[実施の形態1]
以下に、本発明の実施の形態1を、書籍の仕分けに採用した状態として図1〜図12に基づいて説明する。
図2、図3において、床側に設置自在な機枠1には、ローラチェーン(無端駆動体の一例)11が回動自在に設けられている。すなわち、機枠1は長尺枠状であって、その長さ方向の両端部分には、軸受装置12,15を介してそれぞれ縦軸13,16が回転自在に設けられている。各縦軸13,16の上部にはそれぞれスプロケットホイール(輪体の一例)14,17が取り付けられ、これらスプロケットホイール14,17間に前記ローラチェーン11が巻回されている。
一方のスプロケットホイール14は駆動側であって、機枠1に設けられたモータ(駆動装置の一例)21に連動連結されている。すなわち、モータ21側の駆動軸22に設けられた駆動スプロケット23と、前記縦軸13に設けられた受動スプロケット24とが、伝動チェーン25を介して連動連結されている。なお、受動側のスプロケットホイール17は、機枠1と軸受装置15との間に設けられた張力調整手段(図示せず。)によって、一方のスプロケットホイール14に対して移動自在に構成されている。
前記ローラチェーン11側には、所定ピッチ置きに仕分けコンベヤ(移動体の一例)31が設けられ、以て複数の仕分けコンベヤ31によって無端状の搬送経路30が形成されている。ここで仕分けコンベヤ31群は、フレーム体100側に片持ち状で支持案内されて移動自在に構成されている。
すなわち図1〜図7、図10〜図12において、前記スプロケットホイール14,17間でかつローラチェーン11による左右一対の直線状経路の下方に位置されて、それぞれフレーム体100が配設されるとともに、これらフレーム体100は機枠1側に取り付けられている。
ここでフレーム体100は型レール状であって、その上部側には、内側位置に下向きの受けガイド面101が形成され、中間位置に左右ガイド面102が形成され、外側位置に上向きの支持ガイド面103が形成され、さらに下部側で外側位置に上向きの規制ガイド面(後述するガイド手段の構成部材の一例)104が形成されている。またフレーム体100には、受けガイド面形成部100aに外側開放の上位蟻溝部105が形成されるとともに、支持ガイド面形成部100bに外側開放の下位蟻溝部106が形成され、さらに内側面の上下2箇所には内側開放の内側蟻溝部107が形成されるとともに、外側面の上下2箇所には外側開放の外側蟻溝部108が形成されている。そしてフレーム体100は、所望の複数箇所にも蟻溝部を形成した状態で、アルミニウム押し出し成形により型レール状に成形されている。
前記仕分けコンベヤ31には、前記フレーム体100の部分に位置される移動部材32が設けられ、この移動部材32は前記ローラチェーン11の下面側に、リンクピン11aを連結具に兼用するなどして連結されている。前記移動部材32の下部には、前記左右ガイド面102に嵌合して案内されるガイドローラ33が前後一対で設けられている。
そして移動部材32には左右方向の支持軸34が貫通され、この支持軸34の内端には被受けローラ35が遊転自在に設けられ、この被受けローラ35は前記受けガイド面101に下方から当接されている。また、移動部材32よりも外側において、支持軸34には被支持ローラ36が遊転自在に設けられ、この被支持ローラ36は前記支持ガイド面103に上方から当接されている。
前記支持軸34は外側へ長尺であって、ここにコンベヤフレーム40が軸受38を介して設けられ、以てコンベヤフレーム40はローラチェーン11側に対して、搬送経路30の方向に対して直交状の横軸心、すなわち支持軸軸心34aの周りで傾斜自在に取り付けられている。その際に支持軸34の位置は、搬送経路30の方向において前部寄りとされており、以てコンベヤフレーム40は自重によって、その後部が下位となるように支持軸軸心34aの周りで自動的に傾斜されることになる。
