン交換水33.775部にAPSを1.225部溶解した開始剤溶液を35.0部添加し、第2のモノマーエマルジョンとした。
撹拌機、温度計、冷却装置を取り付けた2.5リットル反応容器に、イオン交換水283.0部、及び上記第1のモノマーエマルジョンを仕込んだ。反応容器中に窒素ガスを送入しつつ撹拌しながら反応容器内を50℃に昇温した。
昇温後、開始剤として、APS:1.225部をイオン交換水33.775部に溶解させた水溶液15.0部と、イオン交換水74.1部にSMBSを0.9部溶解させた水溶液15.0部とをそれぞれ同時に添加し、60℃に昇温した。
60℃に達したら、上記の第2のモノマーエマルジョンと、イオン交換水74.1部にSMBSを0.9部溶解させた開始剤水溶液の残り60.0部とを、それぞれ同時に2時間かけて滴下した。滴下中の反応温度は約65℃に維持した。
滴下終了後、さらに70℃に昇温し、同温で1時間保持した後、室温まで冷却し、
14%アンモニア水を用いてPH:8.0、固形分41.6%(150℃×20分間乾燥)、粘度480mPa.s(B型回転粘度計による測定)、Tg(理論値)71℃の共重合体(A2)のエマルジョンを得た。
次いで実施例1の場合と同様にして、ヒドラジド化合物(B)としてADHを8.0部添加し、樹脂組成物水性分散体を得、同様に評価した。
[実施例3]
[第1のモノマーエマルジョン(反応容器仕込み用モノマーエマルジョン)の作成]
DAAM:3.5部、
3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン:0.3部、
MMA:56.8部、
EA:15.2部、
2−HEMA:2.5部、
IA:3.5部、
イオン交換水16部にアクアロンKH−10を4.0部溶解させた乳化剤水溶液10部、
イオン交換水18部にエマルゲン1118−70を2部溶解させた乳化剤水溶液10部、
コロイダルシリカの30%水溶液:14.0部、
及びイオン交換水269.0部を、
混合し、第1のモノマーエマルジョンを作成した。
第2のモノマーエマルジョンの作成
DAAM:10.5部、
3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン:0.9部、
MMA:228.0部、
EA:60.8部、
2−HEMA:7.5部、
IA:10.5部、
イオン交換水16部にアクアロンKH−10を4.0部溶解させた乳化剤水溶液10部、
イオン交換水18部にエマルゲン1118−70を2部溶解させた乳化剤水溶液10部、
コロイダルシリカの30%水溶液:14.0部、
及びイオン交換水33.775部にAPSを1.225部溶解した開始剤溶液35.0部を
混合し、第2のモノマーエマルジョンとした。
以下、実施例1と同様にしてPH:8.0、固形分42.3%(150℃×20分間乾燥)、粘度2100mPa.s(B型回転粘度計による測定)、Tg(理論値)71℃の共重合体(A3)のエマルジョンを得た。
次いで実施例1の場合と同様にして、ヒドラジド化合物(B)としてADHを8.0部添加し、樹脂組成物水性分散体を得、同様に評価した。
[実施例4]
実施例3において第1のモノマーエマルジョン中に、コロイダルシリカの30%水溶液を28.0部加えた代わりに、第2のモノマーエマルジョンにはコロイダルシリカ水溶液は入れなかった。その他は実施例3と同様にしてPH:8.0、固形分42.3%(150℃×20分間乾燥)、粘度680mPa.s(B型回転粘度計による測定)、Tg(理論値)71℃の共重合体(A4)のエマルジョンを得た。
次いで実施例3の場合と同様にして、ヒドラジド化合物(B)としてADHを8.0部添加し、樹脂組成物水性分散体を得、同様に評価した。
[実施例5]
実施例4で得られた共重合体(A4)のエマルジョンに、ヒドラジド化合物(B)としてADHを8.0部、及び水溶性エポキシ系架橋剤:ポリグリセリンポリグリシジルエーテル(坂本薬品工業(株)製 SR4GL)を5.0部添加して、樹脂組成物水性分散体を得、実施例4と同様に評価した。
[比較例1]
モノマーエマルジョンの作成
DAAM:14.0部、
3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン:1.2部、
MMA:284.8部、
EA:76.0部、
2−HEMA:10.0部、
IA:14.0部、
イオン交換水16部にアクアロンKH−10を4.0部溶解させた乳化剤水溶液10部、
イオン交換水18部にエマルゲン1118−70を2部溶解させた乳化剤水溶液10部、
イオン交換水:400部、
及びイオン交換水33.775部にAPSを1.225部溶解した開始剤溶液35.0部を、
混合し、滴下用のモノマーエマルジョンとした。
撹拌機、温度計、冷却装置を取り付けた2.5リットル反応容器に、イオン交換水330.0部を仕込んだ。反応容器中に窒素ガスを送入しつつ撹拌しながら反応容器内を50℃に昇温した。
実施例1で用いた第2のモノマーエマルジョンの代わりに上記の滴下用のモノマーエマルジョンを用いた以外は実施例1と同様にしてPH:8.0、固形分41.6%(150℃×20分間乾燥)、粘度100mPa.s(B型回転粘度計による測定)、Tg(理論値)71℃の共重合体(A5)のエマルジョンを得た。
次いで実施例1の場合と同様にして、ヒドラジド化合物(B)としてADHを8.0部添加し、樹脂組成物水性分散体を得、同様に評価した。
[比較例2]
第1及び第2のモノマーエマルジョンを表1に示す組成とした以外は実施例1と同様にして、PH:8.0、固形分40.8%(150℃×20分間乾燥)、粘度560mPa.s(B型回転粘度計による測定)、Tg(理論値)70.2℃の、共重合体(A6)のエマルジョンを得、ヒドラジド化合物(B)を添加しなかった以外は同様に評価した。
[比較例3]
第1及び第2のモノマーエマルジョンを表1に示す組成とした以外は実施例1と同様にして、PH:8.0、固形分40.8%(150℃×20分間乾燥)、粘度210mPa.s(B型回転粘度計による測定)、Tg(理論値)69.9℃の、共重合体(A7)のエマルジョンを得、ヒドラジド化合物(B)を添加しなかった以外は同様に評価した。
[比較例4]
第1及び第2のモノマーエマルジョンを表1に示す組成とした以外は実施例1と同様にして、PH:8.0、固形分41.5%(150℃×20分間乾燥)、粘度460mPa.s(B型回転粘度計による測定)、Tg(理論値)71.0℃の、共重合体(A8)のエマルジョンを得た。次いでそれぞれ実施例1の場合と同様にして、ヒドラジド化合物(B)としてADHを8.0部添加し、樹脂組成物水性分散体を得、ヒドラジド化合物(B)としてADHを8.0部添加し、樹脂組成物水性分散体を得、同様に評価した。
[比較例5]
第1及び第2のモノマーエマルジョンを表1に示す組成とした以外は実施例1と同様にして、PH:8.0、固形分42.3%(150℃×20分間乾燥)、粘度360mPa.s(B型回転粘度計による測定)、Tg(理論値)69.9℃の、共重合体(A9)のエマルジョンを得、ヒドラジド化合物(B)を添加しなかった以外は同様に評価した。
Figure 2005220146
Figure 2005220146
本発明の樹脂組成物水性分散体は、一液型はもちろんのこと二液型のルーフィング剤として好適であり、アスファルト用のルーフィング剤の他、自動車の内装用途、また、農業、建材(ハウスラップ用途)用途、また、用途開発の著しいジオテキスタイル関連用途への展開が可能である。