前記コンベヤフレーム40は、内側フレーム部41と中間フレーム部42と外側フレーム部43とからなり、これらのうち内側フレーム部41と外側フレーム部43とは、支持軸34に対して軸受38を介して支持されるとともに、中間フレーム部42には支持軸34が挿通されている。そして支持軸34に対して後方の位置において、各フレーム部41〜43間に亘って連結軸体44が設けられるとともに、この連結軸体44と支持軸34との間で複数箇所には連結部材45が設けられている。以上の41〜45などによりコンベヤフレーム40の一例が構成される。
前記仕分けコンベヤ31には、それぞれ左右方向Wで一対(複数)の前部ローラ体(前部輪体の一例)52A,52Bならびに後部ローラ体(後部輪体の一例)57A,57Bと、前後方向Vで相対向されたローラ体52A,57A、52B,57B間に巻回されて搬送経路30の方向に各別に回動自在な一対(複数)の無端ベルト(無端回動体の一例)58A,58Bとが設けられている。
すなわち前記コンベヤフレーム40の前部には左右方向Wの前部輪体軸50が設けられ、この前部輪体軸50は各フレーム部41〜43に軸受51などを介して回転自在に支持されている。そして前部輪体軸50の右側部分には、一方の前部輪体である右側の前部ローラ体52Bが半月シャフト部53などを介して連結されている。また左側部分には、左側の前部ローラ体52Aと、これに連結された筒軸体(前部輪体軸の別例)54とが外嵌されるとともに、軸受55を介して相対回転自在とされている。
さらに、前記コンベヤフレーム40の後部で隣接したフレーム部41〜43間には、それぞれ左右方向Wの後部輪体軸56A,56Bが設けられ、これら後部輪体軸56A,56Bに後部ローラ体57A,57Bが遊転自在に設けられている。そして前後方向Vで相対向されたローラ体52A,57A、52B,57B間に無端ベルト58A,58Bが巻回され、以て無端ベルト58A,58Bは搬送経路30の方向に回動自在に構成されている。
前記無端ベルト58A,58Bの外側面の4箇所にはベルト幅方向の横桟59A,59Bが設けられ、その際に横桟59A,59B群は、両ローラ体52A,52B、57A,57Bの上下に振り分けて同時に位置されるように配設されている。なお、前記コンベヤフレーム40における内側フレーム部41の後部からは、ブラケット60が後方へと連設され、このブラケット60の遊端には、前記規制ガイド面104に嵌合される被ガイドローラ(被ガイド体の一例)61が設けられている。
そして、前部輪体軸50におけるフレーム体100側の端部には、右側の前部ローラ体52Bに連動された摩擦輪体(受動輪体の一例)62Bが設けられ、また筒軸体54の端部でかつ前記摩擦輪体62Bの内側位置には、左側の前部ローラ体52Aに連動された摩擦輪体(受動輪体の一例)62Aが一体的に形成されている。ここで摩擦輪体62A,62Bの外周には、それぞれ摩擦層62a,62bが積層されている。
なお、前記コンベヤフレーム40における各フレーム部41〜43には、前記無端ベルト58A,58Bの左右に振り分けてサイドガイド体63が設けられている。また移動部材32には、被受けローラ35の前後に位置されて案内ローラ39が設けられている。さらに移動部材32には被検知部65が設けられている。以上の32〜65などにより仕分けコンベヤ31の一例が構成される。
前記搬送経路30は長円無端状であって、左右一対の直線状経路部が形成されている。そして、一方の直線状経路部における始端部分に対向されて、仕分けコンベヤ31上に書籍(被仕分け物の一例)Aを供給する供給手段71が設けられている。さらに終端部分に対向されて、仕分けコンベヤ31からの書籍Aを受け入れる受け入れ部91群が設けられている。
前記仕分けコンベヤ31は、その無端ベルト58A,58Bを水平状として前記供給手段71からの書籍Aを受け入れ、そして横桟59A,59Bが位置された供給側(受け入れ部91に対する供給側)を下位として大きく傾斜されたのち、小さい傾斜に戻されて受け入れ部91群に達するように、この仕分けコンベヤ31側に設けられた被ガイドローラ61を案内する傾斜規制用のガイド手段が、前記搬送経路30に沿って設けられている。
前記ガイド手段は、前述した規制ガイド面104によりその一部が構成され、この規制ガイド面104により被ガイドローラ61が案内されているとき、仕分けコンベヤ31の無端ベルト58A,58Bは小さい傾斜(傾斜角は20°位)になるように設定されている。そして、前記供給手段71よりも上手の部分から前記受け入れ部91の少し上手の部分までの間では、前記フレーム体100における規制ガイド面104の形成部材が除去され、この除去部分にガイド体(ガイド手段の構成部材の一例)8が設けられている。
このガイド体8は、規制ガイド面104からの被ガイドローラ61を持上げる始端上昇部8aと、この始端上昇部8aに連なりかつ規制ガイド面104よりも上方に位置される上位水平状部8bと、この上位水平状部8bに連なる下降部8cと、この下降部8cに連なりかつ規制ガイド面104よりも下方に位置される下位水平状部8dと、この下位水平状部8dに連なりかつ規制ガイド面104へ被ガイドローラ61を導く終端上昇部8eとにより構成されている。
ここで、上位水平状部8bにより被ガイドローラ61が案内されているとき、仕分けコンベヤ31の無端ベルト58A,58Bは水平状となり、そして下位水平状部8dにより被ガイドローラ61が案内されているとき、仕分けコンベヤ31の無端ベルト58A,58Bは大きい傾斜(傾斜角は45°位)になるように設定されている。なお前記ガイド体8は、前記外側蟻溝部108を利用した連結具(ボルト・ナット)9を介してフレーム体100側に連結されている。
前記供給手段71は複数のベルトコンベヤ、すなわち、受け取り側コンベヤ72、中間コンベヤ73、投入側コンベヤ74などからなる。そして受け取り側コンベヤ72の始端部分により受け取り部75が形成され、この受け取り部75において、受け取り側コンベヤ72に対して書籍Aが人為的または機械的に渡される。また投入側コンベヤ74は、その終端が下位として傾斜状に配設され、そして終端外方によって仕分けコンベヤ31への投入部76が形成される。なお供給手段71の部分にはバーコードリーダ77が設けられている。
前記受け入れ部91群は搬送経路30の下方に配設され、そして各受け入れ部91の部分には、目的とする仕分けコンベヤ31の目的とする無端ベルト58A,58Bを回動させる一対の回動力付与手段81A,81Bが設けられている。ここで回動力付与手段81A,81Bは、前記フレーム体100側(左右の片側)において、前部輪体軸50と筒軸体54とに各別に作用自在に構成されている。その際に回動力付与手段81A,81Bは、目的とする受動輪体である前記摩擦輪体62A,62Bに接近離間自在であり、その接近動により摩擦輪体62A,62Bに係わり合うことで、仕分けコンベヤ31の搬送経路30に沿った移動力により摩擦輪体62A,62Bを自動的に回転させるように構成されている。
すなわち図5、図6、図9、図11において、前記機枠1側には、搬送経路30の上方を横切る状態で保持枠体2が設けられている。そして回動力付与手段81A,81Bは、前記保持枠体2側にブラケット82A,82Bを介して取り付けられたガイド付きのシリンダー装置83A,83Bを有し、その下向きのピストンロッド84A,84Bには上位昇降体85A,85Bが設けられている。これら上位昇降体85A,85Bの下方には、4連リンク機構86A,86Bを介して下位昇降体87A,87Bが相対的に昇降自在に設けられ、その際に4連リンク機構86A,86Bの下方揺動限は、上位昇降体85A,85B側のストッパ部88A,88Bにリンクが当接することで規制されている。