Claims (6)

  1. 水溶性カルボニル基含有不飽和モノマー(a1)、分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を持つ一般式(1)ないし一般式(2)で表される化合物(a2)、及びN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれるアミド系モノマー以外のその他のラジカル重合可能な不飽和モノマー(a3)を水性媒体中で乳化重合してなる共重合体(A)のエマルジョンと、この共重合体(A)中に含有されるカルボニル基に対してヒドラジド基が当量比で0.1〜1.5であるヒドラジド化合物(B)とを含有することを特徴とする樹脂組成物水性分散体であって、
    反応容器中に仕込んだ上記モノマー(a1)〜(a3)のうち少なくとも1種、乳化剤及び水を含有する第1のモノマーエマルジョンを重合し、第1のポリマーエマルジョンを得、次いで該第1のポリマーエマルジョンの存在下に、上記モノマー(a1)〜(a3)のうち少なくとも1種、乳化剤及び水を含有する第2のモノマーエマルジョンを重合してなることを特徴とする樹脂組成物水性分散体物。
    Figure 2005220146
  2. ラジカル重合可能な不飽和モノマー合計100%中に水溶性カルボニル基含有不飽和モノマー量(a1)が0.1〜20重量%であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物水性分散体。
  3. ラジカル重合可能な不飽和モノマー合計100重量%中に一般式(1)ないし一般式(2)で表される化合物(a2)が0.05〜10重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂組成物水性分散体。
  4. コロイダルシリカの存在下にラジカル重合可能な不飽和モノマーを乳化重合する事を特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の樹脂組成物水性分散体物。
  5. 水溶性カルボニル基含有不飽和モノマー(a1)、分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を持つ一般式(1)ないし一般式(2)で表される化合物(a2)、及びN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれるアミド系モノマー以外のその他のラジカル重合可能な不飽和モノマー(a3)を水性媒体中で乳化重合してなる共重合体(A)のエマルジョンと、この共重合体(A)中に含有されるカルボニル基に対してヒドラジド基が当量比で0.1〜3.0であるヒドラジド化合物(B)とを含有する事を特徴とする樹脂組成物水性分散体物の製造方法であって、
    反応容器中に仕込んだ上記モノマー(a1)〜(a3)のうち少なくとも1種、乳化剤及び水を含有する第1のモノマーエマルジョンを重合し、第1のポリマーエマルジョンを得、ついで該第1のポリマーエマルジョンの存在下に上記モノマー(a1)〜(a3)のうち少なくとも1種、乳化剤及び水を含有する第2のモノマーエマルジョンを重合することを特徴とする樹脂組成物水性分散体の製造方法。
    Figure 2005220146
  6. 請求項1ないし4いずれか記載の樹脂組成物水性分散体を不織布に塗布ないし含浸し、樹脂組成物を不織布に固着してなる加工不織布。

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