前記下位昇降体87A,87Bの下部には、前記摩擦輪体62A,62Bに対して上方から当接離間自在な摩擦レール体89A,89Bが設けられ、この摩擦レール体89A,89Bの下面側には摩擦層89a,89bが敷設されている。そして4連リンク機構86A,86Bのリンクと上位昇降体85A,85Bとの間には、4連リンク機構86A,86Bを下方揺動限へと付勢するコイルスプリング(付勢体の一例)90A,90Bが設けられ、以て摩擦輪体62A,62Bに対して摩擦レール体89A,89Bの摩擦層89a,89bが、コイルスプリング90A,90Bの弾性力を介して当接されるように構成されている。
したがって、下位昇降体87A,87Bとともに摩擦レール体89A,89Bの摩擦層89a,89bを下降させた状態で、この摩擦層89a,89bに対して摩擦輪体62A,62Bを下方から当接させることによって、仕分けコンベヤ31の移動力により摩擦輪体62A,62Bを自動的に回転させてローラ体57A,57Bを駆動回転させ、以て無端ベルト57A,57Bを各別に回動させ得る。
その際に摩擦レール体89A,89Bの摩擦作用長さは、両ローラ体57A,57Bの上方に位置されていた一対の横桟59A,59Bが両ローラ体52A,52B、57A,57Bの下方に位置され、そして両ローラ体52A,52B、57A,57Bの下方に位置されていた一対の横桟59A,59Bが両ローラ体52A,52B、57A,57Bの上方に位置されるように設定されている。上記した82A,82B〜90A,90Bなどにより回動力付与手段81A,81Bの一例が構成される。
図2、図3、図5、図12において、前記受け入れ部91群は、搬送経路30の下方に上部開放の収納箱92が設けられることなどで構成されている。ここで収納箱92には、左右に分けて収納部93が形成されている。また各受入れ部91に対応されて、前記仕分けコンベヤ31における被検知部65を検知するための検知手段95が設けられている。
図1、図6、図9、図10において、前記フレーム体100は、その端面どうしを突き合わせた状態で機枠1側に連結されている。すなわち、フレーム体100の端面どうしを突き合わせた状態で、両端部の内面間や下面間に亘って連結用枠体109が配設され、この連結用枠体109は前記内側蟻溝部107を利用した連結具110を介してフレーム体100側に連結されている。ここで連結具110は、両端部間に亘って内側蟻溝部107内に位置される板状ナット体110aや、連結用枠体109に通されたのち板状ナット体110aに螺合される複数のボルト体110bなどからなる。そして連結用枠体109が機枠1に連結されている。
突き合わせ部分111には、受けガイド面形成部100aの外側間に渡って受け側連結部材112が設けられるとともに、支持ガイド面形成部100bの外側間に渡って支持側連結部材115が設けられている。
すなわち、受け側連結部材112は断面矩形の長尺ブロック状であって、受けガイド面形成部100aの外側間に亘って当接された状態で、前記上位蟻溝部105を利用した連結具113を介してフレーム体100側に連結されている。ここで連結具113は、上位蟻溝部105内に位置されるナット体113aや、受け側連結部材112に外側から通されたのちナット体113aに螺合される複数のボルト体113bなどからなる。
その際に受け側連結部材112の下向き面は、その両端が受けガイド面101よりも上位(たとえば、1mm上位)でかつ突き合わせ部111に対応する中間が受けガイド面101よりも下位(たとえば、1mm下位)の円弧状下向き面114に形成されている。そして被受けローラ35は、受けガイド面101から円弧状下向き面114に亘るローラ幅に形成されている。したがって突き合わせ部分111では、被受けローラ35が、上手の受けガイド面101から円弧状下向き面114へ案内されたのち、円弧状下向き面114から下手の受けガイド面101へと案内されて通過するように構成されている。
前記支持側連結部材115は断面矩形の長尺ブロック状であって、支持ガイド面形成部100bの外側間に亘って当接された状態で、前記下位蟻溝部105を利用した連結具116を介してフレーム体100側に連結されている。ここで連結具116は、下位蟻溝部105内に位置されるナット体116aや、支持側連結部材115に外側から通されたのちナット体116aに螺合される複数のボルト体116bなどからなる。
その際に支持側連結部材115の上向き面は、その両端が支持ガイド面103よりも下位(たとえば、1mm下位)でかつ突き合わせ部111に対応する中間が支持ガイド面103よりも上位(たとえば、1mm上位)の円弧状上向き面117に形成されている。そして被支持ローラ36は、支持ガイド面103から円弧状上向き面117に亘るローラ幅に形成されている。したがって突き合わせ部分111では、被支持ローラ36が、上手の支持ガイド面103から円弧状上向き面117へ案内されたのち、円弧状上向き面117から下手の支持ガイド面103へと案内されて通過するように構成されている。
以下に、上記した実施の形態1における作用を説明する。
仕分け設備により書籍Aの仕分けを行うに際して、各受入れ部91においては空の収納箱92をセツトしている。ここで収納箱92は、たとえば店舗別であって、この店舗別の信号を制御部に入力している。
また仕分けコンベヤ31群は、搬送経路30上において無端列車状で移動している。これは、モータ21の駆動により駆動軸22を回転させ、その回転力を、駆動スプロケツト23、伝動チェーン25、受動スプロケツト24、縦軸13を介してスプロケツトホイール14に伝達してローラチェーン11を回動させることにより、このローラチェーン11に連結しかつフレーム体100側に支持案内される移動部材32を介して行っている。
その際に移動部材32の左右方向の振れやずれは、前後一対のガイドローラ33を左右ガイド面102により案内することで規制し得、また浮き上がりは、被受けローラ35や案内ローラ39を受けガイド面101により受け止めて案内することで阻止し得、そして下降は、被支持ローラ36を支持ガイド面103により支持して案内することで阻止し得る。
したがって仕分けコンベヤ31群を、ローラチェーン11に片持ち状に取り付けた構成、すなわち片側にのみ駆動、支持構成を配設した簡単でかつメンテナンス性のよい構成でありながら、フレーム体100に支持案内されての仕分けコンベヤ31群の移動は常に安定して行えることになる。なお、移動している仕分けコンベヤ31群は、通常、横桟59A,59B群を両ローラ体52A,52B、57A,57Bの上下に振り分けて同時に位置させている。
またフレーム体100に支持案内されて、仕分けコンベヤ31が突き合わせ部分111に移動してきたとき、図1仮想線イに示すように上手の受けガイド面101に案内されている被受けローラ35は、図1実線に示すように、円弧状下向き面114に乗り移って案内されることで受けガイド面101に対して下方へ離間し、これと同時に、図1仮想線イに示すように上手の支持ガイド面103に案内されている被支持ローラ36は、図1実線に示すように、円弧状上向き面117に乗り移って案内されることで支持ガイド面103に対して上方へ離間することになる。
そして仕分けコンベヤ31が更に移動することで、図1実線に示すように、円弧状下向き面114に案内されている被受けローラ35は、図1仮想線ロに示すように、下手の受けガイド面101へと案内され、これと同時に、図1実線に示すように円弧状上向き面117に案内されている被支持ローラ36は、図1仮想線ロに示すように、下手の支持ガイド面103に案内されることになる。
これにより仕分けコンベヤ31は、図1実線や図10に示すように、受け側連結部材112と支持側連結部材115とにより支持案内された状態で突き合わせ部分111を通過する(乗り越える)ことになる。したがって、製作精度や組み付け精度(連結精度)によって、突き合わせ部分111に段差が生じていたとしても、被受けローラ35や被支持ローラ36などは段差の部分を直接に転動することがなく、以て段差による騒音を発生することもなく、さらには被受けローラ35や被支持ローラ36などが段差によって磨耗することもない。
しかも、受け側連結部材112と支持側連結部材115とを設けるだけで、突き合わせ部分111を特殊な接続構造にすることもないことから、製作精度や組み付け精度(連結精度)を気にすることもなく、突き合わせ部分111の段差を簡単かつ安価に解消し得ることになる。
このような移動状態において、仕分けようとする書籍Aを、受け取り部75から供給手段71の受け取り側コンベヤ72上に載せる。そして、この受け取り側コンベヤ72から中間コンベヤ73への搬送中において、バーコードリーダ77によって書籍Aのバーコードを読み取り、以て読み取り信号を制御部に入力する。この書籍Aを、投入側コンベヤ74から、投入部76の下方に位置している仕分けコンベヤ31に投入させる。
このとき仕分けコンベヤ31では、図4実線、図7、図12(a)に示すように、被ガイドローラ61を上位水平状部8bにより案内していることで、その無端ベルト58A,58Bは水平状となっている。したがって書籍Aの投入は、水平状の無端ベルト58A,58Bに対して容易に確実に行える。その際に書籍Aの投入は、左右一対の無端ベルト58A,58Bに対して、いずれの無端ベルト58A,58Bかを選択して行い、以て左右の収納部93のいずれに収納させるかを決定している。
上述したようにして、無端ベルト58A,58B上に書籍Aを支持している仕分けコンベヤ31は、投入部76から受け入れ部91群側へと移動し得る。この移動の際に、図12(b)に示すように、被ガイドローラ61を上位水平状部8bから下降部8cへと案内することになり、以て仕分けコンベヤ31、すなわち無端ベルト58A,58Bを、その後端の供給側が下位となるように支持軸軸心34aの周りに傾斜(回動)させる。
そして被ガイドローラ61を下降部8cから下位水平状部8dへと案内することで、図4仮想線、図5、図12(b)に示すように、無端ベルト58A,58Bを大きく傾斜(傾斜角は45°位)し得る。この傾斜によって、書籍Aは無端ベルト58A,58Bの上を滑動し、後端の供給側に位置している横桟59A,59Bに当接する。これにより、無端ベルト58A,58B上に向きなどが不揃いで投入されていた書籍Aの支持姿勢を自動的に揃え得る。
このようにして書籍Aの支持姿勢を揃えたのち、図12(c)に示すように、被ガイドローラ61を下位水平状部8dから終端上昇部8eへと案内することになり、以て無端ベルト58A,58Bを、その後端の供給側を上昇させるように支持軸軸心34aの周りに傾斜(回動)させる。そして、被ガイドローラ61を終端上昇部8eから規制ガイド面104へと案内することで、図5、図6、図9、図12(d)に示すように、無端ベルト58A,58Bを小さい傾斜(傾斜角は20°位)に戻すことになる。
このように、無端ベルト58A,58Bを小さい傾斜とした仕分けコンベヤ31群を、受け入れ部91群の上方で移動させる。そして仕分けコンベヤ31が目的とする受け入れ部91に到達する前に、この仕分けコンベヤ31側の被検知部65を検知手段95が検知することになり、その検知信号が入れられた制御部からの指示によって、この受け入れ部91に対応した回動力付与手段81A,81Bを作動させる。その際に回動力付与手段81A,81Bは、いずれか一方のみを、または両方を作動させる。
すなわち、シリンダー装置83A,83Bの伸展動によって上位昇降体85A,85Bを下降させ、4連リンク機構86A,86Bを介して下位昇降体87A,87Bを下降させることで、摩擦レール体89A,89Bを下位に位置させる。すると、移動してきた仕分けコンベヤ31の摩擦輪体62A,62Bが摩擦レール体89A,89Bの下へ入り込み、その摩擦層62a,62bが摩擦レール体89A,89Bの摩擦層89a,89b上を転動することになる。これにより、大きな摩擦抵抗によって摩擦輪体62A,62Bを確実に回転し得る。
その際に、摩擦輪体62Aを取り付けた筒軸体54を介して、一方の前部ローラ体52Aを強制回転し得る。この前部ローラ体52Aの強制回転によって、前部ローラ体52Aの遊転を伴いながら、無端ベルト58Aを、その上位部分が傾斜下位へ向うようにかつ搬送経路30に沿った方向に回動し得、以て図9、図12(d)に示すように、無端ベルト58Aにより支持していた書籍Aを送り出して、目的とする収納箱92に投入させる。
また、摩擦輪体62Bを取り付けた前部輪体軸50を介して、他方の前部ローラ体52Bを強制回転し得る。この前部ローラ体52Bの強制回転によって、前部ローラ体52Bの遊転を伴いながら、無端ベルト58Bを、その上位部分が傾斜下位へ向うようにかつ搬送経路30に沿った方向に回動し得、以て図9、図12(d)に示すように、無端ベルト58Bにより支持していた書籍Aを送り出して、目的とする収納箱92に投入させる。
ここで回動力付与手段81A,81Bは、前述したように制御部からの指示によって、いずれか一方のみを、または両方を作動させるものであり、したがって両方を作動させたとき、両無端ベルト58A,58Bを搬送経路30に沿った方向に回動し得、以て両無端ベルト58A,58Bにより支持していたそれぞれの書籍Aを送り出して、目的とする収納箱92の対応した収納部93に投入させる。
また制御部からの指示によって、いずれか一方の回動力付与手段81A,81Bを作動させたとき、いずれか一方の無端ベルト58A,58Bを搬送経路30に沿った方向に回動し得、以ていずれか一方の無端ベルト58A,58Bにより支持していた書籍Aのみを送り出して、目的とする収納箱92の対応した収納部93に投入させる。
このようにして、書籍Aを目的とする収納箱92の対応した収納部93に投入させる際に、前述したように、無端ベルト58A,58B上の書籍Aは向きなどを揃えていることで、書籍Aの向きを一定状として送り出し得、しかも無端ベルト58A,58Bからの書籍Aのベルト離れも、最初から最後まで均一状にし得ることから、収納箱92の対応した収納部93に好適に仕分け得る。
また上述したように、無端ベルト58A,58Bを傾斜させた状態で、この無端ベルト58A,58Bを回動させて書籍Aを送り出すことにより、仕分けコンベヤ31群の下方、すなわち搬送経路30の下方に受け入れ部91群を配設し得ることになって、省スペース化を可能にし得るとともに、収納箱92の収納部93に対して直接に仕分け投入することが可能になって、別途に滑り台(滑り板)を設ける形式に比べて平面スペースを少なくし得、レイアウト構成も容易に行える。
前述した摩擦輪体62A,62Bの摩擦レール体89A,89Bの下への入り込みは、コイルスプリング90A,90Bに抗して摩擦レール体89A,89Bを少し上昇させながら行うことになり、以て摩擦層62a,62bが摩擦層89a,89bに対して弾性的に圧接状となって、摩擦輪体62A,62Bの回転は移動量に見合って確実に行えることになる。
これにより無端ベルト58A,58Bの回動は、両ローラ体52A,52B、57A,57Bの上方に位置していた一対の横桟59A,59Bを両ローラ体52A,52B、57A,57Bの下方に位置させ、そして両ローラ体52A,52B、57A,57Bの下方に位置していた一対の横桟59A,59Bを両ローラ体52A,52B、57A,57Bの上方に位置させるように、半回転分を確実に行える。
前述したように、無端ベルト58A,58Bの回動による書籍Aの送り出し作用が終了した時点で、回動力付与手段81A,81Bを逆作動させ、以て摩擦レール体89A,89Bなどを非作用位置へと上昇動させる。なお、引き続いて搬送してきた書籍Aを同じ収納箱92に送り出すときには、摩擦レール体89A,89Bなどを非作用位置へと上昇動させることなく、下降した作用位置において待機させておいてもよい。
なお、収納箱92に対する書籍Aの収納、受け入れ部91に対する収納箱92の出し入れなどは、この収納箱92の外形が鉛直状であるため、取り扱いを容易にして行える。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2を図13に基づいて説明する。
この実施の形態2においては、受けガイド面形成部100aの外側間に渡って、円弧状下向き面が形成されていない受け側連結部材112Aが設けられている。したがって突き合わせ部分111では、被支持ローラ36が、上手の支持ガイド面103から円弧状上向き面117へ案内されたのち、円弧状上向き面117から下手の支持ガイド面103へと案内されて通過するが、被受けローラ35は、上手の受けガイド面101から下手の受けガイド面101へと案内されて通過するように構成されている。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3を図14に基づいて説明する。
この実施の形態3においては、支持ガイド面形成部100bの外側間に渡って、円弧状上向き面が形成されていない支持側連結部材115Aが設けられている。したがって突き合わせ部分111では、被受けローラ35が、上手の受けガイド面101から円弧状下向き面114へ案内されたのち、円弧状下向き面114から下手の受けガイド面101へと案内されて通過するが、被支持ローラ36は、上手の支持ガイド面103から下手の支持ガイド面103へと案内されて通過するように構成されている。
上記した実施の形態では、連結を兼用する部材、すなわち、受け側連結部材112によって円弧状下向き面114を形成し、支持側連結部材115によって円弧状上向き面117を形成しているが、これら円弧状下向き面114や円弧状上向き面117を、連結を兼用しない別の部材に形成したものであってもよい。
上記した実施の形態1では、無端ベルト58A,58Bなどが左右一対(2個)に設けられた形式が採用されているが、これは無端ベルトなどが1個のみ設けられた形式であってもよく、この場合には1つの位置に回動力付与手段が配設される。さらには、無端ベルトなどが2個以上に設けられる構成であってもよく、この場合には中間位置に回動力付与手段が配設される。
上記した実施の形態1では、被仕分け物として書籍Aが示されているが、これは他の物品、荷などであってもよい。そして被仕分け物の種類によっては、受け入れ部91の形状は異なるものとなる。
上記した実施の形態1では、無端回動体として無端ベルト58A,58Bが採用されているが、これは多数条のチェーン、ローラチェーン、スラットコンベヤなど、種々な形式を採用し得る。
上記した実施の形態1では、前部ローラ体(前部輪体)52A,52B側に摩擦輪体(受動輪体)62A,62Bが設けられた形式が採用されているが、これは後部ローラ体(後部輪体)57A,57B側に摩擦輪体62A,62Bが設けられた形式などであってもよい。
上記した実施の形態1では、回動力付与手段81A,81Bとして、摩擦輪体(受動輪体)62A,62Bに対して摩擦レール体89A,89Bが当接離間自在な形式が示されているが、これは、ピニオン(受動輪体)に対してラック体が噛合自在な形式、摩擦層62a,62b、89a,89bを採用せず、ローラ(受動輪体)に対してレール体が当接離間自在な形式などであってもよい。
上記した実施の形態1では、仕分けコンベヤ31の無端ベルト58A,58Bを、その後端の供給側が下位となるように支持軸軸心34aの周りに傾斜させているが、これは前端の供給側が下位となるように支持軸軸心34aの周りに傾斜させる形式などであってもよい。この場合に回動力付与手段81A,81Bとしては、摩擦輪体62A,62Bに対して摩擦レール体89A,89Bが下方から当接離間自在に構成される。
上記した実施の形態1では、受け入れ部91群が搬送経路30の下方に配設されているが、これは無端ベルト58A,58Bにより送り出した書籍Aをシュートやコンベヤにより側方ヘ取り出したのち、収納箱92に投入させる形式などであってもよい。